JPH0959821A - ポリウレタンウレア弾性繊維の製造方法 - Google Patents

ポリウレタンウレア弾性繊維の製造方法

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JPH0959821A
JPH0959821A JP21485695A JP21485695A JPH0959821A JP H0959821 A JPH0959821 A JP H0959821A JP 21485695 A JP21485695 A JP 21485695A JP 21485695 A JP21485695 A JP 21485695A JP H0959821 A JPH0959821 A JP H0959821A
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temperature
polyurethane
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solution
prepolymer
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JP21485695A
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Yasuhiro Nakano
靖浩 仲野
Akiko Nakajima
章子 中島
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタンウレア弾性糸を製造するにあた
り、ドープの吐出最適温度領域を見出し、高強度および
高弾性率を発現させる。 【解決手段】 両末端に水酸基を有するポリマージオー
ルに過剰モル量の有機ジイソシアネート化合物を反応さ
せてプレポリマーを合成し、ついでこのプレポリマーに
ジアミン化合物を反応させて得られるポリウレタンウレ
ア重合体溶液を用いる紡糸において、この重合体溶液を
90℃以上130℃以下の温度領域で紡糸することを特
徴とするポリウレタンウレア弾性繊維の製造方法。 【効果】 この様にして得られたポリウレタンウレア弾
性糸は高強度および高弾性率を発現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術的分野】本発明は、特定の温度以上
でポリウレタンウレア重合体溶液を吐出して高強度かつ
高弾性率なポリウレタンウレア弾性繊維を湿式もしくは
乾式紡糸によって製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンはフォーム、接着剤、塗
料、エラストマー、合成皮革、さらに繊維等、幅広い分
野に進出し、多くの有用な製品を生み出している。特に
両末端に水酸基を有するポリマージオールに過剰モル量
の有機ジイソシアネート化合物を反応させて両末端にイ
ソシアネート基を有する中間重合体(プレポリマー)を
合成し、ついでこのプレポリマーをジアミン化合物と反
応させて得られるポリウレタンウレア重合体溶液は、湿
式もしくは乾式法で紡糸することによって優れた弾性糸
を与える。この弾性糸は、優れた弾性力、高伸張率、高
弾性回復性を示し、衣料用分野、産業用資材分野等、様
々な分野で利用されている。
【0003】ポリウレタン弾性糸の代表的な製造方法と
しては湿式紡糸と乾式紡糸が挙げられ、両紡糸方法にお
いて、より優れた弾性糸を目指す多くの工夫がなされて
いる。そのような中、得られる弾性糸の特性に大きな影
響を与える因子の一つとして成型過程における温度が挙
げられる。例えば、湿式紡糸では凝固浴温度が、また乾
式紡糸では脱溶媒温度が糸物性の規定因子の一つと成り
うる。
【0004】ところで、従来よりポリウレタンウレア重
合体溶液は高温下で分解、脆化などの変質を伴うため、
紡口からの吐出以前の段階では必要以上の温度を加える
ことは避けられてきた。具体的には、乾式紡糸では吐出
前の重合体溶液温度を70℃にすることが米国特許第3
094374号明細書、特公昭42−8438号公報、
特公昭42−19502号公報等に記載されている。さ
らに熱交換用流体の通路を設けた特殊な紡糸口金を用い
ることによって、ポリウレタン重合体溶液を40〜80
℃の範囲の一定温度に保ち、良好な紡糸安定性および高
強度弾性糸を得る試みも成されている(特公昭47−1
8887号公報)。一方、湿式紡糸においては凝固浴温
度に関する検討は多いものの紡糸口金の温度を規定した
ものはほとんどない。すなわち、ポリウレタンウレアの
乾式紡糸においては、高温下での重合体溶液の変性や分
解に注意するあまり、これまで溶液の高温化に関する検
討はなされておらず、また比較的低温で溶液を吐出する
湿式紡糸に至っては、そのような研究は皆無であったと
言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、紡糸口
金より吐出する直前のポリウレタンウレア重合体溶液温
度とそれを吐出して得られる弾性糸の物性との関係を詳
細に検討することによってドープの最適吐出温度を決定
することを試み、最適吐出温度を見出し、本発明に至っ
た。すなわち本発明の目的は、ドープを最適温度で吐出
することによって、ポリマーの分解も実質上無く、しか
も最終製品の力学特性が一段と向上した弾性糸を与える
製造方法を提供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、両
末端に水酸基を有するポリマージオールに過剰モル量の
有機ジイソシアネート化合物を反応させて両末端にイソ
シアネート基を有するプレポリマーを合成し、ついでこ
のプレポリマーにジアミン化合物を反応させて得られる
ポリウレタンウレア重合体溶液を用いる湿式および乾式
紡糸において、この重合体溶液を90℃以上130℃以
下の温度で吐出して紡糸することを特徴とするポリウレ
タンウレア弾性繊維の製造方法である。
【0007】本発明に従えば、ポリマーの分子量低下や
それに伴う力学物性の低下も見られず、従来よりも強度
や弾性率といった力学物性が一段と向上したポリウレタ
ンウレア弾性繊維が提供され、しかも紡糸性も優れたも
のとなる。以下、本発明の詳細について説明する。本明
細書中に示すポリウレタンウレア重合体溶液とは、まず
両末端に水酸基を有するポリマージオールに過剰モル量
の有機ジイソシアネート化合物を有機溶媒中で反応させ
て両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを合
成するか(溶液合成法)、もしくは上記ポリマージオー
ルと有機ジイソシアネート化合物との両成分を溶媒不在
下の溶融状態で反応させて溶融状プレポリマーを合成し
た後、溶媒に溶解させてプレポリマー溶液を得る(溶融
合成法)かして、続いてこのプレポリマーのイソシアネ
ート基と等量あるいは過剰量のジアミン化合物を反応さ
せて得られるものを意味する。
【0008】本発明中で用いられるポリマージオール
は、数平均分子量が800〜3000、好ましくは10
00〜2500の範囲であり、かつ融点が60℃以下の
ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリラ
クトンジオール、ポリカーボネートジオールである。数
平均分子量が800未満のポリマージオールでは、得ら
れる成形物は伸度が低く、ポリウレタンウレア弾性体と
しての高伸度高回復性の特徴が生かされず、また伸長時
の構造破壊が著しいため、結果的に永久ひずみが大きく
なる。逆に数平均分子量が3000を越えるジオールを
用いる場合には、得られる成形物の弾性率が低い。融点
の高いジオールを使用すると、成形物の回復性が低く、
またプレポリマーの粘度が高くなるので好ましくない。
【0009】ポリエーテルジオールとしては、ポリオキ
シテトラメチレングリコール、ポリ(1,5−ペンタン
ジオール)、ポリエチレングリコールなどが挙げられ
る。ポリエステルジオールとしては、シュウ酸、コハク
酸、グルタル酸、フマル酸、セバシン酸、マレイン酸、
イタコン酸、アジピン酸、マロン酸等の二塩基酸の一種
または二種以上の混合物と、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレング
リコール、シクロヘキサンメタノール等のジオールの一
種または二種以上とから得られたものが挙げられ、また
そのような方法で得られた末端にカルボキシル基を有す
るポリエステルに、例えばポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテト
ラメチレングリコール、ポリオキシペンタメチレングリ
コール等のポリエーテルジオールをさらに反応させて得
られたものを使用することも可能である。
【0010】ポリラクトンジオールとしては、ε−カプ
ロラクトン等を開環重合して得られるヒドロキシカルボ
ン酸にプロピレングリコールやブタンジオール等のジオ
ール類を反応させて得られたもの、またはポリオキシテ
トラメチレングリコールやポリオキシペンタメチレング
リコール等のポリマージオールを反応させて得られたも
のが挙げられる。
【0011】ポリカーボネートジオールとしては、アル
キレンカーボネート類と1,4−ブタンジオール、1,
3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール等との反応により得られるポ
リ(ブタン−1,4−カーボネートジオール)、ポリ
(ペンタン−1,5−カーボネートジオール)、ポリ
(ヘキサン−1,6−カーボネートジオール)およびそ
れらの共重合体ならびに混合物から得られるポリカーボ
ネートジオールが挙げられる。
【0012】これらのジオールの中で、ポリエステルジ
オールおよびポリラクトンジオールは微脆化しやすいこ
と、ポリカーボネートは溶融粘度が高く取り扱いが煩雑
であることから、ポリエーテルジオールが好ましく、中
でもポリオキシテトラメチレングリコールが特に好まし
い。有機ジイソシアネート化合物として好ましいもの
は、プロパンジイソシアネート、ブタンジイソシアネー
ト、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネ
ート、3−メチルヘキサン−1,6−ジイソシアネー
ト、および3,3−ジメチルペンタン−1,5−ジイソ
シアネート等が挙げられる。また1,3−および1,4
−シクロヘキシレンジイソシアネートの様な環状脂肪族
ジイソシアネートや、m−およびp−キシリレンジイソ
シアネートおよびα,α,α’,α’−テトラメチル−
p−キシリレンジイソシアネートの様な芳香族ジイソシ
アネートの使用も可能である。芳香族ジイソシアネート
としてはイソシアネート基がベンゼン環に直結し、2個
のイソシアネート基は相互にパラ位に結合しているもの
が望ましい。2個のイソシアネート基が非対称位置に結
合している芳香族ジイソシアネートを用いてもポリマー
を得ることはできるが、その物性がパラ位結合の芳香族
ジイソシアネートからのものより劣るので好ましくな
い。このような芳香族ジイソシアネートとしては、1,
4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエー
テルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシア
ネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、トリジ
ンジイソシアネート等が挙げられる。これらの芳香族ジ
イソシアネートの中で特に物性面からのバランスから
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好まし
い。
【0013】本発明中、溶液合成法におけるプレポリマ
ー溶液調整温度は5〜70℃が好ましい。これ以下であ
ると合成時間が大幅に長くなり、場合によってはプレポ
リマーが析出してくる。一方、これ以上だとイソシアネ
ート基のダイマーおよびトリマー化反応等の副反応が顕
著になり好ましくない。溶融合成法の場合にはプレポリ
マー合成温度は30〜120℃が好ましい。この範囲外
の温度条件は溶液重合法の場合と同じ理由で好ましくな
い。
【0014】また、ジオール成分に対するジイソシアネ
ート成分のモル比(n値)は1.2〜3.0の範囲が適
切であり、特に1.4〜1.8が好ましい。n値は得ら
れる弾性糸のハードセグメントとソフトセグメントのバ
ランスを左右するものであるから、低すぎると弾性糸の
強度低下につながるし、またn値が高すぎても弾性糸と
しての特徴である伸度が抑えられ、しかも重合体溶液の
安定性も極めて低下するため好ましくない。
【0015】このようにして両末端にイソシアネート基
を有するプレポリマーを合成した後、これをジアミン化
合物と反応させて鎖延長を行い、ポリウレタンウレア重
合体溶液を得る。ジアミン化合物としては、エチレンジ
アミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピ
レンジアミン、1,2−ブチレンジアミン、1,3−ブ
チレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,5−
ヘキサンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、イソホ
ロンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、ト
リレンジアミン、イソブチレンジアミン、ヒドラジン、
3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニルジアミン、
2,6−ジアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、m−およびp−フェニレンジアミン、m−
およびp−キシリレンジアミン、1,3−および1,4
−シクロヘキサンジアミン等が挙げられ、特に好ましく
は、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミンで
ある。
【0016】さらに、このポリウレタンウレア重合体に
は特開平5−155841号公報に記載されているよう
なジイソシアネート化合物とジアミン化合物とからなる
ジアミノウレア化合物も含まれる。この様な化合物とし
ては、例えば下式に示されるような化合物(1)〜(1
3)が挙げられる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】本発明で使用されるジアミン化合物の量
は、プレポリマー溶液中のイソシアネート量の80〜9
8%(化学量論的に)の範囲が好適である。この範囲よ
り少ないとポリマー分子量が低くなりすぎて高物性が得
られないし、この範囲よりも多いと逆にポリマー分子量
が大きくなりすぎて成形不可能になる。この際、ポリマ
ーの分子量調節剤として、例えばジエチルアミンやジエ
タノールアミン等の末端基停止剤を用いてもよい。
【0031】前記のプレポリマーをジアミン化合物と反
応させる鎖伸長反応時の温度は0〜30℃が好適であ
る。これ以下の温度だとプレポリマーの溶解性が低下
し、反応系が不均一になる。逆にこれ以上の温度だとイ
ソシアネート基とアミノ基との反応が異常に速くなって
反応を制御しにくくなるからである。ここで言うポリウ
レタンウレア重合体溶液とは、濃度が好ましくは15〜
40%であり、有機溶媒としては上記の各原料を溶解
し、かつポリウレタンウレアを溶解する溶媒、例えば
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0032】次に本発明者らは、上記のポリウレタンウ
レア重合体溶液が、紡糸口金より吐出される際に温度変
化に対してどのような挙動をとるかを検討するため、ま
ず溶液粘度の温度依存性を測定した。なお粘度測定に
は、東洋精器(株)製キャピログラフ1Bを用い、測定
温度は40〜130℃の範囲で行った。また使用した紡
口直径は0.1〜0.5mmであった。
【0033】一般に、溶液もしくは融液粘度の対数を絶
対温度の逆数に対してプロットすると直線が得られ(ア
レーニウスプロット)、その傾きから流動の活性化エネ
ルギーが求められる。しかしながら、上記のようなポリ
ウレタン重合体溶液のアレーニウスプロットは一本の直
線にはならず、約90℃で屈曲する折れ線となることが
分かった。これはポリウレタン溶液の流動の活性化エネ
ルギーが40〜80℃と90〜130℃の2つの領域に
おいて異なり、80〜90℃に流動の特異点が存在する
ことを示すものである。この場合、低温領域よりも高温
領域の方が活性化エネルギーが高かった。例えばポリオ
キシテトラメチレングリコール、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、エチレンジアミン、N,N−
ジメチルアセトアミドよりなるポリウレタンウレア重合
体溶液(30.5%)の場合、与えるせん断速度を73
00sec−1にすると、80℃以下と90℃以上の流
動の活性化エネルギーの差は約22KJ/molもあっ
た。このような活性化エネルギーが変化する原因は明ら
かではないが、90℃前後を境にしてハードセグメント
間の凝集力が低下し、せん断によるハードセグメント凝
集体の破壊が起こりやすくなったためと考えられる。
【0034】本発明は、以上の流動特性に関する結果に
基づき、湿式および乾式紡糸におけるポリウレタンウレ
ア重合体溶液(ドープ)の吐出温度を40〜130℃の
領域で変化させて得られる弾性糸の物性を調べた結果、
驚くべき事に流動の活性化エネルギーが高くなる90℃
以上の領域で吐出することで、従来よりも著しく強度お
よび弾性率の高い弾性糸が得られることを見い出したも
のである。ここで弾性繊維の破断強度および弾性率が高
くなる理由としては、ハードセグメント凝集体サイズの
低下に伴う架橋点数の増加が考えられる。またドープ吐
出の好適温度は90〜130℃であり、これより高温だ
とポリマーの分解反応が起こって好ましくない。
【0035】さらに90℃以上130℃以下の高温領域
でドープを吐出すると力学物性が向上するだけではな
く、高分子融液や濃厚溶液を紡口より吐出する際に一般
に見られるスパイラルフロー現象が改善され、らせん状
繊維の形成が著しく低減すると同時に紡糸性も従来に比
べ良好になった。スパイラルフローが生じると常識的に
繊維の強度低下を引き起こすため好ましくない。
【0036】紡糸の際の紡口径(D)としては0.1〜
1mmが、また紡口長(L)と径の比率(L/D)は1
〜36が好適であり、これよりも径が小さかったりL/
Dが大きすぎるとドープの目詰まりを起こしやすい。ま
た径が大きすぎると十分にせん断をかけることができ
ず、また太い糸しか得ることができないので好ましくな
い。
【0037】本発明は繊維の紡糸法のみに限定されるも
のではなく、紡糸口金の形状を変えることによって、フ
ィルム、シート状に成形する場合にも応用可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示し
本発明をさらに具体的に説明するが、これらによって本
発明の範囲は限定されるものではない。なお、ポリウレ
タンウレア弾性繊維の基本物性(破断強度、弾性率、破
断伸度)は、温度20℃、湿度60%の条件下で、シン
ポ工業(株)製デジタル応力測定器DFG−0.2K
R、可変定速伸張台FGS−50Dを用いて測定した。
具体的には、初期長10mmの試験糸をセットし、伸張
速度100mm/分で破断するまで引っ張り、破断時の
強度と300%伸張弾性率を測定した。また吐出前後の
ポリマーの分子量変化は、ポリマー濃度が0.5g/1
00ミリリットルになるようにジメチルアセトアミド溶
液を調整して、これを25℃でウベローデ型粘度計を用
いて測定した。
【0039】
【実施例1】数平均分子量1830のポリテトラメチレ
ングリコール1000gと4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート213.4gを乾燥したN,N−ジメ
チルアセトアミド(DMAc)に溶解し、濃度60%と
して窒素ガス雰囲気中15℃で3時間攪拌して反応さ
せ、両末端にイソシアネート基を有する中間重合体を得
た(溶液合成法)。次にエチレンジアミン14.84g
とジエチルアミン2.51gを含むDMAc溶液を、激
しく攪拌された中間重合体溶液へ加え、濃度30%のポ
リウレタンウレア重合体溶液を得た。
【0040】この重合体溶液を湿式紡糸機に供給して9
0℃の一定温度に加熱し、直径0.2mmの紡糸口金か
ら20℃の水凝固浴に押し出して弾性繊維を得た。得ら
れた繊維試料の性質を表1に示す。
【0041】
【実施例2〜4】ポリウレタンウレア重合体溶液の吐出
温度を表1に示すような本発明の請求範囲内の温度にす
る以外は、実施例1と同様にして弾性繊維を得た。結果
を表1に示す。
【0042】
【比較例1〜4】実施例1と全く同じようにしてポリウ
レタンウレア重合体溶液を調整し、これを湿式紡糸機に
供給して、表1に示すような本発明の請求範囲以下の温
度にして、直径0.2mmの紡糸口金から20℃の水凝
固浴に押し出して弾性繊維を得た。得られた繊維試料の
性質を同じく表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【実施例5〜8】実施例1と全く同じようにしてポリウ
レタンウレア重合体溶液を調整し、これを乾式紡糸機に
供給して表2に示すような本発明請求範囲内の温度に
し、直径0.2mmの紡糸口金から230℃の紡糸筒内
に吐出して脱溶媒し、750m/分で巻き取って弾性繊
維を得た。得られた繊維試料の性質を表2に示す。
【0045】
【比較例5−8】実施例1と全く同じようにしてポリウ
レタンウレア重合体溶液を調整し、これを乾式紡糸機に
供給して本発明請求範囲以下の表2に示す一定温度に
し、直径0.2mmの紡糸口金から吐出して弾性繊維を
得た。得られた繊維試料の性質を同じく表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【実施例9〜10】数平均分子量1830のポリテトラ
メチレングリコール1000gと4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート213.4gを窒素ガス雰囲気
中、45℃で30分間予備混合し、これを70℃に昇温
し、2時間攪拌して両者を反応させた。冷却後、乾燥し
たDMAcを加えて濃度60%とすることによって、両
末端にイソシアネート基を有する中間重合体溶液を得た
(溶融合成法)。
【0048】つぎに、エチレンジアミン14.84gと
ジエチルアミン2.51gを含むDMAc溶液を激しく
攪拌された中間重合体溶液へ加え、濃度30%のポリウ
レタンウレア重合体溶液を得た。これを湿式紡糸機に供
給して表3に示すような本発明請求範囲内の温度にし、
実施例1と同様に湿式紡糸して弾性繊維を得た。得られ
た繊維試料の性質を表3に示す。
【0049】
【比較例9〜10】実施例9と同様にして得られたポリ
ウレタンウレア重合体溶液の吐出温度を表3に記した本
発明請求範囲以下の条件にする以外は、実施例1と同様
に湿式紡糸して弾性繊維を得た。結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】
【実施例11〜12】実施例9と同様に溶融合成法を経
てポリウレタンウレア重合体溶液を調整し、これを乾式
紡糸機に供給して表4に示すような本発明請求範囲内の
温度にし、実施例5と同様に乾式紡糸して弾性繊維を得
た。得られた繊維試料の性質を表4に示す。
【0052】
【比較例11〜12】実施例9と同様に溶融合成法を経
てポリウレタンウレア重合体溶液を調整し、これを乾式
紡糸機に供給して本発明請求範囲以下の表4に示す温度
にし、実施例5と同様に乾式紡糸して弾性繊維を得た。
得られた繊維試料の性質を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】本発明のポリウレタンウレア重合体溶液
の流動の活性化エネルギーの値が大きくなる90℃以上
の温度領域で、ポリウレタンウレア重合体溶液を湿式お
よび乾式紡糸により吐出すれば、従来の85℃以下の温
度領域でポリウレタンウレア重合体溶液を吐出した場合
に比べ、破断強度と弾性率の高いポリウレタンウレア弾
性繊維が得られる。さらに、スパイラルフロー現象に基
づくらせん状繊維構造の形成も本発明の90℃以上の温
度領域での吐出では見られなくなり、紡糸性も一段と向
上する。従って、本発明技術の弾性繊維への利用価値は
極めて大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両末端に水酸基を有するポリマージオー
    ルに過剰モル量の有機ジイソシアネート化合物を反応さ
    せて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを
    合成し、ついでこのプレポリマーにジアミン化合物を反
    応させて得られるポリウレタンウレア重合体溶液を用い
    る湿式および乾式紡糸において、この重合体溶液を90
    ℃以上130℃以下の温度で吐出して紡糸することを特
    徴とするポリウレタンウレア弾性繊維の製造方法。
JP21485695A 1995-08-23 1995-08-23 ポリウレタンウレア弾性繊維の製造方法 Withdrawn JPH0959821A (ja)

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JP21485695A JPH0959821A (ja) 1995-08-23 1995-08-23 ポリウレタンウレア弾性繊維の製造方法

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