JP4910363B2 - 樹脂組成物、発泡成形体および多層成形体 - Google Patents
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Description
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、発泡層と該発泡層とは異なる材料からなる層とを積層してなる多層成形体であって、発泡層が軽量性と剛性とのバランスに優れた多層成形体が得られる樹脂組成物、該樹脂組成物を加圧発泡成形してなる加圧発泡成形体、ならびに、該加圧発泡成形体からなる発泡層とエチレン系共重合体とは異なる材料からなる層とを積層してなる多層成形体を提供することにある。
(イ)エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数が3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、メルトフローレートが0.01〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが30kJ/mol以上であるエチレン−α−オレフィン系共重合体
(ロ)カルボン酸ビニルエステルおよび不飽和カルボン酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の不飽和エステルに基づく単量体単位とエチレンに基づく単量体単位とを有するエチレン−不飽和エステル系共重合体
本発明の第二は、上記樹脂組成物を加圧発泡成形してなる加圧発泡成形体に係るものである。
本発明の第三は、上記加圧発泡成形体からなる層とエチレン系樹脂以外の材料からなる層とを積層してなる多層成形体に係るものである。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
aT :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
|2−y−2z|≦1
上記の式におけるyとして、好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数である。
また、本重合を実施する前に、予備重合を実施し、予備重合された予備重合触媒成分を本重合の触媒成分または触媒として使用することが好ましい。
また、共重合体の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加してもよい。そして、混合ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。
log(M) ≧ −0.02×W+0.48 (1)
log(M) ≧ −0.02×W+0.85 (2)
M:成分(ロ)のMFR(単位:g/10分)
W:成分(ロ)の含有量(単位:重量%)
[I]物性測定方法
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に従い、温度190℃、荷重21.18Nでの条件でA法により測定した。
(2)密度(単位:kg/m3)
JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980に記載の水中置換法により測定した。
(3)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での動的粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた動的粘度−角速度曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素下
JIS K6730−1995に従って測定した。
ASTM−D297に従って測定した。この値が小さいほど、軽量性に優れる。
ASTM−D2240に従って、C法硬度計にて測定した。この値が大きいほど、剛性に優れる。
2次成形体の表面より15cmの高さ(L0)から、鉄製球体を2次成形体の表面に自由落下させ、鉄製球体が2次成形体の表面から跳ね返った高さ(L)を測定し、次式に従って反発弾性率(単位:%)を算出した。反発弾性は、反発弾性率の値により、次の通り判定した。なお、反発弾性率の値が大きいほど、加圧発泡体は反発弾性に優れる。
反発弾性率 = L/L0×100
L :鉄製球体が2次成形体の表面から跳ね返った高さ(単位:cm)
L0:鉄製球体の落下高さ(単位:cm)
[判定]
○:反発弾性率が40%以上である。
△:反発弾性率が40%未満である。
2次成形体から縦10cm×横2mm×厚み1cmの試験片を、2次成形体の表面が試験片の一方の縦10cm×横2mm面となるように切り出し、該縦10cm×横2mm面の長手方向の端3cm部分に、プライマー(台湾・大東樹脂製「GE−320A」)を塗布し、60℃で5分乾燥した。次に、接着剤(同社製「GE−420」)と硬化剤(同社製「348」。接着剤の4wt%)との混合液を塗布し、ゴムシート(プライマー(台湾・大東樹脂製「GE−310A」)を塗布し乾燥した後、接着剤(同社製「GE−420」)と硬化剤(同社製「348」)との混合液を塗布したもの)を貼合・圧着させ、60℃で5分間乾燥することにより、発泡層とゴム層とを有する多層成形体を得た。該多層成形体の発泡層とゴム層とを、180度剥離試験機を用いて、50mm/分の剥離速度で剥離することにより、発泡層とゴム層との接着強度を測定した。層間接着性は、接着強度により、以下の通り判定した。
◎:接着強度が2.5Kg/cm巾以上である。
○:接着強度が2kg/cm巾以上2.5kg/cm巾未満である。
×:接着強度が2Kg/cm巾未満である。
(1)助触媒担体の調製
特開2003−171415号公報の実施例10(1)および(2)の成分(A)と同様にして固体生成物(以下、助触媒担体(A)と称する)を調製した。
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、上記助触媒担体(A)0.7kgと、ブタン80リットルを仕込んだ後、オートクレーブを30℃まで昇温した。さらにエチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.21MPa分だけ仕込み、系内が安定した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド70mmolを投入して重合を開始した。45℃へ昇温するとともに、エチレンと水素を連続で供給しながら、49℃で合計4時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記助触媒担体(A)1g当り14gのエチレン単独重合体が予備重合された予備重合触媒成分を得た。
上記の予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施した。重合条件は、温度75℃、全圧2MPa、エチレンに対する水素モル比は0.31%、エチレンに対する1−ヘキセンモル比は1.2%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間4hrとなるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、22kg/hrの生産効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、PE(1)と称する。)のパウダーを得た。
上記で得たPE(1)のパウダーを、神戸製鋼所社製LCM50押出機を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜215℃の条件で造粒することにより、PE(1)のペレットを得た。PE(1)のMFRは0.5g/10分、密度は912kg/m3、流動の活性化エネルギーは72.9kJ/molであった。
PE(1)60重量部とエチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学株式会社製 エバテート K2010[MFR=3g/10分、密度=940kg/m3、酢酸ビニル単位量=25重量%];以下、EVA(1)と称する。)40重量部とを単軸混練機を用いて、温度150℃、スクリュー回転数80rpmの条件で溶融混練することにより樹脂組成物を得た。次に、該樹脂組成物100重量部と、重質炭酸カルシウム10重量部と、ステアリン酸0.5重量部と、酸化亜鉛1.5重量部と、化学発泡剤3.5重量部と、ジクミルパーオキサイド1.0重量部とを、ロール混練機を用いて、ロール温度120℃、混練時間5分間の条件で混練を行い、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を22.8cm×15cm×1.2cmの金型に充填し、温度160℃、時間11分間、圧力150kg/cm2の条件で加圧発泡させることにより1次発泡成形体を得た。次いで得られた1次発泡体を厚さ1.0cmにスライスしたものを26cm×18cm×1.0cmの金型に充填し、温度150℃、圧力150kg/cm2の条件で210秒間加熱プレスした後、600秒間冷却することで2次成形体を得た。得られた2次成形体の物性評価結果を表1に示す。
PE(1)80重量部とエチレン−酢酸ビニル共重合体(ザ・ポリオレフィン・カンパニー社製 コスモセン H2181[MFR=2g/10分、密度=940kg/m3、酢酸ビニル単位量=18重量%];以下、EVA(2)と称する。)20重量部とを単軸混練機を用いて、温度150℃、スクリュー回転数80rpmの条件で溶融混練することにより樹脂組成物を得た。次に、該樹脂組成物100重量部と、重質炭酸カルシウム10重量部と、ステアリン酸0.5重量部と、酸化亜鉛1.5重量部と、化学発泡剤3.5重量部と、ジクミルパーオキサイド1.0重量部とを、ロール混練機を用いて、ロール温度120℃、混練時間5分間の条件で混練を行い、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を22.8cm×15cm×1.2cmの金型に充填し、温度160℃、時間11分間、圧力150kg/cm2の条件で加圧発泡させることにより1次発泡成形体を得た。次いで得られた1次発泡体を厚さ1.0cmにスライスしたものを26cm×18cm×1.0cmの金型に充填し、温度150℃、圧力150kg/cm2の条件で210秒間加熱プレスした後、600秒間冷却することで2次成形体を得た。得られた2次成形体の物性評価結果を表1に示す。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(ザ・ポリオレフィン・カンパニー社製 コスモセン H2181[MFR=2g/10分、密度=940kg/m3、酢酸ビニル単位量=18重量%];以下、EVA(3)と称する。)100重量部と、重質炭酸カルシウム10重量部と、ステアリン酸0.5重量部と、酸化亜鉛1.5重量部と、化学発泡剤3.0重量部と、ジクミルパーオキサイド0.7重量部とを、ロール混練機を用いて、ロール温度120℃、混練時間5分間の条件で混錬を行い、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を22.8cm×15cm×1.2cmの金型に充填し、温度160℃、時間11分間、圧力150kg/cm2の条件で加圧発泡させることにより1次発泡成形体を得た。次いで得られた1次発泡体を厚さ1.0cmにスライスしたものを26cm×18cm×1.0cmの金型に充填し、温度150℃、圧力150kg/cm2の条件で210秒間加熱プレスした後、600秒間冷却することで2次成形体を得た。得られた2次成形体の物性評価結果を表1に示す。
Claims (6)
- 下記成分(イ)および(ロ)を含有し、成分(イ)と(ロ)の総量を100重量%として、成分(イ)の含有量が99〜30重量%であり、成分(ロ)の含有量が1〜70重量%である樹脂組成物。
(イ)エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数が3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有し、メルトフローレートが0.01〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが55kJ/mol以上であるエチレン−α−オレフィン系共重合体
(ロ)カルボン酸ビニルエステルである不飽和エステルに基づく単量体単位とエチレンに基づく単量体単位とを有し、メルトフローレートが0.1〜4g/10分であるエチレン−不飽和エステル系共重合体 - 請求項1に記載の樹脂組成物を加圧発泡成形してなる加圧発泡成形体。
- 請求項2に記載の加圧発泡成形体からなる靴底。
- 請求項2に記載の加圧発泡成形体からなる発泡層と、エチレン系樹脂以外の材料からなる層とを積層してなる多層成形体。
- エチレン系樹脂以外の材料からなる層が、塩化ビニル樹脂材料、スチレン系共重合体ゴム材料、オレフィン系共重合体ゴム材料、天然皮革材料、人工皮革材料、および布材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含有する層である請求項4に記載の多層成形体。
- 請求項4または5に記載の多層成形体からなる靴底。
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