JP2009121705A - コンロ用親子バーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】外周に炎孔を有する環状の親バーナヘッド部で囲われる空間に筒状の子バーナヘッド部が配置され、子バーナヘッド部の外周に子バーナ炎孔が設けられたコンロ用親子バーナにおいて、被加熱物たる調理容器の熱分布を可及的に向上させて、且つ、子バーナヘッド部の過熱や燃焼不良を防止する。
【解決手段】親バーナヘッド部83の内周に第2親バーナ炎孔83cが設け、熱分布を向上させる。ベース部81を平面視環状に形成し、子バーナヘッド部84を、ベース部81の内周空間の上方にベース部81から分離した状態で、子バーナヘッド部84の下端部外周に、ベース部81の内周空間を上方から覆う環状の庇部84bが、ベース部81との間に上下方向の隙間を生ずるように設ける。この隙間を介して空気が流れ、子バーナに供給され、燃焼不良を防止するとともに庇部84bを空冷して子バーナーヘッド部の過熱を防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、親バーナヘッド部と子バーナヘッド部とを備えるコンロ用親子バーナに関する。
従来、この種の親子バーナとして、特許文献1に記載のものが知られている。この親子バーナは、第1混合管に接続される中空の円盤状のベース部と、ベース部の上面に周方向の間隔を存して立設した複数の中空の支柱部と、これら支柱部を介してベース部の上側に支持され、第1混合管からの混合気がベース部の内部空間と支柱部の内部空間とを介して供給される中空環状の親バーナヘッド部とを有するバーナ本体を備えている。そして、親バーナヘッド部の外周に親バーナ炎孔が設けられると共に、親バーナヘッド部で囲われる空間に、第2混合管に接続される、ベース部に一体成形した筒状の子バーナヘッド部が配置され、子バーナヘッド部の外周に子バーナ炎孔が設けられている。
このものでは、親バーナヘッド部の内周空間に落下した煮こぼれ汁をベース部で受けることができ、コンロ本体内への煮こぼれ汁の落下が防止される。尚、ベース部を設けると、バーナ本体を環状に形成するものと異なり、子バーナ炎孔から噴出する混合気の燃焼部分にコンロ本体内から二次空気を供給できなくなる。然し、上記バーナでは、ベース部と親バーナヘッド部との間の各支柱部間の空隙を介してバーナ本体の外方から子バーナ炎孔の燃焼部分に二次空気が供給されるため、二次空気不足による燃焼不良は生じない。
ここで、上記従来例のバーナでは、コンロの天板上の五徳に載置する調理容器の底面外周部が親バーナ炎孔から噴出する混合気の燃焼で生成される親バーナ炎により加熱されると共に、調理容器の底面中央部が子バーナ炎孔から噴出する混合気の燃焼で生成される子バーナ炎で加熱されるため、調理容器の熱分布がある程度は改善される。但し、親バーナ炎と子バーナ炎とは径方向に離れているため、調理容器の底面の径方向中間部の加熱不足を生ずることがある。この場合、親バーナヘッド部の内周面に第2の親バーナ炎孔を設け、この炎孔から噴出する混合気の燃焼で生成される第2の親バーナ炎により調理容器の底面の径方向中間部を加熱して、調理容器の熱分布を可及的に向上させることが考えられる。
然し、第2の親バーナ炎孔を設けると以下の不具合を生ずることが判明した。即ち、子バーナヘッド部が子バーナ炎だけでなく、第2の親バーナ炎によっても加熱され、子バーナヘッド部が非常に高温になって、耐久性が悪化する。また、ベース部と親バーナヘッド部との間の各支柱部間の空隙を介して流入する二次空気が第2の親バーナ炎孔から噴出する混合気の燃焼で消費され、子バーナ炎孔から噴出する混合気の燃焼部分に二次空気が十分に供給されなくなって、燃焼不良を生ずる。
特開2005−257153号公報(図6)
本発明は、以上の点に鑑み、被加熱物たる調理容器の熱分布を可及的に向上させて、且つ、子バーナヘッド部の過熱や燃焼不良を防止できるようにしたコンロ用親子バーナを提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、第1混合管に接続される中空のベース部と、ベース部の上面に周方向の間隔を存して立設した複数の中空の支柱部と、これら支柱部を介してベース部の上側に支持され、第1混合管からの混合気がベース部の内部空間と支柱部の内部空間とを介して供給される中空環状の親バーナヘッド部とを有するバーナ本体を備え、親バーナヘッド部の外周に第1の親バーナ炎孔が設けられると共に、親バーナヘッド部で囲われる空間に、第2混合管に接続される筒状の子バーナヘッド部が配置され、子バーナヘッド部の外周に子バーナ炎孔が設けられたコンロ用親子バーナにおいて、親バーナヘッド部の内周に第2の親バーナ炎孔が設けられ、ベース部は平面視環状に形成され、子バーナヘッド部は、ベース部の内周空間の上方にベース部から分離した状態で設けられ、子バーナヘッド部の下端部外周に、ベース部の内周空間を上方から覆う環状の庇部が、ベース部の上面との間に上下方向の隙間を生ずるように設けられることを特徴とする。
本発明によれば、コンロの天板上の五徳に載置する調理容器の底面外周部が第1の親バーナ炎孔から噴出する混合気の燃焼で生成される第1の親バーナ炎により加熱されると共に、調理容器の底面中央部が子バーナ炎孔から噴出する混合気の燃焼で生成される子バーナ炎で加熱され、更に、調理容器の底面の径方向中間部が第2の親バーナ炎孔から噴出する混合気の燃焼で生成される第2の親バーナ炎により加熱される。従って、調理容器の熱分布が可及的に向上する。
また、本発明では、ベース部の内周空間からベース部の上面と庇部との間の隙間を介して空気が流れる。そして、この空気が子バーナ炎孔から噴出する混合気の燃焼部分に二次空気として供給される。そのため、子バーナ炎孔の二次空気不足による燃焼不良が防止される。更に、ベース部の上面と庇部との間の隙間に流れる空気により庇部が空冷される。そのため、庇部が冷却用の放熱フィンとして機能し、子バーナヘッド部の温度上昇が抑制される。従って、子バーナヘッド部の過熱による耐久性の悪化が防止される。尚、ベース部の内周空間は庇部で覆われるため、煮こぼれ汁がベース部の内周空間からコンロ本体内に落下することはない。
図2を参照して、1は図示省略したコンロ本体の上面を覆う天板である。天板1には、コンロ本体に設けた本発明の実施形態の親子バーナ6を臨ませるバーナ用開口2が開設されている。天板1は、アルミニウム等の金属製の厚板又はガラス板で形成されており、バーナ用開口2の周縁部にパッキン3を装着している。そして、パッキン3上に、バーナ用開口2内に張り出す環状の汁受け皿4と、五徳5とを載置している。
図1も参照して、親子バーナ6は、混合管ユニット7と、バーナ本体8とを備えている。混合管ユニット7は、第1混合管71と第2混合管72とを有している。第1混合管71の下流端には、汁受け皿4の内周空間に向けて立上る内外2重筒構造の分布室部73が形成されている。第2混合管72は、分布室部73の前側(図2の左側)底面において第1混合管71と一体化されている。
バーナ本体8は、外径が汁受け皿4の内径より大きな平面視環状の中空のベース部81と、ベース部81の上面に周方向の間隔を存して立設した複数の中空の支柱部82と、これら支柱部82を介してベース部81の上側に支持される中空環状の親バーナヘッド部83と、親バーナヘッド部83で囲われる空間に配置した筒状の子バーナヘッド部84とを備えている。ベース部81の下面には、分布室部73に連通する環状の流入口81aが開設されると共に、流入口81aの内周側と外周側とに位置させて、分布室部73の内筒部73aと外筒部73bとに夫々嵌合するシール筒部81b、81cが垂設されている。そして、第1混合管71からの混合気(燃料ガスと一次空気との混合気体)が流入口81aからベース部81の内部空間と各支柱部82の内部空間とを介して親バーナヘッド部83の内部空間に供給されるようにしている。
親バーナヘッド部83は、ベース部81および支柱部82と一体成形された下半部と、下半部に着脱自在に載置されるバーナキャップ83aから成る上半部とで構成されている。バーナキャップ83aの下面には、外周部と内周部とに位置させて、夫々多数の歯が垂設されている。かくして、親バーナヘッド部83の外周に、バーナキャップ83aの外周部の各歯間の隙間で構成される第1の親バーナ炎孔83bが設けられ、更に、親バーナヘッド部83の内周に、バーナキャップ83aの内周部の各歯間の隙間で構成される第2の親バーナ炎孔83cが設けられる。そして、親バーナヘッド部83の内部空間に供給された混合気が第1の親バーナ炎孔83bと第2の親バーナ炎孔83cとから噴出する。
また、バーナキャップ83aの周囲1箇所には、バーナ6に付設した点火プラグ9に対向するターゲット部83dが形成されている。そして、点火プラグ9とターゲット部83dとの間の火花放電により第1の親バーナ炎孔83bからの噴出混合気に点火されて、第1の親バーナ炎孔83bからの噴出混合気の燃焼により第1の親バーナ炎Faが生成されるようにしている。また、バーナキャップ83aの上面の1箇所には、外周から径方向内方にのびるスリット状の火移り炎孔83eが形成されている。そして、第1の親バーナ炎Faにより火移り炎孔83eを介して第2の親バーナ炎孔83cからの噴出混合気に火移り点火され、第2の親バーナ炎孔83cからの噴出混合気の燃焼で第2の親バーナ炎Fbが生成されるようにしている。
尚、第1の親バーナ炎孔83bから噴出する混合気の燃焼部分にはバーナ本体8の外方から二次空気が供給され、また、第2の親バーナ炎孔83cから噴出する混合気の燃焼部分には、ベース部81と親バーナヘッド部83との間の各支柱部82間の空隙を介してバーナ本体8の外方から二次空気が供給される。
子バーナヘッド部84は、ベース部81の内周空間に隙間を存して挿入される第2混合管72の下流端に嵌合接続されている。子バーナヘッド部84の外周には、子バーナ炎孔84aが穿設されている。第2混合管72から子バーナヘッド部84の内部空間に供給された混合気は、子バーナ炎孔84aから噴出し、第2の親バーナ炎Fbにより火移り点火されて、子バーナ炎孔84aからの噴出混合気の燃焼により子バーナ炎Fcが生成される。そして、子バーナヘッド部84の周囲1箇所に臨ませて配置した火炎検知用の熱電対10が子バーナ炎Fcにより加熱され、第1と第2の両混合管71,72に対するガス供給路に介設した電磁安全弁(図示せず)が熱電対10の起電力で開弁保持されるようにしている。
ここで、子バーナ炎孔84aは、その上端が第2の親バーナ炎孔83cの下端より下方に位置するように設けられている。尚、熱電対10に対向する子バーナ炎孔84a´は、他の子バーナ炎孔84aよりも低い位置に形成されている。
このように、子バーナ炎孔84aを第2の親バーナ炎孔83cより下方の比較的低い位置に設けるため、中華鍋のような底面が下方に凸の曲面形状の調理容器Pを用いた場合も、子バーナ炎孔84aと調理容器Pの底面との間の距離が然程短くならない。従って、子バーナ炎Fcが上方に立ち昇ってある程度窄まった状態で調理容器Pの底面中央部に到達することになり、調理容器Pの底面中央部が子バーナ炎Fcで加熱される。また、子バーナ炎Fcの外方への広がりが抑制されると共に、第2の親バーナ炎孔83cが子バーナ炎孔84aに比し高い位置に存するため、第2の親バーナ炎Fbは、子バーナ炎Fcにより上方から押えられることなく立ち昇り、調理容器Pの底面の径方向中間部が第2の親バーナ炎Fbで加熱される。更に、第1の親バーナ炎Faにより調理容器Pの底面外周部が加熱される。これにより、調理容器Pの熱分布が可及的に向上する。
また、第2の親バーナ炎が子バーナ炎により上方から押えられると、第2の親バーナ炎が親バーナヘッド部83の上面に沿うように押し潰された火炎形状になり、親バーナヘッド部83が第2の親バーナ炎により炙られてかなりの高温になり、耐久性が悪化する。一方、本実施形態では、第2の親バーナ炎Fbが上記の如く子バーナ炎Fcにより上方から押えられることなく立ち昇るため、第2の親バーナ炎Fbによる親バーナヘッド部83の過熱が抑制され、耐久性の悪化が防止される。
ところで、ベース部81を中空の円盤状に形成し、その上面中央部に子バーナヘッド部84を一体成形することも考えられる。然し、これでは、子バーナ炎孔84aから噴出する混合気の燃焼部分への二次空気の供給が不足し勝ちになり、また、子バーナヘッド部84がかなりの高温になって、耐久性が悪化する。
そこで、本実施形態では、ベース部81を上記の如く平面視環状に形成すると共に、子バーナヘッド部84をベース部81の内周空間の上方にベース部81から分離した状態で設けている。更に、子バーナヘッド部84の下端部外周には、ベース部81の内周空間を上方から覆う環状の庇部84bが、ベース部81の上面との間に上下方向の隙間を生ずるように設けられている。
これによれば、図2に矢印で示す如く、ベース部81の内周空間からベース部81の上面と庇部84bとの間の隙間を介して空気が流れる。そして、この空気が子バーナ炎孔84aから噴出する混合気の燃焼部分に二次空気として供給される。そのため、子バーナ炎孔84aの二次空気不足による燃焼不良が防止される。更に、ベース部81の上面と庇部84bとの間の隙間に流れる空気により庇部84bが空冷される。そのため、庇部84bが冷却用の放熱フィンとして機能し、子バーナヘッド部84の温度上昇が抑制される。従って、子バーナヘッド部84の過熱による耐久性の悪化が防止される。
また、五徳5上の調理容器Pからの煮こぼれを生じたときに、煮こぼれ汁が親バーナヘッド部83と子バーナヘッド部84との間の空間に落下することがあるが、ベース部81の内周空間は庇部84bで覆われているため、煮こぼれ汁がベース部81の内周空間を通してコンロ本体内に落下するはない。そして、煮こぼれ汁は、ベース部81と親バーナヘッド部83との間の各支柱部82間の空隙を介してベース部81から汁受け皿4に排出される。
尚、煮こぼれ汁を排出し易くするため、ベース部81の上面は径方向外方に向かって下方に傾斜する凸面に形成されている。また、庇部84bには、熱電対10を挿通する孔84cが形成されている。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、子バーナ炎孔84aの上端を第2の親バーナ炎孔83cの下端より下方に位置させているが、子バーナヘッド部84の径やインプットが小さい場合には、子バーナ炎孔84aの上端を第2の親バーナ炎孔83cの下端と同等高さに位置させても良い。
本発明の実施形態の親子バーナの平面図。 図1のII−II線で切断した実施形態の親子バーナのコンロ実装状態での断面図。
符号の説明
6…親子バーナ、71…第1混合管、72…第2混合管、8…バーナ本体、81…ベース部、82…支柱部、83…親バーナヘッド部、83b…第1の親バーナ炎孔、83c…第2の親バーナ炎孔、84…子バーナヘッド部、84a…子バーナ炎孔、84b…庇部。

Claims (1)

  1. 第1混合管に接続される中空のベース部と、ベース部の上面に周方向の間隔を存して立設した複数の中空の支柱部と、これら支柱部を介してベース部の上側に支持され、第1混合管からの混合気がベース部の内部空間と支柱部の内部空間とを介して供給される中空環状の親バーナヘッド部とを有するバーナ本体を備え、親バーナヘッド部の外周に第1の親バーナ炎孔が設けられると共に、親バーナヘッド部で囲われる空間に、第2混合管に接続される筒状の子バーナヘッド部が配置され、子バーナヘッド部の外周に子バーナ炎孔が設けられたコンロ用親子バーナにおいて、
    親バーナヘッド部の内周に第2の親バーナ炎孔が設けられ、
    ベース部は平面視環状に形成され、子バーナヘッド部は、ベース部の内周空間の上方にベース部から分離した状態で設けられ、
    子バーナヘッド部の下端部外周に、ベース部の内周空間を上方から覆う環状の庇部が、ベース部の上面との間に上下方向の隙間を生ずるように設けられることを特徴とするコンロ用親子バーナ。
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