JP2009120747A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】屈折率が高く、しかも軟化点が50〜80℃であることにより作業性に優れた、光半導体封止材を始めとした光学用途に適したエポキシ樹脂を提供すること。
【解決手段】特定のビスフェノールフルオレンと特定のビスフェノールフルオレンのエチレンオキサイド付加物とを特定の割合で混合し、この混合物とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られた軟化点が50〜80であるエポキシ樹脂を用いて、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤を配合する。
【選択図】なし
【解決手段】特定のビスフェノールフルオレンと特定のビスフェノールフルオレンのエチレンオキサイド付加物とを特定の割合で混合し、この混合物とエピハロヒドリンとを反応させることにより得られた軟化点が50〜80であるエポキシ樹脂を用いて、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤を配合する。
【選択図】なし
Description
本発明は屈折率が高く、しかも作業性に優れたエポキシ樹脂に関する。
従来、バックライト、表示板、ディスプレイ、各種インジケーター等に使用されている発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子は透明樹脂による封止が一般的であり、使用される樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂を主剤としこれに硬化剤として酸無水物を用いたものが耐熱性、機械的強度、電気特性等に優れることから多用されている。
また特に高輝度タイプのLEDでは、光取り出し効率を高めるために屈折率の高い材料が求められるケースも増えてきている。屈折率の高いエポキシ樹脂としてはビスフェノールフルオレン骨格を有するものが知られている。しかしながら、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルの場合、融点が約150℃と高いため組成物として他の成分と均一に混練しにくい。また、過冷却により軟化点80℃以上の樹脂を形成することもできるが、高結晶性を有するため、樹脂を形成する条件が非常に厳しいといった問題がある。この問題を解決するためにビスフェノールフルオレンの水酸基にエチレンオキサイド付加させたもののエポキシ化物も知られている(特許文献1)が、こちらの場合は通常軟化点が50℃以下と低く、べたつきやすいため作業性に問題がある。
本発明者らはこうした実状に鑑み、高屈折率でしかも結晶性が低く尚且つ軟化点が50〜80℃と扱い易いエポキシ樹脂を求めて鋭意研究した結果、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は
(1)下記式(1)
(1)下記式(1)
で表される化合物と下記式(2)
で表される化合物の混合物と、エピハロヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂、
(2)軟化点が50〜80℃である前記(1)に記載のエポキシ樹脂、
(3)前記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
(4)硬化促進剤を含有する前記(3)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(5)無機充填剤を含有する前記(3)又は(4)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(6)前記(3)乃至(5)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物を含む光半導体装置、
(7)(1)に記載のエポキシ樹脂の製造方法、
を提供するものである。
(2)軟化点が50〜80℃である前記(1)に記載のエポキシ樹脂、
(3)前記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
(4)硬化促進剤を含有する前記(3)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(5)無機充填剤を含有する前記(3)又は(4)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(6)前記(3)乃至(5)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物を含む光半導体装置、
(7)(1)に記載のエポキシ樹脂の製造方法、
を提供するものである。
本発明のエポキシ樹脂は屈折率が高く、しかも非結晶性で軟化点50〜80℃の固体であるため、高輝度光半導体封止用コンパウンドの原料として好適である。
本発明のエポキシ樹脂は、原料として使用されるフルオレン骨格を含有する化合物である前記式(1)で表されるビスフェノールフルオレン(以下「化合物(1)」と記載する)及び前記式(2)であらわされるビスフェノールフルオレンのエチレンオキサイド付加物(以下「化合物(2)」と記載する)の混合物を、アルカリ金属水酸化物の存在下でエピハロヒドリンによりエポキシ化することにより得ることが出来る。尚、化合物(1)はBPF(商品名/大阪ガス株式会社製)として、化合物(2)はBPEF(商品名/大阪ガス株式会社製)としてそれぞれ市場より入手することが出来る。
本発明のエポキシ樹脂を合成する際に用いる化合物(1)と化合物(2)の配合割合は、本発明の目的を損なわない範囲で選択される。本発明の目的は、化合物(1)と化合物(2)のそれぞれ単独のエポキシ化物が有する作業性上の欠点を改善することにある。従って、本発明の製造方法において、例えば化合物(1)に対する化合物(2)の配合割合が少なすぎる場合には、合成によって得られるエポキシ樹脂の結晶性が解消されないことや、逆に化合物(1)に対する化合物(2)の配合割合が少なすぎる場合には、合成によって得られるエポキシ樹脂が常温固形にならないことで、本発明の目的が達せられない可能性がある。このような理由から、本発明のエポキシ樹脂を合成する際に用いる化合物(1)と化合物(2)の配合割合(質量比)は、通常5:95〜95:5であり、好ましくは10:90〜75:25である。
また、本発明のエポキシ樹脂を硬化剤等の成分と配合して組成物とする場合、特に常温固体の樹脂組成物とする場合においては作業性の面から溶融粘度の低いものが好まれ、溶融粘度と相関関係を有する物性値である軟化点が50〜80℃のエポキシ樹脂が好ましく用いられる。本発明のエポキシ樹脂の軟化点がこの範囲に入るためには、化合物(1)と化合物(2)の配合割合(質量比)が25:75〜75:25である必要がある。
尚、本発明おける「結晶性を有さないエポキシ樹脂」は、「溶融状態から徐冷しても結晶が析出しないエポキシ樹脂」によって定義されるエポキシ樹脂である。
また、本発明のエポキシ樹脂を硬化剤等の成分と配合して組成物とする場合、特に常温固体の樹脂組成物とする場合においては作業性の面から溶融粘度の低いものが好まれ、溶融粘度と相関関係を有する物性値である軟化点が50〜80℃のエポキシ樹脂が好ましく用いられる。本発明のエポキシ樹脂の軟化点がこの範囲に入るためには、化合物(1)と化合物(2)の配合割合(質量比)が25:75〜75:25である必要がある。
尚、本発明おける「結晶性を有さないエポキシ樹脂」は、「溶融状態から徐冷しても結晶が析出しないエポキシ樹脂」によって定義されるエポキシ樹脂である。
本発明のエポキシ樹脂は、化合物(1)及び化合物(2)をそれぞれ単独でエポキシ化し、その後両者を均一に混合することでも得られるが、化合物(1)のエポキシ化物は結晶性が高く約150℃の融点を有することから混合の際に融点以上まで加熱する必要があるため設備的及びエネルギー的な負荷が大きく、また一方で、化合物(2)のエポキシ化物は常温半固形で扱い難いことから、あらかじめ化合物(1)及び化合物(2)を混合してエポキシ化する本発明の製造方法が好ましい。
本発明において、エピハロヒドリンとしてはエピクロロヒドリンやエピブロモヒドリンを用いることが出来る。エピハロヒドリンの量は化合物(1)及び化合物(2)の混合物中の水酸基1モルに対して通常2〜15モル、好ましくは3〜12モルである。
アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、固体のままでも、その水溶液を使用しても良い。アルカリ金属水酸化物の水溶液を使用する場合は該水溶液を連続的に反応系内に添加すると同時に、減圧下または常圧下で留出させた水及びエピハロヒドリンの混合液から分液により水を除去し、エピハロヒドリンのみを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量は化合物(1)及び化合物(2)の混合物中の水酸基1モルに対して通常1.0〜2.0モルであり、好ましくは1.05〜1.8モルである。反応温度は通常20〜110℃であり、好ましくは25〜100℃である。反応時間は通常0.5〜15時間であり、好ましくは1〜10時間である。
ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどの非プロトン性極性溶媒を添加することは反応を促進させる上で好ましい。非プロトン性極性溶媒を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対して通常10〜150質量%、好ましくは15〜120質量%である。
また、エピハロヒドリン、化合物(1)及び化合物(2)の混合溶液にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩を触媒として添加し、アルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加えて20〜100℃で1〜10時間反応させる方法でもよい。
これらのエポキシ化反応の反応物に水洗を施した後、加熱減圧下で過剰のエピハロヒドリン及び溶剤などを除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどに溶解させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてから更に反応を行い、閉環を確実にすることも出来る。この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量は化合物(1)及び化合物(2)の混合物中の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過および水洗などにより除去し、加熱減圧下で溶剤を除去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。
本発明の製造方法により得られるエポキシ樹脂は硬化剤、硬化触媒、シアネート樹脂などと組み合わせることにより、硬化性樹脂組成物として使用することが出来る。具体的な用途例としては、光半導体用封止材、プリント配線基板、ソルダーレジストなどである。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について具体的に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明のエポキシ樹脂と併用して他のエポキシ樹脂を用いることが出来る。他のエポキシ樹脂を併用する場合、本発明のエポキシ樹脂が全エポキシ樹脂中に占める割合は30質量%以上が好ましく、特に40質量%以上が好ましい。
併用し得る他のエポキシ樹脂の具体例としては、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、上記のエポキシ樹脂の芳香環のみを核水添したエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独または2種以上を本発明のエポキシ樹脂に添加して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応可能な官能基を有すると伴に、それ自体が透明性を有しているものであればよく、具体的にはヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸、無水メチルナジック酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水2,4−ジエチルグルタル酸、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。
更に透明性を損なわない範囲であればフェノール系硬化剤も用いることが出来る。
フェノール系硬化剤としては例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン、テルペン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類、テルペンジフェノール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン、テルペン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類、テルペンジフェノール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して硬化剤の有する活性基が0.7〜1.2当量となる量が好ましい。エポキシ基1当量に対して0.7当量に満たない場合、或いは1.2当量を越える場合、いずれも硬化が不完全になり、良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる硬化促進剤は、通常のエポキシ樹脂の硬化促進剤として機能するものであればよく、また、本発明のエポキシ樹脂組成物においては、促進剤を2種以上組み合わせて使用しても差し支えない。具体的には、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物、及び前記化合物のフェノール類、多価カルボン酸類、テトラフェニルボレートとの塩類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の他のホスフィン類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、及びこれら硬化剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。硬化促進剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂総量100質量部に対し通常0.1〜5質量部の範囲で使用される。経時安定性、着色性等の面から、0.1〜3質量部で使用することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じて、その他の化合物や副資材を含んでいてもよい。
上記その他の副資材としては、例えば紫外線吸収剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、着色顔料、染料、可塑剤、エラストマー、硬化遅延剤、ガラスフリット、微粒子ガラスやシリカ粒子等のフィラーが挙げられる。
その他の化合物や副資材の量は、発明の効果を損なわない範囲であればよく、組成物中の0.01〜50質量%の範囲内が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂、硬化剤及びその他の成分を、例えば押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一に混合することにより得ることが出来る。
また前記により得られたエポキシ樹脂組成物を、例えば溶融後注型またはトランスファー成型機等を用いて成型し、更に必要により80〜200℃で2〜10時間加熱を施すことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を得ることが出来る。
また前記により得られたエポキシ樹脂組成物を、例えば溶融後注型またはトランスファー成型機等を用いて成型し、更に必要により80〜200℃で2〜10時間加熱を施すことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を得ることが出来る。
本発明のエポキシ樹脂組成物は高い透明度と屈折率を有するため、LED等光半導体の封止材を始めとして、携帯用カメラレンズ、DVDプレイヤーのピックアップレンズ、眼鏡のレンズなど、幅広く用いることができる。
次に本発明を更に実施例により具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り質量部である。
尚、実施例及び比較例中に記載の物性値は以下の方法で測定した。
エポキシ当量;JIS K−7236
軟化点;JIS K−7234
屈折率;プリズムカップリング法
融点; DSC分析
エポキシ当量;JIS K−7236
軟化点;JIS K−7234
屈折率;プリズムカップリング法
融点; DSC分析
実施例1
温度計、冷却管、分留管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素パージを施しながら化合物(1)52.5部、化合物(2)153.3部、エピクロロヒドリン555部及びテトラメチルアンモニウムクロライド5部を加え、45℃まで昇温後100分かけてフレーク状水酸化ナトリウム60部を添加し、その後45℃で3時間及び70℃で1時間反応させた。反応終了後、水洗及び分離を2回行って生成塩および触媒等を除去し、更に油層から加熱減圧下で過剰の未反応エピクロロヒドリンを留去した後、残留物にメチルイソブチルケトン524部を加えて溶解した。
この溶解液を70℃まで昇温し、30%水酸化ナトリウム水溶液10部を加え1時間反応せしめた後、水洗及び分離を3回行い、更に油層から加熱減圧下で溶剤等を留去することにより本発明のエポキシ樹脂248部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は272g/eq、軟化点は65.2℃であり、屈折率は1.62であった。
温度計、冷却管、分留管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素パージを施しながら化合物(1)52.5部、化合物(2)153.3部、エピクロロヒドリン555部及びテトラメチルアンモニウムクロライド5部を加え、45℃まで昇温後100分かけてフレーク状水酸化ナトリウム60部を添加し、その後45℃で3時間及び70℃で1時間反応させた。反応終了後、水洗及び分離を2回行って生成塩および触媒等を除去し、更に油層から加熱減圧下で過剰の未反応エピクロロヒドリンを留去した後、残留物にメチルイソブチルケトン524部を加えて溶解した。
この溶解液を70℃まで昇温し、30%水酸化ナトリウム水溶液10部を加え1時間反応せしめた後、水洗及び分離を3回行い、更に油層から加熱減圧下で溶剤等を留去することにより本発明のエポキシ樹脂248部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は272g/eq、軟化点は65.2℃であり、屈折率は1.62であった。
得られたエポキシ樹脂100部に対し、硬化剤としてテトラヒドロ無水フタル酸を62部、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを1部、二本ロールを用いて均一に混練し、粉砕、タブレット化することにより本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。混練中に樹脂が結晶化したり、べとついたりすることは無く、作業性に問題はなかった。
比較例1
実施例1において化合物(1)と化合物(2)を併用せず、化合物(1)のみを175部用いて同様の条件で反応を行ったが、エピクロロヒドリンを留去しメチルイソブチルケトンを加えた段階で白色の結晶が析出し、溶液状態での反応が不可能になった。そこで、そのまま冷却して析出した結晶を濾過、乾燥させることにより白色粉末状の結晶を得た。得られた化合物のエポキシ当量は236g/eqであり、融点は150.5℃であった。
実施例1において化合物(1)と化合物(2)を併用せず、化合物(1)のみを175部用いて同様の条件で反応を行ったが、エピクロロヒドリンを留去しメチルイソブチルケトンを加えた段階で白色の結晶が析出し、溶液状態での反応が不可能になった。そこで、そのまま冷却して析出した結晶を濾過、乾燥させることにより白色粉末状の結晶を得た。得られた化合物のエポキシ当量は236g/eqであり、融点は150.5℃であった。
比較例2
実施例1において化合物(1)と化合物(2)とを併用せず、化合物(2)のみを219部用いて同様の条件で反応を行った。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は290g/eqであり、軟化点49.0℃の樹脂状であり秤量時にべとついた。
実施例1において化合物(1)と化合物(2)とを併用せず、化合物(2)のみを219部用いて同様の条件で反応を行った。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は290g/eqであり、軟化点49.0℃の樹脂状であり秤量時にべとついた。
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20110709 |