JP5561673B2 - 多孔質触媒担体および多孔質触媒担体の製造方法 - Google Patents

多孔質触媒担体および多孔質触媒担体の製造方法 Download PDF

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本発明は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる一酸化炭素や炭化水素等の成分を浄化する化学反応で触媒として機能する白金等を担持するための、多孔質触媒担体および多孔質触媒担体の製造方法に関する。
自動車のエンジンなど、内燃機関からの排ガスには、炭化水素類(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)などの有毒な成分が含まれている。これら有毒な成分は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの触媒による酸化反応または還元反応を経て、水(HO)、二酸化炭素(CO)、窒素(N)などの無害な成分になる。触媒は、排ガスの浄化において、担体(以下、触媒を担持させるための担体を「触媒担体」という)に担持して用いられている(例えば、特許文献1)。
さらに、触媒担体には、酸化セリウム(CeO)を含有するものがある(例えば、特許文献1)。酸化セリウム(CeO)は、酸素雰囲気下で酸素を貯蔵し、還元雰囲気下では貯蔵した酸素を放出するという、酸素貯蔵/放出能を有する。酸化セリウム(CeO)を含有する触媒担体に白金等の触媒を担持した場合、酸化セリウムの酸素貯蔵/放出能によって、排ガス中の酸素濃度が変動したときにも、触媒による酸化反応または還元反応が安定して行われる。
酸化セリウムを含有する触媒担体は、高温条件下に置かれた場合、酸化セリウムの粒子が凝集して酸化セリウムの粒成長が生じるため、酸化セリウムの酸素貯蔵/放出能が低下する。この問題を解消するために、酸化セリウムに代わり、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体(以下、「CeO−ZrO固溶体」)を含有する触媒担体が開発されている(例えば、特許文献2,3)。
特開2006−263550号公報 特開平8−155302号公報 特開2000−271480号公報
しかしながら、従来のCeO−ZrO固溶体を含有する触媒担体であっても、高温条件下に置かれた場合に、CeO−ZrO固溶体中の酸化セリウム(CeO)による酸素貯蔵/放出の低下を完全には抑制されていない。
上記の問題に鑑みて、本発明の課題は、高温条件下に置かれた場合において、酸化セリウムによる酸素貯蔵/放出能が高く維持されている多孔質触媒担体を提供することである。また、本発明の別の課題は、高温条件下に置かれた場合において、酸化セリウムによる酸素貯蔵/放出能が高く維持されている、多孔質触媒担体の製造方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために完成するに至ったものであり、以下に示す多孔質触媒担体および多孔質触媒担体の製造方法である。
[1] 酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体がアルミナ多孔質骨格表面により高度にかつ均一に分散している多孔質触媒担体であって、セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥したクリオゲルを焼成して得られる多孔質触媒担体。
] 前記酸化セリウム(CeO)の含有量が、7〜45質量%である前記[]に記載の多孔質触媒担体。
] 前記酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が、5〜35質量%である前記[1]又は[2]に記載の多孔質触媒担体。
] セリウムイオンとジルコニウムイオンのモル比が、1:0.8〜1:4である前記[1]〜[]のいずれかに記載の多孔質触媒担体。
] 還元雰囲気での900℃、5時間の処理後において、CeAlO相を生成せず、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体相が維持される前記[1]〜[]のいずれかに記載の多孔質触媒担体。
] セリウム(Ce)とジルコニウム(Zr)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥したクリオゲルを焼成する多孔質触媒担体の製造方法。
本発明の多孔質触媒担体は、高温条件下に置かれた場合において、酸化セリウムの酸素貯蔵/放出能が高く維持される。本発明の多孔質触媒担体の製造方法は、高温条件下に置かれた場合において、酸化セリウムの酸素貯蔵/放出能が高く維持される多孔質触媒担体を製造することが可能であり、かつ、製造においてコストおよび環境への影響が少ない。
高温処理前、酸化雰囲気での高温処理後、および還元雰囲気での高温処理後の、実施例5の多孔質触媒担体のXRDスペクトルを表す図である。 高温処理前、酸化雰囲気での高温処理後、および還元各雰囲気での高温処理後の、比較例1の多孔質触媒担体のXRDスペクトルを表す図である。 実施例5、比較例1の多孔質触媒担体の昇温還元スペクトルを表す図である。 実施例5、比較例1の多孔質触媒担体についての、酸化雰囲気下における耐久試験後でのメタン分圧とメタン転化速度の関係を表す図である。 実施例5、比較例1の多孔質触媒担体についての、酸化雰囲気下における耐久試験後での酸素分圧とメタン転化速度の関係を表す図である。 実施例5、比較例1の多孔質触媒担体についての、還元雰囲気下における耐久試験後でのメタン分圧とメタン転化速度の関係を表す図である。 実施例5、比較例1の多孔質触媒担体についての、還元雰囲気下における耐久試験後での酸素分圧とメタン転化速度の関係を表す図である。 実施例1〜7、比較例1、2の多孔質触媒担体について白金1質量%を担持させてメタン酸化活性を測定した結果を表す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.多孔質触媒担体:
本発明の多孔質触媒担体は、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体(以下、「CeO−ZrO固溶体」)によって表面が均一に修飾されたアルミナファイバーより形成されたアルミナ多孔質骨格を有することを特徴とする。
アルミナ多孔質骨格は、微小なアルミナファイバー同士が結合して形成されており、結合したアルミナファイバーの間に生じた隙間が細孔を形成する。本発明の多孔質触媒担体は、アルミナ多孔質骨格を母体とするため、耐熱性に優れている。ここでいうアルミナファイバーとは、繊維状の微細なアルミナ粒子のことをいう。
特に、本発明の多孔質触媒担体では、CeO−ZrO固溶体によって表面が均一に修飾されたアルミナファイバー同士が結合することによって、アルミナ多孔質骨格が形成されている。したがって、CeO−ZrO固溶体は、アルミナファイバーの表面の中でも他のアルミナファイバーとの結合箇所のアルミナファイバーの表面部分を修飾している場合にはアルミナファイバーの間に挟まれた状態になっており、それ以外の表面部分を修飾している場合には細孔や多孔質触媒担体の外表面に露出した状態になっている。アルミナ多孔質骨格に事後的にCeO−ZrO固溶体を担持させた場合には、アルミナ多孔質骨格の外表面や細孔壁面にのみ付着しているのに対し、本発明の多孔質触媒担体では、上記のように、CeO−ZrO固溶体がアルミナ多孔質骨格においてより高度にかつ均一に分散した状態になっている。本発明の多孔質触媒担体は、このような高度なCeO−ZrO固溶体の分散状態によって、高温条件下に置かれた場合に、CeO−ZrO固溶体の粒子同士が焼結しにくく、酸化セリウム(CeO)が酸素貯蔵/放出能を高く維持され、さらにCeAlO を生成しにくい。
CeO−ZrO固溶体では、Ceイオン近傍にCeイオンより半径の小さいZrイオンが存在するため、格子拡張が容易となり、また、Ceの原子価変化(Ce3+からCe4+またはCe4+からCe3+)が起きやすくなる。そのため、CeO−ZrO固溶体の粒子は、CeOのみを成分する粒子と比べて高温に対する耐久性が向上している。本発明の多孔質触媒担体に含まれているCeO−ZrO固溶体に関しても、CeO−ZrO固溶体の粒子の高温に対する耐久性によって、CeO−ZrO固溶体の粒子同士の焼結が抑制されている。
また、CeO−ZrO固溶体の成分として存在するCeOは、上記のようにCeO−ZrO固溶体の粒子同士の焼結が抑制されるため、高温条件下に置かれた後にも高い酸素貯蔵/放出能を示す。本発明の多孔質触媒担体では、CeOの殆どがCeO−ZrO固溶体の成分として存在し、上記のようにCeO−ZrO固溶体の粒子同士の焼結が抑制されるため、高温条件下に置かれた後にも、CeOの酸素貯蔵/放出能が高い。
また、CeOは、白金に対して化学的相互作用を及ぼし、高温条件下に置かれた場合には、白金の微粒子同士の焼結を抑制する働きを有する。本発明の多孔質触媒担体では、白金を触媒として担持させた場合において、CeO−ZrO固溶体のCeO成分の働きにより、白金の触媒活性が高いまま維持される。
本発明の多孔質触媒担体は、セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥、焼成して得られるものであることが好ましい。
なお、アルミナゾルとは、液体に分散したアルミナまたはアルミナ水和物[Al(OH)およびAlO(OH)、およびAl(OH)]のコロイドのことをいう。
この実施形態の多孔質触媒担体は、ゾル−ゲル法に続いて凍結乾燥する工程を経て得られるものである。CeイオンおよびZrイオンは、アルミナ湿潤ゲル中で均一に分散している。CeイオンおよびZrイオンは、続く凍結乾燥によって凍結乾燥ゲル(クリオゲル)を作製した時にも水分が昇華により除かれるため、凍結乾燥前とほぼ同じ位置にとどまり、凍結乾燥ゲル中にそのまま均一に分散している。凍結乾燥ゲルが焼成を経て多孔質触媒担体を作製した場合には、アルミナゾル中のアルミナまたはアルミナ水和物の表面上でのCeイオンおよびZrイオンの均一な分散状態はそのままCeOおよびZrOに引き継がれ、CeOとZrOとが均一に固溶しているCeO−ZrO固溶体が一層形成されやすくなる。したがって、この実施形態の多孔質触媒担体では、CeO成分およびZrO成分は、CeO−ZrOの均一な固溶体を形成しているため、高温での耐久性が高い。
また、この実施形態では、CeOは、CeO−ZrOの均一な固溶体の成分として存在するため、アルミナと固相反応することもほとんどない。
さらに、この実施形態では、CeO−ZrO固溶体においてCeO成分とZrO成分とが均一に固溶した状態になっているため、高温条件下に置かれた場合での、酸化セリウム(CeO)の酸素貯蔵/放出能が一層高められている。
この実施形態の多孔質触媒担体では、高温条件下に置かれた場合にも、高いBET表面積が大きいまま維持されて、被処理物質(例えば排ガス)との接触面積が大きいまま保たれる。
本発明の多孔質触媒担体は、酸化セリウム(CeO)の含有量が7〜45質量%であることが好ましい。酸化セリウム(CeO)の含有量が7質量%以上であることにより、酸化セリウムの酸素貯蔵/放出能を確実に発揮させることができる。酸化セリウム(CeO)の含有量が45質量%以下であることにより、骨格となるアルミナ(Al)の含有量を必要十分に確保し、アルミナの耐熱性を有意に発揮させることができる。なお、酸化セリウム(CeO)の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法を用いて測定する。
本発明の多孔質触媒担体は、酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が5〜35質量%であることが好ましい。酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が5質量%以上であることにより、酸化セリウムを安定化させることが可能な、酸化ジルコニウムの量を必要十分に確保することが出来る。酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が35質量%以下であることにより、骨格となるアルミナ(Al)の含有量を必要十分に確保し、アルミナの耐熱性を有意に発揮させることができる。酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量は、ICP発光分析法を用いて測定する。
本発明の多孔質触媒担体は、セリウムイオンとジルコニウムイオンのモル比が1:0.8〜1:4であることが好ましい。ジルコニウムイオンの濃度がセリウムイオンの濃度に対しての0.8倍以上であることにより、多孔質触媒担体では、酸化セリウム(CeO)が、酸化ジルコニウム(ZrO)によって確実に安定化され、高温条件下にあるときに、CeO−ZrO固溶体粒子同士の焼結が抑制される。ジルコニウムイオンの濃度がセリウムイオンの濃度に対しての4倍以下であることにより、CeO−ZrO固溶体中の酸化セリウム(CeO)の含有量が必要十分に確保される。これにより、多孔質触媒担体は、高温条件下に置かれた後にも酸素貯蔵/放出能が高い。
本発明の多孔質触媒担体は、900℃、5時間の還元雰囲気での処理後においても、CeAlO相を生成せず、酸化セリウム(CeO)−酸化ジルコニウム(ZrO)固溶体相が維持されるものであることが好ましい。これにより、上記の酸化セリウム(CeO)−酸化ジルコニウム(ZrO)固溶体による作用効果が一層確実に維持される。
2.多孔質触媒担体の製造方法:
本発明の多孔質触媒担体の製造方法は、セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥して凍結乾燥ゲル(クリオゲル)を調製し、その後、凍結乾燥ゲルを焼成することを特徴とする。
ここでいうアルミナゾルとは、液体に分散したアルミナまたはアルミナ水和物[Al(OH)、AlO(OH)、およびAl(OH)]のコロイドのことをいう。本発明の多孔質触媒担体の製造方法では、アルミナゾルは、ベーマイトゾルを用いることが好ましい。ベーマイトゾルを用いた場合、焼成時に生じる結晶構造の変化によって、CeO−ZrO固溶体がアルミナファイバーの間に挟まれた状態となりやすいため、CeO−ZrO固溶体が高度にかつ均一に分散した状態を確実に実現できる。
本発明の多孔質触媒担体の製造方法の過程では、原料となるアルミナゾルにセリウムとジルコニウムを共に含有させることにより、セリウムイオンとジルコニウムイオンが、アルミナまたはアルミナ水和物の表面上に均一に分散した状態で吸着する。続いて、アルミナゾルをゲル化し次いで凍結乾燥、焼成すると、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の結晶構造が略同じであるために、CeO−ZrO固溶体が形成される。その結果、本発明の多孔質触媒担体の製造方法では、多孔質触媒担体の説明において述べたように、CeO−ZrO固溶体がアルミナ多孔質骨格表面により高度にかつ均一に分散している多孔質触媒担体がつくられる。
アルミナゾルをゲル化して凍結乾燥、焼成することにより、アルミナゾル段階でのセリウムイオンおよびジルコニウムイオンの均一な分散状態が、そのまま最終産物の多孔質触媒担体まで維持される。
また、凍結乾燥によってアルミナゲル中の水分が固体状態から液体状態を介さずに昇華によって除かれる。そのため、アルミナゾル、これゲル化したアルミナゲル、アルミナゲルを凍結乾燥したアルミナクリオゲル(凍結乾燥ゲル)、さらにこれを焼成した多孔質触媒担体、を順次作製していく中で、Ce、Zr、Alなどの各成分がこれらゾルおよびゲル中から外部に漏れ出すこともない。したがって、最終的に得られる多孔質触媒担体における酸化セリウム(CeO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、アルミナ(酸化アルミニウム、Al)の含有量が所望の値となるように作製しやすい。
本発明の多孔質触媒担体の製造方法では、セリウムイオンの混合に先立って、ジルコニウムイオンが溶解している水溶液を調製し、この水溶液とアルミナゾルとを混合させることが重要である。セリウムイオンに先立って、ジルコニウムイオンをアルミナゾルに混合させておくことにより、エチレングリコールなどの保護剤を使用することなく、セリウムイオンをアルミナまたはアルミナ水和物の表面に良好に吸着分散できる。アルミナゾル中にジルコニウムを含有させることによって、ジルコニウムイオンがアルミナまたはアルミナ水和物の表面に作用し、アルミナまたはアルミナ水和物の表面電位は、セリウムイオンがアルミナまたはアルミナ水和物の表面上に吸着するのに適した状態になる。対して、特開2008−29932号公報に記載されるような従来技術では、セリウムイオンをベーマイトファイバー結晶表面に良好に分散・吸着させるために、エチレングリコールなどの有機化合物でセリウムイオンを保護することを要する。本発明の多孔質触媒担体の製造方法は、有機化合物を使用することなくセリウムイオンをアルミナまたはアルミナ水和物(ベーマイトを含む)の結晶表面に良好に分散・吸着させることが可能なため、製造に携わる作業者や環境への影響が従来技術よりも少ない。
さらに、本発明の多孔質触媒担体の製造方法では、ジルコニウムイオンを含有しないアルミナゾルにセリウムイオンを添加した時にしばしば生じる、アルミナゾルの急激なゲル化も抑えられるため、アルミナゾル中のCe、Zr、Alの各成分を十分に混合することが可能となり、このアルミナゾルをゲル化したときにはCe、Zr、Alの3つの成分が均一に分散しているアルミナゲルを得られる。
アルミナゾルの調製方法としては、アルミニウムアルコキシド[例えば、アルミニウムトリブトキシド{Al(sec−BuO)}]と水とを混合し、次いでアルミニウムアルコキシドを加水分解することによって、繊維状のベーマイト粒子(以下、「ベーマイトファイバー」)が懸濁しているベーマイトゾルを調製する方法を挙げることができる。以下、この調製方法の一例について工程を追って説明する。
アルミニウムトリブトキシド[Al(sec−BuO)]と水とを混合する際、アルミニウムトリブトキシドに対する水のモル比[HO/{Al(sec−BuO)}]は、通常19〜117であり、好ましくは39〜97である。これはアルミニウムトリブトキシドを加水分解して得られるベーマイトの濃度が、最終的に得られる多孔質触媒担体のみかけのかさ密度に反映されるためである。前記モル比が19以上であることにより、最終的に得られる多孔質触媒担体の気孔率を十分に確保することができる。前記モル比が117以下であることにより、見かけの傘密度が異常に小さくなることによるアルミナ骨格不足を免れ、最終的に得られる多孔質触媒担体では、高温処理後(高温処理の一例については実施例を参照)にも十分な表面積を確保できるなど、高温での熱安定性を得られる。
次いで、上記の方法で調製したベーマイトゾルに、硝酸を加えてベーマイトゾルを解こうし、半透明なベーマイトゾルを調製する。ベーマイトゾルに加える硝酸の量は、硝酸を加える前のゾル中のアルミニウムイオンに対する硝酸のモル比(HNO/Al3+)で、通常0.1〜0.56であり、好ましくは0.13〜0.31である。前記モル比(HNO/Al3+)が0.1以上であることにより、ベーマイトゾルは、硝酸による解こうが十分に進行して半透明になる。なお、ベーマイトゾルは、半透明になったときには、ベーマイトファイバーがゾル中に十分に分散された状態にある。前記モル比(HNO/AlO(OH))が0.56以下であることにより、続くゲル化の工程で、ベーマイトゾルが、高粘性のゾルのままであり続けることなく確実にゲル化する。すなわち、この範囲では、ベーマイトファイバーがベーマイトゾル中で一旦は十分に分散されて半透明なベーマイトゾルとなり、ゲル化後には、ベーマイトファイバー同士が均一に絡まって固体(ゲル)となるため、得られる多孔質触媒担体に高温での耐熱性がもたらされる。
続いて、ベーマイトゾルに尿素を加えて、ベーマイトゲルを調製する。ベーマイトゾルに加える尿素の量は、尿素を加える前のアルミニウムイオンに対する尿素のモル比(尿素/Al3+)で、通常0.05〜0.25であり、好ましくは0.08〜0.15である。前記モル比が0.05以上であることにより、ベーマイトゾルのゲル化を確実に進行させることができる。前記モル比が0.25以下であることにより、ベーマイトゾルの急激なゲル化の進行を抑えることができ、均一に混合されたベーマイトゲルを得られる。
本発明の多孔質触媒担体の製造方法では、ゲル化の凍結はなるべく急速な冷凍凍結が好ましい。急速な冷凍凍結によって、水の結晶成長を抑制し、非結晶構造とすることで、最終的に高温耐熱性の高い多孔質触媒担体を得ることができる。
また、凍結乾燥の真空度は2〜3Pa以下が好ましい。これにより、乾燥に時間が短くなり、水分の除去が十分に行われる。
凍結乾燥のチラー温度は−80℃以下が好ましい。チラー温度は真空度にも関係しており、チラー温度が−80℃以下であることにより、乾燥時間が短くなり、乾燥が十分に進行するため、凍結乾燥ゲル内部に水分が残存しなくなる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)多孔質触媒担体の製造
(実施例1〜7)
86℃のオイルバス中で、オキシ硝酸ジルコニウムを蒸留水20mlに加えて溶解させた。オキシ硝酸ジルコニウムの量は、焼成後に得られるZrO換算で2〜35質量%の範囲内の所望量となるように加えた。この水溶液にアルミニウムトリブトキシド(Al(sec−BuO))0.0286molを加えてアルミニウムトリブトキシドを加水分解し、次いで1M硝酸5mlを加えて86℃のオイルバス中で1時間スターラーによって攪拌を続けることにより、濁ったゾルを解こうさせ、半透明なベーマイトゾルを得た。蒸留水7mlに硝酸セリウム加えて溶解し、この硝酸セリウム水溶液を86℃のオイルバス中で30分間保持した。次いで、硝酸セリウム水溶液を、上記のベーマイトゾルに加えた。なお、硝酸セリウムの量は、焼成後に得られるCeO換算で7〜45質量%の範囲内の所望量となるように加えた。このベーマイトゾルをスターラーによって攪拌しつつ尿素0.3gを加えた後、スターラーを取り除き、86℃のオイルバス中で一晩静置してゲル化させ、得られたゲルを凍結乾燥して、次いで500℃で1時間焼成することにより、多孔質触媒担体を得た。実施例1〜7の多孔質触媒担体における各成分の含有量(質量%)を表1に示す。なお、多孔質触媒担体におけるアルミナ(酸化アルミニウム、Al)、酸化セリウム(CeO)、酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量は、ICP発光分析により測定した。
Figure 0005561673
(比較例1)
86℃のオイルバス中で、蒸留水20mlに、アルミニウムトリブトキシド(Al(sec−BuO))0.0286molを加えてアルミニウムトリブトキシドを加水分解し、次いで1M硝酸5mlを加えて86℃のオイルバス中で1時間スターラーによって攪拌を続けることにより、濁ったゾルを解こうさせ、半透明なベーマイトゾルを得た。蒸留水に硝酸セリウムを溶解し、この溶液にエチレングリコールをセリウムイオンの1.5倍モル加えて、この水溶液を86℃のオイルバス中で30分間保持した。なお、硝酸セリウムの量は、焼成後に得られるCeO換算で21.4質量%となるように加えた。次いで、この硝酸セリウム水溶液を、上記のベーマイトゾルに加えてスターラーによって攪拌しつつ尿素0.3gを加えた後、スターラーを取り除き、86℃のオイルバス中で一晩静置してゲル化させ、得られたゲルを凍結乾燥して、次いで500℃で1時間焼成することにより、比較例1の多孔質触媒担体を得た。比較例1の多孔質触媒担体における各成分の含有量(質量%)を表1に示す。なお、多孔質触媒担体におけるアルミナ(酸化アルミニウム、Al)、酸化セリウム(CeO)の含有量は、ICP発光分析により測定した。
(比較例2)
86℃のオイルバス中で、蒸留水20mlに、アルミニウムトリブトキシド(Al(sec−BuO))0.0286molを加えてアルミニウムトリブトキシドを加水分解し、次いで1M硝酸5mlを加えて86℃のオイルバス中で1時間スターラーによって攪拌を続けることにより、濁ったゾルを解こうさせ、半透明なベーマイトゾルを得た。攪拌しながら尿素0.3gを加えた後、スターラーを取り除き、86℃のオイルバス中で一晩静置してゲル化させ、得られたゲルを凍結乾燥して、次いで500℃で1時間焼成することにより、比較例2の多孔質触媒担体を得た。比較例2の多孔質触媒担体における各成分の含有量(質量%)を表1に示す。なお、多孔質触媒担体におけるアルミナ(酸化アルミニウム、Al)の含有量は、ICP発光分析により測定した。
(2)高温処理
実施例1〜7、比較例1,2の多孔質触媒担体について、900℃で5時間、酸化雰囲気(O:N=1:4)、あるいは還元雰囲気(H:N=1:2)にて処理した(以下、「高温処理」)。なお、表および図面において、「900℃酸化耐久」または「酸化耐久」との表記は、酸化雰囲気下で高温処理したことを指し、「900℃還元耐久」または「還元耐久」との表記は、還元雰囲気下で高温処理したことを指す。なお、表および図面において、「500℃仮焼」との表記は、高温処理を実施していないことを指す。
(3)X線回折(XRD)
XRDスペクトルは、理学電機製のX線発生装置:RAD−1VCを用いて測定した。測定電圧は30kV、測定電流は30mA、Cu−Kα線を用いた。波長は1.5418Åで、回折角(2θ)=10〜70°の範囲で、2°/分の速度で30分かけて測定した。
図1は、高温処理前、および酸化雰囲気下または還元各雰囲気下での高温処理後の実施例5の多孔質触媒担体のXRDスペクトルを示す。図2は、高温処理前、および酸化雰囲気下または還元各雰囲気下での高温処理後の比較例1の多孔質触媒担体のXRDスペクトルを示す。XRDスペクトルの分析から、実施例5の多孔質触媒担体では、CeO−ZrO固溶体の結晶子径が、高温処理前に5.2nm、酸化雰囲気下での高温処理後に6.4nm、還元雰囲気下での高温処理後に4.8nmであることが判明した。対して、比較例1の多孔質触媒担体では、酸化セリウム(CeO)の結晶子径が、高温処理前に6.9nm、酸化雰囲気下での高温処理後に10.1nmであった。なお、比較例1の多孔質触媒担体では、還元雰囲気下での高温処理後には酸化セリウム(CeO)の結晶子に由来する回折パターンが認められず、代わりにCeAlOに由来する回折ピークを含む不定形の回折パターンが認められた。
(4)BET表面積
BET表面積は日本BEL製の窒素吸着測定装置:Belsorp Miniを使用して測定した。サンプル量は0.1〜0.2gとし、測定前にこれを150℃で24時間N気流下にさらして乾燥した。測定は液体窒素温度でNの吸・脱着量を測定して吸・脱着等温線を描き、BET比表面積は吸着等温線の相対圧:0.1〜0.3の範囲で計算した。
表2は、高温処理前後の、実施例5、比較例1の多孔質触媒担体のBET表面積、細孔容積、および平均細孔径を示す。酸化雰囲気下での高温処理後では、実施例5、比較例1の多孔質触媒担体のBET表面積はほぼ同程度であった。一方で、還元雰囲気下での高温処理後では、実施例5の多孔質触媒担体のBET表面積が、比較例1のものよりも大きかった。この結果から、実施例5の多孔質触媒担体は、酸化ジルコニウム(ZrO)を含有することによって、還元雰囲気下の高温条件下に置かれた場合でもBET表面積を大きいまま維持できることが判明した。なお、多孔質触媒担体の細孔容積、平均細孔径は、BJH法により吸着等温線側のデータを使用して算出した。
Figure 0005561673
(5)昇温還元法(Temperature−programmed reduction:TPR)
多孔質触媒担体(酸化雰囲気で高温処理したもの)50mgを内径4mmの石英製反応管に充填し、H−N混合ガス(5:95)を30mL/minの流速にて多孔質触媒担体に流通させた。定常状態を確認後、多孔質触媒担体の温度を室温から1000℃まで5℃/分の昇温速度で上昇させた。発生した水はモレキュラーシーブによりトラップ除去して、多孔質触媒担体を通過した混合ガスを熱伝導度検出器(以下、「TCD検出器」)が備えられたガスクロマトグラフィ(以下、「GC」)に導いた。混合ガス中の水素と、多孔質触媒担体に貯蔵されている酸素との反応、すなわちH+O→HOによる水素の消費をTCD検出器により連続的に検出した。
図3は、実施例5、比較例1の多孔質触媒担体(酸化雰囲気で高温処理したもの)の昇温還元スペクトルを示す。YAO HC, YAO YFY, JOURNAL OF CATALYSIS Volume:86 Issue:2 Pages:254−265 Published:1984.、および、MIKI T, OGAWA T, HANEDA M, KAKUTA N, UENO A, TATEISHI S, MATSUURA S, SATO M, JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY Volume:94 Issue:16 Pages:6464−6467 Published:AUG 9 1990.、に記載の知見から以下のことが判明した。昇温還元スペクトルにおける、500℃付近のピークは、多孔質触媒担体の表面に存在するキャッピング酸素に帰属するものと判明した。さらに、同スペクトルにおける、750℃付近のピークは、多孔質触媒担体中に存在するバルク酸素に帰属し、900℃付近のピークは、CeOとAlが固相反応してCeAlOを生成する際に放出される酸素に帰属するものと判明した。実施例5、比較例1の多孔質触媒担体を比較すると、500℃付近のピークは、実施例5の方が比較例1に比べて大きいことが判明した。750℃近辺にも両者共に小さなピークが観察されたが、比較例1の方が実施例5に比べて大きかった。900℃付近のピークは、比較例1の方が実施例5に比べて圧倒的に大きいことが判明した。以上の結果から、実施例5の多孔質触媒担体では、酸化ジルコニウムを含有することにより、自動車排ガス浄化などで重要な役割を担うキャッピング酸素量が増大し、一方で多孔質触媒担体の劣化の一要因と考えられるCeAlO生成の固相反応が抑制されたことが判明した。
(6) 酸素貯蔵/放出能の測定
900℃で5時間、酸化/還元各雰囲気下での高温処理を実施した実施例5、比較例1の多孔質触媒担体200mgを内径4mmの反応管に充填した。その後、300〜500℃の各測定温度で、1mLのO−He混合ガス(O:He=1:99)を多孔質触媒担体上に5〜6回連続的にパルス導入し、あらかじめ多孔質触媒担体の表面を十分に酸化させた。その後、1mLのO−He混合ガス(O:He=1:99)と1mLのH−N混合ガス(H:N=2:98)を交互に多孔質触媒担体上にそれぞれ5〜6回パルス導入した。水素や酸素のピークの大きさがそれぞれ一定となるなど、パルス反応の定常状態を確認した上で、この交互パルス反応で消費されているO量を計算し、多孔質触媒担体に含有する酸化セリウム(CeO)1molあたりの酸素貯蔵/放出量(mmol)として算出した。
表3は、実施例5、比較例1の多孔質触媒担体について、酸化または還元耐久後の酸素貯蔵/放出能の測定結果を示す。実施例5、比較例1は酸化セリウム(CeO)の含有量が同じ21.4質量%であるが、酸化雰囲気での加熱処理後および還元雰囲気での加熱処理後ともに、実施例5の方が、比較例1よりも酸素貯蔵/放出能が大きいことが判明した。したがって、実施例5の多孔質触媒担体は、酸化ジルコニウムを含有することによって、酸素貯蔵/放出能が高められていることが判明した。また、実施例5、比較例1の多孔質触媒担体は、ともに酸化雰囲気での高温処理後よりも還元雰囲気での高温処理後の方が、酸素貯蔵/放出能が大きいことも判明した。
Figure 0005561673
(7)メタン酸化活性(白金を担持させずに実施)
メタン酸化反応は以下のように実施した。実施例5、比較例1の多孔質触媒担体0.1gを内径4mmの石英製反応管に充填した。この反応管に、酸素とアルゴンから構成される疑似大気に、メタンを1%混ぜた混合ガス(合計50mL/min)を通した。反応管より排出された反応生成物をTCD検出器を備えたGCにて定量・分析し、メタンの転化速度を計算した。メタン転化速度(mmol/g−cat sec)は、(メタン転化率(%)/100)×(50/22400)×(1/60)×(1/0.1)×1000000、から計算した。この反応では、CH+2O→CO+2HO、の正反応のみが進行し、他の副反応は認められなかった。
図4Aは、実施例5、比較例1の多孔質触媒担体についての、酸化雰囲気下での高温処理後の、メタン分圧とメタン転化速度との関係を示す。図4Bは、実施例5、比較例1の多孔質触媒担体についての、酸化雰囲気下での高温処理後の、酸素分圧とメタン転化速度との関係を示す。図5Aは、実施例5、比較例1の多孔質触媒担体についての、還元雰囲気下での高温処理後の、メタン分圧とメタン転化速度との関係を示す。図5Bは、実施例5、比較例1の多孔質触媒担体についての、還元雰囲気下での高温処理後の、酸素分圧とメタン転化速度との関係を示す。酸化雰囲気下での高温処理後および還元雰囲気下での高温処理後では、いずれも、実施例5の多孔質触媒担体が、比較例1の多孔質触媒担体よりも、メタンの酸化活性が高かった。実施例5の多孔質触媒担体では、酸化ジルコニウムを含有することにより、メタンの酸化活性が飛躍的に向上していることが判明した。実施例5、比較例1ともに、還元雰囲気下での高温処理後の方が、酸化雰囲気下での高温処理後よりもメタン酸化活性が高いことも見いだした。
(8)白金を担持した場合のメタン酸化活性
塩化白金酸(HPtCl)を白金ソースとして使用し、多孔質触媒担体に白金1質量%(多孔質触媒担体99質量部に対して白金1質量部)を担持した(以下、「多孔質触媒」という)。酸化雰囲気下での加熱処理後の多孔質触媒を内径10mmの石英製反応管に充填し、メタン酸化反応を行った。メタン酸化反応は、メタンを1%、酸素を20%含むアルゴン稀釈の疑似大気(100mL/min)を、石英砂(0.9g)で希釈した多孔質触媒0.1gに通し、多孔質触媒を通った反応ガスをオンラインでTCD検出器を備えたGCに送り込んで生成物を分析・定量し、メタンの転化率を計算した。メタンの転化率(%)は、GCのメタンピークの面積値の減少量から計算した。いずれの多孔質触媒でも上述した反応、すなわち、CH+2O→CO+2HOのみが選択的に進行し、他の副反応は認められなかった。
図6は、実施例1〜7、比較例1,2の多孔質触媒担体に白金1質量%を担持させ、メタン酸化活性を測定した結果を示すグラフである。図6より、メタン酸化活性は、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の双方を含有する実施例1〜7が高く、次いで、酸化セリウムのみを含有する比較例1、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)を共に含まない比較例2の順にメタン酸化反応の活性が低くなっていることが判明した。550℃以下では、特に実施例2がメタン酸化反応の活性が高く、550℃以上では、特に実施例5がメタン酸化反応の活性が高いことが判明した。
本発明は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる一酸化炭素や炭化水素等の成分を浄化する化学反応で触媒として機能する白金等を担持するための、多孔質触媒担体および多孔質触媒担体の製造方法として利用できる。

Claims (6)

  1. 酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体がアルミナ多孔質骨格表面により高度にかつ均一に分散している多孔質触媒担体であって、
    セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥したクリオゲルを焼成して得られる多孔質触媒担体。
  2. 前記酸化セリウム(CeO)の含有量が、7〜45質量%である請求項に記載の多孔質触媒担体。
  3. 前記酸化ジルコニウム(ZrO)の含有量が、5〜35質量%である請求項1又は2に記載の多孔質触媒担体。
  4. セリウムイオンとジルコニウムイオンのモル比が、1:0.8〜1:4である請求項1〜のいずれか一項に記載の多孔質触媒担体。
  5. 還元雰囲気での900℃、5時間の処理後において、CeAlO相を生成せず、酸化セリウム(CeO)と酸化ジルコニウム(ZrO)の固溶体相が維持される請求項1〜のいずれか一項に記載の多孔質触媒担体。
  6. セリウム(Ce)とジルコニウム(Zr)とを含むアルミナゾルをゲル化し、次いで凍結乾燥したクリオゲルを焼成する多孔質触媒担体の製造方法。
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