JP2009118976A - 折り畳み式サイドレール - Google Patents

Abstract

【課題】格納状態に至る前の近傍において支柱部材を支持する従来の保持機構では、確実な操作が困難である。
【解決手段】本発明では、上部横桟部材１ｕと下部横桟部材１ｄ間に、複数の支柱部材２を平行リンク機構を構成するように回動可能に連結して、支柱部材が起立した使用状態と、倒れた格納状態の間で操作可能に構成し、上記支柱部材を起立姿勢で保持する第１の保持機構５を設けると共に、下部横桟部材の上側には、上記格納状態に至る前の近傍において支柱部材を支持する第２の保持機構６を設け、この保持機構は、保持姿勢から非保持姿勢の間で回動可能に構成した保持片と、保持片を保持姿勢方向に付勢するばねと、保持片を非保持姿勢に係止する係止機構と、係止解除機構とから構成した折り畳み式サイドレールを提案する。
【選択図】図４

Description

本発明は、ベッド等用の折り畳み式サイドレール、特に、上部横桟部材と下部横桟部材間に、複数の支柱部材を平行リンク機構を構成するように回動可能に連結した構成の折り畳み式サイドレールに関するものである。

ベッドのサイドレールとしては各種のものが従来から提供されているが、このうち、上部横桟部材と下部横桟部材間に、複数の支柱部材を平行リンク機構を構成するように回動可能に連結し、上記支柱部材を起立姿勢で保持して使用状態とすると共に、支柱部材を倒して上部横桟部材を平行に下降して不使用時の格納状態とする折り畳み式サイドレールが広く使用されている。このような折り畳み式サイドレールでは、ベッドからの離床や介助等の邪魔にならないようにするため、不使用時の格納状態において、上部横桟部材の高さができるだけ低く維持されることが望まれる。このためには格納状態において重なる複数の支柱部材間の隙間が無いか、あるいはできるだけ小さくなるようにすれば良い。

しかしながらサイドレールを操作して格納状態にしようとした際に、操作者（使用者）や第三者が無意識に支柱部材間に指を入れていたり、また一度格納状態とした際に布団等の異物が挟まって隙間ができ、この隙間に指を入れている状態で、操作者（使用者）や第三者が上部横桟部材に荷重を加えると、支柱部材間に指を挟んでしまって非常に危険である。

このような危険性を無くすために、例えば特許文献１には、サイドレールが格納状態に至る前の近傍において支柱がそれ以上倒れるのを防ぐための保持片を下部横桟部材の上側に設け、この保持片は保持姿勢方向にばねによって付勢した構成が提案されている。

この構成では格納状態に至る前の近傍に支柱部材が倒れてくると、ばねによって保持姿勢に維持されている保持片に当接して支持され、この位置では、支柱部材間に所定幅の空間が形成されているため指が挟まれないというものである。

こうして支柱部材を一旦、この位置に保持した後、保持片をばねの付勢に抗して回動させて非保持姿勢に支持し、回動が可能となった状態で格納状態まで支柱部材を倒すことができるというものである。
特許第２６９７７６５号公報

上記特許文献１に記載の保持片は、強度上、少なくとも２個所以上に設ける必要があるが、この場合には、一人で保持片を非保持姿勢に支持しながらサイドレールを下降操作するのは困難である。３個所以上であると一人で操作することは不可能となる。
本発明は、以上の課題を解決することを目的とするものである。

上述した課題を解決するために、本発明では、まず、上部横桟部材と下部横桟部材間に、複数の支柱部材を平行リンク機構を構成するように回動可能に連結して、支柱部材が起立した使用状態と、倒れた格納状態の間で操作可能に構成し、上記支柱部材を起立姿勢で保持する第１の保持機構を設けると共に、下部横桟部材の上側には、上記格納状態に至る前の近傍において支柱部材を支持する第２の保持機構を設け、この保持機構は、保持姿勢から非保持姿勢の間で回動可能に構成した保持片と、保持片を保持姿勢方向に付勢するばねと、保持片を非保持姿勢に係止する係止機構と、係止解除機構とから構成した折り畳み式サイドレールを提案する。

そして本発明では、上記の構成において、保持片を支柱部材に隣接して回動可能に支持し、支柱部材側と保持片側の夫々には、保持片が保持姿勢の時に係合して非保持姿勢方向への回動を阻止する第１の係合突部と、保持片が非保持姿勢の時に係合して保持姿勢方向への回動を阻止する第２の係合突部を設けると共に、支柱部材側には、起立方向への回動において保持片側の第２の係合突部に係合して、第２の係合突部の係合を解除する第３の係合突部を構成することを提案する。

まず請求項１の折り畳み式サイドレールでは、格納操作においては、支柱部材を格納状態に至る前の近傍において第２の保持機構を構成する保持片によって一時的に保持することができ、この保持片は係止機構により非保持姿勢に係止することができるので、保持片から手を離した状態で支柱部材を更に格納状態へと倒すことができる。

このため保持片は２個所以上に設けることができるので強度上の問題を生じず、格納状態への操作が容易である。

請求項２の折り畳み式サイドレールにおいては、支柱部材の起立方向への回動において、保持片を非保持姿勢に係止する係止機構を解除することができるので、次の格納時には常に保持片を保持姿勢にしておくことができ、解除忘れによる不都合を生じない。

次に本発明の折り畳み式サイドレールの実施の形態を添付図面を参照して説明する。
まず図１〜図１１は本発明を適用した折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態を示すもので、図１〜図４は本発明の折り畳み式サイドレールの構成及び動作を概して示すもので、また図５〜図１１は要部の構成及び動作を説明するものである。
図１〜図４において、符号１ｕは上部横桟部材、１ｄは下部横桟部材であり、これらの上部横桟部材１ｕと下部横桟部材１ｄ間に、複数の支柱部材２、この場合１２本の支柱部材２を、平行リンク機構を構成するように回動可能に連結している。

図３、図４において、符号３は下部横桟部材１ｄの下方に突設した取付棒体であり、この取付棒体３をベッドのフレームの上面に形成した嵌合孔に嵌合することにより、サイドレールをベッド４の側部に取り付ける構成としている。また符号５は支柱部材２を起立状態、即ちサイドレールの使用状態に保持するための保持機構、即ち上述した第１の保持機構であり、この第１の保持機構５は、例えば上記特許文献１、特許文献２に記載されているような機構である。

一方、下部横桟部材１ｄには、格納状態に至る前の近傍状態において支柱部材２を支持する機構、即ち上述した第２の保持機構６を設けており、その詳細は以下のとおりである。

符号７は保持片であり、この保持片７を支柱部材２に隣接して回動可能に支持し、起立した保持姿勢から倒れた非保持姿勢の間で回動可能に構成している。符号８は保持片７と支柱部材２を下部横桟部材１ｄに回動可能に支持する支持部材を示すものであり、保持片７はばね９、この場合トーションばねにより保持姿勢方向、即ち図中時計回りに付勢している。尚、この保持姿勢は、保持可能な保持側の姿勢という意味であり、図３、図４又は図７に示すように若干傾斜して保持している姿勢そのものを意味するものではない。また図９〜図１１においてはばね９を省略している。

そして支柱部材２側と保持片７側の夫々には、保持片７が保持姿勢の時に係合して非保持姿勢方向への回動を阻止する第１の係合突部１０ａ，１０ｂと、保持片７が非保持姿勢の時に係合して保持姿勢方向への回動を阻止する第２の係合突部１１ａ，１１ｂを設けると共に、支柱部材２側には、起立方向への回動において保持片７側の第２の係合突部１１ｂに係合して、第２の係合突部１１ａ，１１ｂの係合を解除する第３の係合突部１２ａを構成している。このように第１、第２及び第３の係合突部は、添字ａが支柱部材２側、添字ｂが保持片７側を示している。

以上の構成において、図５、図６に示すように支柱部材２が起立状態の場合には、第１の係合突部１０ａ，１０ｂが係合しているため、保持片７は図中反時計回りに回動させることができない。

次いで第１の保持機構５の保持を解除して支柱部材２を図中時計回りに回動させると、支柱部材２が次第に倒れて行き、ばね９の付勢により起立状態となっている保持片７に当接する。保持片７に当接する支柱部材２は図中左側の支柱部材２であり、隣接する右側の支柱部材２ではない。こうして保持片７は図３、図４又は図７に示すように支柱部材２の傾斜角度に応じて若干傾斜して支柱部材２を保持する。この状態では、隣接の支柱部材２間に指が自由に入る空間が形成されているため指が挟まれない。

次いで折り畳み式サイドレールを完全に格納状態に至らせる際には、まず上部横桟部材１ｕを僅かに上昇させて保持片７の回動を可能とし、この状態において図８に示すように保持片７をばね９の付勢に抗して反時計回りに回動させる。

こうして保持片７を反時計回りに回動すると、図９に示すように保持片７側の第２の係合突部１１ｂが支柱部材２側の第２の係合突部１１ａの端の段部に当接するので、この時点で更に保持片７を反時計回りに回動すると、第２の係合突部１１ｂは弾性変形して段部を乗り越え、図１０に示すように第２の係合突部１１ａ，１１ｂが係合状態となる。

図１０に示すように第２の係合突部１１ａ，１１ｂが係合状態となると、保持片７はばね９によって付勢されていても時計回りに回動することができず、即ち非保持姿勢に維持される。

こうして支柱部材２を更に回動下降して折り畳み式サイドレールを図２に示すように完全な格納状態にすることができる。この格納状態においては、隣接の支柱部材２間の隙間を極小とすることにより、上部横桟部材１ｕの高さを低くすることができる。

次に格納状態の折り畳み式サイドレールを使用状態にする際に、支柱部材２を反時計回りに回動すると、図１１に示すように第３の係合突部１２ａが第２の係合突部１１ｂに当接し、更に反時計回りに回動することにより第２の係合突部１１ｂが押動されて、段部を介して第２の係合突部１１ａから外れる。

この状態においては、保持片７は再び時計回りの回動が可能となり、ばね９の付勢により回動して図６に示すように起立状態となる。

このように、この実施の形態では、支柱部材２の起立方向への回動において、保持片７を非保持姿勢に係止する係止機構を解除することができるので、次の格納時には常に保持片７を保持姿勢にしておくことができ、解除忘れによる不都合を生じない。

本発明の折り畳み式サイドレールは以上の通りであるので、格納状態に至る前の近傍において支柱部材を保持機構を構成する複数の保持片により確実に保持できると共に、それらの複数の保持片を非保持姿勢にするための解除操作を、一人で容易に、確実に行えるという利点がある。

また本発明では、保持片を非保持姿勢に係止する係止機構の解除を支柱部材の起立方向への回動において自動的に行うことができるので、次の格納時には常に保持片を保持姿勢にしておくことができ、解除忘れによる不都合を生じない。

本発明の折り畳み式サイドレールは、医療用のベッドばかりでなく、家庭用の介護ベッドや、一般のベッドにも利用できるものである。

本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態を使用状態において示す説明図である。 本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態を格納状態において示す説明図である。 本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態を格納状態の近傍の一時停止状態において示す説明図である。 図３の要部拡大図である。 本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態の要部の構成及び動作を示す側面図である。 本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態の要部の構成及び動作を示す断面図である。 本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態の要部の構成及び動作を他の局面で示す側面図である。 本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態の要部の構成及び動作を更に他の局面で示す断面図である。 本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態の要部の構成及び動作を更に他の局面で示す断面図である。 本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態の要部の構成及び動作を更に他の局面で示す断面図である。 本発明の折り畳み式サイドレールの第１の実施の形態の要部の構成及び動作を更に他の局面で示す断面図である。

符号の説明

１ｕ 上部横桟部材
１ｄ 下部横桟部材
２ 支柱部材
３ 取付棒体
４ ベッド
５ 第１の保持機構
６ 第２の保持機構
７ 保持片
８ 支持部材
９ ばね（トーションばね）
１０ａ，１０ｂ 第１の係合部
１１ａ，１１ｂ 第２の係合部
１２ 第３の係合部

Claims (2)

1. 上部横桟部材と下部横桟部材間に、複数の支柱部材を平行リンク機構を構成するように回動可能に連結して、支柱部材が起立した使用状態と、倒れた格納状態の間で操作可能に構成し、上記支柱部材を起立姿勢で保持する第１の保持機構を設けると共に、下部横桟部材の上側には、上記格納状態に至る前の近傍において支柱部材を支持する第２の保持機構を設け、この保持機構は、保持姿勢から非保持姿勢の間で回動可能に構成した保持片と、保持片を保持姿勢方向に付勢するばねと、保持片を非保持姿勢に係止する係止機構と、係止解除機構とから構成したことを特徴とする折り畳み式サイドレール。
2. 保持片を支柱部材に隣接して回動可能に支持し、支柱部材側と保持片側の夫々には、保持片が保持姿勢の時に係合して非保持姿勢方向への回動を阻止する第１の係合突部と、保持片が非保持姿勢の時に係合して保持姿勢方向への回動を阻止する第２の係合突部を設けると共に、支柱部材側には、起立方向への回動において保持片側の第２の係合突部に係合して、第２の係合突部の係合を解除する第３の係合突部を構成したことを特徴とする請求項１に記載の折り畳み式サイドレール。

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