JP2009132634A - 抗肥満剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、デビルスクローの抽出物を含有することを特徴とする。製剤形態は種々のものが選択できるが、特に内服剤が好ましい。投与量は、使用目的、年齢、体重等によって異なるが、好ましくは0.02〜20mg/kg、特に好ましくは0.1〜10mg/kgである。本発明は、肥満に対して多面的に作用して優れた改善効果を発揮するため、肥満、及び肥満に関連する生活習慣病の予防・改善を目的とする医薬品、医薬部外品、食品、及び化粧品等に有用である。
【選択図】 なし
Description
例えば、ウコギ、又はその抽出物を含有することを特徴とするα―アミラーゼ阻害剤(特許文献1)、ハクトウオウ、ミツモウカ等からなる群から選ばれた1種、又は2種以上を配合することを特徴とする脂肪吸収抑制剤(特許文献2)である。
従来、脂肪細胞の分化は、思春期以後、生理的には起きないと考えられていたが、近年、成人期以降でも脂肪細胞数が増加することが明らかになるにつれ、その分化を抑制することが、肥満を予防する有力な手段の1つとして注目されている。
例えば、イネ科植物の種子、及び/又は地上部の茎葉から抽出される成分を有効成分とする脂肪細胞分化抑制剤(特許文献5)、キク科カミツレ等の植物に含まれる新規配糖体を有効成分とする前駆脂肪細胞の分化抑制剤(特許文献6)である。
血中中性脂肪上昇抑制剤としては、例えば、シソ乾燥物のエタノール水溶液の抽出物を有効成分とする血中中性脂肪上昇抑制剤(特許文献7)、雲南紅茶の抽出物を有効成分とする食後の血中中性脂肪上昇抑制剤(特許文献8)が開示されている。
例えば、ナツメグの実の抽出物、又は処理物を有効成分として含むことを特徴とするアディポネクチン産生促進剤(特許文献9)、冬虫夏草の熱水抽出物を有効成分とするアディポネクチン産生促進剤(特許文献10)である。
デビルスクローの塊茎の乾燥物100gに精製水2Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して熱水抽出物を20g得た。
デビルスクローの塊茎の乾燥物100gに精製水1L、及びエタノール1Lを加え、常温で3日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して50%エタノール抽出物を15g得た。
デビルスクローの塊茎の乾燥物100gにエタノール2Lを加え、常温で3日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してエタノール抽出物を12g得た。
デビルスクローの塊茎の乾燥物100gに精製水500g、及び1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)500gを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、50%1,3−BG抽出物を900g得た。
処方 配合量
1.デビルスクローの50%1,3−ブチレングリコール抽出物(実施例4)0.1部
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パントテン酸エチルアルコール 0.1
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
11.香料 0.1
12.精製水 84.37
[製造方法]成分1〜6、及び12と、成分7〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し、濾過して製品とする。
実施例5において、デビルスクローの50%1,3−ブチレングリコール抽出物を精製水に置き換えたものを従来のローションとした。
処方 配合量
1.デビルスクローのエタノール抽出物(実施例3) 0.05部
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.1,3−ブチレングリコール 8.5
14.精製水 68.1
[製造方法]成分1〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
実施例6において、デビルスクローのエタノール抽出物をスクワランに置き換えたものを従来のクリームとした。
処方 配合量
1.デビルスクローの熱水抽出物(実施例1) 0.01部
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水 73.19
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
処方 配合量
1.デビルスクローのエタノール抽出物(実施例3) 5.0部
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.メントール 0.1
4.黄色202号(1) 0.01
5.香料 0.1
6.硫酸ナトリウム 44.79
[製造方法]成分1〜6を均一に混合し、製品とする。
処方 配合量
1.デビルスクローの50%エタノール抽出物(実施例2) 20部
2.乾燥コーンスターチ 30
3.微結晶セルロース 50
[製法]成分1〜3を混合し、散剤とする。
処方 配合量
1.デビルスクローの熱水抽出物(実施例1) 1部
2.乾燥コーンスターチ 29
3.カルボキシメチルセルロースカルシウム 20
4.微結晶セルロース 40
5.ポリビニルピロリドン 7
6.タルク 3
[製法]成分1〜5を混合し、次いで10%の水を結合剤として加えて、押出し造粒後乾燥する。成形した顆粒に成分6を加えて混合し、打錠する。1錠0.52gとする。
実施例10において、デビルスクローの熱水抽出物を乾燥コーンスターチに置き換えたものを従来の錠剤とする。
処方 配合量
1.デビルスクローのエタノール抽出物(実施例3) 1.5部
2.乾燥コーンスターチ 50.0
3.エリスリトール 40.0
4.クエン酸 5.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.4
6.香料 0.1
[製法]成分1〜4を混合し、10%の水を結合剤として加え、流動層造粒する。成形した顆粒に成分5、及び6を加えて混合し、打錠する。1粒1.0gとする。
処方 配合量
1.デビルスクローの50%エタノール抽出物(実施例2) 1.0部
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.香料 0.1
5.精製水 93.85
[製法]成分1〜4を成分5の一部の精製水に撹拌溶解する。次いで、成分5の残りの精製水を加えて混合し、90℃に加熱して50mLのガラス瓶に充填する。
実施例12において、デビルスクローの50%エタノール抽出物を精製水に置き換えたものを従来の飲料とする。
35mmディッシュに、マウス前駆脂肪細胞(3T3−L1)を培養用培地(10%牛胎児血清を含むDMEM培地(ダルベッコ変法イーグル培地))2mL中で、コンフルエントに達するまで5%CO2存在下、37℃で培養した。細胞がコンフルエントに達した後、培地を吸引除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(以下PBSとする)によって洗浄した後に、分化誘導培地1(10%牛胎児血清、1μM デキサメタゾン、10μg/mL インスリン、0.5mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン、及び100μM アスコルビン酸を含むDMEM培地)2mLを添加した。次いで実施例1、実施例2、及び実施例3のデビルスクローの抽出物をDMSOに溶解した試料溶液(2〜4μL)を添加し、5%CO2存在下、37℃で3日間培養した。尚、対照として分化誘導培地にDMSOのみを添加した。次に培地を吸引除去し、細胞をPBSで洗浄した後、培地を分化誘導培地2(10% 牛胎児血清、10μg/mL インスリン、及び100μM アスコルビン酸を含むDMEM培地)2mLに置換し、同濃度の前記試料溶液を再度加え3日間培養した。その後、培地を吸引除去し、細胞をPBSで洗浄し、10%牛胎児血清を含むDMEM培地2mL、及び同濃度の前記試料溶液を加えさらに3日間培養した。
分化誘導開始から9日後、培地を吸引除去し、PBSで洗浄後、グルタルアルデヒドを添加することにより細胞を固定し、細胞内に蓄積された脂肪粒をズダンII染色した。染色された脂肪粒を、4%トライトンX−100を含むイソプロパノールで溶出し、490nmにおける吸光度を測定することにより、脂肪細胞の分化抑制作用を評価した。
脂肪蓄積抑制率(%)=(1−(デビルスクローの抽出物を添加した場合の490nmにおける吸光度)/(デビルスクローの抽出物未添加の場合の490nmにおける吸光度))×100
マウス前駆脂肪細胞(3T3−L1)を実施例13に記載するように分化誘導した後、充分に中性脂肪を蓄積させた時点において、実施例1、実施例2、及び実施例3のデビルスクローの抽出物を添加し、7日間培養した。デビルスクローの脂肪分解促進作用は、脂肪が分解されることによって培養液中に遊離するグリセロール量を指標に評価した。培養液中のグリセロール量はFキットグリセロール(J.K.インターナショナル製)を用いて定量し、細胞タンパク質あたりの量で表した。
35mmディッシュに、マウス前駆脂肪細胞(3T3−L1)を10%牛胎児血清を含むDMEM培地(ダルベッコ変法イーグル培地)にて、コンフルエントに達するまで5%CO2存在下、37℃で培養した。細胞がコンフルエントに達した後に、分化誘導培地1(10%牛胎児血清、1μM デキサメタゾン、10μg/mL インスリン、0.5mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン、及び100μM アスコルビン酸を含むDMEM培地)に置換し、同様に3日間培養した。その後、培地を分化誘導培地2(10%牛胎児血清、10μg/mL インスリン、及び100μM アスコルビン酸を含むDMEM培地)に置換し、同様に3日間培養した。さらに10%牛胎児血清を含むDMEM培地に置換し、3日間培養した。
実施例1、実施例2、及び実施例3のデビルスクローの抽出物をDMSOに溶解した試料を添加して48時間培養後、培養上清をアディポネクチン分泌量の測定に用いた。培養上清中のアディポネクチンの定量は、大塚製薬株式会社製のマウス/ラットアディポネクチンELISAキットを使用した。アディポネクチンの分泌量を表3に示す。
実施例1で得たデビルスクローの熱水抽出物を使用して、抗肥満作用、及び血中中性脂肪上昇抑制作用等を確認した。実験には4週齢SD系雄性ラットを1群6匹として使用した。普通食群は、市販の飼料(オリエンタル酵母工業製:マウス・ラット飼育用−MF)を用い飼育した。肥満を誘導するための高脂肪食は、牛脂23%を含有する高脂肪飼料(オリエンタル酵母工業製)を用いた。デビルスクローの熱水抽出物を0.5%添加した高脂肪飼料を調製し、自由に摂取させ飼育した(デビルスクロー投与群)。又、比較としてデビルスクローの熱水抽出物の代わりにカゼインを0.5%添加した高脂肪飼料を調製し、自由に摂取させ飼育した(対照群)。デビルスクローの熱水抽出物添加飼料による飼育開始から12日、16日、23日、30日、37日、43日、及び51日目の午前にラットの体重を測定した。又、試験終了時に解剖を行い、組織検査と血液検査を行った。内臓脂肪蓄積量の評価としては、副睾丸脂肪組織重量を測定した。血中脂質の測定にあたっては、飼育47日目の夕方より18時間絶食し、48日目に空腹時の血液を尾静脈より採取した。次いで、遠心分離により血漿を分離し、中性脂肪については、トリグリセライドEテストワコー(和光純薬工業製)を、遊離脂肪酸については、NEFA−Cテストワコー(和光純薬工業製)を用いて測定を行った。
実施例5のローション、実施例6のクリーム、比較例1の従来のローション、及び比較例2の従来のクリームを顔面に用いて、女性30例(21〜46才)を対象に1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌の引き締め感、肌の張り、肌の弾力感に関する痩身効果をアンケートにより判定した。
実施例10の錠剤、実施例12の飲料、比較例3の従来の錠剤、及び比較例4の従来の飲料を用いて、軽度肥満の男性20例(35〜55才)を対象に1ヶ月間の摂取試験を行った。錠剤は毎食後に2粒(1日6粒)、飲料は1日1本を任意の時間に摂取させた。使用前後に、体重、体脂肪、及び胴囲を測定し、抗肥満効果を判定した。各項目は2%以上の減少が認められた場合を「減少」と判定した。
Claims (6)
- デビルスクローの抽出物を含有することを特徴とする抗肥満剤。
- デビルスクローの抽出物を含有することを特徴とする脂肪分解促進剤。
- デビルスクローの抽出物を含有することを特徴とする脂肪細胞の分化抑制剤。
- デビルスクローの抽出物を含有することを特徴とする血中中性脂肪上昇抑制剤。
- デビルスクローの抽出物を含有することを特徴とするアディポネクチン産生促進剤。
- 内服剤であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載の組成物。
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