JP2009125688A - 触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マンガン粒子の凝集を抑制するとともに当該マンガン粒子のアルミナとの物理的接触を遮蔽して反応を避けることにより、長期に亘り触媒機能を果たし得る触媒を得ることができる触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】多孔質アルミナから成るアルミナ担体と、該アルミナ担体の細孔内に保持されたマンガン又はその酸化物とを有した触媒の製造方法において、マンガン又はその酸化物と反応しない物質から成るバリア材をアルミナ担体の細孔内に注入して保持させるバリア材注入工程と、該バリア材注入工程後、マンガン又はその酸化物をアルミナ担体の細孔内に注入し、当該マンガン又はその酸化物を前記バリア材上に保持させるマンガン注入工程とを有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質アルミナから成るアルミナ担体と、該アルミナ担体の細孔内に保持されたマンガン酸化物とを有した触媒の製造方法に関するものである。
酸化マンガン(Mn)は、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化するのに有用な触媒の一つであり、通常は、多孔質アルミナ(Al)などの耐熱性酸化物を担体とし、その表面に当該酸化マンガンを分散して使用される。その分散方法としては、Mnイオンを含んだ水溶液中にアルミナ粉末を浸漬させ、加熱撹拌しつつ水分を蒸発、乾涸させる含浸法が常用されている。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
しかしながら、上記従来の触媒の製造方法においては、含浸法にて酸化マンガンをアルミナに分散して保持させているので、アルミナ担体の表面に分散していた酸化マンガン粒子が移動、凝集して大きな粒子となり、HCやCOの酸化活性が低下してしまうという問題があった。また、アルミナ担体の細孔内に拡散した酸化マンガンが当該アルミナと反応してアルミネート(MnAl)を生成してしまい、これによってもHCやCOの酸化活性が低下してしまう虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、マンガン酸化物粒子の凝集を抑制するとともに当該マンガン酸化物粒子のアルミナとの物理的接触を遮蔽して反応を避けることにより、長期に亘り触媒機能を果たし得る触媒を得ることができる触媒の製造方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、多孔質アルミナから成るアルミナ担体と、該アルミナ担体の細孔内に保持されたマンガン酸化物とを有した触媒の製造方法において、前記マンガン酸化物と反応しない物質から成るバリア材を前記アルミナ担体の細孔内に注入して保持させるバリア材注入工程と、該バリア材注入工程後、前記マンガン酸化物の前駆体を前記アルミナ担体の細孔内に注入し、当該マンガン酸化物を前記バリア材上に保持させるマンガン注入工程とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の触媒の製造方法において、前記バリア材は、酸化ジルコニウムから成ることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の触媒の製造方法において、前記バリア材注入工程又はマンガン注入工程におけるバリア材又はマンガン酸化物前駆体の注入は、前記アルミナ担体の細孔にて生じる毛細管現象を利用したポアフィリング法で行われることを特徴とする。
本発明によれば、マンガン酸化物粒子の凝集を抑制するとともに当該マンガン酸化物粒子のアルミナとの物理的接触を遮蔽して反応を避けることにより、長期に亘り触媒機能を果たし得る触媒を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る触媒は、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化して浄化するためのものであり、多孔質アルミナ(Al)から成るアルミナ担体と、該アルミナ担体の細孔内に保持されたマンガン酸化物(本実施形態においては酸化マンガン(Mn))とを有している。かかる触媒の製造方法として、本実施形態においては、バリア材注入工程と、マンガン注入工程とを経ることを特徴としている。
バリア材注入工程は、マンガン酸化物(本実施形態においては酸化マンガン(Mn))と反応しない物質から成るバリア材(本実施形態においては酸化ジルコニウム(ZrO))をアルミナ担体の細孔内に注入して保持させる工程である。かかるバリア材注入工程におけるバリア材の注入は、アルミナ担体の細孔にて生じる毛細管現象を利用したポアフィリング法で行われる。
このポアフィリング法は、アルミナ担体の細孔容積を測定し、その容積と同量のジルコニウムイオンを含む水溶液(例えばオキシ硝酸ジルコニウム(硝酸ジルコニル;ZrO(NO)水溶液)を添加して混合・撹拌することにより当該アルミナ担体の細孔内に充填させ、その後、乾燥して水分を除去し、更に高温で加熱することにより細孔内に酸化ジルコニウムを析出させる方法である。これにより、アルミナ担体の細孔内は、その壁面が酸化ジルコニウム(バリア材)で被覆(コーティング)されることとなる。
マンガン注入工程は、上記の如きバリア材注入工程後、マンガン又はその酸化物をアルミナ担体の細孔内に注入し、当該マンガン酸化物をバリア材(酸化ジルコニウム)上に保持させる工程である。かかるマンガン注入工程におけるマンガン酸化物(本実施形態においては酸化マンガン(Mn))の前駆体の注入は、バリア材注入工程時と同様、アルミナ担体の細孔にて生じる毛細管現象を利用したポアフィリング法で行われる。
このポアフィリング法は、再びアルミナ担体の細孔容積を測定し、その容積と同量のマンガンイオンを含む水溶液(例えば酢酸マンガン(Mn(CHCO・4HO)水溶液)を添加して混合・撹拌することにより当該アルミナ担体の酸化ジルコニウムで被覆された細孔内に充填させ、その後、乾燥して水分を除去し、更に高温で加熱することにより細孔内の酸化ジルコニウム被覆体表面にMn粒子を析出・分散させる方法である。これにより、アルミナ担体の酸化ジルコニウム(バリア材)で被覆された細孔内には、酸化マンガンが保持されることとなる。
上記の如く、バリア材注入工程及びマンガン注入工程を経て得られた触媒は、長期に亘り触媒機能を果たし得るものとなる。即ち、ポアフィリング法により酸化マンガンをアルミナ担体の細孔内に注入するので、当該酸化マンガン粒子がアルミナ担体表面に分散されて凝集してしまうのを抑制することができるとともに、図1で示すように、当該酸化マンガン粒子とアルミナ担体との間にバリア材(酸化ジルコニウム)が介在し、両者の物理的接触を遮蔽して反応を避けることができるのである。
而して、バリア材としての酸化ジルコニウムを細孔内で被覆させることにより、その上に分散された酸化マンガン粒子の凝集を回避し、生地であるアルミナとの反応を避けることにより長期に亘って活性が保たれ、触媒としての機能が維持される。尚、酸化ジルコニウムに代え、マンガン酸化物と反応しない物質から成る他のバリア材を用いるようにしてもよい。
次に、本発明に係る触媒における具体的特性等を示すための実験結果について、実施例を用いて説明する。
(実験1)ポアフィリング法により調製したアルミナ担持酸化マンガンの特性
細孔容積1.00(ml/g)である600℃で焼成した後の市販アルミナを4.0(g)用意した(これを「600℃焼成後の市販アルミナ(A)」と呼ぶ)。この場合、4.0(g)の細孔容積は4.0(ml)となる。そこで、アルミナ担持酸化マンガン触媒の酸化マンガン担持量が20重量%(以下、20%と略記)となるように秤量した酢酸マンガン3.0(g)を4.0(ml)の蒸留水に溶解し、ここに4.0(g)のアルミナ粉末を加えて撹拌・混合した。
酢酸マンガン水溶液をアルミナの細孔内に充填させた後、100℃で12時間乾燥し電気炉により空気中、600℃で4時間焼成しアルミナ担持酸化マンガンを調製した(これを「20%Mn/Al(600)」と呼ぶ)。一方、この触媒の耐熱性を評価するため1000℃に昇温した電気炉中で4時間焼成を続け、アルミナ担持酸化マンガンを調製した(これを「20%Mn/Al(1000−4)」と呼ぶ)。以下の表1にそれぞれの物性値を測定した結果について示す。尚、1000℃で4時間焼成した市販アルミナ(これを「1000℃焼成後の市販アルミナ(A)」と呼ぶ)についても併せて物性値を測定した。
Figure 2009125688
ここで、細孔容積に注目すると、600℃焼成の市販アルミナでは1.00(ml/g)であるのに対し、ポアフィリングした20%Mn/Al(600)では0.52(ml/g)と大幅に減少していることが分かる。これにより、アルミナ細孔内にMn粒子が析出していることが確認できた。また、1000℃焼成の市販アルミナでは、0.85(ml/g)であった細孔容積が20%Mn/Al(1000−4)では0.31(ml/g)に減少しており、この減少はアルミナ細孔内にMn粒子が生成したことに起因することが分かる。
(実験2)ポアフィリング法により調製したアルミナ担持酸化マンガンの触媒性能
直径10(mm)のステンレス製反応管に1.0(ml)の触媒を充填し窒素で稀釈したNO(1000ppm)、C(500ppm)、CO(8000ppm)、O(7000ppm)の混合ガスを毎分1リットルで導入した。これは、空間速度60000h−1に相当する。触媒を室温から600℃まで5℃/分の速度で昇温し、昇温に伴うガスの組成変化を追跡・測定して触媒性能を評価した。その結果を図2に示す。
(実験3)含浸法により調製したアルミナ担持酸化マンガンの触媒性能
7.4(g)の硝酸マンガンを100(ml)の蒸留水に溶解し、この水溶液に市販のアルミナ粉末8(g)を添加した。これを水浴上で撹拌・加熱し、水分を除去した後、乾燥器中で12時間、100℃で乾燥した。その後、電気炉を用いて空気雰囲気中、600℃で4時間焼成しアルミナ担持酸化マンガンを調製した(これを「20%Mn/Al(600−I)」と呼ぶ)。
而して、実験2と同様な方法を用いて触媒性能を評価した。触媒性能の耐熱性は、1000℃に昇温した電気炉で空気中4時間或いは60時間焼成を続けた(それぞれを「20%Mn/Al(1000−4−I)、20%Mn/Al(1000−60−I)」と呼ぶ)。その結果を図3に示す。
(実験4)ポアフィリング法触媒と含浸法触媒との性能比較
上述の実験2、3で示した触媒性能のうち、特にCの浄化性能に注目し、浄化率が50%となる反応温度(T50(HC))を用いた触媒性能、及びその温度におけるCOの浄化率を比較した。その結果を以下の表2に示す。
Figure 2009125688
上記表2より、いずれの焼成条件においても、ポアフィリング法触媒の方がHC浄化性能に優れていることが分かる。特に、1000℃焼成では焼成時間を4時間から60時間に増加すると含浸法触媒では451℃から464℃へと13℃も低下したのに対し、ポアフィリング法触媒では434℃から442℃へと8℃の低下に留まっている。これはポアフィリング法触媒のMn粒子の成長が抑制されたためである。
(実験5)Mn担持量の最適化
(1)5%Mn/Alおよび10%Mn/Alの調製と性能評価
酢酸マンガンを酸化マンガンの前駆体として用い、実験1と同様にポアフィリング法によって5%Mn/Alおよび10%Mn/Al触媒を調製した。即ち、5%Mn/Al触媒は0.75(g)の酢酸マンガンを4.0(ml)の蒸留水に溶解し、これに4.0(g)のアルミナ粉末を添加し撹拌・混合してアルミナ細孔内に酢酸マンガンを充填したものであり、10%Mn/Al触媒は1.5(g)の酢酸マンガンを4.0(ml)の蒸留水に溶解し、これに4.0(g)のアルミナ粉末を添加し撹拌・混合してアルミナ細孔内に酢酸マンガンを充填したものである。
そして、酢酸マンガン水溶液を充填したアルミナを100℃で12時間乾燥した後、電気炉により空気中600℃で4時間焼成した。また、この触媒の耐熱性を評価するため1000℃に昇温した電気炉で4時間焼成を続けた。そして、これらの触媒性能を、実験2と同様な方法で行い評価した。その結果を、実験1に係る酢酸マンガンを用いて調製した20%Mn/Al触媒と共に、以下の表3に示す。尚、表中20%Mn/Al(1000−60)は、実験1において、1000℃に昇温した電気炉中で60時間焼成を続けたものを示している。
(2)30%Mn/Alおよび40%Mn/Alの調製と性能評価
水に対する酢酸マンガンの溶解度は大きくないため、30%Mn/Alおよび40%Mn/Alの調製においては、水に対する溶解度が大きい硝酸マンガンを酸化マンガンの前駆体として用い、実験1と同様にポアフィリング法により調製した。即ち、30%Mn/Al触媒は11.0(g)の硝酸マンガンを7.0(ml)の蒸留水に溶解し、これに7.0(g)のアルミナ粉末を添加し撹拌・混合してアルミナ細孔内に硝酸マンガンを充填したものであり、40%Mn/Al触媒は14.7(g)の硝酸マンガンを6.0(ml)の蒸留水に溶解し、これに6.0(g)のアルミナ粉末を添加し撹拌・混合してアルミナ細孔内に硝酸マンガンを充填したものである。
そして、硝酸マンガン水溶液を充填したアルミナを100℃で12時間乾燥した後、電気炉により空気中600℃で4時間焼成した。また、この触媒の耐熱性を評価するため、1000℃に昇温した電気炉で4時間或いは60時間焼成を続けた。そして、これらの触媒性能を、実験2と同様な方法で行い評価した。その結果を、実験1および実験5(1)に係る酢酸マンガンを用いて調製したアルミナ担持酸化マンガン触媒の評価結果と共に、以下の表3に示す。
Figure 2009125688
上記結果から、600℃焼成触媒では、Mn担持量の多い40%Mn/Al触媒が高性能を示していることが分かるが、1000℃焼成では焼成時間の増大とともに40%Mn/AlのHC浄化活性は低減した。これは、Mn担持量が多すぎると、1000℃における焼成時間の増大とともにMn粒子が細孔内から外表面に移動し、そこで大きな粒子に成長するためと推測できる。
一方、5%Mn/Alおよび10%Mn/Al触媒においては、触媒活性種であるMnの担持量が十分ではなく、600℃での4時間焼成や1000℃での4時間焼成の段階でも炭化水素の燃焼活性は低い(即ち、T50(HC)の温度が高くなっている)。以上のことから、Mnの最適担持量は、40%以下、好ましくは20〜30%であると思われる。しかしながら、Mnの担持量が20〜30%であっても、HC浄化性能は少しずつ低下する。これは、Mn粒子が担体のアルミナと反応し、Mnイオンが担体内に拡散してしまい、アルミネートを生成するためであると考えられる。これを防止するためには、アルミナの細孔内の内壁をMnイオンが拡散、移動しにくい物質、例えば本発明の如く酸化ジルコニウムで被覆するのが好ましいことが分かる。
(実験6)ジルコニア被覆アルミナ担体の利用
この実験では細孔容積が0.78(ml/g)の市販アルミナ(B)を用いた。2.17(g)の硝酸ジルコニル(ZrO(NO・xHO)を11.4(ml)の蒸留水に溶解し、ここに19.0(g)のアルミナ(B)を添加して混合・撹拌した。硝酸ジルコニル水溶液をアルミナ細孔内に充填した後、100℃で12時間乾燥、電気炉により空気中600℃で4時間焼成してジルコニア被覆アルミナ(B)担体(これを「5%ZrO/Al(600)」と呼ぶ。)とした。
また、この担体の細孔内に、実験1と同様の方法で酢酸マンガン水溶液を充填し、100℃で12時間乾燥後、空気中600℃で4時間焼成して、別個の触媒(これを「20%Mn/5%ZrO/Al(600)」と呼ぶ。)を得た。その物性値を以下の表4に示す。
Figure 2009125688
この表4から分かるように、細孔内壁を酸化ジルコニウムで被覆することにより、アルミナ(B)の細孔容積は0.78(ml/g)から0.67(ml/g)に減少した。また、さらにMn2O3をポアフィリングすることによりアルミナの細孔容積は0.67(ml/g)から0.49(ml/g)へと減少した。これらの物性値より最初のZrO2ポアフィリングでアルミナ(B)の細孔内壁をZrOが被覆したこと、次のMnポアフィリングで細孔内にMn粒子が析出したことを確認できた。
(実験7)酸化ジルコニウム被覆アルミナ担持Mn触媒の性能評価
アルミナ(B)の細孔内壁をZrOで被覆した効果を観測するため、これに20%のMnをポアフィリングし(これを「20%Mn/5%ZrO/Al(600)」と呼ぶ。)、1000℃で4時間、60時間及び120時間焼成し(それぞれ、20%Mn/5%ZrO/Al(1000−4)、20%Mn/5%ZrO/Al(1000−60)、20%Mn/5%ZrO/Al(1000−120)と呼ぶ。)、実験2と同様な方法で触媒性能を観測した。尚、実験4と同様にHC浄化率が50%となる反応温度を用いて評価してある。その結果を以下の表5に示す。
Figure 2009125688
上記結果と、表2に示したZrO被覆のない20%Mn/Al触媒の性能とを比較すると、ZrO被覆がない場合、600℃焼成ではT50(HC)が410℃であったが、1000℃4時間焼成後は434℃、60時間後は442℃へと活性が低下した。しかし、ZrO被覆触媒では、600℃焼成では406℃、1000℃焼成4時間では429℃、60時間後も417℃と大きく低下することはなく、更に120時間という長時間の焼成後も435℃を維持した。このことから、ZrO被覆によりMnイオンのアルミナ担体中への移動・拡散が十分に抑制されたことが分かる。
(実験8)酸化ジルコニウム被覆量の最適化
実験6と同様な方法により、硝酸ジルコニル水溶液を用いて、3%ZrO、7%ZrOおよび10%ZrOでアルミナ(B)の細孔内壁を被覆した触媒を調製した(これらを「20%Mn/3%ZrO/Al」、「20%Mn/7%ZrO/Al」および「20%Mn/10%ZrO/Al」と呼ぶ)。これらの触媒について1000℃で4時間あるいは60時間焼成を続け、実験2と同様な方法で触媒性能を評価した。その結果を以下の表6に示す。
Figure 2009125688
上記表6の結果を表5の結果と比較すると、5%ZrOと10%ZrOでは600℃焼成においても1000℃焼成においても、5%ZrOの方が優れた耐熱性を示している。即ち、10%ZrO被覆においてはアルミナ細孔内のZrO量が多すぎるため、その次にポアフィリングしたMn粒子の一部が細孔内から溢れ出し、細孔外表面に析出したものと考えられる。細孔外表面に析出したMn粒子は1000℃焼成により成長し、HC燃焼性能劣化の要因になったと思われる。このことから、ZrO被覆量は5%程度が適量と考えられたので、ZrO被覆量を3%および7%とした触媒を調製し、1000℃で4時間あるいは60時間焼成してその耐熱性について検討した。表6の結果では1000℃で4時間焼成した3%ZrOのT50(HC)は438℃、5%ZrOのT50(HC)は429℃、そして7%ZrOのT50(HC)は434℃であり、T50(HC)の値に大きな差異は見られない。しかし、1000℃で60時間焼成した3%ZrOのT50(HC)は463℃、7%ZrOのT50(HC)は475℃であったのに対し、5%ZrOのT50(HC)は417℃と著しく優れた耐熱性を示した。以上のことから酸化ジルコニウム被覆量の最適値は5%程度であると判断できる。
マンガン酸化物と反応しない物質から成るバリア材をアルミナ担体の細孔内に注入して保持させるバリア材注入工程と、該バリア材注入工程後、マンガン酸化物前駆体をアルミナ担体の細孔内に注入し、当該マンガン酸化物をバリア材上に保持させるマンガン注入工程とを有する触媒の製造方法であれば、種々工程を付加したもの等にも適用することができる。
本発明の実施形態に係る触媒の製造方法により得られた触媒の細孔内を示す拡大模式図 実験2における触媒性能の評価結果を示すグラフ 実験3における触媒性能の評価結果を示すグラフ

Claims (3)

  1. 多孔質アルミナから成るアルミナ担体と、該アルミナ担体の細孔内に保持されたマンガン酸化物とを有した触媒の製造方法において、
    前記マンガン酸化物と反応しない物質から成るバリア材を前記アルミナ担体の細孔内に注入して保持させるバリア材注入工程と、
    該バリア材注入工程後、前記マンガン酸化物の前駆体を前記アルミナ担体の細孔内に注入し、当該マンガン酸化物を前記バリア材上に保持させるマンガン注入工程と、
    を有することを特徴とする触媒の製造方法。
  2. 前記バリア材は、酸化ジルコニウムから成ることを特徴とする請求項1記載の触媒の製造方法。
  3. 前記バリア材注入工程又はマンガン注入工程におけるバリア材又はマンガン酸化物前駆体の注入は、前記アルミナ担体の細孔にて生じる毛細管現象を利用したポアフィリング法で行われることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の触媒の製造方法。
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