JP2016028097A - 覚醒時間延長剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全で入手が簡便であり、他の食材や素材と組み合わせても風味の問題が発生しない、飲食品や医薬品用途に適した覚醒時間を延長する作用を有する飲食品・医薬品素材を提供すること。
【解決手段】陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体に睡眠時間を短縮し、覚醒時間を延長する作用を見出した。
【選択図】 図4

Description

本発明は、陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体を有効成分とする、覚醒時間延長剤に関する。
カロテノイドは8個のイソプレノイド単位が結合した炭化水素類caroteneの総称である。カロテノイドは天然色素として、植物、微生物、動物に分布し、β−caroteneなどのようにプロビタミンAとして生理作用を持つもの、crocin、crocetinのような生薬の有効成分やこれらを含めた食品の着色料として重要なものが含まれる。また植物および光合成細菌においては光エネルギー伝達における補助酵素として知られている(非特許文献1)。また最近、カロテノイドの中でも魚介類や海藻などの海洋生物に含まれるカロテノイド、いわゆるマリンカロテノイドにおいて、新たな作用が多く見出されている。
例えば、ひじきやわかめなどの海藻に含まれる脂溶性物質の一つであるフコキサンチンは抗肥満作用(非特許文献2)や中性脂肪の吸収抑制作用(特許文献1)等が挙げられる。
また、例えば、エビ、カニなどの甲殻類に含まれ、赤色色素として用いられているアスタキサンチンは、生体内での抗酸化作用を有すること(特許文献3)、肝機能改善効果を有すること(特許文献4)などが見出されている。さらにアスタキサンチンは、筋肉損傷や疾病を改善する効果を有すること(特許文献2)も見出されている。
一方、カロテノイドの一種であるルテインは、植物の葉、花、果実や卵黄などに存在する色素である。ルテインは以前から着色用の食品添加物として使用されているが、抗酸化作用に基づく眼精疲労や白内障・加齢性黄班変性の抑制などの効果を有することから、近年では機能性食品素材としても注目を集めている。例えば、特許文献5には、ルテインを配合した眼精疲労用組成物が開示されている。特許文献6には、ルテインを配合した黄斑変性を処置するための栄養補助剤が開示されている。
ところで、生活様式の多様化に伴い、不規則な生活やストレスの多い現代社会においては、体内時計に基づく睡眠−覚醒のリズムやバランスが乱れ、睡眠障害をはじめとする概日リズムの障害に関する疾患が急速に増加している。また、高齢者では一般的に睡眠が浅くなり、途中覚醒が多くみられ、睡眠障害が起こり易い。睡眠障害の原因は様々であるが、その一因として、活動時間における運動量が少ないことが寝つきの悪さと関連していると言われている。そのため、活動時間には活発に活動でき、その結果として質の高い睡眠が得られるような生活リズムをサポートする素材が求められている。
これらの問題を解決する手段として、特許文献7は、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンおよび/またはそのエステルを有効成分とする日内リズム正常化組成物が開示されている。特許文献7に記載の発明は、アスタキサンチンがメラトニンの生体内での利用率を高めることで日内リズムを効果的に調節する作用を有するものであり、ラットの実験において、ラットの睡眠時間帯である明期の活動比率を、アスタキサンチンによって低下させる作用に基づくものである。つまり、特許文献7記載の日内リズム正常化組成物は睡眠に影響を与えるものである。
しかしながら、特許文献7記載の日内リズム正常化組成物は、睡眠時間に影響を与えるため、活動時間における運動量が少ないことが原因の寝つきの悪さについては改善できるかどうか疑問が残る。さらに特許文献7記載の日内リズム正常化組成物であるアスタキサンチンは、マリンカロテノイドに属するものであり、例えば乳製品などの飲食品に適用すると、原材料由来の臭気が問題となり、風味の点で問題が残ってしまう。
特開2009−173597号公報 特表2001−514215号公報 特開平2−49091号公報 特開平9−124470号公報 特開2007−308396号公報 特許第3672554号公報 国際公開公報WO01/087291
天然物化学 改訂第4版、145頁、南光堂 H. Maeda et al., Biochemical and Biophysical Research Communication, 332 (2005) 392-397
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、安全で入手が簡便であり、他の食材や素材と組み合わせても風味の問題が発生しない、覚醒時間延長剤を提供することであり、また同時に、上記の覚醒時間延長剤を用いた飲食品、食品組成物、医薬品組成物を提供することである。
上記従来の問題点に鑑み、本発明者等は鋭意研究を進めたところ、陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体に覚醒時間を延長する作用を見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[24]に係るものである。
[1] 陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体を有効成分とする、覚醒時間延長剤。
[2] 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体は、水酸基、カルボニル基、エーテル基の少なくとも1つを含むものである、[1]に記載の覚醒時間延長剤。
[3] 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体が、lutein(ルテイン)、zeaxanthin(ゼアキサンチン)、crocin(クロシン)、spheroidene(スフェロイデン)、violaxanthin(ビオラキサンチン)、torularhodinaldehyde(トルラロジンアルデヒド)、torularhodin(トルラロジン)、capsanthin(カプサンチン)、crocetin(クロセチン)、bixin(ビキシン)、azafrin(アザフリン)、β−carotenone(ベータ-カロテノン)、eschscholtzxanthin(エッショルツキサンチン)、rhodoxanthin(ロドキサンチン)、decaprenoxanthin(デカプレノキサンチン)の少なくとも1種以上を有効成分とする、[1]または[2]に記載の覚醒時間延長剤。
[4] 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体の有効量が、0.1〜1500mg/60kg体重である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤を0.01〜95質量%配合してなる、覚醒時間を延長するための医薬品組成物。
[6] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤を0.0001〜10質量%配合してなる、覚醒時間を延長するための飲食品。
[7] 陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体の薬学的有効量を対象に投与する工程を含む、覚醒時間を延長する方法。
[8] 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体は、水酸基、カルボニル基、エーテル基の少なくとも1つを含むものである、[7]に記載の方法。
[9] 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体が、lutein(ルテイン)、zeaxanthin(ゼアキサンチン)、crocin(クロシン)、spheroidene(スフェロイデン)、violaxanthin(ビオラキサンチン)、torularhodinaldehyde(トルラロジンアルデヒド)、torularhodin(トルラロジン)、capsanthin(カプサンチン)、crocetin(クロセチン)、bixin(ビキシン)、azafrin(アザフリン)、β−carotenone(ベータ-カロテノン)、eschscholtzxanthin(エッショルツキサンチン)、rhodoxanthin(ロドキサンチン)、decaprenoxanthin(デカプレノキサンチン)の少なくとも1種以上を有効成分とする、[7]または[8]に記載の方法。
[10] 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体の有効量が、0.1〜1500mg/60kg体重である、[7]〜[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤を0.01〜95質量%配合する工程を含む、覚醒時間の延長に有効な医薬品組成物を製造する方法。
[12] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤を0.0001〜10質量%添加する工程を含む、覚醒時間の延長に有効な飲食品を製造する方法。
[13] 覚醒時間延長剤の製造における、陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体の使用。
[14] 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体は、水酸基、カルボニル基、エーテル基の少なくとも1つを含むものである、[13]に記載の使用。
[15] 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体が、lutein(ルテイン)、zeaxanthin(ゼアキサンチン)、crocin(クロシン)、spheroidene(スフェロイデン)、violaxanthin(ビオラキサンチン)、torularhodinaldehyde(トルラロジンアルデヒド)、torularhodin(トルラロジン)、capsanthin(カプサンチン)、crocetin(クロセチン)、bixin(ビキシン)、azafrin(アザフリン)、β−carotenone(ベータ-カロテノン)、eschscholtzxanthin(エッショルツキサンチン)、rhodoxanthin(ロドキサンチン)、decaprenoxanthin(デカプレノキサンチン)の少なくとも1種以上を有効成分とする、[13]または[14]に記載の使用。
[16] 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体の有効量が、0.1〜1500mg/60kg体重である、[13]〜[15]のいずれか一項に記載の使用。
[17] 覚醒時間の延長に有効な医薬品組成物の製造における、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤の使用。
[18] 覚醒時間の延長に有効な飲食品の製造における、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤の使用。
[19] 覚醒時間延長に使用するための、陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体。
[20] 水酸基、カルボニル基、エーテル基の少なくとも1つを含むものである、[19]に記載のカロテン酸化誘導体。
[21] lutein(ルテイン)、zeaxanthin(ゼアキサンチン)、crocin(クロシン)、spheroidene(スフェロイデン)、violaxanthin(ビオラキサンチン)、torularhodinaldehyde(トルラロジンアルデヒド)、torularhodin(トルラロジン)、capsanthin(カプサンチン)、crocetin(クロセチン)、bixin(ビキシン)、azafrin(アザフリン)、β−carotenone(ベータ-カロテノン)、eschscholtzxanthin(エッショルツキサンチン)、rhodoxanthin(ロドキサンチン)、decaprenoxanthin(デカプレノキサンチン)の少なくとも1種以上を有効成分とする、[19]または[20]に記載のカロテン酸化誘導体。
[22] 覚醒時間の延長に使用するための有効量が、0.1〜1500mg/60kg体重である、[19]〜[21]のいずれか一項に記載のカロテン酸化誘導体。
[23] 覚醒時間の延長に有効な医薬品組成物の製造に使用するための、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤。
[24] 覚醒時間の延長に有効な飲食品の製造に使用するための、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤。
本発明の覚醒時間延長剤は、睡眠時間を短縮し、覚醒時間を長くするための飲食品、医薬品として有用である。そして、本発明の覚醒時間延長剤が配合された覚醒作用を有する飲食品・飲食品素材、または医薬品・医薬品素材は、陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体を有効成分とするものであって、食経験が豊富で副作用が少ないことから安全性が高い。さらにまた、原材料由来の臭気も従来に比べはるかに少なく風味の点でも優れている。また、本発明の覚醒時間延長剤を摂取、服用、あるいは投与することによって、例えば日中の覚醒時間をより長く過ごし、活発に活動できるようになることで、睡眠時間帯には良質な睡眠を得ることができる。
ラット個体別の、オリーブオイル投与時とルテイン投与時の暗期における覚醒時間を示す図である。 ラット個体別の、オリーブオイル投与時とルテイン投与時の暗期におけるNon-REM睡眠時間を示す図である。 ラット個体別の、オリーブオイル投与時とルテイン投与時の暗期におけるREM睡眠時間を示す図である。 各々のラットにおいて、オリーブオイル投与時の暗期における覚醒時間、Non-REM睡眠時間、REM睡眠時間を基準にしたルテイン投与時の暗期における覚醒時間、Non-REM睡眠時間、REM睡眠時間の増減を平均値で示した図である。図中の(*)はオリーブオイル投与時に比べルテイン投与時で危険率10%以下で有意な差があることを示し(p<0.1, t検定)、*はオリーブオイル投与時に比べルテイン投与時で危険率5%以下で有意な差があることを示す(p<0.05,t検定)。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に述べる個々の形態には限定されない。
本発明における陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体は、カロテノイドを含む例えば、野菜、果実、微生物などに由来するカロテン酸化誘導体であれば特に限定されない。本発明のカロテン酸化誘導体は、水酸基、カルボニル基、エーテル基の少なくとも1つを含むことができる。
本発明のカロテン酸化誘導体の一例として、ルテインを挙げ以下に説明する。
ルテイン(lutein)は野菜、果物、植物に豊富に含まれている。特に、ケール、芽キャベツ、ほうれん草、ブロッコリー等の緑黄色野菜やマリーゴールド等の黄色の花等、植物界に広く存在するカロテノイドの1つである。中でも、キク科のマリーゴールドの花弁には高濃度に含まれ、古来、家禽類の卵の黄身の着色強化用に飼料として使用され、近年においてはその鮮明な黄色を活かした食品着色料としても使用されている。そして、ルテインは、加齢性黄斑変性や白内障などの眼疾患を改善することでも知られている。ルテインのCAS No. は127-40-2であり、またルテインは別名として(3R,3'R,6'R)-β,ε-カロテン-3,3'-ジオール((3R,3'R,6'R)-β,ε-carotene-3,3'-diol)、(3R,3'R,6'R)-3,3'-ジヒドロキシ-β,ε-カロテン((3R,3'R,6'R)-3,3'-Dihydroxy-β,ε-carotene)または狭義のキサントフィル(Xanthophyll)ともいう。ルテインはカロテンのアルコール誘導体に属し、ルテイン20S(ルテイン20質量%含有、協和醗酵バイオ)等が市販されている。ルテイン20Sは、マリーゴールドの花弁由来のルテインを20%含有する赤褐色の熱軟化性ペーストである。
ルテインの抽出は、上記のような植物や微生物を、室温又は加熱した状態で溶剤に含浸させるか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて行われる溶剤抽出の他に、水蒸気蒸留等の蒸留法を用いて抽出する方法、炭酸ガスを超臨界状態にして行う超臨界抽出法、あるいは圧搾して抽出物を得る圧搾法、凍結乾燥し、そこに蒸留水を加え残渣を取り除いた上清を得る方法等を用いることができる。また、果汁等はそのまま噴霧乾燥等の処理をしたものを用いることもできる。
上述の抽出に用いられる抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類;超臨界二酸化炭素;油脂、ワックス、その他オイル等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、溶剤を変えて繰り返し行うことも可能である。このうち、水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等を用いるのが好ましく、水・エタノール混液を用いるのがより好ましい。
また、抽出物の分離精製手段としては、例えば、抽出物を活性炭処理、液液分配、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ゲル濾過、精密蒸留等を挙げることができる。
ルテインの他に、本発明のカロテン酸化誘導体の例として、カロテンのアルコール誘導体(ゼアキサンチン等)、配糖体(クロシン等)、エーテル誘導体(スフェロイデン等)、エポキシド誘導体(ビオラキサンチン等)、アルデヒド誘導体(トルラロジンアルデヒド等)およびカルボン酸誘導体(トルラロジン等)、並びにアポカロテノイド(クロセチン、ビキシン、アザフリン等)、セコカロテノイド(β−カロテノン等)、レトロカロテノイド(エッショルツキサンチン、ロドキサンチン等)、高級カロテノイド(デカプレノキサンチン等)に属するカロテン酸化誘導体であって、かつ陸上動物、陸上植物または微生物由来であるものが含まれる。その例として、
ゼアキサンチン(zeaxanthin、(3R,3'R)-β,β-carotene-3,3'-diolともいう、CAS No. 144-68-3、トウモロコシ種子・ホオズキの実等に分布、Fluka ・EXTRASYNTHESE S.A.等で入手可能)、
クロシン(crocin、8,8'-Diapo-ψ,ψ-carotene-8,8'-dioic acid bis(6-O-β-D-glucopyranosyl-β-D-glucopyranosyl) esterともいう、CAS No, 42553-65-1、サフランの柱頭・クチナシの果実等に分布、Sigma・EXTRASYNTHESE S.A.等で入手可能)、
スフェロイデン(spheroidene、3,4-Didehydro-1,2,7',8'-tetrahydro-1-methoxy-ψ,ψ-caroteneともいう、CAS No. 13836-61-8、Rhodopseudomonas spheroides(細菌)等に分布)、
ビオラキサンチン(violaxanthin、5α,6α:5'α,6'α-Bisoxy-5,5',6,6'-tetrahydro-β,β-carotene-3β,3β'-diolともいう、CAS No. 126-29-4、サンシキスミレの花弁等・多くの緑葉や果実に分布、CaroteNature等で入手可能)、
トルラロジンアルデヒド(torularhodinaldehydeともいう、Rhodotorula属の酵母等に分布)、
トルラロジン(torularhodin、3',4'-Didehydro-β,ψ-caroten-16'-oic acid ともいう、CAS No. 514-92-1、Rhodotorula属の酵母等に分布、CaroteNature等で入手可能)、
クロセチン(crocetin、8,8'-Diapo-ψ,ψ-carotene-8,8'-dioic acidともいう、CAS No, 27876-94-4、サフランの柱頭等に分布、EXTRASYNTHESE S.A.等で入手可能)、
ビキシン(bixin、(9Z)-6,6'-Diapo-ψ,ψ-carotene-6,6'-dioic acid 6-methyl esterともいう、CAS No. 6983-79-5、アケノキの果実等に分布、CaroteNature・ChromaDex, Inc.等で入手可能)、
アザフリン(azafrin、(5R,6R)-5,6-Dihydro-5,6-dihydroxy-10'-apo-β,ψ-carotenoic acidともいう、CAS No. 507-61-9、ゴマノハグサ科植物の幹・根等に分布)、
β−カロテノン(β−carotenone、5,6,5',6'-Diseco-β,β-caroten-5,6,5',6'-tetroneともいう、Murraya exotica(ゲッキツ)等に分布、CaroteNature等で入手可能)、
エッショルツキサンチン(eschscholtzxanthin、(3S,3'S)-4',5'-Didehydro-4,5'-retro-β,β-carotene-3,3'-diolともいう、CAS No. 472-73-1、ハナビシソウの花弁等に分布)、
ロドキサンチン(rhodoxanthin、4',5'-Didehydro-4,5'-retro-β,β-carotene-3,3'-dioneともいう、CAS No. 116-30-3、イチイの果実等に分布、CaroteNature等で入手可能)、
デカプレノキサンチン(decaprenoxanthin、(2R,2'R,6R,6'R)-2,2'-Bis[(E)-4-hydroxy-3-methyl-2-butenyl]-ε,ε-caroteneともいう、CAS No. 28368-06-1、Flavobacterium dehydrogenans(細菌)、Arthrobacter glacialis(細菌)等に分布)を挙げることができるが、これらの例に限定されない。
本発明の覚醒時間延長剤に用いられる陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体は、上述に例示した方法で得られる抽出液や分離した画分をそのまま用いたり、適宜、溶媒で希釈した希釈液として用いたり、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたり、ペースト状に調製することができる。
本発明の覚醒時間延長剤は、覚醒時間を延長する作用を有する。
一方で本発明の覚醒時間延長剤は、睡眠時間を短縮する作用を有する。
本発明の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体は、後記実施例に示すように、睡眠時間を短縮し覚醒時間を延長させる作用を有する。従って本発明の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体は、覚醒時間延長剤として使用できるのみならず、睡眠時間短縮剤として使用することもできる。さらに、本発明の覚醒時間延長剤を、他の添加剤または飲食品素材とあわせて、覚醒時間の延長に有効な医薬品(または医薬組成物ともいう。以下同様)や飲食品を製造するために使用することができる。
本発明の医薬品や飲食品は、「覚醒時間を延長する医薬品組成物または飲食品」、「覚醒時間を延長するために用いられる医薬品組成物または飲食品」、「睡眠時間を短縮する医薬品組成物または飲食品」、または「睡眠時間を短縮するために用いられる医薬品組成物または飲食品」ということもできる。
本発明の覚醒時間延長剤は、覚醒時間を延長させる作用を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品の添加剤として使用可能である。また、本発明は、覚醒時間を延長する旨を表示したヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品として応用可能である。さらに、運転操作をする者、運転操作を介助する者、医療従事者、または工事作業者など作業中に寝ることが本人あるいは他人の生命を脅かす恐れがあり許されない者、通常睡眠をとる時間帯(例えば夜間)に作業をする者、運動不足者や中高年者、ベッドレスト者のみならず、アスリートを含むあらゆる人々に対処するために用いることができる。
本発明の覚醒時間延長剤は、例えば、日中の覚醒時間をより長く過ごし、活発に活動できるようになることで、睡眠時間帯には良質な睡眠を得ることができるようになる。また、覚醒時間をより長くとることができるようになるため、高齢者や長期療養者の寝たきりを予防したり、覚醒状態でいることが求められる者の覚醒状態を延長することができ、生活リズムを自在にアレンジすることができるようになる。
また本発明において、覚醒時間延長剤を治療または予防目的で用いる場合には、対象に、本発明の覚醒時間延長剤を投与することが望ましい。 本発明の覚醒時間延長剤の投与対象としては、運転操作をする者、運転操作を介助する者、医療従事者、または工事作業者など作業中に寝ることが本人あるいは他人の生命を脅かす恐れがあり許されない者、通常睡眠をとる時間帯(例えば夜間)に作業をする者、運動不足者や中高年者、ベッドレスト者のみならず、アスリートを含むあらゆる人々が例示できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の覚醒時間延長剤を医薬品、医薬部外品として用いる場合の投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、外用剤等による非経口投与が挙げられる。また、このような種々の剤型の製剤を調製するには、本発明のカロテン酸化誘導体(例えばルテイン)を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。また、これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与であり、例えば経口用液体製剤を調製する場合は、嬌味剤、緩衝剤、安定化剤等を加えて常法により製造することができる。
本発明の覚醒時間延長に有効な飲食品は、カテゴリーや種類に制限はなく、機能性飲食品、特定保健用飲食品、健康飲食品、介護用飲食品でも良く、また、菓子、乳酸菌飲料、チーズやヨーグルト等の乳製品、調味料等であっても良い。飲食品の形状についても制限はなく、固形、液状、流動食状、ゼリー状、グミ状、タブレット状、顆粒状、カプセル状など、通常流通し得るあらゆる飲食品形状をとることができる。上記飲食品の製造は、当業者の常法によって行うことができるが、本発明の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体の覚醒時間延長作用を妨げない限り、糖質、タンパク質、脂質、食物繊維、ビタミン類、生体必須微量金属(硫酸マンガン、硫酸亜鉛、塩化マグネシウム、炭酸カリウム等)、香料やその他の配合物を添加することもできる。
また本発明の覚醒時間延長剤を配合してなる飲食品は、具体的には、各種飲食品、飲食品組成物(例えば、牛乳、乳飲料、清涼飲料、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、パン、ビスケット、クラッカー、ピッツァクラスト、調製粉乳、流動食、病者用食品、幼児用粉乳等食品、授乳婦用粉乳等食品、栄養食品等)に対して本発明の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体を有効成分とする覚醒時間延長剤を添加することによって製造することができる。また、これらの覚醒時間延長剤が配合された飲食品を摂取してもよい。
これらの飲食品または飲食品組成物に対する、本発明の覚醒時間延長剤の配合量は、その使用形態により異なるが、本発明の覚醒時間延長剤がルテインの場合を一例に挙げると次の通りである。食品の形態では、通常0.0001〜10質量%、さらに0.001〜5質量%、特に0.002〜2質量%とするのが好ましい。飲料の場合では、0.001〜0.5質量%、さらに0.005〜0.25質量%、特に0.01〜0.1質量%とするのが好ましい。タブレット等の食品錠剤及び/またはカプセル剤の場合では、ルテインが0.1〜95質量%、さらに1〜90質量%、特に5〜50質量%含有しているものが好ましい。尚、その性状についても、通常用いられる飲食品の状態、例えば、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペースト状、液状、懸濁状ないしゲル状のいずれでもよい。
上記以外の医薬品、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口用固形製剤、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤の場合には、ルテインであれば、通常0.01〜95質量%、さらに5〜90質量%、特に10〜50質量%とするのが好ましい。
その他の成分についても特に限定されないが、本発明の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体を有効成分とする覚醒時間延長剤を飲食品または食品組成物として用いる場合には、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を主成分として使用することができる。タンパク質としては、例えば全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、ホエイ粉、ホエイタンパク質、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、α−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン、β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、ラクトフェリン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、これら加水分解物;バター、乳清ミネラル、クリーム、ホエイ、非タンパク態窒素、シアル酸、リン脂質、乳糖等の各種乳由来成分などが挙げられる。糖質としては一般の糖類、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の動物性油脂;パーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロテン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられ、ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン、乳清ミネラルなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが挙げられる。これらの成分は、単独でも2種以上を組み合わせても使用することができ、合成品及び/またはこれらを多く含む食品を用いてもよい。
本発明の覚醒延長剤の有効摂取量(投与量)は、1日あたり0.1〜1500mg/60kg体重が好ましく、1〜1200mg/60kg体重がより好ましく、5〜1000mg/60kg体重が特に好ましい。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、本発明を実験例、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、本明細書において%表示は明示しない場合には質量%を示す。
[実験例1]
<暗期の評価>
10週令の雄性のSDラット8匹をペントバルビタール麻酔下にて頭部を切開し、頭蓋骨の頭頂部に脳波送信装置(Data Science社)を埋め込んだ。その後、3週間、通常飼育し、一般状態に問題の無いラットを実験に使用した。対照群(3匹)およびルテイン投与群(3匹)の2群に分けた。20%ルテインであるルテイン20S(ルテイン20%質量%含有、協和醗酵バイオ、マリーゴールドの花弁由来のルテインを20%含有する赤褐色の熱軟化性ペースト)をオリーブオイルに懸濁し、16時に80mg/kg(ルテイン換算16mg/kg)の投与量でラットに経口投与した。対照群にはオリーブオイルを同時刻に経口投与した。その後、ラットの活動時間帯である暗期(19時〜翌日7時)の前後2時間を含む17時から翌日9時までの16時間につき、ラットの脳波をテレメトリーシステムにより測定した。得られた脳波データは、専用の解析ソフト(Somnologica Science、Medcare社)にて解析し、測定時間内の覚醒、Non-REM睡眠、REM睡眠の変化を調べた(Biological & Pharmaceutical Bulletin Vol.30 No.10,2007 p.1895-1897)。
1週間以上の休薬期間の後、対照群に該当していたラットはルテイン投与群として上記と同様な方法でルテインを投与し、ルテイン投与群に該当していたラットは対照群としてオリーブオイルを投与し、上記と同様の測定を行った。
ラット個体別の暗期における覚醒時間、Non-REM睡眠時間、REM睡眠時間をそれぞれ図1、図2、図3に示す。覚醒時間に関しては図1の通り、対象であるオリーブオイル投与と比較して、ルテイン投与により殆どの個体で覚醒時間が延長し、平均ではオリーブオイル投与における覚醒時間が368分であるのに対し、ルテイン投与では387分と覚醒時間の延長傾向が認められた。Non-REM睡眠時間に関しては図2の通り、対照であるオリーブオイル投与と比較して、ルテインの経口投与により殆どの個体でNon-REM睡眠時間が短縮し、平均ではオリーブオイル投与におけるNon-REM睡眠時間が249分であるのに対し、ルテイン投与では229分とNon-REM睡眠時間の短縮傾向が認められた。またREM睡眠時間に関しては図3の通り、平均ではオリーブオイル投与群におけるNon-REM睡眠時間が101分であるのに対し、ルテイン投与群が102分であり、差は認められなかった。
図1〜図3に示される個体別でのルテイン投与時の各測定項目の値からオリーブオイル投与時の各測定項目の値の差を取り、その個々値の平均したものを図4に示した。図4から明らかなように、ルテインを投与することによってオリーブオイル投与時に比べて覚醒時間が約20分延長傾向(p<0.10)を示し、逆に、オリーブオイル投与時に比べてNon-REM睡眠時間は約20分有意に短縮した(p<0.05)。
本発明の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体を有効成分とする覚醒時間延長剤は覚醒時間を延長させることができる。また本発明の覚醒時間延長剤は種々の形態にて提供することが可能であり、原材料由来の臭気が少ないために、簡便に利用することができ、覚醒時間を延長する飲食品または医薬品として提供することができる。さらに本発明は、人体に対する安全性についても問題がないために、その優れた効果を簡便かつ有効に活用することができ、その利用価値は高い。

Claims (6)

  1. 陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体を有効成分とする、覚醒時間延長剤。
  2. 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体は、水酸基、カルボニル基、エーテル基の少なくとも1つを含むものである、請求項1に記載の覚醒時間延長剤。
  3. 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体が、lutein、zeaxanthin、crocin、spheroidene、violaxanthin、torularhodinaldehyde、torularhodin、capsanthin、crocetin、bixin、azafrin、β−carotenone、eschscholtzxanthin、rhodoxanthin、decaprenoxanthinの少なくとも1種以上を有効成分とする、請求項1または2に記載の覚醒時間延長剤。
  4. 前記の陸上動物、陸上植物または微生物由来のカロテン酸化誘導体の有効量が、0.1〜1500mg/60kg体重である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤を0.01〜95質量%配合してなる、覚醒時間を延長するための医薬品組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の覚醒時間延長剤を0.0001〜10質量%添加してなる、覚醒時間を延長するための飲食品。
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