JP5381513B2 - 混合体及びその製造方法、水素ガスの製造方法、並びに、水素発生装置 - Google Patents

混合体及びその製造方法、水素ガスの製造方法、並びに、水素発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、混合体及びその製造方法、水素ガスの製造方法、並びに、水素発生装置に関し、さらに詳しくは、100℃程度の温度において水素ガスを発生させることが可能な混合体及びその製造方法、このような混合体を用いた水素ガスの製造方法、並びに、このような混合体を用いた水素発生装置に関する。
近年、二酸化炭素の排出による地球の温暖化等の環境問題や、石油資源の枯渇等のエネルギー問題から、クリーンな代替エネルギーとして水素エネルギーが注目されている。水素エネルギーの実用化に向けて、水素を安全、かつ、効率的に貯蔵、輸送する技術の開発が重要となる。水素の貯蔵方法にはいくつかの候補があるが、中でも可逆的に水素を貯蔵・放出することのできる水素貯蔵材料を用いる方法は、最も安全に水素を貯蔵・輸送する手段と考えられており、燃料電池車に搭載する水素貯蔵媒体として期待されている。
水素貯蔵材料としては、活性炭、フラーレン、ナノチューブ等の炭素材料や、LaNi、TiFe等の水素吸蔵合金が知られている。これらの内、水素吸蔵合金は、炭素材料に比べて単位体積当たりの水素密度が高いので、水素を貯蔵・輸送するための水素貯蔵材料として有望視されている。
しかしながら、LaNi5、TiFe等の水素吸蔵合金は、La、Ni、Ti等の希少金属を含んでいるため、その資源確保が困難であり、コストも高いという問題がある。また、従来の水素吸蔵合金は、合金自体の重量が大きいために、単位重量当たりの水素密度が小さい、すなわち、大量の水素を貯蔵するためには極めて重い合金を必要とするという問題がある。
そこでこの問題を解決するために、軽元素を含む水素貯蔵材料の開発が試みられている。これまでに開発されている軽元素を含む水素貯蔵材料としては、
(1) LiNH2、LiBH4等のリチウム(Li)を含む錯体水素化物(例えば、特許文献1、非特許文献1等参照)、
(2) NaAlH4等のナトリウム(Na)を含む錯体水素化物、
(3) Mg(NH2)2等のマグネシウム(Mg)を含む錯体水素化物、
などが知られている。
また、軽元素を含む化合物とアンモニアとを反応させることにより水素を発生させる方法も知られている。
例えば、非特許文献2には、次の式(1)及び式(2)が開示されている。
40℃ LiBH4+nNH3→LiBH4・nNH3(n=1〜4) ・・・(1)
LiBH4+NH3→LiBH3NH2+H2 ・・・(2)
同文献には、
(a) 式(1)の水素発生量(理論値)は0mass%、式(2)の水素発生量(理論値)は5.2mass%である点、及び、
(b) 式(2)の反応率は0.6%未満であり、実際の水素発生量は0.1mass%以下である点、
が記載されている。
また、非特許文献3には、アンモニアガス1000atm下での式(3)〜式(6)が開示されている。
250℃ LiBH4+nNH3→LiBH4・nNH3(n=1〜4) ・・・(3)
300℃ LiBH4+2NH3→LiNH2+BN+4H2 ・・・(4)
LiBH4+nNH3→LiBH4・nNH3(n=1〜4) ・・・(5)
350℃ LiBH4+2NH3→LiNH2+BN+4H2 ・・・(6)
同文献には、
(a) 式(3)の水素発生量(理論値)は0mass%である点、
(b) 式(4)の水素発生量(理論値)は14.4mass%であり、反応率は80%である点、
(c) 式(5)の水素発生量(理論値)は0mass%であり、式(4)の反応が起こらなかった残りの20%のLiBH4が式(5)に従って反応する点、及び、
(d) 式(6)の水素発生量(理論値)は14.4mass%である点、
が記載されている。
また、特許文献2には、NH3、H2Oなどの液体原料と、LiH、Mg、AlLi、LiAlH4、MgH2、NaBH4などの第2原料とを反応させ、水素を発生させる方法、及び、このような方法を実施するための水素発生装置が開示されている。
さらに、特許文献3及び非特許文献4〜6には、LiBH4、NaBH4などのボロハイドライドと、TiCl3、ZnCl2などの塩化物とを混合粉砕し、粉砕された混合物を熱分解させて水素を放出する方法が開示されている。
非特許文献4〜6には、
(1)ボロハイドライドを熱分解させて水素を放出させる場合において、ボロハイドライドにTiCl3を添加すると、より低温において水素を放出する点、及び、
(2)NiCl2は、ボロハイドライドの水素放出温度低下に対してほとんど効果がない点、
が記載されている。
特表2002−526658号公報 特開2009−23857号公報 特開2007−117989号公報
P.Chen et al.、"Interaction of hydrogen with metal nitrides and imides"、「Nature」、2002年、vol.420/21、p.302-304 E.A.Sullivan et al., J.Phys.Chem. 63(1959)233-238 О.В.Кравченко et al., Журкал общейц хцмцц. 64(1994)6-11 M.Au et al., J.Phys.Chem. C112(2008)18661-18671 J.Kostka et al., J.Phys.Chem. C111(2007)14026-14029 M.Au et al., J.Phys.Chem. B110(2006)7062-7067
LiBH4とアンモニアとを反応させて水素を得る方法は、反応温度や圧力だけでなく、アンモニアの供給量によっても水素発生量を制御できるという利点がある。
しかしながら、非特許文献2、3に開示されているように、常圧下におけるLiBH4とアンモニアとの反応の反応率は、極めて低い。そのため、この反応を用いて相対的に多量の水素を得るためには、これらを高温高圧下で反応させる必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、LiBH4とNH3との反応をより低温・低圧下において生じさせることができ、かつ、相対的に多量の水素を放出することが可能な混合体及びその製造方法、このような混合体を用いた水素ガスの製造方法、並びに、このような混合体を用いた水素発生装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る混合体は、LiBH4とNiCl2とを含む配合物を混合することにより得られ、アンモニアと反応させるために用いられる。
本発明に係る混合体の製造方法は、
LiBH4とNiCl2とを配合する配合工程と、
前記配合工程で得られた配合物を混合する混合工程と、
を備えている。
本発明に係る水素ガスの製造方法は、本発明に係る混合体と、アンモニアとを反応させる反応工程を備えている。
さらに、本発明に係る水素発生装置は、
本発明に係る混合体を収容するための混合体容器と、
アンモニアを収容するためのアンモニア容器と、
前記アンモニア容器から前記混合体容器に前記アンモニアを供給するためのアンモニア供給装置と、
前記混合体容器内において、前記混合体と前記アンモニアとの反応により生じた水素を前記混合体容器から排出する水素排出装置と、
を備えている。
水素発生装置は、前記混合体容器を所定の温度に加熱するための加熱装置をさらに備えていても良い。
LiBH4とNH3との反応により水素を放出させる場合において、LiBH4にNiCl2を添加すると、相対的に低温(具体的には、100℃程度)で反応が進行し、水素が容易に発生する。これは、NiCl2がLiBH4とNH3との反応に対する触媒効果を有しているためと考えられる。
水素発生装置の概略構成図である。 LiBH4にNiCl2を加えてミリング処理し、アンモニアと反応させた後の試料のX線回折パターンである。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 混合体]
本発明に係る混合体は、LiBH4とNiCl2とを含む配合物を混合することにより得られ、アンモニアと反応させるために用いられる。
[1.1. 配合物の組成]
配合物は、LiBH4とNiCl2とを含む。配合物は、LiBH4とNiCl2のみからなるのが好ましいが、他の成分がさらに含まれていても良い。但し、LiBH4とNH3との反応を阻害する成分は、少ないほど良い。
他の成分としては、具体的には、
(1)不可避的不純物、
(2)NiCl2以外の添加剤であって、LiBH4とNH3との反応を促進させる作用があるもの(例えば、CoCl2など)、
などがある。
配合物に含まれるNiCl2の含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な量を選択する。
一般に、NiCl2の含有量が多くなるほど、低温低圧下における水素の放出が容易化する。一方、NiCl2を必要以上に添加しても効果に差が無く、実益がない。また、配合物全体に占めるLiBH4の含有量が少なくなり、水素放出量が少なくなる。
配合物は、具体的には、
LiBH4+xNiCl2(xはモル比;0<x≦0.3)
で表される組成を有するものが好ましい。
[1.2. 混合]
本発明に係る混合体は、上述した配合物を混合することにより得られる。
ここで、「混合」とは、
(1)配合物を軽く攪拌する程度の弱混合、あるいは、
(2)配合物に機械的エネルギーを与え、粉砕しながら均一に混合する混合粉砕、
のいずれでも良い。特に、混合粉砕は、均一な混合体が得られるので、混合方法として好適である。
配合物の混合粉砕を行う場合、粉砕方法、粉砕エネルギー、粉砕時間、粉砕雰囲気などの粉砕条件は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な条件を選択する。
例えば、遊星ボールミルを用いて混合粉砕を行う場合、粉砕時間は、通常、30分〜12時間程度である。粉砕雰囲気は、不活性ガス雰囲気又は水素雰囲気が好ましい。
得られた混合体は、粉末状態のまま使用しても良く、あるいは、粉末を適当な形状及び大きさに成形し、成形体として使用しても良い。
[2. 混合体の製造方法]
本発明に係る混合体の製造方法は、
LiBH4とNiCl2とを配合する配合工程と、
前記配合工程で得られた配合物を混合する混合工程と、
を備えている。
配合物の組成及び混合方法については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[3. 水素ガスの製造方法]
本発明に係る水素ガスの製造方法は、本発明に係る混合体と、アンモニアとを反応させる反応工程を備えている。
混合体とアンモニアとを反応させる方法は、特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の方法を用いることができる。この場合、混合体と反応させるアンモニアは、気体でも良く、あるいは、液体でも良い。
例えば、密閉可能な容器内に混合体を充填し、容器内に液体又は気体のアンモニアを導入し、容器を密閉して所定の温度に加熱すると、容器内に水素が充満する。反応終了後、容器を開放すると、発生した水素を取り出すことができる。
[4. 水素発生装置]
図1に、本発明の一実施の形態に係る水素発生装置の概略構成図を示す。図1において、水素発生装置10は、混合体容器12と、アンモニア容器14と、アンモニア供給装置16と、水素排出装置18と、加熱装置20とを備えている。
混合体容器12は、本発明に係る混合体22を収容するためのものである。混合体容器12の材料、形状等は、特に限定されるものではなく、混合体22を収容可能なものであればよい。また、アンモニア24と混合体22との反応を効率よく進行させるためには、混合体容器12は、密閉可能なものが好ましい。
アンモニア容器14は、アンモニア24を収容するためのものである。アンモニア容器14の材料、形状等は、特に限定されるものではなく、液体又は気体のアンモニア24を収容可能なものであれば良い。
アンモニア供給装置16は、アンモニア容器14から混合体容器12にアンモニア24を供給するためのものである。
例えば、アンモニア容器14が気体のアンモニア24を収容するためのものである場合、アンモニア供給装置16は、混合体容器12とアンモニア容器14とを繋ぐ配管16aと、配管16aを開閉する開閉バルブ16bで構成することができる。
また、アンモニア容器14が液体のアンモニア24を収容するためのものである場合、アンモニア供給装置16は、混合体容器12とアンモニア容器14とを繋ぐ配管16aと、配管16aを介して液体のアンモニア24を混合体容器12に供給するポンプ16cで構成することができる。
水素排出装置18は、混合体容器12内において、混合体22とアンモニア24との反応により生じた水素を混合体容器12から排出するためのものである。水素排出装置18は、混合体容器12に接続された配管18aと、配管18aを開閉する開閉バルブ18bで構成することができる。
加熱装置20は、混合体容器12を所定の温度に加熱するためのものである。加熱装置20は、必ずしも必要ではない。しかしながら、混合体22とアンモニア24の反応は、一般に温度が高くなるほど反応率が高くなる。そのため、加熱装置20を用いて混合体容器12を所定の温度に加熱すると、相対的に多量の水素を取り出すのが容易化する。加熱装置20の構造は、特に限定されるものではなく、混合体容器20を加熱できるものであればよい。加熱装置20には、通常、ヒーターや熱交換器が用いられる。
図1に示す水素発生装置10を用いた水素ガスの製造は、以下のようにして行うことができる。まず、混合体容器12に混合体を充填し、アンモニア容器14にアンモニア24を充填する。次いで、アンモニア供給装置16を介して、所定量のアンモニア24を混合体容器12に供給する。この時、アンモニア24の混合体容器12への供給と、混合体容器12からの水素を含むガスの排出を連続的に行っても良いが、未反応のアンモニア24の量を低減するためには、所定量のアンモニア24を混合体容器12に供給した後、混合体容器12を密閉するのが好ましい。
混合体容器12にアンモニア24を供給し、必要に応じて加熱装置20を用いて混合体容器12を所定の温度に加熱すると、混合体容器12内で混合体22とアンモニア24が反応する。得られた水素を含むガスは、混合体容器12に接続された水素排出装置18から取り出すことができる。
[5. 混合体及びその製造方法、水素ガスの製造方法、並びに、水素発生装置の作用]
LiBH4、NaBH4などのボロハイドライドを加熱すると、ボロハイドライドが熱分解し、水素が発生することが知られている。また、この時、ボロハイドライドにある種の塩化物を加えると、水素発生温度が低下することが知られている。さらに、ボロハイドライドの水素発生温度を低下させる作用が最も大きい塩化物として、TiCl3が知られており、一方、NiCl2は、このような効果がほとんどないことが知られている(例えば、非特許文献4〜6参照。NiCl2に関しては、特に、非特許文献5参照)。
一方、LiBH4とNH3とを所定の条件下で反応させると、式(7)に従い、水素が発生することが報告されている(非特許文献3参照)。この時の水素発生量(理論値)は、14.4mass%である。しかしながら、式(7)の反応を効率よく進行させるためには、1000atm程度の高圧と、250〜350℃程度の高温加熱が必要になる。また、このような過酷な条件下においても、両者を単に反応させる方法では、反応率は、80%程度(300℃の場合)に留まっている。
LiBH4+2NH3→LiNH2+BN+4H2 ・・・(7)
これに対し、式(7)に従って、水素を発生させる場合において、NiCl2を共存させると、相対的に低温(具体的には、100℃程度)で反応が進行し、相対的に多量の水素が発生する。しかも、NiCl2に代えてTiCl3を添加しても、低温における水素発生量はごく僅かである。これは、LiBH4とNH3との反応において、NiCl2が高い触媒効果を有しているためと考えられる。
(実施例1)
[1. 試料の作製]
純化したArで満たされたグローブボックス中で、LiBH4とNiCl2とをモル比で1:0.02となるように混合した。その後、室温、アルゴン雰囲気下で、遊星ボールミル装置を用いて2時間ミリング処理した。ミリング後の混合体:0.43gを圧力保持容器に充填し、温度:150℃、初期アンモニア圧力:0.83MPaの条件で140時間保持した。
[2. 評価]
保持後の容器内ガス圧力は、0.88MPaと初期より増加した。容器内ガスの一部を採取し、ガスクロマトグラフで評価したところ、ガス中に8.9mol%の水素ガスが含まれていることが分かった。また、反応後の試料を容器から取り出して粉末X線回折測定を行ったところ、LiNH2のピークが観測された(図2参照)。さらに、赤外分光スペクトルにおいて、BNに由来するピークが観測された。これらの結果から、上述した式(7)の反応が起きたと考えられる。
(実施例2)
[1. 試料の作製]
純化したArで満たされたグローブボックス中で、LiBH4とNiCl2とをモル比で1:0.02となるように混合した。その後、室温、アルゴン雰囲気下で、遊星ボールミル装置を用いて2時間ミリング処理した。ミリング後の混合体:0.5gを圧力保持容器に充填し、温度:100℃、初期アンモニア圧力:0.80MPaの条件で140時間保持した。
[2. 評価]
保持後の容器内ガス圧力は、0.78MPaであった。保持後の容器内ガスの一部を採取し、ガスクロマトグラフで評価したところ、ガス中に4.3mol%の水素ガスが含まれていることが分かった。また、反応後の試料を容器から取り出して粉末X線回折測定を行ったところ、LiNH2のピークが観測された(図示せず)。さらに、赤外分光スペクトルにおいて、BNとLiBH4・nNH3に由来するピークが観測された。これらの結果から、温度を100℃にすると、反応率は低下するものの、実施例1と同様の反応が起きたと考えられる。
(比較例1)
[1. 試料の作製]
純化したArで満たされたグローブボックス中で、LiBH4とTiCl3とをモル比で1:0.02となるように混合した。その後、室温、アルゴン雰囲気下で、遊星ボールミル装置を用いて2時間ミリング処理した。ミリング後の混合体:0.5gを圧力保持容器に充填し、温度:100℃、初期アンモニア圧力:0.80MPaの条件で140時間保持した。
[2. 評価]
保持後の容器内ガス圧力は、0.73MPaであった。保持後の容器内ガスの一部を採取し、ガスクロマトグラフで評価したところ、ガス中に0.3mol%の水素ガスが含まれていることが分かった。また、反応後の試料を容器から取り出して赤外分光スペクトルを測定したところ、LiBH4・nNH3に由来するピークが観測された。これらの結果から、従来技術と同様な以下の反応が起きたと考えられる。
LiBH4+nNH3→LiBH4・nNH3(n=1〜4) ・・・(1)
LiBH4+NH3→LiBH3NH2+H2 ・・・(2)
但し、式(1)の水素発生量(理論値)は0mass%、式(2)の水素発生量(理論値)は5.2mass%である。また、式(2)の実際の反応率は1%程度である。
(比較例2)
[1. 試料の作製]
室温、アルゴン雰囲気下で、遊星ボールミル装置を用いて、LiBH4を2時間ミリング処理した。ミリング後の粉末:0.5gを圧力保持容器に充填し、温度:100℃、初期アンモニア圧力:0.60MPaの条件で140時間保持した。
[2. 評価]
保持後の容器内ガス圧力は、0.58MPaであった。保持後の容器内ガスの一部を採取し、ガスクロマトグラフで評価したところ、ガス中に0.1mol%の水素ガスが含まれていることが分かった。また、反応後の試料を容器から取り出して赤外分光スペクトルを測定したところ、LiBH4・nNH3に由来するピークが観測された。これらの結果から、比較例1と同様な反応が起きたと考えられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る混合体及びその製造方法、水素ガスの製造方法、並びに、水素発生装置は、燃料電池システム用の水素貯蔵手段、超高純度水素製造装置、ケミカル式ヒートポンプ、アクチュエータ、金属−水素蓄電池用の水素貯蔵体等に使用することができる。

Claims (8)

  1. LiBH4とNiCl2とを含む配合物を混合することにより得られ、アンモニアと反応させるために用いられる混合体。
  2. 前記混合は、混合粉砕である請求項1に記載の混合体。
  3. 前記配合物は、
    LiBH4+xNiCl2(xはモル比;0<x≦0.3)
    で表される組成を有する請求項1又は2に記載の混合体。
  4. LiBH4とNiCl2とを配合する配合工程と、
    前記配合工程で得られた配合物を混合する混合工程と、
    を備えた混合体の製造方法。
  5. 前記混合工程は、前記配合物を混合粉砕するものである請求項4に記載の混合体の製造方法。
  6. 請求項1から3までのいずれかに記載の混合体と、アンモニアとを反応させる反応工程
    を備えた水素ガスの製造方法。
  7. 請求項1から3までのいずれかに記載の混合体を収容するための混合体容器と、
    アンモニアを収容するためのアンモニア容器と、
    前記アンモニア容器から前記混合体容器に前記アンモニアを供給するためのアンモニア供給装置と、
    前記混合体容器内において、前記混合体と前記アンモニアとの反応により生じた水素を前記混合体容器から排出する水素排出装置と、
    を備えた水素発生装置。
  8. 前記混合体容器を所定の温度に加熱するための加熱装置をさらに備えた請求項7に記載の水素発生装置。
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