JP2011224428A - 多孔質触媒および多孔質触媒の製造方法 - Google Patents

多孔質触媒および多孔質触媒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温条件下に置かれた後にも、酸化セリウムによる高い酸素貯蔵/放出能を示し、また白金による優れた低温触媒活性を示す多孔質触媒を提供する。
【解決手段】酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体によって表面が均一に修飾されたアルミナファイバーより形成されたアルミナ多孔質骨格と、アルミナ多孔質骨格に埋め込まれ分散された白金(Pt)と、を有する多孔質触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる一酸化炭素や炭化水素等の有毒な成分を浄化する化学反応において触媒として機能する多孔質触媒および多孔質触媒の製造方法に関する。
自動車のエンジンなど、内燃機関からの排ガスには、炭化水素類(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)などの有毒な成分が含まれている。これら有毒な成分は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの触媒による酸化反応または還元反応を経て、水(HO)、二酸化炭素(CO)、窒素(N)などの無害な成分になる(例えば、特許文献1)。特に、白金は、酸化反応に対する触媒活性が高いため、自動車の排ガス浄化装置に装備される多孔質触媒に含有されている。
白金は、所定以上の温度に達すると、HC、COの酸化反応に対する触媒活性を発揮する。そのため、白金を含有する多孔質触媒では、内燃機関における燃焼による熱を利用することや、触媒を加熱する手段を用いることによって、白金が触媒活性を発揮し得る温度まで高められている。
特開2009−165904号公報
白金を含有する多孔質触媒において、白金触媒には、排ガス浄化に関する規制をクリアするために、エンジン始動直後の低温にあるときであっても、HC、COなどを酸化してHO、COなどにすることが求められている。しかしながら、白金の触媒活性によって低温時にHC、COを十分に酸化するためには、多量の白金を多孔質触媒に含有させて、低温での低い触媒活性を補っていることが実情である。また、白金は、用途が以前よりも一層多岐に渡り、その希少性が顕著になっている。そのため、白金は、多孔質触媒において、できる限り少量にて使用され、かつ、低温での触媒活性ができる限り高くなる状態で存在していることが求められている。
また、多孔質触媒を自動車の排ガス浄化装置に装備した場合、自動車の高速走行時には、炭化水素類や一酸化炭素、燃料などの燃焼で発生する熱により、多孔質触媒の温度は800℃以上に上昇する。白金の粒子は、高温にさらされた場合、白金の粒子同士が焼結し、触媒活性を低下させてしまう。したがって、白金は、多孔質触媒において、微粒子として存在し続け、かつ高温条件下に置かれたときにも白金の微粒子同士が焼結しにくい状態で存在していることが求められている。
上記の問題に鑑みて、本発明の課題は、高温条件下に置かれた後にも高い触媒活性を示す多孔質触媒および多孔質触媒の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために完成するに至ったものであり、以下に示す多孔質触媒および多孔質触媒の製造方法である。
[1] 酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体によって表面が均一に修飾されたアルミナファイバーより形成されたアルミナ多孔質骨格と、
前記アルミナ多孔質骨格に埋め込まれ分散された白金(Pt)と、を有する多孔質触媒。
[2] セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)と、白金(Pt)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥、焼成して得られる前記[1]に記載の多孔質触媒。
[3] 前記白金(Pt)の含有量が0.1〜5質量%である前記[1]または[2]に記載の多孔質触媒。
[4] 前記酸化セリウム(CeO)の含有量が3〜45質量%である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の多孔質触媒。
[5] 前記酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が、2〜35質量%である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の多孔質触媒。
[6] セリウムイオンとジルコニウムイオンのモル比が1:08〜1:4である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の多孔質触媒。
[7] 空気中で800℃、5時間の処理後に50m/g以上のBET表面積を有する前記[1]〜[6]のいずれかに記載の多孔質触媒。
[8] セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)と、白金(Pt)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥、焼成する多孔質触媒の製造方法。
本発明の多孔質触媒は、優れた高温耐久性能を有し、さらに、高温条件下に置かれた後にも低温触媒活性が高い。本発明の多孔質触媒の製造方法は、優れた高温耐久性能を有し、さらに、高温条件下に置かれた後にも低温触媒活性が高い多孔質触媒を製造することが可能であり、かつ、製造におけるコストおよび環境への影響が少ない。
空気中で800℃、5時間の耐久試験後における、実施例1〜11、比較例1,2の多孔質触媒のXRDスペクトルを表わす図である。 実施例1〜11、比較例1,2の多孔質触媒についての、COからCOへの酸化反応のCO転換率(%)に関する酸化反応曲線を表わす図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.多孔質触媒:
本発明の多孔質触媒は、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体(以下、「CeO−ZrO固溶体」)によって表面が均一に修飾されたアルミナファイバーより形成されたアルミナ多孔質骨格と、アルミナ多孔質骨格に埋め込まれ分散された白金(Pt)と、を有することを特徴とする。
アルミナ多孔質骨格は、微小なアルミナファイバー同士が結合して形成されており、結合したアルミナファイバーの間に生じた隙間が細孔を形成する。本発明の多孔質触媒は、アルミナ多孔質骨格を母体とするため、耐熱性に優れている。ここでいうアルミナファイバーとは、繊維状の微細なアルミナ粒子のことをいう。
特に、本発明の多孔質触媒では、CeO−ZrO固溶体によって表面が均一に修飾されたアルミナファイバー同士が結合することによって、アルミナ多孔質骨格が形成されている。したがって、CeO−ZrO固溶体は、アルミナファイバーの表面の中でも他のアルミナファイバーとの結合箇所のアルミナファイバーの表面部分を修飾している場合にはアルミナファイバーの間に挟まれた状態になっており、それ以外の表面部分を修飾している場合には細孔や多孔質触媒の外表面に露出した状態になっている。アルミナ多孔質骨格に事後的にCeO−ZrO固溶体を担持させた場合にはアルミナ多孔質骨格の外表面や細孔壁面に付着しているのに対し、本発明の多孔質触媒は、上記のように、CeO−ZrO固溶体がアルミナ多孔質骨格においてより高度にかつ均一に分散した状態になっている。このような高度なCeO−ZrO固溶体の分散状態によって、高温下でも白金の焼結を抑制する効果、すなわち白金の安定化効果が高められている。
ここでいう「白金がアルミナ多孔質骨格に埋め込まれている」とは、白金の微粒子がアルミナファイバーの間に挟まれて存在している状態を意味する。
本発明の多孔質触媒は、白金の微粒子がアルミナ多孔質骨格中に埋め込まれていることにより、高温条件下に置かれた場合に、白金の微粒子同士が焼結することが低減されるため、白金の触媒活性を高いまま維持することができる。また、本発明の多孔質触媒は、白金の微粒子がアルミナ多孔質骨格中に埋め込まれていることにより、白金の微粒子がアルミナ多孔質骨格中を移動することも抑制されるため、白金の微粒子同士が接触する頻度も低減され、白金の微粒子同士の焼結が極めて生じにくい。
CeO−ZrO固溶体では、Ceイオン近傍にCeイオンより半径の小さいZrイオンが存在するため、格子拡張が容易となり、また、Ceの原子価変化(Ce3+からCe4+またはCe4+からCe3+)が起きやすくなる。そのため、CeO−ZrO固溶体の粒子は、CeOのみを成分する粒子と比べて高温に対する耐久性が向上している。本発明の多孔質触媒に含まれているCeO−ZrO固溶体に関しても、CeO−ZrO固溶体の粒子の高温に対する耐久性によって、CeO−ZrO固溶体の粒子同士の焼結が抑制されている。
また、CeO−ZrO固溶体の成分として存在するCeOは、上記のようにCeO−ZrO固溶体の粒子同士の焼結が抑制されるため、高温条件下に置かれた後にも高い酸素貯蔵/放出能を示す。本発明の多孔質触媒では、CeOの殆どがCeO−ZrO固溶体の成分として存在し、上記のようにCeO−ZrO固溶体の粒子同士の焼結が抑制されるため、高温条件下に置かれた後にも、CeOの酸素貯蔵/放出能が高い。
また、本発明の多孔質触媒では、CeO−ZrO固溶体の作用によって、白金の微粒子同士の焼結が極めて低減されるため、白金の触媒活性が高いまま維持されている。さらに、本発明の多孔質触媒では、CeO−ZrO固溶体のCeO成分が、白金に対して化学的相互作用を及ぼし、多孔質触媒が高温条件下に置かれた場合には、白金の微粒子同士の焼結を抑制する働きを有する。
本発明の多孔質触媒は、セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)と、白金(Pt)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥、焼成して得られるものであることが好ましい。
なお、アルミナゾルとは、液体に分散したアルミナまたはアルミナ水和物[Al(OH)、AlO(OH)、およびAl(OH)]のコロイドのことをいう。
この実施形態の多孔質触媒は、高温条件下に置かれた場合にも、BET表面積が大きいまま維持されて(約50m/g以上)、被処理物質(例えば排ガス)との接触面積が大きいまま保たれる。よって、この実施形態では、高温条件下に置かれた場合でも、白金による被処理物質の成分に対する触媒反応の効率が高いまま維持される。
また、この実施形態の多孔質触媒は、ゾル−ゲル法に続いて凍結乾燥する工程を経て得られるものである。CeイオンおよびZrイオンは、アルミナ湿潤ゲル中で均一に分散している。CeイオンおよびZrイオンは、続く凍結乾燥によって凍結乾燥ゲル(クリオゲル)を作製した時に水分が昇華により除かれるため、凍結乾燥前とほぼ同じ位置にとどまり、凍結乾燥ゲル中にそのまま均一に分散している。凍結乾燥ゲルが焼成を経て多孔質触媒を作製した場合には、アルミナゾル中のアルミナまたはアルミナ水和物の表面上でのCeイオンおよびZrイオンの均一な分散状態はそのままCeOおよびZrOに引き継がれるため、CeOとZrOとが均一に固溶しているCeO−ZrO固溶体が一層形成されやすくなる。したがって、この実施形態の多孔質触媒では、CeO成分およびZrO成分はCeO−ZrOの均一な固溶体を形成しているため、高温での耐久性が高い。
また、この実施形態では、CeOは、CeO−ZrOの均一な固溶体の成分として存在するため、アルミナと固相反応することもほとんどない。
さらに、この実施形態では、CeO−ZrO固溶体においてCeO成分とZrO成分とが均一に固溶した状態になっているため、高温条件下に置かれた場合での、酸化セリウム(CeO)の酸素貯蔵/放出能が一層高められている。
白金は、凍結乾燥ゲル中に均一に分散し、その後に焼成を経ても均一な分散状態が維持されるため、得られる多孔質触媒でもアルミナ多孔質骨格中に埋め込まれた状態で存在しやすい。この実施形態の多孔質触媒では、白金成分のより多くが微粒子を構成し、より多くの白金の微粒子がアルミナ多孔質骨格中に埋め込まれて分散している状態なっている。したがって、この実施形態では、高温条件下に置かれた場合に、白金の微粒子同士が焼結することが一層抑制され、肥大化した白金の粒子の生成が一層低減される。そのため、この形態の多孔質触媒は、高温条件下におかれた場合の、白金の触媒活性の耐久性が一層高められている。
本発明の多孔質触媒は、白金の含有量が、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3.0質量であることがより好ましい。本発明の多孔質触媒では、白金が微粒子の状態でアルミナ多孔質骨格に埋め込まれて分散している。白金の含有量が0.1質量%以上であることにより、白金の触媒作用を確実に発揮させることができる。白金の含有量が5質量%以下であることにより、アルミナ多孔質骨格に分散している白金の微粒子同士が互いに作用して焼結することを確実に抑制できる。なお、白金の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法を用いて測定する。
本発明の多孔質触媒は、酸化セリウム(CeO)の含有量が、3〜45質量%であるであることが好ましく、10〜43質量%であることがより好ましい。酸化セリウム(CeO)の含有量が3質量%以上であることにより、酸化セリウムの酸素貯蔵/放出能を確実に発揮させることができ、また、白金の高温安定化作用を確実に発揮させることができる。酸化セリウム(CeO)の含有量が45質量%以下であることにより、骨格となるアルミナ(Al)の含有量を必要十分に確保し、アルミナの耐熱性を有意に発揮させることができる。なお、酸化セリウム(CeO)の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析を用いて測定する。
本発明の多孔質触媒は、酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が、2〜35質量%であることが好ましく、7〜28質量%であることがより好ましい。酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が2質量%以上であることにより、酸化ジルコニウムは、酸化セリウムと固溶体を形成して、酸化セリウムを安定化させるだけの必要十分の量が確保される。酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が35質量%以下であることにより、骨格となるアルミナ(Al)の含有量を必要十分に確保し、アルミナの耐熱性を有意に発揮させることができる。酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量は、ICP発光分析を用いて測定する。
本発明の多孔質触媒は、セリウムイオンとジルコニウムイオンのモル比が1:0.8〜1:4であることが好ましく、1:0.9〜1:3であることがより好ましい。ジルコニウムイオンの濃度がセリウムイオンの濃度に対しての0.8倍以上であることにより、多孔質触媒では、酸化セリウム(CeO)が、酸化ジルコニウム(ZrO)によって確実に安定化され、高温条件下にあるときに、CeO−ZrO固溶体粒子同士の焼結が抑制される。その結果、この実施形態の多孔質触媒では、高温条件下に置かれた後にも高い酸素貯蔵/放出能を示す。ジルコニウムイオンの濃度がセリウムイオンの濃度に対しての4倍以下であることにより、CeO−ZrO固溶体中の酸化セリウム(CeO)の含有量が必要十分に確保されため、この実施形態の多孔質触媒では、高温条件下に置かれた後にも、酸化セリウム(CeO)の酸素貯蔵/放出能が高い。
また、この実施形態の多孔質触媒では、上記のようにCeO−ZrO固溶体が安定化しているため、白金の微粒子同士の高温条件下での焼結も一層抑えられていると共に、また十分な量で存在する酸化セリウム(CeO)の作用によって白金の微粒子同士の高温条件下での焼結も一層確実に抑えられるため、白金の低温での触媒活性が高いまま維持される。
本発明の多孔質触媒は、空気中で800℃、5時間の処理後に50m/g以上のBET表面積を有することが好ましい。これにより、高温条件下で長時間使用した場合であっても、白金の触媒活性が実用的なレベルにて維持できる。
以上に述べた、本発明の多孔質触媒は、次に述べる多孔質触媒の製造方法によって得ることがきる。
2.多孔質触媒の製造方法:
本発明の多孔質触媒の製造方法は、セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)と、白金(Pt)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥、焼成することを特徴とする。
ここでいうアルミナゾルとは、液体に分散したアルミナまたはアルミナ水和物[Al(OH)、AlO(OH)、およびAl(OH)]のコロイドことをいう。本発明の多孔質触媒の製造方法では、アルミナゾルは、ベーマイトゾルを用いることが好ましい。ベーマイトゾルを用いた場合、焼成時に生じる結晶構造の変化によって、白金がアルミナ多孔質骨格に埋め込まれている状態になりやすい。また、上記の結晶構造の変化によって、CeO−ZrO固溶体がアルミナファイバーの間に挟まれた状態となりやすいため、CeO−ZrO固溶体が高度に分散した状態を確実に実現できる。
本発明の多孔質触媒の製造方法の過程では、原料となるアルミナゾルにセリウムとジルコニウムを共に含有させることにより、セリウムイオンとジルコニウムイオンが、アルミナまたはアルミナ水和物の表面上に均一に分散した状態で吸着する。続いて、アルミナゾルをゲル化し次いで凍結乾燥、焼成すると、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の結晶構造が略同じであるために、CeO−ZrO固溶体が形成される。その結果、本発明の多孔質触媒の製造方法では、多孔質触媒の説明において述べたように、CeO−ZrO固溶体がアルミナ多孔質骨格により高度にかつ均一に分散している多孔質触媒がつくられる。
アルミナゾルをゲル化して凍結乾燥、焼成することにより、アルミナゾル段階での白金(Pt)の均一な分散状態が、そのまま最終産物の多孔質触媒体まで維持される。
また、凍結乾燥によってアルミナゲル中の水分が固体状態から液体状態を介さずに昇華によって除かれる。そのため、アルミナゾル、これゲル化したアルミナゲル、アルミナゲルを凍結乾燥したアルミナクリオゲル(凍結乾燥ゲル)、さらにこれを焼成した多孔質触媒、を順次作製していく中で、Pt、Ce、Zr、Alなどの各成分がこれらゾルおよびゲル中から外部に漏れ出すこともない。したがって、最終的に得られる多孔質触媒における白金、酸化セリウム(CeO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、アルミナ(Al)の含有量が所望の値となるように作製しやすい。
本発明の多孔質触媒の製造方法では、セリウムイオンの混合に先立って、ジルコニウムイオンが溶解している水溶液を調製し、この水溶液とアルミナゾルとを混合させることが重要である。セリウムイオンに先立って、ジルコニウムイオンをアルミナゾルに混合させておくことにより、エチレングリコールなどの保護剤を使用することなく、セリウムイオンをアルミナまたはアルミナ水和物の表面に良好に吸着分散できる。アルミナゾル中にジルコニウムを含有させることによって、ジルコニウムイオンがアルミナまたはアルミナ水和物の表面に作用し、アルミナまたはアルミナ水和物の表面電位は、セリウムイオンがアルミナまたはアルミナ水和物の表面上に吸着するのに適した状態になる。これに対して、特開2008−29932号公報に記載されるような従来技術では、セリウムイオンをベーマイトファイバー結晶表面に良好に分散・吸着させるため、さらに、得られた多孔質触媒において白金が高い触媒活性や高温耐久性を発揮するために、エチレングリコールなどの有機化合物でセリウムイオンを保護することを要する。本発明の多孔質触媒の製造方法は、有機化合物を使用することなくセリウムイオンをアルミナまたはアルミナ水和物(ベーマイトを含む)の結晶表面に良好に分散・吸着させ、白金が高い触媒活性や高温耐久性を発揮する多孔質触媒を得ることが可能なため、製造に携わる作業者の健康や環境への悪影響が従来技術よりも少ない。
本発明者等は、セリウムイオンおよびジルコニウムイオンを含有するアルミナゾル(ベーマイトゾルを含む)を用いて多孔質触媒を製造する場合、エチレングリコールなどの有機保護剤を使用して得られた多孔質触媒では、白金の触媒活性が低下し、高温耐久性も低下することを見出している。
ジルコニウムイオンがアルミナまたはアルミナ水和物の表面上へ予め吸着している状態を形成する方法としては、例えば、超純水にオキシ硝酸ジルコニウムを溶解させて、オキシ硝酸ジルコニウムの水溶液を調製し、この水溶液とアルミニウムアルコキシドとを混合する工程を経て、アルミナゾル(具体的にいうとベーマイトゾル)を調製する方法がある。
セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)とを含むアルミナゾルに、白金を含有させる方法としては、塩化白金酸(HPtCl)水溶液にシュウ酸水溶液とアンモニア水溶液を加えて沈殿物が生じないように温度を調整した水溶液を、セリウムイオンおよびジルコニウムイオンを含んだアルミナゾルに加える方法を挙げることができる。塩化白金酸(HPtCl)水溶液にシュウ酸水溶液とアンモニア水溶液を加えて調製された水溶液は、シュウ酸アンモニウムでキレート保護された白金イオンが沈殿物として生成されるため、例えば86℃にて加熱攪拌して沈殿物を溶かし均一な水溶液として使用する。なお、セリウムイオンを含んだアルミナゾルの調製には、硝酸セリウムの水溶液をアルミナゾルに添加する方法がある。
アルミナゾルの調製方法としては、アルミニウムアルコキシド[例えば、アルミニウムトリブトキシド{Al(sec−BuO)}]と水とを混合し、次いでアルミニウムアルコキシドを加水分解することによって、繊維状のベーマイト粒子(以下、「ベーマイトファイバー」)が懸濁しているベーマイトゾルを調製する方法を挙げることができる。以下、この調製方法の一例について工程を追って説明する。
アルミニウムトリブトキシド[Al(sec−BuO)]と水とを混合する際、アルミニウムトリブトキシドに対する水のモル比[HO/{Al(sec−BuO)}]は、通常19〜117であり、好ましくは39〜97である。これはアルミニウムアルコキシドを加水分解して得られるベーマイトの濃度が、最終的に得られる多孔質触媒のみかけのかさ密度に反映されるためである。前記モル比が19以上であることにより、最終的に得られる多孔質触媒の気孔率を十分に確保することができる。前記モル比が117以下であることにより、見かけの傘密度が異常に小さくなることによるアルミナ骨格不足を免れ、最終的に得られる多孔質触媒では、高温条件下に置かれた後にも十分な表面積を確保できるなど、高温での熱安定性を得られる。
次いで、上記の方法で調製したベーマイトゾルに、硝酸を加えてベーマイトゾルを解こうし、半透明なベーマイトゾルを調製する。ベーマイトゾルに加える硝酸の量は、硝酸を加える前のゾル中のアルミニウムイオンに対する硝酸のモル比(HNO/Al3+)で、通常0.1〜0.56であり、好ましくは0.13〜0.31である。前記モル比(HNO/Al3+)が0.1以上であることにより、ベーマイトゾルは、硝酸による解こうが十分に進行して半透明になる。なお、ベーマイトゾルが半透明になったときには、ベーマイトファイバーがベーマイトゾル中で十分に分散された状態にある。前記モル比(HNO/Al3+)が0.56以下であることにより、続くゲル化の工程で、ベーマイトゾルが、高粘性のゾルのままであり続けることなく確実にゲル化する。すなわちこの範囲では、ベーマイトファイバーがベーマイトゾル中で一旦は十分に分散されて半透明なゾルとなり、ゲル化後には、ベーマイトファイバー同士が均一に絡まって固体(ゲル)となるため、得られる多孔質触媒に高温での耐熱性がもたらされる。
続いて、ベーマイトゾルに尿素を加えて、ベーマイトゲルを調製する。ベーマイトゾルに加える尿素の量は、尿素を加える前のアルミニウムイオンに対する尿素のモル比(尿素/Al3+)で、通常0.05〜0.25であり、好ましくは0.08〜0.15である。前記モル比が0.05以上であることにより、ベーマイトゾルのゲル化を確実に進行させることがでる。前記モル比が0.25以下であることにより、ベーマイトゾルの急激なゲル化の進行を抑えることができ、均一に混合されたベーマイトゲルを得られる。
本発明の多孔質触媒の製造方法では、ゲル化の凍結はなるべく急速な冷凍凍結が好ましい。急速な冷凍凍結によって、水の結晶成長を抑制し、非結晶構造とすることで、最終的に高温耐熱性の高い多孔質触媒を得ることができる。
また、凍結乾燥の真空度は2〜3Pa以下が好ましい。これにより、乾燥に時間が短くなり、水分の除去が十分に行われる。
凍結乾燥のチラー温度は−80℃以下が好ましい。チラー温度は真空度にも関係しており、チラー温度が−80℃以下であることにより、乾燥時間が短くなり、乾燥が十分に進行するため、凍結乾燥ゲル内部に水分が残存しなくなる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜11)
(1)多孔質触媒の製造
86℃のオイルバス中で、蒸留水40mlに、オキシ硝酸ジルコニウムを焼成後のZrO換算で2〜35質量%の範囲内の所望量となるように加えて溶解した。この水溶液にアルミニウムトリブトキシド[Al(sec−BuO)]0.0286molを加えてアルミニウムトリブトキシドを加水分解し、次いで1M硝酸5ml加えて86℃の1時間オイルバス中でスターラーによって攪拌を続けることにより、濁ったゾルを解こうさせ、半透明なベーマイトゾルを得た。このベーマイトゾルに、硝酸セリウム水溶液を焼成後のCeO換算で3〜45質量%の範囲内の所望量となるように加えて攪拌を続け、セリウムイオンとジルコニウムイオンを含んだベーマイトゾルを調製した。
0.0689Mのシュウ酸水溶液0.6mlに、20質量%のアンモニア水溶液0.1〜0.2mlを加え、次いで塩化白金酸水溶液をPt換算で1質量%となるよう添加して沈殿物を生成させ、次いで86℃にて加熱攪拌して沈殿物を溶かし、薄いレモンイエロー色で均一な白金溶液を調製した。
上記の白金溶液を、上記のセリウムイオンとジルコニウムイオンを含んだベーマイトゾルに加えて攪拌し、次いでゲル化剤として尿素0.2gを加えたのち、スターラーを取り除き86℃のオイルバス中に24〜48時間放置してゲル化させ、得られたゲルを凍結乾燥、焼成し、多孔質触媒を得た。実施例1〜11の、最終的に得られた多孔質触媒のアルミナ(酸化アルミニウム、Al)、酸化セリウム(CeO)、酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量を表1に示す。なお、多孔質触媒におけるアルミナ(酸化アルミニウム、Al)、酸化セリウム(CeO)、酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量は、ICP発光分析により測定した。
Figure 2011224428
(比較例1)
86℃のオイルバス中で、蒸留水40mlに、アルミニウムトリブトキシド[Al(sec−BuO)]0.0286molを加えてアルミニウムトリブトキシドを加水分解し、次いで1M硝酸5ml加えて86℃の1時間オイルバス中でスターラーによって攪拌を続けることにより、濁ったゾルを解こうさせ、半透明なベーマイトゾルを得た。
0.0689Mのシュウ酸水溶液0.6mlに、20質量%のアンモニア水溶液0.1〜0.2mlを加え、次いで塩化白金酸水溶液をPt換算で1質量%となるよう添加して沈殿物を生成させ、次いで86℃にて加熱攪拌して沈殿物を溶かし、薄いレモンイエロー色で均一な白金溶液を調製した。
上記の白金溶液を、上記のベーマイトゾルに加えて攪拌し、次いでゲル化剤として尿素0.2gを加えたのち、スターラーを取り除き86℃のオイルバス中に24〜48時間放置してゲル化させ、得られたゲルを凍結乾燥、焼成し、多孔質触媒を得た。比較例1の、最終的に得られた多孔質触媒のアルミナ(酸化アルミニウム、Al)の含有量を表1に示す。なお、多孔質触媒におけるアルミナの含有量は、ICP発光分析により測定した。
(比較例2)
86℃のオイルバス中で、蒸留水40mlに、アルミニウムトリブトキシド[Al(sec−BuO)]0.0286molを加えてアルミニウムトリブトキシドを加水分解し、次いで1M硝酸5ml加えて86℃の1時間オイルバス中でスターラーによって攪拌を続けることにより、濁ったゾルを解こうさせ、半透明なベーマイトゾルを得た。蒸留水に硝酸セリウムを溶解し、この溶液にエチレングリコールをセリウムイオンの1.5倍モル相当を加えて、この混合水溶液を86℃のオイルバス中で30分間保持した。硝酸セリウムの量は、焼成後に得られる多孔質触媒において、酸化セリウム(CeO)換算で3.9質量%となるよう調整した。上記ベーマイトゾルに、硝酸セリウム水溶液を加えて攪拌を続け、セリウムイオンを含んだベーマイトゾルを調製した。
0.0689Mのシュウ酸水溶液0.6mlに、20質量%のアンモニア水溶液0.1〜0.2mlを加え、次いで塩化白金酸水溶液をPt換算で1質量%となるよう添加して沈殿物を生成させ、次いで86℃にて加熱攪拌して沈殿物を溶かし、薄いレモンイエロー色で均一な白金溶液を調製した。
上記の白金溶液を、上記のセリウムイオンを含んだベーマイトゾルに加えて攪拌し、次いでゲル化剤として尿素0.2gを加えたのち、スターラーを取り除き86℃のオイルバス中に24〜48時間放置してゲル化させ、得られたゲルを凍結乾燥、焼成し、多孔質触媒を得た。比較例2の、最終的に得られた多孔質触媒のアルミナ(酸化アルミニウム、Al)、酸化セリウム(CeO)の含有量を表1に示す。なお、多孔質触媒におけるアルミナ、酸化セリウム(CeO)の含有量は、ICP発光分析により測定した。
(2)BET表面積
BET表面積は日本BEL(株)社製の窒素吸着測定装置(Belsorp Mini)を使用して測定した。サンプル量は0.1〜0.2gとし、測定前にこれを150℃で24時間N気流下にさらして乾燥した。窒素吸着測定装置によって液体窒素温度でNの吸・脱着量を観測し、吸・脱着等温線を求めた。BET比表面積は、吸着等温線の相対圧が0.1〜0.3の範囲で計算した。
表2は、空気中で800℃で5時間にわたって処理(以下、「高温処理」)した後の、実施例1〜11、比較例1、2の多孔質触媒のBET表面積や細孔容積、平均細孔径を示す。
Figure 2011224428
実施例1〜11、比較例1、2の多孔質触媒いずれも、高温処理後において、高いBET表面積(約50〜150m/g)と、高い細孔容積(約0.1〜0.3mm/g)を保持していることが確認された。実施例1〜11の多孔質触媒では、Ce、Zr成分の含有量の増大に伴ってBET表面積および細孔容積が漸減していた。このBET表面積および細孔容積の漸減については、酸化セリウムや酸化ジルコニウムの含有量の増加に伴って、酸化アルミニウムの含有量が相対的に減少したために生じたと考えられる。なぜなら、酸化アルミニウム(Al)は、酸化セリウムや酸化ジルコニウムに比べて耐熱性の高い多孔質性酸化物であり、高温でもより焼結しにくい性質を持っているからである。
(3)X線回折(XRD)
XRDスペクトルは、理学電機製のX線発生装置(RAD−1VC)を用いて測定した。測定電圧は30kV、測定電流は30mA、Cu−Kα線を用いた。波長は1.5418Åで、回折角(2θ)10〜70°の範囲を2°/分の速度で30分かけて測定した。
図1は、高温処理後における、実施例1〜11、比較例1、2の多孔質触媒のXRDスペクトルである。実施例1〜11の多孔質触媒では、アルミナの鋭いピークは観察されず、結晶性の低いγ型アルミナが維持されているものと考えられた。また、実施例1〜11の多孔質触媒それぞれのXRDスペクトルを比較すると、Ce、Zr成分の含有量の増加に伴って、CeO−ZrO固溶体に起因する回折角(2θ)約29度などのピーク(図1中の(*)印)がより増大し、同時に回折角(2θ)約40度などに現れる白金のピーク(図1中の丸印)がより小さくなることが判明した。特に、実施例1〜4の多孔質触媒では、白金のピークが観察されなかった。XRDスペクトルの白金のピークは、800℃で5時間にわたる高温処理によって白金の微粒子同士が焼結し、肥大化した白金粒子が形成された結果、観察されるものである。CeO−ZrO固溶体は、白金と相互作用して白金を化学的に安定化する。その結果、実施例1〜11の多孔質触媒では、耐久試験を経ても白金焼結が抑制された。特に実施例1〜4では、CeO−ZrO固溶体からの作用による白金の安定化効果が顕著であった。
(4)白金の露出率
高温処理後の実施例1〜11、比較例1、2の多孔質触媒0.1gを石英製の反応管(内径:4mm)に充填し、300℃で15分、水素(30mL/min)を流通して還元を行った。その後ヘリウム(30mL/min)を流通して吸着水素を取り除き、そのままの状態で室温まで温度を下げた。次にヘリウム気流下(30mL/min)でCOガス(0.5mL)を5〜6回パルス導入し、触媒に吸着したCOの数を触媒質量あたりの数として算出した。Ptの表面露出率は、1個のPt原子に対してCOが1分子吸着するものと仮定して、含まれる全白金量に対するCO吸着量から、表面に出ている白金の割合として算出した。
表3は、実施例1〜11、比較例1、2の多孔質触媒における、高温処理後のCO吸着量と、CO吸着量から算出した白金の表面露出率を示す。CO吸着はゼロ価の白金上にCOが化学吸着する現象である。表3より、多孔質触媒におけるCe,Zr成分の含有量の増大に伴って、白金の露出率が増大することが判明した。以上より、多孔質触媒におけるCe,Zr成分の含有量の増大に伴って、CeO−ZrO固溶体が白金の微粒子に対して作用する頻度が高まり、白金が化学的により安定化されて高温に対する耐久性が向上し、白金が微粒子として存在しやすくなると判明した。その結果、実施例1〜11の多孔質触媒では、高温処理を経ても、白金焼結が抑制され、白金がより小さな粒子で存在していると考えられる。
Figure 2011224428
(5)CO酸化反応
実施例1〜11、比較例1、2の多孔質触媒それぞれ15mgを高温処理後、多孔質触媒の温度を10℃/分の昇温速度で上げながら、多孔質触媒に混合ガス(CO:O:He=1:1:98)(50mL/min)を通過させて混合ガス中のCOを酸化させ、多孔質触媒を通過した混合ガスをオンラインで四重極質量分析装置に送り込み、四重極質量分析装置にて混合ガス中のCOとCOのシグナルを連続的に観測した。なお、本反応では、混合ガス中のCOが、多孔質触媒を通過する時に酸化を受けて選択的にCOになり、他の副反応による生成物をつくらないことを確認している。
図2は、実施例1〜11、比較例1、2の多孔質触媒についての、COからCOへの酸化反応のCO転換率(%)に関する酸化反応曲線を示す。表4は、実施例1〜11、比較例1、2の多孔質触媒についての、本触媒反応(COからCO2への酸化反応)のCO転化率50%の時の温度を示す。比較例1の多孔質触媒は、CeO成分およびZrO成分を全く含まないものであり、CO転化率50%の時の温度が277℃であった。対して、比較例2は、ZrO成分を含まず、CeO成分のみを含むものであり、低温側に酸化反応曲線がシフトし、CO転換率50%時の温度が258℃であった。実施例11の多孔質触媒は、CeO成分およびZrO成分を含む。この実施例11の多孔質触媒では、比較例2と比べ、酸化反応曲線が低温側にシフトし、CO転換率50%時の温度も234℃と、かなりの改善をみた。また、実施例1〜11の多孔質触媒のそれぞれを比較すると、CeO成分およびZrO成分の含有量の増加に伴って、酸化反応曲線が低温側へとシフトすることが判明した。これらの中でも、実施例2の多孔質触媒は、最も低温側にシフトした酸化反応曲線を示した。実施例2の多孔質触媒におけるCO転換率50%時の温度は、比例例1の多孔質触媒における同温度に比べ、140℃程度低いことが判明した。
Figure 2011224428
本発明は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる一酸化炭素や炭化水素等の成分を浄化する化学反応で触媒として機能する多孔質触媒および多孔質触媒の製造方法として利用できる。

Claims (8)

  1. 酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体によって表面が均一に修飾されたアルミナファイバーより形成されたアルミナ多孔質骨格と、
    前記アルミナ多孔質骨格に埋め込まれ分散された白金(Pt)と、を有する多孔質触媒。
  2. セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)と、白金(Pt)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥、焼成して得られる請求項1に記載の多孔質触媒。
  3. 前記白金(Pt)の含有量が0.1〜5質量%である請求項1または2に記載の多孔質触媒。
  4. 前記酸化セリウム(CeO)の含有量が3〜45質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔質触媒。
  5. 前記酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が、2〜35質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔質触媒。
  6. セリウムイオンとジルコニウムイオンのモル比が1:08〜1:4である請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔質触媒。
  7. 空気中で800℃、5時間の処理後に50m/g以上のBET表面積を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の多孔質触媒。
  8. セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)と、白金(Pt)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥、焼成する多孔質触媒の製造方法。
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