JP2009269832A - カルシトニン遺伝子関連ペプチド及びインスリン様成長因子−1の産生促進組成物 - Google Patents

カルシトニン遺伝子関連ペプチド及びインスリン様成長因子−1の産生促進組成物 Download PDF

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研二 岡嶋
Naoaki Harada
直明 原田
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Abstract

【課題】
カルシトニン遺伝子関連ペプチド及びインスリン様成長因子−1の産生・放出の低下によって生じる、脱毛、禿、メタボリックシンドローム、生活習慣病、肥満、悪性腫瘍、骨粗鬆症、感染、インフルエンザ合併症、花粉症などの予防及び改善、治療、さらには育毛・養毛・発毛に関して有用であり、消化器官への刺激を伴わず、副作用のない組成物を提供する。
【解決手段】
アスタキサンチンを有効成分とし、カルシトニン遺伝子関連ペプチド及びインスリン様成長因子−1の産生・放出促進作用を有する組成物とする。その組成物を、脱毛、禿、メタボリックシンドローム、生活習慣病、肥満、悪性腫瘍、骨粗鬆症、感染、インフルエンザ合併症、花粉症などの予防及び改善、治療、さらには育毛・養毛・発毛に関して有用の、医薬品や飲食物などとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、アスタキサンチンを有効成分として含有するカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の産生・放出促進作用及びインスリン様成長因子−1(IGF−I)の産生・放出促進作用を有する組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、アスタキサンチンを有効成分として含有し、育毛・発毛、メタボリックシンドローム、生活習慣病、肥満等の予防・治療改善用、骨粗鬆症の予防と治療用等の医薬品、飲食物に関する。
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP:Calcitonin-gene-related peptide)は、は37個のアミノ酸から構成される血管拡張性ペプチドであり、αCGRPとβCGRPの2つの異性体がある。カルシトニン遺伝子関連ペプチドは、カプサイシンの局所投与などの刺激に応答して末梢神経末端や骨芽細胞などから放出され、三叉神経節、その他の感覚神経神経節、及び脳血管周囲に広範囲に分布し、血管弛緩、TNF−α過剰生産抑制、NO産生亢進、プロスタグランジン産生、インスリン様成長因子−1(IGF−I)の産生などの効果がある。
インスリン様成長因子−1(IGF−I:insulin-like growth factor - 1)は、70個のアミノ酸からなるポリペプチドホルモン、ソフトマメジンとも呼ばれ、主に肝臓と腎臓で作られる。インスリン様成長因子−1は、人体の殆どの細胞、特に筋肉、骨、肝臓、腎臓、神経、皮膚及び肺の細胞に影響を及ぼし、血糖降下作用と軟骨への硫酸イオンの取り込み促進作用を持つなどインスリン様効果に加え、細胞成長(特に神経細胞、毛根細胞、皮細胞など)の発達及び細胞DNA合成を調節する。特に、加齢に重要な役割(線虫、ショウジョウバエ及び他の生物は哺乳類のIGFに対応する遺伝子のノックアウトにより寿命)を有し、また、ガンや糖尿病の様な疾患での重要な役割(前立腺ガンと乳ガンの細胞の成長を刺激)をしていることが示されている。
これらカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)及びインスリン様成長因子−1(IGF−I)の産生・放出の減少や不足によって様々な疾病が起こる。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の産生・放出促進作用及びインスリン様成長因子−1(IGF−I)の産生・放出促進作用を有する天然由来の素材としては、カプサイシン、ラズベリーケトン、カプシエイト、蜂蜜、ローヤルゼリーなどが知られている。さらに、それらの成分とイソフラボン類を用いることによって、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の産生・放出促進作用及びインスリン様成長因子−1(IGF−I)の産生・放出促進作用を有することが知られている(特許文献1、特許文献2、非特許文献1)
アスタキサンチンは、エビ、カニ等の甲殻類、サケ、タイ等の魚類、緑藻ヘマトコッカス等の藻類、赤色酵母ファフィア等の酵母類等、天然、特に海洋に広く分布しており、赤色色素として用いられ、ビタミンEの約1000倍、β−カロテンの約40倍の抗酸化作用を有することが見いだされている。また、アスタキサンチンの身体的な機能の改善効果として、メタボリックシンドロームの改善効果、ストレス抑制効果などが知られている。
しかし、アスタキサンチンが、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)及びインスリン様成長因子−1(IGF−I)の産生・放出促進作用を有することは知られていない。
日本国特開2005−68129号公報 日本国特開2007−291014号公報 Growth Hormone & IGF Research, 17, 2007, 408-415, 岡嶋ら
副作用がなく、容易に摂取可能なカルシトニン遺伝子関連ペプチド及びインスリン様成長因子−1の産生・放出促進作用を有する医薬品・飲食物が求められている。さらには、カルシトニン遺伝子関連ペプチド及びインスリン様成長因子−1の産生・放出促進作用を有する組成物を摂取することによって、育毛・発毛、メタボリックシンドローム、生活習慣病、肥満等の予防・治療改善用、骨粗鬆症の予防と治療用等の医薬品、飲食物を提供する。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、アスタキサンチンと必要に応じてイソフラボンを配合するカルシトニン遺伝子関連ペプチド及びびインスリン様成長因子−1の産生及び放出が促進されることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成よりなる。
(1)アスタキサンチンを有効成分とするカルシトニン遺伝子関連ペプチド産生及び放出促進用組成物、
(2)アスタキサンチン及びイソフラボンを有効成分とするカルシトニン遺伝子関連ペプチド産生及び放出促進用組成物、
(3)アスタキサンチンを有効成分とするインスリン様成長因子産生及び放出促進用組成物、
(4)アスタキサンチン及びイソフラボンを有効成分とするインスリン様成長因子産生及び放出促進用組成物、
(5)(1)〜(4)の組成物を含有する、下記の疾病・障害を治療するための医薬品及び飲食物;
脱毛、禿、メタボリックシンドローム、肥満、悪性腫瘍、骨粗鬆症、ストレス疾患、うつ病、痴呆、老化、美肌、ドライマウス、ガン、糖尿病、
(6)(1)〜(4)の組成物を含有する、育毛、養毛、発毛のための医薬品及び飲食物。
アスタキサンチン及び必要に応じてイソフラボンからなる組成物を医薬品や飲食物の形で投与・摂取することによって、カルシトニン遺伝子関連ペプチド及びインスリン様成長因子−1の産生及び放出の向上をすることができる。
本発明は、アスタキサンチン必要に応じてイソフラボンからなる組成物であり、経口又は非経口で摂取することによって、カルシトニン遺伝子関連ペプチド及びインスリン様成長因子−1の産生及び放出を向上させることができる。
本発明に係わるアスタキサンチンについて説明する。
本発明の記載で、特に記載がない限り、アスタキサンチンはアスタキサンチン及び/又はそのエステル体を含む。さらに、アスタキサンチンのエステルにはモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
本発明のアスタキサンチンとしては、アスタキサンチンの遊離体、モノエステル体、ジエステル体の少なくとも一種を用いることができる。ジエステル体は2つの水酸基がエステル結合により保護されているため化学的及び物理的に遊離体やモノエステル体よりも安定性が高く本発明の組成物中で酸化分解されにくい。しかし、腸内で酵素により、又は生体中に取り込まれると生体内酵素により速やかにアスタキサンチンに加水分解され、効果を示すものと考えられている。
アスタキサンチンのモノエステルとしては、低級又は高級飽和脂肪酸、あるいは低級又は高級不飽和脂肪酸によりエステル化されたエステル類をあげることができる。前記低級又は高級飽和脂肪酸、あるいは低級又は高級不飽和脂肪酸の具体例としては、酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、へブタデカン酸、エライジン酸、リシノール酸、ベトロセリン酸、バクセン酸、エレオステアリン酸、プニシン酸、リカン酸、パリナリン酸、ガドール酸、5−エイコセン酸、5−ドコセン酸、セトール酸、エルシン酸、5、13−ドコサジエン酸、セラコール酸、デセン酸、ステリング酸、ドデセン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エイコサオペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などをあげることができる。また、カロテノイドのジエステルとしては前記脂肪酸からなる群から選択される同一又は異種の脂肪酸によりエステル化されたジエステル類をあげることができる。
さらに、アスタキサンチンのモノエステルとしては、グリシン、アラニンなどのアミノ酸;酢酸、クエン酸などの一価又は多価カルボン酸;リン酸、硫酸などの無機酸;グルコシドなどの糖;グリセロ糖脂肪酸、スフィンゴ糖脂肪酸などの糖脂肪酸;グリセロ脂肪酸などの脂肪酸;グリセロリン酸などによりエステル化されたモノエステル類をあげることができる。なお、考えられ得る場合は前記モノエステル類の塩も含む。脂肪酸の誘導体としては、上記脂肪酸のリン脂質型、アルコール型、エーテル型、ショ糖エステル型、ポリグリセリンエステル型があげられる。
アスタキサンチンのジエステルとしては、前記低級飽和脂肪酸、高級飽和脂肪酸、低級不飽和脂肪酸、高級不飽和脂肪酸、アミノ酸、一価又は多価カルボン酸、無機酸、糖、糖脂肪酸、脂肪酸及びグリセロリン酸からなる群から選択される同一又は異種の酸によりエステル化されたジエステル類をあげることができる。なお、考えられ得る場合は前記ジエステル類の塩も含む。グリセロリン酸のジエステルとしては、グリセロリン酸の飽和脂肪酸エステル類、又は高級不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸から選択される脂肪酸類を含有するグリセロリン酸エステル類などをあげることができる。
アスタキサンチンとは、天然物由来のもの又は合成により得られるものを意味する。天然物由来のものとしては、例えば、緑藻ヘマトコッカスなどの微細藻類、赤色酵母ファフィアなどの酵母類、エビ、オキアミ、カニなどの甲殻類の甲殻、イカ、タコなどの頭足類の内臓、種々の魚介類の皮やヒレ、ナツザキフクジュソウなどのAdonis属植物の花弁、Paracoccus sp. N81106、Brevundimonas sp. SD212、Erythrobacter sp. PC6などのα−プロテオバクテリア類、Gordonia sp. KANMONKAZ-1129などの放線菌、Schizochytriuym sp. KH105などのラビリンチュラ類(特にヤブレツボカビ科)やアスタキサンチン産生遺伝子組み換え生物体などから得られるものをあげることができる。天然からの抽出物及び化学合成品は市販されており、入手は容易である。
アスタキサンチンは、3、3'−ジヒドロキシ−β、β−カロテン−4、4'−ジオンであり、立体異性体を有する。具体的には、(3R、3'R)−アスタキサンチン、(3R、3'S)−アスタキサンチン及び(3S、3'S)−アスタキサンチンの3種の立体異性体が知られているが、本発明にはそのいずれも用いることができる。本発明はこれらアスタキサンチン異性体のモノエステル及びジエステルを含む。
本発明において、アスタキサンチンの脂肪酸エステルは、天然物由来のもの又は合成により得られるもののいずれも用いることができるが、体内での吸収からアスタキサンチンエステルが各種の油脂に溶解した天然物由来が好ましい。天然物由来には、例えば、オキアミ抽出物、ファフィア酵母抽出物、ヘマトコッカス藻抽出物があるが、特に好ましいのはアスタキサンチンの安定性の良さとアスタキサンチンのエステルの種類によりヘマトコッカス藻抽出物である。
アスタキサンチンの脂肪酸エステルは突然変異原性が観察されず、安全性が高い化合物であることが知られて、食品添加物として広く用いられている(高橋二郎ほか:ヘマトコッカス藻アスタキサンチンの毒性試験―Ames試験、ラット単回投与毒性試験、ラット90日反復経口投与性毒性試験―、臨床医薬、20:867−881、2004)。
ヘマトコッカス藻は、ボルボックス目クラミドモナス科に属する緑藻類であり、通常は緑藻であるためクロロフィル含量が高く緑色であり、2本の鞭毛によって水中を遊泳しているが、栄養源欠乏や温度変化等の飢餓条件では休眠胞子を形成し、アスタキサンチン含量が高くなり赤い球形となる。本発明においては、いずれの状態でのヘマトコッカス藻を用いることができるが、アスタキサンチンを多く含有した休眠胞子となったヘマトコッカス藻を用いるのが好ましい。また、ヘマトコッカス属に属する緑藻類では、例えば、ヘマトコッカス・プルビイアリス(Haematococcus pluvialis)が好ましい。
ヘマトコッカス緑藻類の培養方法としては、異種微生物の混入・繁殖がなく、その他の夾雑物の混入が少ない密閉型の培養方法が好ましく、例えば、一部解放型のドーム形状、円錐形状又は円筒形状の培養装置と装置内で移動自在のガス吐出装置を有する培養基を用いて培養する方法(国際公開第99/50384号公報)や、密閉型の培養装置に光源を入れ内部から光を照射して培養する方法、平板状の培養槽やチューブ型の培養層を用いる方法が適している。
本発明のヘマトコッカス藻から抽出物を得る方法としては、ヘマトコッカス藻を乾燥粉砕した後アセトンやアルコールなどの有機溶媒で抽出する方法、ヘマトコッカス藻を有機溶媒に懸濁させて粉砕し同時に抽出する方法、二酸化炭素などを用いる超臨界抽出する方法などで行うことができる。
超臨界抽出法は、常法によって行うことができ、例えば、広瀬(Ind Eng Chem Res、2006、45(10)、3652-3657、Extraction of Astaxanthin from Haematococcus pluvialis Using Supercritical CO2 and Ethanol as Entrainer)らの方法で行うことができる。
前記培養物又は前記甲殻類から有機溶媒を用いて抽出及び精製する方法については種々の方法が知られている。例えば、アスタキサンチン及びそのエステルは油溶性物質であることから、アスタキサンチンを含有する天然物からアセトン、アルコール、酢酸エチル、ベンゼン、クロロホルムなどの油溶性有機溶媒でアスタキサンチン含有成分を抽出することができる。また、二酸化炭素、プロパン及び水などを用い超臨界抽出を行うこともできる。抽出後、常法に従って溶媒を除去してモノエステル型のアスタキサンチンとジエステル型のアスタキサンチンの混合濃縮物を得ることができる。得られた濃縮物は、所望により分離カラムやリパーゼ分解によりさらに精製することができる。
前記のドーム型培養装置や密閉型の培養装置で培養したヘマトコッカス藻を乾燥させ、粉砕後にアセトンで抽出又は、アセトン中で粉砕と抽出を同時に行ったのち、アセトンを除去してアスタキサンチン抽出する製法が、又は超臨界抽出を行い、精製したものは、空気に触れることがないことからアスタキサンチンの酸化がほとんどなく、夾雑物が少なく、すなわち本発明の効果を阻害する物質が少なく、アスタキサンチンとトリグリセリドを純度良く多く含むことができ好適である。
本発明の組成物には、アスタキサンチン単独でも効果があるが、さらにイソフラボンを配合することによって効果をより向上させることができる。
本発明のイソフラボンは、3−フェニルクロモン骨格を有するイソフラボン類であればいずれのイソフラボンを用いることができる。イソフラボンとしては、例えば、ダイジン、グリシチン、ゲニスチン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステイン、6"−0−アセチルダイジン、6"−0−マロニルダイジン、6"−0−アセチルグリシチン、6"−0−マロニルグリシチン、6"−0−アセチルゲニスチン、6"−0−マロニルゲニスチンなどである。特に、ダイジン、グリシチン、ゲニスチン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインが好ましい。これらのイソフラボンは二種以上を用いることができる。
本発明に用いるイソフラボンは天然物由来のもの又は合成のものを用いることができる。天然由来のイソフラボンとしては、例えば、大豆種子、葛根及びそれらを用いた食品などがあげられる。特に、大豆の胚軸にはイソフラボンが多量に含まれるため好適である。また、イソフラボンを含有する天然由来の原料からなるみそ、豆腐、納豆及び豆乳などの食品を用いることもできる。
大豆や大豆食品、大豆胚軸、葛根などの抽出物やその精製物を用いて、イソフラボンの濃度を高くすることができる。イソフラボンを抽出する溶媒は、通常天然物の抽出に用いられる溶媒ならいずれでもよく、水又はエタノールなどのアルコールを用いるのが好ましい。分離カラムや合成吸着剤、イオン交換樹脂、限外ろ過などによって精製することができる。抽出液又は精製液は、常法に従って濃縮した濃縮液や粉末化したものを使用することができる。これらのイソフラボンを含有する抽出物や粉末は市販されており、入手は容易である。
本発明の組成物におけるアスタキサンチンの量は、アスタキサンチン遊離体換算量で、成人では1日あたり、0.001〜100mg、好ましくは0.01〜20mgの摂取量が可能なように配合することができる。1日でこれらの摂取量が可能であるように、複数回に分けて摂取可能なよう分割する形態とすることができる。投与量は、投与される患者の年齢、体重、症状の程度、投与形態によって異なる。本発明の組成物におけるアスタキサンチン量は、1日の摂取量によって適宜配合することができ0.001〜99重量%、好ましくは0.01〜90重量%の量で含有させることができる。
本発明の組成物において、アスタキサンチンにさらにイソフラボンを配合する場合、アスタキサンチンに対してイソフラボンは、それぞれ遊離体換算で1:0.001〜1000の割合で配合することができ、好ましくは1:0.01〜100、より好ましくは1:0.1〜10である。また、本発明の組成物におけるイソフラボンは、組成物の全量に対して、0.001〜99.9重量%の範囲で配合することができ、好ましくは0.01〜90重量%である。これらは、アスタキサンチンの1日の摂取量を基準に適宜配合することができる。
本発明の組成物において、アスタキサンチンは体内に摂取され、知覚神経を刺激し作用することにより、カルトシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の産生と放出を促進する。さらに、生じたカルトシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)によって、インスリン様成長因子−1(IGF−I)の産生と放出を促進する。これらは、体全体のいずれの細胞でも産生されるが、主に腎臓や肝臓で産生されるが、本発明の組成物においては、腎臓や肝臓を除く体全体の部位での産生を特に促進する効果がある。主に腎臓や肝臓を促進するこれまでの活性成分と異なり、末端の患部部位で効果を及ぼすことから、他の部位に影響を与えず、直ちに直接作用することにより、より効果が大きいと考えられる。また、本発明において、促進とは健常状態からのさらなる向上促進、及び疾病や傷害により低下した状態を改善・治療することを含む。
本発明の組成物は、カルトシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)及びインスリン様成長因子−1(IGF−I)の産生や放出を促進することから、それらの不足による疾病や傷害を改善することができ、例えば、鬱病、認知症、アルツハイマー病、不登校などの中枢神経疾患、慢性心不全、高血圧、狭心症、血栓症(脳梗塞、心筋梗塞、ASOなど)などの心血管系疾患、糖尿病、肥満、高脂血症、メタボリックシンドロームなどの代謝異常、胃潰瘍、肝機能障害などの消化器疾患、関節リウマチ、変形性漆関節炎、骨粗鬆症などの運動器疾患、皮膚老化(しわ、たるみ)、育毛、辱層や下肢潰瘍の治癒促進などの皮膚科領域、その他として、不妊症、手術及び化学療法が適応にならない悪性腫瘍、風邪などの感染症予防、花粉症などのアレルギー疾患、脱毛、薄毛などへの育毛・養毛などの効果がある。さらには、これらの疾病や傷害の予防効果もある。
カルシトニン遺伝子関連ペプチドは、悪害をもたらすTNF−αの過剰な産生を抑制するとともに、インスリン様成長因子を誘導し、そのインスリン様成長因子−1は、毛包の成長を促進し、毛周期における休止期から成長期への移行と成長期の延長に関して重要な働きをしていると考えられ、発毛、育毛、養毛に特に効果がある。
イソフラボン以外の成分でも、アスタキサンチンと異なる刺激を知覚神経に与える成分を発明の組成物に配合することによって、相乗的に本発明の効果を大きくすることができる。そのような成分としては、例えば、カプサイシン、ラズベリーケトン、カプシエイト、蜂蜜、ローヤルゼリーなどがあげられる。また、摂取以外にも知覚神経を刺激するようなことを行うことによって、より効果を高めることができる。そのような行為や方法としては、例えば、皮膚への刺激となる温泉や適度な発汗を行う運動などがあげられる。
本発明の効果を補助するため、補助効果を有する物質を添加することができる。例えば、ビタミンA類;カロテノイド類(キサントフィル除く);ビタミンB類;ビタミンC類;ビタミンD類、ビタミンE類;トコトリエノール類;グルタチオン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩;リグナン、カテキン、アントシアニン、タンニン、ルチン、クロロゲン酸、エラグ酸、クルクミン、クマリンなどのポリフェノール類;リノール酸、α−又はγ−リノレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体並びにそれらの塩;コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ケラチンから選ばれるタンパク質及びそれらの誘導体並びに加水分解物;アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンなどのアミノ酸及びこれらの誘導体及びその塩類並びにペプチド;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩;血清除蛋白、脾臓、胎盤、鶏冠、ローヤルゼリー、酵母、乳酸菌、ビフィズス菌、霊芝、ニンジン、センブリ、ローズマリー、オウバク、ニンニク、ヒノキチオール、セファランチン、アロエ、サルビア、アルニカ、カミツレ、シラカバ、オトギリソウ、ユーカリ、ムクロジ、センプクカ、ケイケットウ、サンペンズ、ソウハクヒ、トウキ、イブキトラノオ、クララ、サンザシ、シラユリ、ホップ、ノイバラ、ヨクイニン、ドクダミ、海藻、納豆、レモングラス、ハイビスカスなどの天然物並びにそれらの抽出物;アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体;鉄、バナジウム、モリブデン、マンガン、銅、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、セレン、ヨウ素などのミネラル類;マンニトール、キシリトール、グルコサミンなどの単糖類;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、グリコーゲン、キチン、キトサンなどの多糖類;デオキシリボ核酸、リボ核酸などの核酸類;その他のグリチルリチン酸、グアニン、ムチン、ユビキノン、α−リポ酸、オクタコサノール、アリシン、アリイン、ラズベリーケトン、カプシエイト、蜂蜜、ローヤルゼリー、カプサイシンなど、並びにそれらの混合物からなる群から1種又は2種以上選択することができる。これらの成分は、医薬品全量に対して一般には0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜50重量%配合され、一種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物は、医薬品や飲食物、化粧品、飼料に配合又は形態をとることができる。本発明で、医薬品には、医薬品の他に医薬部外品なども含まれる。
本発明の組成物を含む医薬品は、一般製剤の製造に用いられる種々の添加剤を適当量含んでいてもよい。このような添加剤として、例えば賦形剤、結合剤、酸味料、発泡剤、人工甘味料、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、pH調整剤、界面活性剤などが挙げられる。賦形剤としては、例えばトウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギコデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、有孔デンプン等のデンプン類、乳糖、ショ糖、ブドウ糖などの糖、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトールなどの糖アルコール、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸などの無機化合物などがあげられる。結合剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルランなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えばデンプン、寒天、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、結晶セルロース、F−MELT(商標、富士化学工業(株)製)などがあげられる。酸味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸などがあげられる。発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。香料としては、例えばレモン油、オレンジ油、メントールなどが挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。着色剤としては、例えば食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素、食用レーキ色素、三二酸化鉄などが挙げられる。安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、トコフェロール、シクロデキストリン等が挙げられる。pH調整剤としては、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、アミノ酸塩などが挙げられる。界面活性剤として、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガントなどがあげられる。アスタキサンチンやトコトリエノールの吸収や製剤化を良くするためには粉末状態にすることができる。
シロップ、ドリンク剤、懸濁液、点眼剤、注射剤などの液剤は、有効成分を必要に応じてpH調製剤、緩衝剤、溶解剤、懸濁剤等、張化剤、安定化剤、防腐剤などの存在下、常法により製剤化することができる。懸濁剤としては、例えば、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガントなどを挙げることができる。溶解剤としては、例えば、ポリソルベート80、水添ポリオキシエチレンヒマシ油、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マクロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステルなどを挙げることができる。安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。防腐剤としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾールなどを挙げることができる。
皮膚外用剤の形態には、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、分散液、洗浄料、メーキャップ化粧料、頭皮・毛髪用品等の化粧品や、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等の医薬品などとすることができる。上記成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、美白剤、保湿剤、各種皮膚栄養成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、油性成分、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、色剤、水、防腐剤、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
飲食物としては、サプリメント、保健機能食、特別用途食品、健康食品、一般食品、飲料として用いることができ、摂取のしやすさや摂取量が決めやすいことから、サプリメント、保健機能食、特別用途食品が好ましく、前述医薬品と同様の形態、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル、顆粒、細粒などの固形投与形態、シロップ及び懸濁液のような液体投与形態で摂取することができる。上記医薬品用製剤で用いる成分のうち、食品で使用可能なものを選択でき、その他に乳蛋白質、大豆蛋白質、卵アルブミン蛋白質など、又は、これらの分解物である卵白オリゴペプチド、大豆加水分解物、アミノ酸単体の混合物を併用することもできる。また、ドリンク形態で提供する場合は、栄養バランス、摂取時の風味を良くするためにアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類などの栄養的添加物、甘味料、香辛料、香料及び色素などを配合してもよい。本発明の飲食物の形態は、これらに限定されるものではない。
本発明において、機能性食品とは、国や公共団体が許可・指定している医薬品的な効能を有する食品であり、例えば、栄養機能食品や特定保健用食品などの保健機能食品、特別用途食品などである。なお、状況や時代により名称や規程が変化するが、本質的に同じであるものは本発明に含まれる。
一般食品、すなわち飲食物の形態例としては、マーガリン、バター、バターソース、チーズ、生クリーム、ショートニング、ラード、アイスクリーム、ヨーグルト、乳製品、ソース肉製品、魚製品、漬け物、納豆、煮豆、炒り豆、豆腐、麻婆豆腐、ミックスナッツ、フライドポテト、ポテトチップス、スナック菓子、かきもち、ポップコーン、ふりかけ、チューインガム、チョコレート、プリン、ゼリー、グミキャンディー、キャンディー、ドロップ、キャラメル、パン、カステラ、ケーキ、ドーナッツ、ビスケット、クッキー、クラッカー、焼き菓子、マカロニ、パスタ、ラーメン、蕎麦、うどん、サラダ油、インスタントスープ、ドレッシング、卵、マヨネーズ、みそなど、又は果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料などの炭酸系飲料又は非炭酸系飲料など、茶、コーヒー、ココアなどの非アルコール又はリキュール、薬用酒などのアルコール飲料、栄養ドリンク、牛乳、豆乳などの一般食品への添加例を挙げることができる。
飲食物では、アスタキサンチン及び必要に応じてイソフラボンを一般食品の原料と共に配合し、常法に従って加工製造することにより製造される。アスタキサンチン及びイソフラボンの配合量は食品の形態などにより異なり特に限定されるものではないが、一般にはアスタキサンチン及びイソフラボンの使用量は当業者が飲食物の種類に応じて適宜選択でき、前述の量を配合することができる。
本発明の抗酸化剤を飼料に配合した場合も、医薬品や飲食物と同様の効果を得ることができ、例えば、ラット、ウサギ、サル、犬、猫、豚、牛、羊、馬に投与することができる。
本発明の飼料は、固形製剤、固形、ペレット状、粒状、ビスケット状、練り状などの形態及びドライフード、セミドライフード(例えば、水分含有量10〜50重量%程度の飼料)、又は缶詰などのウェットフード(例えば、水分含有量が50〜80重量%程度の飼料)等に特に制限されない。従来の飼料製造の過程において適当な工程でアスタキサンチン及び要に応じてイソフラボンを1種又は2種以上を飼料の材料に添加混合、又はアスタキサンチン及び要に応じてイソフラボンを1種又は2種以上の水溶液を飼料にふりかけて製造することができる。本発明の飼料は、市販の飼料にアスタキサンチン及びトコトリエノール類を1種又は2種以上を添加混合したり、振りかけても作ることができる。また、人用の栄養補助食品と同様に、摂取が容易である錠剤、舌下錠、丸剤、散剤、粉剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤及び軟カプセルなどの固形製剤で製造することができる。
配合可能な原料としては、飼料として使用し得るものなら特に制限はないが、飼料の原料としては、飼料の種類に応じて、慣用の成分、例えば、魚粉、魚肉、魚介類、フィッシュミール、畜肉、肉粉、肉骨粉、血粉、フェザーミール、蚕蛹油粕、脱脂粉乳、動物性油脂(牛油、豚油、骨油など)、鶏卵類、乳類などの動物性原料;ビール酵母、トルラ酵母などの微生物;トウモロコシ、マイロ、小麦、大麦、ライ麦、エン麦、小麦粉、玄米、アワ、大豆、キナコ、キャッサバなどの穀類;アルファー化デンプン、デンプンなどのデンプン類;大豆油粕、脱皮大豆油粕、ナタネ油粕、ラッカセイ油粕、ヤシ油粕、ヒマワリ油粕、アマニ油粕、ゴマ油粕、サフラワー油粕、パーム核油粕、カポック油粕などの油粕類;米ヌカ、大麦ヌカ、ふすまなどのヌカ類;グルンフィード、グルテンミール、澱粉粕、精蜜、醤油粕、ビール粕、ビートパルプ、バガス、豆腐粕、麦芽根、ミカン皮、蜜柑ジュース粕などの製造粕類;アルファルファミール、チモシー乾草、藁などの繊維素;賦形剤、結合剤、崩壊剤、食塩、砂糖などの糖類、ビタミン類、アミノ酸類、ミネラル類などの成分を一種又は二種以上配合して使用することができる。
固形製剤に配合可能な原料としては、前述の原料の他に、例えば、人の食品分野で一般的に用いられる担体と均一に混合して製造できる。具体的には、シュークロース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ゴマ油、菜種油、オリーブ油、大豆油などの油類、ストロベリー・フレーバー、ペッパーミントなどのフレーバー類などを使用して製造できる。また、散剤、丸剤、カプセル、軟カプセル、錠剤の形態で、ラクトース、グリコース、シュークロース、乳糖、マニトール、コーンスターチ、二酸化ケイ素などの賦形剤、デンプン、アルギン酸ソーダなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、カゼインなどの結合剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、サポニン、レシチンなどの乳化剤、グアーガム、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ペクチン、アラビアガム、結晶セルロースなどの増粘剤、グリセリンなどの可塑剤を用いて製造できる。錠剤型としては錠剤及び軟カプセルは摂取が容易であるので好ましい。
本発明をさらに詳細に説明にするために以下に実施例をあげるが、本発明がこの実施例のみに限定されない。
[実施例1] マウスの培養脊髄後根神経節細胞からのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)放出試験
6〜8週齢のC57BL/6マウス(雄)をケタラール、キシラジン混合液で麻酔した。頸椎から腰椎まで取り出し、正中で分離して、両側のマウス脊髄後根神経節細胞を採取した。取り出した脊髄後根神経節細胞は、1.6 ml collagenase II (GIBCO社)、100 U/ml dispase I (合同酒精社)、5% fetal bovine serum (FBS)含有のMinimum Essential Mediumに入れて、37℃のCOインキュベーターに一晩放置した。終了後、3000 rpm、25℃で5分間遠心し、上清を廃棄した。栄養液は100 ng/ml nerve growth factor (mouse 7s; Sigma社)、100 U/ml penicillin G, 100 μg/ml streptomycin, 0.25 μg/ml amphotericin B, 10%FBS含有のDulbecco's Modified Eagle Medium:Nutrient Mixture F-12 1:1 mixture(DMEM/F-12)培地を用いた。この栄養液を細胞に加え、撹拌後コラーゲンIでコーティングした35 mmディッシュを用いて7日間37℃のCOインキュベーター内で培養した。
培養7日目に栄養液を廃棄し、1%FBS含有DMEM/F-12に置き換えた。そこに、最終濃度が1及び10μMになるように調製したアスタキサンチン(Sigma社)を加え、30分間37℃で放置した。終了後に培養上清を集め、-20℃で凍結保存した。培養上清中のCGRP濃度はELISAキット(SPI bio社)を用いて測定した。
[表1] カルシトニン遺伝子関連ペプチドの放出試験結果
Figure 2009269832
統計解析:データは平均値±標準偏差で表した。ANOVAで有意差を検定後、群間の比較をTurkey's testで解析し、P<0.05を有意差ありとした。
マウス脊髄後根神経節細胞にアスタキサンチンを作用させることによって、濃度依存的にカルシトニン遺伝子関連ペプチドの放出が増加した。
[実施例2] マウス血中のインスリン様成長因子−1(IGF−1)濃度の変化試験
アスタキサンチン投与法:5匹の6〜8週齢のC57BL/6マウス(雄)を用いて、アスタキサンチンを10 mg/kgの濃度で生理食塩水に懸濁・分散させ、1日1回胃ゾンデを用いて強制投与した。コントロール群は生理食塩水のみを投与した。
IGF−I濃度の測定:4週間後にケタミン100mg/kg+キシラジン10mg/kgで麻酔し、3.8%クエン酸入りの注射器を用いて腹部大動脈から血液を採取した。採取した血液は4℃で保持しながら3,000 rpmで10分間遠心分離して血漿を採取し、IGF−I濃度をenzyme immunoassay(EIA) kit(Diagnostic Systems Laboratories Inc., Webster, TX)を用いて測定した。
[表2] インスリン様成長因子−1の濃度試験結果
Figure 2009269832
統計解析:データは平均値±標準偏差で表した。群間の比較はStudent's t-testで解析し、P<0.05を有意差ありとした。
アスタキサンチンを4週間投与することによって、血中のインスリン様成長因子−1濃度が有意に上昇した。
[製造例1] 錠剤
常法に従って下記成分を下記組成比で均一に混合・打錠し、1粒400mgの錠剤とした。
アスタリールパウダー20F 25重量部
イソフラボン含有大豆粉末 25重量部
粉末セルロース 42重量部
還元麦芽水飴 17重量部
寒天 12重量部
二酸化ケイ素 1重量部
ショ糖脂肪酸エステル 3重量部
アスタリールパウダー20F〔富士化学工業(株)製〕はフリー体換算で2重量%のアスタキサンチンを含む粉末である。
[製剤例2] カプセル剤
常法によりソフトカプセル剤皮100mg(ゼラチン70重量部、グリセリン25重量部)に下記成分からなる300mgを混練してから充填し、1粒440mgのソフトカプセルを得た。
内容物
アスタリールオイル50F 32重量部
イソフラボン含有大豆粉末 30重量部
カプサイシン粉末 2重量部
中鎖脂肪酸トリグリセリド 36重量部
水溶性アスタキサンチン液〔富士化学工業(株)製〕はフリー体換算で0.5重量%のアスタキサンチンを含むヘマトコッカス藻抽出オイルを水溶液化したものである。
[製剤例3] ドリンク剤
下記成分を配合し、常法に従って、水を加えて10Lとし、ドリンク剤を調製した。
水溶性アスタキサンチン液 50g
イソフラボン含有大豆抽出液 4g
ローヤルゼリー 1g
液糖 1000g
DL−酒石酸ナトリウム 1g
クエン酸 10g
ビタミンC 10g
ビタミンE 20g
シクロデキストリン 25g
塩化カリウム 2g
硫酸マグネシウム 1g
[製剤例4] 棒状焼き菓子
常法に従って、下記成分を配合した生地を作成し、これを適当な棒状形態に成形後、170℃のオーブンで20分間焼いて棒状の焼き菓子を調製した。
アスタリールパウダー20F 2重量部
イソフラボン含有大豆粉末 6重量部
ラズベリー粉末 2重量部
バター 20重量部
砂糖 20重量部
塩 0.1重量部
卵 25重量部
小麦粉 72重量部
香料 適量
牛乳 30重量部



Claims (6)

  1. アスタキサンチンを有効成分とするカルシトニン遺伝子関連ペプチド産生及び放出促進用組成物。
  2. アスタキサンチン及びイソフラボンを有効成分とするカルシトニン遺伝子関連ペプチド産生及び放出促進用組成物。
  3. アスタキサンチンを有効成分とするインスリン様成長因子産生及び放出促進用組成物。
  4. アスタキサンチン及びイソフラボンを有効成分とするインスリン様成長因子産生及び放出促進用組成物。
  5. 請求項1〜4の組成物を含有する、下記の疾病・障害を治療するための医薬品及び飲食物;
    脱毛、禿、メタボリックシンドローム、肥満、悪性腫瘍、骨粗鬆症、ストレス疾患、うつ病、痴呆、老化、美肌、ドライマウス、ガン、糖尿病。
  6. 請求項1〜4の組成物を含有する、育毛、養毛、発毛のための医薬品及び飲食物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012067082A (ja) * 2010-08-23 2012-04-05 Yuki Yamashita 経口組成物
JP2014185130A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Maruzen Pharmaceut Co Ltd 育毛用頭髪化粧料
JP2017112998A (ja) * 2015-12-18 2017-06-29 富士フイルム株式会社 細胞積層体、生体移植材料、表皮の分化状態の評価方法及び細胞積層体の製造方法、並びにインスリン様成長因子−1産生促進剤
US11696593B2 (en) 2018-08-24 2023-07-11 Bioscience Formulators, LLC Astaxanthin nutritional compositions and uses

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