JP2009114595A - ポリウレタンウレア弾性繊維及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】両末端アミン化合物を含有し、液熱処理前の比粘度ηSP,2/Cが0.8以上2.2以下であり、かつ130℃30分間液熱処理後の比粘度と液熱処理前の比粘度との比粘度差ΔηSP/Cが0.5以上、3.0以下であることを特徴とするポリウレタンウレア弾性繊維。
【選択図】なし
Description
一般的にポリウレタンウレア弾性繊維は、有機ジオールが過剰モルのジイソシアネート化合物で連結されたプレポリマーと呼ばれるものに有機ジアミンを添加し、アミノ基とイソシアネート基とを反応させることにより、ウレア基を持ったハードセグメントを形成する。このハードセグメントはポリマー全体の架橋点となるため、ポリウレタンウレア弾性繊維の耐熱性に大きな影響を与える。このハードセグメントを強化することにより耐熱性を向上させることや、ポリマーの分子量を上げることにより耐熱性を向上させること等が行われてきた(特許文献1乃至4参照)。
しかしながら、これらの方法を用いると、加工工程における生地の幅合わせ等の工程において熱で幅合わせを行うためのセット性が低下するために、生地加工での工程性が悪くなるという問題が発生したり、ポリウレタンウレア溶液の粘度が経時により急激に上昇し、紡糸することが困難になる等の問題も発生したりするため、技術的な提案はされていても実際には、工業的な生産が難しい。従って、エステル交編での丸編生地においては、130℃以上で繰り返し染色が可能なポリウレタンウレア弾性繊維が望まれていた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]両末端アミン化合物を含有し、液熱処理前の比粘度ηSP,2/Cが0.8以上、2.2以下であり、かつ下記式(1)で示される比粘度差ΔηSP/Cが0.5以上、3.0以下であることを特徴とするポリウレタンウレア弾性繊維。
ΔηSP/C=ηSP,1/C−ηSP,2/C ・・・(1)
ΔηSP/C : 比粘度差
ηSP,1/C : 130℃30分間液熱処理後の比粘度
ηSP,2/C : 液熱処理前の比粘度
[2]両末端アミン化合物の含有量が片末端アミン化合物に対して40mol%等量以上200mol%等量未満であることを特徴とする上記[1]に記載のポリウレタンウレア弾性繊維。
加工想定処理(A):ポリウレタンウレア弾性繊維を50%伸張状態で190℃1分間の乾熱処理後、130℃60分間の液熱処理を行う。
[4]下記に示す加工想定処理(B)後の下記式(2)で示される200%R/Sが90%以上であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリウレタンウレア弾性繊維。
200%R/S=200%応力(往)/200%応力(帰) ・・・(2)
200%応力(往): 300%伸張繰り返し、3回目の200%往きの応力(g)
200%応力(帰): 300%伸張繰り返し、3回目の200%帰りの応力(g)
加工想定処理(B):ポリウレタンウレア弾性繊維を100%伸張状態で190℃1分間の乾熱処理、130℃30分間の液熱処理、および170℃1分間の乾熱処理を行う。
熱セット率(%)=[(I−I0 )/(I1 −I0 )]×100 ・・・(3)
I0 : 初期サンプル長(mm)
I1 : 液熱処理を行う時のサンプル長(mm)
I : 液熱処理を行った後にリラックス状態になるサンプル長(mm)
加工想定処理(B):ポリウレタンウレア弾性繊維を100%伸張状態で190℃1分間の乾熱処理、130℃30分間の液熱処理、および170℃1分間の乾熱処理を行う。
[6]両末端アミン化合物を添加し、乾式紡糸することを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリウレタンウレア弾性繊維の製造方法。
本発明のポリウレタンウレア弾性繊維は、液熱処理前の比粘度ηSP,2/Cが0.8以上、2.2以下であり、かつ下記式(1)で示される比粘度差ΔηSP/Cが0.5以上、3.0以下であることを特徴とする。
ΔηSP/C=ηSP,1/C−ηSP,2/C ・・・(1)
ΔηSP/C : 比粘度差
ηSP,1/C : 130℃30分間液熱処理後の比粘度
ηSP,2/C : 液熱処理前の比粘度
比粘度は、後述する方法で測定される、ポリマー分子量の指標である。液熱処理前の比粘度が0.8以上2.2以下であれば、加工工程における生地の幅合わせ等の工程において熱で幅合わせを行うためのセット性が優れる。0.8未満であると、加工工程での乾熱工程段階において、熱切断が発生しやすい。また、2.2を超えると、加工工程における生地の幅合わせ等の工程において熱で幅合わせを行うためのセット性が低下するために、生地加工での工程性が悪くなる問題が発生する。
比粘度差は、液熱処理によるポリマー分子量の変動の指標である。上記式(1)で示される比粘度差ΔηSP/Cが0.5以上3.0以下であれば、繰り返し染色時の熱切断を抑制し、生地の幅合わせ等に必要な熱セット性が通常の加工条件で行える。0.5未満であると、染色時に熱切断したりすることもある。3.0を超えると、加工工程における生地の幅合わせ等の工程において熱で幅合わせを行うためのセット性が低下するために、生地加工での工程性が悪くなる問題が発生する。
更に、本発明のポリウレタンウレア弾性繊維は、加工想定処理(B)後の熱セット率が70%以上であることが好ましい。このようなポリウレタンウレア弾性繊維であれば、生地の幅合わせ等に必要な熱セット性が通常の加工条件で行えるため好ましい。70%未満であると、加工工程における生地の幅合わせ等の工程において熱で幅合わせを行うためのセット性が低下するために、生地加工での工程性が悪くなる問題が発生する。
本発明のポリウレタンウレア弾性糸は、実質的に線状の高分子ジオールと両末端イソシアネート化合物とで調製整されたイソシアネート末端のプレポリマーに、片末端アミン化合物および両末端アミン化合物を有するアミン溶液を、一段または多段階に反応せしめて得られる、分子内にウレタン基とウレア基を有するポリウレタンウレア高分子重合体を乾式紡糸、湿式紡糸、反応紡糸、又は溶融紡糸することによって得られるものである。特に好ましいのは、工程性が容易であること、伸張特性等の物性発現の観点から乾式紡糸である。
上記、高分子ジオールと両末端イソシアネート化合物とで調整されたイソシアネート末端のプレポリマーと重合する片末端アミン化合物としては、下記の化合物を含む化合物の例が知られている。例えば、ジエチルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン等が挙げられる。好ましいのは、ジエチルアミンである。
また、両末端アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリメチレンジアミン等がある。また、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の両末端イソシアネート成分の両末端にエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミンやドデカメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノフェニルメタン、トリエチレンジアミン、トリメチレンジアミン等を反応させたウレア結合を有する下記構造式で示される化合物(5)等が挙げられる。又、これらジアミンの混合物でも良い。好ましくは、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミンである。
両末端アミン化合物を含有させる方法としては、ポリウレタンプレポリマーと重合反応させる両末端アミン化合物と片末端アミン化合物の混合溶液中に、両末端アミン化合物を過剰量添加することにより作製する方法や、重合後、紡糸する前の工程で両末端アミン化合物を直接添加しても良い。
又、本発明の性能を発現させる両末端アミン化合物としては、前述する比粘度差ΔηSP/Cを発生するものであれば、如何なるものでも良い。プレポリマーと重合させる両末端アミン化合物と同じ化合物でも、別の化合物でも良い。例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリメチレンジアミン等が挙げられる。また、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の両末端イソシアネート成分の両末端にエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミンやドデカメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノフェニルメタン、トリエチレンジアミン、トリメチレンジアミン等を反応させた前述のウレア結合を有する化合物(5)等が挙げられる。又、これらジアミンの混合物でも良い。原液の安定性、耐熱時の性能の面から4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の両末端イソシアネート成分の両末端にエチレンジアミンや1,2−プロピレンジアミン等の一級アミンを反応させたウレア結合を有する上記の化合物(5)が好ましい。
これに対し、両末端アミン化合物を重合後のポリウレタンウレアに追添する方法であれば、ポリウレタンウレア弾性繊維中に含有される量が調整しやすく、より好ましい。この場合の両末端アミン化合物の添加量としては、ポリウレタンプレポリマー中の片末端アミン化合物仕込み量より過剰に添加させれば良く、片末端アミン化合物仕込み量に対し、40mol%等量以上200mol%等量未満過剰に添加することにより本発明の耐熱性を有するポリウレタンウレア弾性糸を好適に作製することが出来る。ポリウレタンプレポリマー中の片末端アミン化合物に対し、40mol%等量未満であると液熱処理後の比粘度上昇が小さく、効果の発現が充分で無いことがある。又、200mol%等量以上の両末端アミン化合物を添加すると重合原液の急激な粘度上昇が発生し、紡糸安定性に影響することがある。
スルホコハク酸系金属塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤をポリウレタンウレア弾性繊維に対して、0.1〜5重量%の範囲で含有させることにより、更に糸切れを抑制させ、エステル交編丸編生地での、130℃以上の温度での加工処理を可能とする。界面活性剤としては、上記のものであれば、如何なる化合物でも良いが、好ましくは、スルホコハク酸金属塩が破断強度向上としての効果が高いことから好ましい。
本発明でのポリウレタンウレア弾性繊維の繊度としては、丸編、経編用途として11デシテックス以上310デシテックス以下のものが好ましい。
なお、測定法、評価方法は下記の通りである。
<熱処理方法>
高温高圧染色機(NISSEN CORPORATION TYPE 12LMP-E )を用いて、下記の方法でそれぞれ熱処理を行った。金枠への取り付け方法を図1に示す。
1.加工想定処理(A):強度保持率測定用サンプルの処理条件
(i)190℃1分間の乾熱処理
金枠に無伸長下で被処理部分I0=50mmの試験サンプル糸をセットし、これを50%伸長し、被処理部分I1=75mmで固定した。金枠ごと190℃に加熱されたピンテンターで1分間乾熱処理を行った。ピンテンターから取り出した金枠を室温で放冷させた。
(ii)130℃30分間の液熱処理
上記(i)の処理後の金枠を染色機内部のポット内でイオン交換水に浸漬させて液熱処理を行った。処理条件は80℃から2.0℃/分で昇温させて行き、130℃で30分保ち、その後冷却を行った。染色機より取り出した金枠から試験サンプル糸を外し、フリーな状態にリラックスさせ、温度20℃、湿度65wt%の雰囲気で12時間以上風乾した後、強度測定を行った。
(i)190℃1分間の乾熱処理
金枠に無伸長下で被処理部分I0=75mmの試験サンプル糸をセットし、これを100%伸長させ、被処理部分I1=150mmで固定した。金枠ごと190℃に加熱されたピンテンターで1分間乾熱処理を行った。ピンテンターから取り出した金枠を室温で放冷させた。
(ii)130℃30分間の液熱処理
上記(i)の処理後の金枠を、上記1.と同様な方法で130℃30分間の液熱処理を行った。染色機から取り出した金枠から試験サンプル糸を外さずに金枠ごと風乾し、次の熱処理を行った。
(iii)170℃1分間の乾熱処理
上記(ii)の処理後風乾された試験サンプル糸がセットされた金枠を、そのまま170℃に加熱されたピンテンターで1分間乾熱処理を行った。
ピンテンターから取り出した金枠が室温に放冷された状態で、下記に示す熱セット率の測定を行った後、金枠から試験サンプル糸を外し、フリーな状態でリラックスさせ、温度20℃、湿度65wt%の雰囲気下で12時間以上放置した後、下記に示す200%R/Sの測定を行った。
試験サンプル糸を約2g採取し、無伸長の状態下で染色機内部のポット内でイオン交換水に浸漬させて処理を行った。処理条件は80℃から2.0℃/分で昇温させて行き、130℃で30分保ち、その後冷却を行った。染色機より取り出した試験体は、温度20℃、湿度65wt%の雰囲気で12時間以上風乾した後、下記に示す比粘度(ηSP/C)測定方法に従い、測定を行った。
比粘度(ηSP/C);
ポリマー分子量の評価として比粘度を測定した。200ml三角フラスコに、液熱処理前または液熱処理後のサンプルを0.2gと、新しい石油エーテルを100ml入れ、5分間ゆっくりと攪拌する。三角フラスコ中の石油エーテルを新しい石油エーテルと交換し、更に5分間ゆっくりと攪拌後、サンプルを三角フラスコから取り出し、3時間風乾する。この試験サンプルの重量(W1)を正確に精評する。0.5wt%のジメチルアセトアミド(DMAc)溶液にするために、試験サンプルを入れた50mlサンプル瓶にジメチルアセトアミドを加えて正確に重量(W2)を測定し溶解させて試験サンプル溶液の濃度Cを求める。オストワルド粘度計にて25℃の恒温水槽中で、溶媒と上記の試験サンプル溶液の流下時間を測定した。下記式(7)により比粘度を求めた。
t : 試験サンプル溶液の流下速度(秒)
t0 : 溶媒(DMAc)の流下速度(秒)
C : 試験糸の濃度(wt%)(W1/W2×100)
又、次式により、比粘度差ΔηSP/Cを求めた。
ΔηSP/C=ηSP,1/C−ηSP,2/C ・・・(1)
ΔηSP/C : 比粘度差
ηSP,1/C : 130℃30分間液熱処理後の比粘度
ηSP,2/C : 液熱処理前の比粘度
温度20℃、湿度65wt%の条件下で、引張試験機オリエテンテック(株)製UTM−III−100型により測定した。試験機に熱処理前または熱処理後のサンプルを掴み間隔50mmでセットし、変形速度1000%/分で破断するまで引張り、破断時の応力(強度)と伸度(伸長する前に対する伸長率%)を測定した。なお測定値は下記式(8)による熱処理前の破断強度に対する熱処理後の破断強度の割合(%)を強度保持率とした。
強度保持率(%)=(TS後/TS前)×100 ・・・(8)
TS後 : 熱処理後の破断強度(cN)
TS前 : 熱処理前の破断強度(cN)
温度20℃、湿度65wt%の条件下で、引張試験機オリエテンテック(株)製UTM−III−100型により測定した。試験機に熱処理後のサンプルを掴み間隔50mmでセットし、変形速度1000%/分で300%伸張するのを3回繰り返し試験を行い、3回目の往きの200%応力と帰りの200%応力の比を200%R/Sとした。
200%R/S=200%応力(往)/200%応力(帰) ・・・(2)
200%応力(往): 300%伸張繰り返し、3回目の200%往きの応力(g)
200%応力(帰): 300%伸張繰り返し、3回目の200%帰りの応力(g)
上記加工想定処理(B)後の、試験サンプル糸がセットされた金枠のサンプル長をゆっくりと狭めていき、糸がリラックス状態になった時の長さIを測定し、下記式(3)で示される熱処理前の長さに対する割合(%)を熱セット率とした。なおここで、I0、I1は液熱処理時の値(I0=75mm、I1=150mm)である。
熱セット率(%)=[(I−I0 )/(I1 −I0 )]×100 ・・・(3)
I0 : 初期サンプル長(mm)
I1 : 液熱処理を行う時のサンプル長(mm)
I : 液熱処理を行った後にリラックス状態になるサンプル長(mm)
4口丸編機(大隈製24ゲージ30インチ)を使用し、ポリエチレンテレフタレート繊維84T/36fを4chに、ポリウレタンウレア弾性繊維を4chに供給して交編丸編生地を作製し、フリー状態での乾熱セット後、精錬処理を行い、液流染色機で染色温度130℃、135℃において1回の染色時間45分間での液熱染色処理を繰り返しで3回染色を行った。この生地を検反機上で穴開きの個数の巾180cm長さ200cmでポリウレタンウレア弾性繊維が断糸して穴開きしている箇所の個数で評価を行った。ポリウレタンウレア弾性繊維が断糸していることは、マイクロスコープを用いて確認を行った。
数平均分子量1800のポリオキシテトラメチレングリコール2200gをジメチルアセトアミド1400gに溶解させ、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート480gと乾燥窒素雰囲気下、50℃で2時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートであるポリウレタンプレポリマー溶液を得た。得られたポリウレタンプレポリマー溶液を、15℃の水浴バスで冷却し、ジメチルアセトアミド1900gに溶解し、ポリウレタンプレポリマー溶液を希釈した。一方、エチレンジアミン40.28g及びジエチルアミン5.82gを乾燥DMAcに溶解し、これを前記ポリウレタンプレポリマー溶液に30℃下で添加して30℃で濃度30重量%、粘度4500ポイズのポリウレタンウレア溶液を得た。
得られた弾性繊維の比粘度測定結果を表1に、繊維諸物性を表2に、糸切れ性評価を表3に各々示す。
実施例1〜3において、化合物(6)をポリウレタンプレポリマー中の片末端アミン化合物に対して、60mol%等量添加させ、かつ表面にステアリン酸が付着しているハイドロタルサイトをポリウレタンウレアポリマーに対して3wt%添加し、かつスルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩(CYTEC社製)を0.5wt%添加し、50℃窒素雰囲気下で3時間攪拌混合し、紡糸用ポリマー原液を作製した。このポリマー原液を用いて実施例1〜3と同様な方法で、繊度が22デシテックス、2フィラメントの糸を得た。
得られた弾性繊維の比粘度測定結果を表1に、繊維諸物性を表2に、糸切れ性評価を表3に各々示す。
実施例1〜3において、化合物(6)を20mol%等量添加する以外は実施例1〜3と同様な方法で、繊度が22デシテックス、2フィラメントの糸を得た。
得られた弾性繊維の比粘度測定結果を表1に、繊維諸物性を表2に、糸切れ性評価を表3に各々示す。
実施例1〜3において、化合物(6)を200mol%等量添加する以外は実施例1〜3と同様な方法で、紡糸することを試みたが、原液の粘度の上昇が著しく早い上に、紡糸時に糸切れが多発し、製品を採取することができなかった。
実施例1〜3において、両末端アミン化合物を添加しないこと以外は実施例1〜3と同様な方法で繊度が22デシテックス、2フィラメントの糸を得た。
得られた弾性繊維の比粘度測定結果を表1に、繊維諸物性を表2に、糸切れ性評価を表3に各々示す。
以下の方法で特許文献1の実施例15を追試した。
数平均分子量1830のPTMG400gとMDI87gとを窒素ガス雰囲気中70℃で3時間攪拌しつつ反応させ、末端イソシアネート基を有する中間重合体を得た。次いで室温まで冷却し、乾燥ジメチルアセトアミドを加えて、濃度40重量%の中間重合体溶液とした。次いで、エチレンジアミン7.28gとジエチルアミン1.11gとを含むジメチルアセトアミド溶液を激しく攪拌された中間重合体溶液中に加え、濃度30重量%のポリウレタンウレア溶液を得た。次いで酸化防止剤として約分子量2300のp−クレゾールとジシクロペンタジエン及びイソブテンの縮合生成物をポリマーに対して5重量%を添加し、攪拌混合した。さらに、化合物(6)を3.02g(50mol%)を含むジメチルアセトアミド溶液を加え、混合、脱泡し、濃度30重量%、粘度3400ポイズ/30℃の紡糸用組成液を得た。これを熱風温度が270℃に保たれた乾式紡糸機にオリフィスを通して供給し、紡糸、乾燥、仮撚り、オイリングを行い、800m/分で巻き取り繊度が22デシテックス、2フィラメントの糸を得た。
得られた弾性繊維の比粘度測定結果を表1に、繊維諸物性を表2に、糸切れ性評価を表3に各々示す。
Claims (6)
- 両末端アミン化合物を含有し、液熱処理前の比粘度ηSP,2/Cが0.8以上、2.2以下であり、かつ下記式(1)で示される比粘度差ΔηSP/Cが0.5以上、3.0以下であることを特徴とするポリウレタンウレア弾性繊維。
ΔηSP/C=ηSP,1/C−ηSP,2/C ・・・(1)
ΔηSP/C : 比粘度差
ηSP,1/C : 130℃30分間液熱処理後の比粘度
ηSP,2/C : 液熱処理前の比粘度 - 両末端アミン化合物の含有量が片末端アミン化合物に対して40mol%等量以上200mol%等量未満であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンウレア弾性繊維。
- 下記に示す加工想定処理(A)後の強度保持率が70%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタンウレア弾性繊維。
加工想定処理(A):ポリウレタンウレア弾性繊維を50%伸張状態で190℃1分間の乾熱処理後、130℃60分間の液熱処理を行う。 - 下記に示す加工想定処理(B)後の下記式(2)で示される200%R/Sが90%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタンウレア弾性繊維。
200%R/S=200%応力(往)/200%応力(帰) ・・・(2)
200%応力(往): 300%伸張繰り返し、3回目の200%往きの応力(g)
200%応力(帰): 300%伸張繰り返し、3回目の200%帰りの応力(g)
加工想定処理(B):ポリウレタンウレア弾性繊維を100%伸張状態で190℃1分間の乾熱処理、130℃30分間の液熱処理、および170℃1分間の乾熱処理を行う。 - 加工想定処理(B)後の下記式(3)で示される熱セット率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタンウレア弾性繊維。
熱セット率(%)=[(I−I0 )/(I1 −I0 )]×100 ・・・(3)
I0 : 初期サンプル長(mm)
I1 : 液熱処理を行う時のサンプル長(mm)
I : 液熱処理を行った後にリラックス状態になるサンプル長(mm)
加工想定処理(B):ポリウレタンウレア弾性繊維を100%伸張状態で190℃1分間の乾熱処理、130℃30分間の液熱処理、および170℃1分間の乾熱処理を行う。 - 両末端アミン化合物を添加し、乾式紡糸することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタンウレア弾性繊維の製造方法。
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