JP2009122195A - 電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、結着樹脂、ポリオレフィンワックス及びワックス助剤を、オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む方法により得られる電子写真用トナーであって、前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤が、式(A):
Tc2−Tc1>5.0 (A)
(式中、Tc1は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスの発熱ピーク温度(℃)、Tc2は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスとワックス助剤とを99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で混合した混合物の発熱ピーク温度(℃)である)
を満足する、電子写真用トナー及びその製造方法。
【選択図】なし
Description
〔1〕 少なくとも、結着樹脂、ポリオレフィンワックス及びワックス助剤を、オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む方法により得られる電子写真用トナーであって、前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤が、式(A):
Tc2−Tc1>5.0 (A)
(式中、Tc1は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスの発熱ピーク温度(℃)、Tc2は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスとワックス助剤とを99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で混合した混合物の発熱ピーク温度(℃)である)
を満足する、電子写真用トナー、並びに
〔2〕 少なくとも、結着樹脂、ポリオレフィンワックス及びワックス助剤を、オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む電子写真用トナーの製造方法であって、前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤が、式(A):
Tc2−Tc1>5.0 (A)
(式中、Tc1は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスの発熱ピーク温度(℃)、Tc2は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスとワックス助剤とを99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で混合した混合物の発熱ピーク温度(℃)である)
を満足する電子写真用トナーの製造方法
に関する。
Tc2−Tc1>5.0 (A)
(式中、Tc1は示差走査熱量(DSC)測定によるポリオレフィンワックスの発熱ピーク温度(℃)、Tc2はDSC測定によるポリオレフィンワックスとワックス助剤とを99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で混合した混合物の発熱ピーク温度(℃)である)
を満足する点に大きな特徴を有する。
で表されるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、グリセリン等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。これらの中では、トナーの耐久性及び帯電性の観点から、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、60モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。
で表されるソルビトール系化合物が挙げられる。
Tq=Wq×Wm×X
を満足するXは、0.7以上であることが好ましく、0.75〜0.97であることがより好ましく、0.8〜0.95であることがさらに好ましい。Xは、トナー中に存在する結晶化されたワックスの比率(即ち、定着に有効なワックス量)を示す物性であり、ワックスの分散状態を低下させるか、ワックスの結晶化の速度を高めることによりXの値を高くすることができる。一般に、ワックスの結晶化とワックスの分散性は相反するものであり、ワックスの結晶化の尺度であるXを高めるためにワックスの分散性を下げると、定着性は高まるものの耐久性が劣る結果となる。しかしながら、本発明では、前記式(A)を満足するポリオレフィンワックスとワックス助剤を組み合わせることにより、ワックスの分散性を下げずにワックスの結晶化を促進することができ、Xの値を高くすることができる。
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSCQ100)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSCQ100)を用いて0℃から10℃/minで200℃まで昇温しながら、融解熱の最大ピーク温度(融点)及び融解熱の吸熱量(Wq)を測定する。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSCQ100)を用いて0℃から10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しながら、発熱ピークの最も高温側のピーク温度をTc1として測定する。
ポリオレフィンワックスとワックス助剤とを、99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で均一に混合し(合計10g)、ナショナルコーヒーミル(MK-61M)で1分間混合する。得られた混合物の発熱ピーク温度(Tc2)をワックスの発熱ピーク温度(Tc1)と同様の方法により測定する。
ワックスの吸熱量(Wq)と同様の方法で、トナーを試料としてトナー中のポリオレフィンワックスに起因するワックス吸熱量(Tq)を測定する。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン4200g(60)、ポリオキシエチレン(2. 2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン2600g(40)、テレフタル酸2822g(85)及び2-エチルヘキシル酸錫(II)40gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、220℃で8時間かけて反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。さらに210℃にて無水トリメリット酸384g(10)を添加し、所望の軟化点に達するまで反応させて、樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は112.3℃、ガラス転移点は67.3℃であった。なお、原料モノマー使用量の後のカッコ内の数値は、アルコール成分の総量を100モルとするときのモル比を示す。
樹脂A 100重量部、着色剤(Pigment Yellow180)4重量部、負帯電性荷電制御剤「LR-147」(日本カーリット社製)1重量部、表2に示す使用量のポリエチレンワックス(PEワックス) 「パラフリント C80」(シューマン・サゾール社製、融点:86℃)及びワックス助剤を、ヘンシェルミキサーで混合し、表2に示す混練条件で、溶融混練した。ワックス助剤の詳細を表1に示す。
ロール外径0.12m、有効ロール長0.8mの連続式二本ロール型混練機を使用した。連続式二本ロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min、低回転側ロール(バックロール)回転数50r/min、ロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側が160℃及び混練排出側が100℃であり、低回転ロールの原料投入側が30℃及び混練物排出側が30℃であった。また、混合物の供給速度は4kg/hr、平均滞留時間は約10分間であった。
混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を混練に使用した。ロール回転速度は200r/minであった。ロール内の加熱温度は100℃であり、混合物の供給速度は4kg/hr、平均滞留時間は約18秒であった。
ロートプレックスに目開きが3mmのメッシュを装着して砕いたトナーを、I-2型粉砕機(日本ニューマチック社製)で0.5Paの粉砕圧で体積中位粒径(D50)が6.5μmとなるまで粉砕し、以下の評価基準に従って、粉砕性を評価した。結果を表2に示す。単位時間当たりの粉砕量が多いほど、粉砕性が優れることを示す。
A:単位時間当たりの粉砕量が3kg/hr以上である。
B:単位時間当たりの粉砕量が1kg/hr以上3kg/hr未満である。
C:単位時間当たりの粉砕量が1kg/hr未満である。
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)にトナーを実装し、トナー付着量が0.5mg/cm2、2cm×12cmの未定着画像を得、複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機をオフラインによる定着が可能なように改良した定着機(定着速度80mm/sec)で、90℃から240℃へと5℃ずつ順次上昇させながら定着試験を行った。オフセットが発生しない温度域を確認し、以下の評価基準に従って耐オフセット性を評価した。用紙には、富士ゼロックスオフィスサプライ モノクロ・カラー兼用コピーペーパー C2 A4 V436(70g/m2)を使用した。結果を表2に示す。非オフセット域が広いほど、耐オフセット性に優れることを示す。
A:非オフセット域が60℃以上
B:非オフセット域が30℃以上60℃未満
C:非オフセット域が30℃未満
非磁性一成分現像装置「MICROLINE 703N3」(沖データ社製)にトナーを実装し、印字率5%のチャートを2000枚印字した。次いで、ベタ画像を5枚印字し、得られたベタ画像に生じた縦筋(白抜け)の本数をそれぞれ数え、1枚当たりの平均本数を算出し、以下の評価基準に従って耐久性を評価した。結果を表2に示す。縦筋(白抜け)が少ないほど、耐久性が優れることを示す。
A:3本未満
B:3本以上、10本未満
C:10本以上
Claims (4)
- 少なくとも、結着樹脂、ポリオレフィンワックス及びワックス助剤を、オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む方法により得られる電子写真用トナーであって、前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤が、式(A):
Tc2−Tc1>5.0 (A)
(式中、Tc1は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスの発熱ピーク温度(℃)、Tc2は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスとワックス助剤とを99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で混合した混合物の発熱ピーク温度(℃)である)
を満足する、電子写真用トナー。 - 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた断面観察において、0.8μm2以上のドメイン面積を有するポリオレフィンワックス及び/又はワックス助剤の存在割合が、0.5面積%以下である、請求項1記載の電子写真用トナー。
- トナー中のポリオレフィンワックスに起因する吸熱量(J/g)をTq、ポリオレフィンワックスの吸熱量(J/g)をWq、オープンロール型混練機に供給するポリオレフィンワックスのトナー原料中の割合(オープンロール型混練機に供給するポリオレフィンワックスの重量/オープンロール型混練機に供給するトナー原料の重量)をWmとするとき、式(B):
Tq=Wq×Wm×X (B)
を満足するXが0.7以上である、請求項1又は2記載の電子写真用トナー。 - 少なくとも、結着樹脂、ポリオレフィンワックス及びワックス助剤を、オープンロール型混練機で溶融混練する工程を含む電子写真用トナーの製造方法であって、前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤が、式(A):
Tc2−Tc1>5.0 (A)
(式中、Tc1は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスの発熱ピーク温度(℃)、Tc2は示差走査熱量測定によるポリオレフィンワックスとワックス助剤とを99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で混合した混合物の発熱ピーク温度(℃)である)
を満足する電子写真用トナーの製造方法。
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