JP2017112998A - 細胞積層体、生体移植材料、表皮の分化状態の評価方法及び細胞積層体の製造方法、並びにインスリン様成長因子−1産生促進剤 - Google Patents

細胞積層体、生体移植材料、表皮の分化状態の評価方法及び細胞積層体の製造方法、並びにインスリン様成長因子−1産生促進剤 Download PDF

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Abstract

【課題】再構成人工皮膚として利用可能な細胞積層体において、特に表皮細胞の十分な4層分化が観察可能な細胞積層体、及びその製造方法を提供すること、並びに上記細胞積層体を利用した、生体移植材料及び表皮の分化状態の評価方法を提供すること、並びにインスリン様成長因子−1産生促進剤を提供すること。
【解決手段】第一の細胞層、及び第二の細胞層がこの順番で積層されている細胞積層体であって、第一の細胞層が、少なくとも非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを含み、第二の細胞層が少なくとも表皮角化細胞を含む、細胞積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品・化粧品等の薬効試験及び安全性試験における試験系として利用でき、また生体移植用材料としても有用である、間葉系幹細胞を含む細胞積層体に関する。本発明はさらに、上記細胞積層体を含む生体移植材料、並びに上記細胞積層体を使用する表皮の分化状態の評価方法に関する。本発明はさらに、上記細胞積層体の製造方法に関する。本発明はさらに、間葉系幹細胞用インスリン様成長因子−1産生促進剤に関する。
近年、細胞培養技術の進歩により、ヒトの臓器を人工的に再構成し、生体における臓器と類似した構造と機能を有する臓器代替物を作製することが可能となってきた。皮膚の基本構造を有する人工皮膚は、表皮と、真皮中の間葉系細胞とを用いて培養系で作製することができ、再構成された人工皮膚は、火傷又は創傷治癒などへの臨床応用が行われている。上記した人工皮膚には、2つの利用法がある。
第一の利用法は、医療目的で、表皮と真皮の基本構造だけを有する人工皮膚を疾患部位に移植することである。人工皮膚が疾患部位に生着した後には血管の進入、細胞増殖、真皮再構築などが起こり、自己組織化していくことが知られている。この場合、移植する人工皮膚は、構造又は機能が不完全であっても、いったん生着すれば生体内の多様な因子の作用により自己組織化され、治療の目的が達成される。
第二の利用法としては、生体と類似した構造と機能をもつ培養人工皮膚を、皮膚の構造又は機能維持のメカニズム解明のためのバイオアッセイ系、並びに生体関連物質又は薬剤化合物などの効果又は作用機構を研究するためのバイオアッセイ系として利用することが挙げられる。
特許文献1には、第一の細胞層、酵素処理されていないIV型コラーゲンからなる層、及び第二の細胞層がこの順番で積層されている細胞積層体であって、第一の細胞層が、繊維芽細胞を含有するコラーゲンゲルであり、第二の細胞層が表皮角化細胞である、バイオアッセイ系として使用するための細胞積層体が記載されている。
特許文献2には、間葉系細胞OP9細胞、間葉系幹細胞UE6E7T-3及び前駆脂肪細胞3T3-L1から選ばれる少なくとも1種の前駆脂肪細胞と、未分化のU937細胞、分化誘導されたマクロファージ細胞、ヒト単球様細胞株THP-1、マウスマクロファージ様細胞J774.1及びRAW264.7から選ばれる少なくとも1種の細胞とを真皮形成用コラーゲンゲル中で共培養する工程と、この真皮形成用コラーゲンゲルの表面にヒト及び/又は哺乳類動物皮膚角化細胞を含む表皮形成用細胞を播種する工程とを含む、ヒト皮膚メタボリックシンドローム組織モデルの製造方法が記載されている。
非特許文献1においては、不死化していない骨髄由来ストローマ細胞と角化細胞とを共培養した皮膚再構成モデルが記載されている。
特許5458259号公報 特開2010−178701号公報
Molecular Biology of the Cell Vol. 15, 4647-4657, October 2004
医療目的で、人工皮膚を疾患部位に移植する場合には、移植後の人工皮膚がより正常な皮膚に近づくために、より治療効果の高い人工皮膚の開発が望まれている。また、培養人工皮膚をバイオアッセイ系として利用する場合には、従来の単層培養細胞系では、生体における応答性と類似の応答性が必ずしも見られないことが多かった。その原因として、生体組織では細胞は単独で存在しているわけではなく、細胞−細胞間相互作用、細胞−細胞外マトリックス相互作用、又は表皮−真皮のような組織間相互作用などの相互作用により、生体皮膚としての機能を発現及び維持していることが挙げられる。
特許文献1の細胞積層体においては、表皮細胞の更なる分化を図ることが望まれている。
特許文献2には、前駆脂肪細胞として、間葉系幹細胞を導入した3次元積層体が記載されている。特許文献2では、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)遺伝子、ヒトパピローマウイルス(HPV)E6、E7遺伝子を導入することで不死化した間葉系幹細胞UE6E7T-3株が用いられているが、不死化することで実際の生体から取り出した間葉系幹細胞と分泌するサイトカインが異なり、表皮細胞の分化が不十分である。また、脂肪に分化させている時点で幹細胞としての能力は失われている。さらに、表皮細胞も不死化しているHaCaT株又はPam212株であり、表皮細胞の4層構造、特に顆粒層分化は見られないという問題がある。
非特許文献1で用いた細胞はマウス由来細胞であり、人の試験系には利用できない。また、非特許文献1の結果においては乳頭様構造が促進されると記載されているが、4層構造は見られない。
上記の通り、皮膚由来線維芽細胞を用いた細胞積層体は、表皮の分化構造が必ずしも人に近いわけではなく、特にバリアの元になる角層化に重要な顆粒層が十分に形成するものではなかった。本発明は、再構成人工皮膚として利用可能な細胞積層体において、特に表皮細胞の十分な4層分化が観察可能な細胞積層体、及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とした。本発明はさらに上記細胞積層体を利用した、生体移植材料及び表皮の分化状態の評価方法を提供することを解決すべき課題とした。本発明はさらに、間葉系幹細胞用インスリン様成長因子−1産生促進剤を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを含む第一の細胞層、及び第二の細胞層をこの順番で積層することによって、第二の細胞層としての表皮角化細胞が十分に分化できる細胞積層体を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 第一の細胞層、及び第二の細胞層がこの順番で積層されている細胞積層体であって、第一の細胞層が、少なくとも非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを含み、第二の細胞層が少なくとも表皮角化細胞を含む、細胞積層体。
(2) 第二の細胞層が、分化後に4層構造を有している、(1)に記載の細胞積層体。(3) 第一の細胞層の全細胞中の非不死化間葉系幹細胞の割合が10%以上であり、収縮後の表面積1cm2あたりの、第一の細胞層の全細胞の細胞数が1×105細胞以上であり、コラーゲンゲルを形成する際に使用するコラーゲン溶液のコラーゲン濃度が0.1mg/ml以上である、(1)又は(2)に記載の細胞積層体。
(4) 非不死化間葉系幹細胞が、非不死化骨髄由来間葉系幹細胞である、(1)から(3)の何れか一に記載の細胞積層体。
(5) (1)から(4)の何れか一に記載の細胞積層体を含む、生体移植材料。
(6) (1)から(4)の何れか一に記載の細胞積層体の表皮角化細胞の分化状態を評価することを含む、表皮の分化状態の評価方法。
(7) 表皮角化細胞におけるロリクリン、フィラグリン、及びカスパーゼ14から選ばれる少なくとも一種の発現状態を評価することを含む、(6)に記載の評価方法。
(8) (1)から(4)の何れか一に記載の細胞積層体に被験物質を接触させ、細胞分化に対する被験物質の影響を評価する、(6)又は(7)に記載の評価方法。
(9) 少なくとも非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを含む第一の細胞層を形成する工程、上記第一の細胞層の上に表皮角化細胞を播種する工程、並びに上記第一の細胞層及び表皮角化細胞を気液界面培養により培養する工程を含む、(1)から(4)の何れか一に記載の細胞積層体の製造方法。
(10) 非不死化間葉系幹細胞が、ヒト由来の10継代以下の細胞である、(9)に記載の方法。
(11) 非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを浮遊培養することにより、第一の細胞層を形成する、(9)又は(10)に記載の方法。
(12) 第一の細胞層の上に播種される表皮角化細胞が、5継代以下の非不死化細胞である、(9)から(11)の何れか一に記載の方法。
(13) 上記気液界面培養による培養日数が、10日以上である、(9)から(12)の何れか一に記載の方法。
(14) 非不死化間葉系幹細胞が、非不死化骨髄由来間葉系幹細胞である、(9)から(13)の何れか一に記載の方法。
(15) ボスウェリアセラタエキスのエタノール抽出物を含有する、間葉系幹細胞用インスリン様成長因子−1産生促進剤。
(16) さらにアスタキサンチンを含有する、(15)に記載の間葉系幹細胞用インスリン様成長因子−1産生促進剤。
本発明の細胞積層体及び生体移植材料においては、第二の細胞層としての表皮角化細胞が十分に分化されている。本発明の表皮の分化状態の評価方法によれば、被験物質の表皮に対する影響を評価することができる。本発明の細胞積層体の製造方法によれば、第二の細胞層としての表皮角化細胞が十分に分化されている細胞積層体を製造することができる。本発明のインスリン様成長因子−1産生促進剤によれば、間葉系幹細胞においてインスリン様成長因子−1産生を促進することが可能である。
図1は、実施例における三次元培養した細胞積層体の作製の概要を示す。 図2は、繊維芽細胞のみを用いて作製した三次元培養した細胞積層体(比較例)と骨髄由来間葉系幹細胞を用いて作製した三次元培養した細胞積層体(本発明)とのヘマトキシリン・エオシン(HE)染色象を示す。 図3は、三次元培養した細胞積層体(本発明)について細胞比率を変更した積層体のHE染色象を示す。 図4は、繊維芽細胞のみを用いて作製した三次元培養した細胞積層体(比較例)の気液培養から9日、11日、14日目のHE染色象を示す。 図5は、骨髄由来間葉系幹細胞のみを用いて作製した三次元培養した細胞積層体(本発明)の気液培養から9日、11日、14日目のHE染色像を示す。 図6は、骨髄由来間葉系幹細胞で作製した三次元培養した細胞積層体(本発明)を用いてフィラグリンを免疫染色した像を示す。 図7は、皮膚モデルの上清中のインスリン様成長因子(IGF-1)の量(11日目及び14日目)を測定した結果を示す。 図8は、ケラチノサイトにおけるロリクリンの発現量をウエスタンブロッティングで分析した結果を示す。レーン1は陰性対照、レーン2は陽性対照(塩化カルシウムを添加)、レーン3はIGH−1を添加した場合を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[細胞積層体]
本発明の細胞積層体は、第一の細胞層、及び第二の細胞層がこの順番で積層されている細胞積層体であって、第一の細胞層が、少なくとも非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを含み、第二の細胞層が少なくとも表皮角化細胞を含む、細胞積層体である。
細胞積層体とは、2つ以上の細胞層が積層されてなる構造物を意味する。細胞層の数は2以上であれば特に限定されないが、一般的には2層以上4層以下であり、好ましくは2層又は3層であり、特に好ましくは2層である。例えば、細胞層として、表皮、真皮、皮下組織層、または筋肉層が挙げられる。また、細胞層と細胞層とは、互いに直接接するように積層されていてもよいし、細胞層と細胞層との間には、本発明の効果を阻害しない限り、細胞以外の層が存在していてもよい。また、細胞積層体の細胞層の最表面(上面及び/又は下面)に、細胞以外の層が存在していてもよい。細胞以外の層としては、例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、又はコンドロイチン硫酸などの生体親和性高分子からなる層などを挙げることができる。一例としては、特許5458259号公報に記載されているような酵素処理されていないIV型コラーゲンからなる層を挙げることができる。
(第一の細胞層)
第一の細胞層は、少なくとも非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを含む。第一の細胞層は、非不死化間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルにより構成されていてもよいし、コラーゲンゲルを含む領域と非不死化間葉系幹細胞を含む領域とが別々に形成されていてもよいが、好ましくは第一の細胞層は、非不死化間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルにより構成されている。なお、コラーゲンゲルを含む領域と非不死化間葉系幹細胞を含む領域とが別々に形成される場合、コラーゲンゲルを固めた後、ゲル上に細胞を播種させることができる。
第一の細胞層は、第二の細胞層に含まれる表皮角化細胞の培養又は分化に好適な皮膚の真皮層に相当する細胞層であり、本発明においては、細胞として、非不死化間葉系幹細胞が含まれている。
本発明で用いる間葉系幹細胞は、下記3要件を満たしていることが望ましい。
要件1:通常の培養条件でプラスチックの培養皿に付着する。
要件2:細胞表面マーカのうちCD105,CD73,及びCD90が陽性であり、CD45,CD34,CD14,CD11b,CD19,及びHLA-DRが陰性である。CDはcluster of differentiationの略称である。HLAはヒト白血球型抗原を意味する。
要件3:in vitroにおいて骨、軟骨、分化に分化すること。
本発明で用いる間葉系幹細胞は、未分化の状態のまま使用することが好ましく、未分化の間葉系幹細胞を使用することにより、表皮に影響するサイトカイン等の液性因子が多量に分泌されているものと推定される。
非不死化とは、不死化されていない状態の細胞であることを意味する。細胞の不死化とは、通常の細胞は一定回数の分裂を繰り返すと増殖が停止するのに対し、細胞がこのような回数の分裂を繰り返した後もなお、増殖するようになったこと、即ち、細胞が無限自律増殖能を獲得したことを意味する。細胞の不死化は、通常、種々の不死化遺伝子の導入により行うことができる。例えば、Bリンパ腫Mo−MLV挿入領域1ホモログ(Bmi1)遺伝子、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)遺伝子、又はヒトパピローマウイルスE6及びE7遺伝子を導入することにより、間葉系幹細胞を不死化できることが知られている。本発明で用いる、非不死化間葉系幹細胞は、上記した不死化遺伝子の導入などにより不死化されている細胞ではない細胞が意図される。また、細胞の不死化は、不死化遺伝子等を人為的に入れなくても偶発的にできる。例えば、表皮の不死化細胞HaCaTは天然に不死化して樹立された不死化細胞である。
本発明で用いる間葉系幹細胞が、非不死化細胞であるか否かは、間葉系幹細胞を所定の回数だけ分裂した後も増殖できるか否かを判別するか、又は上記したような不死化遺伝子が導入されているか否かを判別することにより判断することができる。
本発明で用いる間葉系幹細胞は、哺乳動物由来の細胞であれば特に限定されない。哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター又はモルモット等のげっ歯類又はウサギ等の実験動物、ブタ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ又はミンク等の家畜、イヌ又はネコ等のペット、ヒト、サル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン又はチンパンジーなどの霊長類等を挙げることができる。哺乳動物は、好ましくは霊長類であり、より好ましくはヒトである。
本発明で用いる間葉系幹細胞が由来する組織は、未分化を維持している間葉系幹細胞を採取できる限り特に限定されず、骨髄、脂肪組織、胎盤組織、臍帯組織、 又は歯髄等の種々の組織から採取した間葉系幹細胞を使用することができる。上記の中でも、高い未分化性の維持という観点から、骨髄由来間葉系幹細胞を使用することが特に好ましい。非不死化間葉系幹細胞が、非不死化骨髄由来間葉系幹細胞であることは、例えば、増殖が有限であり、かつMSCの定義(CD抗原と分化能を有する)に基づいて判別することができる。CD抗原の分析は、免疫染色、フローサイトメーター、及びウェスタンブロッティングによるタンパク質検出の少なくとも一つの手段により判別することができる。
第一の細胞層を構成するコラーゲンゲルにおけるコラーゲンの種類は特に限定されないが、ゲル化する繊維性コラーゲンから選択して用いることが好ましい。線維性コラーゲンは、I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン、V型コラーゲン、及びXI型コラーゲンが挙げられ、好ましくはI型コラーゲン及びIII型コラーゲンであり、より好ましくはI型コラーゲンである。コラーゲンとしては酸可溶化コラーゲンを使用することも好ましく、酸可溶化コラーゲンI型コラーゲンを使用することが特に好ましい。
コラーゲンとしては、1種のコラーゲンを使用してもよいし、2種以上のコラーゲンを組み合わせて使用してもよい。
コラーゲンの由来は、特に限定されないが、好ましくは、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、及びラットなどを挙げることができる。
第一の細胞層としては、非不死化間葉系幹細胞をコラーゲンに播種又は内封したものを使用することができる。例えば、非不死化間葉系幹細胞とコラーゲン溶液の混合物を平板状にゲル化させたものを、第一の細胞層として用いることができる。このようなコラーゲンゲルの好ましい例としては、コラーゲン溶液に1×104〜106細胞/mlの非不死化間葉系幹細胞を混合し、適当な容器内にてゲル化し、細胞の作用によりコラーゲンゲルが平板状に収縮し、コラーゲン密度が0.1〜100mg/ml程度になるまで培養することにより得られるものを使用することができる。コラーゲンゲルを形成する際に使用するコラーゲン溶液のコラーゲン濃度は、好ましくは0.1mg/ml以上であり、より好ましくは0.25mg/ml以上であり、さらに好ましくは0.5mg/ml以上であり、特に好ましくは1mg/ml以上である。
第一の細胞層には、非不死化間葉系幹細胞以外のその他の細胞が含まれていてもよい。その他の細胞としては、例えば、線維芽細胞、脂肪細胞、毛乳頭細胞、又は免疫系の細胞等が含まれていてもよく、また真皮に存在する細胞が含まれていてもよいが、特に限定されない。
第一の細胞層には、非不死化間葉系幹細胞以外のその他の細胞が含まれている場合、第一の細胞層の全細胞中の非不死化間葉系幹細胞の割合は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上であり、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上でもよい。非不死化間葉系幹細胞の割合は、100%(即ち、非不死化間葉系幹細胞以外のその他の細胞が含まれていない)でもよい。
第一の細胞層の全細胞中の非不死化間葉系幹細胞の割合は、最初に使用する非不死化間葉系幹細胞の割合(即ち、全細胞数に対する非不死化間葉系幹細胞数の割合)とみなしてもよいし、又は製造された細胞積層体の第一の細胞層中における全細胞数と非不死化間葉系幹細胞数を常法により計測し、非不死化間葉系幹細胞数の割合を求めてもよい。細胞数の計測方法として、特異的抗原の免疫染色による画像判断及び/又はフローサイトメーターによる細胞数の計測により求めることができる。
本発明の細胞積層体の第一の細胞層において、収縮後の表面積1cm2あたりの、第一の細胞層の全細胞の細胞数は、好ましくは1×105細胞以上であり、より好ましくは2.5×105細胞以上であり、さらに好ましくは5×105細胞以上であり、特に好ましくは1×106細胞以上である。第一の細胞層の全細胞の細胞数の計測は、常法により行うことができる。例えば、セルカウンター又は血球計算盤を用いて計測ができる。また、MTT法による比色でも検量線に基づいて細胞数を見積もることができる。MTT法とは、MTT(3-(4, 5-ジメチル-チアゾール-2-イル)-2, 5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド)または類似の色素をホルマザン色素(紫色)へ還元する酵素活性を測定する比色定量法である。
(第二の細胞層)
第二の細胞層は、少なくとも表皮角化細胞を含む。
表皮角化細胞は、皮膚の最外層を構成する細胞で、ケラチンを合成する様に分化した細胞である。本発明で用いる表皮角化細胞としては、哺乳動物由来の細胞が好ましい。乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等のげっ歯類又はウサギ等の実験動物、ブタ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ミンク等の家畜、イヌ、ネコ等のペット、ヒト、サル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジーなどの霊長類等を挙げることができる。哺乳動物は、好ましくは霊長類であり、より好ましくはヒトである。
表皮角化細胞としては、不死化表皮角化細胞又は非不死化表皮角化細胞の何れでもよいが、好ましくは非不死化(不死化していない)不死化表皮角化細胞である。
第二の細胞層には、表皮角化細胞以外の細胞を含まれていてもよい。第二の細胞層に含めることができる表皮角化細胞以外の細胞としては、メラノサイト、免疫系の細胞等を挙げることができるが、特に限定されない。
第二の細胞層が、表皮角化細胞以外の細胞を含む場合、表皮角化細胞と、表皮角化細胞以外の細胞との細胞数の比率は特に限定されないが、第二の細胞層の細胞数全体に対して、表皮角化細胞以外の細胞の割合が、好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。
第二の細胞層を構成する細胞は、例えば、好ましくは1×104 細胞/cm2以上、より好ましくは5×104 細胞/cm2以上、さらに好ましくは2×105 細胞/cm2以上の密度で第一の細胞層上に播種することができる。第二の細胞層が2種類以上の細胞を含む場合、細胞の合計数が上記の範囲内であることが好ましい。
本発明の細胞積層体においては、第二の細胞層が、分化後に4層構造を有していることが好ましい。本発明における4層構造とは、基底細胞層、有棘層、顆粒層及び角層からなる、表皮の4層構造を意味する。
上記の4層構造の確認方法としては、染色による光学顕微鏡観察、特異的に発現するタンパク質の免疫染色、電子顕微鏡による詳細な解析等で行うことができるが、確認方法は特に限定されない。一般的には、細胞をHE染色し、光学顕微鏡下で特徴的な構造及び位置情報を確認することにより、4層構造を確認することができる。各層の特徴を以下に示す。
基底細胞層:最も真皮側にある1層の細胞からなる。基底細胞は立方体〜円柱状の細胞で、HE染色により各が楕円形に見えるのが特徴である。
有棘層:通常数層からなる層で、この層は下層側では多角形であるが、上層に向かうに従い扁平な形状を取る。核は円形で、光学顕微鏡下では棘のように見える細胞間橋が見られる。
顆粒層:2−3層からなる。顆粒層では細胞は核も含めて更に扁平になる。HE染色では顆粒層特異的なプロフィラグリンに富むケアトヒアリン顆粒が染色され、顆粒状に観察できる角層:約10層程度からなる、死んで膜状になった角化細胞である。構造は扁平で、細胞自体の形態又は核などは消失し、HE染色では単色の層状構造として観察される。
[細胞積層体の使用方法]
本発明によればさらに、上記した本発明の細胞積層体からなる、生体移植材料が提供される。
本発明の細胞積層体は、生体移植材料として使用することができる。即ち、医療目的として、本発明の細胞積層体は疾患部位へ移植することができる。本発明の細胞積層体を疾患部位に移植し、上記疾患部位に生着した後、血管への進入、細胞増殖、真皮再構築などが起こり、自己組織化していくことができる。この場合、移植される本発明の細胞積層体は、構造又は機能が不完全であっても、いったん生着すれば生体内の因子の作用により自己組織化され、治療の目的を達成することができる。
本発明によればさらに、上記した本発明の細胞積層体の表皮角化細胞の分化状態を評価することを含む、表皮の分化状態の評価方法が提供される。
本発明の細胞積層体においては、第二の細胞層が十分に分化していることから、細胞積層体の表皮角化細胞の分化状態を評価することによって、生体に近い皮膚モデルとして使用することができる。
細胞積層体の表皮角化細胞の分化状態を評価する方法としては、皮膚に発現する各種遺伝子の発現量を測定することが挙げられる。表皮角化細胞の分化状態の評価の指標となる遺伝子は特に限定されないが、例えば、以下の表1に記載の遺伝子を挙げることができる。
上記の中でも、さらに好ましくは、表皮角化細胞におけるロリクリン、フィラグリン、及びカスパーゼ14から選ばれる少なくとも一種の発現状態を評価することができ、特に好ましくはフィラグリンの発現状態を評価することができる。
遺伝子の発現状態を評価する方法としては、遺伝子によりコードされるタンパク質に対する抗体を用いた免疫染色並びに顕微鏡観察などにより行なうことができる。また、酵素結合免疫吸収アッセイ(ELISA)、又はウエスタンブロット法などにより、上記タンパク質を定量することもできる。さらに、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR法)又はマイクロアレイ法により、上記タンパク質の発現を転写(RNA)レベルにおいて確認することもできる。本発明では、遺伝子の発現状態を評価する方法として、マイクロアレイ法での評価が好ましい。例えば、作成した細胞積層体から表皮細胞だけを剥がして回収する。表皮細胞からRNAをRNeasy Mini Kit(QIAGEN社)を用いて精製できる。精製したRNAからプローブを合成して、DNAマイクロアレイGene ST Array(アフィメトリクス社)にて解析ができる。なお、プローブ合成及び検出は、DNAマイクロアレイのプロトコールにしたがって実施できる。
また、本発明の細胞積層体に被験物質を接触させることによって、細胞分化に対する被験物質の影響を評価することができる。生体と類似した構造と機能をもつ本発明の細胞積層体は、皮膚の構造又は機能維持のメカニズムを解明するためのバイオアッセイ系、また生体関連物質又は薬剤化合物などの効果又は作用機構を研究するためのバイオアッセイ系として使用することができる。本発明の細胞積層体は、例えば、医薬品・化粧品等の薬効試験及び安全性試験における試験系として利用できる。
[細胞積層体の製造方法]
本発明によればさらに、少なくとも非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを含む第一の細胞層を形成する工程、上記第一の細胞層の上に表皮角化細胞を播種する工程、並びに上記第一の細胞層及び表皮角化細胞を気液界面培養により培養する工程を含む、本発明の細胞積層体の製造方法が提供される。
上記製造方法における、「非不死化間葉系幹細胞」、「コラーゲンゲル」、「第一の細胞層」、及び「表皮角化細胞」の説明は、本明細書中上記した通りである。
本発明の細胞積層体は、例えば、以下の手順で製造することができる。先ず、非不死化間葉系幹細胞を含むコラーゲン溶液をゲル化して、非不死化間葉系幹細胞を含有するコラーゲンゲルを作製する。
コラーゲン溶液は、好ましくはコラーゲン、培地、血清、及びアスコルビン酸誘導体を含み、さらに所望によりpH緩衝剤、防腐剤などを含んでいてもよい。
培地としては、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、ヒト上皮細胞成長因子(hEGF)を添加していないダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、汎用の培地(E−MEM(Minimum Essential Media)、RPMI−1640、MEMα、HamF12など)、並びに上記培地を混合した培地などを使用することができる。
培地にはCaCl2を添加することが好ましい。CaCl2を添加する場合、培地中最終カルシウム濃度は好ましくは0.5〜5mmol/Lであり、より好ましくは1〜3mmol/Lである。CaCl2を添加することにより、正常な皮膚の状態に近くなり、より生体に近い分化環境を作り出すことができる。また、カルシウムイオンは細胞間接着に必要な分子であり、分化も促進する効果がある。
血清としては、ウシ胎児血清(FBS)、などを使用することができ、血清の添加量は培地全量に対して一般的には5容量%〜20容量%で使用することができる。
本発明において、アスコルビン酸誘導体は、表皮細胞の賦活、分化誘導、だけでなく間葉系細胞の賦活やコラーゲン産生促進の効果などがあるためコラーゲン溶液に添加することが好ましい。本発明において、アスコルビン酸誘導体とは、生体内でアスコルビン酸が生成される誘導体であれば限定されない。例えば、アスコルビン酸誘導体として、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、硫酸アスコルビル、硫酸アスコルビル2ナトリウム塩、及びアスコルビル−2−グルコシド等が挙げられる。アスコルビン酸誘導体の添加量は、好ましくは培地質量の1/100〜1/10000である。
pH緩衝剤としては、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)、3-モルホリノプロパン-1-スルホン酸(MOPS)等が挙げられる。
防腐剤としては、細胞の増殖分化に影響を与えない防腐剤を用いることができる。例えば、防腐剤として抗生物質が好ましく、アンホテリシンB、カナマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、ストレプトマイシン、ネオマイシン等が挙げられる。
培地のpHは、培養する細胞により異なるが、好ましくはpH6.8〜7.6であり、より好ましくはpH7.0〜7.4である。
次に、非不死化間葉系幹細胞を含有するコラーゲンゲルの上に、表皮角化細胞をのせて、適当な培地中で適当な培養条件下(例えば、37℃でCO2存在下)で培養する。
その後、表皮角化細胞の層にかかる培地を除去し、気相に晒すことによって、表皮角化細胞を含む層を分化形成させることによって、本発明の細胞積層体を製造することができる。
上記製造方法で用いる非不死化間葉系幹細胞は、ヒト由来の10継代以下の細胞であることが好ましく、ヒト由来の8継代以下の細胞であることがより好ましく、ヒト由来の5継代以下の細胞であることがさらに好ましい。継代数の下限は特に限定されず、継代数は0でもよいし、継代数は1でもよい。
非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとの培養方法は特に限定されず、浮遊培養、及び接着培養などが挙げられるが、非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを浮遊培養することにより、第一の細胞層を形成することが好ましい。
非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとの培養において、ボスウェリアセラタエキスのエタノール抽出物を含む非不死化間葉系幹細胞のインスリン様成長因子−1(IGF-1)の産生を促進する物質(以下、「間葉系幹細胞用IGF-1産生促進剤」とも言う。)または、アスタキサンチンを含む非不死化間葉系幹細胞のインスリン様増殖因子結合たんぱく質−7の産生を抑制する物質(以下、「間葉系幹細胞用IGFBP-7産出抑制剤」とも言う。)の少なくとも1種を用いることが好ましく、2種を併用いることがより好ましい。このような構成とすることで、第ニの細胞層の分化を十分なものとすることができる。
真皮の間葉系幹細胞により表皮分化が顕著に改善することは適切な実験系がなく、完全にわかってはいなかった。この現状に鑑み、本発明者らは既述の細胞積層体を作製し、特定の遺伝子が表皮分化に与える影響を明らかにし、さらに、上述の間葉系幹細胞用IGF-1産生促進剤および間葉系幹細胞用IGBPF-7産出抑制剤が有効であることを確認した。
上記製造方法において第一の細胞層の上に播種される表皮角化細胞は、10継代以下の非不死化細胞であることが好ましく、8継代以下の非不死化細胞であることがより好ましく、5継代以下の非不死化細胞であることがさらに好ましい。継代数の下限は特に限定されず、継代数は0でもよいし、継代数は1でもよい。
気液界面培養による培養日数は、10日以上であることが好ましく、11日目以上であることがより好ましい。培養日数の上限は特に限定されないが、一般的には30日以下、好ましくは25日以下である。気液界面培養による培養日数が10日以上とすることにより、第二の細胞層の分化を十分なものとすることができる。
[間葉系幹細胞用IGF-1産生促進剤]
本発明の間葉系幹細胞用IGF-1産生促進剤は、ボスウェリアセラタエキスのエタノール抽出物を含む。ボスウェリアセラタはカンラン科ボスウェリア属の植物で古くから生薬等で利用されており、例えば、特開2011−236156号公報0012〜0016段落記載のものが挙げられる。詳細な理由は定かではないが、本発明者らは、ボスウェリアセラタエキスのエタノール抽出物に含まれる、疎水物質のβ-ボスウェリン酸が有効成分として作用していると考えている。本発明者らの検討によると、一般的に利用されるボスウェリアセラタエキスの水蒸気蒸留物には上述のようなIGF-1の産生を促進する効果は見いだせなかった。一方、本開示の間葉系幹細胞用IGF-1産生促進剤に適用されるボスウェリアセラタエキスはエタノール抽出物であるため、疎水性物質であるβ―ボスウェリン酸が水蒸気蒸留物よりも多く含有されていると考えられる。間葉系幹細胞用IGF-1産生促進剤は、粉末換算で3-O-アセチル−11-ケト−β-ボスウェリン酸を粉末として10%以上の原料を利用することが好ましい。
[間葉系幹細胞用IGFBP-7産生抑制剤]
本発明の間葉系幹細胞用IGFBP-7産生抑制剤は、アスタキサンチンを含む。アスタキサンチンとしては、例えば、特開2016−084321号公報0018〜0022段落記載のものが挙げられる。詳細な理由は定かではないが、本発明者らは、既述の間葉系幹細胞用IGF-1産出促進剤と相俟って、第ニの細胞の分化をさらに高めることができると考えている。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(1)三次元培養した細胞積層体の作製
(1−1) 材料
CaCl2溶液:
CaCl2・2H2O 294.04mg/milliQ(登録商標)水1mlの溶液を調製し、上記溶液をボルテックスにかけて攪拌し、フィルター滅菌した。得られた溶液をマイクロチューブに分注し、−30℃で保存した。
細胞積層体用培地:
正常ヒト新生児包皮線維芽細胞(以下、hFと略記)用培地である10%ウシ胎児血清(FBS)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)と、正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(以下、hEKと略記)用培地とを1:1(容量比)で混合した。上記で得られた培地500mlに対してCaCl2溶液225μl(培地中最終カルシウム濃度1.8
mmol/L)を添加した。上記で得られた培地を50mlファルコン(登録商標)チューブに分注し、アスコルビン酸2−グルコシドを培地量の1/1000量添加して得られた培地を、細胞積層体用培地として使用した。
(1−2)方法
(A)間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルの作製
コラーゲンとしては、酸可溶化I型コラーゲン(ウシ由来)を使用した。
下記表に記載の量の骨髄由来間葉系幹(MSC)細胞(継代数は4)と1型コラーゲン溶液、アスコルビン酸、防腐剤等の添加物を含む合計5mlの溶液を6ウエルシャーレに分注し、37℃のCO2インキュベーター中で培養した。細胞は、静置もしくは5〜60rpm(1s-1=60rpmである)の速度で撹拌しながら培養した。2〜3日間の培養後に、表皮を播種するための面が直径1.0cm程度まで収縮した、間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルが得られた。ゲル化を以下の基準で評価した結果を下記表に示す。
A:静置することで収縮が直径1.0cm程度まで進む
B:振盪培養することで収縮が直径1.0cm程度まで進む。
(B)線維芽細胞のみ又は間葉系幹細胞のみを含むコラーゲンゲルの作製
コラーゲン濃度を1mg/mLとし、線維芽細胞0.5×106cellsを用いて、上記(A)
と同様にして、線維芽細胞のみを含むコラーゲンゲルを作製した。
コラーゲン濃度を1mg/mLとし、骨髄由来MSC0.5×106cells(継代数は4)を用いて、上記(A)と同様にして、間葉系幹細胞のみを含むコラーゲンゲルを作製した。
(C)線維芽細胞及び/又は間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルの作製
コラーゲン濃度を1mg/mLとし、線維芽細胞と間葉系幹細胞(継代数は4)との細胞数の比率を、後記の表3の通りにして、上記(A)と同様にして、線維芽細胞及び/又は間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルを作製した。なお、線維芽細胞と間葉系幹細胞の細胞数の合計は、0.5×106cellsである。
(D)表皮(hEK)の重層
ヒト由来の表皮ケラチノサイトを低カルシウム(カルシウム濃度200μM以下)培地で継代培養することにより、hEK(継代数は4)を回収し、hEK20×104cells/細胞積層体用培地0.2mlとなるように細胞分散液を調製した。上記(B)又は(C)で作製した間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルにリング(内径7mm)を置いた。リング外側の培地とリング内の液とを吸引し、hEK40×104cells/細胞積層体用培地0.4ml/コラーゲンゲル1枚となるように、細胞分散液をリング内に添加し、リングから外に細胞分散液が漏れていないかどうかを確認した。各ウエルのリング外側にアスコルビン酸2−グルコシドを添加した細胞積層体用培地を3mlずつ添加し、hEKがリングの外に流れ出ないように静かに移動させ、37℃のCO2インキュベーター中で培養を行った。
24時間後、ゲルと重層したhEKが壊れないように注意しながら、リング内外の培地を吸引し、ピンセットを用いてリングを外した。hEKの層が表面張力でリングに接着しているため、このhEKの層がゲル上に残るように注意して静かにリングを外した。アスコルビン酸2−グルコシドを添加した細胞積層体用培地を2ml程度ウエルの端から添加した。間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルと表皮(hEK)とからなる細胞積層体のうちの、表皮(hEK)と、間葉系幹細胞を含むコラーゲンゲルとの境界までが培地に浸り、表皮(hEK)に培地が触れないように培地の量を2ml〜3ml程度に調整した。この日より気液界面培養開始とした。
37℃のCO2インキュベーターで培養を続け、培地交換は2日おきに行った。観察必要な日数で回収した。
上記した三次元培養した細胞積層体の作製の概要を図1に示す。
(2)三次元培養した細胞積層体の固定及び回収
上記(1)で作製した積層体を、中性緩衝の4%パラホルムアルデヒド・りん緩衝液(パラホルムアルデヒド20g、0.1mol/lりん酸緩衝液(pH7.4)500mL)(和光純薬)を用いて固定した。
(3)三次元培養した細胞積層体の組織学的解析
(3−1)パラフィン切片の作製
4%パラホルムアルデヒド・リン酸緩衝液で固定した細胞積層体を、0.1mol/Lリン酸緩衝液に浸し、固定成分を含まない0.1mol/Lリン酸緩衝液を用いて数回洗浄し、固定液を置換した。細胞積層体を剃刀を用いて短冊状に切断し、切断した細胞積層体をパラフィン包埋し、ミクロトームを用いて4μmに薄切し、スライドグラスに貼って45℃で乾燥させた。上記で得られた細胞積層体のパラフィン切片は室温で保存した。
(3−2)ヘマトキシリン・エオシン(HE)染色
上記のパラフィン切片をキシレンによって脱パラフィン処理した後、100%から70%(V/V)のエタノールに順に浸した。得られたサンプルは蒸留水で洗浄した後、ヘマトキシリン染色液(Mayer's Hematoxylin Solution、和光純薬工業)に5分間浸し、流水で洗浄した。その後、サンプルを0.2%HClエタノールに1秒浸し、流水で10分間洗浄した。その後、サンプルをエオシン染色液(1% EosinY Solution、和光純薬工業)に10分浸して、95%〜100%のエタノールで脱水し、キシレンに2〜3分浸漬した。得られたサンプルを、封入剤をのせたプレパラートをのせ、乾燥させて封入した。
(3−3)結果
上記(B)において作製した線維芽細胞のみを含むコラーゲンゲル又は骨髄由来間葉系幹細胞のみを含むコラーゲンゲルに対して、表皮(hEK)を重層させた細胞積層体のヘマトキシリン・エオシン(HE)染色象を図2に示す。線維芽細胞のみ(線維芽細胞100%)の場合には、表皮層の核(濃紫色)の様子が均一で層状の分化が不十分であった。一方、骨髄由来間葉系幹細胞のみ(骨髄由来MSC100%)の場合には、下から基底層に核があり、上に連れて分化が進み消失していき、角層手前に顆粒層と呼ばれる特徴的な構造が見られる。
上記(C)において作製した各細胞を含むコラーゲンゲルに対して、表皮(hEK)を重層させた細胞積層体のヘマトキシリン・エオシン(HE)染色象を図3に示す。図3について4層分化を評価した結果を以下の表3に示す。
上記(B)において作製した線維芽細胞のみを含むコラーゲンゲルに対して、表皮(hEK)を重層させた細胞積層体(比較例)の気液培養から9日、11日、14日目のHE染色象を図4に示す。14日目以降でも層構造の形成が不十分であった。
上記(B)において作製した骨髄由来間葉系幹細胞のみを含むコラーゲンゲルに対して、表皮(hEK)を重層させた細胞積層体(比較例)の気液培養から9日、11日、14日目のHE染色象を図5に示す。11日目以降では層構造の形成が認められ、十分に分化しており、アッセイ系として利用可能であった。
(4)骨髄由来間葉系幹細胞を用いて作製した積層体の免疫染色
上記(B)において作製した線維芽細胞のみを含むコラーゲンゲル又は間葉系幹細胞のみを含むコラーゲンゲルに対して、表皮(hEK)を重層させた細胞積層体を用いて、フィラグリンの発現状態を調べた。
試験方法は以下のようにして行った。それぞれの細胞積層体の薄層切片を脱パラフィン処理した後、90℃のクエン酸緩衝液で90℃に1時間含浸し抗原を賦活化させた。その後、2%BSA(ウシ血清アルブミン)でブロッキングを1時間実施し、200倍に希釈した一次抗体(抗フィラグリン抗体:SPM181(アブカム社))を4℃で一晩反応させた。PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で3回洗浄した後、抗マウス‐FITC(フルオレセインイソチオシアネート)抗体を400倍に希釈したものを室温で1時間反応させ、PBSで3回洗浄した。その後、ヘキストで核を染色して、マニュキュアで封入した。観察はFITCフィルターを搭載蛍光顕微鏡(キーエンス)にて1/3秒露光した画像を示す。
結果を図6に示す。図6に示す通り、間葉系幹細胞のみを含むコラーゲンゲルに対して、表皮(hEK)を重層させた細胞積層体においては、フィラグリンの発現が認められたが、線維芽細胞のみを含むコラーゲンゲルに対して、表皮(hEK)を重層させた細胞積層体においては、フィラグリンの発現が著しく弱かった。すなわち、分化の評価としては不十分であった。
(5)細胞におけるインスリン様成長因子(IGF-1)の量の測定
非不死化間葉系幹細胞を含む第一の細胞層が第二の細胞層の分化促進する成分探索を実施した。市販のサイトカインエライザにて試験し、比較例及び例13の積層体作製時の培地を11日目、14日目に回収し上清中に分泌された、インスリン様成長因子(IGF-1)の量を比較した。
測定方法としては、回収した上清を1000g×5分、室温で遠心し不純物を取り除いた後に、IGF-1)の量をELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)で測定した。測定の結果を表4及び図7に示す。表4及び図7において、HDFは線維芽細胞を示し、MSCは間葉系幹細胞を示す。
驚くべきことに間葉系幹細胞を用いたもので顕著にIGF-1の分泌が多くなることを見出した。このIGF-1は第二の層を構成するケラチノサイトへの影響を検証した。
(6)細胞増殖アッセイ
非不死化ケラチノサイトを低カルシウム培地にて96Wellプレート(コーニング社)品に8000cels/wellで播種し、組み換えIGF-1(R&D社)をPBSにて希釈し、終濃度1ng/ml,10ng/mlになるように添加した。比較はPBSのみを添加した。さらに、IGF-1の機能を抑制することが知られているインスリン様成長因子結合タンパク質7型(IGFBP7)を終濃度10000ng/ml を添加した状態で72時間後にWST−8試薬(Dojindo社)のプロトコルに従い細胞数を吸光度で比較した。吸光度は、細胞数と比例する。WST−8試薬(Dojindo社)のプロトコルに従い細胞数を吸光度で比較した。吸光度は、細胞数と比例する。測定結果を表5に示す。
(7)分化アッセイ
非不死化ケラチノサイトを低カルシウム培地にて6Wellプレート(コーニング社)品に300,000cels/wellで播種し、組み換えIGF-1(R&D社)をPBSにて希釈し、終濃度10ng/mlになるように添加した。陰性対照はPBSのみを添加した。陽性対照は分化を促進することが知られている塩化カルシウムを終濃度1.8mM になるように添加した。72時間後にLysis Bufferで回収し、各レーンにつき20μgのタンパク質をSDS(Sodium dodecyl sulfate)−ポリアクリルアミドゲルに展開した後、タンパク質をPVDF膜に転写した。転写後のPVDF(ポリフッ化ビニリデン)膜は、ブロッキング剤(Blocking One、ナカライテスク株式会社)で1時間処理することによりブロッキングを行った後、Tween20を0.1%含むPBS(以下T-PBS)で洗浄した。次いで、抗ロリクリンウサギモノクローナル抗体(Abcam社)を1000倍希釈した溶液を添加して、4℃で終夜反応させた。また、内部標準として、抗β−アクチンマウスモノクローナル抗体(Sigma-Aldrich社)を20000倍希釈した溶液を添加して、室温で1時間反応させた。T−PBSで3回洗浄した後、それぞれ2次抗体に反応させた。ロリクリンのバンドの濃さを画像解析し、β−アクチンのバンドの濃さにて補正した。結果を表6及び図8に示す。
上記の結果から間葉系幹細胞から分泌されたIGF-1が第2の層のケラチノサイトへ影響し好ましい積層体を作ることがわかった。そこで、間葉系幹細胞からIGF-1をより分泌させる化合物を探索した。
(8)間葉系幹細胞を用いたIGF-1産生促進剤の探索
mRNAレベルでのスクリーニング
骨髄由来間葉系幹細胞(LONZA社)を96Wellプレート(コーニング社)品に10000cels/wellで播種し、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した植物抽出エキスを終濃度10ppm(DMSO 終濃度1%)になるように添加した。16時間後に、RNAを抽出しPrimeScript One Step RT-PCR Kit Ver.2(タカラ社)でRT-qPCR(Quantitative reverse transcription polymerase chain reaction)を実施した。方法は製品の標準方法にしたがって実施した。
用いたプライマーセットは下記市販セットをそれぞれ購入した。GAPDH(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)は内部標準として解析し、発現量費はIGF-1/GAPDHの発現量比とした。
独立した試験系3回の結果平均を、表8に示す。
(9)間葉系幹細胞を用いたIGFBP-7抑制剤の探索
ヒト間葉系幹細胞を2500個/cm2の細胞密度で48ウェルプレートに播種し、間葉系幹細胞用培地中で培養した。細胞を播種した翌日に、1mmol/L 過酸化水素を添加した間葉系幹細胞用培地に培地交換し、30分間培養した。次いで、間葉系幹細胞用培地にて1回洗浄した後、各被験物質を添加した間葉系幹細胞用培地に培地交換し、培養を継続した。その間、2日〜3日毎に培地交換を行った。培養5日目に間葉系幹細胞用培地に培地交換して24時間培養した後、培地を回収した。
次いで、回収した培地中のIGFBP−7の濃度をELISAキット(R&D Systems社)により測定した。さらに、細胞増殖測定用キット(Cell Counting Kit-8、株式会社同仁化学研究所)を用いて細胞増殖率を測定し、細胞増殖率の測定値によってIGFBP−7の濃度の測定値を補正した。そして、被験物質を適用しないコントロールに対するIGFBP−7の抑制率を算出した。
なお、各被験物質の適用濃度としては、細胞増殖率が10%以上抑制されない濃度を上限とし、IGFBP−7の抑制率が最も高かった濃度を採用した。
IGFBP−7の抑制率を算出する手順の詳細は、下記(i)〜(iv)のとおりである。
(i)各被験物質について同条件のサンプルを5つ以上(すなわち、n≧5)調製した後、回収した培地中のIGFBP−7の濃度を測定する。
(ii)上記(i)の測定結果のうち、最高値及び最低値をそれぞれ1点ずつ除き、残りのサンプル(3サンプル以上)の値を採用する。
(iii)上記(ii)で採用された各サンプルのIGFBP−7の濃度を細胞増殖率の測定値で補正し、コントロールに対するIGFBP−7の抑制率を下記式に従って算出する。なお、抑制率が0%未満の場合は、IGFBP−7の分泌が促進されたこと、すなわち細胞老化が促進されたことを意味する。
IGFBP−7の抑制率(%)={(細胞増殖率による補正後のコントロールの値)−(細胞増殖率による補正後のサンプルの値)}/(細胞増殖率による補正後のコントロールの値)×100
(iv)上記(i)及び(ii)を各被験物質について3回繰り返し、上記(iii)によって算出されたIGFBP−7の抑制率(3サンプル×3回以上)を算術平均する。
各被験物質を適用した場合のIGFBP−7の抑制率を下記表9に示す。
表9に示すとおり、アスタキサンチンは、他の被験物質と比較して適用濃度が顕著に低いにも関わらず、IGFBP−7の抑制率が最も高かった。この結果から、アスタキサンチンは、他の被験物質と比較して細胞老化抑制効果が顕著に優れることが分かる。
(10)各種組成物
上記で見出した、最も効果が高いボスウェリアセラタエキスはエタノール抽出物であり活性成分であるβボスウェリン酸が配合されていることが特徴である。
しかし、ボスウェリアセラタのエタノール抽出エキスは疎水性物質であるため水溶媒に溶解せず、添加剤として配合しづらい。そこで、乳化物を作製した。下記に処方の具体例を示す。
<ボスウェリアセラタエキス分散組成物(ボスウェリアセラタ組成物B−1)の調製>
ボスウェリアセラタエキス(ボスウェリンCG:商品名、サビンサジャパンコーポレーション株式会社) 1.0g
POE(20)フィトステロールエーテル (NIKKOL BPS-20)3.75g
1,3−ブチレングリコール(アルコール) 15.25g
上記3成分を混合し、70℃の温度にて加熱溶解して均一な油性溶液を調製する。得られた油性溶液を、40℃〜90℃に加熱された以下2成分を含有する水相に攪拌しながら添加し、懸濁液を得た。
レシチン(SLPホワイト:辻製油) 5.0g
グリセリン(アルコール) 45.0g
精製水 Upto100g
得られた懸濁液を、20℃以上80℃以下の温度で、100MPa以上の圧力下で分散処理することで、ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1を得た。動的光散乱を用いた市販の測定装置として、ナノトラックUPA(日機装株式会社)を用いて、以下のよう計測した。
分散組成物を純水で10倍に希釈し、室温(25℃)にて、測定を行う。分散媒屈折率として1.333(純水)、分散媒の粘度として純水の粘度を使用した場合の体積平均粒径として求めたところ、12.6nmであった。
アスタキサンチン(エステルも含む)は疎水性物質であるため水溶媒に溶解せず、添加剤として配合しづらい。そこで、乳化物を作製した。
<アスタキサンチン含有乳化組成物Aの調製>
下記の成分を、70℃で加熱しながら1時間溶解して、水相組成物Aを得た。
・ショ糖ステアリン酸エステル(HLB=16) 33.0g
・モノオレイン酸デカグリセリル(HLB=12) 67.0g
・グリセリン 450.0g
・純水 300.0g
下記成分を、70℃で加熱しながら1時間溶解して、油相組成物Aを得た。
・オキアミ抽出物 15.0g
・ミックストコフェロール(理研ビタミン製、理研Eオイル800) 32.0g
・中鎖脂肪酸グリセライド(花王製、ココナードMT) 93.0g
・レシチン(理研ビタミン製、レシオンP、大豆由来) 10.0g
上記で得られた水相組成物Aを70℃に保ったままホモジナイザー(機種名:HP93、株式会社エスエムテー社)で攪拌し(10000rpm)、水相組成物Aへ油相組成物Aを添加して予備乳化物を得た。
続いて、得られた予備乳化物を約40℃まで冷却し、アルティマイザーHJP−25005(株式会社スギノマシン社)を用いて、200MPaの圧力で高圧乳化を行った。その後、平均孔径1μmのミクロフィルターでろ過して、アスタキサンチン含有乳化組成物A(アスタキサンチン含有率:0.3質量%)を調製した。
得られたアスタキサンチン乳化組成物AをミリQ水にて1質量%に希釈し、粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子株式会社)を用いて、分散粒子の粒径を測定したところ、58nmであった。
上記オキアミ抽出物を製品名:Astax−ST(株式会社マリン大王)や、製品名:ASTOTS−S(富士フイルム株式会社,ヘマトコッカス藻抽出物)に替えても同等の乳化組成物を得ることが出来る。
<アスタキサンチン含有乳化組成物Bの調製>
下記の成分を、70℃で加熱しながら1時間溶解して、水相組成物Bを得た。
ショ糖ステアリン酸エステル(第一工業製薬、DKエステルSS) 3.3g
モノオレイン酸デカグリセリル(理研ビタミン、ポエムJ−0381V)6.7g
グリセリン(アルコール) 45.0g
純水 30.0g
下記成分を、70℃で加熱しながら1時間溶解して、油相組成物Bを得た。
ヘマトコッカス藻抽出物(富士フイルム、ASTOTS−S、アスタキサンチン含有率:20%)3.76g
ミックストコフェロール(理研ビタミン、理研Eオイル800) 0.96g
ココナッツ油(日清オイリオグループ、O.D.O.) 8.53g
レシチン(辻製油、SLPホワイト) 1.0g
ニコチン酸トコフェロール(エーザイフード・ケミカル、日本薬局方トコフェロールニコチン酸エステル)0.75g
上記で得られた水相組成物Aを70℃に保ったままホモジナイザー(機種名:HP93、株式会社エスエムテー社)で攪拌し(10000rpm)、水相組成物Bへ油相組成物Bを添加して予備乳化物を得た。
続いて、得られた予備乳化物を約40℃まで冷却し、スターバーストミニHJP−25001(株式会社スギノマシン)を用いて、245MPaの圧力で高圧乳化を行った。高圧乳化後、平均孔径1μmのミクロフィルターでろ過して、アスタキサンチン含有乳化組成物Bを調製した。
得られたアスタキサンチン乳化組成物BをミリQ水にて1質量%に希釈し、粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子株式会社)を用いて、分散粒子の粒径を測定したところ、47.7nmであった。
上記の方法で調製されたボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1、アスタキサンチン含有乳化組成物A、Bを適宜用いて、以下のように化粧料を調製した。
IGF-1の産生を促進しながら、IGF-1の機能を阻害する分子であるIGFBP7を低下させることにより、上述した第二の細胞の分化をさらに高めることができると考えられる。その観点からもボスウェリアセラタエキスを含有する分散物とアスタキサンチンを含有する分散物を併用することが好ましい。また、このような処方を含む製剤とすることで、肌状態の改善をより効果的なものとすることができると考えられる。
[実施例:化粧水]
下記組成を有する化粧水を、常法により調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1 1.0
アルブチン 2.0
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
ジプロピレングリコール 4.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
ポリエチレングリコール 1.0
エタノール 2.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
フェノキシエタノール 0.3
グリセリンモノ−2−エチルヘキシルエーテル 0.2
オリザノール 0.01
ポリオキシエチレンフィトステロール
(NIKKOL BPS−20:日光ケミカルズ社製) 0.03
N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン 1.0
水溶性コラーゲン 1.0
加水分解コラーゲン 1.0
海藻エキス(1) 1.0
アスタキサンチン含有乳化組成物B 0.2
リン酸−L−アスコルビルマグネシウム 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
クエン酸 1.0
クエン酸ナトリウム 適量
水 残量
[実施例:美容液]
下記組成を有する美容液を、常法により調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1 1.0
リン酸−L−アスコルビルマグネシウム 2.0
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
ジプロピレングリコール 4.0
グリセリン 5.0
ジグリセリン 2.0
1,2−ペンタンジオール 2.0
フェノキシエタノール 0.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
アルカリネゲス レータスB−16ポリマー 0.05
オリザノール 0.01
ポリオキシエチレンフィトステロール
(NIKKOL BPS−20:日光ケミカルズ社製) 0.03
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
レシチン 0.05
クエン酸 0.7
クエン酸ナトリウム 適量
N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン 1.0
水溶性コラーゲン 1.0
加水分解コラーゲン 1.0
酵母エキス(1) 1.0
アスタキサンチン含有乳化組成物B 0.2
水 残量
また、アスタキサンチン含有乳化組成物Bについて、アスタキサンチン分散組成物Aと同一の製法に、アスタキサンチン原料をオキアミ抽出物からヘマトコッカス藻抽出物にそれぞれ変更し、アスタキサンチン含有乳化組成物Bと同じ濃度を示すアスタキサンチン含有乳化組成物を作製した。得られたアスタキサンチン含有乳化組成物、およびこれを用いた製剤は、いずれも成分の分離・析出がなかった。
[実施例:クリーム]
下記組成を有するクリームを、常法により調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1 0.01
アルブチン 2.0
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0
リン酸−L−アスコルビルマグネシウム 0.1
1,2−ペンタンジオール 3.0
ジプロピレングリコール 7.0
濃グリセリン 5.0
ポリエチレングリコール6000[分子量:6000] 1.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
トリメチルグリシン 0.5
1,3−ブチレングリコール 3.0
キサンタンガム 0.5
アクリル酸/メタアクリル酸アルキル共重合体 0.7
スクワラン 0.5
シア脂 1.0
サラシミツロウ 1.0
ベヘニルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 2.0
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1.0
トコフェロール 0.5
アスタキサンチン 0.1
アスタキサンチン含有乳化組成物A 0.2
水溶性コラーゲン 1.0
加水分解コラーゲン溶液(魚由来) 1.0
N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン 1.0
オリザノール 0.01
ポリオキシエチレンフィトステロール
(NIKKOL BPS−20:日光ケミカルズ社製) 0.03
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
レシチン 0.1
ショ糖脂肪酸エステル 0.1
モノオレイン酸ポリグリセリル 0.1
クエン酸 0.7
クエン酸ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 0.3
精製水 残量
[実施例:サンスクリーン剤]
下記組成を有するサンスクリーン剤を常法により調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1 0.01
シクロペンタシロキサン 20.0
ジメチコン 10.0
酸化チタン 5.0
t−ブチルメトキシベンゾイルメタン 1.0
HXMT−100ZA(テイカ社、平均一次粒径15nm) 6.0
水酸化アルミニウム 1.0
イソステアリン酸 0.5
セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
リン酸−L−アスコルビルマグネシウム 0.1
ヘマトコッカス藻抽出物 0.1
水溶性コラーゲン 1.0
クエン酸 0.7
クエン酸ナトリウム 適量
トコフェロール 0.5
オリザノール 0.01
ポリオキシエチレンフィトステロール
(NIKKOL BPS−20:日光ケミカルズ社製) 0.03
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
レシチン 0.1
香料 微量
パラオキシ安息香酸メチル 0.15
精製水 残量
[実施例:乳液]
下記組成を有する乳液を、油相・水相それぞれを70℃に加熱し、乳化しながら攪拌することにより調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
≪油相成分≫
ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1 0.05
ヘマトコッカス藻抽出物 0.2
スクワラン 8.0
ホホバ油 7.0
セチルアルコール 1.5
≪水相成分≫
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0
ポリオキシエチレンソオルビタンモノオレート 2.0
1,3−ブチレングリコール 1.0
グリセリン 2.0
ステアリン酸スクロース 0.1
オレイン酸ポリグリセリル−10 0.1
ステアリン酸ポリグリセリル−2 0.1
フェノキシエタノール 0.2
コラーゲン 1.0
オリザノール 0.01
ポリオキシエチレンフィトステロール
(NIKKOL BPS−20:日光ケミカルズ社製) 0.03
アスタキサンチン含有乳化組成物B 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
レシチン 0.05
アルブチン 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
クエン酸 1.0
クエン酸ナトリウム 適量
香料 微量
精製水 残量
[実施例:ジェリー様美容液]
下記組成を有するジェリー様美容液を常法により調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1 0.01
ヘマトコッカス藻抽出物 0.1
アスタキサンチン含有乳化組成物B 0.2
セラミドIII、VI混合物 1.0
加水分解コラーゲン 1.0
アセチルヒドロキシプロリン 1.0
エチルヘキシルグリセリン 0.1
オレイン酸 0.5
1,3−ブチレングリコール 1.0
グリセリン 2.0
スクロース 0.1
オレイン酸ポリグリセリル−10 0.1
ステアリン酸ポリグリセリル−2 0.1
フェノキシエタノール 0.2
コラーゲン 1.0
オリザノール 0.01
ポリオキシエチレンフィトステロール
(NIKKOL BPS−20:日光ケミカルズ社製) 0.03
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
レシチン 0.1
クエン酸 1.0
クエン酸ナトリウム 適量
(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 0.3
ダマスクバラ花油 微量
香料 微量
精製水 残量
[実施例:湿式ファンデーション]
下記組成のスラリーを作製し、所定の容器に充填し、乾燥することで、固形粉末化粧料(湿式ファンデーション)を作製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1 0.1
タルク(OTS−2 TALK JA−46R:大東化成社製) 18
酸化チタン(OTS−2 TiO2 CR−5:大東化成社製) 9.0
酸化鉄黄色(OTS−2 YELLOW LLXLO:大東化成社製) 2.3
酸化鉄赤(OTS−2 RED R−516L:大東化成社製) 0.15
酸化鉄黒(OTS−2 BLACK BL−100:大東化成社製 0.3
パール顔料(金)(ロナフレアバランス ゴールド:メルク社製) 13
パール顔料(赤)(トランスプリズマーレッド:メルク社製) 7.0
複合粉体顔料(HNB RED7:大東化成工業社製) 1.0
ジメチコン・トリメチルシロキシシリケート(DC593:東レ・ダウコーニング社製)
3.0
ジメチコン(SH200C−20cs:東レ・ダウコーニング社製) 7.0
フェノキシエタノール 0.5
セリサイト(OTS−2 SERICITE FSE:大東化成社製) 残量
[実施例:リキッドファンデーション]
下記組成を有するリキッドファンデーション(W/O乳化物)を、常法により調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
特定赤色複合顔料*1 0.5
体質顔料*2 15.0
色材顔料*3 2.0
パール顔料*4 3.0
シクロメチコン 25.0
ジメチコンポリオール 5.0
ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.2
スクワラン 0.1
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.0
ジステアルジモニウムヘクトライト 0.8
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 2.5
ヘマトコッカスプルビアリス油 0.1
トコフェロール 0.1
ダマスクバラ花油 微量
香料 適量
フェノキシエタノール 0.3
グリセリン 10.0
ジプロピレングリコール 4.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
水溶性コラーゲン 0.1
ローヤルゼリーエキス 0.1
オリザノール 0.01
ポリオキシエチレンフィトステロール
(NIKKOL BPS−20:日光ケミカルズ社製) 0.03
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1 0.01
レシチン 0.1
塩化Ca 1.0
クエン酸 1.0
クエン酸ナトリウム 適量
イオン交換水 残量
上記顔料*1〜*4は下記ものを使用した。
*1 HNB RED7(大東化成株式会社製)
*2 OTS−2 SERICITE PSEと OTS−2 TALK JA−46R(いずれも大東化成株式会社製)を7:3の割合で混合したもの
*3 OTS−2 TiO2 CR−50とOTS−2 YELLOW LLXLOとOTS−2 RED R−516L とOTS−2 BLACK BL−100 (いずれも大東化成株式会社製)を78:19:1:2の割合で混合したもの
*4 ロナフレアバランスゴールドとトランスプリズマ−レッド(いずれもMERCK社製)を7:3の割合で混合したもの
[実施例:洗顔料]
下記組成を有する洗顔料を、常法により調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
ミリスチン酸K 2.0
パルミチン酸K 0.5
ステアリン酸K 0.5
(ラウラミド/ミリスタミド)DEA 1.0
ココイルグリシンNa 10.0
ラウロアンホNa 13.0
PEG−32 3.0
ブチレングリコール 15.0
グリセリン 10.0
ソルビトール 5.0
水酸化カリウム 適量
ステアリン酸グリセリル 1.5
ヘマトコッカスプルビアリス油 0.05
アスタキサンチン含有乳化組成物A 0.05
水溶性コラーゲン 1.0
トコフェロール 0.5
クエン酸 1.0
クエン酸ナトリウム 適量
シア脂 1.0
ポリクオタニウム−7 0.5
ポリクオタニウム−39 0.5
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム 1.0
オリザノール 0.01
ポリオキシエチレンフィトステロール
(NIKKOL BPS−20:日光ケミカルズ社製) 0.03
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
ボスウェリアセラタエキス分散組成物B−1 0.01
フェノキシエタノール 0.5
ダマスクバラ花油 適量
香料 適量
[実施例:清涼飲料]
下記組成を有する清涼飲料を、常法により調製し、pH3.0となるようにクエン酸ナトリウムで調整した(全量100質量%)。
[組成] 〔含有量(質量%)〕
サラシノール 1.0
果糖ブドウ糖液糖 30.0
オレンジ果汁 20.0
アスコルビン酸 0.2
クエン酸[クエン酸化合物] 1.5
乳化剤 0.5
香料 適量
クエン酸ナトリウム[クエン酸化合物] 適量
精製水 残量
ボスウェリアセラタエキス分散物B−1 0.01

Claims (16)

  1. 第一の細胞層、及び第二の細胞層がこの順番で積層されている細胞積層体であって、第一の細胞層が、少なくとも非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを含み、第二の細胞層が少なくとも表皮角化細胞を含む、細胞積層体。
  2. 第二の細胞層が、分化後に4層構造を有している、請求項1に記載の細胞積層体。
  3. 第一の細胞層の全細胞中の非不死化間葉系幹細胞の割合が10%以上であり、収縮後の表面積1cm2あたりの、第一の細胞層の全細胞の細胞数が1×105細胞以上であり、コラーゲンゲルを形成する際に使用するコラーゲン溶液のコラーゲン濃度が0.1mg/ml以上である、請求項1又は2に記載の細胞積層体。
  4. 非不死化間葉系幹細胞が、非不死化骨髄由来間葉系幹細胞である、請求項1から3の何れか一項に記載の細胞積層体。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の細胞積層体を含む、生体移植材料。
  6. 請求項1から4の何れか一項に記載の細胞積層体の表皮角化細胞の分化状態を評価することを含む、表皮の分化状態の評価方法。
  7. 表皮角化細胞におけるロリクリン、フィラグリン、及びカスパーゼ14から選ばれる少なくとも一種の発現状態を評価することを含む、請求項6に記載の評価方法。
  8. 請求項1から4の何れか一項に記載の細胞積層体に被験物質を接触させ、細胞分化に対する被験物質の影響を評価する、請求項6又は7に記載の評価方法。
  9. 少なくとも非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを含む第一の細胞層を形成する工程、前記第一の細胞層の上に表皮角化細胞を播種する工程、並びに前記第一の細胞層及び表皮角化細胞を気液界面培養により培養する工程を含む、請求項1から4の何れか一項に記載の細胞積層体の製造方法。
  10. 非不死化間葉系幹細胞が、ヒト由来の10継代以下の細胞である、請求項9に記載の方法。
  11. 非不死化間葉系幹細胞とコラーゲンゲルとを浮遊培養することにより、第一の細胞層を形成する、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 第一の細胞層の上に播種される表皮角化細胞が、5継代以下の非不死化細胞である、請求項9から11の何れか一項に記載の方法。
  13. 前記気液界面培養による培養日数が、10日以上である、請求項9から12の何れか一項に記載の方法。
  14. 非不死化間葉系幹細胞が、非不死化骨髄由来間葉系幹細胞である、請求項9から13の何れか一項に記載の方法。
  15. ボスウェリアセラタエキスのエタノール抽出物を含有する、間葉系幹細胞用インスリン様成長因子−1産生促進剤。
  16. さらにアスタキサンチンを含有する、請求項15に記載の間葉系幹細胞用インスリン様成長因子−1産生促進剤。
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