JP2009120930A - 溶鋼の脱酸方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転炉での溶銑の脱炭精錬により得た溶鋼を脱酸するにあたり、MnOの発生が少なく、しかも、溶鋼への窒素吸収を抑制することができ、その上に従来に比較して製造コストを削減することのできる脱酸方法を提供する。
【解決手段】 上記課題は、転炉から取鍋に出鋼した溶鋼に、最初に、アルミドロスを、アルミドロスによる脱酸後にも溶存酸素が残留するように添加量を調整して添加し、次に、Mn、またはMn及びSiの同時添加、若しくはMnからSiの順に添加し、最後に金属Alを添加して溶鋼を脱酸することにより解決される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、溶鋼の脱酸方法に関し、詳しくは転炉での溶銑の脱炭精錬により得た溶鋼の脱酸方法に関するものである。
高炉−転炉を有する銑鋼一貫製鉄所では、高炉から出銑された溶銑を転炉に装入し、転炉内の溶銑に酸素ガスを供給して溶銑を酸化精錬し、この酸化精錬によって溶銑中炭素を酸化・除去して溶鋼を得ている。従って、転炉で製造された溶鋼には、0.04〜0.06質量%程度の溶存酸素が存在する。ここで溶存酸素とは、溶鋼中や固体の鋼中に溶解した酸素である。
大量の溶存酸素が存在した状態のままで溶鋼を凝固させると、溶鋼の温度低下による溶存酸素溶解量の減少、及び、液体から固体への相変態による溶存酸素溶解量の減少に伴って、溶存酸素は溶鋼中の炭素と激しく反応してCOガスを生成し、所謂リミングアクションを起こす。かつて、薄鋼板は、リミングアクションで形成される鋼塊表層部のリム層による鋼板表面の綺麗さを求めて、実質的に脱酸しないリムド鋼で運用されていたが、リムド鋼の内部には多数の酸化物系非金属介在物が存在するために、強加工を施すと薄鋼板に割れが発生するという問題があった。また、リムド鋼は連続鋳造では鋳造できないことから、連続鋳造法の発展によってリムド鋼からキルド鋼への代替が行われ、現在では、溶存酸素を低下するべく、大半の溶鋼に対して脱酸剤の添加による脱酸が行われている。
この脱酸剤としては、通常、Al、Si及びMnの3種類の脱酸剤が使用されているが、鋼の性質上からはSiの添加を必要としない熱間圧延軟鋼板(JIS:SPHCなど)や冷間圧延鋼板(JIS:SPCCなど)などでは、Al及びMnの2種類の脱酸剤が使用されている。これら脱酸剤の添加方法つまり添加順序や添加時期に関して、種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、Al、Si及びMnの3種類の脱酸剤を用いて溶鋼を脱酸するにあたり、脱酸力の弱い順序、つまりMn→Si→Alで添加することが提案されている。特許文献1によれば、脱酸力の弱い順序で脱酸すると、脱酸生成物は複数の酸化物の大きなかたまりとなり、溶鋼中で浮きやすく、鋼中の酸化物系非金属介在物を減少できるとしている。特許文献2には、転炉からの出鋼時にSi及びMnのみを投入し、Alは二次精錬工程で投入するSi−Alキルド鋼の製造方法が提案されている。これは脱酸処理の初期にSi及びMnを投入して低融点酸化物を生成させ、浮上させやすくするという目的であり、基本的な考え方は、上記の特許文献1と同じである。
特許文献3には、溶鋼への窒素吸収防止のために、転炉から取鍋への出鋼時、Mnを先ず投入し、溶鋼の60%が出鋼された後にAlの取鍋内への投入を開始し、溶鋼の90%が出鋼されるまでにAlの投入を終了する脱酸方法が提案されている。また、特許文献4には、Mnの酸化により生成するMnOによる溶鋼の清浄性の劣化を防止するために、転炉からの出鋼時、Al、Si、Mnの3種類の脱酸剤の投入順序を、最初にSi、次にAl、または、Si、Alの同時添加に続いて最後にMnとする出鋼時の脱酸方法が提案されている。
特開昭54−94422号公報 特開昭57−2819号公報 特開平1−123018号公報 特開平9−41023号公報
しかしながら、上記従来技術にはそれぞれ以下の問題点がある。
Al、Si及びMnの3種類またはAl及びMnの2種類の脱酸剤を用いて溶鋼を脱酸するにあたり、Mnを最初に添加する特許文献1,2,3では、大量のMnOが生成され、このMnOは溶鋼上のスラグに吸収される。MnOは、Mnよりも酸素との親和力の強いAl、Siによって還元され、Al23及びSiO2を形成する。つまり、スラグ中に大量のMnOが存在すると、スラグ中のMnOはAl添加による脱酸後、溶鋼中のAlと反応して溶鋼中にAl23を形成し、溶鋼の清浄性を劣化させる。従って、特許文献1,2,3では、清浄性に優れた溶鋼を得ることができないという問題点がある。
特許文献4では、最初にSi、次にAl、またはSi、Alの同時添加に続いて最後にMnを添加し、しかも、脱酸終了後に溶鋼中に0.010質量%以下のAlが残留するようにAlを添加するので、MnOの生成は極めて少なく、上記のMnOによる清浄性の劣化は回避される。しかしながら、0.010質量%程度のAlが残留するようにAlを最初に添加した場合には、出鋼時の溶鋼の酸素ポテンシャルは低く、溶鋼への窒素吸収が発生し、低窒素鋼が得られない、或いは、低窒素鋼を得るためには真空脱ガス処理時間を延長させなければならないなどの問題点がある。また、高価なSi及びAlの酸化ロスが大きく、製造コストが高いという問題点もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、転炉での溶銑の脱炭精錬により得た溶鋼を脱酸するにあたり、MnOの発生量が少なく、しかも、溶鋼への窒素吸収を抑制することができ、その上に従来に比較して製造コストを削減することのできる、溶鋼の脱酸方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る溶鋼の脱酸方法は、転炉から取鍋に出鋼した溶鋼に、最初に、アルミドロスを、アルミドロスによる脱酸後にも溶存酸素が残留するように添加量を調整して添加し、次に、Mn、またはMn及びSiの同時添加、若しくはMnからSiの順に添加し、最後に金属Alを添加して溶鋼を脱酸することを特徴とするものである。
第2の発明に係る溶鋼の脱酸方法は、第1の発明において、前記アルミドロスは金属Alを40〜60質量%含有し、該アルミドロスを溶鋼1トンあたり0.2kg以上0.6kg以下の範囲で添加することを特徴とするものである。
本発明によれば、アルミドロスで予備的に脱酸し、次いで、Mn、または、Mn及びSiで脱酸し、最後に金属Alで脱酸するので、Mnの酸化量は少なく抑えられ、生成するMnOによる溶鋼の清浄性の低下が防止される。また、アルミドロスによる脱酸後にも溶鋼中には溶存酸素が残留するので、大気からの溶鋼への窒素の吸収が抑制されるとともに、アルミドロスは窒化アルミニウムを含有するが、アルミドロスの添加量が制限されるので、アルミドロス中の窒化アルミニウムによる溶鋼の窒素ピックアップが抑えられ、これらにより、低窒素鋼を得ることが可能になる。
また更に、アルミドロスで予備的に脱酸するので、続いて添加するMn、Si及び金属Alの酸化が抑制され、これらを高い添加歩留りで添加することが可能となる上に、アルミドロスはAl純分あたりの価格が金属Alに比較して格段に安価であることから、前述した特許文献4に示すMnOの発生を防止した従来の脱酸方法のみならず、特許文献1に示す従来の脱酸方法に比較しても、製造コストを大幅に低減させることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
高炉から出銑された溶銑を転炉に装入し、上吹きランスまたは底吹き羽口から酸素ガスを溶銑に供給して溶銑の酸化精錬、つまり脱炭精錬を実施して溶鋼を得る。この脱炭精錬によって、脱炭精錬終了後の溶鋼には、0.04〜0.06質量%程度の溶存酸素が生成される。
本発明に係る溶鋼の脱酸方法は、この溶鋼から溶存酸素を除去するための脱酸方法に関するものであり、転炉から取鍋に出鋼した溶鋼に、最初に、アルミドロスを、アルミドロスによる脱酸後にも溶存酸素が残留するように、添加量を調整して添加し、次に、Mn、またはMn及びSiの同時添加、若しくはMnからSiの順に添加し、最後に金属Alを添加して溶鋼を脱酸することを特徴とする。
鋼には、Sによる熱間脆性を無害化する或いは鋼の強度を高めるために、合金成分としてMnが添加される。また、構造用圧延鋼材などの高強度を必要とする鋼では、Mnのみでは強度が不足することからSiも添加される。本発明の対象鋼種としては、0.005質量%以上の溶解したAl(「sol.Al」とも呼ぶ)を含有するAl脱酸鋼である限り、Si含有の有無は問わず、本発明の対象鋼種となる。尚、一般に、これら鋼種のうちでSiを含有しないものはAlキルド鋼と呼ばれ、Siを含有するものはSi−Alキルド鋼と呼ばれている。
本発明において使用する脱酸剤は、Alキルド鋼を溶製する場合には、アルミドロス、高炭素フェロマンガン(FMnH)などのMn成分調整用のFe−Mn合金、及び金属Alの3種類であり、Si−Alキルド鋼を溶製する場合には、アルミドロス、高炭素フェロマンガン(FMnH)などのMn成分調整用のFe−Mn合金、フェロシリコン(FSi)などのSi成分調整用のFe−Si合金、及び金属Alの4種類である。
尚、Mn及びSiの双方を含有するシリコマンガン(SiMn)も使用可能であるが、Siを含有しない鋼には使用できないので、Si−Alキルド鋼を溶製する場合にのみ使用可能である。シリコマンガンは、Fe−Mn合金またはFe−Si合金の代替となるが、シリコマンガンのみでMn及びSiの双方を調整することは一般的には困難であるので、調整できない方の成分は更にFe−Mn合金またはFe−Si合金を使用して調整することになり、この場合も使用する脱酸剤は4種類となる。つまり、アルミドロス、Mn成分調整用の脱酸剤、Si成分調整用の脱酸剤及び金属Alの4種類である。シリコマンガンは、溶製する鋼の化学成分に応じて、Mn成分調整用の脱酸剤となったり、Si成分調整用の脱酸剤となったりする。
ここで、アルミドロスとは、各種飲料用アルミ缶や、アルミサッシ、門扉、フェンス、梯子などの建築材料、或いは自動車用アルミホイールなどを再利用するべく再溶解する際に、溶解したAlが空気中の酸素と反応して生成するものであり、酸化アルミニウムを主成分とするが、10〜60質量%の金属Alを含有するとともに、空気中の窒素と反応して生成する窒化アルミニウムも含有するものである。本発明において脱酸剤として使用するアルミドロスは、金属Alを40〜60質量%含有するものが好適である。金属Alの含有量が40質量%未満では、添加時の発塵が多くなる、溶鋼中酸素との反応性に劣る、スラグ発生量が多くなるなどの弊害があり、好ましくない。
本発明においては、Alキルド鋼を溶製する場合も、またSi−Alキルド鋼を溶製する場合も、転炉から取鍋への出鋼中に、最初にアルミドロスを脱酸剤として取鍋内の溶鋼に添加する。アルミドロスの添加量は、取鍋内の溶鋼を完全に脱酸する、つまり、溶鋼中の溶存酸素を実質的にゼロとすることがないように調整する。Alと酸素との反応は「2Al+3O→Al23」で表されるので、化学量論的には添加したAl量に0.89を乗算した当量分の酸素量が除去されることになるが、反応効率は100%ではないので、これよりも少なくなる。
溶鋼中の溶存酸素濃度は前述したように0.04〜0.06質量%であるので、アルミドロスを添加する前の溶鋼の溶存酸素濃度と、アルミドロスの金属Al含有量とに基づいて、溶鋼中の溶存酸素がゼロにならないようにアルミドロスの添加量を設定すればよい。
アルミニウムドロスの添加時期は特に規定する必要はないが、一括投入する場合には、溶鋼中の溶存酸素が一時でもゼロにならないようにするために、出鋼すべき溶鋼量の1/3以上が取鍋内に出鋼された時点以降とすることが好ましい。金属Alの含有量が40〜60質量%のアルミドロスを使用した場合に、アルミドロスの添加量を溶鋼1トンあたり0.2kg以上0.6kg以下の範囲とすれば、ほぼこの条件を満足することができる。但し、溶鋼の溶存酸素濃度に応じてアルミドロスの好ましい添加範囲がこの範囲を外れることもあるので、脱酸処理の都度、溶鋼の溶存酸素濃度を測定し、測定した溶存酸素濃度からアルミドロスの添加量を設定することが好ましい。
アルミドロスを連続して添加する場合には、上記に拘わらず、溶鋼中の溶存酸素の1/3〜1/2当量程度に相当するAlが、アルミドロス中の金属Alによって連続的に添加されるように、アルミドロスの添加量を設定すればよい。
アルミドロスの添加後の出鋼中に他の脱酸剤を添加する必要があるので、一括投入する場合もまた連続的に投入する場合も、取鍋内に出鋼すべき溶鋼量の1/2が出鋼される以前にアルミドロスの添加を完了することが好ましい。
アルミドロスの投入完了後、Alキルド鋼を溶製する場合も、またSi−Alキルド鋼を溶製する場合も、転炉から取鍋への出鋼中に、Mn成分調整用の脱酸剤を取鍋内の溶鋼に添加する。Mn成分調整用の脱酸剤としては、高炭素フェロマンガンなどのFe−Mn合金を使用する。Si−Alキルド鋼を溶製する場合には、Mn及びSiの双方を含有するシリコマンガンもMn成分調整用の脱酸剤として使用可能である。
Si−Alキルド鋼を溶製する場合には、Mn成分調整用の脱酸剤の投入後、または、投入と同時に、転炉から取鍋への出鋼中に、Si成分調整用の脱酸剤を更に取鍋内の溶鋼に添加する。Si成分調整用の脱酸剤としてはフェロシリコンを使用する。前述のシリコマンガンもSi成分調整用の脱酸剤として使用可能である。
Mn成分調整用の脱酸剤及びSi成分調整用の脱酸剤の添加量は、溶鋼中のMn濃度及びSi濃度が、溶製している鋼の成分規格の範囲内となるのに十分な量とする。当然ながら、成分規格以上になると所定の機械的特性が得られないので、成分規格の上限値以下とする。
Mn成分調整用の脱酸剤及びSi成分調整用の脱酸剤の添加が完了した以降、金属Alを添加して溶鋼の脱酸を仕上げる。この金属Alの添加時期は、転炉からの出鋼中でもよく、また、次工程にRH真空脱ガス装置などによる二次精錬工程がある場合には、二次精錬工程中でもよい。金属Alの添加量は、溶鋼中に溶解したAlが0.005質量%以上であって当該鋼種の成分規格を満足するのに十分な量とする。二次精錬工程を必須とする鋼の場合には、金属Alの歩留りが高くなる、窒素のピックアップが少なくなるなどの理由から、金属Alは二次精錬工程で添加する方が好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、Alキルド鋼またはSi−Alキルド鋼を溶製する場合に、アルミドロスで予備的に脱酸し、次いで、Mn、または、Mn及びSiで脱酸し、最後に金属Alで脱酸するので、Mn成分調整用の脱酸剤の酸化量は少なく抑えられ、スラグ中に吸収されたMnOによる溶鋼の清浄性の低下が防止される。
また、アルミドロスによる脱酸は溶鋼を完全に脱酸するわけではなくアルミドロスによる脱酸後にも溶鋼中には溶存酸素が残留するので、大気からの溶鋼への窒素の吸収が抑制されるとともに、アルミドロスは窒化アルミニウムを含有するが、アルミドロスの添加量が制限されるので、アルミドロス中の窒化アルミニウムによる溶鋼の窒素ピックアップが抑えられ、これらにより、低窒素鋼を得ることが可能になる。
また更に、アルミドロスで予備的に脱酸するので、Mn成分調整用の脱酸剤、Si成分調整用の脱酸剤及び金属Alの酸化が抑制され、これらの脱酸剤を高い添加歩留りで添加することができるのみならず、アルミドロスはAl純分あたりの価格が金属Alに比較して格段に安価であり、従って、従来の脱酸方法に比較して製造コストを大幅に低減させることができる。
低炭素Alキルド鋼を溶製する際に本発明方法を適用した。溶製対象としたAlキルド鋼の化学成分規格は、C:0.03〜0.06質量%、Mn:0.3〜0.4質量%、sol.Al:0.03〜0.05質量%である。
溶銑の脱炭精錬によって得た、溶存酸素濃度が0.04〜0.06質量%である300トンの溶鋼を転炉から取鍋へ出鋼する際に、先ず、金属Alを50質量%含有するアルミドロスを、100トンの溶鋼を出鋼した時点で、溶鋼1トンあたり0.4kg一括投入し、次いで、Mn成分調整用の脱酸剤として高炭素フェロマンガンを投入し、高炭素フェロマンガンの投入完了後に金属Alを投入して脱酸した(本発明例)。脱酸した溶鋼を連続鋳造設備に搬送し、溶鋼を連続鋳造してスラブ鋳片とした。化学分析によりスラブ鋳片の窒素量を調査するとともに、スラブ鋳片から切出した試料の顕微鏡観察により鋳片の酸化物系非金属介在物量を調査した。
また、比較のために、本発明例における金属Alの代わりにアルミドロスを用いて仕上げ脱酸した操業(比較例1)、アルミドロスを使用せずに最初に高炭素フェロマンガンを投入し、高炭素フェロマンガンの投入後に金属Alを投入して脱酸した操業(比較例2)、及び、アルミドロスを使用せずに最初に金属Alを投入し、金属Alの投入後に高炭素フェロマンガンを投入して脱酸した操業(比較例3)も実施した。比較例1〜3もスラブ鋳片の窒素量及び酸化物系非金属介在物量の調査を実施した。表1に本発明例及び比較例1〜3における操業結果を示す。
Figure 2009120930
表1に示すように、比較例1は、製造コストは安価であるが、アルミドロスに含有される窒化アルミニウムによって窒素濃度がピックアップするという問題があった。比較例2は、MnOの発生量が多く、それに起因して鋳片の酸化物系非金属介在物が多くなり、清浄性が良くないという問題点があった。比較例3は、出鋼時の大気からの窒素のピックアップが激しく、鋳片の窒素濃度が高くなるという問題点があった。また、金属Alの酸化ロス量が多く、製造コストが上昇するという問題点もあった。
これらに対して本発明例では、鋳片の窒素量及び酸化物系非金属介在物量は少なく、何ら問題はなく、更に製造コストを削減できることが確認できた。

Claims (2)

  1. 転炉から取鍋に出鋼した溶鋼に、最初に、アルミドロスを、アルミドロスによる脱酸後にも溶存酸素が残留するように添加量を調整して添加し、次に、Mn、またはMn及びSiの同時添加、若しくはMnからSiの順に添加し、最後に金属Alを添加して溶鋼を脱酸することを特徴とする、溶鋼の脱酸方法。
  2. 前記アルミドロスは金属Alを40〜60質量%含有し、該アルミドロスを溶鋼1トンあたり0.2kg以上0.6kg以下の範囲で添加することを特徴とする、請求項1に記載の溶鋼の脱酸方法。
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