JP2019006334A - サスペンション制御装置 - Google Patents

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フンケ ヨアヒム
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ジョンストン ルシアン
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Abstract

【課題】減衰力調整式緩衝器の診断情報等の各種の情報を送受信することができるサスペンション制御装置を提供する。【解決手段】緩衝器6内には、作動油として電気粘性流体であるERF7が封入されている。メインコントローラ15は、各車高センサ14からの検出値に基づいて、必要な減衰力を演算して制御信号を出力する。サブコントローラ23は、メインコントローラ15からの制御信号(高電圧指令)に応答して電極ピン22に制御電圧を供給して緩衝器6の減衰力を制御する。メインコントローラ15と各サブコントローラ23,23(左前サブコントローラ23、右前サブコントローラ23、左後サブコントローラ23、右後サブコントローラ23)とを接続する通信線は、並列な一対の信号線26,26からなるCANバス、即ち、車両データバス25により構成している。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載されるサスペンション制御装置に関する。
自動車等の車両には、車体(ばね上)側と各車輪(ばね下)側との間に緩衝器(ダンパ)が設けられている。例えば、特許文献1には、作動流体として電気粘性流体を用いた減衰力調整式緩衝器が記載されている。
特開平10−2368号公報
車両の減衰力調整式緩衝器を、シングルライン(単線)を用いたPWM信号で制御する場合を考える。この場合は、減衰力調整式緩衝器を制御するコントローラと減衰力調整式緩衝器との間で、減衰力調整式緩衝器の診断情報等の各種の有用な情報を通信(送受信)することが難しい。
本発明の目的は、減衰力調整式緩衝器の診断情報等の各種の情報を送受信することができるサスペンション制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明のサスペンション制御装置は、各車輪と車体との間に介装され、電界または磁界により性状が変化する機能性流体が封入されると共にバッテリからの電圧または電流の供給により減衰力を調整する減衰力調整式緩衝器と、前記減衰力調整式緩衝器の減衰力を切換えるアクチュエータと、車両の車高状態を検出する車高検出手段と、前記車体に設けられ、前記車高検出手段からの検出値に基づいて、必要な減衰力を演算して制御信号を出力するメインコントローラと、前記各減衰力調整式緩衝器に装着され、前記制御信号に応答して前記アクチュエータに制御電圧または制御電流を供給して前記減衰力調整式緩衝器の減衰力を制御するサブコントローラと、前記メインコントローラと前記各サブコントローラとを接続する通信線とを備え、前記通信線は、並列な一対の信号線からなる車両データバスにより構成している。
本発明のサスペンション制御装置は、メインコントローラと各サブコントローラとの間で減衰力調整式緩衝器の診断情報等の各種の情報を送受信することができる。
第1の実施形態によるサスペンション制御装置を示す模式図。 図1中の減衰力調整式緩衝器(電気粘性ダンパ)を示す縦断面図。 メインコントローラ(Main ECU)と各サブコントローラ(Sub ECU)とを通信線で接続した状態を示す説明図。 第2の実施形態によるメインコントローラと各サブコントローラとを通信線で接続した状態を示す説明図。 第3の実施形態によるメインコントローラと各サブコントローラとを通信線で接続した状態を示す説明図。 第4の実施形態によるメインコントローラと各サブコントローラとを通信線で接続した状態を示す説明図。 第5の実施形態によるメインコントローラと各サブコントローラとを通信線で接続した状態を示す説明図。
以下、実施形態によるサスペンション制御装置について、当該サスペンション制御装置を4輪自動車に搭載した場合を例に挙げ、添付図面に従って説明する。
図1ないし図3は、第1の実施形態を示している。図1において、車体1は、車両のボディを構成している。車体1の下側には、車体1と共に車両を構成する車輪、例えば左,右の前輪と左,右の後輪(以下、総称して車輪2という)が設けられている。車輪2は、タイヤ3を含んで構成され、タイヤ3は、路面の細かい凹凸を吸収するばねとして作用する。
サスペンション装置4は、車両の相対移動する2部材間となる車体1と各車輪2との間に設けられている。サスペンション装置4は、懸架ばね5(以下、ばね5という)と、ばね5と並列になって2部材間である車体1と各車輪2との間に介装された減衰力調整式緩衝器6(以下、緩衝器6という)とにより構成されている。なお、図1中では、1組のサスペンション装置4を車体1と車輪2との間に設けた場合を例示している。
しかし、サスペンション装置4は、例えば、4輪の車輪2と車体1との間に個別に独立して合計4組設けられる(車体1の四隅に設けられる)もので、このうちの1組のみを図1では模式的に示している。即ち、後述の図3に示すように、サスペンション装置4(図3では緩衝器6のみ図示)は、車体1の四個所位置に設けられている。なお、図3中の「FL」、「FR」、「RL」、「RR」は、車輪2の位置となる「前左」、「前右」、「後左」、「後右」にそれぞれ対応する。
サスペンション装置4の緩衝器6は、車輪2の上下動を減衰させるものである。緩衝器6は、内部に封入する作動油(作動流体)として電気粘性流体(ERF:Electro Rheological Fluid)を用いた減衰力調整式緩衝器(セミアクティブダンパ)、即ち、電気粘性流体ダンパ(ERF Damper)として構成されている。この場合、緩衝器6は、後述のバッテリ16(図1)からの電力(電圧)の供給(印加)により減衰力を調整する。
図2に示すように、緩衝器6は、電気粘性流体7(以下、ERF7という)が封入されたシリンダとしての内筒8および外筒9と、内筒8内に摺動可能に挿入されたピストン10と、ピストン10に連結されて内筒8および外筒9の外部に延出するピストンロッド11と、内筒8内のピストン10の摺動によってERF7の流れが生じる部分に設けられERF7に電界をかける電極としての電極筒12とを含んで構成されている。電極筒12には、後述の電極ピン22を介して制御電圧(高電圧)が印加される。なお、図2では、封入されているERF7を無色透明で表している。
ERF7は、電界(電圧)により性状が変化する機能性流体である。ERF7は、例えば、シリコンオイル等からなる基油(ベースオイル)と、基油に混ぜ込まれ(分散され)電界の変化に応じて粘性を可変にする粒子(微粒子)とにより構成されている。これにより、ERF7は、印加される電圧に応じて粘度が変化し、流通抵抗(減衰力)が変化する。即ち、緩衝器6は、ERF7の流れが生じる部分に設けられた電極筒12に印加する電圧に応じて、発生減衰力の特性(減衰力特性)をハード(Hard)な特性(硬特性)からソフト(soft)な特性(軟特性)に連続的に調整することができる。なお、緩衝器6は、減衰力特性を連続的でなくとも、2段階または複数段階に調整可能なものであってもよい。
ここで、図2に示す緩衝器6は、ユニフロー構造となっている。このため、内筒8内のERF7は、ピストンロッド11の縮み行程と伸び行程との両行程で、内筒8の油穴8Aから電極通路13に向けて常に一方向(即ち、図2中に二点鎖線で示す矢印Fの方向)に流通する。即ち、中間筒としての電極筒12は、内筒8の外周側を全周にわたって取囲むことにより、電極筒12の内周側と内筒8の外周側との間に環状の電極通路13を形成している。電極通路13は、ERF7が流通する通路であり、ピストン10の摺動によってERF7の流れが生じる。
電極通路13内のERF7は、ピストンロッド11が内筒8内を進退動するとき(即ち、縮み行程と伸び行程を繰返す間)に、この進退動により電極通路13の軸方向の上端側から下端側に向けて流動する。このとき、電極通路13内には、電極筒12に印加される電圧に応じた電位差が発生し、ERF7の粘度が変化する。即ち、緩衝器6は、内筒8と電極筒12との間の電極通路13内に電位差を発生させ、電極通路13を通過するERF7の粘度を制御することで、発生減衰力を制御(調整)することができる。
図1に示すように、車体1には、(4個の)車高センサ14が設けられている。車高センサ14は、車両の車高状態をそれぞれの緩衝器6の近傍で検出する。このため、車高センサ14は、車体1のうち、緩衝器6の近傍となる位置(即ち、車両の四隅)にそれぞれ取付けられている。各車高センサ14は、メインコントローラ15と接続されている。各車高センサ14は、車両の四隅でそれぞれ車高を検出し、その検出信号(車高情報)をメインコントローラ15に出力する。車高センサ14は、車両の挙動となる車高状態(より具体的には、車両の上下方向の運動に関する状態量)を検出する車高検出手段(車両挙動検出手段)を構成している。
なお、車高検出手段は、緩衝器6の近傍に設けた4個の車高センサ14に限らず、例えば、4個のばね上加速度センサおよび4個のばね下加速度センサにより構成してもよい。また、4個のばね上加速度センサのみにより構成してもよい。さらには、車輪2の回転速度を検出する車輪速センサ(図示せず)等、車高センサ14、加速度センサ以外の車両の車高状態(に対応する状態量)を検出するセンサ(状態検出センサ)を用いてもよい。この場合に、例えば、1個のばね上加速度センサの情報(加速度)と車輪速センサの情報(車輪速)とから各車輪2の上下運動を推定することで、車両の車高状態(上下運動)を検出する構成としてもよい。
メインコントローラ15は、車体1に設けられている。メインコントローラ15は、減衰力可変ダンパ(電気粘性ダンパ)である緩衝器6を制御するためのメインのコントローラ、即ち、サスペンション装置用のECU(Electronic Control Unit)である。メインコントローラ15は、メインECU(Main ECU)とも呼ばれ、例えば、マイクロコンピュータを含んで構成されている。この場合、メインコントローラ15は、フラッシュメモリ、ROM、RAM、EEPROM等からなるメモリおよび演算回路(CPU)を有している。メモリには、緩衝器6の制御処理に用いるプログラム(例えば、緩衝器6に印加する高電圧指令の算出に用いる処理プログラム等)が格納されている。
メインコントローラ15は、車高センサ14および高電圧ドライバ17(のサブコントローラ23)と接続されている。メインコントローラ15には、各車高センサ14から出力される信号、即ち、各車高センサ14の検出値に対応する車高信号が入力される。また、メインコントローラ15には、高電圧ドライバ17(のサブコントローラ23)から出力される信号、例えば、高電圧ドライバ17(のサブコントローラ23)で判定された緩衝器6の診断情報や演算(推定)されたERF7の温度情報等の各種情報(緩衝器情報)が入力される。
メインコントローラ15は、各車高センサ14からの検出値に基づいて、必要な減衰力を演算して制御信号を出力する。即ち、メインコントローラ15は、各車高センサ14より得た情報から、高電圧ドライバ17(のサブコントローラ23)に出力する指令となる高電圧指令を演算する。より具体的には、メインコントローラ15は、車両の挙動情報(車両挙動信号)となる車高信号(車高)に基づき、緩衝器6で出力すべき力(減衰力)に対応する高電圧指令を演算する。
メインコントローラ15は、演算した高電圧指令に対応する制御信号(高電圧指令信号)を、高電圧ドライバ17(のサブコントローラ23)に出力する。高電圧ドライバ17は、メインコントローラ15からの制御信号(高電圧指令)に基づき、その信号(指令)に応じた高電圧を緩衝器6の電極筒12に出力する。高電圧が入力された緩衝器6は、その電圧値(電極筒12と内筒8との間の電位差)の変化に応じてERF7の粘性が変化し、緩衝器6の減衰力特性を切換える(調整する)ことができる。
バッテリ16は、緩衝器6の電極筒12に印加するための電源となるものである。また、バッテリ16は、メインコントローラ15および高電圧ドライバ17のサブコントローラ23の電源となるものである。バッテリ16(即ち、電源)は、例えば、車両の補機用バッテリとなる12Vの車載バッテリ(および、必要に応じて車載バッテリの充電を行うオルタネータ)により構成されている。
バッテリ16は、高電圧ボックス(HV-Box)とも呼ばれる高電圧ドライバ17を介して緩衝器6(電極筒12およびダンパシェルとなる外筒9)に接続されている。なお、緩衝器6の電源(バッテリ16)は、例えば、走行用の電動モータ(駆動モータ)が搭載されたハイブリッド自動車や電気自動車の場合、車両駆動用の大容量バッテリ(図示せず)を用いることもできる。
高電圧ドライバ17は、緩衝器6と同数(例えば、緩衝器6が4個であれば4個)設けられている。即ち、図3に示すように、車体1には、4個の高電圧ドライバ17が設けられている。換言すれば、高電圧ドライバ17は、車体1に設けられた緩衝器6毎に設けられている。この場合、図2に示すように、高電圧ドライバ17は、緩衝器6(の外筒9)に装着されている。高電圧ドライバ17は、緩衝器6のERF7に印加する高電圧を発生する。
このために、高電圧ドライバ17は、(低電圧)直流電力線を構成するバッテリ線(batt線)18およびグランド線(GND線)19を介して電源となるバッテリ16に接続されている。これと共に、高電圧ドライバ17は、(高電圧)直流電力線を構成する高電圧出力線20およびグランド線(GND線)21を介して緩衝器6(電極筒12およびダンパシェルとなる外筒9)に接続されている。この場合、図2に示すように、高電圧ドライバ17は、電極ピン22を介して緩衝器6の電極筒12に接続されている。電極ピン22は、緩衝器6の減衰力を切換えるアクチュエータとなるものである。即ち、緩衝器6は、高電圧ドライバ17の電極ピン22に供給される制御電圧に基づいて減衰力が切換えられる(調整される)。
高電圧ドライバ17は、サブコントローラ23、昇圧回路24を含んで構成されている。高電圧ドライバ17のサブコントローラ23は、メインコントローラ15から出力される制御信号(高電圧指令)に基づいて、バッテリ16から出力される直流電圧を昇圧回路24で昇圧する。高電圧ドライバ17は、その昇圧した高電圧を、電極ピン22を介して緩衝器6に供給(出力)する。
サブコントローラ23は、高電圧ドライバ17のECU(Electronic Control Unit)であり、例えばマイクロコンピュータを含んで構成されている。この場合、サブコントローラ23は、フラッシュメモリ、ROM、RAM、EEPROM等からなるメモリおよび演算回路(CPU)を有しており、メモリには、例えば、緩衝器6を診断する処理プログラム、温度推定(温度算出)の処理に用いる処理プログラム等が格納されている。
サブコントローラ23は、サテライトコントローラまたはサテライトECU(Satellite ECU)とも呼ばれており、車両データバス25を介してメインコントローラ15と接続されている。車両データバス25は、例えば、L−CAN(Local CAN)と呼ばれる通信が可能な車載の通信線である。即ち、車両データバス25は、データ通信に必要な回線網であるシリアル通信部としてのCAN(Controller Area Network)を構成している。この場合、図3に示すように、車両データバス25は、メインコントローラ15と各サブコントローラ23との間を接続している。
車両データバス25は、メインコントローラ15からサブコントローラ23に、制御信号(即ち、緩衝器6で出力すべき減衰力に対応する高電圧指令)を伝送(出力、送信)する。サブコントローラ23は、メインコントローラ15からの制御信号(高電圧指令)に応答して電極ピン22に制御電圧を供給して緩衝器6の減衰力を制御する。また、サブコントローラ23は、車両データバス25を介してメインコントローラ15に緩衝器6の診断情報やERF7の温度となるERF温度情報等の緩衝器情報(緩衝器信号)を伝送(出力、送信)する。
なお、図1では、車高センサ14からの信号(車高信号)をメインコントローラ15に直接入力する構成としている。しかし、これに限らず、メインコントローラ15は、車両データバス25とは別の車両データバス(図示せず)、例えば、車両に搭載された操舵系ECU、制動系ECU等の各種のECUと通信が可能なV−CAN(Vehicle CAN)と呼ばれる車載の通信線(別の車両データバス)を介して車両の挙動情報(加速度信号)を取得する構成としてもよい。
ところで、車両の四隅(各コーナ)に設けられたそれぞれの緩衝器を、シングルライン(単線)を用いたPWM信号で制御する場合を考える。この場合は、各緩衝器を制御するコントローラと各緩衝器(の減衰力を切換えるアクチュエータ)との間で、緩衝器の診断情報等の各種の有用な情報を送受信(通信)することが難しい。例えば、PWM信号で制御する場合、PWM信号から得られる電流値を分析することが考えられるが、緩衝器の詳細な診断をすることは困難である。
そこで、第1の実施形態では、図3に示すように、メインコントローラ15と各サブコントローラ23,23(左前サブコントローラ23、右前サブコントローラ23、左後サブコントローラ23、右後サブコントローラ23)とを接続する通信線を、並列な一対の信号線26,26からなるCANバス、即ち、車両データバス25により構成している。なお、図3(および後述する図4ないし図7)では、図面の左側が車両の前側に、図面の右側が車両の後側に、図面の上側が車両の右側に、図面の下側が車両の左側に対応する。
ここで、メインコントローラ15と各サブコントローラ23,23とをCANバスにより接続する場合、次の点を考慮する必要がある。即ち、CANバスを採用する場合、各車輪に対応してそれぞれ設けられる各緩衝器のサブコントローラ毎に、スプライシング(信号線の結び合わせ)、または、2本の信号線を追加する必要がある。これは、サスペンション装置の伸縮による車輪の変位(ホイールトラベル)に伴うCANバスの損傷、および、CANバスの外径(ワイヤ径)の増大に繋がる可能性がある。これに加えて、これらを解決するためには、接続ピンの必要数の増大により、コストが嵩む可能性がある。
また、CANバスは、信号線の端部に終端抵抗(ターミネーション、例えば、120Ωの抵抗)が必要になる。一方、各サブコントローラは、同じ値の終端抵抗(ターミネーションバリュー)を必要とするものではない。また、車両の四隅(各コーナ)でそれぞれ異なるソフトウエア特性を、個々のCAN_IDで情報送信する必要がある。さらに、CANバスの損傷(ワイヤの損傷)により全体的にCAN通信が失陥した場合は、操作性(操縦安定性)や乗り心地の低下に繋がる可能性がある。
ここで、メインコントローラと各サブコントローラの間を、それぞれ異なるCANバスにより接続すること考えられる。即ち、合計4本のCANバスを用いて、4個のサブコントローラと1個のメインコントローラとをそれぞれ個別に接続することが考えられる。しかし、この場合は、それぞれのCANバス毎に一対の終端抵抗(合計8個の終端抵抗)が必要になり、コストが嵩む可能性がある。
そこで、第1の実施形態では、図3に示すCANバスレイアウトを採用している。即ち、通信線としての車両データバス25は、並列な一対の信号線26,26(ツイストペア導線)からなるCANバスにより構成されている。そして、車両データバス25は、左接続経路27と右接続経路28との2つの接続経路27,28を有している。左接続経路27は、車両を構成する車体1の左側に位置する各サブコントローラ23(即ち、左前サブコントローラ23、左後サブコントローラ23)とメインコントローラ15とを一まとめに接続する経路である。右接続経路28は、車体1の右側に位置する各サブコントローラ23(即ち、右前サブコントローラ23、右後サブコントローラ23)とメインコントローラ15とを一まとめに接続する経路である。
この場合、車両データバス25の一端には、左側終端抵抗29が設けられており、車両データバス25の他端には、右側終端抵抗30が設けられている。即ち、車両データバス25の一対の信号線26,26は、その一端同士が左側終端抵抗29で接続されており、その他端同士が右側終端抵抗30で接続されている。そして、車両データバス25のうち左側終端抵抗29と右側終端抵抗30との間には、メインコントローラ15が接続されている。即ち、車両データバス25は、車体1内にU字状に配設されている。車両データバス25は、メインコントローラ15内で折り返されている。
メインコントローラ15は、コネクタ31を介して車両データバス25と接続されている。より具体的には、車両データバス25の一対の信号線26,26は、コネクタ31を介してメインコントローラ15内に引き込まれている。この場合、コネクタ31は、「左前サブコントローラ23から延びる信号線26,26」と「メインコントローラ15から延びる信号線26,26」とを接続すると共に、「右前サブコントローラ23から延びる信号線26,26」と「メインコントローラ15から延びる信号線26,26」とを接続するコネクタ(4線同士を接続するコネクタ)となっている。これにより、メインコントローラ15と車両データバス25(信号線26,26)との接続に、スプライシング(結び合わせ)が不要となっている。
メインコントローラ15は、車両データバス25に印加する送信電圧の発生、調整等を行うトランシーバ15Aを有している。メインコントローラ15のトランシーバ15Aは、メインコントローラ15内で車両データバス25(信号線26,26)から分岐した分岐線と接続されている。これにより、メインコントローラ15と車両データバス25とが接続されている。メインコントローラ15は、トランシーバ15Aを介して各サブコントローラ23と信号(データ、情報)の送受信を行うことができる。
一方、車両データバス25のうち左側終端抵抗29とメインコントローラ15との間は、車両(車体1)の左側に位置する緩衝器6に装着された高電圧ドライバ17の各サブコントローラ23(即ち、左前サブコントローラ23、左後サブコントローラ23)が接続されている。これにより、車両データバス25は、左側終端抵抗29とメインコントローラ15との間を、左前サブコントローラ23および左後サブコントローラ23が接続される左接続経路27を構成している。
左前サブコントローラ23は、コネクタ32を介して車両データバス25と接続されている。より具体的には、車両データバス25の一対の信号線26,26は、コネクタ32を介して左前サブコントローラ23内に引き込まれている。この場合、コネクタ32は、「メインコントローラ15から延びる信号線26,26」と「左前サブコントローラ23から延びる信号線26,26」とを接続すると共に、「左後サブコントローラ23から延びる信号線26,26」と「左前サブコントローラ23から延びる信号線26,26」とを接続するコネクタ(4線同士を接続するコネクタ)となっている。これにより、左前サブコントローラ23と車両データバス25(信号線26,26)との接続に、スプライシング(結び合わせ)が不要となっている。
左前サブコントローラ23は、車両データバス25に印加する送信電圧の発生、調整等を行うトランシーバ23Aを有している。左前サブコントローラ23のトランシーバ23Aは、左前サブコントローラ23内で車両データバス25(信号線26,26)から分岐した分岐線と接続されている。これにより、左前サブコントローラ23と車両データバス25とが接続されている。左前サブコントローラ23は、トランシーバ23Aを介してメインコントローラ15(および必要に応じて他のサブコントローラ23)と信号(データ、情報)の送受信を行うことができる。
左後サブコントローラ23も、左前サブコントローラ23と同様に、コネクタ32を介して車両データバス25と接続されている。この場合、コネクタ32は、「左前サブコントローラ23から延びる信号線26,26」と「左後サブコントローラ23から延びる信号線26,26」とを接続すると共に、「左側終端抵抗29から延びる信号線26,26」と「左後サブコントローラ23から延びる信号線26,26」とを接続するコネクタ(4線同士を接続するコネクタ)となっている。左後サブコントローラ23も、左前サブコントローラ23と同様に、トランシーバ23Aを介してメインコントローラ15(および必要に応じて他のサブコントローラ23)と信号(データ、情報)の送受信を行うことができる。
一方、車両データバス25のうち右側終端抵抗30とメインコントローラ15との間は、車両(車体1)の右側に位置する緩衝器6に装着された高電圧ドライバ17の各サブコントローラ23(即ち、右前サブコントローラ23、右後サブコントローラ23)が接続されている。これにより、車両データバス25は、右側終端抵抗30とメインコントローラ15との間を、右前サブコントローラ23および右後サブコントローラ23が接続される右接続経路28を構成している。なお、右接続経路28は、左,右が相違する以外、左接続経路27と同様であるため、これ以上の説明は省略する。
第1の実施形態によるサスペンション制御装置は、上述のような構成を有するもので、次に、その動作(メインコントローラ15および各高電圧ドライバ17を用いて緩衝器6の減衰力特性を調整する制御)について説明する。
メインコントローラ15には、車両の走行時に、各車高センサ14から検出信号(車両の四隅の車高情報)が入力される。このとき、メインコントローラ15は、車高からスカイフック制御則等を用いて目標減衰力を演算し、目標減衰力を発生させるために必要な電極筒12に印加すべき高電圧指令を算出する。メインコントローラ15は、算出した高電圧指令に対応する制御信号を、車両データバス25(信号線26,26)を介して各高電圧ドライバ17のサブコントローラ23に出力する。
各高電圧ドライバ17のサブコントローラ23は、メインコントローラ15からの高電圧指令に基づいて、バッテリ16から出力される直流電圧を高電圧ドライバ17の昇圧回路24で昇圧する。これにより、緩衝器6のERF7には、高電圧ドライバ17の電極ピン22および電極筒12を介して高電圧指令に応じた電圧(高電圧)が印加され、ERF7の粘性を制御することができる。このとき、緩衝器6の減衰力特性は、例えば、ハードな特性(硬特性)とソフトな特性(軟特性)との間で可変となって連続的(または、段階的)に制御される。
また、各高電圧ドライバ17のサブコントローラ23は、緩衝器6の診断を行う。例えば、各サブコントローラ23は、電極ピン22により印加される電圧(印加電圧)の監視(低電圧の監視)、短絡の監視、接地の監視、アークの監視等を行う。各サブコントローラ23は、この監視の結果を緩衝器6の診断情報として、車両データバス25(信号線26,26)を介してメインコントローラ15に送信する。また、各サブコントローラ23は、例えば、印加電圧と電流値と緩衝器6のピストン速度とからERF7の温度を演算(推定)する。各サブコントローラ23は、この温度情報(推定温度)を、車両データバス25(信号線26,26)を介してメインコントローラ15に送信する。
ここで、第1の実施形態では、メインコントローラ15および各サブコントローラ23は、並列な一対の信号線26,26からなる車両データバス25を介して信号(情報)の送受信を行う。即ち、第1の実施形態では、メインコントローラ15は、PWM制御の代わりに、CANバスである車両データバス25を用いて緩衝器6の制御を行う。このため、各サブコントローラ23で緩衝器6の詳細な診断を行うと共に、この診断情報に対応する信号を、各サブコントローラ23からメインコントローラ15に送信することができる。また、各サブコントローラ23でERFの温度を演算(推定)すると共に、この温度情報(推定温度)に対応する信号を、各サブコントローラ23からメインコントローラ15に送信することができる。これにより、メインコントローラ15と各サブコントローラ23との間で緩衝器6の診断情報等の各種の有用な情報を送受信することができる。
また、第1の実施形態では、左側終端抵抗29と右側終端抵抗30とを、メインコントローラ15および各サブコントローラ23とは別体に(別部品として)設けている。このため、メインコントローラ15および各サブコントローラ23は、終端抵抗を備えたものとしなくてよい。これにより、メインコントローラ15および各サブコントローラ23のコストを低減できる。また、各サブコントローラ23の共用化(共通化)を図ることもできる。
また、第1の実施形態では、通信線である車両データバス25は、複数のサブコントローラ23を一まとめに接続する左接続経路27および右接続経路28を有している。このため、サブコントローラ23の数よりも車両データバス25の数を少なくすることができる。具体的には、図3に示すように、車両データバス25をU字状に車体1内に配設することにより、1本の通信線からなる車両データバス25に対して合計4個のサブコントローラ23を、メインコントローラ15を挟んで2個ずつ接続している。このため、車両データバス25の配線に要するコストを低減することができる。また、車両データバス25は、メインコントローラ15を挟んで車両の左側となる左接続経路27と車両の右側となる右接続経路28とに分けているため、例えば、接続経路を車両の前側と後側とで分ける構成と比較して、車両データバス25に障害が発生したときの走行安定性を向上できる。
次に、図4は、第2の実施形態を示している。第2の実施形態の特徴は、各サブコントローラがオンオフ可変終端抵抗(切換え可能な終端抵抗)を備える構成としたことにある。なお、第2の実施形態では、上述した第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
第2の実施形態では、図4に示すCANバスレイアウトを採用している。各緩衝器6にそれぞれ装着された高電圧ドライバ17の各サブコントローラ41は、切換え可能な終端抵抗となるオンオフ可変終端抵抗41Aを備えている。オンオフ可変終端抵抗41Aは、終端抵抗としての機能を発揮する「オン状態(ON)」と終端抵抗としての機能を発揮しない「オフ状態(OFF)」とを選択すること(切換えること)ができる(プログラム可能である)。この場合、左後サブコントローラ41および右後サブコントローラ41は、オンオフ可変終端抵抗41Aがオン状態(ON)となっている。一方、左前サブコントローラ41および右前サブコントローラ41は、オンオフ可変終端抵抗41Aがオフ状態(OFF)となっている。
そして、並列な一対の信号線43,43(ツイストペア導線)からなる車両データバス42の一端は、車両(車体1)の左側に位置してオンオフ可変終端抵抗41Aがオン状態となった左端のサブコントローラ41、即ち、左後サブコントローラ41に接続されている。この場合、車両データバス42の一端は、左後サブコントローラ41のオンオフ可変終端抵抗41Aにコネクタ44を介して接続されている。即ち、車両データバス42の一対の信号線43,43は、コネクタ44を介して左後サブコントローラ41内に引き込まれている。左後サブコントローラ41内に引き込まれた信号線43,43は、オン状態(ON)のオンオフ可変終端抵抗41Aに接続されている。
コネクタ44は、「メインコントローラ45側から延びる信号線43,43」と「左後サブコントローラ41から延びる信号線43,43」とを接続するコネクタ(2線同士を接続するコネクタ)となっている。これにより、左後サブコントローラ41と車両データバス42(信号線43,43)との接続に、スプライシング(結び合わせ)が不要となっている。
左後サブコントローラ41は、トランシーバ41Bを有している。左後サブコントローラ41のトランシーバ41Bは、左後サブコントローラ41内で車両データバス42(信号線43,43)から分岐した分岐線と接続されている。これにより、左後サブコントローラ41と車両データバス42(信号線43,43)とが接続されている。
一方、車両データバス42の他端は、車体1の右側に位置してオンオフ可変終端抵抗41Aがオン状態となった右端のサブコントローラ41、即ち、右後サブコントローラ41に接続されている。この場合、車両データバス42の他端は、右後サブコントローラ41のオンオフ可変終端抵抗41Aにコネクタ44を介して接続されている。この場合、コネクタ44は、「メインコントローラ45側から延びる信号線43,43」と「右後サブコントローラ41から延びる信号線43,43」とを接続するコネクタ(2線同士を接続するコネクタ)となっている。右後サブコントローラ41も、左後サブコントローラ41と同様に、トランシーバ41Bを有している。右後サブコントローラ41のトランシーバ41Bも、左後サブコントローラ41のトランシーバ41Bと同様に、右後サブコントローラ41内で車両データバス42(信号線43,43)から分岐した分岐線と接続されている。
車両データバス42のうち左後サブコントローラ41と右後サブコントローラ41との間には、メインコントローラ45が接続されている。即ち、車両データバス42は、車体1内にU字状に配設されている。この場合、車両データバス42は、メインコントローラ45の近傍で折り返されている。メインコントローラ45は、コネクタ46を介して車両データバス42と接続されている。コネクタ46は、「信号線43,43からスプライシング(結び合わせ)により分岐した分岐線43A,43A」と「メインコントローラ45から延びる信号線43B,43B」とを接続するコネクタ(2線同士を接続するコネクタ)となっている。メインコントローラ45も、トランシーバ45Aを有しており、トランシーバ45Aは、メインコントローラ45内で信号線43B,43Bと接続されている。
車両データバス42のうち左後サブコントローラ41とメインコントローラ45との間には、車両(車体1)の左側に位置してオンオフ可変終端抵抗41Aがオフ状態となった左前サブコントローラ41が接続されている。これにより、車両データバス42は、左側終端抵抗(即ち、左後サブコントローラ41のオン状態となったオンオフ可変終端抵抗41A)とメインコントローラ45との間を、左前サブコントローラ41および左後サブコントローラ41が接続される左接続経路48を構成している。左前サブコントローラ41は、コネクタ47を介して車両データバス42と接続されている。即ち、車両データバス42の一対の信号線43,43は、コネクタ47を介して左前サブコントローラ41内に引き込まれている。左前サブコントローラ41内に引き込まれた信号線43,43は、オフ状態(OFF)のオンオフ可変終端抵抗41Aに接続されている。
コネクタ47は、「信号線43,43からスプライシング(結び合わせ)により分岐した分岐線43A,43A」と「左前サブコントローラ41から延びる信号線43B,43B」とを接続するコネクタ(2線同士を接続するコネクタ)となっている。左前サブコントローラ41も、トランシーバ41Bを有しており、トランシーバ41Bは、左前サブコントローラ41内で信号線43B,43Bから分岐した分岐線と接続されている。
車両データバス42のうち右後サブコントローラ41とメインコントローラ45との間には、車両(車体1)の右側に位置してオンオフ可変終端抵抗41Aがオフ状態となった右前サブコントローラ41が接続されている。これにより、車両データバス42は、右側終端抵抗(即ち、右後サブコントローラ41のオン状態となったオンオフ可変終端抵抗41A)とメインコントローラ45との間を、右前サブコントローラ41および右後サブコントローラ41が接続される右接続経路49を構成している。右前サブコントローラ41も、左前サブコントローラ41と同様に、コネクタ47を介して車両データバス42と接続されている。また、右前サブコントローラ41のトランシーバ41Bも、左前サブコントローラ41のトランシーバ41Bと同様に、右前サブコントローラ41内で信号線43B,43Bから分岐した分岐線と接続されている。
第2の実施形態は、上述のような図4に示す車両データバス42のレイアウトを採用したもので、その基本的作用については、上述した第1の実施形態によるものと格別差異はない。第2の実施形態では、各サブコントローラ41がオンオフ可変終端抵抗41Aを備えている。このため、終端抵抗を別に設ける必要がない。即ち、メインコントローラ45は、終端抵抗を備えたものとしなくてよい。これにより、メインコントローラ45のコストを低減できる。また、各サブコントローラ41の共用化を図ることもできる。
次に、図5は、第3の実施形態を示している。第3の実施形態の特徴は、メインコントローラが左側終端抵抗と右側終端抵抗とを備える構成としたことにある。なお、第3の実施形態では、上述した第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
第3の実施形態では、図5に示すCANバスレイアウトを採用している。メインコントローラ51は、左側終端抵抗52と右側終端抵抗53とを備えている。そして、車両データバス54の一端は、メインコントローラ51の左側終端抵抗52に接続されており、車両データバス54の他端は、メインコントローラ51の右側終端抵抗53に接続されている。即ち、図5に示すように、車両データバス54は、並列な一対の信号線55,55からなるCANバスを車体1内にW字状に配設することにより構成されており、車両データバス54には、合計4個のサブコントローラ56が、メインコントローラ51を挟んで2個ずつ接続されている。この場合、メインコントローラ51の一方のコネクタ57Aと左後サブコントローラ56のコネクタ58Aとの間、および、メインコントローラ51の他方のコネクタ57Bと右後サブコントローラ56のコネクタ58Aとの間は、2組の並列な一対の信号線55,55からなるダブルCANワイヤとなっている。
即ち、W字状に配設された車両データバス54のうち左側終端抵抗52と右側終端抵抗53との間には、メインコントローラ51が一対のコネクタ57A,57Bを介して接続されている。一方のコネクタ57Aは、「車両の左側のサブコントローラ56,56側から延びる4本の信号線55,55」と「メインコントローラ51側から延びる4本の信号線55,55」とを接続するコネクタ(4線同士を接続するコネクタ)となっている。他方のコネクタ57Bは、「車両の右側のサブコントローラ56,56側から延びる4本の信号線55,55」と「メインコントローラ51側から延びる4本の信号線55,55」とを接続するコネクタ(4線同士を接続するコネクタ)となっている。
一方のコネクタ57Aからメインコントローラ51側に向けて延びる4本の信号線55,55は、メインコントローラ51内に引き込まれている。4本の信号線55,55のうちの2本の信号線55,55は、左側終端抵抗52に接続されている。残りの2本の信号線55,55は、メインコントローラ51内で折り返して他方のコネクタ57Bに向けて延びている。他方のコネクタ57Bからメインコントローラ51側に向けて延びる4本の信号線55,55も、メインコントローラ51内に引き込まれている。4本の信号線55,55のうちの2本の信号線55,55は、右側終端抵抗53に接続されている。残りの2本の信号線55,55は、メインコントローラ51内で折り返して一方のコネクタ57Aに向けて延びている。メインコントローラ51のトランシーバ51Aは、メインコントローラ15内で折り返す信号線55,55から分岐した分岐線と接続されている。
一方、車両データバス54のうち左側終端抵抗52とメインコントローラ51(のトランシーバ51Aが接続される部位)との間は、車体1の左側に位置する各サブコントローラ56(即ち、左前サブコントローラ56、左後サブコントローラ56)が接続されている。これにより、車両データバス54は、左側終端抵抗52とメインコントローラ51との間を、左前サブコントローラ56および左後サブコントローラ56が接続される左接続経路59を構成している。同様に、車両データバス54のうち右側終端抵抗53とメインコントローラ51(のトランシーバ51Aが接続される部位)との間は、車体1の右側に位置する各サブコントローラ56(即ち、右前サブコントローラ56、右後サブコントローラ56)が接続されることにより、右接続経路60を構成している。
左前サブコントローラ56は、コネクタ58Bを介して車両データバス54と接続されている。この場合、コネクタ58Bは、「信号線55,55からスプライシング(結び合わせ)により分岐した分岐線55A,55A」と「左前サブコントローラ56から延びる信号線55B,55B」とを接続するコネクタ(2線同士を接続するコネクタ)となっている。そして、左前サブコントローラ56は、トランシーバ56Aを有しており、トランシーバ56Aは、左前サブコントローラ56内で信号線55B,55Bと接続されている。右前サブコントローラ56についても同様である。
一方、左後サブコントローラ56は、コネクタ58Aを介して車両データバス54と接続されている。この場合、コネクタ58Aは、一方の信号線55,55同士を接続すると共に他方の信号線55,55同士を接続し、かつ、「信号線55,55」と「左後サブコントローラ56から延びる信号線55B,55B」とを接続するコネクタ(4線と2線とを接続するコネクタ)となっている。そして、左後サブコントローラ56も、トランシーバ56Aを有しており、トランシーバ56Aは、左後サブコントローラ56内で信号線55B,55Bと接続されている。右後サブコントローラ56についても同様である。
第3の実施形態は、上述のような図5に示す車両データバス54のレイアウトを採用したもので、その基本的作用については、上述した第1の実施形態によるものと格別差異はない。第3の実施形態では、メインコントローラ51が左側終端抵抗52および右側終端抵抗53を備えている。このため、終端抵抗を別に設ける必要がない。即ち、各サブコントローラ56は、終端抵抗を備えたものとしなくてよい。これにより、各サブコントローラ56のコストを低減できる。また、各サブコントローラ56の共用化を図ることもできる。
次に、図6は、第4の実施形態を示している。第4の実施形態の特徴は、通信線を左接続経路となる左通信線と右接続経路となる右通信線との2組の通信線(別々の通信線)に分離(分割)したことにある。なお、第4の実施形態では、上述した第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
各サブコントローラ61は、それぞれ終端抵抗62を備えている。並列な一対の信号線64,64からなる車両データバス63は、左接続経路65となる左車両データバス63Aと、右接続経路66となる右車両データバス63Bとの2組の通信線(別々の通信線)に分かれている(分離している)。左車両データバス63Aは、車体1内の左側でU字状に配設されている。左車両データバス63Aは、メインコントローラ68内で折り返されている。一方、右車両データバス63Bは、車体1内の右側でU字状に配設されている。右車両データバス63B、メインコントローラ68内で折り返されている。
左車両データバス63Aの一端は、車体1の左前側に位置する左前サブコントローラ61の終端抵抗62に接続されている。この場合、左車両データバス63A(信号線64,64)の一端は、左前サブコントローラ61の終端抵抗62にコネクタ67を介して接続されている。コネクタ67は、「メインコントローラ68側から延びる信号線64,64」と「左前サブコントローラ61から延びる信号線64,64」とを接続するコネクタ(2線同士を接続するコネクタ)となっている。そして、左前サブコントローラ61は、トランシーバ61Aを有しており、トランシーバ61Aは、左前サブコントローラ61内で信号線64,64から分岐した分岐線と接続されている。
左車両データバス63Aの他端は、車体1の左後側に位置する左後サブコントローラの終端抵抗62に接続されている。この場合、左車両データバス63A(信号線64,64)の他端は、左後サブコントローラ61の終端抵抗62にコネクタ67を介して接続されている。コネクタ67は、「メインコントローラ68側から延びる信号線64,64」と「左後サブコントローラ61から延びる信号線64,64」とを接続するコネクタ(2線同士を接続するコネクタ)となっている。そして、左後サブコントローラ61も、トランシーバ61Aを有しており、トランシーバ61Aは、左後サブコントローラ61内で信号線64,64から分岐した分岐線と接続されている。
メインコントローラ68は、一対のトランシーバ68A,68Bを備えている。一方のトランシーバ68Aは、左車両データバス63Aに接続されている。他方のトランシーバ68Bは、右車両データバス63Bに接続されている。また、メインコントローラ68には、一対のコネクタ69A,69Bが2組設けられている。
即ち、左車両データバス63Aのうち左前側に位置する左前サブコントローラ61と左後側に位置する左後サブコントローラ61との間には、メインコントローラ68が接続されている。メインコントローラ68は、一方の組のコネクタ69A,69Bを介して左車両データバス63A(信号線64,64)と接続されている。一方の組のコネクタ69A,69Aのうちの一方のコネクタ69Aには、左前サブコントローラ61から延びる左車両データバス63A(信号線64,64)が接続され、他方のコネクタ69Bには、左後サブコントローラ61から延びる左車両データバス63A(信号線64,64)が接続されている。そして、メインコントローラ68内では、一対のコネクタ69A,69Bを介してメインコントローラ68内に引き込まれた左車両データバス63A(信号線64,64)と一方のトランシーバ68Aとが接続されている。
一方、右車両データバス63Bの一端は、車体1の右前側に位置する右前サブコントローラ61の終端抵抗62に接続されている。右車両データバス63Bの他端は、車体1の右後側に位置する右後サブコントローラ61の終端抵抗62に接続されている。そして、右車両データバス63Bのうち右前側に位置する右前サブコントローラ61と右後側に位置する右後サブコントローラ61との間に、メインコントローラ68が接続されている。なお、右車両データバス63Bの構成、右車両データバス63Bと右前サブコントローラ61との接続、右車両データバス63Bと右後サブコントローラ61との接続、右車両データバス63Bとメインコントローラ68との接続は、左右が相違する以外、左車両データバス63Aの構成およびその接続と同様であるため、これ以上の説明は省略する。
第4の実施形態は、上述のような図6に示す車両データバス63(左車両データバス63Aおよび右車両データバス63B)のレイアウトを採用したもので、その基本的作用については、上述した第1の実施形態によるものと格別差異はない。
特に、第4の実施形態では、各サブコントローラ61が終端抵抗62を備えている。このため、終端抵抗を別に設ける必要がない。即ち、メインコントローラ68は、終端抵抗を備えたものとしなくてよい。また、各サブコントローラ61の共用化を図ることもできる。また、各サブコントローラ61は、切換え可能な終端抵抗(オンオフ可変終端抵抗)を備えたものよりも安価である。また、左車両データバス63Aおよび右車両データバス63Bは、それぞれメインコントローラ68で折り返す(Uターンする)ように配設しているため、車両データバス63(63A,63B)と各サブコントローラ61との接続にスプライシング(結び合わせ)をなくすことができる。これに加えて、車両(車体1)の四隅では、各サブコントローラ61に対してそれぞれ2本の信号線64,64のみを配設することで、メインコントローラ68と各サブコントローラ61とを接続できる。このため、軽量化およびロバスト性を向上できる。
さらに、車両データバス63は、左車両データバス63Aと右車両データバス63Bとで別々の通信線(即ち、別系統)となっている。この場合、メインコントローラ68は、車体1の四隅(各コーナ)のそれぞれの緩衝器6で出力すべき減衰力を演算し、各サブコントローラ61に指令(高電圧指令の制御信号)を出力する。このとき、メインコントローラ68は、それぞれの通信線毎に、即ち、左車両データバス63Aと右車両データバス63Bとのそれぞれで、車体1の前側のサブコントローラ61と後側のサブコントローラ61とで異なるCAN_IDを用いて送受信を行う。即ち、左車両データバス63Aも右車両データバス63Bも、それぞれ前後でのみ異なるCAN_IDを用いて送受信を行うことができる。このため、メインコントローラ68は、車体1の前側と後側とにそれぞれ対応するソフトウエアのみが必要になる。例えば、サブコントローラ61を備えた前側の緩衝器6は、左側の緩衝器6としても右側の緩衝器6としても用いることができる。また、例えば、車体1の前側と後側とで異なる設計の緩衝器6とした場合は、車体1の前と後でソフトウエアを分けることが必要になり、例えば、異なる判定値が要求される。
また、車両データバス63に障害(例えば、断線、トランシーバの故障、終端抵抗の故障)が発生したときは、車体1の左側に位置する2つの緩衝器6または車体1の右側に位置する2つの緩衝器6のみが影響を受ける。即ち、左車両データバス63Aに障害が発生したときは、車体1の右側に位置する2つの緩衝器6の制御を継続することができ、右車両データバス63Bに障害が発生したときは、車体1の左側に位置する2つの緩衝器6の制御を継続することができる。これにより、例えば、車両データバスを車両(車体)の前後または斜めに分離した構成と比べて、定常旋回時または動的な旋回時にも、乗り心地および操縦安定性を向上することができる。
次に、図7は、第5の実施形態を示している。第5の実施形態の特徴は、通信線を車両内でD字状に配設したことにある。なお、第5の実施形態では、上述した第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
第5の実施形態では、図7に示すCANバスレイアウトを採用している。即ち、メインコントローラ71は、左側終端抵抗72と右側終端抵抗73とを備えている。そして、車両データバス74の一端は、メインコントローラ71の左側終端抵抗72に接続されており、車両データバス74の他端は、メインコントローラ71の右側終端抵抗73に接続されている。即ち、図7に示すように、車両データバス74は、並列な一対の信号線75,75からなるCANバスを、車体1内にD字状に配設することにより構成されており、車両データバス74には、4個のサブコントローラ76とメインコントローラ71とが接続されている。
メインコントローラ71には、一対のコネクタ77A,77Bが設けられている。一方のコネクタ77Aには、車両データバス74の一端側が接続され、他方のコネクタ77Bには、車両データバス74の他端側が接続されている。即ち、車両データバス74の一端側は、一方のコネクタ77Aを介してメインコントローラ71内に引き込まれ、かつ、その端部が左側終端抵抗72に接続されている。また、車両データバス74の他端側は、他方のコネクタ77Bを介してメインコントローラ71内に引き込まれ、かつ、その端部が右側終端抵抗73に接続されている。
メインコントローラ71のトランシーバ71Aは、他方のコネクタ77Bと右側終端抵抗73との間で車両データバス74(信号線75,75)から分岐した分岐線と接続されている。これにより、メインコントローラは、車両データバス74のうち左側終端抵抗72と右側終端抵抗73との間に接続されている。そして、車両データバス74のうち左側終端抵抗72とメインコントローラ71(のトランシーバ71Aが接続される部位)との間には、車体1の左側に位置する各サブコントローラ76(即ち、左前サブコントローラ76、左後サブコントローラ76)と車体1の右側に位置する各サブコントローラ76(即ち、右前サブコントローラ76、右後サブコントローラ76)とが接続されている。
この場合、各サブコントローラ76は、コネクタ78を介して車両データバス74と接続されている。コネクタ78は、「信号線75,75からスプライシング(の結び合わせ)により分岐した分岐線75A,75A」と「サブコントローラ76から延びる信号線75B,75B」とを接続するコネクタ(2線同士を接続するコネクタ)となっている。各サブコントローラ76は、トランシーバ76Aを有しており、トランシーバ76Aは、サブコントローラ76内で信号線75B,75Bと接続されている。
なお、メインコントローラ71のトランシーバ71Aは、一方のコネクタ77Aと左側終端抵抗72との間で車両データバス74(信号線75,75)から分岐する分岐線と接続してもよい。この場合は、車両データバス74のうち右側終端抵抗73とメインコントローラ71との間に、車体1の左側に位置する各サブコントローラ76(即ち、左前サブコントローラ76、左後サブコントローラ76)と車体1の右側に位置する各サブコントローラ76(即ち、右前サブコントローラ76、右後サブコントローラ76)とを接続することができる。
第5の実施形態は、上述のような図7に示す車両データバス74のレイアウトを採用したもので、その基本的作用については、上述した第1の実施形態によるものと格別差異はない。第5の実施形態では、メインコントローラ71が終端抵抗72,73を備えている。このため、各サブコントローラ76は終端抵抗を備えたものとしなくてよい。これにより、各サブコントローラ76のコストを低減できる。また、各サブコントローラ76の共用化を図ることもできる。
なお、各実施形態では、高電圧ドライバ17が昇圧する電圧を直流電圧とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、高電圧ドライバ17が昇圧する電圧を交流電圧としてもよい。
各実施形態では、サスペンション装置4の緩衝器6を縦置き状態で自動車等の車両に取付ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、緩衝器を横置き状態で鉄道車両等の車両に取付ける構成としてもよい。緩衝器6は、例えば、エアレーションを起こさない範囲で傾けて配置する等、取付対象に応じて所望の方向に配置することができる。
各実施形態では、緩衝器6は、機能性流体としての作動流体を電気粘性流体(ER流体)とすると共に、電源となるバッテリ16からの電圧(電力)の供給(印加)により減衰力を調整する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、機能性流体として、例えば、磁界により流体の性状が変化する磁性流体(MR流体)を用いてもよい。磁性流体を用いる場合には、例えば、電極筒12である中間筒を電極に代えて磁極とし、バッテリ(電源)からの電流(電力)の供給により内筒と中間筒との間に磁界を発生させることにより、発生減衰力を可変に調整する構成としてもよい。即ち、減衰力を切換えるアクチュエータは、例えば、磁極とすることができる。また、サブコントローラは、制御信号に応答して磁極に制御電流を供給する構成とすることができる。換言すれば、電流(電力)の供給により減衰力調整式緩衝器の減衰力を調整する構成とすることができる。
さらに、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。例えば、メインコントローラと通信線とを接続するためのコネクタは、メインコントローラに(一体に)設けてもよいし、メインコントローラと別個に設けてもよい。また、サブコントローラと通信線とを接続するためのコネクタは、高電圧ボックス(サブコントローラ)に(一体に)設けてもよいし、高電圧ボックス(サブコントローラ)と別個に設けてもよい。また、信号線の接続は、スプライシング(結び合わせ)を用いてもよいし、スプライシングが不要になるコネクタやレイアウトを用いてもよい。
以上説明した実施形態に基づくサスペンション制御装置として、例えば、下記に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様としては、各車輪と車体との間に介装され、電界または磁界により性状が変化する機能性流体が封入されると共にバッテリからの電圧または電流の供給により減衰力を調整する減衰力調整式緩衝器と、前記減衰力調整式緩衝器の減衰力を切換えるアクチュエータと、車両の車高状態を検出する車高検出手段と、前記車体に設けられ、前記車高検出手段からの検出値に基づいて、必要な減衰力を演算して制御信号を出力するメインコントローラと、前記各減衰力調整式緩衝器に装着され、前記制御信号に応答して前記アクチュエータに制御電圧または制御電流を供給して前記減衰力調整式緩衝器の減衰力を制御するサブコントローラと、前記メインコントローラと前記各サブコントローラとを接続する通信線とを備え、前記通信線は、並列な一対の信号線からなる車両データバスにより構成する。
この第1の態様によれば、メインコントローラおよび各サブコントローラは、並列な一対の信号線からなる車両データバスを介して信号(情報)の送受信を行うことができる。即ち、PWM制御の代わりに、車両データバス(CANバス)を用いるため、例えば、各サブコントローラで減衰力調整式緩衝器の詳細な診断を行うと共に、この診断情報に対応する信号を、各サブコントローラからメインコントローラに送信することができる。例えば、電気粘性流体を用いた減衰力調整式緩衝器であれば、各サブコントローラで低電圧の検出、短絡の検出、接地の検出、アークの検出等を行い、この検出結果を診断情報として、各サブコントローラからメインコントローラに送信することができる。また、例えば、各サブコントローラで電気粘性流体の温度を演算(推定)すると共に、この温度情報(推定温度)を、各サブコントローラからメインコントローラに送信することができる。これにより、メインコントローラと各サブコントローラとの間で減衰力調整式緩衝器の診断情報等の各種の有用な情報を送受信することができる。
第2の態様としては、第1の態様において、前記通信線は、前記メインコントローラと前記車両の左側に位置する前記各サブコントローラとを一まとめに接続する左接続経路と、前記メインコントローラと前記車両の右側に位置する前記各サブコントローラとを一まとめに接続する右接続経路との2つの接続経路を有する。
この第2の態様によれば、通信線は、複数のサブコントローラを一まとめに接続する左接続経路および右接続経路を有しているため、サブコントローラの数よりも通信線の数を少なくすることができる。これにより、コストを低減することができる。また、接続経路を車両の左側と右側とで分けるため、例えば、接続経路を車両の前側と後側とで分ける構成と比較して、通信線に障害が発生したときの走行安定性を向上できる。
第3の態様としては、第2の態様において、前記通信線の一端には、左側終端抵抗が設けられており、前記通信線の他端には、右側終端抵抗が設けられており、前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記右側終端抵抗との間には、前記メインコントローラが接続されており、前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記メインコントローラとの間は、前記車両の左側に位置する前記各サブコントローラが接続されることにより前記左接続経路を構成しており、前記通信線のうち前記右側終端抵抗と前記メインコントローラとの間は、前記車両の右側に位置する前記各サブコントローラが接続されることにより前記右接続経路を構成している。
この第3の態様によれば、メインコントローラおよび各サブコントローラとは別に、終端抵抗が設けられている。このため、メインコントローラおよび各サブコントローラは、終端抵抗を備えたものとしなくてよい。これにより、メインコントローラおよび各サブコントローラのコストを低減できる。また、各サブコントローラの共用化(共通化)を図ることもできる。
第4の態様としては、第2の態様において、前記各サブコントローラは、終端抵抗としての機能を発揮するオン状態と終端抵抗としての機能を発揮しないオフ状態とを選択できるオンオフ可変終端抵抗を備えており、前記通信線の一端は、前記車両の左側に位置して前記オンオフ可変終端抵抗がオン状態となった左端の前記サブコントローラに接続されており、前記通信線の他端は、前記車両の右側に位置して前記オンオフ可変終端抵抗がオン状態となった右端の前記サブコントローラに接続されており、前記通信線のうち前記左端のサブコントローラと前記右端のサブコントローラとの間には、前記メインコントローラが接続されており、前記通信線のうち前記左端のサブコントローラと前記メインコントローラとの間には、前記車両の左側に位置して前記オンオフ可変終端抵抗がオフ状態となった前記サブコントローラが接続されることにより前記左接続経路を構成しており、前記通信線のうち前記右端のサブコントローラと前記メインコントローラとの間には、前記車両の右側に位置して前記オンオフ可変終端抵抗がオフ状態となった前記サブコントローラが接続されることにより前記右接続経路を構成している。
この第4の態様によれば、各サブコントローラがオンオフ可変終端抵抗を備えている。このため、終端抵抗を別に設ける必要がない。即ち、メインコントローラは、終端抵抗を備えたものとしなくてよい。これにより、メインコントローラのコストを低減できる。また、各サブコントローラの共用化を図ることもできる。
第5の態様としては、第2の態様において、前記メインコントローラは、左側終端抵抗と右側終端抵抗とを備え、前記通信線の一端は、前記メインコントローラの左側終端抵抗に接続されており、前記通信線の他端は、前記メインコントローラの右側終端抵抗に接続されており、前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記右側終端抵抗との間には、前記メインコントローラが接続されており、前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記メインコントローラとの間は、前記車両の左側に位置する前記各サブコントローラが接続されることにより前記左接続経路を構成しており、前記通信線のうち前記右側終端抵抗と前記メインコントローラとの間は、前記車両の右側に位置する前記各サブコントローラが接続されることにより前記右接続経路を構成している。
この第5の態様によれば、メインコントローラが終端抵抗を備えている。このため、終端抵抗を別に設ける必要がない。即ち、各サブコントローラは、終端抵抗を備えたものとしなくてよい。これにより、各サブコントローラのコストを低減できる。また、各サブコントローラの共用化を図ることもできる。
第6の態様としては、第2の態様において、前記各サブコントローラは、終端抵抗を備えており、前記通信線は、前記左接続経路となる左通信線と前記右接続経路となる右通信線との2組の通信線に分離しており、前記左通信線の一端は、前記車両の左前側に位置する前記サブコントローラの終端抵抗に接続されており、前記左通信線の他端は、前記車両の左後側に位置する前記サブコントローラの終端抵抗に接続されており、前記左通信線のうち左前側に位置する前記サブコントローラと左後側に位置する前記サブコントローラとの間には、前記メインコントローラが接続されており、前記右通信線の一端は、前記車両の右前側に位置する前記サブコントローラの終端抵抗に接続されており、前記右通信線の他端は、前記車両の右後側に位置する前記サブコントローラの終端抵抗に接続されており、前記右通信線のうち右前側に位置する前記サブコントローラと右後側に位置する前記サブコントローラとの間には、前記メインコントローラが接続されている。
この第6の態様によれば、各サブコントローラが終端抵抗を備えている。このため、終端抵抗を別に設ける必要がない。即ち、メインコントローラは、終端抵抗を備えたものとしなくてよい。また、各サブコントローラの共用化を図ることもできる。また、各サブコントローラは、オンオフ可変終端抵抗を備えたものよりも安価にできる。また、左通信線および右通信線を、それぞれメインコントローラで折り返すように配設することにより、通信線と各サブコントローラとの接続にスプライシング(信号線の結び合わせ)をなくすこともできる。これに加えて、車両の四隅では、各サブコントローラに対して2本の信号線のみを配設することで、メインコントローラと各サブコントローラとを接続できる。このため、軽量化およびロバスト性を向上できる。
さらに、通信線は、左通信線と右通信線とで別々の通信線(即ち、別系統)となっている。この場合、メインコントローラは、車両の四隅(各コーナ)のそれぞれの減衰力調整式緩衝器で出力すべき減衰力を演算し、各サブコントローラに指令を出力する。このとき、メインコントローラは、それぞれの通信線毎に、車両の前側のサブコントローラと後側のサブコントローラとで異なるCAN_IDを用いて送受信を行うことができる。即ち、左通信線も右通信線も、それぞれ前後でのみ異なるCAN_IDを用いて送受信を行うことができる。このため、メインコントローラは、車両の前側と後側とにそれぞれ対応するソフトウエアのみが必要になる。例えば、サブコントローラを備えた前側の緩衝器は、左側の緩衝器としても右側の緩衝器としても用いることができる。また、例えば、車両の前側と後側とで異なる設計の緩衝器とした場合は、車両の前と後でソフトウエアを分けることが必要になり、例えば、異なる判定値が要求される。
また、通信線に障害が発生したときは、車両の左側に位置する2つの減衰力調整式緩衝器または車両の右側に位置する2つの減衰力調整式緩衝器のみ影響を受ける。即ち、左通信線に障害が発生したときは、車両の右側に位置する2つの減衰力調整式緩衝器の制御を継続することができ、右通信線に障害が発生したときは、車両の左側に位置する2つの減衰力調整式緩衝器の制御を継続することができる。これにより、例えば、通信線を車両の前後または斜めに分離した構成と比べて、定常旋回時または動的な旋回時にも、乗り心地および操縦安定性を向上することができる。
第7の態様としては、第1の態様において、前記メインコントローラは、左側終端抵抗と右側終端抵抗とを備え、前記通信線の一端は、前記メインコントローラの左側終端抵抗に接続されており、前記通信線の他端は、前記メインコントローラの右側終端抵抗に接続されており、前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記右側終端抵抗との間には、前記メインコントローラが接続されており、前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記メインコントローラとの間、または、前記通信線のうち前記右側終端抵抗と前記メインコントローラとの間には、前記車両の左側に位置する前記各サブコントローラと前記車両の右側に位置する前記各サブコントローラとが接続されている。
この第7の態様によれば、メインコントローラが終端抵抗を備えている。このため、各サブコントローラは終端抵抗を備えたものとしなくてよい。これにより、各サブコントローラのコストを低減できる。また、各サブコントローラの共用化を図ることもできる。
1 車体(車両)
2 車輪(車両)
6 緩衝器(減衰力調整式緩衝器)
7 ERF(機能性流体)
14 車高センサ(車高検出手段)
15,45,51,68,71 メインコントローラ
16 バッテリ
22 電極ピン(アクチュエータ)
23,41,56,61,76 サブコントローラ
25,42,54,63(63A,63B),74 車両データバス(通信線)
26,43,55,64,75 信号線
27,48,59,65 左接続経路
28,49,60,66 右接続経路
29,52,72 左側終端抵抗
30,53,73 右側終端抵抗
41A オンオフ可変終端抵抗
62 終端抵抗

Claims (7)

  1. 各車輪と車体との間に介装され、電界または磁界により性状が変化する機能性流体が封入されると共にバッテリからの電圧または電流の供給により減衰力を調整する減衰力調整式緩衝器と、
    前記減衰力調整式緩衝器の減衰力を切換えるアクチュエータと、
    車両の車高状態を検出する車高検出手段と、
    前記車体に設けられ、前記車高検出手段からの検出値に基づいて、必要な減衰力を演算して制御信号を出力するメインコントローラと、
    前記各減衰力調整式緩衝器に装着され、前記制御信号に応答して前記アクチュエータに制御電圧または制御電流を供給して前記減衰力調整式緩衝器の減衰力を制御するサブコントローラと、
    前記メインコントローラと前記各サブコントローラとを接続する通信線とを備え、
    前記通信線は、並列な一対の信号線からなる車両データバスにより構成したことを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 前記通信線は、前記メインコントローラと前記車両の左側に位置する前記各サブコントローラとを一まとめに接続する左接続経路と、前記メインコントローラと前記車両の右側に位置する前記各サブコントローラとを一まとめに接続する右接続経路との2つの接続経路を有する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
  3. 前記通信線の一端には、左側終端抵抗が設けられており、
    前記通信線の他端には、右側終端抵抗が設けられており、
    前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記右側終端抵抗との間には、前記メインコントローラが接続されており、
    前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記メインコントローラとの間は、前記車両の左側に位置する前記各サブコントローラが接続されることにより前記左接続経路を構成しており、
    前記通信線のうち前記右側終端抵抗と前記メインコントローラとの間は、前記車両の右側に位置する前記各サブコントローラが接続されることにより前記右接続経路を構成していることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション制御装置。
  4. 前記各サブコントローラは、終端抵抗としての機能を発揮するオン状態と終端抵抗としての機能を発揮しないオフ状態とを選択できるオンオフ可変終端抵抗を備えており、
    前記通信線の一端は、前記車両の左側に位置して前記オンオフ可変終端抵抗がオン状態となった左端の前記サブコントローラに接続されており、
    前記通信線の他端は、前記車両の右側に位置して前記オンオフ可変終端抵抗がオン状態となった右端の前記サブコントローラに接続されており、
    前記通信線のうち前記左端のサブコントローラと前記右端のサブコントローラとの間には、前記メインコントローラが接続されており、
    前記通信線のうち前記左端のサブコントローラと前記メインコントローラとの間には、前記車両の左側に位置して前記オンオフ可変終端抵抗がオフ状態となった前記サブコントローラが接続されることにより前記左接続経路を構成しており、
    前記通信線のうち前記右端のサブコントローラと前記メインコントローラとの間には、前記車両の右側に位置して前記オンオフ可変終端抵抗がオフ状態となった前記サブコントローラが接続されることにより前記右接続経路を構成していることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション制御装置。
  5. 前記メインコントローラは、左側終端抵抗と右側終端抵抗とを備え、
    前記通信線の一端は、前記メインコントローラの左側終端抵抗に接続されており、
    前記通信線の他端は、前記メインコントローラの右側終端抵抗に接続されており、
    前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記右側終端抵抗との間には、前記メインコントローラが接続されており、
    前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記メインコントローラとの間は、前記車両の左側に位置する前記各サブコントローラが接続されることにより前記左接続経路を構成しており、
    前記通信線のうち前記右側終端抵抗と前記メインコントローラとの間は、前記車両の右側に位置する前記各サブコントローラが接続されることにより前記右接続経路を構成していることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション制御装置。
  6. 前記各サブコントローラは、終端抵抗を備えており、
    前記通信線は、前記左接続経路となる左通信線と前記右接続経路となる右通信線との2組の通信線に分離しており、
    前記左通信線の一端は、前記車両の左前側に位置する前記サブコントローラの終端抵抗に接続されており、
    前記左通信線の他端は、前記車両の左後側に位置する前記サブコントローラの終端抵抗に接続されており、
    前記左通信線のうち左前側に位置する前記サブコントローラと左後側に位置する前記サブコントローラとの間には、前記メインコントローラが接続されており、
    前記右通信線の一端は、前記車両の右前側に位置する前記サブコントローラの終端抵抗に接続されており、
    前記右通信線の他端は、前記車両の右後側に位置する前記サブコントローラの終端抵抗に接続されており、
    前記右通信線のうち右前側に位置する前記サブコントローラと右後側に位置する前記サブコントローラとの間には、前記メインコントローラが接続されていることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション制御装置。
  7. 前記メインコントローラは、左側終端抵抗と右側終端抵抗とを備え、
    前記通信線の一端は、前記メインコントローラの左側終端抵抗に接続されており、
    前記通信線の他端は、前記メインコントローラの右側終端抵抗に接続されており、
    前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記右側終端抵抗との間には、前記メインコントローラが接続されており、
    前記通信線のうち前記左側終端抵抗と前記メインコントローラとの間、または、前記通信線のうち前記右側終端抵抗と前記メインコントローラとの間には、前記車両の左側に位置する前記各サブコントローラと前記車両の右側に位置する前記各サブコントローラとが接続されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
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