JP2009120961A - 炭素繊維複合金属成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カーボンナノファイバーが均一に分散された、炭素繊維複合金属成形品を提供することにある。
【解決手段】 本発明の炭素繊維複合金属成形品は、金属中にカーボンナノファイバーが分散した炭素繊維複合金属成形品である。本発明の炭素繊維複合金属成形品は、曲げ破断面におけるカーボンナノファイバーの最近接距離の分布がほぼ正規分布を示す。
【選択図】図5
【解決手段】 本発明の炭素繊維複合金属成形品は、金属中にカーボンナノファイバーが分散した炭素繊維複合金属成形品である。本発明の炭素繊維複合金属成形品は、曲げ破断面におけるカーボンナノファイバーの最近接距離の分布がほぼ正規分布を示す。
【選択図】図5
Description
本発明は、炭素繊維複合金属成形品に関する。
近年、カーボンナノファイバーを用いた複合材料が注目されている。このような複合材料は、カーボンナノファイバーを含むことで、機械的強度などの向上が期待されている。
また、金属の複合材料の鋳造方法として、酸化物系セラミックスからなる多孔質成形体内にマグネシウム蒸気を浸透、分散させ、同時に窒素ガスを導入することで、多孔質成形体内に金属溶湯を浸透させるようにした鋳造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、カーボンナノファイバーは相互に強い凝集性を有するため、複合材料の基材にカーボンナノファイバーを均一に分散させることが非常に困難とされている。そのため、現状では、所望の特性を有するカーボンナノファイバーの複合材料を得ることが難しく、また、高価なカーボンナノファイバーを効率よく利用することができない。
また、従来の酸化物系セラミックスからなる多孔質成形体に金属溶湯を浸透させる鋳造方法は、複雑な処理を行うため、工業上の生産は困難である。
そこで、本発明の目的は、カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合金属成形品を提供することにある。
本発明にかかる炭素繊維複合金属成形品は、金属中にカーボンナノファイバーが分散した炭素繊維複合金属成形品であって、
曲げ破断面におけるカーボンナノファイバーの最近接距離の分布がほぼ正規分布を示すことを特徴とする。
曲げ破断面におけるカーボンナノファイバーの最近接距離の分布がほぼ正規分布を示すことを特徴とする。
本発明にかかる炭素繊維複合金属成形品によれば、カーボンナノファイバーが炭素繊維複合金属成形品中に均一に分散している。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合金属成形品は、金属中にカーボンナノファイバーが分散した炭素繊維複合金属成形品であって、曲げ破断面におけるカーボンナノファイバーの最近接距離の分布がほぼ正規分布を示す。
エラストマーは、例えば、カーボンナノファイバーと親和性が高いことの他に、分子長がある程度の長さを有すること、柔軟性を有すること、などの特徴を有することが望ましい。また、エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、できるだけ高い剪断力で混練されることが望ましい。
(a)まず、エラストマーについて説明する。
エラストマーは、分子量が好ましくは5000ないし500万、さらに好ましくは2万ないし300万である。エラストマーの分子量がこの範囲であると、エラストマー分子が互いに絡み合い、相互につながっているので、エラストマーは、凝集したカーボンナノファイバーの相互に侵入しやすく、したがってカーボンナノファイバー同士を分離する効果が大きい。エラストマーの分子量が5000より小さいと、エラストマー分子が相互に充分に絡み合うことができず、後の工程で剪断力をかけてもカーボンナノファイバーを分散させる効果が小さくなる。また、エラストマーの分子量が500万より大きいと、エラストマーが固くなりすぎて加工が困難となる。
エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって、観測核が1H、30℃で測定した、未架橋体におけるネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が好ましくは100ないし3000μ秒、より好ましくは200ないし1000μ秒である。上記範囲のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)を有することにより、エラストマーは、柔軟で充分に高い分子運動性を有することができる。このことにより、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合したときに、エラストマーは高い分子運動によりカーボンナノファイバー相互の隙間に容易に侵入することができる。スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が100μ秒より短いと、エラストマーが充分な分子運動性を有することができない。また、スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が3000μ秒より長いと、エラストマーが液体のように流れやすくなり、カーボンナノファイバーを分散させることが困難となる。
また、エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって観測核が1H、30℃で測定した、架橋体における、ネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし2000μ秒であることが好ましい。その理由は、上述した未架橋体と同様である。すなわち、上記の条件を有する未架橋体を本発明の製造方法によって架橋化すると、得られる架橋体のT2nはおおよそ上記範囲に含まれる。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られるスピン−スピン緩和時間は、物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によりエラストマーのスピン−スピン緩和時間を測定すると、緩和時間の短い第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する第1の成分と、緩和時間のより長い第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する第2の成分とが検出される。第1の成分は高分子のネットワーク成分(骨格分子)に相当し、第2の成分は高分子の非ネットワーク成分(末端鎖などの枝葉の成分)に相当する。そして、第1のスピン−スピン緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
パルス法NMRにおける測定法としては、ハーンエコー法でなくてもソリッドエコー法、CPMG法(カー・パーセル・メイブーム・ギル法)あるいは90゜パルス法でも適用できる。ただし、本発明にかかる炭素繊維複合材料は中程度のスピン−スピン緩和時間(T2)を有するので、ハーンエコー法が最も適している。一般的に、ソリッドエコー法および90゜パルス法は、短いT2の測定に適し、ハーンエコー法は、中程度のT2の測定に適し、CPMG法は、長いT2の測定に適している。
エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバー、特にその末端のラジカルに対して親和性を有する不飽和結合または基を有するか、もしくは、このようなラジカルまたは基を生成しやすい性質を有する。かかる不飽和結合または基としては、二重結合、三重結合及び官能基から選択される少なくともひとつであることができる。このような官能基としては、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ニトリル基、ケトン基、アミド基、エポキシ基、エステル基、ビニル基、ハロゲン基、ウレタン基、ビューレット基、アロファネート基および尿素基などがある。
カーボンナノファイバーは、通常、側面は炭素原子の6員環で構成され、先端は5員環が導入されて閉じた構造となっているが、構造的に無理があるため、実際上は欠陥を生じやすく、その部分にラジカルや官能基を生成しやすくなっている。本実施の形態では、エラストマーの主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバーのラジカルと親和性(反応性または極性)が高い不飽和結合や基を有することにより、エラストマーとカーボンナノファイバーとを結合することができる。このことにより、カーボンナノファイバーの凝集力にうち勝ってその分散を容易にすることができる。
エラストマーとしては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)などのエラストマー類;オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリエステル系(TPEE)、ポリウレタン系(TPU)、ポリアミド系(TPEA)、スチレン系(SBS)、などの熱可塑性エラストマー;およびこれらの混合物を用いることができる。特にエチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)においてカーボンナノファイバーを分散させにくいことが本願発明者等によって確認されている。
(b)次に、金属粒子について説明する。
金属粒子は、エラストマー中に混合し、分散させておいて、カーボンナノファイバーを混合させるときにカーボンナノファイバーをさらに良好に分散させるものである。金属粒子としては、アルミニウム及びその合金、マグネシウム及びその合金、鉄及びその合金などの粒子を単体でもしくは組み合わせて用いることができる。金属粒子は、使用するカーボンナノファイバーの平均直径よりも大きい平均粒径であることが好ましい。また、金属粒子の平均粒径は500μm以下、好ましくは1〜300μmである。鋳造工程で非加圧浸透法を用いる場合には、金属粒子の量は、エラストマー100重量部に対して、10〜3000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。金属粒子が10重量部以下であると、毛細管現象が小さく、金属溶湯の浸透速度が遅いので、生産性及びコスト面で採用が難しい。また、金属粒子が3000重量部以上であると、炭素繊維複合材料を製造する際に、エラストマーへ含浸させにくくなる。また、金属粒子の形状は、球形粒状に限らず、混合時に金属粒子のまわりに乱流状の流動が発生する形状であれば平板状、りん片状であってもよい。
金属粒子が例えばアルミニウム粒子である場合、アルミニウム溶湯を浸透させたときに、エラストマーが熱分解されて発生したラジカルなどによってアルミニウム粒子の表面にある酸化物を還元してアルミニウム粒子とアルミニウム溶湯の濡れ性が改善して結合力を強固にすることができる。また、アルミニウム溶湯の浸透による流動がカーボンナノファイバーをアルミニウム粒子内まで侵入させることになる。このように金属粒子がアルミニウム粒子のような表面に酸化物を有する場合には、上述のような好ましい効果を有する。
(c)次に、カーボンナノファイバーについて説明する。
カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmであることが好ましいく、炭素繊維複合材料の強度を向上させるためには0.5ないし30nmであることがさらに好ましい。さらに、カーボンナノファイバーは、ストレート繊維状であっても、湾曲繊維状であってもよい。
カーボンナノファイバーの配合量は、特に限定されず、用途に応じて設定できる。本実施の形態の炭素繊維複合材料は、架橋体エラストマー、未架橋体エラストマーあるいは熱可塑性ポリマーをそのままエラストマー系材料として用いることができ、あるいは金属の複合材料の原料として用いることができる。本実施の形態の炭素繊維複合材料を金属の複合材料の原料として用いるときは、カーボンナノファイバーを0.01〜50重量%の割合で含むことができる。かかる金属の複合材料の原料は、金属にカーボンナノファイバーを混合する際に、カーボンナノファイバーの供給源としてのいわゆるマスターバッチとして用いることができる。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、いわゆるカーボンナノチューブなどが例示できる。カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラフェンシートが円筒状に閉じた単層構造あるいはこれらの円筒構造が入れ子状に配置された多層構造を有する。すなわち、カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていても良く、単層構造と多層構造が混在していてもかまわない。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブといった名称で称されることもある。
単層カーボンナノチューブもしくは多層カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造される。
アーク放電法は、大気圧よりもやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下で、炭素棒でできた電極材料の間にアーク放電を行うことで、陰極に堆積した多層カーボンナノチューブを得る方法である。また、単層カーボンナノチューブは、前記炭素棒中にニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜてアーク放電を行い、処理容器の内側面に付着するすすから得られる。
レーザーアブレーション法は、希ガス(例えばアルゴン)中で、ターゲットであるニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜた炭素表面に、YAGレーザーの強いパルスレーザー光を照射することによって炭素表面を溶融・蒸発させて、単層カーボンナノチューブを得る方法である。
気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、カーボンナノチューブを合成するもので、より具体的には、流動触媒法やゼオライト担持触媒法などが例示できる。
カーボンナノファイバーは、エラストマーと混練される前に、あらかじめ表面処理、例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、エラストマーとの接着性やぬれ性を改善することができる。
(d)次に、エラストマーにカーボンナノファイバーを混合させ、かつ剪断力によって分散させる工程について説明する。
本実施の形態では、エラストマーに金属粒子及びカーボンナノファイバーを混合させる工程として、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いた例について述べる。
図1は、2本のロールを用いたオープンロール法を模式的に示す図である。図1において、符号10は第1のロールを示し、符号20は第2のロールを示す。第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.1ないし0.5mmの間隔で配置されている。第1および第2のロールは、正転あるいは逆転で回転する。図示の例では、第1のロール10および第2のロール20は、矢印で示す方向に回転している。第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05ないし3.00であることが好ましく、さらに1.05ないし1.2であることが好ましい。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。まず、第1,第2のロール10,20が回転した状態で、第2のロール20に、エラストマー30を巻き付けると、ロール10,20間にエラストマーがたまった、いわゆるバンク32が形成される。このバンク32内に金属粒子50を加えて、さらに第1,第2のロール10,20を回転させることにより、エラストマー30と、金属粒子50と、を混合する工程が行われる。ついで、このエラストマー30と金属粒子50とが混合されたバンク32内にカーボンナノファイバー40を加えて、第1、第2のロール10,20を回転させる。さらに、第1,第2ロール10,20の間隔を狭めて前述した間隔dとし、この状態で第1,第2ロール10,20を所定の表面速度比で回転させる。これにより、エラストマー30に高い剪断力が作用し、この剪断力によって凝集していたカーボンナノファイバーが1本づつ引き抜かれるように相互に分離し、エラストマー30に分散される。さらに、ロールによる剪断力はエラストマー内に分散された金属粒子のまわりに乱流状の流動を発生させる。この複雑な流動によってカーボンナノファイバーはさらにエラストマー30に分散される。なお、金属粒子50の混合前に、エラストマー30とカーボンナノファイバー40とを先に混合すると、カーボンナノファイバー40にエラストマー30の動きが拘束されてしまうため、金属粒子50を混合することが難しくなる。したがって、エラストマー30にカーボンナノファイバー40を加える前に金属粒子50を混合する工程を行うことが好ましい。
また、この工程では、できるだけ高い剪断力を得るために、エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合は、好ましくは0ないし50℃、より好ましくは5ないし30℃の比較的低い温度で行われる。オープンロール法を用いた場合には、ロールの温度を上記の温度に設定することが望ましい。第1,第2ロール10,20の間隔dは、もっとも狭めた状態においても金属粒子50の平均粒径よりも広く設定することで、エラストマー30中のカーボンナノファイバー40の分散を良好に行う。
このとき、本実施の形態のエラストマーは、上述した特徴、すなわち、エラストマーの分子形態(分子長)、分子運動、カーボンナノファイバーとの化学的相互作用などの特徴を有することによってカーボンナノファイバーの分散を容易にするので、分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品を得ることができる。より具体的には、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、分子長が適度に長く、分子運動性の高いエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合する。この状態で、エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物に強い剪断力が作用すると、エラストマーの移動に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散されることになる。そして、一旦分散したカーボンナノファイバーは、エラストマーとの化学的相互作用によって再凝集することが防止され、良好な分散安定性を有することができる。
また、エラストマー中に所定量の金属粒子が含まれていることで、金属粒子のまわりに発生するエラストマーの乱流のような幾通りもの複雑な流動によって、個々のカーボンナノファイバー同士を引き離す方向にも剪断力が働くことになる。したがって、直径が約30nm以下のカーボンナノファイバーや湾曲繊維状のカーボンナノファイバーであっても、個々に化学的相互作用によって結合したエラストマー分子のそれぞれの流動方向へ移動するため、エラストマー中に均一に分散されることになる。
エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、上記オープンロール法に限定されず、既に述べた密閉式混練法あるいは多軸押出し混練法を用いることもできる。要するに、この工程では、凝集したカーボンナノファイバーを分離できる剪断力をエラストマーに与えることができればよい。
上述したエラストマーに金属粒子とカーボンナノファイバーとを分散させて両者を混合させる工程(混合・分散工程)によって得られた炭素繊維複合材料は、架橋剤によって架橋させて成形するか、もしくは架橋させずに成形することができる。このときの成形方法は、例えば圧縮成形工程や押出成形工程などを行って炭素繊維複合成形品を得ることができる。圧縮成形工程は、例えば金属粒子とカーボンナノファイバーとが分散した炭素繊維複合材料を、所定温度(例えば175℃)に設定された所望形状を有する成形金型内で所定時間(例えば20分)加圧状態で成形する工程を有する。
エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合・分散工程において、あるいは続いて、通常、ゴムなどのエラストマーの加工で用いられる配合剤を加えることができる。配合剤としては公知のものを用いることができる。配合剤としては、例えば、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などを挙げることができる。
(e)次に、上記方法によって得られた炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品について述べる。
本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、基材であるエラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されている。このことは、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、カーボンナノファイバーによって拘束を受けたエラストマー分子の運動性は、カーボンナノファイバーの拘束を受けない場合に比べて小さくなる。そのため、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より短くなる。特に、金属粒子を含むエラストマーにカーボンナノファイバーを混合した場合には、カーボンナノファイバーを含むエラストマーの場合より、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)が短くなる。なお、架橋体(炭素繊維複合成形品)におけるスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーの混合量に比例して変化する。
また、エラストマー分子がカーボンナノファイバーによって拘束された状態では、以下の理由によって、非ネットワーク成分(非網目鎖成分)は減少すると考えられる。すなわち、カーボンナノファイバーによってエラストマーの分子運動性が全体的に低下すると、非ネットワーク成分は容易に運動できなくなる部分が増えて、ネットワーク成分と同等の挙動をしやすくなること、また、非ネットワーク成分(末端鎖)は動きやすいため、カーボンナノファイバーの活性点に吸着されやすくなること、などの理由によって、非ネットワーク成分は減少すると考えられる。そのため、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より小さくなる。特に、金属粒子を含むエラストマーにカーボンナノファイバーを混合した場合には、カーボンナノファイバーを含むエラストマーの場合より、さらに第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は小さくなる。
以上のことから、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって得られる測定値が以下の範囲にあることが望ましい。
すなわち、未架橋体(炭素繊維複合材料)において、観測核が1H、150℃で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は存在しないか、あるいは1000ないし10000μ秒であり、さらに第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることが好ましい。
また、架橋体(炭素繊維複合成形品)において、観測核が1H、150℃で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし2000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は存在しないか、あるいは1000ないし4000μ秒であり、前記第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.08未満であることが好ましい。
また、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られる測定値が以下の範囲にあることが望ましい。すなわち、カーボンナノファイバー1体積%あたりの架橋体(炭素繊維複合成形品)の150℃で測定したスピン−格子緩和時間(T1)変化量(ΔT1)が、エラストマー単体の場合より1msec以上低下することが好ましく、さらに好ましくは2〜15msec低下することが好ましい。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法により測定されたスピン−格子緩和時間(T1)は、スピン−スピン緩和時間(T2)とともに物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、エラストマーのスピン−格子緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえ、そしてスピン−格子緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、動的粘弾性の温度依存性測定における流動温度が、原料エラストマー単体の流動温度より20℃以上高温であることが好ましい。本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、エラストマーに金属粒子とカーボンナノファイバーとが良好に分散されている。このことは、上述したように、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、エラストマーは、カーボンナノファイバーを含まない場合に比べて、その分子運動が小さくなり、その結果、流動性が低下する。このような流動温度特性を有することにより、本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、動的粘弾性の温度依存性が小さくなり、その結果、優れた耐熱性を有する。
本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、既述したように、エラストマー系材料として用いることができ、金属などの複合材料の原料として用いることができる。カーボンナノファイバーは、通常、相互に絡み合って媒体に分散しにくい性質を有する。しかし、本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品を金属の複合材料の原料として用いると、カーボンナノファイバーがエラストマーに既に分散した状態で存在するので、この原料と金属などの媒体とを混合することでカーボンナノファイバーを媒体に容易に分散することができる。
(f)次に、炭素繊維複合金属材料及び炭素繊維複合金属成形品の鋳造工程について説明する。
炭素繊維複合金属材料の鋳造工程は、上記実施の形態で得られた炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を、例えば金属溶湯に混入して所望の形状を有する鋳型内で鋳造する工程によって実施することができる。このような鋳造工程は、例えば鋼製の鋳型内に金属溶湯を注湯して行う金型鋳造法、ダイカスト法、低圧鋳造法を採用することができる。またその他特殊鋳造法に分類される、高圧化で凝固させる高圧鋳造法、溶湯を攪拌するチクソカスティング、遠心力で溶湯を鋳型内へ鋳込む遠心鋳造法などを採用することができる。これらの鋳造法においては、金属溶湯の中に炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を混合させたまま鋳型内で凝固させ、炭素繊維複合金属材料もしくは炭素繊維複合金属成形品を成形する。なお、この鋳造工程において、炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品のエラストマーは、金属溶湯の熱によって分解され、除去される。
鋳造工程に用いる金属溶湯は、通常の鋳造加工に用いられる金属例えば鉄及びその合金、アルミニウム及びその合金、マグネシウム及びその合金、銅及びその合金、亜鉛及びその合金などから用途に合わせて単独でもしくは組み合わせて適宜選択することができる。また、金属溶湯に用いられる金属は、炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品にあらかじめ混合された金属粒子と同一の金属または同一の金属元素を含む合金とすることで、金属粒子との濡れ性を向上させ、製品である炭素繊維複合金属材料もしくは炭素繊維複合金属成形品における強度を向上させることができる。
本実施の形態では、炭素繊維複合成形品に溶湯を浸透させるいわゆる非加圧浸透法を用いて鋳造する工程について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。
図2及び図3は、非加圧浸透法によって炭素繊維複合金属成形品を製造する装置の概略構成図である。上記実施の形態で得られた炭素繊維複合成形品は、例えば最終製品の形状を有する成形金型内で圧縮成形された炭素繊維複合成形品4を使用することができる。炭素繊維複合成形品4は、架橋されていないことが好ましい。架橋されていないことで、金属溶湯の浸透速度が速くなるためである。図2において、密閉された容器1内には、あらかじめ成形された炭素繊維複合成形品4(例えば架橋されていないエラストマー30に金属粒子例えばアルミニウム粒子50及びカーボンナノファイバー40を混入)が入れられる。その炭素繊維複合成形品4の上方に金属塊例えばアルミニウム塊5を配置される。次に、容器1に内蔵された図示せぬ加熱手段によって、容器1内に配置された炭素繊維複合成形品4及びアルミニウム塊5をアルミニウムの融点以上に加熱する。加熱されたアルミニウム塊5は、溶融してアルミニウム溶湯(金属溶湯)となる。また、アルミニウム溶湯に接触した炭素繊維複合成形品4中のエラストマー30は、分解されて気化し、エラストマー30が分解されてできた空所にアルミニウム溶湯(金属溶湯)が浸透する。
本実施の態様の炭素繊維複合成形品4としては、エラストマー30が分解されてできた空所が毛細管現象によってアルミニウム溶湯をより早く全体に浸透させることができる。アルミニウム溶湯は、還元されることで濡れ性の改善されたアルミニウム粒子50間に毛細管現象によって浸透し炭素繊維複合成形品の内部まで完全にアルミニウム溶湯が満たされる。そして、容器1の加熱手段による加熱を停止させ、混合材料4中に浸透した金属溶湯を冷却・凝固させ、図3に示すようなカーボンナノファイバー40が均一に分散された炭素繊維複合金属成形品6を製造することができる。鋳造工程に用いられる炭素繊維複合成形品4は、あらかじめ鋳造工程で使用される金属溶湯と同じ金属の金属粒子を用いて成形されていることが好ましい。このようにすることで、金属溶湯と金属粒子とが混ざりやすく均質な金属を得られる。
また、容器1を加熱する前に、容器1の室内を容器1に接続された減圧手段2例えば真空ポンプによって脱気してもよい。さらに、容器1に接続された不活性ガス注入手段3例えば窒素ガスボンベから窒素ガスを容器1内に導入してもよい。
金属粒子と金属溶湯に同じアルミニウムを用いた場合、アルミニウム粒子42及びアルミニウム塊5の表面は酸化物で覆われているため、両者の濡れ性がよくないことが知られているが、本実施の形態においては、両者の濡れ性は良好なものとなる。それは、アルミニウム溶湯を浸透させたときに、熱分解されたエラストマーの分子先端はラジカルになり、そのラジカルによってアルミニウム塊5及びアルミニウム粒子42の表面にある酸化物(アルミナ)を還元されると考えられる。したがって、本実施の形態においては、炭素繊維複合成形品に含まれるエラストマーの分解によって内部まで還元雰囲気を生成させることができるので、従来のように還元雰囲気の処理室を用意しなくても非加圧浸透法による鋳造を実施できる。このように、還元されたアルミニウム粒子の表面と、浸透したアルミニウム溶湯の濡れ性は改善され、より均質に一体化した金属材料もしくは金属成形品を得ることができる。また、アルミニウム溶湯の浸透による流動がカーボンナノファイバーをアルミニウム粒子内まで侵入させることになる。さらに、分解されたエラストマー分子のラジカルによってカーボンナノファイバーの表面が活性化して、アルミニウム溶湯との濡れ性が向上する。このようにして得られた炭素繊維複合金属成形品は、アルミニウムのマトリックス内に均一に分散したカーボンナノファイバーを有する。なお、この鋳造工程を不活性雰囲気中で行うことで、アルミニウム溶湯の酸化が防止され、よりアルミニウム粒子との濡れ性がよくなる。
(粉末成形方法)
本実施の形態における炭素繊維複合金属材料または炭素繊維複合金属成形品は、上記工程で得られた炭素繊維複合材料もしくは炭素繊維複合成形品を粉末成形する工程によって得ることができる。具体的には、例えば上記実施の形態で得られた炭素繊維複合材料をそのまま、もしくは他の金属材料とさらに混合した後、型内で圧縮し、金属粒子の焼結温度(例えば金属粒子がアルミニウムの場合550℃)で焼成して炭素繊維複合金属材料を得ることができる。
本実施の形態における炭素繊維複合金属材料または炭素繊維複合金属成形品は、上記工程で得られた炭素繊維複合材料もしくは炭素繊維複合成形品を粉末成形する工程によって得ることができる。具体的には、例えば上記実施の形態で得られた炭素繊維複合材料をそのまま、もしくは他の金属材料とさらに混合した後、型内で圧縮し、金属粒子の焼結温度(例えば金属粒子がアルミニウムの場合550℃)で焼成して炭素繊維複合金属材料を得ることができる。
本実施の形態における粉末成形は、金属の成形加工における粉末成形と同様であり、いわゆる粉末冶金を含み、また粉末原料を用いた場合のみならず、炭素繊維複合材料をあらかじめ予備圧縮成形してブロック状とした原料をも含む。なお、焼結法としては、一般的な焼結法の他、プラズマ焼結装置を用いた放電プラズマ焼結法(SPS)などを採用することができる。
また、炭素繊維複合材料と他の金属材料の粒子との混合は、ドライブレンド、湿式混合などを採用できる。湿式混合の場合、溶剤中の他の金属材料の粒子に対して、炭素繊維複合材料を混ぜる(湿式混合)ことが望ましい。ドライブレンドや湿式混合する際には、粉砕されて粒子状になった炭素繊維複合材料もしくは炭素繊維複合成形品を用いることができるので、金属加工に利用しやすい。
このような粉末成形によって製造された炭素繊維複合金属材料または炭素繊維複合金属成形品は、カーボンナノファイバーをマトリクスとなる金属材料中に分散させた状態で得られる。なお、この工程で用いられる他の金属材料の粒子は、金属粒子と同じ材質でも、違う材質でも良い。金属材料と他の金属粒子との配合割合を調整することで、望ましい物性を有する炭素繊維複合金属材料を製造することができる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1、2)
(1)サンプルの作製
(a)未架橋サンプル(炭素繊維複合材料)の作製
第1の工程:ロール径が6インチのオープンロール(ロール温度10〜20℃)に、表1に示す所定量(100g)の高分子物質(100重量部(phr))を投入して、ロールに巻き付かせた。
(1)サンプルの作製
(a)未架橋サンプル(炭素繊維複合材料)の作製
第1の工程:ロール径が6インチのオープンロール(ロール温度10〜20℃)に、表1に示す所定量(100g)の高分子物質(100重量部(phr))を投入して、ロールに巻き付かせた。
第2の工程:高分子物質に対して表1に示す量(重量部)の金属粒子を高分子物質に投入した。このとき、ロール間隙を1.5mmとした。なお、投入した金属粒子の種類については後述する。
第3の工程:次に、金属粒子を含む高分子物質に対して表1に示す量(重量部)のカーボンナノファイバー(表1では「CNT」と記載する)を高分子物質に投入した。このとき、ロール間隙を1.5mmとした。
第4の工程:カーボンナノファイバーを投入し終わったら、高分子物質とカーボンナノファイバーとの混合物をロールから取り出した。
第5の工程:ロール間隙を1.5mmから0.3mmと狭くして、混合物を投入して薄通しをした。このとき、2本のロールの表面速度比を1.1とした。薄通しは繰り返し10回行った。
第6の工程:ロールを所定の間隙(1.1mm)にセットして、薄通しした混合物を投入し、分出しした。
このようにして、実施例1〜5の未架橋サンプルを得た。また、第2〜第4の工程を省いて、比較例1,2の未架橋サンプルを得た。
(b)架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)の作製
第1〜第5の工程は、未架橋サンプルと同様に行った。
第1〜第5の工程は、未架橋サンプルと同様に行った。
第6の工程:ロールを所定の間隙(1.1mm)にセットして、薄通しした混合物を投入し、さらに所定量の架橋剤(2重量部)を混合物に投入した。その後、この混合物を分出しした。
第7の工程:金型サイズに切り取ったサンプルを金型にセットし、175℃、100kgf/cm2にて、20分間プレス架橋を行った。
このようにして、実施例1〜4の架橋サンプルを得た。また、第2〜第4の工程を省いて、比較例1、2の架橋サンプルを得た。
(c)炭素繊維複合金属成形品の作製
前述の(a)実施例1〜5で得られた未架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)を容器(炉)内に配置させ、アルミニウム塊(地金)をその上に置き、不活性ガス(窒素)雰囲気中でアルミニウムの融点まで加熱した。アルミニウム塊は溶融し、アルミニウム溶湯となり、未架橋サンプルの高分子物質と置換するように金属溶湯が浸透した。アルミニウムの溶湯を浸透させた後、これを自然放冷して凝固させ、炭素繊維複合金属成形品を得た。
前述の(a)実施例1〜5で得られた未架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)を容器(炉)内に配置させ、アルミニウム塊(地金)をその上に置き、不活性ガス(窒素)雰囲気中でアルミニウムの融点まで加熱した。アルミニウム塊は溶融し、アルミニウム溶湯となり、未架橋サンプルの高分子物質と置換するように金属溶湯が浸透した。アルミニウムの溶湯を浸透させた後、これを自然放冷して凝固させ、炭素繊維複合金属成形品を得た。
なお、実施例1〜5の金属粒子としては、アルミニウム粒子(平均粒径:50μm)を用いた。カーボンナノファイバーは、直径(繊維径)が約10〜20nmのものを用いた。
さらに、実施例6として、上記実施例5におけるカーボンナノファイバーの量を2.5重量部とした炭素繊維複合金属成形品(カーボンナノファイバーの含有量は0.4vol%)を得た。実施例7として、上記実施例5におけるカーボンナノファイバーの量を5重量部とした炭素繊維複合金属成形品(カーボンナノファイバーの含有量は0.8vol%)を得た。なお、実施例5の炭素繊維複合金属成形品におけるカーボンナノファイバーの含有量は1.6vol%である。
(2)パルス法NMRを用いた測定
実施例1〜5の各未架橋サンプルおよび架橋サンプルについて、パルス法NMRを用いてハーンエコー法による測定を行った。この測定は、日本電子(株)製「JMN−MU25」を用いて行った。測定は、観測核が1H、共鳴周波数が25MHz、90゜パルス幅が2μsecの条件で行い、ハーンエコー法のパルスシーケンス(90゜x−Pi−180゜x)にて、Piをいろいろ変えて減衰曲線を測定した。また、サンプルは、磁場の適正範囲までサンプル管に挿入して測定した。測定温度は150℃であった。この測定によって、原料エラストマー単体、複合材料の未架橋サンプル及び架橋サンプルの第1スピン−スピン緩和時間(T2n)と、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)と、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)と、を求めた。なお、原料エラストマー単体については、測定温度が30℃の場合における原料エラストマー単体の第1スピン−スピン緩和時間(T2n)についても求めた。複合材料の架橋サンプルについては、カーボンナノファイバー1体積%あたりに換算したスピン−格子緩和時間変化量(ΔT1)を求めた。測定結果を表1に示す。実施例1の未架橋サンプルの第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は4500(μsec)、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.127であった。実施例1の架橋サンプルの第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は3180(μsec)、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.034であった。実施例2〜5における第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は、検出されなかった。従って、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は、0(ゼロ)であった。
実施例1〜5の各未架橋サンプルおよび架橋サンプルについて、パルス法NMRを用いてハーンエコー法による測定を行った。この測定は、日本電子(株)製「JMN−MU25」を用いて行った。測定は、観測核が1H、共鳴周波数が25MHz、90゜パルス幅が2μsecの条件で行い、ハーンエコー法のパルスシーケンス(90゜x−Pi−180゜x)にて、Piをいろいろ変えて減衰曲線を測定した。また、サンプルは、磁場の適正範囲までサンプル管に挿入して測定した。測定温度は150℃であった。この測定によって、原料エラストマー単体、複合材料の未架橋サンプル及び架橋サンプルの第1スピン−スピン緩和時間(T2n)と、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)と、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)と、を求めた。なお、原料エラストマー単体については、測定温度が30℃の場合における原料エラストマー単体の第1スピン−スピン緩和時間(T2n)についても求めた。複合材料の架橋サンプルについては、カーボンナノファイバー1体積%あたりに換算したスピン−格子緩和時間変化量(ΔT1)を求めた。測定結果を表1に示す。実施例1の未架橋サンプルの第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は4500(μsec)、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.127であった。実施例1の架橋サンプルの第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は3180(μsec)、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.034であった。実施例2〜5における第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は、検出されなかった。従って、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は、0(ゼロ)であった。
(3)E’(動的粘弾性率)、TB(引張強度)およびEB(切断伸び)の測定
実施例1〜5の複合材料の架橋サンプルについて、E’、TBおよびEBをJIS K 6521−1993によって測定した。これらの結果を表1に示す。
実施例1〜5の複合材料の架橋サンプルについて、E’、TBおよびEBをJIS K 6521−1993によって測定した。これらの結果を表1に示す。
(4)流動温度の測定
原料エラストマー単体および実施例1〜5の複合材料の架橋サンプルについて、動的粘弾性測定(JIS K 6394)によって流動温度を測定した。具体的には、流動温度は、幅5mm、長さ40mm、厚み1mmのサンプルに正弦振動(±0.1%以下)を与え、これによって発生する応力と位相差δを測定して求めた。このとき、温度は、−70℃から2℃/分の昇温速度で150℃まで変化させた。その結果を表1に示す。なお、表1において、150℃までサンプルの流動現象がみられない場合を「150℃以上」と記載した。
原料エラストマー単体および実施例1〜5の複合材料の架橋サンプルについて、動的粘弾性測定(JIS K 6394)によって流動温度を測定した。具体的には、流動温度は、幅5mm、長さ40mm、厚み1mmのサンプルに正弦振動(±0.1%以下)を与え、これによって発生する応力と位相差δを測定して求めた。このとき、温度は、−70℃から2℃/分の昇温速度で150℃まで変化させた。その結果を表1に示す。なお、表1において、150℃までサンプルの流動現象がみられない場合を「150℃以上」と記載した。
表1から、本発明の実施例1〜5によれば、以下のことが確認された。すなわち、金属粒子及びカーボンナノファイバーを含む未架橋サンプル(炭素繊維複合材料)及びその架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)における150℃でのスピン−スピン緩和時間(T2nおよびT2nn/150℃)は、金属粒子及びカーボンナノファイバーを含まない原料エラストマーの場合に比べて短い。また、金属粒子及びカーボンナノファイバーを含む未架橋サンプル(炭素繊維複合材料)及びその架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)における成分分率(fnn/150℃)は、金属粒子及びカーボンナノファイバーを含まない原料エラストマーの場合に比べて小さい。またさらに、金属粒子及びカーボンナノファイバーを含む未架橋サンプル(炭素繊維複合材料)及びその架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)におけるスピン−格子緩和時間(T1)は、金属粒子及びカーボンナノファイバーを含まない原料エラストマーの場合に比べて変化量(ΔT1)低くい。これらのことから、実施例にかかる炭素繊維複合材料では、カーボンナノファイバーが良く分散されていることがわかる。
このことは、実施例1と比較例2とを比較することによりよくわかる。すなわち、カーボンナノファイバーを含まない比較例2では、未架橋サンプルのスピン−スピン緩和時間(T2nおよびT2nn/150℃)は原料エラストマー単体の場合に比べてあまり差がない。これに対し、本発明の実施例1では、未架橋サンプル(炭素繊維複合材料)のスピン−スピン緩和時間(T2nおよびT2nn/150℃)は原料エラストマー単体の場合に比べてかなり短くなっていることが確認された。また、成分分率(fnn/150℃)についても同様のことが確認された。
架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)については、原料エラストマー単体に比べてスピン−スピン緩和時間(T2nおよびT2nn/150℃)は短くなっていることが確認された。また、成分分率(fnn/150℃)についても同様のことが確認された。また、カーボンナノファイバー1体積%あたりに換算したスピン−格子緩和時間変化量(ΔT1)は、いずれも原料エラストマー単体に比べて低くなっていることが確認された。
また、架橋サンプルを用いたE’、TBおよびEBの結果から、カーボンナノファイバーを含むことにより、本発明の実施例1〜5によれば、切断伸びを維持しながら動的粘弾性率および引張強度が向上し、カーボンナノファイバーにより補強効果が得られることが確認された。このことは、実施例1〜5と比較例1、2とを比較することによりよくわかる。
さらに、金属粒子及びカーボンナノファイバーを含む炭素繊維複合材料(未架橋サンプル)における流動温度は、原料エラストマー単体の場合に比べて20℃以上高いことから、動的粘弾性の温度依存性が小さく、優れた耐熱性を有することがわかる。
また、実施例1〜5の炭素繊維複合金属材料(アルミニウムがマトリックス)を顕微鏡観察した結果、金属顕微鏡における金属成形状態の観察では、ボイドがほとんど観察されず良好(表1の丸印)であり、電子顕微鏡(SEM)におけるカーボンナノファイバーの分散状態の観察では、カーボンナノファイバーの凝集はほとんど観察されず良好(表1の丸印)であった。なお、比較例1及び2においては、カーボンナノファイバーを含まず、鋳造もしていないため、顕微鏡観察を行っていない(表1の横棒)。
図4は、実施例2の炭素繊維複合金属成形品の破断面を撮影したSEM像である。図4における細い繊維状の部分が、直径約10nm〜20nmであってかつ湾曲繊維状のカーボンナノファイバーである。図4に見られるカーボンナノファイバーは、その実際の直径よりも太くなっており、アルミニウムがカーボンナノファイバーの表面を覆っていることがわかる。さらに、アルミニウムに覆われた無数のカーボンナノファイバーは、マトリックスであるアルミニウム中に分散され、ほとんど絡み合っていないことがわかる。この撮影条件は、加速電圧が7.0kVで、倍率が20.0kであった。
(5)最近接距離の測定
実施例5の炭素繊維複合金属成形品の曲げ破断面を電子顕微鏡観察して、カーボンナノファイバー同士の最近接距離を測定した。実際には、図6に示すように、カーボンナノファイバーの周囲はアルミニウムの化合物に覆われて繊維状物となっているので、この繊維状物同士の最近接距離を測定した。この測定結果を実施例5の炭素繊維複合金属成形品におけるカーボンナノファイバーの分散性の評価として、カーボンナノファイバーの最近接距離の分布として図5に示した。カーボンナノファイバーの最近接距離の分布は、平均263nm、標準偏差74.8nmのほぼ正規分布を示した。したがって、カーボンナノファイバーが炭素繊維複合金属成形品中に均一に分散していることが判った。なお、単純にアルミニウム溶湯にカーボンナノファイバーを混入させた場合、最近接距離の測定は困難であり、正規分布は示さない。このカーボンナノファイバーの周囲を覆うアルミニウムの化合物は、アルミニウムの融点である660℃で溶融せず、1100℃でも融解しない物質であった。
実施例5の炭素繊維複合金属成形品の曲げ破断面を電子顕微鏡観察して、カーボンナノファイバー同士の最近接距離を測定した。実際には、図6に示すように、カーボンナノファイバーの周囲はアルミニウムの化合物に覆われて繊維状物となっているので、この繊維状物同士の最近接距離を測定した。この測定結果を実施例5の炭素繊維複合金属成形品におけるカーボンナノファイバーの分散性の評価として、カーボンナノファイバーの最近接距離の分布として図5に示した。カーボンナノファイバーの最近接距離の分布は、平均263nm、標準偏差74.8nmのほぼ正規分布を示した。したがって、カーボンナノファイバーが炭素繊維複合金属成形品中に均一に分散していることが判った。なお、単純にアルミニウム溶湯にカーボンナノファイバーを混入させた場合、最近接距離の測定は困難であり、正規分布は示さない。このカーボンナノファイバーの周囲を覆うアルミニウムの化合物は、アルミニウムの融点である660℃で溶融せず、1100℃でも融解しない物質であった。
(6)圧縮応力と耐力の測定
実施例5,6,7の炭素繊維複合金属成形品サンプルを用いて、圧縮応力と歪の関係と、耐力と、を測定した。その結果を図7と図8に示した。図7において、曲線Aはカーボンナノファイバーを含まないアルミニウム単体であり、曲線Bは実施例6の炭素繊維複合金属成形品、曲線Cは実施例7の炭素繊維複合金属成形品、曲線Dは実施例5の炭素繊維複合金属成形品である。また、図8において、直線Eはカーボンナノファイバーを含まないアルミニウム単体であり、曲線Fは実施例5,6,7の炭素繊維複合金属成形品の耐力値を示す。この結果から、少量のカーボンナノファイバーを含有することで、炭素繊維複合金属成形品の圧縮応力や耐力が向上することがわかった。
実施例5,6,7の炭素繊維複合金属成形品サンプルを用いて、圧縮応力と歪の関係と、耐力と、を測定した。その結果を図7と図8に示した。図7において、曲線Aはカーボンナノファイバーを含まないアルミニウム単体であり、曲線Bは実施例6の炭素繊維複合金属成形品、曲線Cは実施例7の炭素繊維複合金属成形品、曲線Dは実施例5の炭素繊維複合金属成形品である。また、図8において、直線Eはカーボンナノファイバーを含まないアルミニウム単体であり、曲線Fは実施例5,6,7の炭素繊維複合金属成形品の耐力値を示す。この結果から、少量のカーボンナノファイバーを含有することで、炭素繊維複合金属成形品の圧縮応力や耐力が向上することがわかった。
(7)弾性率と内部摩擦の測定
動力学試験法(正弦振動非共振法)によって曲げ試験を行い、弾性率と内部摩擦を測定した。温度と弾性率(E’t/E’30)との関係を図9に示した。また、温度と内部摩擦としての損失係数(tanδ)との関係を図10、図11に示した。図9において、曲線Hが実施例7の炭素繊維複合金属成形品を示し、曲線Gはカーボンナノファイバーを含まないアルミニウム試料を示す。図10、図11において、曲線I、Kが実施例7の炭素繊維複合金属成形品を示し、曲線J、Lはカーボンナノファイバーを含まないアルミニウム試料を示す。なお、図9の曲げ試験は曲げ振幅が10μmであり、図10の曲線I及びJの曲げ試験は曲げ振幅が10μmであり、図11の曲線K及びLの曲げ試験は曲げ振幅が50μmであった。図9〜図11の結果から、炭素繊維複合金属成形品は、アルミニウム単体に比べ温度上昇による弾性率の低下と内部摩擦の増大とが抑制されたことがわかった。チャック間隔は20mm、試料片は幅3mm×厚さ1mm、昇温速度は5℃/分、振動周波数は1Hzであった。
動力学試験法(正弦振動非共振法)によって曲げ試験を行い、弾性率と内部摩擦を測定した。温度と弾性率(E’t/E’30)との関係を図9に示した。また、温度と内部摩擦としての損失係数(tanδ)との関係を図10、図11に示した。図9において、曲線Hが実施例7の炭素繊維複合金属成形品を示し、曲線Gはカーボンナノファイバーを含まないアルミニウム試料を示す。図10、図11において、曲線I、Kが実施例7の炭素繊維複合金属成形品を示し、曲線J、Lはカーボンナノファイバーを含まないアルミニウム試料を示す。なお、図9の曲げ試験は曲げ振幅が10μmであり、図10の曲線I及びJの曲げ試験は曲げ振幅が10μmであり、図11の曲線K及びLの曲げ試験は曲げ振幅が50μmであった。図9〜図11の結果から、炭素繊維複合金属成形品は、アルミニウム単体に比べ温度上昇による弾性率の低下と内部摩擦の増大とが抑制されたことがわかった。チャック間隔は20mm、試料片は幅3mm×厚さ1mm、昇温速度は5℃/分、振動周波数は1Hzであった。
以上のことから、本発明によれば、一般に基材への分散が非常に難しいカーボンナノファイバーがエラストマーに均一に分散されることが明かとなった。特に、カーボンナノファイバーを分散させにくいEPDMにおいて、カーボンナノファイバーを均一に分散させることが明らかとなった。また、金属粒子をエラストマーに混合させることで、カーボンナノファイバー特に30nm以下の細いカーボンナノファイバーや湾曲して絡みやすいカーボンナノファイバーにおいても、十分に分散させることができることが明らかとなった。
1 容器
2 減圧手段
3 注入手段
4 炭素繊維複合成形品
5 アルミニウム塊
6 炭素繊維複合金属成形品
10 第1のロール
20 第2のロール
30 エラストマー
40 カーボンナノファイバー
50 金属粒子
2 減圧手段
3 注入手段
4 炭素繊維複合成形品
5 アルミニウム塊
6 炭素繊維複合金属成形品
10 第1のロール
20 第2のロール
30 エラストマー
40 カーボンナノファイバー
50 金属粒子
Claims (3)
- 金属中にカーボンナノファイバーが分散した炭素繊維複合金属成形品であって、
曲げ破断面におけるカーボンナノファイバーの最近接距離の分布がほぼ正規分布を示す、炭素繊維複合金属成形品。 - 請求項1において、
前記金属は、アルミニウムまたはアルミニウム合金である、炭素繊維複合金属成形品。 - 請求項1または2において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmである、炭素繊維複合金属成形品。
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