JP2009132204A - 車両挙動制御装置 - Google Patents

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【課題】複数の車両運動制御装置を用いて運動を協調制御させるに際し、各車輪のタイヤの荷重状態に応じて適切に所望の運動を実現させるタイヤ発生力を算出して無駄なエネルギ消費を抑える。
【解決手段】車輪3のタイヤ横力Fyおよびタイヤ前後力Fxを個別に可変制御することによって車両の挙動を制御する車両挙動制御装置10において、車輪のタイヤ横力とタイヤ前後力との制御割合を設定する制御割合設定部30と、運転者による運転操作量から目標ヨーレイトγTを算出する目標ヨーレイト算出部27と、車輪の実舵角から規範ヨーレイトγT0を算出する規範ヨーレイト算出部29とを備え、制御割合設定部30は、目標ヨーレイト算出部によって算出された目標ヨーレイトと規範ヨーレイト算出部によって算出された規範ヨーレイトとの差Δγが小さいほど、タイヤ前後力の制御割合を小さくするように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の挙動を制御する車両挙動制御装置に関し、特に、車輪のタイヤ横力およびタイヤ前後力を制御することによってこれを実現する車両挙動制御装置に係るものである。
従来から、車両に所望の運動を行わせるために、車両に装備された車両運動制御装置を複数用いて協調的に動作させる方法が知られている。例えば、各車輪の摩擦円の大きさから制御限界を算出し、それを基に各車輪への追加タイヤ発生力を決定するものや、更には、各車輪のグリップ余裕度を求めてその状態に応じて車両運動制御装置の種類配分を変更するものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−264561号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、各車輪の摩擦円の大きさやグリップ余裕度をそれぞれ個別に計算し、そのためには路面μやSAT等から算出する必要があり、時々刻々と変わる環境ではこれらの計算が容易でないことが多い。また、その余裕度に応じて制御装置の種類配分を変更する際にも、その指針となるグリップ余裕度の算出が容易でない場合、それぞれの車輪に対するタイヤ発生力を配分することや車両運動制御装置への配分を行うにも計算が容易ではなく、制御が遅れる虞があった。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、複数の車両運動制御装置を用いて運動を協調制御させるに際し、各車輪のタイヤの荷重状態に応じて適切に所望の運動を実現させるタイヤ発生力を算出して無駄なエネルギ消費を抑えることを目的とする。また、同時に制御負担の大きさを制御装置のない車両モデルと比較することにより簡便に算出し、同じ車両運動を達成する際にも極力従来車と同じ感覚で運転できるように制御することを可能にする車両制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、車輪のタイヤ横力およびタイヤ前後力を個別に可変制御することによって車両の挙動を制御する車両挙動制御装置であって、前記車輪のタイヤ横力とタイヤ前後力との制御割合を設定する制御割合設定手段と、運転者による運転操作量から目標運動量を算出する目標運動量算出手段と、前記車輪のタイヤ角から規範運動量を算出する規範運動量算出手段とを備え、前記制御割合設定手段は、前記目標運動量算出手段の算出結果と前記規範運動量算出手段の算出結果との差が小さいほど、前記タイヤ前後力の制御割合を小さくするように構成する。
また、上記車両挙動制御装置において、前記制御割合設定手段は、旋回時に旋回内側前輪および旋回外側後輪について、前記タイヤ前後力の制御割合を0に設定するように構成するとよい。
更に、上記車両挙動制御装置において、前記タイヤ横力およびタイヤ前後力を制御する車輪を選択する車輪選択手段を更に備え、前記車輪選択手段は、旋回時に前輪旋回外輪および後輪旋回内輪のみを選択するように構成するとよい。
本発明の車両挙動制御装置によれば、ステアリングホイール等の操作手段が車輪に対して機械的に直接接続された従来車と対比するに際し、目標運動量算出手段の算出値と規範運動量算出手段の算出値との差を監視し、その差が小さいほど、運転者の所望する目標運動量が従来車で発生しうる運動量に近いものと考え、スリップ角と横力とに関するタイヤ特性における線形領域のものと捉える。一方、その差が大きいほど、目標運動量が従来車の運動量と大きく異なることから、車両挙動制御装置は目標運動量が上記タイヤ特性における非線形領域のものと捉える。これにより、車両挙動を制御するタイヤ発生力の制御をタイヤ横力(操舵力)中心にするか、タイヤ前後力(制動/駆動力)中心にするかを判断して実際のタイヤ発生力分配を変更することができる。そして、タイヤ横力とタイヤ前後力とへのタイヤ発生力分配において、両者への分配量の合計を一定値に保つことにより、タイヤ力の限界である摩擦円を暗に意識したタイヤ分配となって実際に分配する際に精度の高いタイヤ力分配を実施することができる。
また、本発明によれば、従来から車両に設置されているセンサ類を用いて簡単な計算を行うことにより、各車輪に対して要求される運動量をより有効的に分配することができるとともに、時事刻々と変化する路面状況等によって難しい推定を強いられるタイヤ摩擦円の推定を行うことなく、上記したタイヤ特性の線形領域や非線形領域に適したタイヤ発生力の分配を行うことができる。また、その際に予め分配段階でタイヤ摩擦円を意識した前後左右分配になっているため、タイヤ摩擦円の正確な情報がなくても著しい課題要求等を避けることができる。更に、本発明は、各車輪の分配比率を荷重の状態に応じて相対的に決定できるため、将来的にタイヤ摩擦円の推定が簡便に行えるようになれば、各車輪への分配をそれぞれ再計算することなく、最終的に各車輪の分配量全体にその摩擦の大きさに比例した係数を乗じるだけでよいので、これまでの演算式をより有効利用でき、且つ簡便に制御の精度を上げることが見込まれる。
≪実施形態の構成≫
以下、図面を参照して、本発明に係る車両挙動制御装置の一実施形態について詳細に説明する。説明にあたり、4本の車輪やタイヤ等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)と記すとともに、総称する場合には、例えば、車輪3と記す。
図1は実施形態に係る車両挙動制御装置10を適用した自動車1の概略構成図である。自動車1はタイヤ4が装着された4つの車輪3を備えており、これら各車輪3が図示しないサスペンションによって車体2に懸架されている。自動車1の運転席には、運転者による運転操作に供されるステアリングホイール5、アクセルペダル6、ブレーキペダル7が設置されている。
ステアリングホイール5が連結されたステアリングシャフト8には、ステアリングホイール5の操舵角を検出する操舵角センサ11が設けられ、アクセルペダル6およびブレーキペダル7には各ペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ12およびブレーキセンサ13がそれぞれ設けられ、運転者による操作量を検出できるようになっている。また、車体2の適所には、自動車1に作用する前後方向および横方向の加速度を検出する加速度センサ14と、自動車1のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ15と、車速を検出する車速センサ16等が設けられている。
自動車1は前輪舵角制御手段として、ステアリングホイール5から機械的に分離され、運転者のステアリング操作に応じて図示しないアクチュエータを駆動して前輪3fの舵角を個別に変化させる、いわゆるステア・バイ・ワイヤの前輪舵角制御装置21を備え、後輪舵角制御手段として、同じく図示しないアクチュエータを駆動して後輪3rの舵角を個別に変化させる後輪舵角制御装置22を備えている。各車輪3に対してはアクチュエータのストローク量を検出するストロークセンサ17がそれぞれ設置されており、検出結果がフィードバックされることによって車輪3の正確な舵角制御が可能になっているとともに、後述する規範ヨーレイトの算出の基礎となる車輪の実舵角が把握可能とされている。
また、自動車1は制動制御手段として、ブレーキペダル7から機械的に分離され、運転者のブレーキ操作に応じて各車輪3の制動力を個別に制御する、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤの制動制御装置23を備えるとともに、駆動制御手段として、アクセルペダルから機械的に分離され、運転者のアクセル操作に応じてスロットル開度や燃料噴射量等を制御することによってエンジン出力を制御し、トルクトランスファを制御することによって前後左右の車輪の駆動力を制御する駆動制御装置24を備えている。
自動車1には、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されたECU(Electronic Control Unit)25が設置されており、上記した前輪舵角制御装置21、後輪舵角制御装置22、制動制御装置23、および駆動制御装置24等の各種システムを統括制御する。また、ECU25には、上記各センサ11〜17が接続されており、これらからの検出信号がシステムの統括制御に利用される。
このように構成された自動車1によれば、各車輪の舵角を変化させることによりタイヤ横力を個別に可変制御し、各車輪の制駆動力を変化させることによりタイヤ前後力を個別に可変制御することができ、4輪をトータル制御することによって自動車1の挙動を制御することが可能である。
図2は実施形態に係る車両挙動制御装置10の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、車両挙動制御装置10は、入力インタフェース26を介して操舵角センサ11、アクセルセンサ12、ブレーキセンサ13、車速センサ15およびストロークセンサ17等の検出信号が入力するECU25と、ECU25で生成され、出力インタフェース31を介して出力された制御信号に基づいて作動する前輪舵角制御装置21、後輪舵角制御装置22、制動制御装置23、および駆動制御装置24とから構成されている。
ECU25は、入力インタフェース26を介して入力した各種信号に基づいて目標ヨーレイト(目標運動量)を算出する目標ヨーレイト算出部27(目標運動量算出手段)と、各種信号に基づいて規範ヨーレイト(規範運動量)を算出する規範ヨーレイト算出部28(規範運動量算出手段)と、目標ヨーレイト算出部27によって算出された目標ヨーレイトと規範ヨーレイト算出部28によって算出された規範ヨーレイトとから、そのタイヤ横力およびタイヤ前後力を可変制御する車輪3を選択する被制御車輪選択部29と、被制御車輪選択部29によって選択された車輪3に対するタイヤ横力とタイヤ前後力との制御割合を設定する制御割合設定部30とを備えている。
被制御車輪選択部29は、各種センサの検出結果から自動車1が旋回状態にあるときには旋回外側の前輪4fおよび旋回内側の後輪4rのみを選択する。制御割合設定部30は、選択された車輪4について、算出された目標ヨーレイトと算出された規範ヨーレイトとの差が小さいほど、タイヤ横力に対してタイヤ前後力の制御割合を小さく(換言すれば、タイヤ横力の制御割合を大きく)設定する。
そして制御割合設定部30で設定された制御割合を実現すべく、前輪舵角制御装置21、後輪舵角制御装置22、制動制御装置23、および駆動制御装置24が、前後左右の車輪4のタイヤ横力およびタイヤ前後力を制御する。これによって、自動車1は挙動が安定するように制御される。
≪実施形態の作用効果≫
次に、図3を参照して車両挙動制御装置10が行う車両制御手順について説明する。図3は車両制御手順を示すフローチャートである。ここで使用する記号について以下のように定義する。
γT(t):時刻tにおける目標ヨーレイト
γT0(t):時刻tにおける舵角や車速等のパラメータから本来発生し得る規範ヨーレイト
γ(t):時刻tにおける実際のヨーレイト
ここで、各車輪3のサフィックスを図5に示すように、右前から反時計回りに1,2,3,4とすると、
Fxi(t):時刻tにおけるタイヤiの要求前後力
Fyi(t):時刻tにおけるタイヤiの要求横力
Ki(t):時刻tにおけるタイヤiの荷重配分係数
Gl(t):時刻tにおける自動車に作用する横加速度
Glg(t):時刻tにおける自動車に作用する前後加速度
となる。
まず、ステップ1において、ECU25は自動車1の重心点ベクトルを算出する。これはG→=Gl(t)→+Glg(t)→等で算出され、この比が4輪の荷重比であり4輪のタイヤ摩擦円の相対比と置き換える。例えば、左旋回中に軽く制動して
Gl(t)=0.3
Glg(t)=0.2
となった場合、相対比の演算方式は多数考えられるが、自動車1の前後重量配分を前:後=m:nとしてその分を考慮すると、
K1(t)=q×{l×m/((m+n)/2)+(Gl(t)+GLg(t))}
K2(t)=q×{l×m/((m+n)/2)+(−Gl(t)+GLg(t))}
K3(t)=q×{l×m/((m+n)/2)+(Gl(t)−GLg(t))}
K4(t)=q×{l×m/((m+n)/2)+(−Gl(t)−GLg(t))}
となる。但し、q:係数、である。
次に、ステップ2において、自動車1の運動を行うタイヤ4がどのような状況にあるかを判断するために指標εを算出する。ここで、その指標εは以下のように表すことができる。
ε=γT(t)−γT0(t)
これは、運転者が所望する目標ヨーレイトγT(t)が本来発生し得る規範ヨーレイトγT0(t)とどれほどかけ離れているかを示す量であり、換言すれば、タイヤ特性における線形領域での車両挙動を模擬している規範ヨーレイトと大きくかけ離れている目標値を所望するということは、タイヤ特性における非線形領域の制御量または非線形領域に近い大きな制御量を必要としていることを意味する。このように、難易度の高い摩擦円やその使用状況等を推定することなく、従来から用いられている車両の規範ヨーレイトを用いることにより、タイヤ特性における線形領域での作動であるか否かをある程度判断することができる。
更に、ステップ3において、マップを参照して指標εから制駆動側配分係数bおよび操舵側分配係数cを求め、タイヤ前後力およびタイヤ横力の分配方針を定める。例えば、ヨーレイトに関しては車両の自然な挙動を重視してタイヤの線形領域ではできるだけ操舵力制御を行い、すなわちタイヤ横力への分配を増やすこととし、タイヤの非線形領域では自然な挙動よりも目標値への拘束を重視して制駆動力制御を行い、すなわちタイヤ前後力への分配を増やすこととする。
そこで、図6に示すように、タイヤ発生力の分配を行う際にタイヤ横力とタイヤ前後力との配分を係数化し、その合計がある値を超えないようにすれば、くしくもそれはタイヤ摩擦円の制約を模擬したことになり、タイヤ前後力とタイヤ横力とに対してそれぞれ過大な要求がなされることが回避される。制駆動力配分係数bをsとすると、操舵側配分係数cは1−sと表すことができ、これによってどちらか一方が過大な要求を行ってもタイヤの合計力が過大になることを防止できる。
次にステップ4において、規範ヨーレイトγT0(t)と実際のヨーレイトγ(t)とのヨーレイト差Δγを算出し(Δγ=γT0(t)−γ(t))、ステップ5において、別のマップを参照してヨーレイト差Δγから制動係数dおよび駆動係数eを求める。これは、同じタイヤ前後力であっても規範ヨーレイトγT0(t)と実際のヨーレイトγ(t)との符号が一致しないような場合(カウンターステアのような場合)には制動力を重視し、規範ヨーレイトと実際のヨーレイトとの符号が一致し且つその差が小さいような場合には駆動力を重視するという制御指針を実施するためのものである。重視する動力に対してどの程度出力し、重視しない動力に対してどの程度出力するのかを決定するためには指針が必要であり、どちらもが勝手に出力を行ってしまうと容易に物理限界であるタイヤの摩擦円を超えた力を発生させてしまうことになりかねない。しかし、タイヤの摩擦円をその都度計算しながらタイヤ発生力の分配を行うと、計算が非常に煩雑になって車両挙動制御の負荷が大きくなる。
同じ変位量の制駆動力制御を行う場合であっても駆動制御を目的に駆動制御装置24を使うか制動制御を目的に制動制御装置23を使うかを選択しなければならないが、図7に示すように、例えば、カウンターステア時や目標ヨーレイトγT(t)と実際のヨーレイトγ(t)とが大きく異なるような場合には制動力で行うという指針を決めることができる。すなわち、車両挙動から制動係数dがwとなる場合、駆動係数eは1−wで表すことができる。
次に、ステップ6において、各車輪に求められるタイヤ発生力を算出する。各車輪のタイヤ前後力およびタイヤ横力は以下のように表される。
Fx1=K1・F・s・(1−w)
Fx2=K2・F・s・(−1)×w
Fx3=K3・F・s・(−1)×w
Fx4=K4・F・s・(1−w)
Fy1=K1・F・(1−s)
Fy2=K2・F・(1−s)
Fy3=K3・F・(−1)×(1−s)
Fy4=K4・F・(−1)×(1−s)
更にステップ7において、ステップ6で求めたタイヤ発生力に基づいて、後に詳細に説明する、実際に制御するタイヤ発生力分配処理を行い、一連の処理を終了する。
次に、図4を参照して、タイヤ発生力分配処理について説明する。この処理は、旋回時において、旋回内側前輪および旋回外側後輪について、タイヤ前後力の制御割合を0に設定することにより、決定されたタイヤ前後力とタイヤ横力との配分比を、もっともヨーモーメントに対して寄与するであろう旋回外側前輪および旋回内側後輪による制御を中心としたり、タイヤ発生力制御を行う車輪を旋回外側前輪および旋回内側後輪のみに限定したりすることによって、タイヤ発生力制御によるエネルギの損失を抑え、効率的に車両挙動制御をすることを可能とする。
まず、ステップ11において、規範ヨーレイトγT0(t)と実際のヨーレイトγ(t)とのヨーレイト差Δγが0より大きいか否かを判定する。これはヨーレイト差Δから自動車1が右旋回をしているか左旋回をしているかを判定するものである。ヨーレイト差Δγが0以下である場合、iを2に、kを1に設定し(ステップ12)、ヨーレイト差Δγが0よりも大きい場合、iを1に、kを2に設定する(ステップ13)。そして制動係数dの値wが0であるか否か判定し(ステップ14)、次いで制動係数dの値wが1であるか否か判定する(ステップ15)。
制動係数dの値wが0である場合、ステップ16において、4輪のうち対角に位置する2輪について、タイヤ前後力およびタイヤ横力を以下のように設定する。
Fxi=F・s・(1−w)
Fyi=F/(1−s)
Fx(i+2)=F・0
Fy(i+2)=−F
一方、制動係数dの値wが1である場合、ステップ18において、上記2輪について、タイヤ前後力およびタイヤ横力を以下のように設定する。
Fxi=F・0
Fyi=F
Fx(i+2)=F・s・W
Fy(i+2)=−F・(1−s)
また、制動係数dの値wが0でも1でもない場合、ステップ17において、上記2輪について、タイヤ前後力およびタイヤ横力を以下のように設定する。
Fxi=F・s・(1−w)
Fyi=F/(1−s)
Fx(i+2)=F・s・W
Fy(i+2)=−F・(1−s)
次に、ステップ19において、ヨーレイト差Δγが所定地γaよりも大きいか否かを判定する。所定地γaよりも大きい場合、ステップ20において、4輪のうち対角に位置する残りの2輪について、タイヤ前後力およびタイヤ横力を以下のように設定する。
Fxk=F・s(1−w)
Fyk=F・(1−s)
Fx(k+2)=F・s・w
Fy(k+2)=−F・(1−s)
一方、ヨーレイト差Δγが所定地γa以下である場合、ステップ21において、上記残りの2輪について、タイヤ前後力およびタイヤ横力を以下のように設定して一連の処理を終了する。
Fxk=0
Fyk=F
Fx(k+2)=0
Fy(k+2)=−F
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態の車両は、4輪すべての運動量を制御できる各種運動制御装置を備えているが、前後輪のいずれかのみに運転制御装置を備えた車両に適用してもよい。また、上記実施形態では、目標運動量、規範運動量として目標ヨーレイト、規範ヨーレイトを用いているが、前後加速度および横加速度等を運動量として利用してもよい。更に、これら変更の他、上記以外の数式でタイヤ発生力分配を行う等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
車両挙動制御装置を適用した自動車の概略構成図 車両挙動制御装置の概略構成を示すブロック図 車両制御手順を示すフローチャート タイヤ発生力分配処理手順を示すフローチャート タイヤ発生力示した自動車モデルの概略図 指標と車輪のタイヤ発生力の分配関係を示すグラフ ヨーレイト差と制駆動力の分配関係を示すグラフ
符号の説明
1 自動車
2 車体
3 車輪
4 タイヤ
5 ステアリングホイール
6 アクセルペダル
7 ブレーキペダル
10 車両挙動制御装置
21 前輪舵角制御装
22 後輪舵角制御装置
23 制動制御装置
24 駆動制御装置
25 ECU
27 目標ヨーレイト算出部
28 規範ヨーレイト算出部
29 被制御車輪選択部
30 制御割合設定部
γT 目標ヨーレイト
γT0 規範ヨーレイト
γ 実際のヨーレイト

Claims (3)

  1. 車輪のタイヤ横力およびタイヤ前後力を個別に可変制御することによって車両の挙動を制御する車両挙動制御装置であって、
    前記タイヤ横力とタイヤ前後力との制御割合を設定する制御割合設定手段と、
    運転者による運転操作量から目標運動量を算出する目標運動量算出手段と、
    前記車輪の実舵角から規範運動量を算出する規範運動量算出手段と
    を備え、
    前記制御割合設定手段は、前記目標運動量算出手段の算出結果と前記規範運動量算出手段の算出結果との差が小さいほど、前記タイヤ前後力の制御割合を小さくすることを特徴とする車両挙動制御装置。
  2. 前記制御割合設定手段は、旋回時に旋回内側前輪および旋回外側後輪について、前記タイヤ前後力の制御割合を0に設定することを特徴とする、請求項1に記載の車両挙動制御装置。
  3. 前記タイヤ横力およびタイヤ前後力を制御する車輪を選択する被制御車輪選択手段を更に備え、
    前記車輪選択手段は、旋回時に旋回外側前輪および旋回内側後輪のみを選択することを特徴とする、請求項1に記載の車両挙動制御装置。
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