JP2009096707A - 水素発生方法、水素発生材料の製造方法、水素製造装置、及び、燃料電池システム - Google Patents

水素発生方法、水素発生材料の製造方法、水素製造装置、及び、燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2009096707A
JP2009096707A JP2008168085A JP2008168085A JP2009096707A JP 2009096707 A JP2009096707 A JP 2009096707A JP 2008168085 A JP2008168085 A JP 2008168085A JP 2008168085 A JP2008168085 A JP 2008168085A JP 2009096707 A JP2009096707 A JP 2009096707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
hydrogen
metal
reaction
generated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008168085A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4512151B2 (ja
Inventor
Kyoichi Tange
恭一 丹下
Yoshitsugu Kojima
由継 小島
Takayuki Ichikawa
貴之 市川
Chie Omatsu
千絵 大松
Satoshi Hino
聡 日野
Hironobu Fujii
博信 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiroshima University NUC
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Hiroshima University NUC
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hiroshima University NUC, Toyota Motor Corp filed Critical Hiroshima University NUC
Priority to JP2008168085A priority Critical patent/JP4512151B2/ja
Priority to EP08833877.7A priority patent/EP2197784B1/en
Priority to US12/680,233 priority patent/US8460834B2/en
Priority to PCT/IB2008/002507 priority patent/WO2009040646A2/en
Priority to CN2008801088563A priority patent/CN101808934B/zh
Priority to CA2701648A priority patent/CA2701648C/en
Publication of JP2009096707A publication Critical patent/JP2009096707A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4512151B2 publication Critical patent/JP4512151B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/06Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues
    • H01M8/0606Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants
    • H01M8/065Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants by dissolution of metals or alloys; by dehydriding metallic substances
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B3/00Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
    • C01B3/02Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
    • C01B3/06Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of inorganic compounds containing electro-positively bound hydrogen, e.g. water, acids, bases, ammonia, with inorganic reducing agents
    • C01B3/065Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of inorganic compounds containing electro-positively bound hydrogen, e.g. water, acids, bases, ammonia, with inorganic reducing agents from a hydride
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01DCOMPOUNDS OF ALKALI METALS, i.e. LITHIUM, SODIUM, POTASSIUM, RUBIDIUM, CAESIUM, OR FRANCIUM
    • C01D15/00Lithium compounds
    • C01D15/02Oxides; Hydroxides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/06Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues
    • H01M8/0606Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants
    • H01M8/0656Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants by electrochemical means
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2203/00Integrated processes for the production of hydrogen or synthesis gas
    • C01B2203/06Integration with other chemical processes
    • C01B2203/066Integration with other chemical processes with fuel cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M2008/1095Fuel cells with polymeric electrolytes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Abstract

【課題】持続可能な水素社会を構築することが可能な水素発生方法、当該水素発生方法で使用される水素発生材料の製造方法、当該水素発生方法に用いられる水素製造装置、及び、当該水素製造装置を備える燃料電池システムを提供する。
【解決手段】金属の窒素化合物と水とを反応させる第1工程と、金属の水素化合物と第1工程で生成されたアンモニアとを反応させる第2工程と、金属の水素化合物と第1工程で生成された金属の水酸化物とを反応させる第3工程とを備える、水素発生方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素発生方法、当該水素発生方法で使用される水素発生材料の製造方法、当該水素発生方法に用いられる水素製造装置、及び、当該水素製造装置を備える燃料電池システムに関する。
地球温暖化対策技術として有望な燃料電池に関する研究が、近年盛んに行われている。燃料電池は、電解質層と一対の電極とを備える構造体で電気化学反応を起こし、この電気化学反応により発生した電気エネルギーを外部に取り出す装置である。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等の分野で利用される固体高分子型燃料電池(以下「PEFC」ということがある。)では、水素含有ガスと酸素含有ガスとが用いられる。それゆえ、PEFCの実用化を図る上で、水素製造技術及び水素貯蔵技術の確立は不可欠である。
これまでに提案されている水素貯蔵技術としては、水素ガスを圧縮して高圧水素タンクに貯蔵する形態、液体水素を液体水素タンクに貯蔵する形態、及び、水素を吸蔵した水素吸蔵材料(以下、「水素発生材料」ということがある。)をタンクに貯蔵する形態が知られている。しかし、高圧水素タンクを用いる形態では、タンクの体積が大きく小型化を図りにくいほか、高圧化すると、加圧エネルギーを浪費しやすい等の問題がある。また、液体水素タンクを用いる形態では、水素を極低温(−253℃以下)に冷却し続ける必要があるため、貯蔵時にエネルギーを消費しやすいほか、タンク外部から流入する熱で液体水素が気化する「ボイルオフ」を回避し難い等の問題がある。それゆえ、貯蔵時のエネルギーが少なく、ボイルオフ等の懸念がない水素吸蔵材料を用いる形態が注目されている。
水素吸蔵材料に関する技術として、例えば特許文献1には、水素容量の高い可逆的なLi基水素化物が提案されている。また、特許文献2には、金属水素化物とアンモニアにより構成され、これらの反応により水素が発生することを特徴とする水素貯蔵材料に関する技術が開示されている。また、水素製造に関する技術として、特許文献3には、副生成物と未分離の水素を反応させて有機ハイドライドを生成し再利用する水素製造システムが開示されている。
特表2002−526658号公報 特開2005−154232号公報 特開2006−182598号公報
特許文献1に開示されている水素貯蔵材料を用いれば、少ない質量で多量の水素を発生させることが可能になると考えられる。しかし、当該水素貯蔵材料は、水素発生反応の温度領域が200℃〜300℃程度であることから、反応を起こすために必要な熱を外部から与えてやる必要がある。そのため、特許文献1にかかる水素貯蔵材料を用いるシステムでは、システム全体としての発電効率が低下しやすい等の問題がある。また、特許文献2に開示されている技術によれば、多量の水素を発生させることが可能になると考えられる。しかし、水素を発生させるために用いる全てのアンモニアを予め搭載しておくことを要する特許文献2の技術では、アンモニアの臭いを制御するシステムを別途構築する必要があり、移動体用の水素貯蔵材料には適さないという問題があった。さらに、特許文献3に開示されている技術によれば、有機ハイドライドを再利用することで、水素を継続的に製造することも可能になると考えられるが、デカリン等に代表される有機ハイドライドは、単位質量当たりの水素発生量(以下、「水素容量」という。)が小さいという問題がある。加えて、有機ハイドライドの水素発生反応は200℃〜350℃程度の温度領域で生じるため、特許文献1に開示されている技術と同様の問題がある。
持続可能な水素社会を構築するためには、少ないエネルギーで水素を発生させることができるとともに、水素発生材料を再生することができ、さらに、水素の発生時や水素発生材料の再生時に新たな廃棄物が発生せず、水素発生材料の水素容量が大きいこと等が必要とされる。しかし、これらの条件を全て満たす水素発生材料は、これまでにほとんど提案されておらず、移動体の小型化をも実現し得る水素発生材料は、これまでに提案されていない。
そこで本発明は、持続可能な水素社会を構築することが可能な水素発生方法、当該水素発生方法で使用される水素発生材料の製造方法、当該水素発生方法に用いられる水素製造装置、及び、当該水素製造装置を備える燃料電池システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
金属の窒素化合物と水とを反応させる第1工程と、金属の水素化合物と第1工程で生成されたアンモニアとを反応させる第2工程と、金属の水素化合物と第1工程で生成された金属の水酸化物とを反応させる第3工程と、を備えることを特徴とする、水素発生方法である。
上記第1の本発明において、金属が、リチウム又はマグネシウムであることが好ましい。
また、上記第1の本発明において、第2工程は、TiClの存在下で、金属の水素化合物とアンモニアとを反応させる工程であることが好ましい。
また、上記第1の本発明において、第3工程は、TiClの存在下で、金属の水素化合物と金属の水酸化物とを反応させる工程であることが好ましい。
第2の本発明は、上記第1の本発明で使用される金属の水素化合物を製造する方法であって、第2工程で生成された金属のアミド化合物と、水素とを反応させることにより、金属の水素化合物が製造されることを特徴とする、金属の水素化合物の製造方法である。
上記第2の本発明において、金属が、リチウム又はマグネシウムであることが好ましい。
第3の本発明は、上記第1の本発明で使用される金属の窒素化合物を製造する方法であって、第3工程で生成された金属の酸化物から得た金属と、窒素とを反応させることにより、金属の窒素化合物が製造されることを特徴とする、金属の窒素化合物の製造方法である。
上記第3の本発明において、窒素と反応させる金属は、溶融塩電気分解法で金属の酸化物を還元することにより得られることが好ましい。
また、上記第3の本発明において、金属が、リチウム又はマグネシウムであることが好ましい。
第4の本発明は、上記第1の本発明にかかる水素発生方法に用いられる水素製造装置であって、金属の窒素化合物を収容する第1タンク、水を収容する第2タンク、金属の水素化合物を収容する第3タンク及び第4タンク、並びに、第1工程で生成されたアンモニアを分離する分離手段、が備えられ、第2タンクに収容された水が第1タンクへと供給されることにより、第1工程が生じ、第1工程後に、分離手段で分離されたアンモニアが第3タンクへと供給されることにより、第2工程が生じ、第1工程後に、第1タンクに収容された金属の水酸化物が、第4タンクへと供給されることにより、第3工程が生じることを特徴とする、水素製造装置である。
第5の本発明は、上記第1の本発明にかかる水素発生方法に用いられる水素製造装置であって、金属の窒素化合物を収容する第1タンク、水を収容する第2タンク、金属の水素化合物を収容する第3タンク及び第4タンク、第1工程で生成されたアンモニアを分離する分離手段、分離手段によって分離されたアンモニアを収容する第5タンク、並びに、第1タンクと第4タンクとの間の流体の移動を抑制する抑制手段、が備えられ、第2タンクに収容された水が第1タンクへと供給されることにより、第1工程が生じ、第1工程後に、アンモニアが第5タンクから第3タンクへと供給されることにより、第2工程が生じ、第2工程で生じた熱によって抑制手段に開口部が形成され、第1タンクに収容された金属の水酸化物及び水が、開口部を介して第4タンクへと供給されることにより、第3工程が生じることを特徴とする、水素製造装置である。
第4の本発明及び第5の本発明において、「第1工程後に」とは、第2工程で反応するアンモニアが生成された後に、又は、第3工程で反応する金属の水酸化物が生成された後に、という意味である。したがって、第4の本発明及び第5の本発明では、第1工程における反応が全て終了した後に第2工程や第3工程が生じる形態のほか、第1工程における反応が生じている間に、第2工程及び/又は第3工程における反応が開始される形態をも採ることができる。
上記第4の本発明及び上記第5の本発明において、金属が、リチウム又はマグネシウムであることが好ましい。
また、上記第4の本発明及び上記第5の本発明において、第3タンクに、さらにTiClが収容されることが好ましい。
また、上記第4の本発明及び上記第5の本発明において、第4タンクに、さらにTiClが収容されることが好ましい。
第6の本発明は、燃料電池と、上記第4の本発明又は上記第5の本発明にかかる水素製造装置とを備え、水素製造装置によって製造された水素が燃料電池へと供給され、燃料電池で生成された水が第2タンクへと供給されることを特徴とする、燃料電池システムである。
第1の本発明によれば、少ないエネルギーで水素を発生させることが可能な、水素発生方法を提供することができる。さらに、第1の本発明によれば、第2工程でアンモニアを用いて水素を発生させる。このアンモニアは、第1工程で生成されたものであるため、第1の本発明によれば、水素発生に用いられるアンモニアを予め搭載する必要がなく、第1工程で生成されたアンモニアを反応させて、水素を発生させることができる。さらに、第1の本発明における第2工程で水素と共に生成された金属のアミド化合物は、後述する第2の本発明によって、金属の水素化合物へと再生されるとともに、第3工程で生成された金属の酸化物は、後述する第3の本発明によって、金属の窒素化合物へと再生され、この際、新たな廃棄物は発生しない。さらに、第1の本発明によれば、後述するように、水素容量が大きく、水素を発生させるために必要な物質は、液体である水と、固体(又は液体)である金属の窒素化合物及び金属の水素化合物のみであるため、これらを搭載したシステムの小型化を図ることが容易である。したがって、第1の本発明によれば、持続可能な水素社会を構築することが可能な、水素発生方法を提供することができる。
第1の本発明において、金属がリチウム又はマグネシウムであることにより、少ないエネルギーで水素を発生させることが可能な、水素発生方法を容易に提供することができる。さらに、当該形態とすることにより、水素を発生させるために必要な物質を搭載したシステムの小型化を図ることが一層容易になる。したがって、当該形態とすることにより、持続可能な水素社会を構築することが可能な、水素発生方法を提供することが容易になる。
また、第1の本発明において、第2工程が、TiClの存在下で、金属の水素化合物とアンモニアとを反応させる工程であることにより、水素発生反応の反応速度を高めること、及び、水素の収率を高めることが可能な、水素発生方法を提供することができる。
また、第1の本発明において、第3工程が、TiClの存在下で、金属の水素化合物と金属の水酸化物とを反応させて水素を発生させる工程であることにより、水素発生反応の反応速度を高めること、水素の収率を高めること、及び、水素発生反応をスムーズに進行させるために必要とされる温度を低減させることが可能な、水素発生方法を提供することができる。
第2の本発明によれば、第1の本発明における第2工程で生成された金属のアミド化合物を用いて金属の水素化合物を製造すること、すなわち、第1の本発明で使用される金属の水素化合物を再生することができる。したがって、第2の本発明によれば、第1の本発明で使用される金属の水素化合物を再生することが可能な、金属の水素化合物の製造方法を提供することができる。
第2の本発明において、金属がリチウム又はマグネシウムであることにより、第1の本発明で使用される金属の水素化合物を再生することが容易になる。したがって、当該形態とすることにより、第1の本発明で使用される金属の水素化合物を容易に再生することが可能な、金属の水素化合物の製造方法を提供することができる。
第3の本発明によれば、第1の本発明における第3工程で生成された金属の酸化物を用いて金属の窒素化合物を製造すること、すなわち、第1の本発明で使用される金属の窒素化合物を再生することができる。したがって、第3の本発明によれば、第1の本発明で使用される金属の窒素化合物を再生することが可能な、金属の窒素化合物の製造方法を提供することができる。
第3の本発明において、窒素と反応させる金属が、溶融塩電気分解法で金属の酸化物を還元して得られることにより、窒素と反応させる金属を容易に得ることができる。
また、第3の本発明において、金属がリチウム又はマグネシウムであることにより、第1の本発明で使用される金属の窒素化合物を再生することが容易になる。したがって、当該形態とすることにより、第1の本発明で使用される金属の窒素化合物を容易に再生することが可能な、金属の窒素化合物の製造方法を提供することができる。
第4の本発明によれば、第2タンクに収容された水を第1タンクへと供給することにより、第1工程を生じさせることができる。さらに、第1タンクで金属の窒素化合物と水とが反応することにより生じたアンモニアを、金属の水素化合物が収容された第3タンクへと供給することにより、第2工程を生じさせることができ、第1工程で生じた金属の水酸化物(又は、金属の水酸化物及び水)を、金属の水素化合物が収容された第4タンクへと供給することにより、第3工程を生じさせることができる。このように、第4の本発明にかかる水素製造装置によれば、第1の本発明にかかる水素発生方法によって水素を発生させることができるので、第4の本発明によれば、持続可能な水素社会を構築することが可能な水素製造装置を提供することができる。
第5の本発明によれば、第2タンクに収容された水を第1タンクへと供給することにより、第1工程を生じさせることができる。さらに、第1タンクで金属の窒素化合物と水とが反応することにより生じ、分離手段によって第5タンクへと分離されたアンモニアを、金属の水素化合物が収容された第3タンクへと供給することにより、第2工程を生じさせることができる。そして、第1工程で生じた金属の水酸化物と水を、第2工程で生じた熱によって形成された開口部を介して第4タンクへと供給することにより、第3工程を生じさせることができる。このように、第5の本発明にかかる水素製造装置によれば、第1の本発明にかかる水素発生方法によって水素を発生させることができるので、第5の本発明によれば、持続可能な水素社会を構築することが可能な水素製造装置を提供することができる。
第4の本発明及び第5の本発明において、金属がリチウム又はマグネシウムであることにより、第1の本発明にかかる水素発生方法によって水素を容易に発生させることができるので、持続可能な水素社会を構築することが可能な水素製造装置を提供することができる。
また、第4の本発明及び第5の本発明において、第3タンクに、さらにTiClが収容されることにより、水素発生反応の反応速度を高めること、及び、水素の収率を高めることが可能な、水素製造装置を提供することができる。
また、第4の本発明及び第5の本発明において、第4タンクに、さらにTiClが収容されることにより、水素発生反応の反応速度を高めること、水素の収率を高めること、及び、水素発生反応をスムーズに進行させるために必要とされる温度を低減させることが可能な、水素製造装置を提供することができる。
第6の本発明によれば、燃料電池と、上記第4の本発明又は上記第5の本発明にかかる水素製造装置とが備えられ、水素製造装置によって製造された水素が燃料電池へと供給されるので、燃料電池を起動することができる。さらに、燃料電池で生成された水が水素製造装置の第2タンクへと供給されるので、燃料電池で生成されて排出される水の有効利用を図ることができる。したがって、第6の本発明によれば、持続可能な水素社会を構築することが可能な燃料電池システムを提供することができる。
1.水素発生方法
1.1.第1実施形態
図1は、第1実施形態にかかる本発明の水素発生方法(以下、「第1の水素発生方法」ということがある。)に備えられる工程を示すフローチャートである。図1に示すように、第1の水素発生方法は、第1工程(S11)と、第2工程(S12)と、第3工程(S13)と、を備え、工程S11〜工程S13を経て、水素が製造される。
<第1工程(工程S11)>
工程S11は、窒化リチウム(LiN)と水(HO)とを反応させる工程である。工程S11の反応は、下記式1で表される。
LiN + 3HO → NH + 3LiOH (式1)
式1で表される反応は、例えば、固体の窒化リチウム(LiN)と液体の水(HO)とを接触させることで生じる発熱反応であり、室温下で進行させることができる。工程S11で生成されたアンモニア(NH)は、後述する工程S12で利用され、工程S11で生成された水酸化リチウム(LiOH)は、後述する工程S13で利用される。
<第2工程(工程S12)>
工程S12は、上記工程S11で生成されたアンモニア(NH)と、水素化リチウム(LiH)とを反応させる工程である。工程S12の反応は、下記式2で表される。
NH + LiH → LiNH + H (式2)
式2で表される反応は、例えば、気体のアンモニア(NH)と固体の水素化リチウム(LiH)とを接触させることで生じる発熱反応であり、室温下で進行させることができる。第1の水素発生方法では、工程S12により水素を発生させることができ、工程S12で生じたリチウムアミド(LiNH)は、後述する本発明にかかる金属の水素化合物の製造方法(水素化リチウムの製造方法)により、水素化リチウム(LiH)へと再生される。
<第3工程(工程S13)>
工程S13は、上記工程S11で生成された水酸化リチウム(LiOH)と、水素化リチウム(LiH)とを反応させる工程である。工程S13の反応は、下記式3で表される。
LiOH + LiH → LiO + H (式3)
式3で表される反応は、例えば、固体の水酸化リチウム(LiOH)と固体の水素化リチウム(LiH)とを接触させることで生じる発熱反応であり、室温下で進行させることができる。第1の水素発生方法では、工程S13により水素を発生させることができ、工程S13で生じた酸化リチウム(LiO)は、後述する本発明にかかる金属の窒素化合物の製造方法(窒化リチウムの製造方法)により、窒化リチウム(LiN)へと再生される。
上述のように、工程S13は固体と固体との反応であるため、上記工程S11や工程S12と比較すると、反応効率が低い虞がある。そこで、工程S13の反応効率を向上させて水素の発生効率を向上させるという観点からは、(a)固体のLiOHと、粉砕して数十nm程度の大きさとされた固体のLiHとを反応させる、(b)粉砕して数十nm程度の大きさとされた固体のLiOH及び固体のLiHを反応させる、又は、(c)液体(例えば、純水等)に溶解させたLiOHと固体のLiHとを反応させる形態とすることが好ましい。(a)又は(b)の形態は、固体同士の反応であっても、LiHやLiOHが粉砕されていることにより、固体間の接触界面を増大させることができるので、反応効率を向上させることができる。これに対し、上記(c)の形態は、溶解したLiOHと固体のLiHとを反応させることができるので、反応効率を向上させることが容易になる。
第1の水素発生方法は、上記式1〜式3で表される発熱反応を経て、水素を発生させる。それゆえ、水素を発生させるために過度の熱を付与する必要がなく、室温下で反応を進行させることができる。したがって、第1の水素発生方法によれば、少ないエネルギーで水素を発生させることが可能になる。
さらに、第1の水素発生方法では、水素を発生させるために、LiN、HO、及び、LiHが必要とされる。このうち、LiN及びLiHは、後述する方法により再生することができ、HOは、燃料電池によって生成された水を利用する等の方法により、確保することができる。したがって、第1の水素発生方法によれば、再生されたLiN及びLiHを用いて水素を発生させることができるので、第1の水素発生方法を用いれば、持続可能な水素社会を構築することが可能になる。
さらに、第1の水素発生方法によれば、工程S12で使用されるNHを、工程S11で生成することができる。そのため、水素を発生させるために使用されるNHを予め搭載しておく必要がなく、必要なNHは、LiNとHOとを反応させることで、確保できる。したがって、第1の水素発生方法が適用されるシステムによれば、使用されるNH自体を予め搭載しておく必要がないので、NH対策のシステムを最小限に留めることが可能になる。
さらに、第1の水素発生方法によれば、工程S12及び工程S13を経て生成される水素の水素容量が6.6質量%〜11.0質量%であり、これまでに提案されている多くの水素発生方法よりも高容量である。したがって、第1の水素発生方法によれば、少量の水素発生材料を用いて多量の水素を発生させることが可能になる。
図1では、工程S12及び工程S13が同時に行われる形態を例示したが、本発明にかかる第1の水素発生方法は当該形態に限定されるものではなく、工程S12の後に工程S13が備えられる形態や、工程S13の後に工程S12が備えられる形態とすることも可能である。ただし、工程S12で生じた熱を利用して、上記式3で表される反応を生じやすくする等の観点からは、工程S12の後に工程S13が備えられる形態とすることが好ましい。
また、第1の水素発生方法において、工程S12は、上記工程S11で生成されたアンモニア(NH)と、水素化リチウム(LiH)とを反応させる工程であれば、その形態は特に限定されるものではないが、上記式2で表される反応の触媒として機能するTiClの存在下で、水素化リチウム(LiH)と、上記工程S11で生成されたアンモニア(NH)とを反応させる形態とすることが好ましい。かかる形態とすることにより、上記式2で表される反応の反応速度を高めること、及び、上記式2で表される反応によって得られる水素の収率を高めることが可能になる。上記式2で表される反応をTiClの存在下で生じさせる場合、TiClの量は特に限定されるものではないが、例えば、モル比率で、LiH:TiCl=1:0.05とすることができる。
また、第1の水素発生方法において、工程S13は、上記工程S11で生成された水酸化リチウム(LiOH)と、水素化リチウム(LiH)とを反応させる工程であれば、その形態は特に限定されるものではないが、上記式3で表される反応の触媒として機能するTiClの存在下で、水素化リチウム(LiH)と、上記工程S11で生成された水酸化リチウム(LiOH)とを反応させる形態とすることが好ましい。かかる形態とすることにより、上記式3で表される反応の反応速度を高めること、及び、上記式3で表される反応によって得られる水素の収率を高めることが可能になる。加えて、TiClを存在させない場合には、上記式3で表される反応をスムーズに進行させるために例えば250℃程度の温度が必要とされるが、TiClの存在下で反応させることにより、上記式3で表される反応をスムーズに進行させるために必要とされる温度を例えば180℃程度にまで低減させることが可能になる。それゆえ、かかる形態とすることにより、水素を発生させるために必要とされるエネルギーを低減させることが可能な、水素発生方法を提供することが可能になる。上記式3で表される反応をTiClの存在下で生じさせる場合、TiClの量は特に限定されるものではないが、例えば、モル比率で、LiH:TiCl=1:0.05とすることができる。
1.2.第2実施形態
図2は、第2実施形態にかかる本発明の水素発生方法(以下、「第2の水素発生方法」ということがある。)に備えられる工程を示すフローチャートである。以下、本発明の水素発生方法で金属がマグネシウムである場合の第1工程、第2工程、及び、第3工程を、それぞれ、「第1反応工程」、「第2反応工程」、及び、「第3反応工程」ということがある。図2に示すように、第2の水素発生方法は、第1反応工程(S21)と、第2反応工程(S22)と、第3反応工程(S23)と、を備え、工程S21〜工程S23を経て、水素が製造される。
<第1反応工程(工程S21)>
工程S21は、窒化マグネシウム(Mg)と水(HO)とを反応させる工程である。工程S21の反応は、下記式4で表される。
Mg + 6HO → 2NH + 3Mg(OH) (式4)
式4で表される反応は、例えば、固体の窒化マグネシウム(Mg)と液体の水(HO)とを接触させることで生じる発熱反応であり、室温下で進行させることができる。工程S21で生成されたアンモニア(NH)は、後述する工程S22で利用され、工程S21で生成された水酸化マグネシウム(Mg(OH))は、後述する工程S23で利用される。
<第2反応工程(工程S22)>
工程S22は、上記工程S21で生成されたアンモニア(NH)と、水素化マグネシウム(MgH)とを反応させる工程である。工程S22の反応は、下記式5で表される。
2NH + MgH → Mg(NH + 2H (式5)
式5で表される反応は、例えば、気体のアンモニア(NH)と固体の水素化マグネシウム(MgH)とを接触させることで生じる発熱反応であり、室温下で進行させることができる。第2の水素発生方法では、工程S22により水素を発生させることができ、工程S22で生じたマグネシウムアミド(Mg(NH)は、後述する本発明にかかる金属の水素化合物の製造方法(水素化マグネシウムの製造方法)により、水素化マグネシウム(MgH)へと再生される。
<第3反応工程(工程S23)>
工程S23は、上記工程S21で生成された水酸化マグネシウム(Mg(OH))と、水素化マグネシウム(MgH)とを反応させる工程である。工程S23の反応は、下記式6で表される。
Mg(OH) + MgH → 2MgO + 2H (式6)
式6で表される反応は、例えば、固体の水酸化マグネシウム(Mg(OH))と固体の水素化マグネシウム(MgH)とを接触させることで生じる発熱反応であり、室温下で進行させることができる。第2の水素発生方法では、工程S23により水素を発生させることができ、工程S23で生じた酸化マグネシウム(MgO)は、後述する本発明にかかる金属の窒素化合物の製造方法(窒化マグネシウムの製造方法)により、窒化マグネシウム(Mg)へと再生される。
上述のように、工程S23は固体と固体との反応であるため、上記工程S21や工程S22と比較すると、反応効率が低い虞がある。そこで、工程S23の反応効率を向上させて水素の発生効率を向上させるという観点からは、(a)固体のMg(OH)と、粉砕して数十nm程度の大きさとされた固体のMgHとを反応させる、(b)粉砕して数十nm程度の大きさとされた固体のMg(OH)及び固体のMgHを反応させる、又は、(c)液体(例えば、純水等)に溶解させたMg(OH)と固体のMgHとを反応させる形態とすることが好ましい。(a)又は(b)の形態は、固体同士の反応であっても、MgHやMg(OH)が粉砕されていることにより、固体間の接触界面を増大させることができるので、反応効率を向上させることができる。これに対し、上記(c)の形態は、溶解したMg(OH)と固体のMgHとを反応させることができるので、反応効率を向上させることが容易になる。
第2の水素発生方法は、上記式4〜式6で表される発熱反応を経て、水素を発生させる。それゆえ、第1の水素発生方法と同様に、水素を発生させるために過度の熱を付与する必要がなく、室温下で反応を進行させることができる。したがって、第2の水素発生方法によれば、少ないエネルギーで水素を発生させることが可能になる。
さらに、第2の水素発生方法では、水素を発生させるために、Mg、HO、及び、MgHが必要とされる。このうち、Mg及びMgHは、後述する方法により再生することができ、HOは、燃料電池によって生成された水を利用する等の方法により、確保することができる。したがって、第2の水素発生方法によれば、再生されたMg及びMgHを用いて水素を発生させることができるので、第2の水素発生方法を用いれば、持続可能な水素社会を構築することが可能になる。
さらに、第2の水素発生方法によれば、工程S22で使用されるNHを、工程S21で生成することができる。そのため、水素を発生させるために使用されるNHを予め搭載しておく必要がなく、必要なNHは、MgとHOとを反応させることで、確保できる。したがって、第2の水素発生方法が適用されるシステムによれば、第1の水素発生方法が適用されるシステムと同様に、使用されるNH自体を予め搭載しておく必要がないので、NH対策のシステムを最小限に留めることが可能になる。
さらに、第2の水素発生方法によれば、工程S22及び工程S23を経て生成される水素の水素容量が4.6質量%〜11.0質量%であり、これまでに提案されている多くの水素発生方法よりも高容量である。したがって、第2の水素発生方法によれば、少量の水素発生材料を用いて多量の水素を発生させることが可能になる。
図2では、工程S22及び工程S23が同時に行われる形態を例示したが、本発明にかかる第2の水素発生方法は当該形態に限定されるものではなく、工程S22の後に工程S23が備えられる形態や、工程S23の後に工程S22が備えられる形態とすることも可能である。ただし、工程S22で生じた熱を利用して、上記式6で表される反応を生じやすくする等の観点からは、工程S22の後に工程S23が備えられる形態とすることが好ましい。
また、第2の水素発生方法において、工程S22は、上記工程S21で生成されたアンモニア(NH)と、水素化マグネシウム(MgH)とを反応させる工程であれば、その形態は特に限定されるものではないが、上記式5で表される反応の触媒として機能するTiClの存在下で、上記工程S21で生成されたアンモニア(NH)と、水素化マグネシウム(MgH)とを反応させる形態とすることが好ましい。かかる形態とすることにより、上記式5で表される反応の反応速度を高めること、及び、上記式5で表される反応によって得られる水素の収率を高めることが可能になる。上記式5で表される反応をTiClの存在下で生じさせる場合、TiClの量は特に限定されるものではないが、例えば、モル比率で、MgH:TiCl=1:0.05とすることができる。
また、第2の水素発生方法において、工程S23は、上記工程S21で生成された水酸化マグネシウム(Mg(OH))と、水素化マグネシウム(MgH)とを反応させる工程であれば、その形態は特に限定されるものではないが、上記式6で表される反応の触媒として機能するTiClの存在下で、上記工程S21で生成された水酸化マグネシウム(Mg(OH))と、水素化マグネシウム(MgH)とを反応させる形態とすることが好ましい。かかる形態とすることにより、上記式6で表される反応の反応速度を高めること、及び、上記式6で表される反応によって得られる水素の収率を高めることが可能になる。加えて、TiClを存在させない場合に上記式6で表される反応をスムーズに進行させるために必要とされる温度をT1とし、TiClの存在させた場合に上記式6で表される反応をスムーズに進行させるために必要とされる温度をT2とするとき、T2<T1の関係が成立する。それゆえ、TiClの存在下で水酸化マグネシウム(Mg(OH))と、水素化マグネシウム(MgH)とを反応させることにより、水素を発生させるために必要とされるエネルギーを低減させることが可能な、水素発生方法を提供することが可能になる。上記式6で表される反応をTiClの存在下で生じさせる場合、TiClの量は特に限定されるものではないが、例えば、モル比率で、MgH:TiCl=1:0.05とすることができる。
2.水素発生材料の製造方法
2.1.水素化リチウムの製造方法(金属の水素化合物の製造方法)
図3は、本発明の水素化リチウムの製造方法の形態例を示す概念図である。本発明の水素化リチウムの製造方法では、上記第1の水素発生方法の工程S12で生成されたリチウムアミド(LiNH)と水素(H)とを反応させることにより、上記式2の逆反応を生じさせ、アンモニア(NH)及び水素化リチウム(LiH)を生成する。LiNHとHとの反応は、例えば、LiNHを収容した耐熱容器を300℃の加熱炉内に配置し、その後、当該加熱炉内に水素を1MPaの圧力で供給することにより、生じさせることができる(図3参照)。ここで、上記式2の反応、及び、上記式2の逆反応は、可逆反応であるため、LiNHとHとを反応させてNH及びLiHを生成すると、生成したNHとLiHとが反応して、LiNHとHとが生成する反応(上記式2の反応)が生じ、LiHが生成される反応(上記式2の逆反応)が生じない。それゆえ、本発明の水素化リチウムの製造方法では、LiNHとHとを反応させて生成されたNHを、フィルターを介して回収し、NHの分圧が存在しない環境下で、上記式2の逆反応を生じさせることが好ましい。本発明において、NHを回収する際に用いられるフィルターとしては、冷却された活性炭等を例示することができ、当該活性炭を介して、液状のアンモニアを回収する構成とすることができる。
本発明の水素化リチウムの製造方法によって、LiHを再生する場合、上記工程S12で生成されたLiNHが空気に触れると、LiNHの表面に酸化皮膜等が形成され、LiNHとHとを反応させることが困難になる。それゆえ、工程S12で生成されたLiNHは、空気と接触しないようにシールされた容器に収容されることが好ましい。当該容器の形態例を、図4に示す。図4(a)は容器の蓋が開いた状態を、図4(b)は容器の蓋が閉じた状態を、それぞれ示している。図4に示すように、工程S12で生成されたLiNHを収容する容器1は、内側容器2及び外側容器3を備える。内側容器2は、例えば、厚さ0.5mm〜1mm程度のステンレス鋼等によって構成され、外側容器3は、例えば、耐圧アルミニウム合金等によって構成される。容器1を備える水素製造装置(図4では不図示)において、工程S12によりHが発生している間は、弁4を備えた蓋5によって内側容器2が密封され(図4(b)参照)、Hが発生して内側容器2の圧力が所定値を超えると、弁4が開いて内側容器2からHが回収される。これに対し、LiHと反応するNH、又は、NHと反応するLiHがなくなることにより、上記工程S12が終了すると、容器1を備える水素製造装置から、弁4が閉じた状態の容器1が取り外され、LiHの再生処理へと供される。取り外された容器1は、図3に示す再生処理ラインの加熱炉内に収容される。300℃程度へと昇温された加熱炉内に収容された容器1には、例えば、1MPaの圧力でHが供給され、このHは、開いた弁4を介して内側容器2へと供給される。そして、内側容器2の内側で、LiNHとHとが反応することにより、NH及びLiHが生じ、内側容器2で生成したNHは、図示されていない他の弁を介して回収され、容器1の内側には、LiHが残される。このようにしてLiHの再生処理が終了すると、弁4が閉じた状態の容器1が再生処理ラインから取り外されて、再び、当該容器1が水素製造装置へと取り付けられ、弁4を介して供給されるNHとLiHとが反応することにより、水素が製造される。
このように、本発明の水素化リチウムの製造方法によれば、工程S12で生成されたLiNHとHとを反応させることにより、LiHを再生することができる。なお、本発明の水素化リチウムの製造方法でLiNHと反応させるHの量は、工程S12で生成されたHの量と比較すると、微量である。それゆえ、本発明の水素化リチウムの製造方法で水素を使用しても、本発明の水素発生方法により、多量の水素を発生させることが可能になるという点に変わりはない。
2.2.水素化マグネシウムの製造方法(金属の水素化合物の製造方法)
本発明の水素化マグネシウムの製造方法では、上記第2の水素発生方法の工程S22で生成されたマグネシウムアミド(Mg(NH)と水素(H)とを反応させることにより、上記式5の逆反応を生じさせ、アンモニア(NH)及び水素化マグネシウム(MgH)を生成する。Mg(NHとHとの反応は、例えば、Mg(NHを収容した耐熱容器を250℃〜350℃の加熱炉内に配置し、その後、当該加熱炉内に水素を0.5MPa〜2MPaの圧力で供給することにより、生じさせることができる。ここで、上記式5の反応、及び、上記式5の逆反応は、可逆反応であるため、Mg(NHとHとを反応させてNHとMgHとを生成すると、生成したNHとMgHとが反応して、Mg(NHとHとが生成する反応(上記式5の反応)が生じ、MgHが生成される反応(上記式5の逆反応)が生じない。それゆえ、本発明の水素化マグネシウムの製造方法では、Mg(NHとHとを反応させて生成されたNHを、フィルターを介して回収し、NHの分圧が存在しない環境下で、上記式5の逆反応を生じさせることが好ましい。本発明において、NHを回収する際に用いられるフィルターとしては、冷却された活性炭等を例示することができ、当該活性炭を介して、液状のアンモニアを回収する構成とすることができる。
本発明の水素化マグネシウムの製造方法によって、MgHを再生する場合、上記工程S22で生成されたMg(NHが空気に触れると、Mg(NHの表面に酸化皮膜等が形成され、Mg(NHとHとを反応させることが困難になる。それゆえ、工程S22で生成されたMg(NHは、空気と接触しないようにシールされた容器に収容されることが好ましい。当該容器の形態例としては、図4に示す容器1等を挙げることができる。
このように、本発明の水素化マグネシウムの製造方法によれば、工程S22で生成されたMg(NHとHとを反応させることにより、MgHを再生することができる。なお、本発明の水素化マグネシウムの製造方法でMg(NHと反応させるHの量は、工程S22で生成されたHの量と比較すると、微量である。それゆえ、本発明の水素化マグネシウムの製造方法で水素を使用しても、本発明の水素発生方法により、多量の水素を発生させることが可能になるという点に変わりはない。
2.3.窒化リチウムの製造方法(金属の窒素化合物の製造方法)
本発明の窒化リチウムの製造方法では、上記第1の水素発生方法の工程S13で生成された酸化リチウム(LiO)から得たリチウム(Li)と窒素(N)とを反応させることにより、工程S11で使用される窒化リチウム(LiN)を再生する。LiOからLiを得る方法は、特に限定されるものではないが、例えば、溶融塩電気分解法によりLiOを還元してLiを得る方法等を用いることが好ましい。
このように、本発明の窒化リチウムの製造方法によれば、工程S13で生成されたLiOから得たLiとNとを反応させることにより、LiNを再生することができる。なお、LiとNとの反応は、温和な条件で簡単に生じる周知な反応であり、LiNを再生する際に余分なエネルギー等は特に必要とされない。
上述のように、第1の水素発生方法によれば、工程S11でLiNとHOとを反応させることにより、NHとLiOHとが生成される。そして、工程S11で生成されたNHとLiHとを工程S12で反応させることにより、HとLiNHとが生成され、工程S11で生成されたLiOHとLiHとを工程S13で反応させることにより、HとLiOとが生成される。一方、本発明の水素化リチウムの製造方法では、工程S12で生成されたLiNHを用いてLiHを再生し、本発明の窒化リチウムの製造方法では、工程S13で生成されたLiOを用いてLiNを再生する。それゆえ、本発明にかかる第1の水素発生方法、本発明の水素化リチウムの製造方法、及び、本発明の窒化リチウムの製造方法によれば、LiN及びLiHを用いて水素を発生させることができ、水素発生後に残ったLiNH及びLiOを用いて、LiH及びLiNを再生することができる。したがって、本発明にかかる第1の水素発生方法、本発明の水素化リチウムの製造方法、及び、本発明の窒化リチウムの製造方法によれば、水素発生材料を繰り返し活用することができるので、持続可能な水素社会を構築することが可能になる。
2.4.窒化マグネシウムの製造方法(金属の窒素化合物の製造方法)
本発明の窒化マグネシウムの製造方法では、上記第2の水素発生方法の工程S23で生成された酸化マグネシウム(MgO)から得たマグネシウム(Mg)と窒素(N)とを反応させることにより、工程S21で使用される窒化マグネシウム(Mg)を再生する。MgOからMgを得る方法は、特に限定されるものではないが、例えば、溶融塩電気分解法によりMgOを還元してMgを得る方法等を用いることが好ましい。
このように、本発明の窒化マグネシウムの製造方法によれば、工程S23で生成されたMgOから得たMgとNとを反応させることにより、Mgを再生することができる。なお、MgとNとの反応は、温和な条件で簡単に生じる周知な反応であり、Mgを再生する際に余分なエネルギー等は特に必要とされない。
上述のように、第2の水素発生方法によれば、工程S21でMgとHOとを反応させることにより、NHとMg(OH)とが生成される。そして、工程S21で生成されたNHとMgHとを工程S22で反応させることにより、HとMg(NHとが生成され、工程S21で生成されたMg(OH)とMgHとを工程S23で反応させることにより、HとMgOとが生成される。一方、本発明の水素化マグネシウムの製造方法では、工程S22で生成されたMg(NHを用いてMgHを再生し、本発明の窒化マグネシウムの製造方法では、工程S23で生成されたMgOを用いてMgを再生する。それゆえ、本発明にかかる第2の水素発生方法、本発明の水素化マグネシウムの製造方法、及び、本発明の窒化マグネシウムの製造方法によれば、Mg及びMgHを用いて水素を発生させることができ、水素発生後に残ったMg(NH及びMgOを用いて、MgH及びMgを再生することができる。したがって、本発明にかかる第2の水素発生方法、本発明の水素化マグネシウムの製造方法、及び、本発明の窒化マグネシウムの製造方法によれば、水素発生材料を繰り返し活用することができるので、持続可能な水素社会を構築することが可能になる。
3.水素製造装置
3.1.第1実施形態
図5は、第1実施形態にかかる本発明の水素製造装置の形態例を示す概念図である。図5に示す水素製造装置10(以下、「装置10」ということがある。)は、上記第1の水素発生方法によって水素を発生させる際に用いられる装置である。装置10は、LiNを収容する第1タンク11と、水を収容する第2タンク12と、LiHを収容する第3タンク13と、LiHを収容する第4タンク14と、NHを分離する分離手段15と、これらを収容するタンク16と、フィルター17、18と、を備える。第1タンク11及び第2タンク12はライン51によって連結され、第1タンク11、分離手段15、及び、第3タンク13はライン52によって連結され、第1タンク11及び第4タンク14はライン53によって連結され、第3タンク13及びフィルター17はライン54によって連結され、第4タンク14及びフィルター18はライン55によって連結されている。
装置10を用いて水素を発生させる場合には、ライン51を介して、第2タンク12から第1タンク11へと水を供給することにより、水と第1タンク11に収容されたLiNとを反応させ、上記式1で表される反応を生じさせる(工程S11)。このようにして上記式1で表される反応が生じると、LiOH及びNHが生成される。第1タンク11で生成されたNHは、第1タンク11の重力方向上側に配置された、活性炭等によって構成される分離手段15によって分離され、分離手段15によって分離されたNHは、ライン52を経て第3タンク13へと達する。NHが到達した第3タンク13には、LiHが収容されている。そのため、第3タンク13にNHが到達すると、上記式2で表される反応が生じる(工程S12)。このようにして上記式2で表される反応が生じると、LiNH及びHが生成される。第3タンク13で生成されたHは、ライン54を経てフィルター17へと達し、不純物が取り除かれる。これに対し、第3タンク13で生成されたLiNHは、当該第3タンク13に留まり、例えば、上記本発明の水素化リチウムの製造方法によって、LiHへと再生される。
他方、第1タンク11で生成したLiOHは、単独で、又は、第1タンク11へと供給された水とともに、ライン53を経て、当該第1タンク11よりも重力方向下側に配置された第4タンク14へと達する。LiOHが到達した第4タンク14には、LiHが収容されている。そのため、第4タンク14にLiOHが到達すると、上記式3で表される反応が生じる(工程S13)。このようにして上記式3で表される反応が生じると、LiO及びHが生成される。第4タンク14で生成されたHは、ライン55を経てフィルター18へと達し、不純物が取り除かれる。これに対し、第4タンク14で生成されたLiOは、当該第4タンク14に留まり、例えば、上記本発明の窒化リチウムの製造方法によって、LiNへと再生される。
このように、装置10を用いて上記第1の水素発生方法を実施すれば、工程S11〜工程S13を生じさせることができるので、水素を発生させることができる。
3.2.第2実施形態
図6は、第2実施形態にかかる本発明の水素製造装置の形態例を示す概念図である。図6において、図5と同様の構成を採るものには、図5で使用した符号と同符号を付す。図6に示す水素製造装置20(以下、「装置20」ということがある。)は、上記第1の水素発生方法によって水素を発生させる際に用いられる装置である。
装置20は、LiNを収容する第1タンク11と、水を収容する第2タンク12と、LiHを収容する第3タンク21と、LiHを収容する第4タンク14と、NHを分離する分離手段15と、分離手段15によって分離されたNHを収容する第5タンク22と、第1タンク11と第4タンク14との間の流体の移動を抑制する抑制手段23と、これらを収容するタンク16と、フィルター17、18と、を備える。第1タンク11及び第2タンク12はライン51によって連結され、第1タンク11、分離手段15、及び、第5タンク22はライン52によって連結され、第1タンク11及び第4タンク14はライン53によって連結され、第3タンク21及び第5タンク22はライン56によって連結され、第3タンク21及びフィルター17はライン54によって連結され、第4タンク14及びフィルター18はライン55によって連結されている。そして、抑制手段23は、ライン53に収容され、抑制手段23に開口部が形成されない間は、第1タンク11と第4タンク14との間の流体の移動(例えば、第1タンク11から第4タンク14へと向かうLiOH及び水の移動)が抑制されている。
装置20を用いて水素を発生させる場合には、ライン51を介して、第2タンク12から第1タンク11へと水を供給することにより、水と第1タンク11に収容されたLiNとを反応させ、上記式1で表される反応を生じさせる(工程S11)。このようにして上記式1で表される反応が生じると、LiOH及びNHが生成される。第1タンク11で生成されたNHは、第1タンク11の重力方向上側に配置された、活性炭等によって構成される分離手段15によって分離され、分離手段15によって分離されたNHは、ライン52を経て第5タンク22へと達する。第5タンク22へと達したNHは、ライン56を経て第3タンク21へと達する。NHが到達した第3タンク21には、LiHが収容されている。そのため、第3タンク21にNHが到達すると、上記式2で表される反応が生じる(工程S12)。このようにして上記式2で表される反応が生じると、LiNH及びHが生成される。第3タンク21で生成されたHは、ライン54を経てフィルター17へと達し、不純物が取り除かれる。これに対し、第3タンク21で生成されたLiNHは、当該第3タンク21に留まり、例えば、上記本発明の水素化リチウムの製造方法によって、LiHへと再生される。
他方、第3タンク21において上記式2で表される反応が生じると、LiNH及びHとともに、熱が発生する。熱が発生すると、タンク16内の温度は、80℃〜120℃程度になる。ポリエチレン等により構成される抑制手段23は、融点が70℃〜100℃程度であるため、上記式2で表される反応が生じると、抑制手段23に孔(開口部)が形成される。ここで、第4タンク14は、第1タンク11よりも重力方向下側に配置されている。それゆえ、上記式2で表される反応が生じて抑制手段23に開口部が形成されると、第1タンク11内に存在するLiOH、又は、LiOH及び水が、ライン53に配置された抑制手段23の開口部を経て、第4タンク14へと達する。LiOHが到達した第4タンク14には、LiHが収容されている。そのため、第4タンク14にLiOHが到達すると、上記式3で表される反応が生じる(工程S13)。このようにして上記式3で表される反応が生じると、LiO及びHが生成される。第4タンク14で生成されたHは、ライン55を経てフィルター18へと達し、不純物が取り除かれる。これに対して、第4タンク14で生成されたLiOは、当該第4タンク14に留まり、例えば、上記本発明の窒化リチウムの製造方法によって、LiNへと再生される。
このように、装置20を用いて、工程S11の後に工程S12を生じさせ、当該工程S12の後に工程S13を生じさせる形態の、上記第1の水素発生方法を実施すれば、工程S12及び工程S13により、水素を発生させることができる。
装置10及び装置20において、第1タンク内に存在するLiOHが第4タンク14へと供給される際の形態は、固体のLiOHのみが供給される形態のほか、LiOH及び水が供給される形態とすることができる。ただし、固体のLiOHのみが供給される場合には、固体のLiOHと固体のLiHとが反応するため、反応速度が低下しやすい。固体のLiOHと固体のLiHとが反応する場合の、LiOHの反応速度は、0.02〜0.03[g/sec/1kg H]であり、上記式1〜式3で表される反応によって水素を発生させる際に利用されるLiNの利用率は、23%程度となる。それゆえ、固体のLiOHと固体のLiHとを反応させることにより水素を発生させる場合には、LiNの利用率を向上させるという観点から、粉砕処理により数十ナノメートル程度の微粒子状とされたLiHとLiOHとを反応させることが好ましい。当該微粒子状のLiHと固体のLiOHとが反応する工程S13が備えられる場合には、微粒子状とされていない場合と比較して、LiHとLiOHとの接触界面を増大させることができるので、LiNの利用率を65%程度にまで向上させることが可能になる。一方、第1タンク11内に存在するLiOH及び水が第4タンク14へと供給されることにより上記式3で表される反応が生じる場合における、LiOHの反応速度は、0.1〜0.3[g/sec/1kg H]であり、LiNの利用率は、50%〜60%程度である。したがって、上記式3の反応速度、及び、LiNの利用率を向上させ得る形態とする観点からは、第1タンク11内に存在するLiOH及び水が第4タンク14へと供給されることにより工程S13が生じる形態とすることが好ましい。
また、装置10及び装置20に関する上記説明では、第3タンク13及び第3タンク21にLiHが収容される形態を例示したが、第3タンク13及び第3タンク21には少なくともLiHが収容されていればよく、その他の物質の有無は特に限定されない。ただし、上記式2で表される反応の反応速度を高め、当該反応によって生成される水素の収率を高め得る形態とする等の観点からは、第3タンク13及び第3タンク21に、LiHに加えてTiClが収容されることが好ましい。第3タンク13及び第3タンク21に、LiH及びTiClが収容される場合、TiClの量は特に限定されるものではないが、例えば、モル比率で、LiH:TiCl=1:0.05とすることができる。
また、装置10及び装置20に関する上記説明では、第4タンク14にLiHが収容される形態を例示したが、第4タンク14には少なくともLiHが収容されていればよく、その他の物質の有無は特に限定されない。ただし、上記式3で表される反応の反応速度を高め、当該反応によって生成される水素の収率を高め得る形態とするとともに、当該反応をスムーズに進行させるために必要とされる温度を低減可能とする等の観点からは、第4タンク14に、LiHに加えてTiClが収容されることが好ましい。第4タンク14に、LiH及びTiClが収容される場合、TiClの量は特に限定されるものではないが、例えば、モル比率で、LiH:TiCl=1:0.05とすることができる。
3.3.第3実施形態
第3実施形態にかかる水素製造装置は、上記第2の水素発生方法によって水素を発生させる際に用いられる装置である。第3実施形態にかかる水素製造装置の形態は、上記装置10と同様であるため、第3実施形態にかかる水素製造装置の説明で使用する符号を、図5に括弧書きで付記する。以下、図5を参照しつつ、第3実施形態にかかる水素製造装置について説明する。
装置30は、Mgを収容する第1タンク31と、水を収容する第2タンク32と、MgHを収容する第3タンク33と、MgHを収容する第4タンク34と、NHを分離する分離手段35と、これらを収容するタンク36と、フィルター37、38と、を備える。第1タンク31及び第2タンク32はライン51によって連結され、第1タンク31、分離手段35、及び、第3タンク33はライン52によって連結され、第1タンク31及び第4タンク34はライン53によって連結され、第3タンク33及びフィルター37はライン54によって連結され、第4タンク34及びフィルター38はライン55によって連結されている。
装置30を用いて水素を発生させる場合には、ライン51を介して、第2タンク32から第1タンク31へと水を供給することにより、水と第1タンク31に収容されたMgとを反応させ、上記式4で表される反応を生じさせる(工程S21)。このようにして上記式4で表される反応が生じると、Mg(OH)及びNHが生成される。第1タンク31で生成されたNHは、第1タンク31の重力方向上側に配置された、活性炭等によって構成される分離手段35によって分離され、分離手段35によって分離されたNHは、ライン52を経て第3タンク33へと達する。NHが到達した第3タンク33には、MgHが収容されている。そのため、第3タンク33にNHが到達すると、上記式5で表される反応が生じる(工程S22)。このようにして上記式5で表される反応が生じると、Mg(NH及びHが生成される。第3タンク33で生成されたHは、ライン54を経てフィルター37へと達し、不純物が取り除かれる。これに対し、第3タンク33で生成されたMg(NHは、当該第3タンク33に留まり、例えば、上記本発明の水素化マグネシウムの製造方法によって、MgHへと再生される。
他方、第1タンク31で生成したMg(OH)は、例えば、第1タンク31へと供給された水とともに、ライン53を経て、当該第1タンク31よりも重力方向下側に配置された第4タンク34へと達する。Mg(OH)及び水が到達した第4タンク34には、MgHが収容されている。そのため、第4タンク34にMg(OH)及び水が到達すると、上記式6で表される反応が生じる(工程S23)。このようにして上記式6で表される反応が生じると、MgO及びHが生成される。第4タンク34で生成されたHは、ライン55を経てフィルター38へと達し、不純物が取り除かれる。これに対し、第4タンク34で生成されたMgOは、当該第4タンク34に留まり、例えば、上記本発明の窒化マグネシウムの製造方法によって、Mgへと再生される。
このように、装置30を用いて上記第2の水素発生方法を実施すれば、工程S21〜工程S23を生じさせることができるので、水素を発生させることができる。
3.4.第4実施形態
第4実施形態にかかる水素製造装置は、上記第2の水素発生方法によって水素を発生させる際に用いられる装置である。第4実施形態にかかる水素製造装置の形態は、上記装置20と同様であるため、第4実施形態にかかる水素製造装置の説明で使用する符号を、図6に括弧書きで付記する。以下、図6を参照しつつ、第4実施形態にかかる水素製造装置について説明する。
装置40は、Mgを収容する第1タンク31と、水を収容する第2タンク32と、MgHを収容する第3タンク41と、MgHを収容する第4タンク34と、NHを分離する分離手段35と、分離手段35によって分離されたNHを収容する第5タンク42と、第1タンク31と第4タンク34との間の流体の移動を抑制する抑制手段43と、これらを収容するタンク36と、フィルター37、38と、を備える。第1タンク31及び第2タンク32はライン51によって連結され、第1タンク31、分離手段35、及び、第5タンク42はライン52によって連結され、第1タンク31及び第4タンク34はライン53によって連結され、第3タンク41及び第5タンク42はライン56によって連結され、第3タンク41及びフィルター37はライン54によって連結され、第4タンク34及びフィルター38はライン55によって連結されている。そして、抑制手段43は、ライン53に収容され、抑制手段43に開口部が形成されない間は、第1タンク31と第4タンク34との間の流体の移動(例えば、第1タンク31から第4タンク34へと向かうMg(OH)及び水の移動)が抑制されている。
装置40を用いて水素を発生させる場合には、ライン51を介して、第2タンク32から第1タンク31へと水を供給することにより、水と第1タンク31に収容されたMgとを反応させ、上記式4で表される反応を生じさせる(工程S21)。このようにして上記式4で表される反応が生じると、Mg(OH)及びNHが生成される。第1タンク31で生成されたNHは、第1タンク31の重力方向上側に配置された、活性炭等によって構成される分離手段35によって分離され、分離手段35によって分離されたNHは、ライン52を経て第5タンク42へと達する。第5タンク42へと達したNHは、ライン56を経て第3タンク41へと達する。NHが到達した第3タンク41には、MgHが収容されている。そのため、第3タンク41にNHが到達すると、上記式5で表される反応が生じる(工程S22)。このようにして上記式5で表される反応が生じると、Mg(NH及びHが生成される。第3タンク41で生成されたHは、ライン54を経てフィルター37へと達し、不純物が取り除かれる。これに対し、第3タンク41で生成されたMg(NHは、当該第3タンク41に留まり、例えば、上記本発明の水素化マグネシウムの製造方法によって、MgHへと再生される。
他方、第3タンク41において上記式5で表される反応が生じると、Mg(NH及びHとともに、熱が発生する。このようにして熱が発生すると、タンク36内の温度は、100℃〜140℃程度になる。ポリエチレン等により構成される抑制手段43は、融点が70℃〜100℃程度であるため、上記式5で表される反応が生じると、抑制手段43に孔(開口部)が形成される。ここで、第4タンク34は、第1タンク31よりも重力方向下側に配置されている。それゆえ、上記式5で表される反応が生じて抑制手段43に開口部が形成されると、第1タンク31内に存在するMg(OH)及び水が、ライン53に配置された抑制手段43の開口部を経て、第4タンク34へと達する。Mg(OH)及び水が到達した第4タンク34には、MgHが収容されている。そのため、第4タンク34にMg(OH)及び水が到達すると、上記式6で表される反応が生じる(工程S23)。このようにして上記式6で表される反応が生じると、MgO及びHが生成される。第4タンク34で生成されたHは、ライン55を経てフィルター38へと達し、不純物が取り除かれる。これに対して、第4タンク34で生成されたMgOは、当該第4タンク34に留まり、例えば、上記本発明の窒化マグネシウムの製造方法によって、Mgへと再生される。
このように、装置40を用いて、工程S21の後に工程S22を生じさせ、当該工程S22の後に工程S23を生じさせる形態の、上記第2の水素発生方法を実施すれば、工程S22及び工程S23により、水素を発生させることができる。
装置30及び装置40に関する上記説明では、第1タンク31内に存在するMg(OH)及び水が第4タンク34へと供給されることにより工程S23が生じる形態を例示したが、本発明の水素製造装置は当該形態に限定されるものではない。上記形態のほか、第1タンク31内に残された固体のMg(OH)のみが第4タンク34へと供給されることにより、工程S23が生じる形態とすることも可能である。ただし、かかる形態の場合には、固体のMg(OH)と固体のMgHとが反応するため、反応速度が低下しやすい。固体のMg(OH)と固体のMgHとが反応する場合のMg(OH)の反応速度は、0.01〜0.03[g/sec/1kg H]であり、上記式4〜式6で表される反応によって水素を発生させる際に利用されるMgの利用率は、15%〜20%程度となる。それゆえ、固体のMg(OH)と固体のMgHとを反応させることにより水素を発生させる場合には、Mgの利用率を向上させるという観点から、粉砕処理により数十ナノメートル程度の微粒子状とされたMgHとMg(OH)とを反応させることが好ましい。当該微粒子状のMgHと固体のMg(OH)とが反応する工程S23が備えられる場合には、微粒子状とされていない場合と比較して、MgHとMg(OH)との接触界面を増大させることができるので、Mgの利用率を30%〜35%程度にまで向上させることが可能になる。一方、第1タンク31内に存在するMg(OH)及び水が第4タンク34へと供給されることにより工程S23が生じる場合における、Mg(OH)の反応速度は、0.07〜0.1[g/sec/1kg H]であり、Mgの利用率は、40%〜55%程度である。したがって、上記式6の反応速度、及び、Mgの利用率を向上させ得る形態とする観点からは、上述のように、第1タンク31内に存在するMg(OH)及び水が第4タンク34へと供給されることにより上記式6で表される反応が生じる形態とすることが好ましい。
また、装置30及び装置40に関する上記説明では、第3タンク33及び第3タンク41にMgHが収容される形態を例示したが、第3タンク33及び第3タンク41には少なくともMgHが収容されていればよく、その他の物質の有無は特に限定されない。ただし、上記式5で表される反応の反応速度を高め、当該反応によって生成される水素の収率を高め得る形態とする等の観点からは、第3タンク33及び第3タンク41に、MgHに加えてTiClが収容されることが好ましい。第3タンク33及び第3タンク41に、MgH及びTiClが収容される場合、TiClの量は特に限定されるものではないが、例えば、モル比率で、MgH:TiCl=1:0.05とすることができる。
また、装置30及び装置40に関する上記説明では、第4タンク34にMgHが収容される形態を例示したが、第4タンク34には少なくともMgHが収容されていればよく、その他の物質の有無は特に限定されない。ただし、上記式6で表される反応の反応速度を高め、当該反応によって生成される水素の収率を高め得る形態とするとともに、当該反応をスムーズに進行させるために必要とされる温度を低減可能とする等の観点からは、第4タンク34に、MgHに加えてTiClが収容されることが好ましい。第4タンク34に、MgH及びTiClが収容される場合、TiClの量は特に限定されるものではないが、例えば、モル比率で、MgH:TiCl=1:0.05とすることができる。
本発明の水素製造装置において、第1工程又は第1反応工程を生じさせるために第1タンクへと供給される水の供給形態は、特に限定されるものではないが、一度に多量の水を第1タンクへと供給すると、急激な温度上昇が生じてアンモニアの圧力が上昇し、アンモニアと水蒸気との混合ガスとなる可能性がある。それゆえ、かかる事態を回避して水素製造装置の安全性・信頼性を向上させ得る形態とする観点からは、少量の水を徐々に第1タンクへと供給するか、又は、冷却された第1タンクへ水が供給される形態とすることが好ましい。
4.燃料電池システム
図7は、本発明の燃料電池システムの形態例を概略的に示す概念図である。図7において、図6と同様の構成を採るものには、図6で使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図7を参照しつつ、本発明の燃料電池システムについて説明する。
本発明の燃料電池システム100は、複数の燃料電池セル(不図示)を備える燃料電池70と、水素製造装置20と、を備える。燃料電池70及び水素製造装置20は、ライン55、及び、ライン60によって連結されている。水素製造装置20で製造された水素は、ライン55を介して燃料電池70へと供給され、燃料電池70に備えられる各燃料電池セルのアノード側へと供給される。一方、燃料電池70に備えられる各燃料電池セルのアノード側へ水素が供給されるとともに、カソード側へ空気が供給された状態で運転されることにより発生した水は、ライン60に備えられるフィルター61によって不純物が除去された後、第2タンク12へと供給される。このようにして第2タンク12へと供給された水は、ライン51を介して第1タンク11へと供給され、水素製造に利用される。このように、本発明の燃料電池システム100によれば、水素製造装置20で製造した水素を燃料電池70へと供給することにより、燃料電池70が起動し、燃料電池70が起動することにより生じた水が第2タンク12へと供給されることにより、水素製造装置20で水素が製造される。それゆえ、本発明によれば、再利用される水素発生材料が搭載された水素製造装置を備える、燃料電池システム100を提供することができる。
本発明の燃料電池システム100に関する上記説明では、水素製造装置20が備えられる形態を例示したが、本発明の燃料電池システムは当該形態に限定されるものではなく、他の形態にかかる水素製造装置(水素製造装置10、30、40)が備えられる形態とすることも可能である。ただし、本発明の水素製造装置により水素を製造する場合に律速となる反応は、上記式3、式6で表される反応であり、当該反応は、高温環境下で行うと、反応速度が増大する。それゆえ、工程S12や工程S22の後に工程S13や工程S23が行われる形態とすることで、上記式3、式6により水素が生成されるまでの時間を短縮して、水素製造効率を向上させ得る形態の燃料電池システムとする観点からは、水素製造装置20又は水素製造装置40が備えられる形態とすることが好ましい。
また、本発明の燃料電池システム100に備えられる水素製造装置20に搭載される、窒化リチウムや水等の質量は、特に限定されるものではないが、例えば、水素製造装置20によって5kgの水素を製造する場合には、625molの窒化リチウムと、2500molの水素化リチウムと、1875molの水と、が最低限必要になると考えられる。このほか、上記式3で表される反応を促進することにより、水素の生成速度を向上させるという観点からは、さらに、20kg〜40kg程度の水が必要になると考えられる。ただし、当該20kg〜40kg程度の水は、燃料電池70で生成された水を利用することが可能であるため、水素製造装置20には、625molの窒化リチウムと、2500molの水素化リチウムと、1875molの水と、が搭載されていれば良い。
さらに、本発明の燃料電池システム100に備えられる水素製造装置20の大きさ(タンク16の大きさ)は、特に限定されるものではないが、例えば、水素製造装置20によって5kgの水素を製造する場合には、170L、160kg程度のタンク16が備えられていれば良い。
(1)水素製造
第3タンク21及び第4タンク14にLiHが収容されTiClが収容されていない装置20、並びに、第3タンク及び第4タンクにLiHに加えてTiClが収容されているほかは装置20と同様の形態を有する装置(以下において「装置20’」という。)を用いて水素を製造することにより、TiClが水素発生反応に与える影響(反応速度、水素の収率、及び、反応温度)について調査した。
ここで、LiHは、以下の過程を経て、第3タンク21及び第4タンク14へと収容した。すなわち、アルゴン雰囲気のグローブボックス(露点;−85℃、酸素濃度;1ppm以下)で秤量したLiHをミリング容器に入れた後、真空引きしたミリング容器内の雰囲気を水素雰囲気(1MPa)とし、室温で10時間に亘ってボールミリングを行った。その後、ミリング容器をアルゴン雰囲気のグローブボックスへ移し、ボールミリングを経たLiHを、当該グローブボックス内で、第3タンク21及び第4タンク14へと収容した。
一方、LiH及びTiClは、以下の過程を経て、装置20’の第3タンク及び第4タンク(以下において「第3タンク21’」及び「第4タンク14’」という。)へと収容した。すなわち、アルゴン雰囲気のグローブボックス(露点;−85℃、酸素濃度;1ppm以下)で、モル比率がLiH:TiCl=1:0.05となるように秤量したLiH及びTiCl(純度99.9%、アルドリッチ社製)をミリング容器に入れた後、真空引きしたミリング容器内の雰囲気を水素雰囲気(1MPa)とし、室温(20℃)で10時間に亘ってボールミリングを行った。その後、ミリング容器をアルゴン雰囲気のグローブボックスへ移し、ボールミリングを経たLiH及びTiClを、当該グローブボックス内で、第3タンク21’及び第4タンク14’へと収容した。
(2)結果
(2−1)反応速度
装置20を用いた場合、20℃の温度環境下で上記式2の反応により得られた水素の生成速度(反応速度)は0.1〜0.3[g/sec]であった。これに対し、装置20’を用いた場合、20℃の温度環境下で上記式2の反応により得られた水素の生成速度(反応速度)は、0.5〜1[g/sec]であった。一方で、装置20を用いた場合、200℃の温度環境下で上記式3の反応により得られた水素の生成速度(反応速度)は、0.02〜0.03[g/sec]であった。これに対し、装置20’を用いた場合、200℃の温度環境下で上記式3の反応により得られた水素の生成速度(反応速度)は、0.05〜0.1[g/sec]であった。
(2−2)水素の収率
装置20を用いた場合、25℃の温度環境下で上記式2の反応を生じさせることにより得られる水素の収率は、65〜75%程度であった。これに対し、装置20’を用いた場合、25℃の温度環境下で上記式2の反応を生じさせることにより得られる水素の収率は、80〜85%であった。一方で、装置20を用いた場合、250℃の温度環境下で上記式3の反応を生じさせることにより得られる水素の収率は、65〜75%程度であった。これに対し、装置20’を用いた場合、180℃の温度環境下で上記式3の反応を生じさせることにより得られる水素の収率は、80〜85%であった。
(2−3)反応温度
装置20を用いた場合、上記式3の反応で所定の水素生成速度Xを得るには250℃前後の温度環境にすることが必要であった。これに対し、装置20’を用いた場合、180℃前後の温度環境にすることで、上記式3の反応による水素生成速度が上記水素生成速度Xに達した。
第1の水素発生方法に備えられる工程を示すフローチャートである。 第2の水素発生方法に備えられる工程を示すフローチャートである。 本発明の水素化リチウムの製造方法の形態例を示す概念図である。 リチウムアミドが収容される容器(第3タンク)の形態例を示す概念図である。 本発明の水素製造装置の形態例を示す概念図である。 本発明の水素製造装置の形態例を示す概念図である。 本発明の燃料電池システムの形態例を概略的に示す概念図である。
符号の説明
S11…第1工程
S12…第2工程
S13…第3工程
S21…第1反応工程
S22…第2反応工程
S23…第3反応工程
1…容器(第3タンク)
2…内側容器
3…外側容器
4…弁
5…蓋
10、30…水素製造装置
11、31…第1タンク
12、32…第2タンク
13、33…第3タンク
14、34…第4タンク
15、35…分離手段
16、36…タンク
17、18…フィルター
20、40…水素製造装置
21、41…第3タンク
22、42…第5タンク
23、43…抑制手段
37、38…フィルター
51、52、53…ライン
54、55、56…ライン
60…ライン
61…フィルター
70…燃料電池
100…燃料電池システム

Claims (15)

  1. 金属の窒素化合物と水とを反応させる、第1工程と、
    金属の水素化合物と、前記第1工程で生成されたアンモニアとを反応させる、第2工程と、
    金属の水素化合物と、前記第1工程で生成された金属の水酸化物とを反応させる、第3工程と、
    を備えることを特徴とする、水素発生方法。
  2. 前記金属が、リチウム又はマグネシウムであることを特徴とする、請求項1に記載の水素発生方法。
  3. 前記第2工程は、TiClの存在下で、前記金属の水素化合物と前記アンモニアとを反応させる工程であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水素発生方法。
  4. 前記第3工程は、TiClの存在下で、前記金属の水素化合物と前記金属の水酸化物とを反応させる工程であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素発生方法。
  5. 請求項1に記載の水素発生方法で使用される金属の水素化合物を製造する方法であって、
    前記第2工程で生成された金属のアミド化合物と、水素とを反応させることにより、前記金属の水素化合物が製造されることを特徴とする、金属の水素化合物の製造方法。
  6. 前記金属が、リチウム又はマグネシウムであることを特徴とする、請求項5に記載の金属の水素化合物の製造方法。
  7. 請求項1に記載の水素発生方法で使用される金属の窒素化合物を製造する方法であって、
    前記第3工程で生成された金属の酸化物から得た前記金属と、窒素とを反応させることにより、前記金属の窒素化合物が製造されることを特徴とする、金属の窒素化合物の製造方法。
  8. 前記窒素と反応させる前記金属は、溶融塩電気分解法で前記金属の酸化物を還元することにより得られることを特徴とする、請求項7に記載の金属の窒素化合物の製造方法。
  9. 前記金属が、リチウム又はマグネシウムであることを特徴とする、請求項7又は8に記載の金属の窒素化合物の製造方法。
  10. 請求項1に記載の水素発生方法に用いられる水素製造装置であって、
    前記金属の窒素化合物を収容する第1タンク、前記水を収容する第2タンク、前記金属の水素化合物を収容する第3タンク及び第4タンク、並びに、前記第1工程で生成された前記アンモニアを分離する分離手段、が備えられ、
    前記第2タンクに収容された前記水が前記第1タンクへと供給されることにより、前記第1工程が生じ、
    前記第1工程後に、前記分離手段で分離された前記アンモニアが前記第3タンクへと供給されることにより、前記第2工程が生じ、
    前記第1工程後に、前記第1タンクに収容された前記金属の水酸化物が、前記第4タンクへと供給されることにより、前記第3工程が生じることを特徴とする、水素製造装置。
  11. 請求項1に記載の水素発生方法に用いられる水素製造装置であって、
    前記金属の窒素化合物を収容する第1タンク、前記水を収容する第2タンク、前記金属の水素化合物を収容する第3タンク及び第4タンク、前記第1工程で生成された前記アンモニアを分離する分離手段、前記分離手段によって分離された前記アンモニアを収容する第5タンク、並びに、前記第1タンクと前記第4タンクとの間の流体の移動を抑制する抑制手段、が備えられ、
    前記第2タンクに収容された前記水が前記第1タンクへと供給されることにより、前記第1工程が生じ、
    前記第1工程後に、前記アンモニアが前記第5タンクから前記第3タンクへと供給されることにより、前記第2工程が生じ、
    前記第2工程で生じた熱によって前記抑制手段に開口部が形成され、前記第1タンクに収容された前記金属の水酸化物及び前記水が、前記開口部を介して前記第4タンクへと供給されることにより、前記第3工程が生じることを特徴とする、水素製造装置。
  12. 前記金属が、リチウム又はマグネシウムであることを特徴とする、請求項10又は11に記載の水素製造装置。
  13. 前記第3タンクに、さらにTiClが収容されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の水素製造装置。
  14. 前記第4タンクに、さらにTiClが収容されることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項に記載の水素製造装置。
  15. 燃料電池と、請求項10〜14のいずれか1項に記載の水素製造装置とを備え、
    前記水素製造装置によって製造された水素が前記燃料電池へと供給され、前記燃料電池で生成された水が前記第2タンクへと供給されることを特徴とする、燃料電池システム。
JP2008168085A 2007-09-28 2008-06-27 水素発生方法、水素発生材料の製造方法、水素製造装置、及び、燃料電池システム Expired - Fee Related JP4512151B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008168085A JP4512151B2 (ja) 2007-09-28 2008-06-27 水素発生方法、水素発生材料の製造方法、水素製造装置、及び、燃料電池システム
EP08833877.7A EP2197784B1 (en) 2007-09-28 2008-09-26 Hydrogen production method, hydrogen production system, and fuel cell system
US12/680,233 US8460834B2 (en) 2007-09-28 2008-09-26 Hydrogen production method, hydrogen production system, and fuel cell system
PCT/IB2008/002507 WO2009040646A2 (en) 2007-09-28 2008-09-26 Hydrogen production method, hydrogen production system, and fuel cell system
CN2008801088563A CN101808934B (zh) 2007-09-28 2008-09-26 生产氢的方法、氢生产系统及燃料电池系统
CA2701648A CA2701648C (en) 2007-09-28 2008-09-26 Hydrogen production method, hydrogen production system, and fuel cell system

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007255558 2007-09-28
JP2008168085A JP4512151B2 (ja) 2007-09-28 2008-06-27 水素発生方法、水素発生材料の製造方法、水素製造装置、及び、燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009096707A true JP2009096707A (ja) 2009-05-07
JP4512151B2 JP4512151B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=40511952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008168085A Expired - Fee Related JP4512151B2 (ja) 2007-09-28 2008-06-27 水素発生方法、水素発生材料の製造方法、水素製造装置、及び、燃料電池システム

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8460834B2 (ja)
EP (1) EP2197784B1 (ja)
JP (1) JP4512151B2 (ja)
CN (1) CN101808934B (ja)
CA (1) CA2701648C (ja)
WO (1) WO2009040646A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013511802A (ja) * 2009-11-20 2013-04-04 ヒェメタル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 酸素含有変換電極を含有するガルバニ電池

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110236729A1 (en) * 2008-12-05 2011-09-29 Roustaei Alex Hr Hydrogen cells or microcells with a hydrogen generator
US20130316254A1 (en) * 2011-03-08 2013-11-28 Panasonic Corporation Energy system
CA2842960C (en) 2011-07-25 2019-02-05 H2 Catalyst, Llc Methods and systems for producing hydrogen
CN104891435B (zh) * 2015-05-14 2017-04-12 大连理工大学 一种用质子响应型铱配合物催化氨硼烷水解制氢的方法
CN109516437B (zh) * 2019-01-02 2022-03-22 广东石油化工学院 一种电化学还原-热化学循环分解水制氢的方法
CN114243068B (zh) * 2021-12-20 2023-10-10 重庆大学 一种基于镁基材料的氢能供电设备
CN114530619B (zh) * 2022-04-22 2022-07-19 浙江海盐力源环保科技股份有限公司 一种燃料电池尾气消氢装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07316866A (ja) * 1994-05-19 1995-12-05 General Motors Corp <Gm> マグネシウム金属の製造方法
JP2001048504A (ja) * 1999-07-29 2001-02-20 Nippon Soda Co Ltd 窒化リチウムの製造方法
JP2005154232A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Taiheiyo Cement Corp 水素貯蔵材料および水素発生方法
JP2005213638A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Central Res Inst Of Electric Power Ind 電気分解方法とこれを利用したリチウム再生電解方法及び使用済酸化物原子燃料の還元方法
JP2005531483A (ja) * 2002-07-02 2005-10-20 フランソワ、ラコステ 窒化カルシウムの合成方法
JP2006008439A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Taiheiyo Cement Corp 水素貯蔵材料およびその製造方法
JP2006305486A (ja) * 2004-05-14 2006-11-09 Taiheiyo Cement Corp 水素貯蔵材料およびその製造方法
JP2007169081A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Kazunari Ikuta アンモニアの製造方法及びこれに用いる反応容器
JP2007525400A (ja) * 2004-02-26 2007-09-06 ゼネラル・モーターズ・コーポレーション 水素貯蔵系材料および水素化物と水酸化物を含む方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2490851A (en) * 1947-03-06 1949-12-13 Metal Hydrides Inc Production of lithium amide and other metal compounds
EP1129027B1 (en) 1998-10-07 2002-07-17 McGILL UNIVERSITY Lithium-based hydrogen storage compositions
WO2003037784A2 (en) * 2001-10-31 2003-05-08 National University Of Singapore Method for reversible storage of hydrogen and materials for hydrogen storage
US6967012B2 (en) * 2003-06-25 2005-11-22 General Motors Corporation Imide/amide hydrogen storage materials and methods
US20050019244A1 (en) * 2003-07-23 2005-01-27 Spiegelman Jeffrey J. Method for the point of use production of ammonia from water and nitrogen
US7537748B2 (en) * 2003-08-11 2009-05-26 National University Corporation, Hiroshima University Hydrogen storage matter and manufacturing method and apparatus for the same
US7521036B2 (en) * 2004-02-26 2009-04-21 General Motors Corporation Hydrogen storage materials and methods including hydrides and hydroxides
US7341703B2 (en) * 2004-02-27 2008-03-11 General Motors Corporation Mixed hydrogen generation material
EP1604947A1 (en) * 2004-06-07 2005-12-14 ETH Zürich Process and apparatus for producing hydrogen or ammonia
US7569294B2 (en) * 2004-12-23 2009-08-04 Air Products And Chemicals, Inc. Modular portable battery charging system using hydrogen fuel cells
JP2006182598A (ja) 2004-12-27 2006-07-13 Nissan Motor Co Ltd 水素製造システム
US7413721B2 (en) * 2005-07-28 2008-08-19 Battelle Energy Alliance, Llc Method for forming ammonia
US20100323253A1 (en) * 2006-02-22 2010-12-23 University Of Utah Resarch Foundation Systems and Methods for Hydrogen Storage and Generation from Water Using Lithium Based Materials
CA2675360A1 (en) * 2007-01-16 2008-07-24 Hsm Systems, Inc. Procedures for ammonia production

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07316866A (ja) * 1994-05-19 1995-12-05 General Motors Corp <Gm> マグネシウム金属の製造方法
JP2001048504A (ja) * 1999-07-29 2001-02-20 Nippon Soda Co Ltd 窒化リチウムの製造方法
JP2005531483A (ja) * 2002-07-02 2005-10-20 フランソワ、ラコステ 窒化カルシウムの合成方法
JP2005154232A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Taiheiyo Cement Corp 水素貯蔵材料および水素発生方法
JP2005213638A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Central Res Inst Of Electric Power Ind 電気分解方法とこれを利用したリチウム再生電解方法及び使用済酸化物原子燃料の還元方法
JP2007525400A (ja) * 2004-02-26 2007-09-06 ゼネラル・モーターズ・コーポレーション 水素貯蔵系材料および水素化物と水酸化物を含む方法
JP2006305486A (ja) * 2004-05-14 2006-11-09 Taiheiyo Cement Corp 水素貯蔵材料およびその製造方法
JP2006008439A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Taiheiyo Cement Corp 水素貯蔵材料およびその製造方法
JP2007169081A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Kazunari Ikuta アンモニアの製造方法及びこれに用いる反応容器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013511802A (ja) * 2009-11-20 2013-04-04 ヒェメタル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 酸素含有変換電極を含有するガルバニ電池
US9490482B2 (en) 2009-11-20 2016-11-08 Ulrich Wietelmann Galvanic elements containing oxygen-containing conversion electrodes

Also Published As

Publication number Publication date
US8460834B2 (en) 2013-06-11
CN101808934A (zh) 2010-08-18
CA2701648C (en) 2013-01-08
CA2701648A1 (en) 2009-04-02
US20100330443A1 (en) 2010-12-30
WO2009040646A3 (en) 2009-06-25
EP2197784A2 (en) 2010-06-23
WO2009040646A2 (en) 2009-04-02
JP4512151B2 (ja) 2010-07-28
EP2197784B1 (en) 2013-10-23
CN101808934B (zh) 2012-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4512151B2 (ja) 水素発生方法、水素発生材料の製造方法、水素製造装置、及び、燃料電池システム
Ouyang et al. Hydrogen production via hydrolysis and alcoholysis of light metal-based materials: a review
US7883805B2 (en) Hydrogen generating material, hydrogen generator and fuel cell
JP4659075B2 (ja) 発電装置
KR101102700B1 (ko) 수소 생성 물질
JPWO2008136087A1 (ja) エネルギー供給システム
WO2011077969A1 (ja) 反応容器及びそれを用いた燃料電池システム
JP2005243617A (ja) 水素供給方法、その装置および携帯機器搭載用燃料電池
JP2002193604A (ja) ホウ水素化金属の製造方法
KR20090095023A (ko) 수소 충전 장치
JP4558068B2 (ja) 水素化リチウムの活性化方法及び水素発生方法
Olivares-Ramírez et al. Hydrogen generation by treatment of aluminium metal with aqueous solutions: procedures and uses
JP5383352B2 (ja) 水素酸素発生装置およびこれを用いた燃料電池システム
TW200400663A (en) High capacity calcium lithium based hydrogen storage material and method of making the same
JP2006298734A (ja) テトラヒドロホウ酸塩の製造方法
JP2006143537A (ja) テトラヒドロホウ酸塩の製造方法
JP2010001188A (ja) 水素製造装置及び燃料電池
Qu et al. Pre-extraction of Li from spent lithium-ion batteries through an Ethanol-Water vapor thermal reduction approach
Kaur et al. A Critical Assessment of Aluminium-Water Reaction for On-Site Hydrogen-Powered Applications
CN108745339A (zh) 一种NaBH4制燃料电池用氢的催化剂及制备方法
JP2014201621A (ja) 二酸化炭素消滅燃料費節約方法
JP5381513B2 (ja) 混合体及びその製造方法、水素ガスの製造方法、並びに、水素発生装置
JP2009280451A (ja) マグネシウムアラネートの製造方法
JP2009067668A (ja) 金属アミドの製造方法、アミド化合物複合体及びその製造方法、並びに、水素貯蔵材料及びその製造方法
JP2010138016A (ja) アルカリ金属水素化物の製造方法及び製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100420

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100507

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4512151

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20101101

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20110301

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees