JP2009102984A - 建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】組立作業性や意匠性を向上させることができる建具を提供すること。
【解決手段】金属枠14とガラスパネル15とを組み立ててユニット化したガラスユニット12を表面材8A,8B間に設置することでガラス開口10が構成できるので、扉6の部品点数や組立手間が削減できる。また、開口部11の内周端縁とガラスパネル15との間にビード17が圧入されているので、開口部11の内周端縁の隙間が見えず扉6の外観意匠性を向上させることができるとともに、表面材8A,8Bとガラスユニット12との間からの雨水等の浸入を防止して止水性能を向上させることもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、枠体に開閉自在に支持された戸体を備えた建具に関する。
従来、玄関ドアなどの扉(戸体)として、枠材の内外両側に面材を貼り付けたフラッシュ扉が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。これらの扉では、面材の所定位置に明かり窓等として利用するための開口が設けられている。
特許文献1に記載の扉では、一方の面材の所定位置に開口用枠部品を含む各種部品を配置するとともに、これらの部品が配置されない部分に樹脂製の充填材(断熱材)を配置してから、各種部品および充填材を覆って他方の面材が貼り付けられている。
一方、特許文献2に記載の扉では、外枠を構成する一対の縦枠間に一対の横桟を架設し、さらに一対の横桟間に一対の縦桟を架設し、これらの縦桟や横桟で区画された箇所に明り窓等が取り付けられている。
特公昭57−3796号公報 実公平4−33354号公報
しかしながら、特許文献2に記載された扉では、枠材に固定された縦桟や横桟で明り窓等が支持されているため、一対の縦桟と横桟を外枠内で固定する作業や、これらの縦桟と横桟で区画された箇所に明り窓を取り付ける作業に手間を要するという問題がある。
本発明の目的は、組立作業性や意匠性を向上させることができる建具を提供することにある。
本発明の建具は、枠体と、この枠体に開閉自在に支持される戸体とを備えた建具であって、前記戸体は、上下左右の四周枠組みされる枠材と、この枠材の室内外にそれぞれ固定される内外一対の面材と、これら一対の面材間に設けられる断熱材とを有して構成されており、前記戸体において、前記一対の面材にそれぞれ開口部が設けられ、当該開口部と対向して前記一対の面材間にパネルユニットが設けられ、前記パネルユニットは、四周枠組みされた金属枠と、この金属枠の内部に支持されたパネルとを有して構成され、前記内外一対の面材における前記開口部の端縁と、前記パネルユニットにおけるパネルの内外面との間には、それぞれ当該開口部端縁に沿った隙間部材が介挿されていることを特徴とする。
以上の本発明によれば、枠とパネルとを組み立ててユニット化したパネルユニットを面材間に設置するだけでガラス開口が構成できることで、組立手間が削減できる。
なお、パネルとしては、透光性を有するもの(例えばガラスやプラスチック)でもよく、透光性を有しないものでもよい。
また、本発明の建具としては、枠体に回動開閉自在に戸体が支持されたものでもよく、枠体にスライド開閉自在に戸体が支持されたものでもよい。
さらに、面材とパネルとの隙間を隙間部材で隠すことで戸体の外観意匠性を向上させることができるとともに、この隙間部材として樹脂製(ゴム製)ビード等の止水性を有した部材を用いれば、面材とパネルユニットとの間からの雨水等の浸入を防止して止水性能をさらに向上させることができる。
この際、本発明の建具では、前記開口部の端縁は、前記戸体の内部側に向かって折り曲げられており、この折り曲げた内周端縁と前記パネルとの間に前記隙間部材が介挿されていることが好ましい。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である玄関ドア1を示す縦断面図である。図2は、玄関ドア1を示す横断面図である。図3は、玄関ドア1の扉6の外観を示す正面図である。図4は、扉6の内部構造を説明する図である。図5は、扉6の要部を拡大して示す縦断面図である。
図1および図2において、玄関ドア1は、外壁開口部に固定される枠体2と、この枠体2に開閉自在に支持される戸体としての扉6とを備えて構成されている。枠体2は、上枠3、下枠4および左右の縦枠5を有して構成されている。そして、上枠3および左右の縦枠5は、それぞれアルミ形材製の室内部材3A,5Aおよび室外部材3B,5Bと、これらを連結する樹脂製の断熱部材3C,5Cとを有した断熱枠である。扉6は、一方(図2の左側)の縦枠5に3箇所の蝶番6Aを介して回動支持され、蝶番6Aの回動軸を中心にして室外側に開閉可能に構成されている。また、扉6の戸先側には、図示しない操作ハンドルや施錠装置が設けられている。
扉6は、図3および図4にも示すように、四周枠組みされた枠材7と、この枠材7の室内外にそれぞれ固定された内外一対の面材としての金属製の表面材8(8A,8B)と、室内外の表面材8A,8B間に設けられた樹脂製の断熱材9とを備えて構成されている。枠材7は、上枠材7A、下枠材7Bおよび左右の縦枠材7Cと、戸先側において上枠材7Aと下枠材7Bとの間に架設された縦骨7Dとを有して構成されている。断熱材9は、枠材7に隣接して表面材8A,8B間に充填されている。表面材8A,8Bは、それぞれ枠材7および断熱材9の室内側および室外側を覆って設けられ、折り曲げられた四周端縁が上枠材7A、下枠材7Bおよび左右の縦枠材7Cに固定されている。また、扉6には、図3に示すように、互いに上下および左右に位置がずれた複数箇所(本実施形態においては、3箇所)にガラス開口10が設けられ、このガラス開口10を介して室内外に光(昼間における室外の太陽光や夜間における室内の照明光)が透過できるようになっている。
ガラス開口10は、内外一対の表面材8A,8Bに各々設けられた円形の開口部11と、これらの開口部11間(表面材8A,8B対向面間)に設けられるパネルユニットとしてのガラスユニット12と、左右の縦材としての縦枠材7C(図4の右側の縦枠材7C)と縦骨7Dと間に架け渡されてガラスユニット12を支持する横材13とを有して構成されている。ガラスユニット12は、四周枠組みされたアルミ形材製の金属枠14と、この金属枠14の内部に支持されたガラスパネル15と、ガラスパネル15(複層ガラス)の四周端縁と金属枠14との間に設けられてガラスパネル15を支持するガスケット16(防火ガスケット)とを有して構成されている。そして、ガラスユニット12の金属枠14は、表面材8A,8Bの開口部11よりも一回り以上大きく形成され、つまり金属枠14の内周縁とガスケット16の内周端縁とが開口部11の内周端縁よりも外側(表面材8A,8B対向面側)に位置するように形成されており、開口部11の内周端縁とガラスパネル15との間には、開口部11の内周端縁に沿った隙間部材としての樹脂製のビード17が介挿されている。
横材13は、図5にも示すように、断面略コ字形に折り曲げ加工された金属製の長尺部材であって、コ字形の開口端縁13Aを上方に向けて配置され、横材13の長手方向両端部が縦枠材7Cと縦骨7Dとにそれぞれビス止め固定されている。一方、ガラスユニット12の金属枠14は、上下左右ともに同一形態である断面略H字形に形成されたアルミ形材製であり、その見込み方向幅寸法が横材13と略同一に設定されている。
そして、ガラスユニット12は、横材13の開口端縁13A上側に載置されるとともに、左右の縦枠材7Cおよび縦骨7Dとそれぞれ隙間を介して配置されている。さらに、ガラスユニット12は、その金属枠14の室内外側面がそれぞれ内外の表面材8A,8Bの対向面に当接するとともに、金属枠14の上および左右の外端縁が断熱材9に当接するように配置されている。すなわち、ガラスユニット12は、横材13にビス止め固定されておらず、横材13に対しては、その長手方向に沿って位置調節可能に配置されるとともに、上側および左右の断熱材9によって位置決めされている。さらに、ガラスユニット12は、ガラスパネル15と開口部11の内周端縁との間に圧入されたビード17によって、表面材8A,8Bに対して移動不能に位置決めされている。
以上のような扉6の組立手順としては、先ず、枠材7を組み立てる、すなわち上枠材7A、下枠材7Bおよび左右の縦枠材7Cを四周枠組みするとともに、上枠材7Aと下枠材7Bとの間に縦骨7Dを固定する。次に、組み立てた枠材7のうち、縦枠材7Cと縦骨7Dとに渡って横材13を所定の高さ位置に固定する。次に、枠材7に内外の表面材8A,8Bの一方を取り付ける、すなわち表面材8Aを枠材7の室内側に取り付けるか、または表面材8Bを枠材7の室外側に取り付ける。このようにして枠材7と一方の表面材8A(または表面材8B)とを固定した状態で、枠材7および横材13で仕切られた内部に断熱材9を設置する。この断熱材9には、ガラスユニット12を配置するための切り欠きを設けておく。これに続いて予め組み立てておいたガラスユニット12を、横材13の上側であり断熱材9の切り欠き部に設置する。次に、他方の表面材8B(または表面材8A)を枠材7に取り付けてから、表面材8A,8Bの開口部11の内周端縁とガラスユニット12のガラスパネル15との間にビード17を圧入して扉6の組立が完了する。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)縦枠材7Cと縦骨7Dとに渡って架け渡された横材13にガラスユニット12が支持されるので、火災の際に断熱材9が溶融しもガラスユニット12が落下することがなく、火災時における内外の空間を遮断して延焼を防止するという防火性能が確保できる。さらに、ガラスユニット12が横材13の上側に載置されて支持されることで、扉6の組立作業を簡便化でき、作業性を向上させることができる。また、縦枠材7Cおよび縦骨7Dとの間に隙間を介してガラスユニット12が配置され、表面材8A,8Bの開口部11位置に合わせて断熱材9の切り欠き部に設置するだけで、ガラスユニット12の設置作業が完了するので、ガラスユニット12を枠材7や横材13に固定しなくてもよく、扉6の組立作業性をさらに向上させることができる。
(2)さらに、金属枠14とガラスパネル15とを組み立ててユニット化したガラスユニット12を横材13に支持させるだけの簡単な構造でガラス開口10が構成できるので、扉6の部品点数や組立手間が削減できるとともに、扉6の軽量化を図ることもできる。そして、従来では扉の内部が縦桟や横桟等の多数の支持材によって区画される部分が複数あったが、その区画される数を少なくすることができることで、断熱材9が細かく分割されることがなく、扉6の断熱性能を確保することができる。
(3)複数のガラス開口10における各ガラスユニット12のサイズを同一に構成しておくことで、金属枠14やガラスパネル15、ガスケット16などの構成部品を共通化することができ、部品点数をさらに削減することができるし、ガラスユニット12の製造装置や製造工程も共通化することができる。この際、複数の開口部11のうち、開口寸法が最大のものに合わせてガラスユニット12のサイズを設定しておけば、いずれの開口部11に対しても各ガラスユニット12が適用可能になって、部品管理や製造手順の効率化を促進させることができる。
また、扉6の組立作業時において、ガラスパネル15はガラスユニット12内に嵌め込まれた状態で取り扱われるため、従来の様に組立作業時にガラスパネル15を単体で取り扱うのに比べて、安全(ガラスパネル15の端縁による切傷、ガラスパネル15の破損等の防止)である。
(4)また、ガラスユニット12において、ガスケット16を介して金属枠14にガラスパネル15が支持させているので、ガラスユニット12における止水性が確保でき、表面材8A,8Bの開口部11外側から窓用部品を取り付けるような場合と比較して止水性能を向上させることができる。また、ガスケット16として防火ガスケットが用いられているので、金属枠14とガラスパネル15との支持部分に別途の防火対策を施さなくても扉6の防火性能が確保でき、ガラスユニット12の構造を簡素化することができる。
(5)また、内外の表面材8A,8Bの開口部11間にガラスユニット12が設けられ、金属枠14が開口部11よりも一回り以上大きく形成されているので、開口部11を介して金属枠14が外部に露出しないようにでき、扉6の意匠性を向上させることができる。さらに、開口部11の内周端縁とガラスパネル15との間にビード17が圧入されているので、開口部11の内周端縁の隙間が見えず扉6の外観意匠性を向上させることができるとともに、表面材8A,8Bとガラスユニット12との間からの雨水等の浸入を防止して止水性能をさらに向上させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、玄関ドア1を例示して説明したが、本発明の建具としては、玄関ドア1に限らず、扉(戸体)が回動開閉可能に設けられた建具でもよく、また戸体がスライド開閉可能に設けられた建具でもよい。すなわち、本発明の建具における戸体としては、ドアにおける扉として利用されてもよく、また引き戸における戸として利用されてもよく、さらには開き窓や引違い窓等の任意の開閉形式を有した窓における障子として利用されてもよい。
また、前記実施形態では、横材13の上側にガラスユニット12を載置して支持させる構成としたが、これに限らず、横材13の下側にガラスユニット12を支持させてもよく、その場合には横材13にガラスユニット12の金属枠14をビス止め等によって連結すればよい。
また、前記実施形態では、表面材8A,8Bの開口部11の内周端縁とガラスユニット12のガラスパネル15との間にビード17(隙間部材)を圧入したが、このような隙間部材としては樹脂製やゴム製のビード17に限られず、金属製の縁部材であってもよい。
また、前記実施形態では、扉6に3箇所のガラス開口10を設けたが、ガラス開口10は、1箇所や2箇所でもよく、また4箇所以上であってもよい。そして、複数のガラス開口10において、開口部11およびガラスユニット12のサイズは同一である必要はなく、異なるサイズのガラス開口10が複数箇所に設けられていてもよい。
また、前記実施形態では、縦枠材7Cと縦骨7Dとの間に横材13を架け渡したが、これに限らず、縦骨7Dを省略して左右の縦枠材7C間に横材13を架け渡してもよく、また縦骨を1本または複数本追加してこれらの縦骨間に横材13を架け渡してもよい。
また、前記実施形態では、パネルとしてガラスパネル15を用いたが、これに限らず、プラスチックパネル、金属パネル、木パネル等、他の材質でもよい。そして、パネルは透光性を有していても有さなくてもどちらでも構わない。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る建具を示す縦断面図である。 前記建具を示す横断面図である。 前記建具の戸体の外観を示す正面図である。 前記戸体の内部構造を説明する図である。 前記戸体の要部を拡大して示す縦断面図である。
1…玄関ドア(建具)、2…枠体、6…扉(戸体)、7…枠材、7C…縦枠材(縦材)、7D…縦骨(縦材)、8,8A,8B…表面材(面材)、9…断熱材、10…ガラス開口、11…開口部、12…ガラスユニット(パネルユニット)、14…金属枠、15…ガラスパネル(パネル)、17…ビード(隙間部材)。

Claims (2)

  1. 枠体と、この枠体に開閉自在に支持される戸体とを備えた建具であって、
    前記戸体は、上下左右の四周枠組みされる枠材と、この枠材の室内外にそれぞれ固定される内外一対の面材と、これら一対の面材間に設けられる断熱材とを有して構成されており、
    前記戸体において、前記一対の面材にそれぞれ開口部が設けられ、当該開口部と対向して前記一対の面材間にパネルユニットが設けられ、
    前記パネルユニットは、四周枠組みされた金属枠と、この金属枠の内部に支持されたパネルとを有して構成され、
    前記内外一対の面材における前記開口部の端縁と、前記パネルユニットにおけるパネルの内外面との間には、それぞれ当該開口部端縁に沿った隙間部材が介挿されている建具。
  2. 前記開口部の端縁は、前記戸体の内部側に向かって折り曲げられており、この折り曲げた内周端縁と前記パネルとの間に前記隙間部材が介挿されている請求項1に記載の建具。
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