JP2009110626A - 熱アシスト記録用磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気記録媒体用潤滑剤の耐熱特性に関する問題を改善し、高耐熱性を有する磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】本発明は、熱アシスト記録方式に使用される磁気記録媒体に関する。この磁気記録媒体が非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護層および潤滑層からなり、前記潤滑層の潤滑剤は、非加熱時の初期潤滑剤量に対し、磁性層を加熱してTw以上に昇温したときの揮発量が1%未満となる耐熱性を有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は磁気記録媒体に関し、特にコンピュータの外部記憶装置等に用いられる磁気記録媒体に関する。
磁気記録媒体については、保護層とヘッド間に生ずる摩擦力を減少させ、耐久性や信頼性を向上させる目的で、これまで磁気記録媒体、特に磁気ディスク用の潤滑剤が開発されてきた。
例えば、磁気記録媒体表面層の潤滑特性を改良するために、従来、ダイヤモンド状カーボン(DLC)保護層上に、分子内に水酸基などの有極性末端基または環状トリホスファゼン末端基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤が塗布されてきた。また、例えば、末端に各種有極性基を含むパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の混合物を塗布する例も開示されている(特許文献1など)。
一方、磁気記録媒体において、1Tbits/in2を超える面記録密度を実現するためには、磁性層の粒子サイズを小さくしてノイズを低減する必要がある。しかし、粒子サイズを小さくしすぎると磁性層に記録した磁気信号が熱減磁により消滅してしまうという問題が生じる。このため、高密度記録化には、熱的安定性の高い、高保磁力を有する磁性層を用いる必要がある。
そこで、高保磁力の記録層を有する磁気記録媒体の記録すべき領域に、例えばレーザー光を照射することによって加熱して保磁力を低下させ、保磁力が低下した領域に磁気ヘッドを用いて情報に応じた磁界を印加して情報を記録する方法が提案されている(特許文献1および2参照)。上記の記録方法を熱アシスト磁気記録と称する。
熱アシスト磁気記録方式において、レーザー光を記録面へ照射することにより、記録層は150℃程度まで加熱される。このため、前述の潤滑剤は記録層からの熱伝導による高温に晒されることとなる。
しかしながら、従来の潤滑剤は、熱アシスト磁気記録で想定されるような高温環境での使用は考慮されておらず、前述の高温環境では、揮発による潤滑剤の減少が懸念される。
特開2001−6155号公報 特開2003−45004号公報 特開2006−12249号公報
本発明が解決しようとする課題は、前述の潤滑剤の耐熱特性に関する問題を改善し、高耐熱性を有する磁気記録媒体を提供することである。
本発明の磁気記録媒体は、熱アシスト記録方式に使用される磁気記録媒体であり、前記磁気記録媒体が非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護層および潤滑層からなり、前記潤滑層の潤滑剤は、非加熱時の初期潤滑剤量に対し、磁性層を加熱してTw(本明細書では、熱アシスト記録方式における磁性層の最大温度をいう。)以上に昇温したときの揮発量が1%未満となる耐熱性を有するものであることを特徴とする。
本発明では、潤滑層を構成する潤滑剤は下記の一般式(1)で表されるものであり、前記潤滑剤の分子量が500〜10000の間であることが好ましい。
Figure 2009110626
(式中、Rfは、CF3CF2CF2O−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2−であり、nは正の整数である。)
また、本発明では、Twが150℃〜350℃であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体を用いることで、磁性層温度が150〜350℃となる熱アシスト記録方式において、従来技術に比較し、潤滑剤の揮発量を抑制した高耐熱特性の磁気記録媒体を提供することが可能となる。
本発明によれば、上記式(1)の潤滑剤をダイヤモンド状カーボン(DLC)保護層上に塗布することにより、従来技術に比較して、潤滑剤とダイヤモンド状カーボン(DLC)保護層の表面間の結合を高めることができ、潤滑剤とダイヤモンド状カーボン(DLC)保護層の結合性の高い磁気記録媒体を提供することが可能となる。
本発明の磁気記録媒体は、熱アシスト磁気記録方式に最適なものである。この磁気記録媒体は、少なくとも非磁性基板上に設けられた磁性層、保護層および潤滑層からなる。潤滑層を構成する潤滑剤は、非加熱時の初期潤滑剤量に対し、磁性層を加熱してTw以上に昇温したときの揮発量が1%未満となる耐熱性を有するものである。このように、本発明では、磁性層温度がTw以上となる温度下で、潤滑剤の揮発量が非加熱時の初期潤滑剤量の1%未満に抑えることができる潤滑剤を潤滑層に用いることを特徴とする。
本発明では、磁気記録媒体用潤滑剤で上記条件を満たす限り、潤滑剤は特に限定されない。特に、本発明では、以下に説明する潤滑剤を潤滑層に用いることが好ましい。
本発明で用いる潤滑剤は、下記の一般式(1)で表されるものである。この潤滑剤は分子量が500〜10000の間であることが好ましい。
Figure 2009110626
(式中、Rfは、CF3CF2CF2O−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2−であり、nは正の整数、好ましくはn=3〜60である。)
本発明では、Twは150℃〜350℃、好ましくは約150℃である。
上記潤滑剤は磁気記録媒体表面に各種手法(例えば、ディップ法、スピンコート法など)による適用することができる。本発明では、潤滑剤には、主鎖構造としてパーフルオロポリエーテル系化合物を用いることが好ましく、例えばDemnum(ダイキン工業社製)を用いることができる。また、潤滑剤は、末端基として式(2)に示すアミン基を有する。
Figure 2009110626
アミン基末端を有する潤滑剤は、潤滑剤同士の吸着力が高く、磁気ディスクの保護層表面に存在する極性官能基とも結合しやすい性質を持っている。そのため、本発明による潤滑剤を磁気記録媒体表面に塗布することで、従来に比較し、揮発現象を抑制した高耐熱性を有する磁気記録媒体を実現できる。
次に、本発明の磁気記録媒体について説明する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも磁性層、保護層および潤滑層が含まれる。一例を示せば、図1に示されるような構造を有する。すなわち、非磁性基板100上に、磁性層102、保護層104および潤滑層106を有する。
非磁性基板は、磁気記録媒体に従来から用いられているものであれば特に限定されない。例えば、図1に示したような従来から汎用的に使用されているアルミ合金などの基板110上に無電解メッキによりNi−Pなどの非磁性金属層(メッキ層)120を形成したものであってよく、あるいは、ガラス、セラミック、プラスチックなどの材料から構成されていてもよい。
本発明の磁気記録媒体では、必要に応じて、非磁性基板と磁性層との間に、非磁性下地層、軟磁性層、シード層、中間層などを設けてもよい。
任意選択的に設けてもよい非磁性下地層は、Ta、Ti、またはCrTi合金のようなCrを含む非磁性材料を用いて形成することができる。
任意選択的に設けてもよい軟磁性層は、FeTaC、センダスト(FeSiAl)合金などの結晶性材料;FeTaC、CoFeNi、CoNiPなどの微結晶性材料;またはCoZrNd、CoZrNb、CoTaZrなどのCo合金を含む非晶質材料を用いて形成することができる。軟磁性層の膜厚は、磁性層に垂直方向磁界を集中させるための層であり、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変化するが、おおむね10nm以上500nm以下であることが、生産性との兼ね合いから望ましい。
任意選択的に設けてもよいシード層は、面心立方格子構造を有する金属または合金や、TaあるいはTa合金を用いて形成することができる。面心立方格子構造を有する金属または合金としては、Cu、Pd、Pt、Niまたはこれらのうち1つ以上を含む合金;NiFe、NiFeNb、NiFeCr、NiFeSi、NiFeBなどのようなパーマロイ系材料;CoNiFe、CoNiFeNb、CoNiFeCr、CoNiFeSi、CoNiFeBなどのようなパーマロイ系材料にCoを更に添加した材料;Co;あるいはCoB、CoSi、CoNi、CoFeのようなCo基合金等を用いることができる。シード層は、磁性層の結晶構造を制御するのに充分な膜厚を有することが望ましく、通常の場合、3nm以上50nm以下の膜厚を有することが望ましい。
任意選択的に設けても良い中間層は、Ru、もしくはRuを主成分とする合金、またはCo、もしくはCoを主成分とする合金を用いて形成することができる。また、これらの金属または合金を積層して用いることもできる。中間層は、通常0.1nm以上30nm以下の膜厚を有する。このような範囲内の膜厚とすることによって、磁性層の磁気特性や電磁変換特性を劣化させることなしに、高密度記録に必要な特性を磁性層に付与することが可能となる。
前述の下地層、軟磁性層、シード層および中間層の形成は、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法を用いて実施することができる。
磁性層は、好適には、少なくともCoとPtを含む合金の強磁性材料を用いて形成することができる。垂直磁気記録を行うためには、磁性層の材料の磁化容易軸(六方最密充填(hcp)構造のc軸)が、記録媒体表面(すなわち磁気記録媒体用基板の主表面)に垂直方向に配向していることが必要である。磁性層は、たとえばCoPt、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTaなどの合金材料を用いて形成することができる。磁性層の膜厚は、特に限定されるものではない。しかしながら、生産性および記録密度向上の観点から、磁性層は、好ましくは30nm以下、より好ましくは15nm以下の膜厚を有する。磁性層の形成は、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法を用いて実施することができる。
別法として、非磁性酸化物または非磁性窒化物のマトリクス中に磁性結晶粒子が分散されているグラニュラー構造を有する材料を用いて、磁性層を形成してもよい。用いることができるグラニュラー構造を有する材料は、CoPt−SiO2、CoCrPt−TiO2、CoCrPtO、CoCrPt−SiO2、CoCrPt−Al23、CoPt−AlN、CoCrPt−Si34などを含むが、これらに限定されるものではない。グラニュラー構造を有する材料を用いた場合、磁性層内で近接する磁性結晶粒間の磁気的分離を促進し、ノイズの低減、SNRの向上および記録分解能の向上といった磁気記録特性の改善を図ることができる。
保護層は、ダイヤモンド状カーボン(DLC)、アモルファスカーボン(好ましくはダイヤモンド状カーボン(DLC))などのカーボン、あるいは磁気記録媒体保護層用の材料として知られている種々の薄層材料を用いて形成することができる。保護層は、その下にある磁性層以下の各構成層を保護するための層である。保護層は、一般的にスパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法、CVD法、FCVA法(Filtered Cathodic Vacuum Arc)などを用いて形成することができる。
潤滑層は、記録/読み出し用ヘッドが磁気記録媒体に接触している際の潤滑を付与するための層であり、上述の液体潤滑剤を使用して形成することができる。液体潤滑層は、ディップコート法、スピンコート法などの当該技術において知られている任意の塗布方法を用いて形成することができる。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、下記実施例は例示であり、本発明を制限することを意図するものではない。
以下に示す構造を持つ化合物(A)の潤滑剤を調製し、磁気記録媒体へ塗布し、磁気記録媒体の特性を評価した。
Figure 2009110626
1.潤滑剤(化合物(A))の合成方法
末端にヒドロキシル基(−OH)を有するパーフルオロエーテルであるダイキンファインケミカル研究所製デムナムSA(100.0g)およびピリジン(5.9g)を、3M社製ノベックHFE−7100(100.0g)中に溶解させ、溶液の温度を0℃に冷却した。無水トリフルオロメタンスルホン酸(21.2g)を、HFE−7100(100.0g)中に溶解させ、この溶液を前記のデムナム溶液にゆっくりと滴下した。滴下後、その反応混合物の温度を室温に保持し、5時間にわたって攪拌した。NMRにより反応の終点を確認した。得られた反応混合物のHFE−7100を蒸留して除去し、純水を用いて洗浄することで、目的とするトリフレート(96.0g、収率90%)を得た。
このようにして得られたトリフレートに対して、各種のアミノ基含有化合物を作用させて、目的とする鎖状分子末端にアミン系官能基を有するパーフルオロエーテル液体潤滑剤を調製することができる。
アミン系官能基の導入では、前記で合成したトリフレート(30.0g)、1−(2−ピリミジル)ピペラジン(9.8g)、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン(60.0g)、および、エチレングリコールジメチルエーテル(60.0g)を反応容器内に加えた。そして、反応溶液を120℃に加熱し、8時間にわたって攪拌した。NMRにて、原料の消失を確認した。得られた反応混合物の溶媒を蒸留して除去し、純水を用いて洗浄することで、目的とするアミノ基を鎖状分子末端に有する化合物(A)(22.7g、収率70%)を得た。この化合物(A)を1H−NMRにて測定し、下記の結果を得て、目的の構造を有することを確認した。
化合物(A)のデータ
1H−NMR(400MHz、m−キシレンヘキサフルオリド+CDCl3):2.71ppm(t、2H)、3.03ppm(t、1H)、3.89ppm(t、2H)
2.潤滑剤の評価
熱重量分析(Thermogravimetric Analysis:TG)による耐熱特性評価
本発明における潤滑剤を評価するために、熱重量分析による耐熱特性評価を実施した。サンプルとして、上述のように調製した潤滑剤(分子量4000)と、従来技術であるZ−tetraol(ソルベイ・ソレクシス社製:分子量4000)を用いた。
SII社製TG/DTA220を用い、昇温速度10℃/分により測定を行った結果を図2に示す。従来技術の潤滑剤に比較し、上記潤滑剤の方が、200℃以上の高温度領域において、減量しにくく、揮発しにくい特性を有していることが分かる。初期の潤滑剤量に比較して、50%まで潤滑剤量が減少する温度をみると、従来技術の潤滑剤が329℃であるのに対し、上記潤滑剤は390℃であり、上記潤滑剤を適用することにより、耐熱温度が向上することが分かる。
3.磁気記録媒体(サンプル)の作製
非磁性基板(材料AL合金からなる直径95mmの磁気ディスク用基板)の主面上に、スパッタ法を用いて、膜厚50nmのCoZrNbからなる軟磁性層、膜厚5nmのCoNiFeSiからなるシード層、膜厚10nmのRuからなる中間層、膜厚16nmのCoCrPt−SiO2とCoCrPtBからなる磁性層を順次形成した。
次に、プラズマCVD法で膜厚4.0nmのダイヤモンド状カーボン(DLC)保護層を形成した。この保護層で覆われた磁気ディスク基板に対し、上記合成法により合成された化合物(A)の潤滑剤溶液をディップ法により塗布した。具体的には、ディスク基板を溶媒としてVertrel XFを用いた潤滑剤溶液(濃度:膜厚0.8nmの時は50ppm、膜厚1.2nmの時は100ppm)に浸漬(膜厚0.8nmの時は60秒、膜厚1.2nmの時は480秒)させ、磁気ディスクを1.0mm/secの速度で引上げ、その後、室温22℃で乾燥させた。
また、比較のため、従来から用いられているZ−tetraol(ソルベイ・ソレクシス社製)潤滑剤も、同手法のディップ法により基板上に塗布した。具体的には、ディスク基板を溶媒としてVertrel XFを用いた潤滑剤溶液(濃度:膜厚0.8nmの時は120ppm、膜厚1.2nmの時は500ppm)に浸漬(60秒)させ、磁気ディスクを膜厚0.8nmの時は0.5mm/sec、膜厚1.2nmの時は1.5mm/secの速度で引上げ、その後、室温22℃で乾燥させた。
4.磁気記録媒体の評価
4−1.ボンド率
上記手法により作製した磁気記録媒体について、加熱炉において加熱処理(110℃、30分)を行い、加熱後のサンプルについて、洗浄前と洗浄後の潤滑層の膜厚(トータル潤滑剤膜厚およびボンド潤滑剤膜厚)を測定し、ボンド率を算出した。結果を表1に示す。なお、潤滑層の膜厚は、フーリエ変換式赤外分光光度計(FT−IR)により測定した。
Figure 2009110626
ここで、表1に示した「初期潤滑剤膜厚」、「ボンド潤滑剤膜厚」、「ボンド率」について説明する。
一般に、カーボン表面に存在する官能基と潤滑剤との結合割合は、フッ素系溶媒による洗浄前の潤滑層膜厚に対するフッ素系溶媒による洗浄後の潤滑層膜厚の割合として表され、その百分率値は「ボンド率」と呼ばれる。
Figure 2009110626
ここで、加熱処理したサンプルの洗浄前の潤滑層膜厚を「初期潤滑剤膜厚」、洗浄後の潤滑層膜厚を「ボンド潤滑剤膜厚」と呼ぶ。「ボンド潤滑剤膜厚」は、実際にカーボン表面と結合している潤滑剤の厚さ(量)を表している。なお、本明細書において、「初期潤滑剤量」の用語を、「初期潤滑剤膜厚」と同義に用いる。
また、潤滑剤に対する洗浄用フッ素系溶媒としては、Vertrel XF(三井デュポンフロロケミカル社製)を用いることが一般的であり、本評価においてもこの溶媒を用いている。洗浄は、上記フッ素系溶媒を各サンプルにディップ法により、22℃、5分適用することによって行った。
4−2.加熱減量評価
上記手順で作製した表1に示す初期膜厚量を有する各サンプルに対し、加熱減量評価を実施した。
本試験では、各サンプルに対し、25℃、100℃、150℃、180℃環境において各10分間放置し、各温度における膜厚をFT−IRにより測定した。さらに180℃環境においては20分間放置(計30分間放置)し、膜厚を測定して、従来品と本発明品との比較を行った。
初期膜厚量0.8nm(表1の実施例1および比較例1)における比較結果を図3に、初期膜厚量1.2nm(表1の実施例2および比較例2)における比較結果を図4に示す。
図3および図4の結果より、磁気ディスクに塗布した潤滑剤においても、トータル潤滑剤膜厚によらず、本発明における潤滑剤は、加熱による減量が少なく、高温環境下においてもディスク表面に留まりやすいことが分かる。
また、熱アシスト記録方式において想定される温度である150℃において、10分間放置したところ、従来の潤滑剤を用いた磁気記録媒体では潤滑層膜厚が0.8nmおよび1.2nmの両方共に1〜3%程度の潤滑剤の減量が認められるのに対し、化合物(A)を用いた磁気記録媒体では、1%未満の減量であり、ほとんど減量が認められない。
よって、本発明品を用いれば、温度約150℃の環境において初期潤滑剤量を維持した熱アシスト記録用磁気記録媒体を実現することが可能となる。
また、上記潤滑剤の特性は、潤滑剤分子量が500〜10000の間の範囲内であれば、従来技術における潤滑剤に比べ、優位性が認められる。
本発明の磁気記録媒体の例示的な層構造を示す概略図である。 熱重量分析による耐熱特性評価における従来の潤滑剤と化合物(A)の潤滑剤を比較したグラフである。 加熱減量評価における本発明の磁気記録媒体と従来技術の磁気記録媒体の比較結果(潤滑層膜厚0.8nm)を示す図である。 加熱減量評価における本発明の磁気記録媒体と従来技術の磁気記録媒体の比較結果(潤滑層膜厚1.2nm)を示す図である。
符号の説明
100 基板
102 磁性層
104 保護層
106 潤滑層
110 非磁性基板
120 メッキ層

Claims (3)

  1. 熱アシスト記録方式に使用される磁気記録媒体であって、前記磁気記録媒体が非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護層および潤滑層からなり、前記潤滑層の潤滑剤は、非加熱時の初期潤滑剤量に対し、磁性層を加熱してTw以上に昇温したときの揮発量が1%未満となる耐熱性を有するものであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記潤滑層を構成する潤滑剤が下記の一般式(1)で表され、前記潤滑剤の分子量が500〜10000の間であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
    Figure 2009110626
    (式中、Rfは、CF3CF2CF2O−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2−であり、nは正の整数である。)
  3. 前記Twが150〜350℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
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