JP4217704B2 - ケイ素系複合材料の製造方法 - Google Patents
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Description
前記複合エラストマーを熱処理して、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて炭素系材料を得る工程(b)と、
前記炭素系材料にケイ素を主成分とするマトリクス材料の溶湯を浸透させる工程(c−1)と、
を含む。
前記複合エラストマーを熱処理して、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて炭素系材料を得る工程(b)と、
前記炭素系材料をケイ素を主成分とするマトリクス材料の溶湯中に混合させる工程(c−2)と、
を含む。
前記複合エラストマーを熱処理して、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて炭素系材料を得る工程(b)と、
前記炭素系材料と、ケイ素を主成分とする粒子と、を混合させた後、粉末成形する工程(c−3)と、
を含む。
前記複合エラストマーを熱処理して、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて炭素系材料を得る工程(b)と、
前記炭素系材料を粉末成形する工程(c−4)と、
を含む。
エラストマーは、分子量が好ましくは5000ないし500万、さらに好ましくは2万ないし300万である。エラストマーの分子量がこの範囲であると、エラストマー分子が互いに絡み合い、相互につながっているので、エラストマーは、凝集したカーボンナノファイバーの相互に侵入しやすく、したがってカーボンナノファイバー同士を分離する効果が大きい。エラストマーの分子量が5000より小さいと、エラストマー分子が相互に充分に絡み合うことができず、後の工程で剪断力をかけてもカーボンナノファイバーを分散させる効果が小さくなる。また、エラストマーの分子量が500万より大きいと、エラストマーが固くなりすぎて加工が困難となる。
本実施の形態に用いられるカーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmであることが好ましいく、ケイ素系複合材料の強度を向上させるためには0.5ないし30nmであることがさらに好ましい。さらに、カーボンナノファイバーは、ストレート繊維状であっても、湾曲繊維状であってもよい。
前記工程(a)は、オープンロール法、密閉式混練法、多軸押出し混練法、などを用いて行うことができる。本実施の形態では、エラストマーにカーボンナノファイバーを混合させる工程として、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いた例について述べる。
本実施の形態の複合エラストマーは、基材であるエラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されている。このことは、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、カーボンナノファイバーによって拘束を受けたエラストマー分子の運動性は、カーボンナノファイバーの拘束を受けない場合に比べて小さくなる。そのため、本実施の形態にかかる複合エラストマーの第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より短くなる。
工程(b)によって、表面が活性化された炭素系材料を製造することができる。このような熱処理は、使用されるエラストマーの種類によって種々の条件を選択することができるが、少なくとも熱処理温度は、エラストマーの分解気化する温度以上であって、かつカーボンナノファイバーが分解気化する温度よりも低い温度に設定される。複合エラストマーは、架橋されていないことが好ましい。
工程(c)としては、
(c−1)工程(b)で得られた炭素系材料に、ケイ素を主成分とするマトリクス材料の溶湯を浸透させる方法、
(c−2)工程(b)で得られた炭素系材料をケイ素を主成分とするマトリクス材料の溶湯中に混合させる方法、
(c−3)工程(b)で得られた炭素系材料と、ケイ素を主成分とする粒子と、を混合させた後、粉末成形する方法、
(c−4)工程(b)で得られた炭素系材料を粉末成形する方法、などを採用することができる。
本実施の形態では、炭素系材料にケイ素を主成分とするマトリクス材料の溶湯を浸透させるいわゆる非加圧浸透法を用いて鋳造する工程について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。
本実施の形態にかかるケイ素系複合材料の鋳造工程は、上記工程(b)で得られた炭素系材料を、マトリクス材料の溶湯例えば金属溶湯に混入して所望の形状を有する鋳型内で鋳造する工程によって実施することができる。このような鋳造工程は、例えば鋼製の鋳型内にケイ素を主成分とする溶湯を注湯して行う金型鋳造法、ダイカスト法、低圧鋳造法を採用することができる。またその他特殊鋳造法に分類される、高圧化で凝固させる高圧鋳造法、溶湯を攪拌するチクソカスティング、遠心力で溶湯を鋳型内へ鋳込む遠心鋳造法などを採用することができる。これらの鋳造法においては、ケイ素を主成分とする溶湯の中に炭素系材料を混合させたまま鋳型内で凝固させ、ケイ素系複合材料を成形する。
本実施の形態にかかるケイ素系複合材料の粉末成形工程(c−3)は、上記工程(b)で得られた炭素系材料と、ケイ素を主成分とする粒子と、を混合させた後、粉末成形する工程によって実施することができる。具体的には、上記工程(b)で得られた炭素系材料を粉砕し、ドライブレンド、湿式混合などで粉砕された炭素系材料とケイ素を主成分とする粒子とを混合させ、得られた混合粉を型内で圧縮し、ケイ素を主成分とする粒子の焼結温度で焼成してケイ素系複合材料を得ることができる。湿式混合の場合、溶剤中のケイ素を主成分とする粒子に対して、炭素系材料を混ぜる(湿式混合)ことができる。なお、この工程(c−3)で用いられるマトリクス材料は、炭素系材料に含まれるケイ素を主成分とする粒子との配合割合を調整することで、望ましい物性を有するケイ素系複合材料を製造することができる。
本実施の形態にかかるケイ素系複合材料の粉末成形工程(c−4)は、上記工程(b)で得られた炭素系材料を粉末成形する工程によって実施することができる。具体的には、例えば上記工程(a)において、予めケイ素系複合材料のマトリクスとなるケイ素を主成分とする粒子をエラストマー中に混合しておき、工程(b)で得られた炭素系材料を型内で圧縮し、ケイ素を主成分とする粒子の焼結温度で焼成してケイ素系複合材料を得ることができる。
工程(c)によって得られたケイ素系複合材料は、ケイ素を主成分とするマトリクス中にカーボンナノファイバーを含むケイ素系複合材料であって、カーボンナノファイバーの周囲に非晶質の周辺相を含む。この周辺相は、工程(c)における雰囲気ガスに含まれる元素と、マトリクス材料に含まれるケイ素と、を含む非晶質の周辺相として形成される。例えば、工程(c)における雰囲気ガスに窒素ガスを用いた場合は、ケイ素を主成分とするマトリクス中に、均一に分散されたカーボンナノファイバーと、該カーボンナノファイバーの周囲に形成された周辺相と、を含み、前記周辺相は、少なくともケイ素と窒素とを含み、例えば、雰囲気ガスに酸素が含まれていた場合は、周辺相はケイ素と窒素と酸素とを含む。また、例えば、工程(c)において、マトリクス材料にケイ素、雰囲気ガスに酸素を少量含む窒素ガスを用いた場合、周辺相はケイ素、窒素及び酸素からなる非晶質相が形成される。ケイ素系複合材料における周辺相の割合は、工程(c)における雰囲気ガスの流量や熱処理時間によって調整することができる。特に、周辺相は、主な構成元素がマトリクス材料と同じケイ素であり、ケイ素を主成分とするマトリクス材料の結晶質相との濡れ性が良好である。なお、周辺相は、完全な非晶質相で構成されなくてもよく、部分的に例えば窒化ケイ素からなる結晶質相を含んでもよい。
2 減圧手段
3 注入手段
4 複合エラストマー
5 ケイ素塊
6 ケイ素系複合材料
10 第1のロール
20 第2のロール
30 エラストマー
40 カーボンナノファイバー
50 ケイ素粒子
Claims (6)
- エラストマーに、カーボンナノファイバーを混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
前記複合エラストマーを熱処理して、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて炭素系材料を得る工程(b)と、
前記炭素系材料にケイ素を主成分とするマトリクス材料の溶湯を浸透させる工程(c−1)と、
を含む、ケイ素系複合材料の製造方法。 - エラストマーに、カーボンナノファイバーを混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
前記複合エラストマーを熱処理して、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて炭素系材料を得る工程(b)と、
前記炭素系材料をケイ素を主成分とするマトリクス材料の溶湯中に混合させる工程(c−2)と、
を含む、ケイ素系複合材料の製造方法。 - エラストマーに、カーボンナノファイバーを混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
前記複合エラストマーを熱処理して、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて炭素系材料を得る工程(b)と、
前記炭素系材料と、ケイ素を主成分とする粒子と、を混合させた後、粉末成形する工程(c−3)と、
を含む、ケイ素系複合材料の製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記工程(a)は、前記エラストマーに、ケイ素を主成分とする粒子を混合させる工程を含む、ケイ素系複合材料の製造方法。 - エラストマーに、ケイ素を主成分とする粒子と、カーボンナノファイバーと、を混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
前記複合エラストマーを熱処理して、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて炭素系材料を得る工程(b)と、
前記炭素系材料を粉末成形する工程(c−4)と、
を含む、ケイ素系複合材料の製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
前記エラストマーは、前記カーボンナノファイバーに対して親和性を有する不飽和結合または基を少なくともひとつ有する、ケイ素系複合材料の製造方法。
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