JP2005154729A - 成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体及びその成形体 - Google Patents

成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体及びその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面平滑性に優れるとともに圧縮強度等の剛性が高く、熱成形時の加熱温度範囲が広く成形性に優れた成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体を提供する。
【解決手段】見掛け密度15g/L〜460g/L、厚み1〜10mm、連続気泡率40%以下の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体であって、該発泡体の示差走査熱量測定により得られるDSC曲線における40℃〜112℃の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:A(J/g)と、112℃以上の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)が、(a)式の関係を満足し、押出方向の平均気泡径:X(mm)及び幅方向の平均気泡径:Y(mm)が、各々0.5〜1.5mmであり、且つX、Y及び厚み方向の平均気泡径:Z(mm)とが、(b)、(c)式を満足する。2.5≦A/B≦7(a)、0.6≦Z/X≦1.1(b)、0.6≦Z/Y≦1.1(c)
【選択図】 なし

Description

本発明は、成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体及びその成形体に関する。
ポリエチレン系樹脂発泡体は、緩衝材、断熱材、包装材等の各種用途に広く用いられている。ポリエチレン系樹脂発泡体としては、電子線照射等により架橋し、その後、化学発泡剤を用いて発泡する架橋ポリエチレン系樹脂発泡体と、無架橋で物理発泡剤を用いて押出法により得られる無架橋ポリエチレン発泡体とが市場に提供されている。架橋ポリエチレン発泡体は、耐熱性、熱成形性などの優れた特性を有することから、果菜用容器(トレー状)、車両の内装材、工業用断熱材、スポーツ用品等に広く利用されている。しかしながら、架橋のため余分な工程を必要とするためコストが高いことや架橋された発泡体は、元の樹脂に戻して回収利用することが出来ないため、今後のリサイクル社会には適さないものであった。一方、押出法による無架橋ポリエチレン系樹脂発泡体には、発泡性に優れた高圧法低密度ポリエチレンが実用化されているが、ポリエチレンの中でも高密度ポリエチレンと比較すると分岐状低密度ポリエチレンは剛性、耐熱性に劣るという欠点があり軟包装の用途にしか用いられなかった。また、分岐状低密度ポリエチレンからなる無架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、熱成形する際、急激な粘度変化により熱成形する範囲が非常に狭い範囲であった。このような問題を解決するために、異なるポリエチレンを混合して用いることが提案されている(特許文献1、特許文献2)
特開平6−184346号公報 特開昭60−222222号公報
特許文献1には、二種以上の融点の異なるポリエチレンを使用して表面平滑で耐熱性、熱成形性を改良した無架橋ポリエチレン系樹脂高発泡シートを得る方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載されている発泡シートは、一旦ポリエチレンの非発泡シートを作成し、これに発泡剤を含浸させて加熱発泡させるという煩雑な製造工程を必要とし、押出発泡法に比べると工程が煩雑で生産効率が悪いという問題があった。また特許文献2には、直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとを特別な割合で混合して用いてポリエチレン押出発泡体を得る方法が記載されている。この特許文献2に記載の方法では、熱成形用に適した厚物の発泡シートを得ようとすると、シートの収縮や発泡倍率低下が起こるため、実際に製品となり得る物としては、厚みが1mm未満の薄い発泡シートしか得られないという問題があった。また得られた発泡シートは、気泡径が小さく、連続気泡率が40%を超えるものであった。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、無架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の吸熱曲線ピークの熱量(以下、単に「吸熱ピーク」ともいう)及び気泡構造が特定の関係式を満足するようにすることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)ポリエチレン系樹脂組成物に発泡剤を含有せしめた溶融発泡性樹脂組成物を押出発泡してなる、見掛け密度15g/L〜460g/L、厚み1〜10mm、連続気泡率40%以下の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体であって、該発泡体の示差走査熱量測定により得られるDSC曲線における40℃〜112℃の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:A(J/g)と、112℃以上の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)が、下記の(a)式の関係を満足するとともに、押出方向の平均気泡径:X(mm)及び幅方向の平均気泡径:Y(mm)が、各々0.5〜1.5mmであり、且つ押出方向の平均気泡径:X(mm)、幅方向の平均気泡径:Y(mm)及び厚み方向の平均気泡径:Z(mm)との間に、(b)、(c)式を満足する関係を有することを特徴とする成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体、
2.5≦A/B≦7 (a)
0.6≦Z/X≦1.1 (b)
0.6≦Z/Y≦1.1 (c)
(2)ポリエチレン系樹脂組成物が分岐状低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとを含む混合物である上記(1)記載の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体、(3)DSC曲線において112℃以上の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)が、10〜35J/gである上記(1)または(2)記載の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体、
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体を熱成形してなる成形体、
を要旨とするものである。
本発明の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体は、汎用のポリエチレン系樹脂を用いていながら、表面平滑性に優れるとともに剛性が高く圧縮強度等の物性が良好であり、成形可能な温度範囲が広いため熱成形性に優れている。また本発明の発泡体は架橋の必要がないため、コストや生産効率に優れるとともにリサイクル性も優れる等の効果を有する。
図1は本発明の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体の熱流束示差走査熱量測定によって得られたDSC曲線を示す。このDSC曲線は、発泡体から切り出した試料約3mgをJIS K7122(1987年)に準拠して、熱流束示差走査熱量計により加熱速度10℃/分で200℃まで加熱し、200℃から冷却速度10℃/分で30℃までさげて熱処理を行った後、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで加熱して得られたDSC曲線により得ることができる。なお、2回目の昇温で得られたDSC曲線を採用した理由は、熱履歴の影響を受けずに成形性に有利な原料組成が分かるためである。
本発明の発泡体はDSC曲線における40〜112℃の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:A(J/g)と、112℃以上の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)との間に下記(a)式で示す関係が成立する。
2.5≦A/B≦7 (a)
なお、本明細書において、熱流束示差走査熱量測定のDSC曲線における40〜112℃の温度範囲にある吸熱ピークの熱量:A(J/g)と、112℃以上の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)は、図1に示すように、該DSC曲線の吸熱曲線ピークの低温側のベースラインから吸熱曲線ピークが離れる点を点dとし、吸熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点eとして、点dと点eとを結ぶ直線mと、DSC曲線に囲まれる部分であって、40〜112℃の温度範囲の部分の面積から求められる値をA(J/g)とし、点dと点eとを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれた部分であって、112℃以上の温度範囲の部分の面積から求められる値をB(J/g)とする。また、ベースラインはできるだけ直線になるように装置を調節することとし、どうしてもベースラインが湾曲してしまう場合は、例えば、図2に示すように吸熱ピークの低温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持するように高温側へ延長線xを引き、この作図した延長線xを含む低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点d、吸熱ピークの高温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持するように低温側へ延長線yを引き、この作図した延長線yを含む高温側ベースラインへ吸熱ピークが戻る点を点eとする。
上記熱量A、Bは図1に示すように、それぞれ斜線を付した部分の面積に相当する。発泡体のDSC曲線における吸熱ピークの熱量の比:A/Bが2.5未満となるような場合、発泡体の見掛け密度、厚み、連続気泡率、平均気泡径、気泡形状等を後述する所定の範囲とすることが困難となり、外観、圧縮強度等の剛性に劣る発泡体となる。A/Bが2.5未満となる場合のDSC曲線としては、例えば、図3に示したDSC曲線が挙げられる。また、A/Bが7を超えるような発泡体の場合、圧縮強度等の剛性が低下し、さらに発泡体を熱成形する際に成形可能な温度範囲が狭くなる虞がある。上記観点からA/Bの好ましい範囲は、2.5〜6であり、より好ましい範囲は2.5〜5である。
発泡体の熱成形性、圧縮強度等の剛性をより優れたものとするために、DSC曲線における112℃以上の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)は10〜35J/gが好ましく、15〜30J/gがより好ましい。熱量:B(J/g)が10J/g未満の場合、熱成形する際に発泡体が破れ易くなる等、成形性が悪くなる虞がある。また35J/gを超える場合には連続気泡率が高くなって圧縮強度等の剛性が低下する虞がある。
本発明の発泡体を構成するポリエチレン系樹脂組成物は、熱流束示差走査熱量測定にて得られたDSC曲線の112℃未満に1つ以上、112℃以上に1つ以上の合わせて2つ以上の吸熱ピークがあることが、発泡体を熱成形する際の成形可能な温度範囲を広くすることと、熱成形してなる成形体に耐熱性を向上させる観点から好ましい。
具体的には、図1に示すように2つ以上の吸熱曲線ピークがある場合、吸熱曲線ピークの頂点Sの温度と吸熱曲線ピークの頂点Tの温度との差が6〜18℃が好ましく、8〜15℃がより好ましい。このようにすると発泡体を熱成形する際の成形可能な温度範囲が広く、発泡体の成形性を更に良好とすることができる。図3は、吸熱曲線ピークの頂点Sの温度と吸熱曲線ピークの頂点Tの温度との差が18℃を超える例を示している。このように頂点Sの温度と頂点Tの温度の差が18℃を超える発泡体は、熱成形する際、軟化しない部分があることにより破れが発生する虞れがある。なお、吸熱曲線ピークが2つ以上現れる場合は、112℃未満での面積の大きな吸熱曲線ピークの頂点をSとし、112℃以上での面積の大きな吸熱曲線ピークの頂点をTとする。
前記したA/Bの値が2.5〜7を示す吸熱曲線ピークの発泡体は、触媒技術によりポリエチレン系樹脂中に超高分子のポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン成分を偏在させることなく分散させた単一成分のポリエチレン系樹脂を用いたり、2つ以上のポリエチレン系樹脂を混合した二成分のポリエチレン系樹脂を用いて得ることができる。これらのうち所望する吸熱曲線ピークのものが得られ易い、二成分のポリエチレン系樹脂について以下に説明する。二成分のポリエチレン系樹脂としては、融点の異なる2以上のポリエチレン系樹脂の組み合わせが挙げれる。両樹脂の融点の差として、6〜18℃が好ましく、8〜15℃がより好ましい。
本明細書において、ポリエチレン系樹脂の融点は、以下の方法で測定した値を採用する。
JIS K7121(1987年)に準拠する方法により測定し、原料ペレットの試料を2〜4mg採取し、熱流速示差走査熱量計を用いて、加熱速度10℃/分で室温23℃から200℃まで昇温させ、その後40℃まで10℃/分の冷却速度で降温させた後、再度、加熱速度10℃/分にて昇温することにより得られたDSC曲線から吸熱曲線ピークの頂点の温度を融点とする。尚、吸熱曲線ピークが2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな吸熱曲線ピークの頂点の温度を融点とする。但し、最も面積の大きな吸熱曲線ピークが複数存在する場合は、それらの吸熱曲線ピークのうち最も高温側の吸熱曲線ピークの頂点の温度を融点とする。
上記吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)は、112℃以上、130℃以下の温度範囲内の吸熱曲線ピークの熱量に相当することが好ましい。熱量Bの値中に130℃以上の高温側の吸熱ピークの熱量の割合が多いと発泡倍率の低下や連続気泡率の上昇を招く虞がある。またDSC曲線における112℃未満の吸熱ピークは、通常、40℃〜112℃の温度範囲内に存在するが、40℃未満にも吸熱ピークが存在し、その40℃以下の吸熱曲線ピークの熱量の割合が多い場合にも発泡倍率の低下や連続気泡率の上昇を招く。従って、吸熱曲線ピークは、40℃〜112℃の温度範囲内である。112℃以上130℃以下の温度範囲内にある吸熱曲線ピークの熱量をB’(J/g)とすると、B’(J/g)は、10〜35J/gが好ましく、15〜30J/gがより好ましい。また、A/B’の好ましい範囲は、2.5〜6であり、より好ましい範囲は2.5〜5である。
吸熱ピークの熱量:A(J/g)と熱量:B(J/g)とが上記(a)式で示される関係を満たす発泡体とするには、発泡体を構成するポリエチレン系樹脂組成物が以下の主ポリエチレンと副ポリエチレンとの混合物であることが好ましい。具体的には、主ポリエチレンが分岐状低密度ポリエチレンで、副ポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び直鎖状超低密度ポリエチレンから選択される一種または2種以上の混合物であることが好ましく、副ポリエチレンとしては直鎖状低密度ポリエチレンを含むことがより好ましく、特に直鎖状低密度ポリエチレンのみを用いることが好ましい。特に、分岐状低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとを含む混合物であると、熱成形する際、発泡体が破れ難く、熱成形する温度範囲が広い発泡体となるので好ましい。なお、本明細書でいう分岐状低密度ポリエチレンとは、高圧法で得られる分岐状低密度ポリエチレンであり、短鎖分布として炭素1000個あたり、10〜30個の短鎖分岐を有し、かつ長鎖分岐を有するものである。その長鎖分岐は主鎖に相当する鎖長の長鎖分岐であることが好ましい。本明細書でいう直鎖状低密度ポリエチレンとは、中高圧法で得られるエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体からなる直鎖状の低密度ポリエチレンである。通常は、短鎖分布として炭素1000個あたり、3〜25個の短鎖分岐を有するが、長鎖分岐は有しないものである。前記短鎖分岐は、1〜6個の炭素の鎖長さであり、前記長鎖分岐は、少なくとも20個の炭素の鎖長さである。通常、直鎖状低密度ポリエチレンにはエチレンから得られる構造単位が99.9〜90モル%および炭素数3〜10のα−オレフィンから得られる構造単位が0.1〜10モル%存在する。
これらを重量比で、主ポリエチレン:副ポリエチレン=60:40〜85:15の割合で
配合した樹脂を基材樹脂として用いることが好ましい。
なお、A/B’の好ましい範囲2.5〜7とするには、重量比で、主ポリエチレン:副ポリエチレン=60:40〜85:15の割合で配合した樹脂を基材樹脂として用いることが好ましい。
また、副ポリエチレンに直鎖状低密度ポリエチレンを含む場合、熱成形する際、発泡体が破れ難くなる観点から副ポリエチレン中の直鎖状低密度ポリエチレンの割合を50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましい。特に70重量%以上であることが好ましい。
前記主ポリエチレンとしての分岐状低密度ポリエチレンは、高圧法により製造されたものである。
また、前記副ポリエチレンとしての直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレンは、中低圧法により製造されたものである。
上記主ポリエチレンに用いる分岐状低密度ポリエチレンとしては、密度910g/Lを超え、930g/L以下のものが好ましい。
一方、副ポリエチレンに用いる直鎖状低密度ポリエチレンとしては、密度915g/L〜940g/L、融点120〜130℃のものが好ましい。また、高密度ポリエチレンとしては、密度930g/Lを超え、970g/L以下のものが好ましく、超低密度ポリエチレンとしては、密度885g/L以上、910g/L以下のものが好ましい。
本発明の発泡体においては、発泡体を構成するポリエチレン系樹脂組成物は190℃における溶融張力(MT)が20〜400mNであることが好ましい。該溶融張力(MT)が20mN未満の場合は、発泡性が低下するので軽量な発泡体が得られ難い。一方、該溶融張力(MT)が400mNを超えると、押出発泡する際にダイ圧の上昇による発熱により連続気泡化しやすいことから剛性に優れた発泡体が得られ難い。軽量な発泡体とする観点から、該溶融張力(MT)は、30mN以上であることがより好ましく、40mN以上であることが更に好ましい。ダイ内での発熱を抑制し、より剛性に優れた発泡体とするには、該溶融張力(MT)は300mN以下であることがより好ましく、200mN以下であることが更に好ましい。
尚、前記溶融張力は、発泡体表面等に樹脂層がある場合は樹脂層を取り除いて、切取られた発泡体を加熱プレス、冷却プレスで脱泡し調整した非発泡樹脂を用いて測定される。この場合の溶融張力(MT)は、発泡体を得るために用いた基材樹脂の溶融張力よりも若干大きい値として得られることがあるが基材樹脂の値と実質的にほぼ同一である。
前記190℃における溶融張力(MT)は、例えば、株式会社東洋精機製作所製のメルトテンションテスターII型等によって測定することができる。具体的には、オリフィス口径2.095mm、長さ8mmのノズルを有するメルトテンションテスターを用い、上記ノズルから樹脂温度190℃、押出のピストン速度10mm/分の条件で樹脂を紐状に押出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛けた後、5rpm/秒(紐状物の捲取り加速度:1.3×10-2m/sec2)程度の割合で捲取り速度を徐々に増加させていきながら直径50mmの捲取りローラーで捲取る。この巻き取りを捲取り速度100(rpm)で行い、張力検出用プーリーと連結する検出機により検出される紐状物の溶融張力(MTt)を経時的に測定し、縦軸にMTt(mN)を、横軸に時間(秒)を取ったチャートに現すと、振幅をもったグラフが得られる。このグラフの振幅の安定した部分の振幅の中央値(X)を、本明細書において溶融張力(MT)として採用する。尚、まれに発生する特異的な振幅は無視するものとする。
但し、張力検出用プーリーに掛けた紐状物が捲取り速度100(rpm)までに切れる場合は、紐状物が切れたときの捲取り速度をR(rpm)を求める。次いでR×0.7(rpm)の一定の捲取り速度において、前述と同様にして得られるグラフより、中央値(X)を溶融張力(MT)として採用する。
本発明の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体は、押出方向の平均気泡径:X(mm)及び幅方向の平均気泡径:Y(mm)が、各々0.5〜1.5mmである。押出方向の平均気泡径、幅方向の平均気泡径のいずれか一方でも0.5mm未満である場合には、コルゲートや厚みむらの大きな発泡体となる。また圧縮強度等の剛性も低下する。上記観点から0.6mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましく、特に0.9mm以上が好ましい。一方、押出方向の平均気泡径、幅方向の平均気泡径のいずれか一方でも1.5mmを超えると、発泡体の外観やこの発泡体を熱成形して得た成形体の外観が低下する。上記観点から押出方向及び幅方向の平均気泡径は、1.4mm以下が好ましく、1.35mm以下がより好ましく、特に1.3mm以下が好ましい。
本発明の発泡体において、押出方向の平均気泡径:X(mm)、幅方向の平均気泡径:Y(mm)及び厚み方向の平均気泡径:Z(mm)との間には、
0.6≦Z/X≦1.1 (b)
0.6≦Z/Y≦1.1 (c)
で示す関係が成り立つ。Z/X、Z/Yの値が上記(b)、(c)式で示す範囲であれば、発泡体は圧縮強度に優れ、熱成形時の発泡体の伸展性が良好であるが、Z/X、Z/Yの値が1.0に近いほど、即ち気泡形状が球形に近いほど発泡体の圧縮強度が良好となり、熱成形時の発泡体の伸展性も良好となる。Z/Y、Z/Yの値が0.6未満の場合、熱成形する際、発泡体の伸びが悪く、亀裂が入りやすい等の成形性が悪化する。上記観点からZ/Y、Z/Yの範囲は、0.7以上が好ましく、0.8以上がより好ましい。一方、1.1を超える場合、コルゲートと呼ばれる厚みむらがあり外観が悪く、熱成形する際、厚みが薄い箇所から亀裂が入りやすい等の成形性が悪化する。上記観点からZ/Y、Z/Yの範囲は、1.05以下が好ましく、1.0以下がより好ましい。
上記押出方向の平均気泡径、幅方向の平均気泡径、厚み方向の平均気泡径は、それぞれ以下のようにして測定したものである。
幅方向の平均気泡径:発泡体の押出方向に対して直交する垂直断面の中央部付近に幅方向に長さ30mmの線分を引き、この線分上にある気泡の数を測定し、線分の長さを気泡数で割った値を幅方向の平均気泡径:X(mm)として採用する。
押出方向の平均気泡径:発泡体の幅方向中央部を、押出方向に沿って垂直に切断し、その断面の中央部付近に押出方向に長さ30mmの線分を引き、この線分上にある気泡の数を測定し、線分の長さを気泡数で割った値を押出方向の平均気泡径:Y(mm)として採用する。
厚み方向の平均気泡径:切り取った発泡体試験片の幅方向中央部を、押出方向に沿って垂直に切断し、その試験片断面における中央部付近に発泡体の全厚みに線分を引き、この線分上にある気泡の数を測定し、線分の長さを気泡数で割った値を厚み方向の平均気泡径:Z(mm)として採用する。
なお、これらの線分の始点は気泡壁の外側の端から引くこととする。
本発明の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体は、見掛け密度15g/L〜460g/Lの発泡体である。
発泡体の見掛け密度が15g/L未満の場合、吸熱曲線ピークの熱量の比:A/Bや、平均気泡径、気泡形状等が前記した範囲を満たしていても圧縮強度等の剛性が不十分となる虞がある。上記観点から18g/L以上が好ましく、23g/L以上がより好ましい。一方、460g/Lを超えると、緩衝性、断熱性等が不十分となる。上記観点から発泡体の密度は300g/L以下が好ましく、230g/L以下がより好ましく、150g/L以下がさらに好ましい。特に桃、トマト、梨等の果菜物の表面に傷を付けにくく観点から23〜100g/Lが好ましい。
なお、発泡体の見掛け密度は、次のように行なった。
後述する方法により、発泡体の厚みを測定し、更に発泡体の坪量を測定する。
発泡体の坪量は、縦250mm×横250mm×シート状発泡体の厚みの試験片を切り出し試験片の重量(g)を測定してその値を16倍にして、1m2当たりの重量に換算した値(g/m2)を採用する。
発泡体の見掛け密度は、前記のようにして求めた発泡体の坪量(g/m2)を、発泡体の厚み(mm)で除した値を単位換算(g/L)して求めた値を採用する。
本発明の発泡体は厚み1〜10mmを有する。発泡体の厚みが1mm未満であると、特に容器等の成形体を成形した際、成形体の肉厚が不十分となり、緩衝性が低下するとともに成形体の保型性が不十分となり、製品を収納した際に成形体が型くずれする等の問題を生じる。また厚みが10mmを超える場合には発泡体の肉厚が不均一となり外観も悪化し、成形する際に内部まで均一に加熱することが困難となるため成形性が悪くなる。発泡体の厚みは1.5〜8mmが好ましいが、より好ましくは1.5〜6mmである。
尚、本明細書でいう発泡体の厚みは、後述するように少なくとも片面にポリエチレン系樹脂層を有する場合があるが、その場合には上記厚みは樹脂層を含まない厚みをいう。発泡体の厚みは次のようにして測定する。
まず、発泡体を押出方向に直行する方向に垂直に切断し、該切断面の厚みを顕微鏡により等間隔に幅方向に10点撮影を行い、撮影した各点における発泡体の厚みを測定し、得られた値の算術平均値を発泡体の厚みとする。また、発泡体の少なくとも片面にポリエチレン系樹脂層を有する場合、上記のように撮影した各点において、それぞれ発泡体の厚みと樹脂層の厚みとを測定し、得られた測定値の算術平均値を発泡体の厚み、樹脂層の厚みとする。
更に本発明における発泡体は連続気泡率40%以下である。発泡体の連続気泡率が40%を超えると、熱量や平均気泡径、気泡形状等が前記した要件を満たしていても、圧縮強度等の剛性が低下し、緩衝性に優れ、厚みが薄くて剛性のある成形体が得られない虞があり、また、成形した際に金型通りの形状の成形体が得られなくなる。上記観点から発泡体の連続気泡率は30%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。最も好ましくは、0%である。
発泡体の連続気泡率:S(%)は、ASTM D2856−70に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定される発泡体の実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和):Vx(L)から、下記(1)式により算出される値である。
S(%)=(Va−Vx)×100/(Va−W/ρ) (1)
但し、上記(1)式中の、Va、W、ρは以下の通りである。
Va:測定に使用した発泡体試験片の外寸法から計算される見掛け容積(L)
W :試験片の重量(g)
ρ :試験片を構成する樹脂の密度(g/L)
尚、試験片を構成する樹脂の密度ρ(g/L)及び試験片の重量W(g)は、発泡体試験片を加熱プレスにより気泡を脱泡させてから冷却する操作を行い、得られた試験片から求めることができる。後述する少なくとも片面に樹脂層がある場合も、上記した方法と同様に測定することができる。
本明細書でいう無架橋とは、沸騰キシレン不溶分が5重量%以下の場合をいうが、その不溶分の割合は、試験片の3重量%以下が好ましく、0重量%であることが最も好ましい。その不溶分の割合が少ないほど再利用し易い。沸騰キシレン不溶分は、精秤した発泡体試験片約1g(試験片重量をL(g)とする)を沸騰キシレン100g中に8時間浸漬した後、JIS Z8801(1996年)に規定されている網目74μmの金網で速やかに濾過し、金網上に残った不溶分の重量:M(g)を測定し、下記(2)により求める。
沸騰キシレン不溶分含有率:N(重量%)=(M÷L)×100 (2)
なお、発泡体を構成する樹脂も上記した同様の方法で測定される。
本発明の発泡体の少なくとも片面にポリエチレン系樹脂層を積層しても構わない。発泡体の少なくとも片面に5μm以上のポリエチレン系樹脂層を有していると、該樹脂層に機能性添加剤を少量添加することで発泡体全体に多量に添加しなくともその機能性添加剤の効果が高まるため好ましい。発泡体の少なくとも片面に設ける樹脂層の厚みは、発泡体の片面の端を持った際に垂れ下がりが少ない等の剛性をより高めるため、さらには熱成形した際、特に深絞りや収納凹部が多数ある容器を熱成形した場合、発泡体が破れにくくなることから10μm以上が好ましく、剛性が更に向上する点で15μm以上がより好ましい。この樹脂層の厚みが厚いほど剛性は高くなるが、厚くなりすぎると重量が増して軽量性が劣るものとなる虞れがあるため、樹脂層の厚みは150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。特に両面にポリエチレン系樹脂層を設ける場合は、厚みが80μm以下であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂層は、発泡体にポリエチレン系樹脂フィルムを積層する熱ラミネート、押出ラミネート、共押出等の公知の方法によって形成することができる。なお、樹脂層の厚みは、前述した発泡体の厚みの測定法と同じである。
上記樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等のエチレン系共重合体、さらにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂は、本発明の発泡体の目的及び効果を阻害しない範囲で、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、アイオノマーやエチレンプロピレンゴム等のエラストマー、ポリブテン等のブテン系樹脂を添加することができる。その場合の添加量は40重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましく、10重量%以下が特に好ましい。
前記したポリエチレン系樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂には、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤等の機能性添加剤、無機充填剤等の各種添加剤を含有していても良い。
本発明の発泡体において、少なくとも片面に樹脂層を有する場合、樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂に、帯電防止剤を含有させれば、該樹脂層が帯電防止性能を有することにより、埃がつかず、食品用及び機械部品用に好適な発泡体となる。
本発明の発泡体は、押出機の先端に取り付けられたTダイ、環状ダイなどにより得られる。中でも、比較的1000mm幅が容易に得られる観点から環状ダイが好ましい。
以下、環状ダイを用いた場合の発泡体の製造方法について説明する。
本発明の発泡体は、前述した該発泡体の示差走査熱量測定により得られるDSC曲線における40℃〜112℃の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:A(J/g)と、112℃以上の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)が、2.5≦A/B≦7の関係を満足するポリエチレン系樹脂組成物を用いることが好ましい。このようなポリエチレン系樹脂組成物は、触媒技術によりポリエチレン系樹脂中に超高分子のポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン成分を偏在させることなく分散させた単一成分のものや2つ以上のポリエチレン系樹脂を混合した二成分のものが挙げられる。前記した中でもA/Bの値を前記した範囲内とすることが容易にできることから二成分のものが好ましい。以下、二成分のものについて説明する。
例えば主ポリエチレンと副ポリエチレンとの混合物を押出機内で溶融して発泡剤と混練した後、発泡性溶融ポリエチレン系樹脂組成物を押出機内より、環状ダイを通して低圧域に押出して発泡させることにより得ることができる。
上記主ポリエチレンとしては、メルトフローレイト(以下、MFR)は0.1〜3g/10分が好ましく、0.2〜2g/10分がより好ましい。主ポリエチレンのMFRが0.1g/10分未満の場合、連続気泡化し易く、圧縮強度等の剛性も低下する虞がある。また、MFRが3g/10分を超える場合には、見掛け密度が低い発泡体が得られなくなる虞れがある。
一方、副ポリエチレンとしては、MFRが3〜30g/10分のものが好ましく、4〜20g/10分のものがより好ましく、4〜10g/10分のものが更に好ましい。副ポリエチレンのMFRが3g/10分未満の場合、発泡体の外観低下や、連続気泡化による圧縮強度等の剛性が低下する虞がある。また30g/10分を超える場合には発泡シートの耐熱性が低下し、熱成形の際にドローダウンが大きくなり成形性が悪くなる。
上記MFRは、JIS K7210(1976年)に準じて、190℃、荷重21.17Nで測定した値である。
前述したA/Bの関係を満足するポリエチレン系樹脂組成物を用いることとさらに、ダイの形状を発泡性溶融ポリエチレン系樹脂組成物の発熱を抑えることのできる形状とすることにより、特に連続気泡率の低い本発明の発泡体を得ることができる。環状ダイは、シャフトを支持する二次ブレーカー部を樹脂組成物が通過するときに樹脂組成物の流れを大きく遮らない形状とし、更に二次ブレーカー部の吐出量当たりの樹脂組成物流路の断面積を制御することが重要である。例えば、二次ブレーカー部における単位時間当たりの吐出量:P(kg/hr)と、二次ブレーカー部における樹脂組成物流路の断面積:Q(mm2)との間に下記(3)式が成り立つようにダイを設計する。
30≦Q/P≦120 (3)
Q/Pがかかる範囲であると樹脂組成物が二次ブレーカーを通過する際の発熱を十分に抑えることができ、発泡に適した圧力を保持することができる。これにより、密度、厚み、連続気泡率、平均気泡径、気泡形状等の調整が容易にでき、外観、機械的強度、熱成形性等に優れる発泡体となる。なお、二次ブレーカーの流路の断面積は入り口側、出口側ともに同じ断面積であることが発熱を抑える観点から好ましい。
上記したような樹脂組成物の発熱を抑えることできる形状のダイを用いるとともに、オイル温度調節等の手段により正確にダイの温度コントロールを行い、押出に当たって適正押出発泡温度まで発泡性樹脂組成物の温度を下げることも重要である。特に主ポリエチレンの適正押出発泡温度に調整することが好ましい。
上記適正押出温度とは、本発明における見掛け密度、連続気泡率の範囲内の発泡体が容易に得られる温度のことである。具体的な温度範囲は、主ポリエチレンの[結晶化温度+5℃]以上、[結晶化温度+30℃]以下であることが、発泡体の連続気泡率の向上や得られる発泡体の収縮を抑える観点から好ましい。その測定は押出機の先端とダイとの間における位置で温度計にて測定された値を採用することとする。
本明細書において、主ポリエチレンの結晶化温度は、JIS K7122(1987年)に準拠する方法により測定する。詳細は下記の通りである。原料ペレットの試料を2〜4mg採取し、示差走査熱量計を用いて、加熱速度10℃/分で室温23℃から200℃まで昇温させ、その後40℃まで10℃/分の冷却速度で降温させて測定を行なう。かかる40℃まで10℃/分の冷却速度で降温した際に得られた曲線を用いて、ピークの頂点の温度を結晶化温度とする。尚、発熱曲線ピーク(以下、単に「発熱ピーク」ともいう)が2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな発熱ピークの頂点の温度を結晶化温度とする。但し、最も面積の大きな発熱ピークが複数存在する場合は、それら中で最も高温側の発熱ピークの頂点を結晶化温度とする。
平均気泡径の調整方法としては、用いるポリエチレン系樹脂にもよるが例えば、ダイの圧力を上げることによって平均気泡径を小さくする方法、後述する気泡調整剤の添加量で調整する方法等が挙げられる。
また、Z/X、Z/Yの値は、用いるポリエチレン系樹脂にもよるが、吐出量や引き取り速度等によって調整することができる。例えば、押出方向に気泡を偏平状とする場合、具体的にはZ/Xの値が0.6≦Z/X<1.0とする場合には吐出量を減少させる、引き取り速度を上げる等の方法で調整できる。一方、押出方向に気泡をほぼ球状とする場合、具体的にはZ/Xの値が1.0≦Z/X≦1.1とする場合には吐出量を増加させる、引き取り速度を下げる等の方法で調整できる。
幅方向に偏平状な気泡とする場合、具体的にはZ/Yの値が0.6≦Z/Y<1.0とする場合には、発泡体が幅方向に広がるように押出する方法で調整でき、環状ダイスを用いる場合は、環状ダイの吐出口径と筒状の冷却装置であるマンドレルの直径との比(筒状の冷却装置であるマンドレルの直径/環状ダイの吐出口径)を上げる方法で調整できる。
一方、幅方向の気泡形状が略円形状の気泡とする場合、具体的にはZ/Yの値が1.0≦Z/Y≦1.1とする場合には、発泡体が幅方向に広がらないように押出する方法で調整でき、環状ダイスを用いる場合は、環状ダイの吐出口径と筒状の冷却装置であるマンドレルの直径との比を下げる方法で調整できる。さらに前記した吐出量を減少または増加させる、引き取り速度を下げるまたは上げる等方法を組み合わせて調整することができる。
発泡体の連続気泡率を40%以下に調整するには、前記したA/Bの範囲のポリエチレン系樹脂組成物を用いると共に、例えば、二次ブレーカー部における単位時間当たりの吐出量:P(kg/hr)と、二次ブレーカー部における樹脂組成物流路の断面積:Q(mm2)との間に前記した(3)式が成り立つようにすることや、気泡調整剤の量を後述する範囲内の添加量とすることや、発泡温度を主ポリエチレンの[結晶化温度+5℃]以上、[結晶化温度+30℃]以下とすることや、押出方向の平均気泡径及び幅方向の平均気泡径が、各々0.5〜1.5mmとなるようにすることや、上記主ポリエチレンのMFRを好ましくは、0.1〜3g/10分とし、より好ましくは、0.2〜2g/10分とすること等により調整できる。また副ポリエチレンのMFRを、好ましく、3〜30g/10分とし、より好ましくは、4〜20g/10分とし、更に好ましくは、4〜10g/10分とすること等により調整できる。
本発明の発泡体を得るための発泡剤としては、従来よりポリエチレン系樹脂発泡体の製造に用いられていると同様に、無機系物理発泡剤、有機系物理発泡剤、アゾジカルボンアミド等の分解型発泡剤を用いることができ、これら発泡剤は1種または2種以上を用いることができる。無機発泡剤としては例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、空気等が挙げられ、有機系物理発泡剤としては例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素、1,1,1,2,−テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン等のフッ化炭化水素等が挙げられる。これらのうち、特にポリエチレン系樹脂との相溶性、発泡性の良好なノルマルブタン、イソブタン、またはこれらの混合物を主成分とするものが好適である。
また、発泡性ポリエチレン系樹脂組成物中には気泡調整剤を添加することが好ましい。気泡調整剤としては有機系のもの、無機系のもののいずれも使用することができる。無機系気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また有機系気泡調整剤としては、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。またクエン酸と炭酸水素ナトリウム、クエン酸のアルカリ塩と炭酸水素ナトリウム等を組み合わせたもの等も気泡調整剤として用いることができる。これらの気泡調整剤は2種以上を混合して用いることができる。
上記発泡剤の添加量は、発泡剤の種類、目的とする密度に応じて調整する。また気泡調整剤の添加量は、目的とする気泡径に応じて調節する。即ち、発泡剤としてイソブタンを用い、気泡調整剤としてクエン酸モノナトリウムと炭酸水素ナトリウムとの混合物(大日精化工業株式会社製「ファインセルマスターSSC−PO208K」を用いた場合、イソブタンの添加量は基材樹脂100重量部当たり1.0〜15.0重量部が好ましいが、より好ましくは1.5〜12.0重量部、更に好ましくは2.0〜10.0重量部である。また前記した平均気泡径とする場合、その添加量は樹脂100重量部当たり0.1〜2.0重量部が好ましいが、より好ましくは.0.2〜1.5重量部、更に好ましくは0.2〜1.2重量部である。気泡調整剤としてタルクを用いた場合も前記と同様な添加量である。
発泡性ポリエチレン系樹脂組成物には、気泡調整剤の他に更に造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、収縮防止剤、難燃剤等の機能性添加剤、無機充填剤等を添加することができる。
本発明においては、発泡時における発泡体の収縮を抑制するために、収縮防止剤が添加される。収縮防止剤としては、従来公知のエステル系やアミン系又はアミド系のものが用いられる。
エステル系収縮防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレンモノミリステート、ポリオキシプロピレンモノミリステート、ポリオキシエチレンモノパルミテート、ポリオキシプロピレンモノパルミテート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシプロピレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、モノラウリン酸グリセライド、モノミリスチン酸グリセライド、モノパルミチン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、モノアラキン酸グリセライド、ジラウリン酸グリセライド、ジパルミチン酸グリセライド、ジステアリン酸グリセライド、1−パルミト−2−ステアリン酸グリセライド、1−ステアロ−2−ミリスチン酸グリセライド、トリステアリン酸グリセライド等の高級脂肪酸グリセライド等が挙げられる。
アミン系及びアミド系収縮防止剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ヒドロキシエチルアミン、ヒドロキシプロピルアミン等が挙げられる。
上記収縮防止剤は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、0.3〜3重量部含有されることが好ましい。0.3重量部未満では収縮防止の効果がない虞れがあるので0.5重量部以上がより好ましく、0.7重量部以上がさらに好ましい。一方、3重量部を超えると収縮防止剤が発泡体の表面に染み出て収容する物品の表面を汚す虞れがあることから2重量部以下がより好ましく、1.2重量部以下がさらに好ましい。
通常、これら収縮防止剤は、予め、マスターバッチ化してポリエチレン系樹脂中に添加されて使用される。
以上、本発明の発泡体を得るための条件を説明したが上記条件のみに限定されない。
本発明の成形体は、上記発泡体を加熱軟化させた後、雄型及び/又は雌型からなる金型を使用して成形する熱成形法によって得ることができる。本発明の成形体としては、例えば、桃、梨、トマト等の果菜用容器、台所シンクの断熱成形体、ユニットバスの浴槽裏打ち用断熱成形体等が挙げられる。上記成形用無架橋ポリエチレン系樹脂発泡体を熱成形してなる本発明の成形体は、破れや、表面ヤケと呼ばれる凹凸がなく、外観良好であるとともに、圧縮強度等の剛性に優れるため、果菜等を収納して輸送した場合でも成形体が型くずれしたり収納品がこぼれたりする虞がない。
発泡体の熱成形法としては、例えば、真空成形や圧空成形、更にこれらの応用としてフリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等やこれらを組み合わせた成形方法等が挙げられる。このような熱成形法は、短時間に連続して成形体を得ることができるので好ましい方法である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
以下の実施例、比較例において用いた樹脂は、次の通りである。
(1)LD1:分岐状低密度ポリエチレン「F102」(住友化学工業株式会社製、密度922g/L、MFR0.3g/10分、溶融張力179mN、融点109℃、結晶化温度95℃)
(2)LD2:分岐状低密度ポリエチレン「NUC−8008」(日本ユニカー株式会社製、密度917g/L、MFR4.7g/10分、溶融張力74mN、融点107℃、結晶化温度93℃)
(3)LL1:直鎖状低密度ポリエチレン「AM630A」(日本ポリエチレン株式会社製、密度924g/L、MFR8.0g/10分、融点125℃)
(4)LL2:直鎖状低密度ポリエチレン「AM830A」(日本ポリエチレン株式会社製、密度924g/L、MFR14.0g/10分、融点122℃)
(5)LL3:直鎖状低密度ポリエチレン「AM83NA」(日本ポリエチレン株式会社製、密度925g/L、MFR20.0g/10分、融点123℃)
(6)LL4:直鎖状低密度ポリエチレン「AC41SA」(日本ポリエチレン株式会社製、密度920g/L、MFR2.0g/10分、融点120℃)
(7)LL5:直鎖状低密度ポリエチレン「NUCG−5173」(日本ユニカー株式会社製、密度924g/L、MFR0.9g/10分、融点123℃)
(8)VL1:超低密度ポリエチレン「43−1」(東ソー株式会社製、密度905g/L、MFR8.0g/10分、融点115℃)
(9)VL2:超低密度ポリエチレン「54−1」(東ソー株式会社製、密度910g/L、MFR20.0g/10分、融点115℃)
(10)HD1:高密度ポリエチレン「130J」(出光石油化学株式会社製、密度953g/L、MFR11.0g/10分、融点129℃)
(11)HD2:高密度ポリエチレン「1000」(東ソー株式会社製、密度964g/L、MFR20.0g/10分、融点132℃)
実施例1〜4、比較例1、4〜6
環状ダイ(ダイリップ部直径40mm)を連結した押出機(内径65mmと、内径90mmのタンデム押出機)を用い、この押出機内で表1に示す配合の樹脂100重量部に対し、収縮防止剤としてモノステアリン酸グリセライドを用い、低密度ポリエチレンでマスターバッチ化したものをモノステアリン酸グリセライド1重量部となるように添加し、発泡剤としてイソブタン6.9重量部、気泡調整剤としてクエン酸モノナトリウムと炭酸水素ナトリウムとの混合物(大日精化工業株式会社製「ファインセルマスターSSC−PO208K」を、樹脂100重量部当たり表1に示す割合で配合して加熱溶融混練して発泡性溶融樹脂組成物とした。この発泡性溶融樹脂組成物を、表1に示した押出温度に調整した後、環状ダイに導入して表1に示した吐出量でダイリップから大気中に放出して筒状に発泡させた。その際、ダイの圧力を5.88〜7.84MPa(G)に調整し、この筒状発泡体を引き取りながら、その内面側を円柱状冷却装置(直径150mm、長さ1500mm)の周面に沿わせて通過させながら冷却した後、押出方向に沿って切り開いてシート状発泡体を得た。環状ダイの二次ブレーカー部の樹脂流路断面積:Q(mm2)と、吐出量:P(kg/hr)との比:Q/Pを表1にあわせて示した。
なお、実施例1〜5、7〜9、比較例1〜6の二次ブレーカーの形状は、直径3.5〜4.1mmの円筒状孔が等間隔で350個配置されたものを用いた。実施例6の二次ブレーカーの形状は、直径3.5〜4.1mmの円筒状孔が等間隔で150個配置されたものを用いた。比較例7の二次ブレーカーの形状は、直径3.5〜4.1mmの円筒状孔が等間隔で96個配置されたものを用いた。
実施例及び比較例における押出方向の平均気泡径:X(mm)、幅方向の平均気泡径:Y(mm)及び厚み方向の平均気泡径:Z(mm)の調整方法として、気泡調整剤を表1に示した割合で配合した。また、気泡形状を調整する条件として、環状ダイのオイル温調温度(℃)、吐出量(kg/hr)、環状ダイの吐出口径と筒状の冷却装置であるマンドレルの直径との比(表中では、ブロー比として示した)及び引取速度(m/min)を表1に示した。尚、本発明にける環状ダイのオイル温調温度とは、ダイの金型温度をいう。
得られたシート状発泡体を用いて熱流束示差走査熱量測定によって得られたDSC曲線から求めた、40〜112℃の温度範囲にある吸熱ピークの熱量と、112℃以上の温度範囲にある吸熱ピークの熱量及びこれらの比、押出方向及び幅方向の平均気泡径、気泡形状、見掛け密度、厚み、連続気泡率及び溶融張力等の諸物性を表2、表3に示した。また得られたシート状発泡体の圧縮強度、成形性を試験した結果を外観の評価とともに表4に示した。
表2、3のDSC曲線における吸熱ピークの112℃以上の範囲の吸熱ピークの熱量:B(J/g)としたが実施例及び比較例で得られたシート状発泡体は、全て、112℃以上130℃以下の温度範囲内にある吸熱ピークの熱量B’(J/g)であった。
尚、上記溶融張力の測定で用いられるポリエチレン系樹脂組成物は、発泡体を用いて、加熱プレス、冷却プレスで脱泡して非発泡の樹脂を用いた。
比較例4は、実施例1の気泡調整剤添加量の約4倍の量を入れたことによって平均気泡径が小さく、連続気泡率が高くなった。
比較例5は、主ポリエチレンのMFRが4.7g/10分であることから連続気泡率が高くなった。
比較例6は、副ポリエチレンのMFRが2.0g/10分であることから連続気泡率が高くなった。
Figure 2005154729
Figure 2005154729
Figure 2005154729
Figure 2005154729
DSC曲線における吸熱ピークの熱量、平均気泡径、気泡形状、見掛け密度、厚み、連続気泡率及び溶融張力は、前記した測定方法により得られた値を採用した。
表4の※1 圧縮強度
JIS K6767(1999年)に基づき、試験片を試験片の厚み(mm)×50(mm)×50(mm)とし、圧縮速度10mm/minとし、厚み方向に25%圧縮した時点の圧縮応力に基づき算出した。この方法で測定した試料の25%圧縮強度(MPa)を、密度(g/L)で除した値が、
1.33×10-3(MPa・L/g)以上・・・・・・・・・・・・・○
1.11×10-3〜1.33×10-3(MPa・L/g)未満・・・・△
1.11×10-3(MPa・L/g)未満・・・・・・・・・・・・・×
として評価した。
表4の※2成形性
単発真空成形機(株式会社浅野研究所製:FSK型)を用い、外寸が290mm×290mmの矩形状で開口部縦80mm、横75mm、深さ35mmの半球形状の凹部を9個有する金型によって、金型表面温度を80℃に温調し、シート状発泡体の表面温度を118〜124℃にて加熱成形する際に、裂け、厚みの偏り、表面ヤケの全くない良好な成形体が得られるシート状発泡体の加熱時間の幅により、以下のように評価した。
シート状発泡体の加熱時間の幅が5秒を超える・・・・・・◎
シート状発泡体の加熱時間の幅が3秒以上、5秒以下・・・○
シート状発泡体の加熱時間の幅が1秒以上、3秒未満・・・△
シート状発泡体の加熱時間の幅が1秒未満・・・・・・・・×
実施例5
表1に示す樹脂を用い、発泡剤の添加量を樹脂100重量部当たり10.6重量部とし、押出温度、ブロー比以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の諸物性を表2に、圧縮強度及び成形性の試験結果を外観の評価とともに表4に示した。
実施例6
表1に示す樹脂を用い、発泡剤の添加量を樹脂100重量部当たり10.6重量部とし、二次ブレーカー部の樹脂流路断面積:Q(mm2)と、吐出量:P(kg/hr)との比:Q/Pが表1に示す環状ダイを用いて、押出温度、ブロー比、引取速度以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の諸物性を表2に、圧縮強度及び成形性の試験結果を外観の評価とともに表4に示した。
実施例7
表1に示す樹脂を用い、発泡剤の添加量を樹脂100重量部当たり6.3重量部とし、ダイのオイル温調温度、引取速度以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の諸物性を表2に、圧縮強度及び成形性の試験結果を外観の評価とともに表4に示した。
実施例8、9
表1に示す樹脂を用い、押出温度以外は実施例7と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の諸物性を表2に、圧縮強度及び成形性の試験結果を外観の評価とともに表4に示した。
比較例2、3
表1に示す樹脂を用い、発泡剤の添加量を樹脂100重量部当たり10.6重量部とし、押出温度、ダイのオイル温調温度以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の諸物性を表3に、圧縮強度及び成形性の試験結果を外観の評価とともに表4に示した。
比較例7
表1に示す樹脂を用い、二次ブレーカー部の樹脂流路断面積:Q(mm2)と、吐出量:P(kg/hr)との比:Q/Pが表1に示す環状ダイを用いて、押出温度、ダイのオイル温調温度以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の諸物性を表3に、圧縮強度及び成形性の試験結果を外観の評価とともに表4に示した。
得られた発泡体は、収縮が発生し、連続気泡率が40%を超え、厚みが1mm未満の薄いシート状発泡体となった。
実施例及び比較例で得られた発泡体を前述した測定方法により沸騰キシレン不溶分を測定した結果、0重量%であった。
本発明発泡体の熱流束示差走査熱量測定によって得たDSC曲線の一例である。 ベースラインの引き方の一例を示す説明図である。 比較例に相当する発泡体の熱流束示差走査熱量測定によって得たDSC曲線の一例である。

Claims (4)

  1. ポリエチレン系樹脂組成物に発泡剤を含有せしめた溶融発泡性樹脂組成物を押出発泡してなる、見掛け密度15g/L〜460g/L、厚み1〜10mm、連続気泡率40%以下の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体であって、該発泡体の示差走査熱量測定により得られるDSC曲線における40℃〜112℃の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:A(J/g)と、112℃以上の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)が、下記の(a)式の関係を満足するとともに、押出方向の平均気泡径:X(mm)及び幅方向の平均気泡径:Y(mm)が、各々0.5〜1.5mmであり、且つ押出方向の平均気泡径:X(mm)、幅方向の平均気泡径:Y(mm)及び厚み方向の平均気泡径:Z(mm)との間に、(b)、(c)式を満足する関係を有することを特徴とする成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体。
    2.5≦A/B≦7 (a)
    0.6≦Z/X≦1.1 (b)
    0.6≦Z/Y≦1.1 (c)
  2. ポリエチレン系樹脂組成物が分岐状低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとを含む混合物である請求項1記載の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体。
  3. DSC曲線において112℃以上の温度範囲にある吸熱曲線ピークの熱量:B(J/g)が、10〜35J/gである請求項1または2記載の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の成形用無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡体を熱成形してなる成形体。
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