JP2009242309A - 皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】
皮膚線維芽細胞及び歯肉繊維芽細胞のコラーゲン産生能を高め、皮膚の老化症状や歯周病の予防及び改善効果を有し、且つ、安全性、嗜好面に起因する使用の継続性を満足させる皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品を提供する。
【解決手段】
ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクローの抽出物及び抽出分画物、ネトルの抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α−リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合した皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品を提供する。
【選択図】なし
皮膚線維芽細胞及び歯肉繊維芽細胞のコラーゲン産生能を高め、皮膚の老化症状や歯周病の予防及び改善効果を有し、且つ、安全性、嗜好面に起因する使用の継続性を満足させる皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品を提供する。
【解決手段】
ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクローの抽出物及び抽出分画物、ネトルの抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α−リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合した皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は皮膚の老化症状や歯周病の予防及び改善効果を有する皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品に関するものである。
皮膚の表皮及び真皮は、表皮細胞、線維芽細胞 及びこれらの細胞の外にあって皮膚構造を支持するコラーゲン 等の細胞外マトリックスにより構成されている。中でも、コラーゲンは真皮の70%を占め、真皮に網目状に存在し、真皮の骨格を形成している。若い皮膚においては、これら皮膚組織の相互作用が恒常性を保つことにより水分保持、柔軟性、弾力性等が確保され、肌は外見的にも張りや艶があってみずみずしい状態に維持される。
ところが、紫外線の照射、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等、ある種の外的因子の影響があったり、加齢が進んだりすると、皮膚の老化に伴う変化、即ち、シワ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下といった症状を呈するようになる。このような症状には、コラーゲン等の真皮マトリックス成分の減少、変性が関与していることが知られている。したがって、皮膚線維芽細胞のコラーゲン合成を促進し、老化により減少したコラーゲン組織を再生することは、皮膚の老化症状の治療または進行の予防に有効である。
また、歯周病は、歯周組織に発症する肉炎、歯周炎または歯槽膿漏等の炎症である。歯周病の症状が進行すると、歯周病菌によって、口腔内細胞の構成要素であるコラーゲンが分解される。また、歯周病菌に侵された口腔内組織から、コラーゲン分解酵素(コラゲナーゼ)が産生され、この分解酵素によってもコラーゲンが分解される(特許文献1)。
細胞外マトリックスの一種であるコラーゲンは、歯肉組織中においても、構造維持に重要な役割を担っている。したがって、歯周組織細胞のコラーゲン合成を促進し、歯周病で破壊されたコラーゲン組織を再生することは、歯周病の治療または進行の予防に有効であると考えられる(特許文献2)。
しかしながら生理活性のみならず安全性、嗜好面に起因する使用の継続性などを満足させ、総合的な効果として十分な有効成分が配合された皮膚外用剤や口腔用組成物、飲食品が存在するとはいい難いのが現状である。
そこで本発明においては、皮膚線維芽細胞及び歯肉繊維芽細胞のコラーゲン産生能を高め、皮膚の老化症状や歯周病の予防及び改善効果を有し、且つ、安全性、嗜好面に起因する使用の継続性を満足させる皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため種々検討した結果、ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質が、皮膚線維芽細胞及び歯肉繊維芽細胞のコラーゲン産生能を高め、さらに皮膚の老化症状あるいは歯周疾患の予防及び改善に優れた効果を発揮すること見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する:
(項目1)
本発明の皮膚外用剤は、ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することを特徴とする皮膚外用剤。
(項目2)
本発明の口腔用組成物は、ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することを特徴とする口腔用組成物。
(項目3)
ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari
radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum
proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することを特徴とする飲食品。
(項目1)
本発明の皮膚外用剤は、ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することを特徴とする皮膚外用剤。
(項目2)
本発明の口腔用組成物は、ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することを特徴とする口腔用組成物。
(項目3)
ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari
radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum
proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することを特徴とする飲食品。
本発明の皮膚外用剤および飲食品は、皮膚細胞のコラーゲン産生を促し、優れた皮膚の老化症状の改善および予防効果を有している。また、本発明の口腔用組成物および飲食品は歯肉細胞のコラーゲン産生を促し、優れた歯周病の予防及び改善効果を有している。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品とは、有効成分としてハマナス(Rose rogusa)、細辛(Asaiasari radix) 、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質の中から選ばれる少なくとも1種以上を配合したものである。その有効な摂取量は、少なくとも一種以上の有効成分を組成物全量中0.005〜100重量部、好ましくは0.01〜50重量部含むことを特徴とする。
本発明における皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品とは、有効成分としてハマナス(Rose rogusa)、細辛(Asaiasari radix) 、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質の中から選ばれる少なくとも1種以上を配合したものである。その有効な摂取量は、少なくとも一種以上の有効成分を組成物全量中0.005〜100重量部、好ましくは0.01〜50重量部含むことを特徴とする。
バラ科のハマナス(Rosa rugosa)には、糖質分解酵素阻害物質が含まれており、糖尿病の予防や治療に有効であることが知られている(特開2006−241119および特開2004−107269)。また、蛋白質のカルボニル化抑制剤、保湿性向上効果、活性酸素除去作用や美白作用があるので、その作用を利用した皮膚外用剤が開示されている(特開2004−107269、特開平6−65040、特開平6−65043)。さらには、ハマナス(Rosa
rugosa)の果実と種子に免疫細胞活性化作用も有することが開示されている(特開平2006−316026号)。
rugosa)の果実と種子に免疫細胞活性化作用も有することが開示されている(特開平2006−316026号)。
細辛(Asaiasari radix)には、脳細胞保護及び記憶力増進作用のあること(特許公表2004−525125)、脂質代謝改善剤(特開2005−132835)や漢方鎮痛薬(特開平6−107556)として有効であること、さらには、美白作用のあることが(特開平7−25746)知られている。
デビルズクロー(Harpagophytum procumbens)はアフリカの砂漠に分布するゴマ科の植物で硬いトゲのある実ができることからデビルズクローと呼ばれ、薬用植物として利用されている。肌荒れ改善効果、肌のはり、シワ改善効果が認められ、その作用を利用した皮膚外用剤が開示されている(特開2002−161043)。また抗炎症・抗菌作用も知られており、コラゲナーゼに関係するリウマチ等の炎症性疾患の予防及び症状改善に効果のある食品用組成物も開示されている(特開2003−159030)
ネトル(Urtica dioica)はヨーロッパに自生する野草で、乾燥物を熱湯抽出し、ハーブティーとして一般的なものである。また、脂肪分解促進剤の有効成分の一つであることが開示されている。(特開2006−347968)
ハマナス(Rose rogusa)や細辛(Asaiasari radix)、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、は生のまま抽出に供してもよいが、抽出効率を考えると、細切,乾燥,粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬して行う。抽出効率を上げるため撹拌を行ったり、抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、4時間〜14日間程度とするのが適切である。
抽出溶媒としては、水の他、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの極性有機溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。有機溶媒の中では、特に、食品製造に用いることができ、かつ水に溶けやすいエタノールが好ましく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。
抽出は、還流抽出法などで行えばよい。有機溶媒を除去するには真空濃縮法などが挙げられる。抽出物は、有機溶媒を除去した含水液として用いてもよいが、乾固させて粉末化したものも利便性があるため有用である。
上記の植物体の抽出液を使用する場合は、抽出液をそのまま用いても良いが、濃縮,乾固したものを水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはコラーゲン 産生促進作用を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。
また抽出物を、乾燥粉末化するにはデキストリンなどの粉末化基材と共に粉末化してもよい。この発明に用いられるα−1,4−グルカン以外の賦型剤としては、カゼインソーダ、ホエー、ゼラチン、乳類、卵白等の蛋白質、庶糖、乳糖等の少糖類、アラビアガム等の多糖類、澱粉またはその分解物などがあり、これらを単独または組み合わせて用いても何ら問題はない。
フェルラ酸は、米糠や発芽玄米に多く含まれるポリフェノールで、抗酸化剤やグルタチオンレダクダーゼ活性増強剤であることが知られており(特許公開2006−52152および特許公開2007−51114)、化粧品における利用が開示されている(特許公開2005−15453)。
α−リポ酸(アルファ−リポ酸、チオクト酸又は6,8−ジチオオクタン酸としても知られ、リポ酸とも呼ばれる)は、ヒトの身体が少量作り、そして酵母や肝臓から得られうる栄養素である。
キトサンオリゴ糖は、キトサン加水分解物をイオン交換クロマトグラフィーに供して重合度別にキトサンオリゴ糖を分画した後、各キトサンオリゴ糖画分を活性炭処理することによって得られる(特願2002−11845)。抗菌性が認められるため、齲蝕原性細菌の発育を抑制する方法が開示されている(特開2004−256557)。また、発毛活性の増強効果が認められ、発毛促進剤への利用も開示されている(特開2001−131030)。
クロシンは、サフランやクチナシに多く含まれる水溶性カロチンで、色素として利用されている(特許公開2005−206573・特許公表2004−527236)。また、統合失調症を治療する薬物の成分としても開示されている(特許公表2005−527540)。
本発明におけるヘスペレチン類縁物質とは、ヘスペレチンやヘスペリジン、ヘスペリジンに更に配糖化したヘスペリジン-モノグルコシドやヘスペリジン-オリゴマルトシドなどが挙げられる。ヘスペリジンは、毛細血管の強化、出血予防、血圧調整などの生理作用を持つビタミンPとして、また、黄色色素として古くから知られ、食品、医薬品、化粧品などに利用されている。ヘスペリジンを配糖化し、溶解性を高めたα―グリコシルヘスペリジン(特開平11−346792)は、ヘスペリジンの結晶析出防止に有効である(特開平8−80177)他、ウィルス性疾患、細菌性疾患、外傷性疾患、免疫疾患等の予防剤又は治療剤として開示されている(特願2003−357037)。また、ヘスペレチン及びその配糖体の抗酸化作用を利用した美白作用のある皮膚外用剤が報告されている。(特許公開2007−161591および特許公開2005−289880)。
本発明の皮膚外用剤 には上記した成分の他に、通常化粧品や医薬品などの皮膚外用剤 に用いられる他の成分、例えば油分、酸化防止剤、界面活性剤、保湿剤、湿潤材、香料、水、アルコール、増粘剤、防腐剤、色剤、粉末、薬剤、キレート剤、pH調整剤などを必要に応じて適宜配合することができるが、これらは本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内で使用されなければならない。
また、本発明に係る皮膚外用剤 の剤型は任意であり、例えば化粧水、ローションなどの可溶化系、乳液、クリームなどの乳化系、または軟膏、増粘ゲル系、分散液、パウダーなどの任意の剤型を取ることができる。またこれら皮膚外用剤
を染み込ませたマスクのような形で使用することもできる。
を染み込ませたマスクのような形で使用することもできる。
本発明の口腔用組成物の形態としては、例えば、歯磨剤、洗口剤、トローチ剤、ゲル剤等が挙げられる。またこれらの液剤を不織布などに含浸させた拭取り布のような形態のものを用いることも可能である。本発明の口腔用組成物には、その剤型等に応じて、種々の成分を配合してもよい。例えば、本発明の口腔用組成物を練歯磨剤に適用した場合、研磨剤、湿潤剤、粘結剤、発泡剤、甘味剤、防腐剤、香料成分、薬用成分等を配合することができる。
食品としては、どの様な形態でもよく、焼き菓子、ガム、錠菓、スープ、粉末スープ、飲料、粉末飲料、ゼリー、デザート類、キャンデー、キャラメル、アイスクリーム等の冷菓などの飲食品などが挙げられる。口腔滞在時間が長いので、特にガム、錠菓、キャンデー、キャラメルが好ましい。
(ハマナスおよび細辛抽出物の調製)
ハマナス及び細辛の熱水抽出物の調製のために、まず、ハマナスの花の粉末10g及び細辛の根茎の粉末10gに蒸留水200mLを添加し、室温静置で一晩膨潤化させた。沸騰水中で適宜攪拌しながら1時間加熱処理し、室温まで冷却後、蒸発分を加水した。遠心分離により上清を回収後、上清を0.2μmフィルターで滅菌濾過した溶液を適宜希釈して実験に用いた。
ハマナス及び細辛の熱水抽出物の調製のために、まず、ハマナスの花の粉末10g及び細辛の根茎の粉末10gに蒸留水200mLを添加し、室温静置で一晩膨潤化させた。沸騰水中で適宜攪拌しながら1時間加熱処理し、室温まで冷却後、蒸発分を加水した。遠心分離により上清を回収後、上清を0.2μmフィルターで滅菌濾過した溶液を適宜希釈して実験に用いた。
(デビルズクローおよびネトル抽出物の調製)
市販のデビルスクローエキスパウダーおよびネトル葉エキスパウダー(ともに日本粉末薬品製)を蒸留水にそれぞれ5重量%および4重量%となるように溶解したのち、0.2μmフィルターでろ過した溶液を適宜希釈して実験に用いた。
市販のデビルスクローエキスパウダーおよびネトル葉エキスパウダー(ともに日本粉末薬品製)を蒸留水にそれぞれ5重量%および4重量%となるように溶解したのち、0.2μmフィルターでろ過した溶液を適宜希釈して実験に用いた。
実施例1:ヒト真皮線維芽細胞のコラーゲン産生促進作用試験。ヒト皮膚由来正常線維芽細胞「NB1RGB」(理研細胞バンクより分譲)を1ウェル当たり2.5×104個となるように96穴マイクロプレートに播種し、牛胎児血清4容量%を添加したDMEMにて24時間培養した後、培地をそれぞれデビルズクローの抽出物、ネトルの抽出物の最終濃度が原生薬として0.2%となるように、またフェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、の最終濃度が0.08%, 0.08%及び0.005%となるように添加した牛胎児血清4容量%含有DMEMに交換し、さらに3日間培養した。培養3日後に回収した培養上清中に含まれるコラーゲン量を、市販の定量用ELIZAキット(Applied
Cell Biotechnologies, Inc)を用いてそれぞれ定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系を対照とした。結果は、培養3日間の産生コラーゲントータル量を表1に示した。
Cell Biotechnologies, Inc)を用いてそれぞれ定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系を対照とした。結果は、培養3日間の産生コラーゲントータル量を表1に示した。
実施例2:ヒト真皮線維芽細胞のコラーゲン産生促進作用試験。ヒト皮膚由来正常線維芽細胞「NB1RGB」(理研細胞バンクより分譲)を1ウェル当たり2.5×104個となるように96穴マイクロプレートに播種し、牛胎児血清4容量%を添加したDMEMにて24時間培養した後、培地を、それぞれハマナス抽出物、細辛抽出物の最終濃度が原生薬として0.25%となるように、また、フェルラ酸、クロシン、ヘスペレチン、α-グルコシルヘスペリジン(江崎グリコ製「αG−ヘスペリジン」)の最終濃度が5μMおよび10μMとなるように添加した牛胎児血清4容量%含有DMEMに交換しさらに3日間培養した。培養3日後に回収した培養上清中に含まれるコラーゲン量を、市販の定量用ELIZAキット(Applied
Cell Biotechnologies, Inc)を用いてそれぞれ定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系をコントロールとした。結果は、培養3日間の産生コラーゲン量を図2に示した。
Cell Biotechnologies, Inc)を用いてそれぞれ定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系をコントロールとした。結果は、培養3日間の産生コラーゲン量を図2に示した。
実施例3:ヒト歯肉線維芽細胞のコラーゲン産生促進作用試験。ヒト歯肉由来正常線維芽細胞「Gin−1」を1ウェル当たり2.5×104個となるように96穴マイクロプレートに播種し、牛胎児血清4容量%を添加したDMEMにて24時間培養した後、培地をそれぞれフェルラ酸の最終濃度が0.08%、ヘスペレチンの最終濃度が0.001%となるように添加した牛胎児血清4容量%含有DMEMに交換し、さらに3日間培養した。培養3日後に回収した培養上清中に含まれるコラーゲン量を、市販の定量用ELIZAキット(Applied
Cell Biotechnologies, Inc)を用いてそれぞれ定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系をコントロールとした。結果を表3に示した。
(表3)
表3に示したとおり、フェルラ酸およびヘスペレチンの培地への添加により、コントロールと比較して細胞のコラーゲン産生が著しく促進されていた。
Cell Biotechnologies, Inc)を用いてそれぞれ定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系をコントロールとした。結果を表3に示した。
(表3)
表3に示したとおり、フェルラ酸およびヘスペレチンの培地への添加により、コントロールと比較して細胞のコラーゲン産生が著しく促進されていた。
実施例4:ヒト歯肉線維芽細胞のコラーゲン産生促進作用試験。ヒト歯肉由来正常線維芽細胞「Gin−1」を1ウェル当たり2.5×104個となるように96穴マイクロプレートに播種し、牛胎児血清4容量%を添加したDMEMにて24時間培養した後、培地をそれぞれハマナス抽出物の最終濃度が原生薬として0.13%となるように、またα-グルコシルヘスペリジン(江崎グリコ製「αG−ヘスペリジン」)の最終濃度が10μMとなるように添加した牛胎児血清4容量%含有DMEMに交換し、さらに3日間培養した。培養3日後に回収した培養上清中に含まれるコラーゲン量を、市販の定量用キット(Sircol
collagen assay kit )、またはELIZAキット(Applied Cell Biotechnologies, Inc)を用いてそれぞれ定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系をコントロールとした。結果は、培養3日間の産生コラーゲン量を表4に示した。
collagen assay kit )、またはELIZAキット(Applied Cell Biotechnologies, Inc)を用いてそれぞれ定量した。その際、被検物質を添加しないで培養を続けた系をコントロールとした。結果は、培養3日間の産生コラーゲン量を表4に示した。
実施例5:健康成人女性33名(平均年齢35.8±9.0歳)を対象とし、プラセボ摂取群(以下、「プラセボ群」)12名(34.8±9.2歳)、糖転移ヘスペリジン500mg/日摂取群(以下、「500mg群」)10名(35.2±8.3歳)、または糖転移ヘスペリジン1000mg/日摂取群(以下、「1000mg群」)11名(37.4±10.0歳)に分けた。対象者にはサンプルを1日2回に分けて7週間継続して摂取させ、肌質改善効果を調べた。摂取期間中の肌状態の自覚症状について、5段階評価(1.悪くなった、2.少し悪くなった、3.変わらない、4.少し良くなった、5.良くなった)で調べた結果、糖転移ヘスペリジンを摂取することにより肌のハリや柔らかさが改善したと自覚されていることが明らかになった。4.少し良くなった、5.良くなったと回答した人の割合を表5に示した。
摂取期間中、朝起きたとき、肌の調子が良いと感じる頻度を5段階評価(1.とても増えた、2.少し増えた、3.変わらない、4.少し減った、5.とても減った)で調べた結果、αG−ヘスペリジンを摂取することにより肌のハリや柔らかさが改善し、肌の調子が良いと自覚されていることが明らかになった(表6)
実施例6:ローション
以下の処方に従い、常法によりローションを作成した。
(表7)
上記ローションとキトサンオリゴ糖を含まない比較ローションを10人の被験者が1ヶ月間繰り返し使用したところ、8人が上記実施例1のローションの方が肌の張りやシワ、タルミの改善感に優れていると答えた。
以下の処方に従い、常法によりローションを作成した。
(表7)
上記ローションとキトサンオリゴ糖を含まない比較ローションを10人の被験者が1ヶ月間繰り返し使用したところ、8人が上記実施例1のローションの方が肌の張りやシワ、タルミの改善感に優れていると答えた。
実施例7:洗口剤
以下の処方に従い、常法により洗口剤を作成した。
(表8)
上記洗口剤とキトサンオリゴ糖を含まない比較洗口剤を10人の被験者が1ヶ月間繰り返し使用したところ、7人が上記実施例2の洗口剤の方が歯茎の張りや色調の改善感に優れていると答えた。
以下の処方に従い、常法により洗口剤を作成した。
(表8)
上記洗口剤とキトサンオリゴ糖を含まない比較洗口剤を10人の被験者が1ヶ月間繰り返し使用したところ、7人が上記実施例2の洗口剤の方が歯茎の張りや色調の改善感に優れていると答えた。
化粧水、ローション、乳液、クリーム、軟膏等の皮膚外用剤やトローチ、タブレット、カプセル、顆粒、ジュース、チューインガム、キャンディ、グミキャンディ等の飲食品あるいは、歯磨剤、洗口剤、トローチ剤、ゲル剤等の口腔用組成物にハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクローの抽出物及び抽出分画物、ネトルの抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α−リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することにより、皮膚の老化症状や歯周病の予防及び改善効果を有する皮膚外用剤、口腔用組成物および飲食品が実現される。
Claims (3)
- ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari
radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum
proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することを特徴とする皮膚外用剤。 - ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari
radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することを特徴とする口腔用組成物。 - ハマナス(Rose rogusa)の抽出物及び抽出分画物、細辛(Asaiasari radix)の抽出物及び抽出分画物、デビルズクロー(Harpagophytum proumbens)の抽出物及び抽出分画物、ネトル(Urtica diodica)の抽出物及び抽出分画物、フェルラ酸、α-リポ酸、キトサンオリゴ糖、クロシン、ヘスペレチン類縁物質より選択した1種以上を配合することを特徴とする飲食品。
Priority Applications (1)
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