図1(a)は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置としての携帯電話機1の外観を開状態で示す正面図である。図1(b)は、携帯電話機1の外観を開状態で示す側面図である。図2は、携帯電話機1の外観を閉状態で示す背面図(図1(a)の紙面奥手側から、図1(b)の紙面右側からの図)である。
携帯電話機1は、いわゆる2軸ヒンジを有する携帯電話機として構成されている。具体的には、携帯電話機1は、第1筐体3と、第2筐体5(図1(a)及び図1(b))と、連結筐体7(図1(a)及び図1(b))とを有しており、連結筐体7は、第1筐体3と第1回転軸A(図1(a))回りに回転可能に連結されるとともに、第2筐体5と第2回転軸B(図1(a))回りに回転可能に連結されている。なお、第1筐体3、第2筐体5及び連結筐体7は、携帯電話機1全体の筐体を構成している。
第1筐体3及び第2筐体5は、例えば、概ね薄型直方体状に形成されており、長手方向の一端において連結されている。第1筐体3及び第2筐体5は、図2に示すように、閉状態において互いの輪郭が略一致するように形成されている。第1筐体3は、図1(b)に示すように、連結筐体7とは反対側の第1領域部3aと、連結筐体7側の、第1領域部3aよりも厚い第2領域部3bと、第1領域部3aと第2領域部3bとの境界部3cとを有している。
第1筐体3には、例えば、図1(a)に示すように、閉状態において第2筐体5と対向する面に、通話用のマイクロフォン87(図15参照)の収音孔9、ユーザの操作を受け付ける操作部11が設けられている。また、第1筐体3には、例えば、図2に示すように、閉状態において第2筐体5の反対側となる背面3fに、着信の報知等を行うスピーカ85(図15参照)の放音孔10、撮像部12、携帯電話機1を充電するための充電端子14が設けられている。なお、放音孔10、撮像部12及び充電端子14は、第2領域部3bに設けられている。
第2筐体5には、例えば、図1(a)に示すように、通話用のスピーカ83(図15参照)の放音孔13、図形や文字等を含む画像を表示するメイン表示部15が設けられている。なお、第2筐体5の背面には、例えば、不図示のサブ表示部が設けられている。
図3及び図4を参照して、携帯電話機1におけるSIMカード等のICカードやメモリーカードの着脱方法の概要を説明する。
図3(a)は、閉状態の携帯電話機1を、一部の部材を取り外して、第1筐体3の背面側(図2と同様の方向)から見た斜視図である。
第1筐体3は、内部にバッテリ17を着脱可能に構成されている。具体的には、第1筐体3は、バッテリ17を収容するバッテリ収容部19が設けられた筐体本体部21(筐体の一例)と、バッテリ収容部19を覆う、筐体本体部21に着脱可能なカバー部材23とを有している。
バッテリ収容部19は、第1領域部3a及び境界部3cにおいて、背面側を凹とする凹状に形成されている。カバー部材23は、バッテリ収容部19に被せられ、第1筐体3の背面3f(図2の紙面手前側の面。図3(a)では紙面上方側の面)のうち、第1領域部3a及び境界部3cにおける部分を構成する。なお、筐体本体部21は、第2領域部3bにおける部分が、第1領域部3aにおける部分よりも厚い。
図3(b)は、図3(a)の一部拡大図である。具体的には、図3(b)は、バッテリ収容部19の内壁のうち、第2領域部3b側の内壁21a付近を示している。
内壁21aには、第1カードC1が挿入される第1カード挿入部25、及び、第2カードC2が挿入される第2カード挿入部27が設けられている。第2カード挿入部27は、第1カード挿入部25に対して、図3(b)の紙面上方側(カバー部材23により覆われる側)となる位置において開口している。
第1カードC1は、例えば、SIMカードやUIMカードである。第1カードC1は、同一の電話番号を使用しつつ、携帯電話機を交換可能としたり、複数の携帯電話機を利用可能としたりするためのものであり、例えば、電話番号を特定可能な情報として、通信システムの事業者や加入者を特定する識別情報を記憶している。第1カードC1は、例えば概ね矩形状に形成されている。
第2カードC2は、例えば、SDカードなどのメモリーカードである。メモリーカードは、ユーザの操作部11に対する操作に応じて、楽曲や画像等の情報が適宜に書き込まれたり、読み出されたりするものである。第2カードC2は、例えば概ね矩形状に形成されている。
図4(a)は、図3(a)の状態から、バッテリ17をバッテリ収容部19に収容した状態を示す斜視図である。
バッテリ17は、例えば、概ね薄型直方体状に形成されており、バッテリ収容部19の平面形状は、バッテリ17が嵌合する形状、すなわち、概ね矩形に形成されている。バッテリ収容部19は、第1領域部3aにおいて、バッテリ17の厚さと同程度の深さになるように設けられている。従って、バッテリ17の図4(a)の紙面上方側(カバー部材23により覆われる側)の面は、筐体本体部21の第1領域部3aにおける図4(a)の紙面上方側の面と概ね面一になる。
図4(b)は、図4(a)の内壁21a付近を示す拡大図である。
上述のように、筐体本体部21は、第2領域部3bにおける部分が、第1領域部3aにおける部分よりも厚く、また、バッテリ17及び筐体本体部21の第1領域部3aにおける部分は、図4(b)の紙面上方側の面が概ね面一になるから、内壁21aは、バッテリ17がバッテリ収容部19に収容されても、図4(b)の紙面上方側の領域が、バッテリ17の厚みにより隠れず、露出する。すなわち、内壁21aは、バッテリ17の厚みにより隠される被覆領域S1と、バッテリ17の厚みにより隠されない露出領域S2(図3(b))とを有する。
そして、図3(b)及び図4(b)に示すように、第1カード挿入部25は被覆領域S1に設けられており、第2カード挿入部27は露出領域S2に設けられている。従って、第1カードC1は、バッテリ17をバッテリ収容部19から取り外した状態でのみ、第1カード挿入部25への抜き差しが許容され、その一方で、第2カードC2は、バッテリ17をバッテリ収容部19に収容した状態であっても第2カード挿入部27への抜き差しが許容される。
ただし、第2カード挿入部27は、バッテリ収容部19の内壁21aに設けられていることから、カバー部材23が筐体本体部21に取り付けられると、バッテリ17とともにカバー部材23により覆い隠される(図2及び図11参照)。
以下、上述の第1カードC1及び第2カードC2に係る携帯電話機1の内部構造等について詳述する。
図5は、第1筐体3を分解して閉状態の携帯電話機1を示す斜視図である。
第1筐体3においては、図5の紙面下方側(第1筐体3の正面側、閉状態において第2筐体5と対向する側)から、筐体本体部21の正面側を構成するフロントケース29、高周波回路等をシールドするシールドケース31、回路基板により構成されたメイン基板33、電子部品の保持等に利用されるフレーム部材35、第1カードC1及び第2カードC2が装着されるサブ基板アセンブリ37、筐体本体部21の背面側を構成するリアケース39、上述のバッテリ17及びカバー部材23が積層されている。
なお、第1筐体3においては、この他にも、シールドケース31のフロントケース29側の面に積層され、複数の押圧スイッチ等が設けられたFPC、FPCに被せられ、キートップ41(図1)が固着されるキーシート等の部品が設けられている。
フロントケース29及びリアケース39は、例えば、それぞれ樹脂により一体成形されている。フロントケース29及びリアケース39は、例えば、一方(例えばリアケース39)に形成された孔部に挿通された不図示のネジが他方(例えばフロントケース29)に形成されたネジボスに螺合されることにより、互いに固定される。
互いに対向配置されたフロントケース29及びリアケース39が互いに固定されることにより、その間に配置される、キーシート、シールドケース31、メイン基板33等の各種の部品は、フロントケース29及びリアケース39に挟持され、フロントケース29及びリアケース39により構成される筐体本体部21に対して固定される。
シールドケース31は、金属により形成され、又は、樹脂表面に金属膜が設けられることにより形成されており、導電性を有している。シールドケース31は、メイン基板33のグランドラインに接続されている。シールドケース31は、メイン基板33側に突出し、メイン基板33に当接するリブを有している。当該リブは、メイン基板33を区画するように縦横に延びている。
メイン基板33は、例えば、硬質の樹脂をベースとしたいわゆるリジッド基板により構成されている。メイン基板33は、例えば、第1領域部3a及び第2領域部3bに亘る広さを有している。メイン基板33には、例えば、バッテリ17から給電を受ける電池端子43や電波を利用した無線通信を行うための不図示の高周波回路等が設けられている。
電池端子43は、端子筐体43aと、端子筐体43aから突出する接触子43b(図13参照)とを有している。接触子43bは、端子筐体43a内に設けられた不図示の付勢部材(例えばバネ)により突出方向に付勢されている。電池端子43は、携帯電話機1が組み立てられると、接触子43bが突出する側が、内壁21aに設けられた端子用開口44(図13参照)から露出する。そして、バッテリ17がバッテリ収容部19に収容されると、接触子43bはバッテリ17の内壁21a側の端面に設けられた不図示の給電端子に弾性当接する。なお、端子用開口44は、内壁21aのメイン基板33側の縁部に切り欠きが形成されることにより設けられ、また、第1カード挿入部25及び第2カード挿入部27に隣接している。
上述のバッテリ収容部19は、内壁(内壁21aを含む)がリアケース39により構成されている。従って、第1カード挿入部25及び第2カード挿入部27も、リアケース39に設けられている。リアケース39には、バッテリ収容部19が形成される部分に抜け穴21hが形成されており、メイン基板33は、抜け穴21hから筐体本体部21の背面側に露出し、バッテリ収容部19の底面を構成する。なお、メイン基板33の、抜け穴21hから露出する部分には、絶縁性のシール等が貼り付けられてもよい。
図6(a)は、フレーム部材35を第1筐体3の背面3f側(カバー部材23に覆われる側)から見た斜視図、図6(b)は、フレーム部材35をメイン基板33側から見た斜視図である。
フレーム部材35は、例えば、樹脂により一体成形されている。フレーム部材35は、例えば、全体として概ね薄型の部材に形成され、サブ基板アセンブリ37を背面3f側に保持する第1保持部35a、着信の報知等を行うスピーカ85(図15参照)を背面3f側に保持する第2保持部35b、第1筐体3内の電子回路と第2筐体5内の電子回路とを接続する不図示のケーブル等を位置決めする位置決め部35d等を有している。
第1保持部35aは、例えば、図6(a)に示すように、板状の基部35eの周囲に側壁部35fが設けられて構成されており、サブ基板アセンブリ37側に凹部35gが形成されている。凹部35gの平面形状は、例えば矩形である。
フレーム部材35には、ネジ45(図13参照)が挿通される孔部35hが形成されている。ネジ45は、孔部35h、メイン基板33に形成された孔部33h(図5)に挿通され、シールドケース31に形成された雌ネジ部31h(図5)に螺合される。これより、フレーム部材35は、メイン基板33と固定される。なお、フレーム部材35とメイン基板33との間には、メイン基板33に実装された電子部品の配置空間が形成される(図11参照)。
図7は、サブ基板アセンブリ37を背面3f側(カバー部材23に覆われる側)から見た斜視図である。
サブ基板アセンブリ37は、サブ基板47と、第1カードC1が装着される第1カードホルダ49と、第2カードC2が装着される第2カードホルダ51とを有している。第1カードホルダ49は、サブ基板47の一方の面(図7の紙面下方側の面、フレーム部材35側の面)に実装され、第2カードホルダ51は、サブ基板47の他方の面(図7の紙面上方側の面、リアケース39側の面)に実装されている。なお、サブ基板アセンブリ37は、この他にも、サブ基板47に実装される、撮像部12を駆動するIC等の適宜な部品を有している。
サブ基板47は、例えば、硬質の樹脂をベースとしたいわゆるリジッド基板により構成されている。第1カードホルダ49及び第2カードホルダ51は、例えば金属により外形が形成されている。第1カードホルダ49には、第1カードC1を収容可能な空間が形成されており、当該空間内には、第1カードC1とサブ基板47とを接続する不図示の端子が設けられている。同様に、第2カードホルダ51には、第2カードC2を収容可能な空間が形成されており、当該空間内には、第2カードC2とサブ基板47とを接続する不図示の端子が設けられている。
第2カードホルダ51は、いわゆるPush−Push方式により第2カードC2を抜き差しするように構成されている。すなわち、第2カードC2の挿入時においては、第2カードC2は、一定位置よりも奥へ挿入されることにより、第2カードホルダ51内にロックされ、第2カードホルダ51からの抜けが防止される。第2カードC2の引抜時には、第2カードC2は、一定位置よりも奥へ再度押し込まれることにより、ロックが解除されて引抜が可能となり、また、ばね等の付勢力により、第2カードホルダ51から所定量突出する。従って、第2カードC2は、第2カードホルダ51に装着された状態で、第2カード挿入部27から突出している必要がある。第1カードC1を第1カードホルダ49に対して抜き差しする方法については後述する。
サブ基板アセンブリ37は、第1カードホルダ49がフレーム部材35の第1保持部35aに形成された凹部35gに嵌合することにより位置決めされる。この際、サブ基板47は、第1保持部35aの側壁部35fに載置(積層)される。そして、フロントケース29とリアケース39とが固定されると、サブ基板47が側壁部35fとリアケース39とに挟持され、サブ基板アセンブリ37は第1筐体3に対して固定される。
図8は、カバー部材23の内側面を示す斜視図である。
カバー部材23は、例えば、樹脂により一体成形されている。カバー部材23は、全体として概ね板状に形成されている。具体的には、カバー部材23は、第1領域部3aの背面を構成する平板状の平板部23aと、境界部3cの背面を構成し、平板部23aに対して傾斜する傾斜部23bと、第1筐体3の第1領域部3a側の端部背面を構成する曲面状の曲面部23cとを有している。
平板部23aの内側面には、カバー部材23を筐体本体部21に対して、筐体本体部21の長手方向(図8の紙面左右方向、第2カードC2の挿入方向と同一方向)に案内するための被ガイド部23dが設けられている。被ガイド部23dは、例えば、平板部23aの側方側において平板部23aの縁部に沿う壁状に形成されており、筐体本体部21に設けられた不図示のガイド溝に挿入される。これにより、カバー部材23は、筐体本体部21の短手方向において位置決めされ、筐体本体部21の長手方向に案内される。
カバー部材23には、カバー部材23を筐体本体部21に対して筐体本体部21の長手方向にスライドさせたときに、筐体本体部21に係合する複数の被係合部が適宜な位置に適宜な形状で設けられている。例えば、曲面部23cには、カバー部材23のスライド方向に突出する端部側被係合部23eが設けられている。端部側被係合部23eは、筐体本体部21に設けられた係合穴21e(図4(a))に挿入されて、筐体本体部21に対して背面側(図4(a)の紙面上方側、図8の紙面下方側)へ係合し、カバー部材23の筐体本体部21に対する背面側への離間を阻止する。また、例えば、被ガイド部23dの側面には、カバー部材23の筐体本体部21に対する背面側への離間を阻止するL字状の側方側被係合部23fが複数設けられている。
図9は、カバー部材23の傾斜部23b付近を内側から示す斜視図である。図10は、筐体本体部21の内壁21a付近及びカバー部材23の傾斜部23b付近を外側から示す斜視図である。
傾斜部23bには、上述の端部側被係合部23e等と同様に、カバー部材23を筐体本体部21に対して筐体本体部21の長手方向にスライドさせたときに、筐体本体部21に係合する内壁側被係合部23gと、スライド被係合部23jとが設けられている。
内壁側被係合部23gは、傾斜部23bから図9及び図10の紙面上方側(第2領域部3b側)へ突出して形成されており、図10に示すように、内壁21aに形成された係合穴21gに挿入される。これにより、カバー部材23の筐体本体部21に対する背面側への離間は阻止される。
スライド被係合部23jは、傾斜部23bから図9及び図10の紙面上方側へ延出する延出部23mと、延出部23mからカバー部材23の外側面側(図9の紙面奥手側、図10の紙面手前側)に突出する係合突部23nとを有している。一方、内壁21aには、図10に示すように、スライド被係合部23jが挿入される係合穴21jが形成されている。係合穴21jの、図10の紙面上方側の開口縁部21nは、特に図示しないが、筐体本体部21の内側面から係合穴21jの中心方向へ突出している。
従って、カバー部材23を筐体本体部21に対して図10の紙面上方側へスライドさせると、延出部23mや傾斜部23bの延出部23mの根元部分(スライド被係合部23jが設けられた領域)等が弾性変形することにより、係合突部23nは、開口縁部21nを乗り越え、開口縁部21nに対して内壁21aの内側(図10の紙面上方側)から外側(図10の紙面下方側)へ係合する。これにより、カバー部材23の筐体本体部21に対する取り外し方向(図10の紙面下方側への方向)のスライドが禁止される。
また、カバー部材23を筐体本体部21から取り外すときには、傾斜部23bの、延出部23mの根元部分をカバー部材23の外側面側から内側面側へ押圧することにより、傾斜部23bが弾性変形し、係合突部23nの開口縁部21nに対する係合が弱まり、カバー部材23を筐体本体部21に対する取り外し方向へスライドさせることができる。
図10に示すように、カバー部材23の外側面には、延出部23mの根元部分、すなわち、押圧によりスライド被係合部の筐体本体部21に対する係合を弱めることができる部分に、ユーザの押圧操作を促すための押圧目印部23kが設けられている。押圧目印部23kは、例えば、カバー部材23と一体成形された突部により形成されている。
係合穴21j、スライド被係合部23j及び押圧目印部23kは、筐体本体部21の背面側(カバー部材23に覆われる側)から見て、第2カード挿入部27と重畳しない位置に設けられている。
図10は、第1カード挿入部25及び第2カード挿入部27も拡大して示している。第1カード挿入部25は、第1カードC1を、筐体本体部21の背面(カバー部材23により覆われる側の面、図10の紙面手前側の面)に面するように筐体本体部21に挿入可能に、図10の紙面左右方向(筐体本体部21の背面及び内壁21aに沿う方向)を長手方向とするスリット状に開口している。同様に、第2カード挿入部27は、第2カードC2を、筐体本体部21の背面に面するように筐体本体部21に挿入可能に、図10の紙面左右方向を長手方向とするスリット状に開口している。
第2カード挿入部27には、第2カードC2のカード挿入に対するガイドをなすガイド部27aが、バッテリ収容部19側(図10の紙面下方側)へ延長形成されている(図13も参照)。ガイド部27aは、第2カードC2の挿入方向に見て、カバー部材23に覆われる側が開放された矩形状(U字状)に形成されており、第2カードC2の縁部に当接して第2カードC2をガイドする2つの側方ガイド部27bと、第2カードC2のカバー部材23とは反対側に当接して第2カードC2をガイドする内側ガイド部27cとを有している。
図11は、図10のXI−XI線における携帯電話機1の断面を示す斜視図である。図12(a)は、図11と概ね同一の断面を示す断面図である。図12(b)は、図10のXIIb−XIIb線における携帯電話機1の断面図である。
上述のように、第1領域部3aにおいては、メイン基板33上に、バッテリ17及びカバー部材23が順に積層されている。また、第2領域部3bにおいては、メイン基板33上に、フレーム部材35、第1カードホルダ49、サブ基板47、第2カードホルダ51及びリアケース39が順に積層され、第1カードホルダ49には第1カードC1が、第2カードホルダ51には第2カードC2が装着されている。
第1カードホルダ49は、第1カード挿入部25に連続しており、第1カードC1は、第1カード挿入部25から挿入されて第1カードホルダ49に装着される。同様に、第2カードホルダ51は、第2カード挿入部27に連続しており、第2カードC2は、第2カード挿入部27から挿入されて第2カードホルダ51に装着される。
上述のように、第2カードホルダ51は、Push−Push式のホルダであることから、第2カード挿入部27及び第2カードホルダ51は、第2カードC2が第2カードホルダ51に装着された状態において第2カードC2の端部が内壁21aからバッテリ収容部19側へ突出するように配置されている。ただし、第2カードC2の端部は、ガイド部27aよりはバッテリ収容部19側へ突出しておらず、カバー部材23側の面のみが露出している。
バッテリ17は、バッテリ収容部19に収容されると、内壁21a側の端部が、メイン基板33とガイド部27aとの間に嵌合する。換言すれば、ガイド部27aは、バッテリ17に対して、カバー部材23に覆われる側から係合可能である。
筐体本体部21及びカバー部材23には、内壁21a付近において携帯電話機1の強度を向上させるためのリブ等が設けられている。具体的には、以下のとおりである。
図11、図12(a)及び図12(b)に示すように、傾斜部23bの内側面には、筐体内部側へ突出するリブ53が設けられている。リブ53は、バッテリ17のカバー部材23側の面に当接可能なバッテリ当接リブ53aと、内側ガイド部27cのカバー部材23に覆われる側に当接可能なガイド当接リブ53bとを有している。従って、カバー部材23の、内壁21a側の端部に外力F1(図11及び図12(b))が加えられると、その荷重は、リブ53を介して、内側ガイド部27c及びバッテリ17に支持される。
図9に示すように、バッテリ当接リブ53aは、例えば、カバー部材23の内壁21a側の端部に沿う方向にカバー部材23を横断する直線状部分と、その直線状部分よりも内壁21a側において矩形状に延びる部分とを有している。また、ガイド当接リブ53bは、例えば、バッテリ当接リブ53aよりも内壁21a側において矩形状に延びている。
図11、図12(a)及び図12(b)に示すように、ガイド当接リブ53bは、第2カード挿入部27に挿入された第2カードC2のバッテリ収容部19側の端部に対して、挿入方向に当接可能に設けられている。なお、ここでいうガイド当接リブ53bが当接可能な、第2カード挿入部27に挿入された第2カードC2は、第2カードホルダ51に装着された状態のものであってもよいし、第2カードホルダ51に完全に装着されておらず、第2カード挿入部27に少なくとも一部が挿入された状態のものであってもよく、好ましくは、第2カードホルダ51に装着された状態のものである。
また、図12(b)に示すように、2つの側方ガイド部27bは、カバー部材23の内側面に当接可能である。従って、カバー部材23の、内壁21a側の端部に外力F1(図11及び図12(b))が加えられると、その荷重は、2つの側方ガイド部27bに支持される。すなわち、カバー部材23は、第2カード挿入部27の長手方向両端においてガイド部27aに支持される。
図9、図10、図11及び図12(a)に示すように、カバー部材23には、カバー部材23の、内壁21aに突き当てられる端部から突出するカバー側延在部55が設けられている。カバー側延在部55は、図11及び図12(a)に示すように、第2カード挿入部27に入り込み、筐体本体部21の背面部(第2カードC2を覆う部分)の内側面に当接する。従って、筐体本体部21の背面の内壁21a付近に外力F2が加えられると、その荷重は、カバー側延在部55を介してカバー部材23に支持される。
図10及び図12(b)に示すように、筐体本体部21には、内壁21aから突出する筐体側延在部57(図13も参照)が設けられている。筐体側延在部57は、カバー部材23の内壁21aに突き当てられる端部の内側面に当接する。従って、図12(b)に示すように、カバー部材23の背面の内壁21a付近に外力F1が加えられると、その荷重は、筐体側延在部57を介して筐体本体部21に支持され、第2カードホルダ51の方向等へ分散される。
なお、図10に示すように、カバー側延在部55は、例えば、カバー部材23が筐体本体部21に取り付けられたときに第2カード挿入部27の長手方向の概ね中央に位置するように設けられており、筐体側延在部57は、例えば、第2カード挿入部27の長手方向の両端(カバー側延在部55の両側)に設けられている。また、図11、図12(a)及び図12(b)に示すように、第2カードC2は、第2カード挿入部27のカバー部材23側の紙面上方側の開口縁部からバッテリ収容部19側に突出していることから、カバー側延在部55及び筐体側延在部57は、第2カードC2のバッテリ収容部19側の端部に重畳している。
リブ53は、外力F1や外力F2が加えられていない状態においてガイド部27aやバッテリ17に当接していてもよいし、外力F1や外力F2が加えられたときに、第1筐体3の弾性変形により当接するように、比較的微小なクリアランスでガイド部27aやバッテリ17に近接していてもよい。ただし、クリアランスを設ける場合には、リブ53と、ガイド部27aやバッテリ17とのクリアランスは、第2カードC2の内壁21aから突出した端部と、カバー部材23の内壁21aに突き当てられた端部とのクリアランスよりも小さく設定される。
図12(a)及び図12(b)に示すように、第2カードホルダ51も外力F1及び外力F2を受けて第2カードC2を保護するのに寄与する。第2カードホルダ51は、外力F1や外力F2が加えられていない状態において筐体本体部21に当接していてもよいし、外力F1や外力F2が加えられたときに、筐体本体部21の弾性変形により当接するように、比較的微小なクリアランスで筐体本体部21に近接していてもよい。なお、クリアランスを設ける場合には、ただし、クリアランスを設ける場合には、第2カードホルダ51と筐体本体部21とのクリアランスは、第2カードC2の内壁21aから突出した端部と、筐体本体部21(若しくはカバー部材23の内壁21aに突き当てられた端部)とのクリアランスよりも小さく設定される。
図13は、内壁21a付近を、バッテリ収容部19からバッテリ17を取り外して示す斜視図である。図14は、図13のXIV−XIV線における断面図である。なお、図13においてサブ基板アセンブリ37を省略するなど、各図では、適宜に部品が省略されている。
携帯電話機1は、第1カードC1を第1カード挿入部25内へ搬送するためのスライド部材59を有している。第1カードC1は、スライド部材59のカバー部材23側(図13及び図14の紙面上方側)の面に載置され、スライド部材59とともに、第1カード挿入部25を介して第1カードホルダ49へ挿入される。
スライド部材59は、全体として概ね板状に形成されており、また、第1カード挿入部25及び第1カードホルダ49内へ挿入可能な大きさに形成されている。図13に示すように、スライド部材59の側方縁部からは、第1カードホルダ49の側面に形成された規制溝49a(図7)に挿入される被規制部59aが突出している。規制溝49aは、第1カードC1の挿入方向に延びている。スライド部材59は、携帯電話機1の組み立て時において、切欠き部59b(図13)を小さくするように弾性変形された状態で、第1カード挿入部25から第1カードホルダ49に挿入されることにより、被規制部59aが規制溝49aに挿入される。これにより、スライド部材59の可動範囲は、被規制部59aが規制溝49a内を移動可能な範囲に規制され、スライド部材59の脱落等が防止される。
なお、図7に示すように、規制溝49aの幅は、中央部においてサブ基板47とは反対側へ広くなっている。従って、スライド部材59は、引出限及び差込限においてはサブ基板47側に位置するとともに上下方向(スライド方向に直交する方向)の余裕量が小さくなり、その中間においてはサブ基板47から離間可能となる。その結果、スライド部材59に第1カードC1を載置するとき(引出限)においては、スライド部材59のガタツキが抑制されて第1カードC1を載置しやすい。スライド部材59を抜き差しする中途(引出限と差込限との間)においては、第1カードC1とサブ基板47との摩擦を低減し、挿入の容易化や第1カードC1の保護が図られる。そして、差込限においては、スライド部材59のガタツキが抑制されて第1カードC1が端子に確実に接触する。なお、SIMカードやUIMカードは、カードの一面(例えばサブ基板47側の面)に平面状の端子が設けられている。
図13及び図14に示すように、スライド部材59には、スライド部材の引き抜きを容易にするための被操作部59cが設けられている。被操作部59cは、スライド部材59の板状部のバッテリ収容部19側の縁部に設けられ、板状部からカバー部材23側に突出しており、ユーザが爪や指先を掛けることができるようになっている。
フレーム部材35は、第1カード挿入部25を利用して携帯電話機1の強度を向上させる構造を有している。具体的には以下のとおりである。
図13及び図14に示すように、フレーム部材35の第1カード挿入部25側の端部には、第1カード挿入部25に挿入されて内壁21aに係合する係合部35cが設けられている。係合部35cは、例えば、図13に示すように、第1カード挿入部25の長手方向の筐体中央に近い端部(本実施形態では電池端子43側の端部)において、第1カード挿入部25に挿入されている。係合部35cは、例えば、第1カード挿入部25の開口縁部のうち図13の紙面下方側(メイン基板33側、カバー部材23とは反対側)の部分に対して係合している。係合部35cは、例えば、メイン基板33側ほどバッテリ収容部19側へ突出する直角三角形状に形成されている。
フレーム部材35は、内壁21aに係合することにより、リアケース39に対する離間が抑制される。メイン基板33は、ネジ45によりフレーム部材35(図6の孔部35h)に固定されていることから、メイン基板33もリアケース39からの離間が抑制される。なお、図13に示すように、係合部35c及び孔部35hは、平面視において互いに隣接して配置されている。
なお、上述したスライド部材59の被操作部59cは、スライド部材59のスライド方向において、係合部35cに重複する位置に設けられている。従って、スライド部材59が差込限に移動すると、係合部35cは被操作部59cによって隠れる。
図15は、携帯電話機1の信号処理系の構成を示すブロック図である。
携帯電話機1は、CPU71、メモリ73、通信処理部75、音響処理部77及び画像処理部79を備えている。これら各部は例えばメイン基板33に設けられたICにより構成されている。
CPU71及びメモリ73は、操作部11等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部79等の各種手段の制御を実行する制御部として機能する。
通信処理部75は、高周波回路を含んで構成されている。通信処理部75は、電波を利用した無線通信により、通信システム(電話網やインターネット)を介した他の携帯端末装置やサーバとの通信を行うために、CPU71で処理された音響データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ81を介して送信する。また、通信処理部75は、アンテナ81を介して受信した信号を復調してCPU71に出力する。
通信処理部75により、電話網を介して通信が行われる際には、第1カードC1に記憶されている情報が読み出されて使用される。すなわち、CPU71は、第1カードC1に記憶されている、第1カードC1に対応付けられた電話番号を特定可能な情報を読み出し、読み出した情報に基づいて受信する信号を選別したり、送信する信号に送信元(第1カードC1に対応付けられた電話番号)を特定可能な情報を含ませる。なお、電話番号は、基本的には電話網の加入者に対応付けられており、電話番号を特定可能な情報は、加入者を特定可能な情報と捉えることができる。
音響処理部77は、CPU71からの音響データを電気信号に変換して通話用のスピーカ83、着信等を報知するためのスピーカ85に出力する。スピーカ83及びスピーカ85は、音響処理部77からの電気信号を音響に変換して出力する。一方、マイクロフォン87は、入力された音響を電気信号に変換して音響処理部77に出力する。音響処理部77は、マイクロフォン87からの電気信号を音響データに変換してCPU71に出力する。
画像処理部79は、CPU71からの画像データを画像信号に変換してメイン表示部15等の表示部へ出力する。また、所定のカメラモジュール89から出力される撮像信号(画像データ)を所定のフォーマットの画像データに変換してCPU71へ出力する。
第2カードC2には、ユーザの操作部11に対する操作に応じて、適宜に情報が書き込まれるとともに、適宜に情報が読み出される。例えば、第2カードC2には、通信処理部75を介してダウンロードされた楽曲データや画像データ、カメラモジュール89の撮像により生成された画像データが記録される。また、例えば、CPU71は、第2カードC2に記録された楽曲データを読み出して音響処理部77に出力したり、第2カードC2に記録された画像データを読み出して画像処理部79に出力する。
以上の実施形態によれば、第1の観点から、以下の効果が得られる。
携帯電話機1は、バッテリ17を収容するバッテリ収容部19が形成された筐体本体部21と、バッテリ収容部19を覆うカバー部材23とを有し、バッテリ収容部19の内壁の一つである内壁21aには、バッテリ17がバッテリ収容部19に納められたときにバッテリ17の厚みにより隠れない領域であり、且つ、カバー部材23により覆い隠される領域S2に第2カード挿入部27が設けられており、第2カード挿入部27に第2カードC2を挿入した状態で、カバー部材23をバッテリ収容部19に取り付け可能であることから、バッテリ17をバッテリ収容部19に収容したままで、換言すれば、携帯電話機1に電源を投入したままで、第2カードC2は出し入れ可能であるとともに、バッテリ17を被覆するカバー部材23を第2カード挿入部27の被覆にも兼用できる。その結果、例えば、第2カードC2挿入部専用にキャップを設けることが不要となるため、外観上のデザイン性が向上するとともに部品点数が削減される。
第2カード挿入部27には、カード挿入に対するガイドをなすガイド部27aがバッテリ収容部19側へ延長形成されており、カバー部材23は、第2カード挿入部27に入り込み、筐体本体部21の第2カードC2を覆う部分(背面部)を第2カードC2側から支持可能なカバー側延在部55を有し、ガイド部27aは、カバー部材23の被覆方向において第2カードC2に重畳しない部分によりカバー部材23をバッテリ収容部19の内部側から支持可能に構成されていることから、図12(a)に示すように、筐体本体部21の第2カードC2を覆う部分に加えられた外力F2は、カバー側延在部55を介してカバー部材23へ伝達され、さらには、ガイド部27aの第2カードC2に重畳しない部分に伝達される。その結果、第2カードC2へは外力F2が伝わりにくく、第2カードC2の破損が抑制される。特に、第2カードC2は、第2カードホルダ51に装着されている状態において、第2カードホルダ51からバッテリ収容部19側へ端部が突出していることから、筐体本体部21の背面部のうち、カバー部材23側の部分が押圧されると、第2カードC2は、筐体本体部21の背面部により直接的に押圧され、折れてしまうおそれがあるところ、そのような破損が効果的に抑制される。
また、当然に、カバー部材23に外力F1(図12(b))が加えられたときにも、ガイド部27aによりカバー部材23が支持されることにより、第2カードC2の保護が図られる。
図16は、本実施形態の効果を説明するための比較例を示す断面図である。比較例の携帯端末装置では、カバー部材123は、ガイド部27aによって支持されていない。一方、第2カードC2は、本実施形態と同様に、第2カードホルダ51に装着された状態で端部が内壁から突出しており、当該端部には、カバー部材123の端部が重畳している。従って、カバー部材123の端部に外力F1が加えられると、カバー部材123が図16の紙面下方側に撓んで第2カードC2の端部に当接し、第2カードC2が破損してしまうおそれがある。
しかし、図12(b)に示すように、本実施形態では、カバー部材23に外力F1が加えられても、カバー部材23はガイド部27aに支持されるから、第2カードC2の破損は抑制される。
また、カバー部材23の撓みが抑制されることから、軋み音が抑制される。カバー側延在部55により、内壁21aとカバー部材23との間の防水性が向上する。カバー側延在部55により、筐体外部側から内部側への沿面距離が長くなることから、内壁21aからカバー部材23との間から静電気が侵入することが抑制される。
第2カード挿入部27は、第2カードC2が装着されたときに、第2カード挿入部27が設けられた内壁21aからバッテリ収容部19側へ第2カードC2の端部が突出するように構成され、カバー部材23は、第2カード挿入部27が設けられた内壁21aに端部が突き当てられ、当該端部が第2カードC2の端部に重畳するように筐体本体部21に取り付けられ、筐体本体部21は、第2カード挿入部27が設けられた内壁21aからバッテリ収容部19側に延在し、内壁21aに突き当てられたカバー部材23の端部を支持可能な筐体側延在部57を有することから、カバー部材23に外力が加えられたときにも第2カードC2は保護される。
すなわち、図16を参照して説明したように、カバー部材123の端部に外力F1が加えられると第2カードC2が破損してしまうおそれがあるところ、図12(b)に示すように、本実施形態では、カバー部材23の端部が筐体側延在部57により支持されるから、カバー部材23の撓みが抑制されて、第2カードC2が保護される。また、筐体側延在部57は、上述のカバー側延在部55と同様に、防水性の向上、静電気の侵入の抑制等の効果を奏する。
第2カード挿入部27は、カバー部材23に沿う方向を長手方向として開口しており、ガイド部27aは、第2カード挿入部27の長手方向の両端にてカバー部材23を支持可能に構成されていることから、外力F2が加えられた筐体本体部21を支持するカバー側延在部55は、ガイド部27aによって両端支持されることになる。従って、確実に外力F2を第2カードC2に重畳しない位置へ分散させることができ、第2カードC2の保護が図られる。
ガイド部27aは、バッテリ収容部19に収容されたバッテリ17に対してカバー部材23に覆われる側から当接可能に構成されていることから、ガイド部27aは、第2カードC2のガイド及びカバー部材23の支持だけでなく、バッテリ17の押さえも兼ねることになる。また、外力F1や外力F2が加えられたときには、筐体本体部21の背面やカバー部材23を支持するガイド部27aが、バッテリ17に支持されることになるから、携帯電話機1の強度が向上する。その結果、携帯電話機1の小型化及び強度向上が一層図られる。
カバー部材23は、カバー部材23の内側面から突出し、バッテリ17のカバー部材23側の面に当接可能であるとともに、第2カード挿入部27に挿入された第2カードC2のバッテリ収容部19側の端部に挿入方向に当接可能なリブ53を有することから、図12(a)及び図12(b)に示すように、筐体本体部21に加えられた外力F2やカバー部材23に加えられた外力F1をバッテリ17に逃がすことができるとともに、第2カードC2の抜けを防止できる(第2カードC2の第2カード挿入部27からの突出量を抑制できる。)。また、カバー部材23を筐体本体部21に取り付けるときに、第2カードC2が第2カードホルダ51に完全に装着されておらず、第2カードC2の第2カード挿入部からの突出量が大きくなっていても、カバー部材23の内壁21a側へのスライドにより第2カードC2がリブ53により押し込まれ、第2カードC2の第2カード挿入部27からの突出量が縮小される。第2カードC2の第2カード挿入部27からの突出量が一定以下に抑えられることにより、第2カードC2のバッテリ収容部19側の端部が、カバー部材23の傾斜部23bの低いところや平板部23aに当接して筐体外部から荷重が加えられることが防止され、第2カードC2の破損が防止される。
筐体本体部21は、第2カード挿入部27が設けられた内壁21aに係合部としての開口縁部21nを有し、カバー部材23は、カバー部材23が筐体本体部21に取り付けられたときに開口縁部21nに係合し、カバー部材23の弾性変形によりカバー部材23の内側面へ位置するほど開口縁部21nに対する係合が弱くなるように構成されたスライド被係合部23jと、スライド被係合部23jが設けられた領域の外側面に形成された押圧目印部23kとを有し、押圧目印部23kは、第2カード挿入部27に重畳しない位置に設けられていることから、カバー部材23を取り外すときに第2カード挿入部27付近に力が加えられることが防止され、第2カードC2が保護される。
第2カード挿入部27が設けられる内壁21aには、ガイド部27aに対してカバー部材23に覆われる側とは反対側となる位置に、第1カード挿入部25が設けられていることから、内壁21aに第2カード挿入部27が開口することにより内壁21aの強度が低下しても、内壁21aはガイド部27aを介してバッテリ17に支持されるから、内壁21aの強度が補償される。
また、以上の実施形態によれば、第2の観点から、以下の効果が得られる。
携帯電話機1は、バッテリ17を収容するバッテリ収容部19が形成された筐体本体部21と、バッテリ収容部19を覆うカバー部材23とを有し、バッテリ収容部19内には、バッテリ17がバッテリ収容部19に収容されたときに、バッテリ17により隠れる領域に第1カード挿入部25が、バッテリ17により隠れない領域に第2カード挿入部27がそれぞれ設けられており、第2カード挿入部27は、バッテリ17とともにカバー部材23により覆い隠されることから、電源が入れられているときに抜き差しが行われることが好ましくない第1カードC1と、電源が入れられているときに抜き差しが行われてもよい第2カードC2との双方が好適に抜き差しされるとともに、第2カード挿入部27のためのキャップが不要となり、部品点数の削減が図られる。
第2カード挿入部27は、バッテリ収容部19の内壁の一つに設けられていることから、バッテリ収容部19の底面に設けられている場合に比較して、例えば、バッテリ収容部19が薄型のもの(内壁が低く、底面が広い形状)である場合には、携帯端末装置の薄型化に有利であり、バッテリ収容部19が深いもの(内壁が高く、底面が狭い形状)である場合には、バッテリ収容部19の奥深くまで挿入する必要がなく、抜き差しが容易である。
第1カード挿入部25は、第2カード挿入部27が設けられた内壁21aのうち、バッテリ17がバッテリ収容部19に収容された状態にてバッテリ17の厚みにより隠れる領域に設けられていることから、上述の第2カード挿入部27が内壁21aに設けられることによる効果と同様の効果、すなわち、薄型化や着脱容易化の効果が得られる。さらに、第1カードC1及び第2カードC2が同一面に対して抜き差しされ、隣接して配置されるから、筐体全体として、構造の簡素化、着脱容易化及び小型化が図られる。
携帯電話機1は、筐体本体部21内に設けられたサブ基板47と、第1カード挿入部25に連続し、第1カード挿入部25から挿入された第1カードC1が装着される第1カードホルダ49と、第2カード挿入部27に連続し、第2カード挿入部27から挿入された第2カードC2が装着される第2カードホルダ51とを有し、第1カードホルダ49は、サブ基板47の一方の面に実装され、第2カードホルダ51は、サブ基板47の他方の面に実装されていることから、第1カードC1及び第2カードC2を保持するための構造が全体として小型化されるとともに携帯電話機1の組み立ても容易化される。また、例えば、本実施形態のように、第1カードホルダと第2カードホルダとを積層し、且つ、本実施形態とは異なり、第1カード挿入部をバッテリ収容部内に、第2カード挿入部を筐体外部に開口させる場合には、第2カードホルダまで筐体外部側に設けなければならず、設計の自由度が低いが、本実施形態では、内壁21aに沿う位置であれば、適宜な位置に第2カードホルダ51を配置することができ、設計の自由度が高くなる。
第2カード挿入部27には、カード挿入に対するガイドをなすガイド部27aがバッテリ収容部19側に延長形成されており、ガイド部27aは、バッテリ収容部19に収容されたバッテリ17に対してカバー部材23により覆われる側から係合可能であることから、上述のように、ガイド部27aがバッテリ17の押えにも兼用されることになり、部材点数の削減や携帯電話機1の小型化が図られる。しかも、積層された第1カードホルダ49及び第2カードホルダ51に対してバッテリ17が隣接して配置される構造となるから、全体として非常にコンパクト化されている。
携帯電話機1は、第2カード挿入部27が設けられた内壁21aからバッテリ収容部19へ露出し、バッテリ17に対して弾性当接してバッテリ17から給電を受ける電池端子43を有することから、バッテリ17と電池端子43とが確実に導通され、且つ、上述のガイド部27aによるバッテリ17を押える作用により、バッテリ17のバッテリ収容部19への装着が容易化される。すなわち、バッテリ17は、バッテリ収容部19へ装着される際には、内壁21a側の端部からバッテリ収容部19へ嵌め込まれ、当該端部が電池端子43に押し付けられてから、内壁21aとは反対側の端部がバッテリ収容部19へ嵌め込まれるが、この際、電池端子43の付勢力によりバッテリ17の内壁21a側の端部が浮き上がることがガイド部27aにより防止され、バッテリ17が容易に装着される。
カバー部材23は、カバー部材23の内側面から突出し、バッテリ17のカバー部材23側の面に当接可能であるとともに、第2カード挿入部27に挿入された第2カードC2のバッテリ収容部19側の端部に挿入方向に当接可能なリブ53を有することから、第1カードC1の抜けはバッテリ17により防止され、そのバッテリ17の浮き上がり及び第2カードC2の抜けはカバー部材23により防止されることになる。すなわち、カバー部材23により第1カードC1及び第2カードC2の抜けが防止されることになり、携帯電話機1の小型化が図られる。
携帯電話機1は、通信システム(電話網等)を介して他の携帯端末装置と通信を行う通信部(CPU71及び通信処理部75)と、ユーザの操作を受け付ける操作部11とを有し、第1カードC1は、CPU71に参照される、通信システムの加入者(電話番号)を特定可能な情報を記憶するカードであり、第2カードC2は、操作部11への入力操作に応じて書き込み及び読み出しがなされるカードであることから、電源が投入された状態で抜き差しが行われることが好ましくないSIMカード等や電源が投入された状態で抜き差しが行われることが好ましいSDカード等を好適に装着可能である。
また、以上の実施形態によれば、第3の観点から、以下の効果が得られる。
携帯電話機1は、バッテリ17を収容するバッテリ収容部19が形成された筐体本体部21と、バッテリ収容部19を覆うカバー部材23と、筐体本体部21内に設けられたメイン基板33と、筐体本体部21内に設けられ、第1カードC1が挿入される第1カードホルダ49と、筐体本体部21内に設けられ、メイン基板33に固定され、第1カードホルダ49を保持するフレーム部材35とを有し、バッテリ収容部19の内壁の一つである内壁21aには、第1カードホルダ49に連続する第1カード挿入部25が設けられており、フレーム部材35は、第1カード挿入部25に挿入されて内壁21aに係合する係合部35cを有することから、第1カードホルダ49を保持するフレーム部材35を介してメイン基板33の筐体本体部21に対する変位が抑制される。一般に、筐体本体部21の中央側にネジボスを形成したり、ネジを挿通したりして、メイン基板33を筐体本体部21に対して固定することは、筐体本体部21の内部空間の確保や筐体表面のデザインの観点から困難である。しかし、比較的筐体本体部21の中央側に設けられた内壁21aに対して、第1カード挿入部25の開口を利用してメイン基板33を筐体本体部21に対して係合させることから、部品点数の増加、筐体本体部21の内部空間の縮小、及び、筐体本体部21表面のデザインの自由度低下等の不利益を招くことなく、メイン基板33を筐体本体部21に対して固定できる。その結果、例えば、携帯電話機1を落下させたときなど、携帯電話機1に衝撃が加えられたときに、メイン基板33が位置ずれを起こしたり、撓んで破損したりすることが抑制される。特に、本実施形態では、メイン基板33は、携帯電話機1の薄型化の観点から、第2領域部3bから第1領域部3aに亘って設けられ、バッテリ収容部19の底部を構成していることから、バッテリ17の荷重によりリアケース39から離間する方向へ撓みやすくなっているところ、メイン基板33の中央においてリアケース39からの離間が防止されることにより、薄型化による強度低下が補償され、薄型化及び強度保持の両立が図られる。
第1カード挿入部25は、バッテリ収容部19の内壁のうちバッテリ17がバッテリ収容部19に収容されたときにバッテリ17の厚みにより隠れる領域に設けられていることから、第1カード挿入部25から筐体内部側への塵や水分の侵入はバッテリ17により抑制される。従って、第1カード挿入部25が、第1カードC1のみを挿入可能な大きさから、さらに係合部35cを挿入可能な大きさに拡張されたとしても、塵や水分の侵入は防止される。
携帯電話機1は、第1カード挿入部25が設けられる内壁21aには、バッテリ17により隠れない領域且つカバー部材23により覆われる領域S2に、第2カード挿入部27が設けられ、筐体本体部21内には、第2カード挿入部27から挿入された第2カードC2が装着される第2カードホルダ51が設けられていることから、バッテリ収容部19にバッテリ17が収容された状態で、SDカード等の第2カードC2の抜き差しが可能となる。そして、第1カード挿入部25に挿入された係合部35cはバッテリ17に隠れており、第2カードC2を抜き差しするときに係合部35cが視認されることはないから、係合部35cによりデザイン性が低下することがない。
筐体本体部21内に設けられるサブ基板47を有し、第1カードホルダ49は、サブ基板47の一方の面に実装されており、第2カードホルダ51は、サブ基板47の他方の面に実装されており、フレーム部材35は、サブ基板47を保持していることから、カード挿入に係る構造の小型化及び組み立ての容易化が図られるとともに、フレーム部材35の内壁21aへの係合により、第1カードホルダ49及び第2カードホルダ51の第1カード挿入部25及び第2カード挿入部27への位置決めも確実になされ、ひいては、落下等の衝撃により、第1カードC1及び第2カードC2の抜き差しができなくなることが防止される
第1カードC1が載置され、第1カードホルダ49に対するスライド移動により第1カード挿入部25に抜き差しされるスライド部材59を有し、スライド部材59は、第1カード挿入部25を経由してバッテリ収容部19にて露出される被操作部59cを有し、被操作部59cは、スライド方向において係合部35cと重複する位置に形成されていることから、係合部35cは、被操作部59cが第1カード挿入部25の奥深くに入り込んでしまうことを防止するストッパとしても機能し、構造の簡素化を図りつつ、第1カードC1の引き抜きの容易性を確保できる。
携帯電話機1は、通信システム(電話網等)を介して他の携帯端末装置と通信を行う通信部(CPU71及び通信処理部75)を有し、第1カードC1は、CPU71に参照される、通信システムの加入者(電話番号)を特定可能な情報を記憶するカードであることから、従来のSIMカード等を抜き差しするための挿入部により携帯電話機1の強度を向上できる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
携帯端末装置は、携帯電話機に限定されない。例えば、PDA、デジタルカメラ、ゲーム機であってもよい。筐体は、薄型直方体状のものに限定されず、適宜な形状のものであってもよい。また、筐体(第1筐体3又は筐体本体部21)は、厚さの異なる2つの領域(第1領域部3a及び第2領域部3b)を有するものに限定されず、一様な厚さのものであってもよい。
カード挿入部は、バッテリ収容部の内壁に設けられるものに限定されない。また、バッテリにより隠れる第1カード挿入部は、バッテリの厚みにより隠れるものに限定されない。例えば、第1カード挿入部や第2カード挿入部は、バッテリ収容部の底部に設けられてもよい。ただし、第1カード挿入部及び第2カード挿入部が、バッテリ収容部の内壁に設けられていれば、第1カード挿入部と第2カード挿入部とを積層的に設けて携帯端末装置の小型化や薄型化を図ることが容易である等のメリットがある。
バッテリは、薄型直方体状のものに限定されず、また、バッテリ収容部は、内壁が低く、底部が広いものに限定されない。なお、カード挿入部がバッテリの厚みにより隠れる場合における厚みは、バッテリの、バッテリ収容部の深さ方向(内壁の高さ方向)における厚みを指し、バッテリが薄型直方体等である場合における、バッテリの長手方向、短手方向及び厚さ方向のうちの厚さ方向の厚みを指すものではない。
カードは、メモリ機能のみを有するもの、CPUが搭載されたもの、ロジック付きのもの(アクセス制御機能を有するものなど)など、適宜なものであってよい。カードの配置姿勢は、カバー部材に覆われる側に面する配置姿勢に限定されない。換言すれば、カード挿入部は、カバー部材に沿う方向を長手方向として開口するものに限定されない。例えば、カードの配置姿勢は、カバー部材に対して直交するものであってもよい。ただし、カードの配置姿勢が、カバー部材に覆われる側に面するものであるほうが、内壁を低くして筐体を薄型化するのに有利である。
カード挿入に対するガイドをなすガイド部(27a)は、適宜な形状に形成されてよく、カードの筐体内部側の面及び側方に当接するものに限定されない。例えば、実施形態において、側方ガイド部27b及び内側ガイド部27cのいずれか一方のみが設けられていてもよい。また、カバー部材の内側面は適宜な形状に形成されてよく、リブ(53)は必須の要件ではない。リブが設けられる場合には、リブの形状は適宜な形状とされてよい。
押圧目印部は、カバー部材の外側面から突出する突部に限定されない。例えば、押圧目印部は、凹部であってもよいし、カバー部材に貼付されたシール等の模様であってもよい。ただし、突部であれば、カバー部材を面に沿ってスライドさせるように力を入れることが容易である。
カバー部材の押圧目印部により係合が弱められる被係合部(23j)は、カバー部材の外側面に突出する突部を有するものに限定されない。例えば、カバー部材の被係合部に穴部が設けられ、筐体(筐体本体部)にその穴部にカバー部材の外側面側から内側面側へ挿入されて係合する係合部が設けられてもよい。
フレーム部材が係合するカード挿入部は、バッテリにより隠されるものに限定されず、バッテリにより隠されないものであってもよい。例えば、実施形態において、フレーム部材は、第2カード挿入部27に係合されてもよい。
電池端子は、実施形態に例示したものに限定されず、スプリングピンやバネ端子等の適宜なものにより構成されてよい。
通信システムは、電話網に限定されない。例えば、インターネットでもよい。また、通信システムは、事業者により運営されるものやサーバを介して行われるものに限定されず、携帯端末装置同士で直接的に通信を行うものであってもよい。
1…携帯電話機(携帯端末装置)、17…バッテリ、19…バッテリ収容部、21…筐体本体部(筐体)、21a…内壁、23…カバー部材、25…第1カード挿入部、27…第2カード挿入部、27a…ガイド部、33…メイン基板、35c…係合部、35…フレーム部材、49…第1カードホルダ、51…第2カードホルダ、C1…第1カード、C2…第2カード。