JP7229754B2 - 無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
下記(a)~(b)を満たす無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードに関する。
(a)発泡倍率が5倍以上30倍以下。
(b)厚みが20mm以上。
成形係数 α=AF/((Q/3600)/ρF) (2/3)・・・式(1)
(上記式(1)において、AFは前記無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードの断面積(m2)を示し、Qは押出発泡時の吐出量(kg/hr)を示し、ρFは、無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードの密度(Kg/m3)を示す。)
などの添加剤を添加してもよい。
成形係数 α=AF/((Q/3600)/ρF) (2/3)・・・式(1)
(上記式(1)において、AFは前記無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードの断面積(m2)を示し、Qは押出発泡時の吐出量(kg/hr)を示し、ρFは、無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードの密度を示す。)
本発明の製造方法によって、本発明の無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードが容易に製造することができる。
MFRは、JIS K 7210(1999)記載のA法の規定に準拠し、メルトインデクサーS-01(東洋精機製作所製)を用い、190℃、一定荷重(2.16kg)下でダイから一定時間に押し出される樹脂量から、10分間に押し出される量に換算した値とした。
なお、前記一定時間とは、メルトフローレートが0.5g/10分を超え1.0g/10分以下の場合は120秒間、1.0g/10分を超え3.5g/10分以下の場合は、60秒間、3.5g/10分を超え10g/10分以下の場合は30秒間、10g/10分を超え25g/10分以下の場合は10秒間、25g/10分を超え100g/10分以下の場合は5秒間、100g/10分を超える場合は3秒間とした。
前記一定時間で切り取った切り取り片を3個採取しその平均値を算出することとし、一回の測定で3個採取できない場合は3個採取できるまで測定を継続するものとした。ある秒数で測定した際のメルトフローレートが対応する範囲に無かった場合は、そのメルトフローレートに応じた秒数で再度測定するものとした。
実施例および比較例で得られた各発泡体から幅20mm、厚み20mm、長さ30mmの試験片を3つ準備し、ASTM D2856に記載の方法に準拠し、エアピクノメータ(東京サイエンス株式会社製空気比較式比重計モデル1000)を用いて、試験片の体積Vc(cm3)測定した。次に測定後の同じ試験片をエタノールの入ったメスシリンダー内に沈め、メスシリンダーの液面上昇分(水没法)から見かけ上の体積Va(cm3)を求め、下記式に従って独立気泡率(%)を求めた。
独立気泡率(%)=(Vc/Va)×100
なお、測定は3つの試験片について実施し、その平均値を発泡体の独立気泡率とした。
上記独立気泡率の測定で用いた試験片の重量W(kg)と上記水没法により求めた体積Va(m3)とから下記式により求めた。
発泡体密度(kg/m3)=W/Va
なお、測定は3つの試験片について実施し、その平均値を発泡体の密度とした。
上記発泡体密度(kg/m3)と樹脂密度(kg/m3)から下記式により求めた。なお、樹脂密度はJIS K 7112に準じて測定した。
発泡倍率(倍)=樹脂密度/発泡体密度
<平均気泡径>
実施例および比較例で得られた発泡体を、押出方向と直行する任意の断面3箇所につき、押出方向長さ20mmに切断し、サンプルAを作製した。さらにサンプルAから下記測定箇所につきに各辺が5~10mmの立方体サンプルBを切り出した。立方体サンプルBにつき各々の観察面(厚み方向、幅方向、押出方向)を両刃カミソリ[フェザー製、ハイステンレス両刃]を用いて、気泡膜(セル膜)が破壊されないように充分注意して切断し、その切断面をマイクロスコープ[キーエンス社製、VHX-900]にて観察した。得られた画像において、長さ4000μmの線分を引き、該線分が通る気泡数nを測定し、下記式により気泡径を算出した。
気泡径(μm)=4000/n
この測定を各測定箇所につき厚み方向、幅方向、押出方向について実施し、これらの相加平均値を平均気泡径(μm)とした。
※)測定箇所:発泡体の押出方向と直行する任意断面3箇所の各々において下記5点の平均気泡径を測定した。
・中央部(測定点1)
・中央部と幅方向両端部の中間部(測定点2,3)
・中央部と厚み方向上下端部の中間部(測定点4,5)
<ボイド評価>
上記平均気泡径の測定と同様にして立方体サンプルBを観察し、気泡が連通して発生した空洞で、当該空洞の長手方向と短手方向の大きさを測定しその平均値が平均気泡径の3.246倍以上のものをボイドとしその有無を評価した。
平均気泡径測定用に採取したサンプルA(3個)につき、下記測定を実施した。
幅:押出方向と直行する水平方向の寸法を測定。サンプル3個の平均値を幅寸法とした。
厚み:押出方向と直行する垂直方向の寸法を各サンプルにつき、幅中央、両端部から30mm内側、の3箇所を測定。サンプル3個の平均値を厚み寸法とした。
断面積:上記幅と厚みを掛け合わせて断面積を算出した。
低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン製「C470」、MFR2.0g/10分、密度918kg/m3)100重量部に、気泡核形成剤として炭酸水素ナトリウム50%とクエン酸モノナトリム50%の混合物を0.2重量部、収縮防止剤としてステアリン酸モノグリセライド0.5重量部加えたものを、Φ40二軸-φ90mm単軸タンデム押出機に供給した。220℃に設定した第1押出機(φ40二軸)中に溶融させた後、発泡剤としてのイソブタンを2.0重量部圧入混合し、第2押出機(φ90mm)中で冷却した後、押出機先端に接続された矩形ダイ(開口部50mm×5mm)より、大気圧下に吐出量50kg/時間で押出した。ダイから押出された発泡体を成形機で速度を調節ながら成形ダイにより形を整え板状発泡体を得た。得られた板状発泡体は、ボイドが無くかつ独立気泡率も高かった。得られた発泡体について各種物性を測定・評価した結果を表1に示す。
表1の通りに各配合を変更した以外は実施例1と同様にして板状発泡体を得た。得られた板状発泡体の評価結果を表1に示す。
気泡核形成補助剤として炭酸リチウムを0.1重量部添加した以外は実施例1と同様にして板状発泡体を得た。得られた板状発泡体の評価結果を表1に示す。
吐出量を70kg/時間とした以外は実施例2と同様にして板状発泡体を得た。得られた板状発泡体の評価結果を表1に示す。
発泡剤としてのイソブンタンの使用量を3.5重量部とし、表1の通り各配合を変更した以外は実施例1と同様にして板状発泡体を得た。得られた板状発泡体の評価結果を表1に示す。
収縮防止剤を2重量部使用した以外は実施例3と同様にして板状発泡体を得た。成形機のロールで発泡体が滑り、安定的に発泡体を得ることが困難であった。
気泡核形成剤を0.08重量部にした以外は実施例8と同様にして板状発泡体を得た。得られた発泡体は気泡が大きなものであった。
気泡核形成剤を1.5重量部、収縮防止剤を1.5重量部にした以外は実施例8と同様にして板状発泡体を得た。得られた発泡体は独立気泡率が低く、所々にボイドがあるものであった。
収縮防止剤を使用しないこと以外は実施例8と同様にして板状発泡体を得た。得られた発泡体は時々成形ダイにへばりつき表面が毟れたようになったり、時間が経過すると収縮し表面にシワが発生するものであった。
表1の通りに各配合を変更し、製造条件は実施例1と同様にして、押出機の先端に矩形ダイの変わりに環状ダイ(直径75mm)を取付け、環状ダイから筒状に押出発泡させた後、内外から空気を吹き付けつつ冷却マンドレルで延伸・冷却し、得られた筒状発泡体をカッターで切り開くことでシート状の発泡体を得た。シート状発泡体の評価結果を表1に示す。
Claims (10)
- ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、熱分解型発泡剤とクエン酸塩とからなる気泡核形成剤0.2~1.3重量部、および、収縮防止剤0.1~1.5重量部を含み、
前記気泡核形成剤添加量Aに対する収縮防止剤添加量Bの比率B/Aが5.0以下である、
ポリエチレン系樹脂組成物を押出発泡して得られる、
下記(a)~(b)を満たす無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボード。
(a)発泡倍率が5倍以上30倍以下。
(b)厚みが20mm以上。 - 前記熱分解型発泡剤が炭酸水素ナトリウムである、請求項1に記載の無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボード。
- 前記収縮防止剤が脂肪酸エステルを含む、請求項1又は2に記載の無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボード。
- 前記収縮防止剤がステアリン酸モノグリセライドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボード。
- 前記ポリエチレン系樹脂組成物が、更に、気泡核形成補助剤を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボード。
- 前記気泡核形成補助剤が、リチウム化合物を含む、請求項5に記載の無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボード。
- 前記無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードの平均気泡径が100μm以上600μm以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボード。
- 前記無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードの独立気泡率が70%以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボード。
- 1,1,1,2-テトラフルオロエタンを0.2~4.0重量%含有するものは除く、請求項1~8のいずれか一項に記載の無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボード。
- ポリエチレン系樹脂100部に対して、熱分解型発泡剤とクエン酸塩とからなる気泡核形成剤0.2~1.3重量部、収縮防止剤0.1~1.5重量部、かつ、前記気泡核形成剤添加量Aに対する前記収縮防止剤添加量Bの比率B/Aが5.0以下で含み、発泡剤とともに押出機内で溶融混錬した発泡性ポリエチレン系樹脂組成物を押出機先端に取り付けたダイスから押出発泡して無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードを製造する方法であって、下記式(1)で表される成形係数αが1.5以上である、無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードの製造方法。
成形係数 α=AF/((Q/3600)/ρF)(2/3) ・・・式(1)
(上記式(1)において、AFは前記無架橋ポリエチレン系樹脂押出発泡ボードの断面積(m2)を示し、Qは押出発泡時の吐出量(kg/hr)を示し、ρFは、無架橋ポリエ
チレン系樹脂押出発泡ボードの密度(Kg/m3)を示す。)
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