JP2009119904A - 車両用電気サスペンションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】独立に伸縮可能な伸縮方向力発生部とばね下振動抑制部とが直列に設けられた接近離間方向力発生装置において、路面入力が過大である場合に、ばね下振動抑制部の伸縮速度を低減し得る電気サスペンションシステムを得る。
【解決手段】サスペンションシステムに、導通切換装置250を設ける。路面入力が過大である場合には、回転電気機械60のステータ76の逆起電力によって電源線242の電圧が電源装置240の設定最大電圧を超えるとともに、発電された電力が供給される。導通切換装置250は、検出回路254によって電源線242の電圧がしきい電圧を超えたことを検出した場合に、半導体スイッチ252によって電源線242と磁場発生装置116とを導通させる。その結果、ばね下振動抑制部42の収縮に対する抵抗力が増大し、収縮速度が減少する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両用電気サスペンションシステムに関するものであり、特に、電気作動機械によって車体と車輪とが接近離間する方向の力を発生させる接近離間方向力発生装置を含む電気サスペンションシステムに関するものである。
接近離間方向力発生装置は、サスペンション装置の一部を構成し、車輪と車体との間に伸縮可能に設けられる。下記特許文献1には、接近離間方向力発生装置の一例が記載されている。接近離間方向力発生装置は、電動機,発電機等の電気作動機械を備え、接近離間方向力を発生させることで、例えば、車両の乗り心地を向上させたり、車体の姿勢を制御したりすることができる。
また、下記特許文献2には、従来型のサスペンション装置の一例が記載されている。そのサスペンション装置において、ばね上部とばね下部との相対変位量と相対変位速度とに基づいて、ばね下部の一部がばね上部のエンドストップに衝突すると判断された場合に、ダンパの減衰係数が増大させられることにより、衝突が防止され、あるいは、衝突速度が低減させられる。
特開2005−271738号公報 特開平5−221223号公報
上記特許文献1に記載の接近離間方向力発生装置には、電気作動機械たるモータによって伸縮方向の力を発生させる電磁アブソーバと、その電磁アブソーバの車輪側に連結された油圧式アブソーバとが直列に設けられている。このような接近離間方向力発生装置において、車輪が比較的大きな突起を勢いよく乗り越えるような場合、つまり、路面入力が過大である場合には、油圧式アブソーバが収縮端まで収縮する場合がある。つまり、フルストロークする場合がある。一般的に、油圧式アブソーバがフルストロークする場合には、ゴムや発泡ウレタン等の衝撃緩衝材によって衝撃が緩和されるのであるが、収縮速度が大きい場合には、油圧式アブソーバや、それと直列に設けられている電磁アブソーバに大きな衝撃が加わる場合がある。そのため、路面入力が過大である場合には、油圧式アブソーバの収縮速度を低減させることによって、電磁アブソーバや油圧式アブソーバ等に加わる衝撃を小さくすることが望ましい。また、接近離間方向力発生装置が、電動モータの回転運動を伸縮方向の運動に変換するボールねじ装置等の運動変換装置を有している場合には、運動変換装置を保護するために、路面入力が過大である場合に油圧式アブソーバの収縮速度を低減させる必要性が大きい。
上述の路面入力が過大である場合に油圧式アブソーバが高速でフルストロークすることを防ぐために、上記特許文献2に記載の技術を適用することも考えられる。しかしながら、油圧式アブソーバが高速でフルストロークするかどうかを判断するために、相対変位量や相対変位速度等に基づいて種々の演算や判定を行わねばならないというデメリットがある。いつ路面入力が過大になるのかを予測することは困難であるため、上記判断を行うために、絶えず種々の演算や判定を繰り返して行う必要があり、制御用コンピュータの負担を増加させる要因となる。また、上記特許文献2には、電磁アブソーバと油圧式アブソーバとの2つの伸縮部分が直列に設けられているサスペンション装置において、過大な路面入力により、油圧式アブソーバが高速でフルストロークすることを防ぐことについては示唆されていない。
このように、従来の電気サスペンションシステムには、例えば、路面入力が過大である場合に電磁アブソーバや油圧式アブソーバ等に加わる衝撃をより簡便に小さくする等、実用性向上の観点から未だ改良の余地がある。本発明は、そういった実情に鑑みて、より実用的な電気サスペンションシステムを得ることを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明の電気サスペンションシステムは、(a)電気作動機械により、少なくとも自身の伸縮に伴い発電することによって伸縮方向力を発生させる伸縮方向力発生部と、その伸縮方向力発生部と直列に設けられ、自身の伸縮に対して抵抗力を生じさせつつ受動的に伸縮する受動的伸縮部とを含む接近離間方向力発生装置と、(b)電気作動機械の逆起電力がしきい電圧を超えた場合に受動的伸縮部の伸縮に対する抵抗力を増大させる抵抗力増大部とを含むことを特徴とする。
本発明の電気サスペンションシステムによれば、電気作動機械の逆起電力がしきい電圧を超えたことに基づいて受動的伸縮部が高速でフルストロークする虞があることを容易に判定することができ、受動的伸縮部の抵抗力を増大させて上記フルストローク時の収縮速度を低減させ、伸縮方向力発生部等に加わる衝撃を小さくすることができる。すなわち、本発明によれば、より実用的なサスペンションシステムが得られるのである。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来の技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から一部の構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に、(4)項が請求項2に、(5)項が請求項3に、(6)項と(7)項とを合わせたものが請求項4に、(8)項が請求項5に、それぞれ相当する。
(1)車体と車輪との間に伸縮可能に設けられ、それらが接近離間する方向の力である接近離間方向力を発生させる接近離間方向力発生装置を含む電気サスペンションシステムであって、
その接近離間方向力発生装置が、
自身が有する電気作動機械により、少なくとも自身の伸縮に伴い発電することによって伸縮方向の力である伸縮方向力を発生させる伸縮方向力発生部と、
車体と車輪との間に前記伸縮方向力発生部と直列に設けられ、自身の伸縮に対して抵抗力を生じさせつつ受動的に伸縮する受動的伸縮部と
を含み、かつ、
当該電気サスペンションシステムが、前記電気作動機械の逆起電力がしきい電圧を超えた場合に、前記受動的伸縮部の伸縮に対する抵抗力を増大させる抵抗力増大部を含むことを特徴とする車両用電気サスペンションシステム。
本項の接近離間方向力発生装置は、車体と車輪との間に配設され、車体と車輪とを接近離間させる方向の力である接近離間方向力を発生させる。この接近離間方向力を適切な大きさに制御することによって、例えば、車両の乗り心地を良好にすること、車体の姿勢を制御すること、車高を変化させること等ができる。なお、車体および車体とともに上下動する部分を「ばね上部」と称し、車輪の一部や車輪を保持する車輪保持部等を含み、車輪軸とともに上下動する部分を「ばね下部」と称する。
また、接近離間方向力発生装置は、それぞれが独立して伸縮可能にされた2つの伸縮部分である伸縮方向力発生部と受動的伸縮部とを含む。伸縮方向力発生部は、電気作動機械に電力を供給することによって伸縮方向力を発生させることと、電気作動機械に発電させることによって伸縮に対する抵抗力(伸縮方向力の一種である)を発生させることとの両方が可能なものとすることができる。なお、電力を供給することは不可欠ではなく、少なくとも伸縮に伴う発電によって伸縮方向力を発生させることができるものであればよい。
一方、受動的伸縮部は、例えば、車輪が路面の突起を通過した場合等に、抵抗力を発生させながら伸縮することによって路面から入力されたエネルギをある程度吸収してばね下部の振動を減衰させる。しかしながら、例えば、比較的大きな突起を勢いよく乗り越える場合等、路面から過大な入力があった場合には、伸縮に対する抵抗力が不足して、受動的伸縮部が高速で収縮端まで収縮させられる場合がある。つまり、受動的伸縮部が高速でフルストロークする場合がある。このような場合には、前述と同様に、受動的伸縮部自身やそれと直列に設けられた伸縮方向力発生部等に比較的大きな衝撃が加わる虞がある。それに対し、路面から過大な入力があった場合に受動的伸縮部の抵抗力を増大させることができれば、フルストローク時の収縮速度を低減させ、伸縮方向力発生部や受動的伸縮部等に加わる衝撃を小さくすることができる。
ところで、後に実施例の項において詳述するように、路面から過大な入力があった場合には、多くの場合、伸縮力発生部が急激に収縮させられるのに伴い電気作動機械の逆起電力が大きく上昇する。したがって、電気作動機械の逆起電力が大きく上昇した場合に、受動的伸縮部が高速でフルストロークする可能性が高いのである。
この事実に基づき、本項の抵抗力増大部は、電気作動機械の逆起電力がしきい電圧を超えたことに基づいて受動的伸縮部が高速でフルストロークする虞があることを判定し、受動的伸縮部の抵抗力を増大させて上記フルストローク時の収縮速度を低減させ、伸縮方向力発生部等に加わる衝撃を小さくする。抵抗力発生部は、電気作動機械の逆起電力がしきい電圧を超えたか否かによって抵抗力を増大させる必要があるか否かを判定できるため、シンプルな構成にすることができる。すなわち、本項の態様によれば、より実用的なサスペンションシステムが得られるのである。
なお、しきい電圧は、後の態様に記載した方法により決定することができる。また、電気作動機械の逆起電力は、例えば、後の実施例に詳述するように、電気作動機械の端子電圧に基づいて取得することができる。また、例えば、電気作動機械を駆動するインバータ等の駆動回路の電源端子の電圧に基づいて取得することもできる。
本項の受動的伸縮部は、受動的に適度な抵抗力あるいは反発力を発生させつつ伸縮させられるものであり、例えば、液圧式ダンパ等の伸縮速度に応じた抵抗力を発生させる減衰力発生部を含むものとすることができる。また、受動的伸縮部は、減衰力発生部と並列に、スプリング等を有し弾性変形量に応じた弾性力を発生させる弾性力発生部を含むものとすることができる。その受動的伸縮部が、例えば、伸縮方向力発生部と車輪との間に設けられている場合には、それらの間で伸縮させられる。
本項の電気作動機械は、例えば、発電機としたり、電動モータと発電機との両方として機能するものとしたりすることができる。また、回転子を有するものとすることや、直動子を有するものとすることができる。
(2)前記抵抗力増大部が、前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えたことを検知する高電圧状態検知部を含む(1)項に記載の電気サスペンションシステム。
高電圧状態検知部は、例えば、電圧計の検出値に基づいて判定を行うプログラムを実行するものとすることや、比較器(コンパレータ)によってしきい電圧と逆起電力とを比較する電気回路等を含むものとすることができる。
しきい電圧は、例えば、後述するように電源電圧との関係から決定することや、以下のように逆起電力の最大値との関係から決定することができる。例えば、より確実に、路面入力が過大である場合等に受動的伸縮部の伸縮速度を低減させる場合は、しきい電圧を低くすることが望ましく、一方、路面入力が過大でない場合等、不必要に伸縮速度を低減させる可能性を低くするためには高くすることが望ましい。前者の例では、例えば、しきい電圧を、路面入力が過大である場合に検出される逆起電力の最大値の90%以下の値にすることが望ましく、80%以下、70%以下と値を小さくすることがさらに望ましい。一方、後者の例では、例えば、しきい電圧を、上記最大値の60%以上の値にすることが望ましく、70%以上,80%以上と値を大きくすることがさらに望ましい。
(3)当該サスペンションシステムが、電源装置と、その電源装置と前記電気作動機械との間に流れる電力を調整する電力調整装置とを含み、
前記高電圧状態検知部が、
電気回路の特定の部分の電圧を前記しきい電圧に対応する電圧に保つ定電圧回路と、
前記電源装置と前記電力調整装置とを接続する電源路と電気的に接続された部分の電圧と、前記特定の部分の電圧とを比較する比較器と
を含む(2)項に記載の電気サスペンションシステム。
本項の態様は、前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えたことを、電気回路によって検知するものである。したがって、制御装置等によってプログラムを実行して監視する必要が無く、制御装置等の処理負担を軽減することができる。
(4)前記抵抗力増大部が、
電力の供給を受けて前記抵抗力を増大させる機能を発揮する電力依拠機能部と、
前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えた場合に、前記電気作動機械によって発電された電力を前記電力依拠機能部に供給する逆起電力供給部と
を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の電気サスペンションシステム。
路面入力が過大である場合に、逆起電力が上昇するとともに電気作動機械の発電量が増大する。後の実施例において詳述するが、特に、収縮の初期段階においては、制御の遅れによって発電量が大きくなる。したがって、逆起電力がしきい電圧を超えた場合に、電気作動機械によって発電された電力を電力依拠機能部に供給すれば、例えば、蓄電池の電力消費を抑制することができ、省電力効果が得られる。なお、本項の態様が電源装置を含む場合、電気作動機械と電源装置との両方から電力依拠機能部に電力を供給することや、電気作動機械からのみ電力依拠機能部に電力を供給することができる。なお、電力依拠機能部は、電力の供給を受けて前記抵抗力を増大させる作用を生じさせる電力依拠作用部ということもできる。
(5)当該サスペンションシステムが、電源装置と、その電源装置と前記電気作動機械との間に流れる電力を調整する電力調整装置とを含み、
前記逆起電力供給部が、前記電源装置と前記電力調整装置とを接続する電源路と前記電力依拠機能部との間の電気的な導通の有無を切り換える導通切換部を含み、その導通切換部によって、通常時においてそれら電源路と電力依拠機能部との導通を遮断する一方、前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えた場合にそれら電源路と電力依拠機能部とを電気的に導通させるものである(4)項に記載の電気サスペンションシステム。
本項の態様によれば、逆起電力がしきい電圧を超えた場合に電源路と電力依拠機能部とを電気的に導通させることで、電気作動機械によって発電された電力を容易に電力依拠機能部に供給することができる。なお、通常時とは、逆起電力がしきい電圧以下の状態であり、原則として、逆起電力がしきい電圧以下の場合に電源路と電力依拠機能部との導通が遮断されるが、例外もあり得る。例えば、後の態様に示すように、逆起電力が一旦しきい電圧を超えた後には、設定時間、逆起電力がしきい電圧以下になっても電源路と電力依拠機能部とを導通させる場合がある。なお、電力依拠機能部を、受動的伸縮部に含まれるものとすることができる。
導通切換部は、例えば、半導体スイッチ(MOSFET,IGBT,トランジスタ等)や、リレー等の電磁スイッチによって導通の有無を切り換えるものとすることができる。なお、電源装置,電力調整装置については、後記(8)項のものと同様の構成とすることができる。
(6)前記電力依拠機能部が、電力の供給を受けて磁場を発生させる磁場発生部を含む(4)項または(5)項に記載の電気サスペンションシステム。
受動的伸縮部の抵抗力を増大させるために、磁場を利用することが簡便である。磁場発生部は、電磁石を有するものとすることができる。そして、例えば、受動的伸縮部の伸縮に対する摩擦抵抗等の抵抗力を増加させる機構等を設け、その機構等を電磁ソレノイドや電動モータによって作動させることや、後述するように磁気反応粘性流体に磁場を作用させることによってダンパの減衰力を増大させることができる。なお、電磁ソレノイドや電動モータが用いられる場合、それらの電磁石が磁場発生部を構成する。
(7)前記受動的伸縮部が、強磁性を有する粒子が液体中に分散させられた流体である磁気反応粘性流体を作動流体とし、その磁気反応粘性流体の流動抵抗によって自身の伸縮に対する抵抗力を発生させるダンパを含み、
前記磁場発生部が、前記磁場を前記磁気反応粘性流体に作用させるものである(6)項に記載の電気サスペンションシステム。
磁気反応粘性流体は、例えば、平均粒径が数μm程度の微粒子がオイル等の液体中に分散させられた磁気粘性流体(MR流体と称される場合もある)を含むものとすることができる。また、例えば、平均粒径が10nm程度の微粒子がオイル等の液体中に分散させられた磁性流体を含むものとすることができる。磁気反応粘性流体は、磁場が存在しない状態において通常の液体と同様に流動するが、磁場が作用すると複数粒子間で架橋構造が形成されて粘性が増大する。したがって、逆起電力高圧状態において磁気反応粘性流体に磁場を作用させることにより、ダンパの減衰力を増大させて受動的伸縮部の伸縮速度を低減させ、フルストローク時の衝撃を低減させることができる。
(8)当該サスペンションシステムが、設定電圧以下の電力を出力する電源装置と、その電源装置と前記電気作動機械との間に流れる電力を調整する電力調整装置とを含み、
前記しきい電圧が、前記電源装置が出力する前記設定電圧よりも大きい電圧に設定された(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の電気サスペンションシステム。
電源装置は、例えば、蓄電池や変圧器等を含むものとすることができる。そして、例えば、蓄電池の電圧をそのまま出力するものや、蓄電池の電圧を変圧器によって昇圧または降圧して出力するものとすることができる。いずれにしても、設定電圧以下の電力を出力するものとされており、設定電圧を設定最大電圧と称することができる。なお、一定の電圧を出力するものとすることや、電圧を変化させ得るものとすることができる。電力調整装置は、例えば、インバータ回路を含むものとすることができ、その場合は、複数のスイッチング素子のON/OFFによって電源装置と電気作動機械との間に流れる電力を調整することができる。なお、本項の電力調整装置を、例えば、抵抗器等を含む電力消費回路と電気作動機械との間に流れる電力を調整し得るものとすることができる。この場合は、電気作動機械によって発電された電力を電力消費回路によって消費させることができる。
しきい電圧が設定電圧よりも大きい電圧に設定されているのは、通常走行時の逆起電力が設定電圧を超える可能性が低く、路面から過大な入力があった場合に、逆起電力が設定電圧を超える場合が多いためである。
(9)前記逆起電力供給部が、前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えた場合に、前記電源装置と前記電気作動機械との導通を遮断し、前記しきい電圧以下である場合にそれらを導通させる電源装置遮断部を含む(8)項に記載の電気サスペンションシステム。
本項の態様によれば、逆起電力高圧状態において電気作動機械と電源装置との導通を遮断することで、発電された電力のより多くを電力依拠機能部に供給することができる。また、例えば、電源装置が整流器を含むものとされている場合等において、高い逆起電力によって電源装置に損傷が加わる虞がある場合には、電源装置を保護することができる。なお、電源装置遮断部は、例えば、前述の半導体スイッチや電磁スイッチを含むものとすることができる。
(10)前記受動的伸縮部が、作動液が液通路を通過する際の通過抵抗によって自身の伸縮速度に応じた抵抗力を発生させるダンパを含み、
前記抵抗力増大部が、
前記ダンパに設けられ、前記液通路の通過抵抗を変更する通過抵抗変更部と、
前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えた場合に、前記通過抵抗変更部を制御して前記液通路の通過抵抗を増大させる通過抵抗変更部制御部と
を含む(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の電気サスペンションシステム。
本項の態様は、ダンパがいわゆる減衰力可変型にされており、流路面積を減少させる等によって作動液の通過抵抗を増大させ、容易に抵抗力を増大させることができる。また、例えば、後の実施例において詳述するように、通過抵抗変更部をダンパのピストン内に設けることができるため、接近離間力発生装置が大型化することを抑制することができる。
(11)前記抵抗力増大部が、前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えた場合、設定された条件が満たされるまで前記抵抗力が増大した状態を保持する増大状態保持部を含む(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の電気サスペンションシステム。
路面入力が過大である場合に、例えば、接近離間力発生装置全体の収縮の初期段階において逆起電力が大きくなるが、中期段階以降に逆起電力が小さくなる場合がある。その場合に、逆起電力がしきい電圧以下になっても抵抗力を増大させておくことが望ましい場合がある。
例えば、収縮の中期段階以降において伸縮力発生部によって伸長方向の伸縮方向力が発生させられた場合には、その伸縮方向力と路面入力とによって受動的伸縮部が圧縮され、高速でフルストロークする場合がある。また、例えば、後の実施例において詳述するように、収縮の後期段階において、受動的伸縮部がフルストロークしていない状態であったとしても、伸縮力発生部が収縮方向にフルストロークした場合には、その後受動的伸縮部が収縮させられ、高速でフルストロークする場合がある。
設定された条件を、例えば、電気作動機械の逆起電力がしきい電圧を超えた時点、あるいは、逆起電力がしきい電圧を超えた状態からしきい電圧以下になった時点から設定時間経過するまで、伸縮力発生部の収縮あるいは伸長が終了するまで、伸縮力発生部の収縮が伸長に転換するまで等とすることができる。
(12)前記電気作動機械が、回転子を有し、外力によってその回転子が回転させられた場合に発電することによって回転トルクを発生させ得る回転電気機械とされ、
前記伸縮方向力発生部が、
その回転電気機械と相対直線運動可能な相対運動体と、
その相対運動体の直線運動を前記回転子の回転運動に変換する運動変換装置と
を含み、前記相対運動体が相対直線運動することによって伸縮するとともに、前記回転電気機械の回転トルクによって伸縮方向の力である伸縮方向力を発生させるものである(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の電気サスペンションシステム。
本項の運動変換装置は、例えば、ボールねじや、ピニオンとラック等を含むものとすることができる。その運動変換装置は、複数の構成部品が比較的小さい面積の接触面において力の伝達が行われるものが多く、その場合には、受動的伸縮部のフルストローク時の衝撃によって損傷を受けやすい傾向にある。よって、本項の態様は、フルストローク時の衝撃を低減させる必要性が大きい。なお、上記相対運動体を直線運動体と称することもできる。
(13)前記受動的伸縮部が、伸縮速度に応じて伸縮に抵抗する力を発生させる減衰力発生部を含み、
前記抵抗力増大部が、前記減衰力発生部の減衰力を増大させる減衰力増大部と、
前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えた場合に、前記減衰力増大部を駆動して伸縮に対する抵抗力を増大させる減衰力増大部駆動部と
を含む(1)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の電気サスペンションシステム。
本項の態様は、受動的伸縮部が減衰力発生部を含むものとされ、減衰力発生部が発生させる抵抗力を増大させる減衰力増大部を抵抗力増大部が含むものである。多くの場合、受動的伸縮部は、減衰力発生部を有しているため、比較的容易に抵抗力を増大させることができる。本項において、減衰力増大部を、例えば、前述の電力依拠機能部や通過抵抗変更部を含むものとすることができる。また、減衰力増大部駆動部、例えば、前述の逆起電力供給部や通過抵抗制御部を含むものとすることができる。
(21)車体と車輪との間に伸縮可能に設けられ、少なくとも自身の伸縮に伴い発電することによって伸縮方向の力である伸縮方向力を発生させる伸縮方向力発生部と、車体と車輪との間に前記伸縮方向力発生部と直列に設けられ、受動的に伸縮させられて伸縮速度に応じた抗力を発生させる受動的伸縮部とを有し、前記伸縮方向力と前記抗力とに基づいて車体と車輪とが接近離間する方向の力である接近離間方向力を発生させる接近離間方向力発生装置と、
設定電圧以下の電力を出力する電源装置と、
その電源装置と前記伸縮方向力発生部との間に流れる電力を調整する電力調整装置と、
その電力調整装置を制御することによって前記伸縮方向力を制御する調整装置制御装置と
を含む電気サスペンションシステムであって、
前記伸縮方向力発生部が、
回転子を有し、少なくとも発電することによって回転トルクを発生させる回転電気機械と、
その回転電気機械と相対直線運動可能な相対運動体と、
その相対運動体の直線運動を前記回転子の回転運動に変換する運動変換装置と
を含み、前記相対運動体が相対直線運動することによって伸縮するとともに、前記回転電気機械の回転トルクによって伸縮方向の力である伸縮方向力を発生させるものであり、
前記受動的伸縮部が、
強磁性を有する粒子が液体中に分散させられた流体である磁気反応粘性流体を作動流体とし、その磁気反応粘性流体の流動抵抗によって自身の伸縮に対する抵抗力を発生させるダンパと、
を含み、かつ、
当該サスペンションシステムが、
電力の供給を受けた場合に前記磁気反応粘性流体に作用させる磁場を発生させる磁場発生装置と、
前記回転電気機械と前記磁場発生装置との間の電気的な導通の有無を切り換える導通切換部を含み、その導通切換部によって、通常時においてそれら回転電気機械と磁場発生装置との導通を遮断する一方、前記回転電気機械の逆起電力が前記電源装置の前記設定電圧よりも大きく設定されたしきい電圧を超えた場合にそれら回転電気機械と磁場発生装置とを電気的に導通させる電圧依拠導通切換装置と
を含むことを特徴とする車両用電気サスペンションシステム。
本項の態様は、上記(1)項,(4)項ないし(8)項および(12)項を合わせたものに相当する。本項の態様には、上記(2)項ないし(9)項のいずれかに記載の特徴を適用することができる。
以下、請求可能発明の実施例を、図面を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、請求可能発明の一実施例である車両用電気サスペンションシステム(以後、特に必要がない場合は単に「サスペンションシステム」と略記する)の概要を模式的に示す。本実施例において、サスペンションシステムは4つのサスペンション装置10を備え、それら4つのサスペンション装置10によって、4つの車輪12の各々と車体14の4つの部分の各々とが接近・離間可能に連結されている。
サスペンション装置10は、車輪12と車体14との間に設けられており、それらが接近離間する方向の力を発生させる接近離間方向力発生装置20と、その接近離間方向力発生装置20を車体14に連結するアッパサポート22と、車輪12を回転可能に保持する車輪保持部に連結するロアサポート24とを備えている。なお、車輪保持部26は、車輪を回転可能に保持するステアリングナックル等の車輪保持部材や、車体に連結されて車輪保持部材を上下に移動可能に支持するロアアーム28(図2参照)等を含む。
なお、本実施例において、接近離間方向力発生装置20(以後、特に必要がなければ接近離間力発生装置と略記する)の軸方向、つまり、アッパサポート22とロアサポート24とが接近離間する方向が接近離間力発生装置20の伸縮方向である。その伸縮方向は、本実施例において、車輪12と車体14とが接近離間する方向の成分を含む方向とされている。
図2に、サスペンション装置10の一部の正面断面図を示す。アッパサポート22は、衝撃吸収体たる環状のマウントラバー30と、マウントラバー30の上部に接合されて車体14に当接させられる上部当接板34とを含む。その上部当接板34には、アッパサポート22を車体14の一部(詳細には、サスペンションタワー)に締結するための複数のスタッドボルト36が設けられている。
接近離間力発生装置20は、制御指令に従い伸縮方向力を発生させる制御伸縮方向力発生部40(以後、特に必要がなければ伸縮力発生部と略記する)と、その伸縮力発生部40とロアサポート24との間に直列に設けられたばね下振動抑制部42と、アッパサポート22とロアサポート24とを離間させる向きの弾性力を発生させるメインスプリング44とを備えている。
メインスプリング44は、スプリングたる圧縮コイルスプリングから成り、伸縮力発生部40の外周側に広がる円板状の上側支持部材50と、ばね下振動抑制部42の外周側に広がる円板状の下側支持部材52との間に狭持されている。すなわち、メインスプリング44は、伸縮力発生部40およびばね下振動抑制部42と並列に配置され、車体14を支持する弾性力を発生させるものとされている。
伸縮力発生部40は、電気作動機械たる回転電気機械60と、運動変換装置たるボールねじ装置62と、概して円筒状の基体64とを有している。基体64は、伸縮方向に延び、上側支持部材50の中央を貫通するとともに、アッパサポート22の上方に突出した状態で設けられている。その基体64の上部内周側に回転電気機械60が配設され、下部内周側にボールねじ装置62が配設されている。
回転電気機械60は、基体64に玉軸受を介して回転可能に保持された中空の回転軸72と、その回転軸72に固定のロータ74と、基体64に固定で、ロータ74と対向するステータ76とを含む。また、ロータ74が永久磁石によって構成される一方、ステータ76が電磁石によって構成され、回転電気機械60はブラシレスDCモータを基礎として構成されたものであるが、電動モータとしてのみならず、発電機としても機能するため、回転電気機械と称することとする。
ボールねじ装置62は、基体64に回転可能に設けられた回転運動部82と、その回転運動部82と螺合させられた相対運動体たるねじロッド84と、そのねじロッド84の回転を阻止する回転阻止部86とを含む。
ねじロッド84の外周面には、多数のベアリングボール(以後、特に必要がない場合は「ボール」と略記する)が転動する軌道を形成する螺旋状のねじ溝90と、軸方向のスプライン溝92とが形成されている。そして、ねじロッド84はねじ溝90において、多数のボールを介して回転運動部82と螺合し、スプライン溝92において、ボールを介して回転阻止部86と相対回転不能かつ相対移動可能に係合させられている。なお、回転阻止部86をスプラインナット96を用いずに、ねじロッド84の回転を阻止する態様としてもよい。
回転運動部82には、回転軸72の先端部に形成されたナット保持部93と、そのナット保持部93に移動不能に保持されたねじナット94とが設けられている。そのねじナット94の内周側にはねじ溝90と対向する外周側ねじ溝が形成されている。また、回転阻止部86は、軸線方向のスプライン溝92と対向する外周側スプライン溝が形成されたスプラインナット96によって構成されている。なお、ねじナット94とスプラインナット96とは、それぞれ、軌道に沿って転動するボールを設定された箇所からすくい上げて別の箇所に誘導するボール循環部を備えている。
以上に述べたボールねじ装置62によって、回転電気機械60の回転運動とねじロッド84の直線運動とが相互に変換される。本実施例において、ボールねじ装置62によって「運動変換装置」が構成されている。また、ねじロッド84によって「相対運動体」が構成されている。なお、ねじロッド84はボールねじ装置62の構成要素でもある。
受動的伸縮部たるばね下振動抑制部42は、伸縮力発生部40とロアサポート24との間に伸縮可能に設けられている。また、車体14側において、伸縮力発生部40のねじロッド84の先端部に連結されており、ねじロッド84とともに車体14と相対移動するようにされている。
ばね下振動抑制部42には、弾性力発生部100と、減衰力発生部102とが設けられている。弾性力発生部100には、軸方向に直列に配置された2つの圧縮コイルスプリング104,106(以後、「スプリング」と略記する)と、それら2つのスプリング104,106にねじロッド84の変位を伝達する伝達部材108と、スプリング104を上側から支持する円筒部材109とが設けられている。伝達部材108は、車輪12側に開口するカップ形状を成し、外周側に広がるフランジ部110を備えている。そして、底部においてねじロッド84の先端に取り付けられるとともに、フランジ部110が2つのスプリング104,106に挟まれている。一方、スプリング104,106の端部は、それぞれ円筒部材109の上端、下側支持部材52に当接させられ、軸方向への移動が阻止されている。その結果、伝達部材108とハウジング98とが軸方向に相対移動させられると、スプリング104,106のいずれかが圧縮されて弾性力が発生する。
減衰力発生部102は、スプリング106の内周側に配置され、下側支持部材52の中央を貫通し、ロアサポート24に連結されている。その減衰力発生部102は、MR流体に磁場を印可することによって減衰力を増大させることが可能なものとされている。図3に正面断面を示すように、減衰力発生部102は、液圧式のダンパたるショックアブソーバ114と、そのショックアブソーバ114の外周側に設けられた磁場発生装置116とを有している。
ショックアブソーバ114は、単筒式とされており、作動流体が充填されたシリンダ120と、そのシリンダ120内に配設されたピストン122と、一端部にピストン122が取り付けられるとともに他端部がねじロッド84の端部に連結されたピストンロッド124と、シリンダ120の下部に移動可能に嵌合させられたフリーピストン126とを有している。そして、シリンダ120内をピストン122が移動させられる際に、シリンダ120とピストン122との隙間を通過する作動液の通過抵抗によって減衰力を発生させる。また、フリーピストン126の下部側には高圧のガスが充填されており、フリーピストン126の移動によってシリンダ120上部側の容積変化が許容される。
なお、本実施例において、シリンダ120内の作動流体が磁気粘性流体たるMR流体128とされている。このMR流体128は、オイルを分散媒とし、鉄粉等の強磁性を有する微粒子を分散質として界面活性剤を用いて微粒子をオイル中に分散させたものである。このMR流体128は、磁場が存在していない状態では、概ね通常のオイルと同様に流動し、磁場が作用すると粘性が増大するものとされている。
磁場発生装置116は、概して円筒状を成すハウジング130と、そのハウジング130の内周側に設けられたソレノイドコイル132とを有している。ハウジング130は、例えば、鋼材等の強磁性材料によって形成されており、ソレノイドコイル132が発生させた磁気をピストンロッド124に導くことで、ピストン122とシリンダ120との隙間に磁場を発生させる。なお、ピストンロッド124およびピストン122も強磁性材料によって形成されている。また、シリンダ120は、本体134が強磁性材料によって形成され、上端部のシール136およびガイド体138は、合成ゴムや樹脂等の常磁性材料(反磁性材料でもよい)によって形成されている。さらに、シリンダ120の上端面とハウジング130の上端部との間には軸方向においてアルミやステンレス等の常磁性材料によって形成された円板状部材139が挿入されている。この円板状部材139により、ハウジング130の上端部とシリンダ本体134の上端部との間の磁気抵抗が大きくされているため、ハウジング130の上端中央部からピストンロッド124へ(あるいはその逆向きに)磁気が流れることとなる。
ソレノイドコイル132は、アルミやステンレス等の常磁性材料によって形成された筒部材に導電線が巻回されたものである。ハウジング130の側面には、ソレノイドコイル132と電気的に接続された受電端子140が設けられており、その受電端子140に導電コード142が電気的に接続されている。この導電コード142は、クッション材144を介してロアアーム28に沿って配設されている。そして、車体壁を貫通してエンジンルーム等の車体内に引き込まれ、後述する導通切換装置を介して電源に接続されている。すなわち、この導電コード142を介して電力が供給された場合にソレノイドコイル132が磁気を発生させるのである。
ソレノイドコイル132が発生させた磁気は、図中の矢印で示すように、概ねハウジング130,ピストンロッド124,ピストン122およびシリンダ本体134によって形成された磁気回路を通り、ピストン122とシリンダ本体134との間に磁場を発生させる。この磁場によって分散質たる鉄の微粒子が架橋構造を形成してMR流体128の粘度を増加させ、ショックアブソーバ114が発生させる抵抗力を増大させる。なお、磁場が作用していない状態において、ショックアブソーバ114は通常の液圧式のショックアブソーバと同様に減衰力を発生させる。
すなわち、MR流体128の粘性を増大させる磁場を発生させる磁場発生装置116によって、減衰力発生部102の伸縮に対する抵抗力を増大させる「抵抗力増大部の磁場発生部」が構成されている。また、減衰力発生部102によって「電力依拠機能部」が構成されている。
以上のように、ねじロッド84とロアサポート24との間に、弾性力発生部100と減衰力発生部102とが並列に設けられている。そのため、ばね下振動抑制部42において、下側支持部材52とねじロッド84との相対移動に伴い、相対変位量に応じた弾性力と相対変位速度に応じた抵抗力(つまり、減衰力)とが同時に発生し、ばね下部の振動を抑制する。
なお、ばね下振動抑制部42とねじロッド84の先端部とが連結された部分を連結部150と称する。
本実施例において、伝達部材108の上面に衝撃緩和部材160が設けられており、伸縮力発生部40が収縮方向にフルストロークした際に、伝達部材108と基体64の下端部との衝突による衝撃が緩和される。また、伝達部材108の下面に衝撃緩和部材162が設けられており、ばね下振動抑制部42が収縮方向にフルストロークした際に、伝達部材108と減衰力発生部102(詳細には、磁場発生装置116のハウジング130の上端)との衝突による衝撃が緩和される。また、円筒部材109の上部壁の下側に衝撃緩和部材164が設けられており、ばね下振動抑制部42が伸長方向にフルストロークした際に、円筒部材109と伝達部材108との衝突による衝撃が緩和される。また、基体64の回転阻止部86の外周側に衝撃緩和部材166が設けられており、接近離間力発生装置20全体として収縮方向にフルストロークした際に、ばね下振動抑制部42が伸長方向にフルストロークした際に、基体64と円筒部材109との衝突による衝撃が緩和される。衝撃緩和部材160等は、例えば、ウレタン等の樹脂,ゴム,合成ゴム等の材料から形成することができる。
上述のように、本実施例において、ばね下振動抑制部42の収縮は、伝達部材108と減衰力発生部102とが衝撃緩和部材162を介して衝突することによって制限されている。しかし、伝達部材108と減衰力発生部102とが高速で衝突した場合、つまり、高速でフルストロークした場合には、衝撃緩和部材162による衝撃吸収が不十分となり、伸縮力発生部40のボールねじ装置62や減衰力発生部102に過大な衝撃が加わる場合があるため、フルストローク時の衝突速度を低減させることが望ましい。特に、ボールねじ装置62のねじ溝90等とベアリングボールとの間に過大な衝撃が加わらないようにすることが望ましい。
本サスペンションシステムの接近離間力発生装置20は、図1に示した電子制御ユニット200(以下、単に「ECU200」という場合がある)によって制御される。そのECU200は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されている。また、ECU200には、車体14の上下加速度を検出するばね上加速度センサ210(図において「Ga」と示す),ばね下部の上下加速度を検出するばね上加速度センサ212(図において「Gb」と示す),車速を検出する車速検出装置214,車体の横加速度を検出する横加速度センサ216(図において「横Gセンサ」と示す),操作部材たるステアリングホイールの操作角度を検出する操舵角センサ218,ロータ74の回転位置を検出する回転角センサ220等の各種検出装置が接続されている。
また、ECU200には、電子駆動装置たる電子駆動ユニット230(以後、EDUと略記する)が接続されている。EDU230は、電源装置240(図中の「BAT」)と電源路たる電源線242によって接続され、回転電気機械60のステータ76と制御電力線244によって接続されている。
図4に、EDU230,ステータ76等を示す。EDU230は、電力調整装置の一種であり、インバータ回路を有し、図示を省略するコントローラによって複数のスイッチイング素子232,234をON・OFFさせてパルス幅変調制御(PWM制御)を行うことにより、電源装置240と回転電気機械60との間に流れる電力を調整する。そして、回転電気機械60のステータ76が有する三相コイルに駆動電力を供給し、あるいは、回転電気機械60で発電することによって伸縮方向力を発生させる。また、EDU230は、抵抗器とスイッチング素子とを有して回転電気機械60で発電された電力を必要に応じて消費させる電力消費回路(図示省略)を備えている。また、図において、3つのスイッチング素子234とGNDとの間には、抵抗値が非常に小さい電流測定用の抵抗器236が設けられている。
なお、電源装置240は、直流変圧器248(図において、DC-DCコンバータと記載)を備えており、蓄電池246の直流電力を設定電圧の直流電力に変圧してEDU230に供給するものとされている。直流変圧器248は、非絶縁型とされており、スイッチング素子,リアクトル,キャパシタ,ダイオード等を有し、IGBTやMOSFET等から成るスイッチング素子のチョッパ制御によって蓄電池246の電圧を降下させて出力し、また、回転電気機械60で発電された電力を昇圧して蓄電池246に回生させるものとされている。なお、直流変圧器248は出力電圧を変化させ得るが、出力電圧の最大値が定められており、設定電圧たる設定最大電圧以下の電力を出力可能にされている。
本サスペンションシステムには4つの電源装置240が設けられているが、それらの蓄電池246を共通のものとすることもできる。つまり、1つの蓄電池246に4つの直流変圧器248が接続され、それら4つの直流変圧器248の各々から、それぞれに対応する回転電気機械60に電力が供給されるようにすることもできる。
電源線242には、電力の供給を受けてソレノイドによってスイッチをOFFにするリレー249が設けられており、後述するように、逆起電力が過大である場合に電源装置240と回転電気機械60との導通が遮断される。本実施例において、リレー249によって「電源装置遮断部」が構成されている。
ECU200による接近離間力発生装置20の制御について簡単に説明する。
ECU200は、4つの接近離間力発生装置20の各々の伸縮力発生部40に発生させるべき制御伸縮方向力F(以後、特に必要がなければ伸縮力Fと略記する)に応じた出力値を決定し、EDU230にその出力値を含む指令を行う。各伸縮力Fは、次式に示すように、接近離間方向の振動を抑制する制振項Faと、車体の姿勢変化を抑制する姿勢制御項Fbとが加算された値とされる。
F=Fa+Fb ・・・ (1−1)
ここで、制振項Faは、次式に示すように、ばね上加速度センサ210の検出値に基づいて取得される車体14の上下変位速度Xvaに設定された係数Caを乗じたばね上減衰力から、ばね下加速度センサ212の検出値に基づいて取得されるばね下部の上下変位速度Xvbに設定された係数Cbを乗じたばね下減衰力を減じた値とされる。
Fa=Ca・Xva−Cb・Xvb ・・・ (1−2)
姿勢制御項Fbは、車体14のロールやピッチを抑制するための項であり、ロール抑制力とピッチ抑制力とが加算された値とされる。ロール抑制力は、横加速度センサ216,操舵角センサ218および車速検出装置214の検出値に基づいて取得された制御横加速度に、設定された係数が乗じられた値とされる。このロール抑制力により、旋回外輪側の離間力が増加させられるとともに旋回内輪側の離間力が減少させられ、車体のロールが抑制される。ピッチ抑制力は、車速検出装置214の検出値に基づいて取得された前後加速度に、設定された係数が乗じられた値とされる。このピッチ抑制力により、下降側(例えば、制動時には前側)の離間力が増加させられるとともに上昇側の離間力が減少させられ、加減速時の車体14のピッチが抑制される。
上述のように、制御伸縮方向力Fに応じた出力値が決定された後、EDU230に指令がなされ、EDU230から適切な電力が回転電気機械60に供給され、あるいは、回転電気機械60の受動的な回転による発電が許容され、上記出力値に応じた接近離間力が発生させられるのである。
図5に、伸縮力発生部40の伸縮速度Lvを横軸に、制御伸縮方向力F(以後、特に必要がなければ伸縮力Fと略記する)を縦軸に取り、電力が回生される範囲である回生領域に斜線を付して示す。この図において、短絡特性線上では、伸縮力Fとステータ76の各相を互いに短絡させた場合に生ずる伸縮力とが等しくなる。その短絡特性線と横軸とに挟まれた領域は、伸縮力Fが比較的小さく、伸縮速度Lvが比較的大きく、回転電気機械60によって発電された電力が電源装置240のバッテリに蓄電される回生領域とされている。この回生領域のうち、短絡特性線と横軸との中間に位置する範囲は比較的発電効率の高い範囲であり、また、伸縮速度Lvが大きくなるほど発電量が増大する。
特に、路面の隆起を勢いよく乗り越えるような場合には、初期の段階において、伸縮速度Lvが非常に大きくなるのに対し、回転電気機械60の制御が遅れて伸縮力Fが比較的小さい値になる場合が多い(図5の記号「H」で示す付近の領域)。このような状態では、逆起電力が大きく上昇し、発電量が大きくなる。なお、伸長と収縮とのいずれも発電量が大きくなる領域があるが、一般的に、伸長時に比べて収縮時の方が伸縮速度が大きくなりやすい。
本サスペンションシステムには、逆起電力供給部たる導通切換装置250(図1の「SW」)が設けられている。導通切換装置250は、電源線242と磁場発生装置116の導電コード142とを接続しており、電源線242から磁場発生装置116への電力供給の有無を切り換えることができる。この導通切換装置250は、半導体スイッチ252と、検出回路254と、抵抗器258とを有している。
半導体スイッチ252は、MOSFETから成り、ドレイン(図の「D」)において電圧を調整するための抵抗器258を介して電源線242と接続され、ソース(図の「S」)において磁場発生装置116の導電コード142と接続されている。そして、ゲート(図の「G」)に印加される電圧がMOSFETのON電圧以上である場合に電源線242と導電コード142との導通が許容され、ON電圧未満である場合に導通が遮断される。なお、図において、半導体スイッチ252の基板がソースに接続されているが、GNDに接続することもできる。つまり、半導体スイッチ252の基板を接地させることもできる。
検出回路254は、蓄電池246の電圧を降下させる抵抗器とツェナーダイオードとを有する定電圧回路264と、2つの抵抗器によって電源線242の電圧を設定比率で降下させる降圧回路266とを備えている。そして、検出回路254は、定電圧回路264によって一定の電圧に保たれる対比電圧E1と、降圧回路266によって降下させた降下電圧E2とを比較器262によって比較し、降下電圧E2が対比電圧E1を超えた場合に半導体スイッチ252のゲートにON電圧を超える電圧を印加する。なお、電源線242の電圧が、電源装置240の設定最大電圧より高く設定されたしきい電圧を超えた場合に、降下電圧E2が対比電圧E1を超えるようにされている。つまり、電源線242の電圧がしきい電圧を超えたことに基づいて、回転電気機械60の逆起電力がしきい電圧を超えたことが検知されるのである。また、しきい電圧が、通常の走行時に発生する逆起電力がしきい電圧を超えることがないように、路面入力が過大であった場合に想定される逆起電力の最大値の70%以上かつ80%以下の値、例えば、75%の値に設定されている。
本実施例において、検出回路254によって「高電圧状態検知部」が構成されている。
なお、比較器262から半導体スイッチ252のゲートに電力が出力された場合には、その電力がリレー249にも供給され、電源装置240と回転電気機械60との導通が遮断される。
作動を説明する。
本実施例のサスペンションシステムにおいて、前述のように伸縮力発生部40によって伸縮力Fが発生させられ、ばね上およびばね下の振動が抑制される。また、ばね下振動抑制部42によってばね下の振動が抑制される。
ところが、路面の比較的大きな突起を勢いよく乗り越えるような場合等、つまり、路面からの入力が過大である場合に、ばね下振動抑制部42が急激に収縮させられ、高速でフルストロークする可能性がある。この衝突による衝撃は、衝撃緩和部材162によってある程度緩和されるのであるが、衝撃が過大である場合には、例えば、ボールねじ装置62に過度な荷重が加わる虞がある。また、過度な荷重が加わった場合には、ボールねじ装置62の寿命が縮む虞がある。
それに対し、本実施例のサスペンションシステムは、導通切換装置250および伸縮に対する抵抗力を増大させることが可能な減衰力発生部102を備えており、回転電気機械60による発電量が多い場合に減衰力発生部102の伸縮抵抗力を増大させることができる。すなわち、例えば、路面入力が過大である場合には、ばね下振動抑制部42だけでなく伸縮力発生部40も急激に収縮させられて回転電気機械60の逆起電力によって電源線242の電圧が上昇し、導通切換装置250によって電源線242と導電コード142との導通が許容される。また、比較器262によって半導体スイッチ252のゲートにON電圧が印加された場合に、リレー249がOFFにされて電源装置240と回転電気機械60との導通が遮断され、回転電気機械60によって発電された電力が磁場発生装置116に供給されるようにされている。その結果、磁場発生装置116によって磁場が発生させられてMR流体128の粘性が増大し、減衰力発生部102の収縮速度が低減される。その結果、ばね下振動抑制部42がフルストロークした場合でも、その衝撃が小さくなり、ボールねじ装置62等に加わる荷重を低減させることができる。
以上で本実施例の説明を終了する。
上記磁場発生装置116の配線方法とは別の配線方法について説明する。
上記実施例において磁場発生装置116がソースとGNDとの間に接続されていたが、ドレインと電源線242との間に接続することもできる。その場合には、磁場発生装置116を、抵抗器258と半導体スイッチ252(ドレイン)との間に直列に接続すること(図6)や、抵抗器258と電源線242との間に直列に接続することができる。また、抵抗器258を省略することもできる。なお、磁場発生装置116をソースとGNDとの間に接続するとともに抵抗器258を省略した場合には、比較器262に、電源装置240よりも出力電圧が高い蓄電池246から電力を供給する等により、逆起電力よりも高い電圧を半導体スイッチ252のゲートに印加し得るようにすることが望ましい。
上記直流変圧器248とは別の直流変圧器について説明する。
上記実施例において、直流変圧器248は非絶縁型とされていたが、図7に示すように絶縁型の直流変圧器280とすることもできる。この直流変圧器280は、直流電力をインバータ回路によって交流に変換した後、変圧と整流を行うものである。また、この直流変圧器280を備えた電源装置262は、設定最大電圧となる設定電圧の電力を出力するものである。この態様においても、前記実施例と同様に、回転電気機械60の逆起電力がしきい電圧を超えた場合に、磁場発生装置116に電力を供給してばね下振動抑制部42の伸縮速度を低減させることができる。
なお、この直流変圧器280を用いる場合、回転電気機械60に供給する電力を調節することで伸縮力が制御され、回転電気機械60による発電は行われない。しかしながら、回転電気機械60の逆起電力が電源装置262の出力電圧を超えた場合は、電源線242の電圧が上昇して直流変圧器280の整流器等が損傷する虞がある。そのような事情からも、リレー249によって電源装置262を遮断することが望ましく、また、電力の供給なしに伸縮力を発生させるために回転電気機械60によって発電された電力を磁場発生装置116で消費することが望ましいのである。
上記とは別の実施例について説明する。
図8に接近離間力発生装置300の正面断面図を示す。本実施例において、ばね下振動抑制部42の減衰力発生部310の減衰力特性が変更可能にされている。その減衰力発生部310の減衰力特性を変更することによって、路面入力が過大である場合に、ばね下振動抑制部42の伸縮に対する抵抗力を増大させることができる。また、本実施例において、逆起電力がしきい電圧を超えたことが、検出回路254ではなく、電圧計の検出値に基づいて判定される。
なお、接近離間力発生装置300は、前記接近離間力発生装置20と共通している部分が多いため、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
減衰力発生部310は、液圧式ダンパたるショックアブソーバ312を含む。そのショックアブソーバ312は、単筒式とされており、作動流体たるオイルが充填されたシリンダ320と、そのシリンダ320内に配設されたピストン322と、一端部にピストン322が取り付けられるとともに他端部がねじロッド84の端部に連結されたピストンロッド324と、シリンダ320の下部に移動可能に嵌合させられたフリーピストン326とを有している。
図9に、ショックアブソーバ312のピストン322部分の正面断面図を示す。図示のように、ピストン322の下部にハードバルブ330が設けられ、上部にソフトバルブ332が設けられている。それらハードバルブ330とソフトバルブ332とは、それぞれ円環状のリーフバルブ334,336を備えており、ショックアブソーバ312の収縮時において、外周部が上方に撓められることによって下室340から上室342に向かう向きのオイルの流動を許容する。一方、ショックアブソーバ312の伸長時において、内周部が下方に撓められることによって上室342から下室340に向かう向きのオイルの流動を許容する。なお、ハードバルブ330のリーフバルブ334は径が小さいため撓みにくく、通過抵抗が大きくなる。また、図において、後述するバイパス通路が閉じられて減衰係数が大きい状態にされており、オイルがハードバルブ330とソフトバルブ332との両者を経由する液通路344を通過させられるため、通過抵抗が大きく減衰力が強い状態、つまり、「高減衰力状態」となる。
ピストンロッド324は中空軸にされており、軸部346の先端にピストン支持部348が取り付けられている。また、ピストンロッド324の内部にコントロールロッド350が挿入されている。そのコントロールロッド350は大径部352が設けられた部分において、軸受を介して回転可能かつ軸方向に移動不能に保持されている。また、コントロールロッド350の先端部354は径方向の切欠356が形成されている。この図において、ピストンロッド324の軸方向穴360と、液通路344のうちのハードバルブ330とソフトバルブ332との間の部分とを連通させる半径方向穴362が、コントロールロッド350の先端部354によって塞がれている。
しかし、図10に先端部354の平面断面(図9におけるI−I断面視)を示すように、コントロールロッド350の回転位置が変更されると切欠356によって軸方向穴360と半径方向穴362とが連通させられ、バイパス通路364が形成される。その結果、オイルの少なくとも一部分が通過抵抗の大きなハードバルブ330を通らなくても済むため、通過抵抗が比較的小さく上記高減衰力状態よりも減衰力が弱い状態となる。なお、切欠356と半径方向穴362との重なり度合いを変えることで、バイパス通路364の流路面積を変化させ、減衰力特性を段階的に変更することができる。なお、通常は、図に示す回転位置ないしそれよりも切欠356と半径方向穴362との重なり度合いが大きく減衰力が弱い状態にされており、通常走行には適度な大きさの減衰力が発揮される状態であるが、その状態を低減衰力状態と称する場合がある。
本実施例において、コントロールロッド350,軸方向穴360および半径方向穴362によってショックアブソーバ312の流路抵抗変更装置370が構成されている。
接近離間力発生装置300の上部には、流路抵抗変更装置370のコントロールロッド350の回転位置を変更する回転位置変更装置380が設けられている。その回転位置変更装置380は、駆動装置たるステップモータ382と、そのステップモータ382によって回転させられる中空の中空回転軸384とを有する。なお、図11に示すように、ねじロッド84は、中空にされており、ねじロッド84の上端からピストンロッド324の下端までを直線的に貫通する貫通穴386が形成されている。そして、中空回転軸384がねじロッド84に挿入されるとともに、中空回転軸384の軸方向穴388にコントロールロッド350の上部が挿入されている。また、軸方向穴388には軸方向にそって係合溝390が形成され、コントロールロッド350の上端部には係合溝390に係合するキー392が取り付けられている。それらキー392と係合溝390とが、軸方向に相対移動可能、かつ、周方向に相対移動不能に係合させられているため、中空回転軸384とコントロールロッド350とが軸方向に相対移動可能、かつ、相対回転不能に連結されている。
本サスペンションシステムの構成は、前記実施例とほぼ同様であるため、図1に相当する図面を省略する。なお、本実施例において導通切換装置250は設けられておらず、ECUの制御によって減衰力発生部310の減衰力が増大させられる。また、リレー249も設けられていない。
図12にECU400を示す。ECU400には、図1に示された各種のセンサ(図示省略)やEDU230の他に駆動回路410が接続されており、その駆動回路410によって回転位置変更装置380のステップモータ382が作動させられる。また、ECU400には、降圧回路414を介して電源線242が接続されており、電源線242の電圧がECU400が有する電圧計によって取得される。なお、降圧回路414は、前記降圧回路266と同様に、抵抗器によって電源線242の電圧を設定された割合で降圧するものである。また、降圧回路414を、単に電源線242とECU400とを抵抗器で接続するものとすることもできる。
また、ECU400は、出力制御部420と減衰力増大制御部430とを有する。出力制御部420は、前記実施例と同様の伸縮力Fを決定し、EDU230に指令を送信するものとされている。減衰力増大制御部430は、電源線242の電圧がしきい電圧を超えた場合、つまり、逆起電力高圧状態である場合に、ばね下振動抑制部42の伸縮速度を低減させるために駆動回路410に減衰力を増大させる指令を行うものとされている。
図13に、逆起電力高圧状態になった場合に一定時間減衰力発生部310の減衰力を増大させる高電圧時減衰力増大プログラムのフローチャートを示す。このプログラムは、4つの接近離間力発生装置20の各々に対応する4つのものがあり、ECU400のコンピュータによって時分割処理により極短時間毎に繰り返し実行されることで、上記減衰力増大制御部430の機能が発揮される。なお、4つの接近離間力発生装置20の各々に対応する4つのプログラムは同様であるため、1つを代表的に説明する。
ステップ11(以後、S11と略記する)において、電源線242の電圧Egが取得される。S12において、この電圧Egがしきい電圧Eth以下である場合は、S13の判定がなされる。しきい電圧Ethは、ECU400のROMに記憶されており、本プログラムの実行により読み出される。ECU400の起動後に本プログラムが最初に実行された場合等にはフラグFはOFFにされており、S13の判定がNOとなり本プログラムの一回の実行が終了する。
一方、S12において、電圧Egがしきい電圧Ethを超えている場合、つまり、逆起電力高圧状態が検知された場合は、S14の判定がなされる。上述のようにフラグFがOFFにされている場合は、S14の判定がYESとなりS15〜S17の処理が実行される。
S15〜S17において、減衰力を増大させる指令(減衰力増大指令)がなされた後、フラグFがONにされ、後述するタイマTが0にリセットされる。S15において駆動回路410に減衰力増大指令なされると、ステップモータ382に電力が供給され、前述のコントロールロッド350が所定の角度回転させられる。そして、先端部354の回転位置が変更され、バイパス通路364の連通が遮断され、前述の高減衰力状態にされる。
そして、本プログラムの次回実行時には、上記S16においてフラグFがONにされていることでS14の判定がNOとなり、S18において高減衰力状態が保持される。すなわち、電圧Egがしきい電圧Ethを超えている状態において、コントロールロッド350の回転位置が、バイパス通路364の連通を遮断する位置に保持されるのである。
S13,S19〜S23の処理により、電圧Egがしきい電圧Ethを超えている状態から、しきい電圧Eth以下に降下した後、設定時間が経過するまで高減衰力状態が保持され、設定時間経過後に高減衰力状態が解除される。
具体的に説明する。電圧Egが、しきい電圧Ethを超えている状態から、しきい電圧Eth以下に降下した状態において、フラグFがS16でONにされた状態にされている。そのため、S13の判定がYESとなり、S19においてタイマTが微少時間ΔTだけ増加させられた後、S20においてタイマTがしきい時間Tthを超えたか否かが判定される。そして、タイマTがしきい時間Tth以下である場合は高減衰力状態が保たれ(S18)、しきい時間Tthを超えた場合に高減衰力状態が解除され、減衰力特性が通常の特性に復帰させられる(S21)。
S21において、減衰力特性を復帰させるべき旨の指令がなされ、駆動回路410によってステップモータ382に電力が供給され、コントロールロッド350が所定の角度回転させられる。そして、先端部354の回転位置が変更され、例えば、図10に示す状態に戻され、バイパス通路364の連通が許容されて流路抵抗が小さくされる。その結果、減衰力特性が、高減衰力状態よりも減衰力の弱い特性にされ、通常走行に適した状態にされる。
減衰力特性を復帰すべき旨の指令がなされた後、フラグFがOFFにされ(S20)、タイマが停止させられるとともに0にリセットされる(S21)。
本実施例において、しきい時間Tthは、電圧Egがしきい電圧Ethを超えている状態から、しきい電圧Eth以下に降下した時点から、伸縮力発生部40がフルストロークすると予測される時間以上にされている。そのため、例えば、過大な路面入力によって伸縮力発生部40がフルストロークする前に電圧Egがしきい電圧Eth以下に降下する場合があるが、ある程度の時間高減衰力状態が保持されており、仮に伸縮力発生部40がフルストロークしたとしても、その際のばね下振動抑制部42の収縮速度が抑制されるのである。
詳細には、伸縮力発生部40が収縮方向にフルストロークした場合、伝達部材108が基体64の下端部に衝撃緩和部材162を介して当接することによって収縮が阻止されるのであるが、その後もなお接近離間力発生装置300が収縮させられる場合、ばね下振動抑制部42が高速でフルストロークする場合がある。このような場合にも、ばね下振動抑制部42の収縮速度が抑制されるようにされている。
なお、伸縮力発生部40が収縮方向にフルストロークすることは稀であるため、しきい時間Tthを上述の値よりも小さくすることもできる。その場合であっても、電圧Egがしきい電圧Eth以下に降下した後に、例えば、伸縮力発生部40が伸長方向の伸縮方向力を発生させた場合に、ばね下振動抑制部42の収縮速度の増大を抑制することができる。
以上の処理により、例えば、路面からの入力が過大である場合に、回転電気機械60の逆起電力がしきい電圧を超えることを検知して、減衰力発生部310の減衰力を大きくすることにより、ばね下振動抑制部42の伸縮速度を低減し、フルストローク時の衝撃を低減させることができる。なお、上記S17の処理がS12の後でS14の前に実行されるようにすることもできる。
本実施例において、ECU400のうち、高電圧時減衰力増大プログラムを実行する部分によって「減衰力増大制御部430」が構成されている。また、ECU400のうち、電源線242の電圧を取得する部分と、高電圧時減衰力増大プログラムのS11,S12の処理を実行する部分によって「逆起電力高圧状態検知部」が構成されている。
また、本実施例において、流路抵抗変更装置370と回転位置変更装置380とによって「通過抵抗変更部」が構成されている。また、ECU400のうち、S13〜S23の処理を実行する部分によって「通過抵抗変更部制御部」が構成されている。また、ECU400のうち、S17〜S20の処理を実行する部分によって「増大状態保持部」が構成されている。
なお、本実施例において、電圧Egがしきい電圧Ethを超えている状態から、しきい電圧Eth以下に降下した場合に、高減衰力状態を解除するようにすることもできる。その場合は、高電圧時減衰力増大プログラムを図14に示すように変更することができる。
前記実施例の変形例を説明する。
最初の実施例において、検出回路254に代えて、上記実施例のS11,S12と同様の処理によって逆起電力がしきい電圧を超えたことを検知することもできる。その場合には、例えば、ECU400によって半導体スイッチ252にON電圧が印加されるようにすることができる。
また、逆に、上記実施例のS11,S12の処理に代えて、検出回路254を設けることもできる。その場合は、例えば、比較器262の出力がECU400に入力されるようにし、S11に相当する処理において比較器262の出力を取得し、S12に相当する処理において比較器262の出力がONの場合に逆起電力がしきい電圧を超えたと判定することができる。
また、上記実施例において、減衰力発生部310を最初の実施例の減衰力発生部102に変更し、駆動回路410を磁場発生部116に電力を供給するものとすることができる。その場合は、MR流体128の粘度を増加させることによってばね下振動抑制部42の伸縮速度を低減させることができる。
上記とは別の変形例を説明する。
最初の実施例において、回転電気機械60の逆起電力がしきい電圧を超えた後に逆起電力がしきい電圧以下に降下した場合に、磁場発生装置116に電力を設定時間供給し続けることもできる。例えば、タイマ機能を備えたIC、あるいはキャパシタを含むタイマ回路を導通切換器250に設け、比較器262によって半導体スイッチ252のゲートにON電圧を超える電圧が印加された状態から印加されない状態に変化した時点から設定時間経過するまで、半導体スイッチ252のゲートにON電圧を超える電圧が印加されるようにすることができる。これにより、例えば、前記実施例のS19,S20の処理と同様の作用効果が得られ、伸縮力発生部40がフルストロークした際のばね下振動抑制部42の収縮速度を低減させることができる。
最初の実施例において、サスペンションシステムを、磁気発生装置116と、それに電力を供給する駆動回路(例えば、図12の駆動回路410)とを含む態様とすることができる。その場合には、例えば、検出回路254によって、あるいは、上記実施例のS11,S12と同様の処理によって逆起電力がしきい電圧を超えたことが検知された場合に、駆動回路から磁場発生装置116に電力を供給し、ばね下振動抑制部42の収縮速度を低減させることができる。
さらに別の変形例を説明する。
上記全ての実施例において、4つの接近離間力発生装置20の各々に対して1つずつの電源装置240が設けられていたが、4つの接近離間力発生装置20で1つの電源装置240を共用することもできる。その場合は、各接近離間力発生装置20の電源線242が互いに接続されることとなる。
しかし、電源線242の電圧がしきい電圧を超えたとしても、電源線242の電圧に基づいて4つの接近離間力発生装置20のうちのいずれの路面入力が過大であるのか判別することができない。そのため、例えば、電源線242の電圧がしきい電圧を超えた場合に、4つの接近離間力発生装置20全てについて、ばね下振動抑制部42の伸縮に対する抵抗力を増大させるという対処法がある。この対処法では、路面入力が過大でない接近離間力発生装置20についてまでばね下振動抑制部42の伸縮抵抗力を増大させてしまうこととなるが、路面入力が過大になることは稀であり、路面入力が過大である接近離間力発生装置20を保護することを優先することが望ましい。
また、各EDU230の電流や、制御電力線244の電圧に基づけば、4つの接近離間力発生装置20のうちのいずれの路面入力が過大であるのか判別することができる。路面入力が過大な接近離間力発生装置20では、発電量が増大するためEDU230のスイッチング素子232,234を流れる電流が大きくなり、また、逆起電力が増大するため制御電力線244の電圧が大きくなるからである。したがって、スイッチング素子232,234を流れる電流が設定電流値を超えていることと、制御電力線244の電圧が設定電圧を超えていることとの少なくとも一方、あるいは両方の条件を満たす特定の接近離間力発生装置20について、路面入力が過大であると判定することができ、特定の接近離間力発生装置20のばね下振動抑制部42の伸縮に対する抵抗力を増大させることができる。なお、上記判定は、電源線242の電圧がしきい電圧を超えた場合に行うことや、電源線242の電圧に拘わらず行うこととすることができる。
なお、スイッチング素子232,234を流れる電流は、電流測定用の抵抗器236の両端部の電位差に基づいて取得することができる。また、3つの抵抗器236の電流を平均化した値、例えば、3つの抵抗器236の電流の絶対値の平均値等に基づいて、電流がしきい値を超えているか否かを判定してもよい。
制御電力線244の電圧には、電源線242の電圧と同様に回転電気機械60の逆起電力が反映される。しかしながら、電源線242の電圧には、ステータ76の3つのコイルに生じている逆起電力が平均化されて反映されるのに対し、制御電力線244の電圧は、激しく変動するとともに正負が逆転する。そのため、制御電力線244の電圧が設定電圧を超えているか否かは、例えば、設定時間内において降圧回路によって取得された電圧の絶対値を平均化した値等に基づいて判定することや、後述する態様によって判定すること等が望ましい。
図15に、制御電力線244の電圧に基づいて、つまり、回転電気機械60の端子電圧に基づいて、回転電気機械60の逆起電力がしきい電圧を超えたことを検出する端子電圧依拠検出回路500を示す。
コイル電圧依拠検出回路500(以後、検出回路と略記する)は、高電圧状態検知部の一種であり、蓄電池246の電圧を降下させる抵抗器とツェナーダイオードとを有する定電圧回路510によって一定の電圧に保たれる対比電圧E3と、降圧回路512によって制御電力線244の電圧を設定比率で降下させた降下電圧E4とを比較器514によって比較し、降下電圧E4が対比電圧E3を超えた場合にECU520にON信号を出力する。
ECU520は、コンピュータによって図13と同様な高電圧時抵抗力増大プログラムを実行し、S11に相当する処理において比較器514の出力を取得し、S12に相当する判定において比較器514の出力がON信号であるか否かを判定する。S13〜S23の処理は前記実施例と同様であるが、本実施例において、降下電圧E4の変動が激しいため、前記実施例よりもしきい時間Tthを長く設定することが望ましい。
本実施例において、図に示す駆動回路530を前記実施例の駆動回路410と同様のものとし、抵抗力増大装置540を回転位置変更装置380と流路抵抗変更装置370とによって構成すれば、減衰力発生部310の減衰力を増大させて伸縮速度を低減させる態様とすることができる。一方、駆動回路530を、前記半導体スイッチ252にON電圧を超える電圧を印加するものとし、被駆動部540を半導体スイッチ252によって構成すれば、磁場発生装置116に電力を供給することによってMR流体128の粘性を増加させ、ばね下振動抑制部42の伸縮速度を低減させる態様とすることができる。あるいは、減衰力増大部540を磁場発生装置116とし、駆動回路530を磁場発生装置116に電力を供給するものとすることもできる。
このプログラムは、4つの接近離間力発生装置300に対応する4つのものが実行されており、4つの接近離間力発生装置20で1つの電源装置240を共用する場合であっても、制御電力線244の電圧に基づき、回転電気機械60の逆起電力がしきい電圧を超えた接近離間力発生装置20についてのみ、ばね下振動抑制部42の伸縮速度を低減させることができる。
また、3つの制御電力線244の2つ以上のものの電圧に基づいて、逆起電力がしきい電圧を超えたか否かを検知することもできる。その場合には、例えば、2つ以上の制御電力線244の少なくとも1つの電圧が設定値を超えた場合や、2つの制御電力線244の電圧が平均化された電圧が設定電圧を超えた場合(図16)等に、逆起電力がしきい電圧を超えたと判定することができる。
図15,図16において、制御電力線244の電圧が比較器514に入力されていたが、制御電力線244の電圧を降圧回路等によって降圧し、ECU520に入力することもできる。その場合は、上述のように、比較器514の出力がON信号になった後に一定時間抵抗力を増大させる処理を行うことや、前述のように、制御電力線244の電圧の設定時間内における絶対値の平均値等に基づいて、逆起電力がしきい電圧を超えたか否かを判定することが望ましい。
請求可能発明の実施例である電気サスペンションシステムを模式的に示す図である。 上記サスペンションシステムの接近離間方向力発生装置を示す正面断面図である。 上記接近離間方向力発生装置の減衰力発生部を示す正面断面図である。 上記サスペンションシステムの導通切換装置を示す回路図である。 上記接近離間方向力発生装置において、発電量が多い領域を模式的に示す図である。 上記とは別の導通切換装置を示す回路図である。 上記とは別の電源装置を示す回路図である。 上記とは別の実施例において、接近離間方向力発生装置を示す正面断面図である。 上記接近離間方向力発生装置の流路抵抗変更装置を示す正面断面図である。 上記流路抵抗変更装置を示す平面断面図である。 上記接近離間方向力発生装置の回転位置変更装置の中空回転軸を示す正面断面図である。 上記実施例において、ECUと駆動回路等との接続を模式的に示す図である。 上記実施例において、電源線の電圧がしきい電圧を超えた場合に減衰力発生部の減衰力を増大させるプログラムのフローチャートを示す図である。 電源線の電圧がしきい電圧を超えた場合に減衰力発生部の減衰力を増大させる上記とは別のプログラムのフローチャートを示す図である。 上記とは別の実施例において、制御電力線244の電圧に基づいて、回転電気機械の逆起電力がしきい電圧を超えたことを検出する回路を示す回路図である。 上記回路図において、2つの制御電力線244の電圧に基づいて、回転電気機械の逆起電力がしきい電圧を超えたことを検出する回路を示す回路図である。
符号の説明
10:サスペンション装置 12:車輪 14:車体 20:接近離間方向力発生装置 26:車輪保持部 28:ロアアーム 40:制御伸縮方向力発生部(伸縮方向力発生部) 42:ばね下振動抑制部(受動的伸縮部) 44:メインスプリング 60:回転電気機械(電気作動機械) 62:ボールねじ装置(運動変換装置) 74:ロータ(回転子) 76:ステータ(ステータ部) 84:ねじロッド 100:弾性力発生部 102:減衰力発生部 114:ショックアブソーバ 116:磁場発生装置 128:MR流体 132:ソレノイドコイル 150:連結部 200:電子制御ユニット[ECU] 230:電子駆動ユニット[EDU] 240:電源装置 242:電源線(電源路) 244:制御電力線 246:蓄電池 250:導通切換装置 252:半導体スイッチ(導通切換部) 254:検出回路(高電圧状態検知部) 262:比較器 264:定電圧回路 <第2実施例> 300:接近離間方向力発生装置 310:減衰力発生部 312:ショックアブソーバ 330:ハードバルブ 332:ソフトバルブ 350:コントロールロッド 354:先端部 356:切欠 364:バイパス通路 370:流路抵抗変更装置 380:回転位置変更装置 384:中空回転軸 400:電子制御ユニット[ECU] 414:電圧取得器 430:減衰力増大制御部 <変形例> 500:端子電圧依拠検出回路 520:電子制御ユニット 540:抵抗力増大装置

Claims (5)

  1. 車体と車輪との間に伸縮可能に設けられ、それらが接近離間する方向の力である接近離間方向力を発生させる接近離間方向力発生装置を含む電気サスペンションシステムであって、
    その接近離間方向力発生装置が、
    自身が有する電気作動機械により、少なくとも自身の伸縮に伴い発電することによって伸縮方向の力である伸縮方向力を発生させる伸縮方向力発生部と、
    車体と車輪との間に前記伸縮方向力発生部と直列に設けられ、自身の伸縮に対して抵抗力を生じさせつつ受動的に伸縮する受動的伸縮部と
    を含み、かつ、
    当該電気サスペンションシステムが、前記電気作動機械の逆起電力がしきい電圧を超えた場合に、前記受動的伸縮部の伸縮に対する抵抗力を増大させる抵抗力増大部を含むことを特徴とする車両用電気サスペンションシステム。
  2. 前記抵抗力増大部が、
    電力の供給を受けて前記抵抗力を増大させる機能を発揮する電力依拠機能部と、
    前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えた場合に、前記電気作動機械によって発電された電力を前記電力依拠機能部に供給する逆起電力供給部と
    を含む請求項1に記載の電気サスペンションシステム。
  3. 当該サスペンションシステムが、電源装置と、その電源装置と前記電気作動機械との間に流れる電力を調整する電力調整装置とを含み、
    前記逆起電力供給部が、前記電源装置と前記電力調整装置とを接続する電源路と前記電力依拠機能部との間の電気的な導通の有無を切り換える導通切換部を含み、その導通切換部によって、通常時においてそれら電源路と電力依拠機能部との導通を遮断する一方、前記電気作動機械の逆起電力が前記しきい電圧を超えた場合にそれら電源路と電力依拠機能部とを電気的に導通させるものである請求項2に記載の電気サスペンションシステム。
  4. 前記受動的伸縮部が、強磁性を有する粒子が液体中に分散させられた流体である磁気反応粘性流体を作動流体とし、その磁気反応粘性流体の流動抵抗によって自身の伸縮に対する抵抗力を発生させるダンパを含み、
    前記電力依拠機能部が、電力の供給を受けて前記磁気反応粘性流体に作用させる磁場を発生させる磁場発生部を含む請求項3に記載の電気サスペンションシステム。
  5. 当該サスペンションシステムが、設定電圧以下の電力を出力する電源装置と、その電源装置と前記電気作動機械との間に流れる電力を調整する電力調整装置とを含み、
    前記しきい電圧が、前記電源装置が出力する前記設定電圧よりも大きい電圧に設定された請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電気サスペンションシステム。
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