JP2009126992A - 顔料分散液、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高分子分散剤、顔料、銅化合物および水から主としてなる顔料分散液において、上記高分子分散剤が、少なくとも疎水性ユニットと親水性ユニットとからなり、該疎水性ユニットが少なくとも1種の疎水性モノマーからなるブロック部を有し、該親水性ユニットが少なくとも一般式(1)のアクリルアミド構造の繰り返し単位構造を有する共重合体であり、かつ上記銅化合物中の銅(A)と上記高分子分散剤(B)とのモル比がA:B=1:10〜1:600の範囲にあることを特徴とする顔料分散液。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、高分子分散剤、顔料、銅化合物および水から主としてなる顔料分散液において、上記高分子分散剤が、少なくとも疎水性ユニットと親水性ユニットとからなり、該疎水性ユニットが少なくとも1種の疎水性モノマーからなるブロック部を有し、該親水性ユニットが少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミド構造の繰り返し単位構造を有する共重合体であり、かつ上記銅化合物中の銅(A)と上記高分子分散剤(B)とのモル比がA:B=1:10〜1:600の範囲にあることを特徴とする顔料分散液を提供する。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を、Xは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、nは1から10である。)
(式中、R2は水素原子またはメチル基を、Yは−R3、−OR3または−COOR3を表す。ここでR3は炭素数1から18のアルキル基を表す。)
;親水性ユニットが、アニオン性の親水基を有するセグメントを有していること;親水性ユニットが、前記一般式(1)の繰り返し単位構造からなるブロック部とアニオン性の親水基を有するセグメントのブロック部とを有していること;高分子分散剤が、前記一般式(2)の繰り返し単位構造からなるブロック部、前記一般式(1)の繰り返し単位構造からなるブロック部およびアニオン性の親水基を有するセグメントのブロック部の順番で少なくとも構成されていること;銅化合物が、酸化銅、塩化銅、臭化銅およびよう化銅の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明者らは、高分子分散剤、顔料、銅化合物および水から主としてなる顔料分散液において、上記高分子分散剤として、少なくとも疎水性ユニットと親水性ユニットとからなり、該疎水性ユニットが少なくとも1種の疎水性モノマーからなるブロック部を有し、該親水性ユニットが少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミド構造の繰り返し単位構造を有する共重合体を使用し、かつ上記銅化合物中の銅(A)と上記高分子分散剤(B)とのモル比がA:B=1:10〜1:600の範囲とすることで、高い堅牢性を有し品位に優れた画像をどのような場合でも安定して記録することが可能なインクとすることができる顔料分散液が提供されることを見出した。
(式中、R1、Xおよびnは前記定義の通りである。)
また、顔料分散液に添加剤として銅化合物を使用すると、高分子分散剤の親水性ユニットを構成するアクリルアミド構造部が銅と安定に配位する親和力を有すことから、銅化合物が作用する橋かけ効果によって、高分子分散剤同士の相互作用が向上し、カプセル化顔料粒子のカプセル形状が安定化される。このため、インク加温時などのカプセル形状が不安定になりやすい場合においても、カプセル化顔料粒子全体が均一な形状で維持されるため、カプセル化顔料粒子表面の電荷状態の乱れが殆ど発生せずに、カプセル化顔料粒子表面の電荷状態が均一に維持され、静電的な因子によるカプセル化顔料粒子同士の凝集や会合が大きく低減されるようになるからと考えられる。
(高分子分散剤)
本発明に使用する高分子分散剤は、少なくとも疎水性ユニットと親水性ユニットとからなるものであり、疎水性ユニットが少なくとも1種の疎水性モノマーからなるブロック部を有し、親水性ユニットが少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミド構造の繰り返し単位構造を有する共重合体である。
上記一般式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を、Xは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を、好ましくは水素原子またはメチル基を表し、nは1から10、好ましくは1から6である。
上記モノマー構造の繰り返し単位数としては、10から200、好ましくは20から150、より好ましくは20から100であると、カプセル化顔料粒子の分散安定性と被記録材上でのインクの定着性がより向上するため望ましい。
上記一般式(2)において、R2は水素原子またはメチル基であるのが好ましく、Yは−R3、−OR3または−COOR3であるのが好ましい。ここでR3は炭素数1から18のアルキル基であるのが好ましい。このようなモノマーとしては、例えば、1−メチル−4−ビニルベンゼン、1−エチル−4−(プロペン−2−イル)ベンゼン、1−ブチル−4−(プロペン−2−イル)ベンゼン、1−ドデシル−4−(プロペン−2−イル)ベンゼン、4−メトキシ−ビニルベンゼン、4−ブトキシ−ビニルベンゼン、メチル−4−ビニルベンゾエート、ブチル−4−ビニルベンゾエート、ドデシル−4−ビニルベンゾエート、ヘキサデシル−4−ビニルベンゾエート、オクタデシル−4−ビニルベンゾエートなどが挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
本発明の顔料分散液中における顔料の含有量は、顔料分散液全質量に対して、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1.0〜20質量%であり、インク中での含有量は、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。インク中での顔料の量が0.1質量%未満では十分な画像濃度が得にくい場合があり、顔料の量が15質量%を超えると、ノズルにおける目詰りなどによる吐出安定性の低下が起こる場合がある。また、顔料と上記高分子分散剤との含有比率は、固形分質量比で好ましくは10:1〜1:3、より好ましくは5:1〜1:2であると、インクの定着性や印字画像の堅牢性とインクの吐出安定性や保存安定性の面から望ましい。なお、これらの顔料は、単独で使用する以外に、2種以上組み合わせて使用することもできる。
本発明の顔料分散液に使用する銅化合物としては、銅元素を含有する化合物であり、好ましくは、酸化銅、塩化銅、臭化銅およびよう化銅の群から選ばれる少なくとも1種、より好ましくは酸化銅であると、カプセル化顔料粒子の安定性がより向上し望ましい。
これらの銅化合物の顔料分散液中での含有量としては、銅化合物中の銅のモル数(A)と高分子分散剤のモル数(B)の比で、A:B=1:10〜1:600の範囲、好ましくはA:B=1:20〜1:400の範囲、より好ましくはA:B=1:50〜1:300の範囲であると、顔料分散液の保存安定性がより向上するため望ましい。銅化合物の含有量が上記範囲より少ないと顔料分散液の保存安定性の向上効果が少なくなる場合や、上記範囲よりも多いとノズルの目詰まりが発生しやすくなる。なお、使用する顔料自体に銅元素を含有する場合は、顔料分散液中の銅含有量の測定値から顔料自体の銅含有量を差し引くことで、銅化合物中の銅含有量を算出し、銅化合物中の銅のモル数(A)と高分子分散剤のモル数(B)の比を算出した。
また、本発明の顔料分散液の分散媒体である水は、特に限定されず、水道水、脱イオン水(イオン交換水)、純水などであり、脱イオン水が好ましい。水の使用量は、顔料濃度が前記範囲になる割合である。以上が本発明の顔料分散液を主として構成する材料であるが、これらに加えて水溶性有機溶剤を使用するのが好ましい。本発明の顔料分散液に使用する水溶性有機溶剤としては、水溶性の有機溶剤であればいずれも使用することができ、2種以上の水溶性有機溶剤の混合溶媒としても使用できる。
有機溶剤は、乾燥によるインクの固化を防止し、吐出を安定化する働きをするもので、好ましい水溶性有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、チオジグリコール、1,4−シクロヘキサンジオールなどのジオール類;1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオールなどのトリオール類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトールなどのヒンダードアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;グリセリン、ジメチルスルホキシド、グリセリンモノアリルエーテル、ポリエチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコールなどである。
本発明の顔料分散液は、従来公知の顔料分散技術により、水中に前記高分子分散剤を用いて顔料および銅化合物を分散・溶解させることで得られる。好ましい製造方法としては、前記高分子分散剤を好ましくはメチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどの有機溶剤に溶解して溶液(濃度1〜30質量%)とし、該溶液と前記顔料とを前記の固形分比率で十分に混練して顔料を分散させるとともに、顔料粒子を高分子分散剤で被覆し、その後溶剤を留去する。得られた混合物をフレーク、シート、粉体などの形状とし、これと銅化合物とを適当量のアルカリ物質を含む適当量の水に加えて攪拌することによって本発明の顔料分散液が得られる。
図1は、ヘッドにインク供給チューブ104を介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ100の一例を示す図である。101は供給用インクを収納したインク袋であり、その先端には塩素化ブチルゴム製の栓102が設けられている。この栓102に針103を挿入することにより、インク袋101中のインクを記録ヘッド(303から306)に供給できる。また、インクカートリッジ内に廃インクを受容するインク吸収体を設けてもよい。本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記のごとき記録ヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、それらが一体になったものも好適に用いられる。
次に、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい一例としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を図5に示す。
また、高分子分散剤の同定には、核磁気共鳴吸収測定装置(H1−NMR、日本電子社製ECA400、溶媒;テトラヒドロフラン−d8を使用)およびGPC(東ソー(株)製HLC8220、カラム;TSK−GEL4000HXL、TSK−GEL3000HXL、TSK−GEL2000HXLを使用し、カラムオーブン温度40.0℃)を用いて行った。また、顔料分散液に含まれる銅の含有量はICP発光分光分析装置(セイコーインスツル(株)製SPS1700HV、溶媒;超純水)を用いて測定した。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部とペンタメチルジエチレントリアミン0.5部を仕込み、次いで疎水性ユニットの疎水性モノマーとして1−メチル−4−ビニルベンゼン36ミリモルと開始剤としてのクロロエチルベンゼン1ミリモルを添加し、攪拌しながら加熱した。系内温度が80℃に達したところで塩化第一銅0.2部を加え重合を開始し、疎水性ユニットの疎水性モノマーからなるブロック部(A成分)を合成した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、A成分の重合が完了した後、次いで前記一般式(1)のアクリルアミド構造を形成する親水性モノマーとしてのN−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)アクリルアミド(B成分)36ミリモルを添加し重合を続行した。同様にGPCで分子量をモニタリングし、B成分の重合が完了した後、アニオン性の親水基を有するセグメントを形成し得るモノマー種としてメタクリル酸を、n−ブチルアルコールでエステル化したブチルメタクリレート20ミリモル(C成分)を添加して重合を行った。重合を停止させた後、C成分のエステル部を水酸化ナトリウム/メタノール溶液で加水分解させカルボン酸型とし、さらに精製してABCトリブロック共重合体(高分子分散剤A)を得た。化合物の同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mn[数平均分子量]=1.1×104、Mw/Mn[重量平均分子量/数平均分子量]=1.2)。なお、得られた高分子分散剤の酸価を測定したところ80mgKOH/gであり、この時点の分析では銅元素は検出されなかった。
高分子分散剤Aにおけると同様の方法で、疎水性ユニットと親水性ユニットのモノマー種と添加量を変更することで、表1に記載の高分子分散剤B〜Hを作製した。なお、高分子分散剤EとFにおいては、BモノマーとCモノマーを混合して添加することで、高分子分散剤G、HについてはCモノマーを添加せずに合成を行うことでそれぞれ作製した。この時点の分析では銅元素は検出されなかった。
(顔料分散液1の作製)
上記高分子分散剤Aのメチルエチルケトン溶液と市販の顔料としてカーボンブラック(三菱化学製 MA100)を2軸スクリューを有する混練機に仕込み、均一になるまで混練した後、内温を80℃に維持しながら減圧して溶媒を留去した。この混練物を2本ロールを用いてシート化し、所定量のイオン交換水と中和剤として水酸化ナトリウムを高分子分散剤のアニオン性基の1当量に相当する量を加えて、さらに酸化銅を添加して攪拌し、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液1を得た。得られた顔料分散液中の銅と高分子分散剤のモル比を測定したところ、銅:高分子分散剤=1:153であった。
(顔料分散液2の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Bに、顔料をC.I.ピグメントブルー15:3に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液2を得た。得られた顔料分散液中の銅と高分子分散剤のモル比を測定したところ、銅:高分子分散剤=1:289であった(C.I.ピグメントブルー15:3はそれ自体に銅が含まれるため、銅の重量含有率を算出し減算した)。
(顔料分散液3の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Cに、顔料をC.I.ピグメントイエロー128に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液3を得た。得られた顔料分散液中の銅と高分子分散剤のモル比を測定したところ、銅:高分子分散剤=1:55であった。
(顔料分散液4の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Dに、顔料をC.I.ピグメントレッド122に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液4を得た。得られた顔料分散液中の銅と高分子分散剤のモル比を測定したところ、銅:高分子分散剤=1:391であった。
(顔料分散液5の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Eに、顔料をC.I.ピグメントイエロー74に、酸化銅を塩化銅に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度1%、高分子分散剤濃度2%の顔料分散液5を得た。得られた顔料分散液中の銅と高分子分散剤のモル比を測定したところ、銅:高分子分散剤=1:23であった。
(顔料分散液6の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Fに、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19に、酸化銅を臭化銅に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度30%、高分子分散剤濃度3%の顔料分散液6を得た。得られた顔料分散液中の銅と高分子分散剤のモル比を測定したところ、銅:高分子分散剤=1:583であった。
(顔料分散液7の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Gに、顔料をC.I.ピグメントブルー16に、酸化銅を塩化銅とよう化銅の混合物(モル比1:1)に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度0.5%、高分子分散剤濃度1.5%の顔料分散液7を得た。得られた顔料分散液中の銅と高分子分散剤のモル比を測定したところ、銅:高分子分散剤=1:11であった(C.I.ピグメントブルー16はそれ自体に銅が含まれるため、銅の重量含有率を算出し減算した)。
(顔料分散液8の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Hに、顔料をC.I.ピグメントブルー16に、酸化銅を塩化銅とよう化銅の混合物(モル比1:1)に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度0.5%、高分子分散剤濃度1.5%の顔料分散液8を得た。得られた顔料分散液中の銅と高分子分散剤のモル比を測定したところ、銅:高分子分散剤=1:11であった(C.I.ピグメントブルー16はそれ自体に銅が含まれるため、銅の重量含有率を算出し減算した)。
(顔料分散液9の作製)
実施例1で使用したカーボンブラックを使用し、酸化銅は添加せず、高分子分散剤としてスチレン−2−ヒドロキシプロピルアクリレート−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10,000、酸価160mgKOH/g、スチレンのセグメント数/2−ヒドロキシプロピルアクリレートのセグメント数=11)を使用した以外は実施例1と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液9を得た。この時点の分析では銅元素は検出されなかった。
(顔料分散液10の作製)
実施例1で使用したカーボンブラックを使用し、酸化銅は添加せず、高分子分散剤としてオクタデシルメタクリレート−N,N−ジメチルアクリルアミドブロック共重合体(数平均分子量17,000、オクタデシルメタクリレートのセグメント数/N,N−ジメチルアクリルアミドのセグメント数=0.07)を使用した以外は実施例1と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液10を得た。この時点の分析では銅元素は検出されなかった。
(顔料分散液11の作製)
実施例1で使用したカーボンブラックを使用し、酸化銅は添加せず、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は実施例1と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液11を得た。この時点の分析では銅元素は検出されなかった。
(顔料分散液12の作製)
実施例1において、使用した酸化銅の添加量を増やした以外は実施例1と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液12を得た。得られた顔料分散液中の銅と高分子分散剤のモル比を測定したところ、銅:高分子分散剤=1:0.5であった。
(顔料分散液13の作製)
実施例8において、銅化合物を添加しなかった以外は実施例8と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液13を得た。この時点の分析では銅元素は検出されなかった。
実施例1〜5と比較例1〜5の顔料分散液を使用し、以下の成分を混合し、充分攪拌して、それぞれインクを作製した。
・顔料分散液 30.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 50.0部
・顔料分散液 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 20.0部
・イオン交換水 40.0部
・顔料分散液 40.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・1,2−ブタンジオール 5.0部
・ポリエチレングリコール600 5.0部
・2−ピロリドン 5.0部
・イオン交換水 35.0部
各顔料分散液を密閉状態で80℃2週間保存した後、試験前後の粒子径を測定し、下式で粒子径増加率(%)を求め分散安定性の尺度とした。粒子径の測定には動的光散乱法(商品名:レーザー粒径解析システムFPAR−1000;大塚電子(株)製)を用いた。評価基準は下記の通りとした。
◎:粒子径増加率(%)が5%未満である。
○:粒子径増加率(%)が5%以上10%未満である。
△:粒子径増加率(%)が10%以上30%未満である。
×:粒子径増加率(%)が30%以上である。
各インクを70℃で2週間保管した後、15℃で湿度が10%の環境下において、100%ベタ画像を印字し3分間休止した後、再度100%ベタ画像を印字した画像を下記の評価基準で評価した。
◎:白スジが全く無く、正常に印字されている。
○:印字の最初の部分に僅かに白スジがみられる。
△:画像全体に白スジがみられる。
×:画像がほとんど印字されていない。
ハガキサイズのグラデーションパターンを1000枚連続印字し、1000枚目の画像のヨレ、不吐の吐出特性を下記の基準で評価した。
◎:ヨレ、不吐が無く、正常に印字されている。
○:不吐は発生していないが、一部にヨレが見られる。
△:不吐が一部発生し、画像全体にヨレが見られる。
×:不吐が多く発生し、画像全体にヨレが見られる。
70℃で2週間保管した各インクで画像を印字し、その画像を下記の評価基準で評価した。
◎:画像の滲みがなく、彩度が高い。
○:画像の滲みはないが、若干彩度が低い。
△:画像の滲みが若干みられる。
×:画像の滲みが多く、彩度も低い。
70℃で2週間保管した各インクで100%ベタ画像を印字し、印字1分後に印字部を2×104N/m2の荷重を掛けてシルボン紙で擦り、その画像を下記の評価基準で評価した。
◎:画像の擦れがなく、シルボン紙への付着がない。
○:画像の擦れがないが、シルボン紙への付着が見られる。
△:画像の擦れが若干みられる。
×:画像の擦れが多い。
101:インク袋
102:ゴム栓
103:針
104:チューブ
201:ベースプレート
202:インクノズル(吐出口)
203:隔壁
204:ノズルヒータ
205:共通液室
206:基板
207:天板
300:記録装置
301:ロール供給ユニット
302:被記録材(ロール紙)
303:記録ヘッド(ブラック)
304:記録ヘッド(シアン)
305:記録ヘッド(マゼンタ)
306:記録ヘッド(イエロー)
307:インクカートリッジ(ブラック)
308:インクカートリッジ(シアン)
309:インクカートリッジ(マゼンタ)
310:インクカートリッジ(イエロー)
311:キャップ機構
312:搬送モータ
313:搬送ベルト
400:キャップ
401:サブタンク
402:加圧ポンプ
403:吸引ポンプ
404a:供給弁
404b:回復弁
404c:大気開放弁
404d:リサイクル弁
405:フィルター
406:フェース(ノズル)面
80:インク流路
81:オリフィスプレート
82:振動板
83:圧電素子
84:基板
85:吐出口
Claims (11)
- 親水性ユニットが、アニオン性の親水基を有するセグメントを有している請求項1または2に記載の顔料分散液。
- 親水性ユニットが、前記一般式(1)の繰り返し単位構造からなるブロック部とアニオン性の親水基を有するセグメントのブロック部とを有している請求項3に記載の顔料分散液。
- 高分子分散剤が、前記一般式(2)の繰り返し単位構造からなるブロック部、前記一般式(1)の繰り返し単位構造からなるブロック部およびアニオン性の親水基を有するセグメントのブロック部の順番で少なくとも構成されている請求項4に記載の顔料分散液。
- 銅化合物が、酸化銅、塩化銅、臭化銅およびよう化銅の群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の顔料分散液。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の顔料分散液と、少なくとも水溶性有機溶剤とを混合させてなることを特徴とするインクジェット記録用インク。
- インクにエネルギーを与えて、該インクを飛翔させて被記録材に付与して行うインクジェット記録方法において、上記インクが、請求項7に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
- エネルギーが、熱エネルギーである請求項8に記載のインクジェット記録方法。
- インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、該インクが請求項7に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジと、該インクを吐出させるためのヘッド部とを備えたインクジェット記録装置において、該インクが請求項7に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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JP2007305672A JP5227573B2 (ja) | 2007-11-27 | 2007-11-27 | 顔料分散液、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置 |
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