JP2007070203A - 複合水素貯蔵材料及び水素生成貯蔵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 相対的に低温で相対的に多量の水素を放出することが可能な複合水素貯蔵材料及びこれを用いた水素生成貯蔵装置を提供すること。
【解決手段】 NH3BH3と、金属水素化物とを機械的粉砕混合処理することにより得られる複合水素貯蔵材料。また、本発明に係る複合水素貯蔵材料12と、複合水素貯蔵材料を収容する容器14、24とを備えた水素生成貯蔵装置10、20。水素生成貯蔵装置20は、さらに熱分解手段26を備えたものでも良い。
【選択図】 図3
【解決手段】 NH3BH3と、金属水素化物とを機械的粉砕混合処理することにより得られる複合水素貯蔵材料。また、本発明に係る複合水素貯蔵材料12と、複合水素貯蔵材料を収容する容器14、24とを備えた水素生成貯蔵装置10、20。水素生成貯蔵装置20は、さらに熱分解手段26を備えたものでも良い。
【選択図】 図3
Description
本発明は、複合水素貯蔵材料及び水素生成貯蔵装置に関し、さらに詳しくは、相対的に低温における熱分解又は加水分解により水素を放出することが可能な複合水素貯蔵材料、及び、これを用いた水素生成貯蔵装置に関する。
近年、二酸化炭素の排出による地球の温暖化等の環境問題や、石油資源の枯渇等のエネルギー問題から、クリーンな代替エネルギーとして水素エネルギーが注目されている。水素は、クリーンであるだけでなく、最も軽い燃料であり、質量当たりのエネルギー密度が大きいという特徴がある。しかしながら、水素は、常温・常圧では気体であり、単位体積当たりのエネルギー貯蔵量が小さいという欠点がある。そのため、水素エネルギーを実用化するためには、水素を安全にかつ効率的に貯蔵、輸送する技術の開発が重要となる。
水素を貯蔵する方法としては、
(1) 高圧の水素ガスを耐圧容器に貯蔵する第1の方法、
(2) 液体水素を断熱容器に貯蔵する第2の方法、
(3) ある種の材料に水素を物理的又は化学的に吸着させる第3の方法、
などが知られている。
これらの内、第1の方法は、耐圧容器の重量が大きく、かつ、水素ガスの圧縮には限界があるので、単位体積当たり及び単位重量当たりの水素密度は相対的に小さい。また、第2の方法は、液化によって水素の体積を大幅に縮小することはできるが、水素の液化に多量のエネルギーを消費し、かつ、液体水素の貯蔵のために特殊な断熱容器が必要となる。これに対し、第3の方法は、液体水素と同等以上の密度で水素を貯蔵でき、かつ、貯蔵のために特殊な容器や多量のエネルギーを必要としないので、輸送可能な水素貯蔵方法として注目されている。
(1) 高圧の水素ガスを耐圧容器に貯蔵する第1の方法、
(2) 液体水素を断熱容器に貯蔵する第2の方法、
(3) ある種の材料に水素を物理的又は化学的に吸着させる第3の方法、
などが知られている。
これらの内、第1の方法は、耐圧容器の重量が大きく、かつ、水素ガスの圧縮には限界があるので、単位体積当たり及び単位重量当たりの水素密度は相対的に小さい。また、第2の方法は、液化によって水素の体積を大幅に縮小することはできるが、水素の液化に多量のエネルギーを消費し、かつ、液体水素の貯蔵のために特殊な断熱容器が必要となる。これに対し、第3の方法は、液体水素と同等以上の密度で水素を貯蔵でき、かつ、貯蔵のために特殊な容器や多量のエネルギーを必要としないので、輸送可能な水素貯蔵方法として注目されている。
水素を物理的又は化学的に吸着(貯蔵)できる材料としては、具体的には、
(1) 活性炭、フラーレン、ナノチューブ等の炭素材料、
(2) LaNi5、TiFe等の水素吸蔵合金、
などが知られている。
これらの内、水素吸蔵合金は、炭素材料に比べて単位体積当たりの水素密度が高いので、水素を貯蔵・輸送するための水素貯蔵材料として有望視されている。しかしながら、LaNi5、TiFe等の水素吸蔵合金は、La、Ni、Ti等の希少金属を含んでいるため、その資源確保が困難であり、コストも高いという問題がある。また、従来の水素吸蔵合金は、合金自体の重量が大きいために、単位重量当たりの水素密度が小さい、すなわち、大量の水素を貯蔵するために極めて重い貯蔵材料を必要とするという問題がある。
(1) 活性炭、フラーレン、ナノチューブ等の炭素材料、
(2) LaNi5、TiFe等の水素吸蔵合金、
などが知られている。
これらの内、水素吸蔵合金は、炭素材料に比べて単位体積当たりの水素密度が高いので、水素を貯蔵・輸送するための水素貯蔵材料として有望視されている。しかしながら、LaNi5、TiFe等の水素吸蔵合金は、La、Ni、Ti等の希少金属を含んでいるため、その資源確保が困難であり、コストも高いという問題がある。また、従来の水素吸蔵合金は、合金自体の重量が大きいために、単位重量当たりの水素密度が小さい、すなわち、大量の水素を貯蔵するために極めて重い貯蔵材料を必要とするという問題がある。
そこでこの問題を解決するために、軽元素を含む各種の水素貯蔵材料の開発が試みられている。例えば、非特許文献1には、燃料電池用の水素貯蔵材料としての使用が検討されているNH3BH3の製造方法、性質、リサイクル性等が開示されている。同文献には、(a)NH3BH3は、20wt%の水素を含み、水中や大気中で安定である点、
(b)NH3BH3の熱分解に伴い、多量の水素が放出される点、及び、
(c)NH3BH3をTGA−DSC解析すると、約117℃から水素の放出に伴う急峻な発熱ピークが生ずる点、が記載されている。
(b)NH3BH3の熱分解に伴い、多量の水素が放出される点、及び、
(c)NH3BH3をTGA−DSC解析すると、約117℃から水素の放出に伴う急峻な発熱ピークが生ずる点、が記載されている。
また、特許文献1には、NH3BH3を機械的手段により分解し、水素を生成させる水素生成方法が開示されている。同文献には、
(a)NH3BH3に機械的エネルギを加えると、N−H結合及びB−H結合が徐々に切れ、水素が放出される点、及び、
(b)NH3BH3に金属又は非金属の窒化物を加え、この混合物に機械的エネルギを加えると、NH2BH3から生成した水素が窒化物に貯蔵される点、が記載されている。
(a)NH3BH3に機械的エネルギを加えると、N−H結合及びB−H結合が徐々に切れ、水素が放出される点、及び、
(b)NH3BH3に金属又は非金属の窒化物を加え、この混合物に機械的エネルギを加えると、NH2BH3から生成した水素が窒化物に貯蔵される点、が記載されている。
FY2002 Progress Report, Hydrogen, Fuel Cells, and Infrastructure Technologies, "V.A.1 Analysis of Hydrogen Production Using Ammonia and Ammonia-Borane Complex for Fuel Cell Applications", p.537-542
特開2005−067922号公報
水素貯蔵材料を燃料電池システムなどの水素エネルギーシステムに応用する場合、単位体積当たり及び単位重量当たりの水素密度だけでなく、水素放出温度も重要な要素となる。一般に、水素貯蔵材料の水素放出温度が低くなるほど、及び/又は、水素放出温度における水素放出量が多くなるほど、水素エネルギーシステムを高効率化することができる。
NH3BH3は、単位重量当たりの水素密度が大きく、かつ、水素放出開始温度(水素を放出し始める最低温度)が相対的に低いという特徴がある(非特許文献1参照)。しかしながら、水素エネルギーシステムを高効率化するためには、水素放出開始温度をさらに低下させることが望まれる。
また、NH3BH3は、機械的エネルギーを加えるだけでも水素を放出し、水素放出のために必ずしも加熱を必要としないという特徴がある(特許文献1参照)。しかしながら、NH3BH3に機械的エネルギーを加えるためには、相応の機械的手段が必要となる。そのため、この方法は、特に携帯機器あるいは小型機器への適用に限界がある。
NH3BH3は、単位重量当たりの水素密度が大きく、かつ、水素放出開始温度(水素を放出し始める最低温度)が相対的に低いという特徴がある(非特許文献1参照)。しかしながら、水素エネルギーシステムを高効率化するためには、水素放出開始温度をさらに低下させることが望まれる。
また、NH3BH3は、機械的エネルギーを加えるだけでも水素を放出し、水素放出のために必ずしも加熱を必要としないという特徴がある(特許文献1参照)。しかしながら、NH3BH3に機械的エネルギーを加えるためには、相応の機械的手段が必要となる。そのため、この方法は、特に携帯機器あるいは小型機器への適用に限界がある。
本発明が解決しようとする課題は、相対的に低温で相対的に多量の水素を放出することが可能な複合水素貯蔵材料及びこれを用いた水素生成貯蔵装置を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、携帯機器あるいは小型機器への適用も可能な複合水素貯蔵材料及びこれを用いた水素生成貯蔵装置を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、携帯機器あるいは小型機器への適用も可能な複合水素貯蔵材料及びこれを用いた水素生成貯蔵装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る複合水素貯蔵材料は、NH3BH3と、金属水素化物とを機械的粉砕混合処理することにより得られるものからなる。
また、本発明に係る水素生成貯蔵装置は、本発明に係る複合水素貯蔵材料と、該複合水素貯蔵材料を収容する容器とを備えている。この場合、前記複合水素貯蔵材料を加熱し、熱分解させる熱分解手段、及び/又は、前記複合水素貯蔵材料を加水分解させる加水分解手段をさらに備えているのが好ましい。
また、本発明に係る水素生成貯蔵装置は、本発明に係る複合水素貯蔵材料と、該複合水素貯蔵材料を収容する容器とを備えている。この場合、前記複合水素貯蔵材料を加熱し、熱分解させる熱分解手段、及び/又は、前記複合水素貯蔵材料を加水分解させる加水分解手段をさらに備えているのが好ましい。
NH3BH3と金属水素化物とを機械的粉砕混合処理すると、NH3BH3からの水素発生に伴う反応熱と機械的粉砕エネルギーによって、新規な複合水素貯蔵材料が生成する。得られた複合水素貯蔵材料は、熱的に不安定であり、相対的に低温(約50〜60℃)で熱分解し、水素を放出する。また、NH3BH3自身は水に対して安定であるが、複合水素貯蔵材料は、水と接触させることによって容易に加水分解し、水素を放出する。そのため、このような複合水素貯蔵材料を加熱し、あるいは、水と接触させることが可能な容器に収容すれば、携帯機器あるいは小型機器へも適用可能な水素生成貯蔵装置となる。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る複合水素貯蔵材料は、NH3BH3と、金属水素化物とを機械的粉砕混合処理することにより得られる。
NH3BH3は、「アンモニアボラン」、「ボラジン」、「アミノボラン」などと呼ばれ、H3BNH3とも記される。NH3BN3は、
(1) 融点が112〜114℃である、
(2) 水に可溶であり、通常は水と激しく反応しない、
(3) 熱分解によって水素を放出し、NH2BH2(ポリアミノボラン)、(HBNH)3(ボラジン)等を経て、最終的にはBNまで分解する、
(4) NH3BH3の熱分解により生成したBN(又は、(HBNH)3)とCH4及びH2Oとを所定の条件下で反応させると、NH3BH3に戻すことができる、
などの特徴がある。
本発明に係る複合水素貯蔵材料は、NH3BH3と、金属水素化物とを機械的粉砕混合処理することにより得られる。
NH3BH3は、「アンモニアボラン」、「ボラジン」、「アミノボラン」などと呼ばれ、H3BNH3とも記される。NH3BN3は、
(1) 融点が112〜114℃である、
(2) 水に可溶であり、通常は水と激しく反応しない、
(3) 熱分解によって水素を放出し、NH2BH2(ポリアミノボラン)、(HBNH)3(ボラジン)等を経て、最終的にはBNまで分解する、
(4) NH3BH3の熱分解により生成したBN(又は、(HBNH)3)とCH4及びH2Oとを所定の条件下で反応させると、NH3BH3に戻すことができる、
などの特徴がある。
本発明において、「金属水素化物」とは、ある金属原子又は金属イオンの回りに水素原子又は水素を含む原子団が結合した化合物をいう。水素を含む原子団としては、具体的には、[NH2]−、[NH]2−、[BH4]−、[AlH4]−、[AlH6]3−などがある。
本発明において、金属水素化物の種類は、特に限定されるものではなく、種々の金属水素化物を使用することができる。金属水素化物としては、具体的には、
(1) LiH、NaH、KH、RbHなどのアルカリ金属水素化物、
(2) BeH2、MgH2、CaH2、SrH2、BaH2などのアルカリ土類金属水素化物、
(3) Be(AlH4)2、Mg(AlH4)2、Ca(AlH4)2、Sr(AlH4)2、LiAlH4、NaAlH4、KAlH4、Li3AlH6、Na3AlH6などのアルカリ金属又はアルカリ土類金属とアルミニウムを含む錯体水素化物(アルカリアルミニウム水素化物)、
(4) LiBH4、NaBH4などのボロハイドライド、
などがある。これらの金属水素化物は、それぞれ、単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの中でも、アルカリアルミニウム水素化物は、相対的に水素放出量が多いので、複合水素貯蔵材料を構成する金属水素化物として特に好適である。
本発明において、金属水素化物の種類は、特に限定されるものではなく、種々の金属水素化物を使用することができる。金属水素化物としては、具体的には、
(1) LiH、NaH、KH、RbHなどのアルカリ金属水素化物、
(2) BeH2、MgH2、CaH2、SrH2、BaH2などのアルカリ土類金属水素化物、
(3) Be(AlH4)2、Mg(AlH4)2、Ca(AlH4)2、Sr(AlH4)2、LiAlH4、NaAlH4、KAlH4、Li3AlH6、Na3AlH6などのアルカリ金属又はアルカリ土類金属とアルミニウムを含む錯体水素化物(アルカリアルミニウム水素化物)、
(4) LiBH4、NaBH4などのボロハイドライド、
などがある。これらの金属水素化物は、それぞれ、単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの中でも、アルカリアルミニウム水素化物は、相対的に水素放出量が多いので、複合水素貯蔵材料を構成する金属水素化物として特に好適である。
本発明に係る複合水素貯蔵材料は、具体的には、以下のような手順により作製する。
まず、出発原料であるNH3BH3及び金属水素化物を所定の比率で配合する。
NH3BH3と金属水素化物の配合比率は、複合水素貯蔵材料の水素放出開始温度、水素放出速度、及び、加水分解速度(以下、これらを総称して、「分解特性」という。)に影響を及ぼす。一般に、金属水素化物の含有量が多すぎる場合及び少なすぎる場合のいずれも、複合水素貯蔵材料の分解特性を低下させる。一方、金属水素化物の含有量を最適化すると、複合水素貯蔵材料の分解特性は、その構成材料であるNH3BH3及び金属水素化物と同等以上となる。具体的には、水素放出開始温度が低下し、水素放出速度のピーク温度がより低温側にシフトし、あるいは、加水分解速度が向上する。しかも、分解特性の向上の程度は、金属水素化物の種類に応じて異なる。従って、金属水素化物の配合比率は、分解特性が最も高くなるように、金属水素化物の種類に応じて、最適な比率を選択するのが好ましい。
また、出発原料の形態は、特に限定されるものではないが、通常は、粉末を用いる。また、出発原料として粉末を用いる場合、その粒径は、特に限定されるものではない。一般に、出発原料として粒径の細かい粉末を用いるほど、複合化させる際の負荷を軽減することができる。一方、必要以上に細かい粉末を出発原料として用いると、粉末表面が酸化等により被毒されるおそれがある。従って、粉末の粒径は、作業性、コスト、被毒の有無等を考慮して、最適な粒径を選択するのが好ましい。
まず、出発原料であるNH3BH3及び金属水素化物を所定の比率で配合する。
NH3BH3と金属水素化物の配合比率は、複合水素貯蔵材料の水素放出開始温度、水素放出速度、及び、加水分解速度(以下、これらを総称して、「分解特性」という。)に影響を及ぼす。一般に、金属水素化物の含有量が多すぎる場合及び少なすぎる場合のいずれも、複合水素貯蔵材料の分解特性を低下させる。一方、金属水素化物の含有量を最適化すると、複合水素貯蔵材料の分解特性は、その構成材料であるNH3BH3及び金属水素化物と同等以上となる。具体的には、水素放出開始温度が低下し、水素放出速度のピーク温度がより低温側にシフトし、あるいは、加水分解速度が向上する。しかも、分解特性の向上の程度は、金属水素化物の種類に応じて異なる。従って、金属水素化物の配合比率は、分解特性が最も高くなるように、金属水素化物の種類に応じて、最適な比率を選択するのが好ましい。
また、出発原料の形態は、特に限定されるものではないが、通常は、粉末を用いる。また、出発原料として粉末を用いる場合、その粒径は、特に限定されるものではない。一般に、出発原料として粒径の細かい粉末を用いるほど、複合化させる際の負荷を軽減することができる。一方、必要以上に細かい粉末を出発原料として用いると、粉末表面が酸化等により被毒されるおそれがある。従って、粉末の粒径は、作業性、コスト、被毒の有無等を考慮して、最適な粒径を選択するのが好ましい。
次に、所定の比率で配合された出発原料を機械的混合粉砕処理により複合化する。
ここで、「機械的混合粉砕処理」とは、回転、振動、衝撃等によって、出発原料に機械的エネルギーを加え、粉砕しながら均一に混合する処理をいう。このような機械的混合粉砕処理としては、具体的には、
(1) 乳鉢で原料粉末を混合粉砕する処理、
(2) 遊星ボールミル、回転ミル、振動ミル等の粉砕機を用いて、原料粉末を混合粉砕する処理(いわゆる、「メカニカルグラインディング(MG)処理」)、
などがある。
機械的混紡粉砕処理を行うと、複合水素貯蔵材料の分解特性を著しく向上させる作用がある。特に、MG処理は、出発原料の均一、かつ、微細な混合物が得られ、かつ、出発原料を不安定化させる作用が大きいので、出発原料の処理方法として好適である。
ここで、「機械的混合粉砕処理」とは、回転、振動、衝撃等によって、出発原料に機械的エネルギーを加え、粉砕しながら均一に混合する処理をいう。このような機械的混合粉砕処理としては、具体的には、
(1) 乳鉢で原料粉末を混合粉砕する処理、
(2) 遊星ボールミル、回転ミル、振動ミル等の粉砕機を用いて、原料粉末を混合粉砕する処理(いわゆる、「メカニカルグラインディング(MG)処理」)、
などがある。
機械的混紡粉砕処理を行うと、複合水素貯蔵材料の分解特性を著しく向上させる作用がある。特に、MG処理は、出発原料の均一、かつ、微細な混合物が得られ、かつ、出発原料を不安定化させる作用が大きいので、出発原料の処理方法として好適である。
機械的混合粉砕処理は、出発原料の酸化を防ぐために、非酸化雰囲気下(例えば、アルゴン雰囲気下、水素雰囲気下など)で行うのが好ましい。
また、機械的混合粉砕処理の処理時間は、出発原料の均一かつ微細な混合物が得られるように、処理方法、出発原料の種類、形態等に応じて、最適な処理時間を選択する。一般に、処理時間が長くなるほど、出発原料が微細に粉砕され、粉砕された粉末が均一に混合した複合体が得られる。また、適度な粉砕処理は、出発原料を熱的に不安定にさせ、分解特性を向上させる作用がある。一方、必要以上の処理は、実益がないだけでなく、粉砕中に多量の水素を放出する場合がある。従って、機械的混合粉砕処理の処理時間は、出発原料の種類及び組成に応じて、最適な時間を選択するのが好ましい。出発原料として粉末を用いてMG処理する場合、処理時間は、通常、1〜数十時間程度である。
また、機械的混合粉砕処理の処理時間は、出発原料の均一かつ微細な混合物が得られるように、処理方法、出発原料の種類、形態等に応じて、最適な処理時間を選択する。一般に、処理時間が長くなるほど、出発原料が微細に粉砕され、粉砕された粉末が均一に混合した複合体が得られる。また、適度な粉砕処理は、出発原料を熱的に不安定にさせ、分解特性を向上させる作用がある。一方、必要以上の処理は、実益がないだけでなく、粉砕中に多量の水素を放出する場合がある。従って、機械的混合粉砕処理の処理時間は、出発原料の種類及び組成に応じて、最適な時間を選択するのが好ましい。出発原料として粉末を用いてMG処理する場合、処理時間は、通常、1〜数十時間程度である。
このようにして得られた複合水素貯蔵材料は、粉末状態のまま使用しても良く、あるいは、これを適当な大きさに成形した圧粉体の状態で使用しても良い。また、後述する本発明に係る水素発生貯蔵装置に収容して使用しても良い。さらに、粉末の表面を他の材料(例えば、銅などの熱伝導性の良い材料)からなる被膜で被覆し、これを成形して使用しても良い。この場合、被覆方法には、PVD法、CVD法などの物理的方法を用いるのが好ましい。
また、本発明に係る複合水素貯蔵材料は、水素を可逆的に吸蔵放出することができるものではない。すなわち、複合水素貯蔵材料から水素を放出させた後に残る残留物と、水素とを直接反応させても、複合水素貯蔵材料には戻らない。しかしながら、残留物のリサイクル処理は容易である。残留物のリサイクルは、具体的には、以下のようにして行う。
すなわち、まず、残留物を高温に加熱する。例えば、金属水素化物がアルカリ金属、アルカリ土類金属等を含む場合、これらの金属と、NH2BH2の分解生成物であるBNとは融点が異なるので、残留物を約1000℃に加熱することによって両者を分離することができる。分離されたBNは、そのまま潤滑剤等に使用しても良く、あるいは、CH4との水蒸気改質によりNH3BH3に戻しても良い。また、分離されたアルカリ金属、アルカリ土類金属等は、水素還元処理すれば、水素化物にすることができる。
すなわち、まず、残留物を高温に加熱する。例えば、金属水素化物がアルカリ金属、アルカリ土類金属等を含む場合、これらの金属と、NH2BH2の分解生成物であるBNとは融点が異なるので、残留物を約1000℃に加熱することによって両者を分離することができる。分離されたBNは、そのまま潤滑剤等に使用しても良く、あるいは、CH4との水蒸気改質によりNH3BH3に戻しても良い。また、分離されたアルカリ金属、アルカリ土類金属等は、水素還元処理すれば、水素化物にすることができる。
次に、本発明に係る複合水素貯蔵材料の作用について説明する。
NH3BH3のみをMG処理すると、次の(1)式に示すように、水素を放出すると同時に、ポリマー状のH2BNH2(ポリアミノボラン、アモルファスポリマ)が生成する。このアモルファスポリマは、実際には、(NH2BH2)n(n=2、3、4、5)などの複数の形態となって存在する。しかも、この反応は、発熱反応である。
NH3BH3→NH2BH2+H2↑ ・・・(1)
このようなNH3BH3に金属水素化物を加えて機械的粉砕混合処理すると、材料が微細化すると同時に、NH3BH3からの水素発生に伴う反応熱と機械的粉砕エネルギーによってメカノケミカル反応が進行し、複合水素貯蔵材料が生成する。
得られた複合水素貯蔵材料は、X線回折では組成の特定が困難な新規物質であり、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの金属原子を含み、かつ、NH結合及びBH結合を含む物質である。また、複合水素貯蔵材料の構造の詳細も不明であるが、おそらく、図1に示すように、不安定化した金属水素化物の周囲に、水素を含んだ多孔質ポリマ(ポリマー状のH2BNH2)が被覆されたナノ粒子の複合体になっていると考えられる。
NH3BH3のみをMG処理すると、次の(1)式に示すように、水素を放出すると同時に、ポリマー状のH2BNH2(ポリアミノボラン、アモルファスポリマ)が生成する。このアモルファスポリマは、実際には、(NH2BH2)n(n=2、3、4、5)などの複数の形態となって存在する。しかも、この反応は、発熱反応である。
NH3BH3→NH2BH2+H2↑ ・・・(1)
このようなNH3BH3に金属水素化物を加えて機械的粉砕混合処理すると、材料が微細化すると同時に、NH3BH3からの水素発生に伴う反応熱と機械的粉砕エネルギーによってメカノケミカル反応が進行し、複合水素貯蔵材料が生成する。
得られた複合水素貯蔵材料は、X線回折では組成の特定が困難な新規物質であり、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの金属原子を含み、かつ、NH結合及びBH結合を含む物質である。また、複合水素貯蔵材料の構造の詳細も不明であるが、おそらく、図1に示すように、不安定化した金属水素化物の周囲に、水素を含んだ多孔質ポリマ(ポリマー状のH2BNH2)が被覆されたナノ粒子の複合体になっていると考えられる。
このようにして得られた複合水素貯蔵材料は、熱的に不安定であるので、相対的に低温(約50〜60℃)で熱分解し、水素を容易に放出する。しかも、その分解温度は、NH3BH3単独、あるいは、金属水素化物単独よりも低くなる。
また、NH3BH3自身は水に対して安定であるのに対し、複合水素貯蔵材料は、水と接触させることによって加水分解し、水素を容易に放出する。これは、機械的混合粉砕処理によって、活性な表面が露出するためと考えられる。
さらに、本発明に係る複合水素貯蔵材料は、相対的に少量の熱量を供給する手段、あるいは、水を供給する手段があれば、容易に水素を放出させることができる。そのため、これを用いて水素生成貯蔵装置を構成すれば、水素発生源を必要とする携帯機器あるいは小型機器への適用も可能となる。
また、NH3BH3自身は水に対して安定であるのに対し、複合水素貯蔵材料は、水と接触させることによって加水分解し、水素を容易に放出する。これは、機械的混合粉砕処理によって、活性な表面が露出するためと考えられる。
さらに、本発明に係る複合水素貯蔵材料は、相対的に少量の熱量を供給する手段、あるいは、水を供給する手段があれば、容易に水素を放出させることができる。そのため、これを用いて水素生成貯蔵装置を構成すれば、水素発生源を必要とする携帯機器あるいは小型機器への適用も可能となる。
次に、本発明に係る水素生成貯蔵装置について説明する。
図2(a)に、本発明の第1の実施の形態に係る水素生成貯蔵装置を示す。図2(a)において、水素生成貯蔵装置10は、複合水素貯蔵材料12と、容器14とを備えている。複合水素貯蔵材料12は、NH3BH3と金属水素化物とを機械的混合粉砕処理することにより得られたものからなる。容器14への複合水素貯蔵材料12の投入量は、容器14の容積、必要とされる水素発生量等に応じて、最適な量を選択する。
容器14は、本体14aと、蓋14bとを備えている。本体14aと蓋14bとは、ネジにより密閉するようになっている。また、蓋14bには、バルブ14cが設けられ、本体14a内で発生した水素を必要量だけ取り出せるようになっている。
図2(a)に、本発明の第1の実施の形態に係る水素生成貯蔵装置を示す。図2(a)において、水素生成貯蔵装置10は、複合水素貯蔵材料12と、容器14とを備えている。複合水素貯蔵材料12は、NH3BH3と金属水素化物とを機械的混合粉砕処理することにより得られたものからなる。容器14への複合水素貯蔵材料12の投入量は、容器14の容積、必要とされる水素発生量等に応じて、最適な量を選択する。
容器14は、本体14aと、蓋14bとを備えている。本体14aと蓋14bとは、ネジにより密閉するようになっている。また、蓋14bには、バルブ14cが設けられ、本体14a内で発生した水素を必要量だけ取り出せるようになっている。
次に、水素生成貯蔵装置10の使用方法について説明する。
複合水素貯蔵材料12を熱分解させる場合、まず、適量の複合水素貯蔵材料12を本体14aに入れ、蓋14bを閉じる。次いで、外部加熱源(図示せず)を用いて本体14aを加熱する。外部加熱源は、複合水素貯蔵材料12に、熱分解に必要な熱量を供給可能なものであればよい。外部加熱源としては、具体的には、熱風、湯、赤外線、各種ヒータなどがある。外部加熱源によって本体14aが適温に加熱されると、複合水素貯蔵材料12が熱分解し、水素が本体14a内に充満する。そして、必要に応じてバルブ14cを開くと、必要量の水素を取り出すことができる。
また、複合水素貯蔵材料12を加水分解させる場合、まず、適量の複合水素貯蔵材料12と、これを加水分解させる作用を有する物質(加水分解物質)とを本体14a内に入れ、蓋14bを閉じる。加水分解物質としては、具体的には、水、加熱によって水を放出する水和物などがある。また、水和物としては、メタンガス等の包接水和物、CuSO4・5H2O、Na2B47・10H2O、NaBr・2H2Oなどがある。例えば、加水分解物質が水である場合、本体14a内に水を添加することによって直ちに複合水素貯蔵材料12が加水分解し、水素が本体14a内に充満する。また、例えば、加水分解物質が加熱により水を放出する水和物である場合、本体14a内に加水分解物質を添加し、外部熱源によって本体14aを加熱することによって、水素が生成する。そして、必要に応じてバルブ14cを開くと、必要量の水素を取り出すことができる。
なお、複合水素貯蔵材料12を熱分解させる場合及び加水分解させる場合のいずれも、水素が発生した当初にバルブ14cを開けて、本体14a内の空気を排出しても良い。また、複合水素貯蔵材料12を外部加熱源により熱分解させた後、本体14a内に加水分解物質を加え、複合水素貯蔵材料12をさらに加水分解させても良い。
複合水素貯蔵材料12を熱分解させる場合、まず、適量の複合水素貯蔵材料12を本体14aに入れ、蓋14bを閉じる。次いで、外部加熱源(図示せず)を用いて本体14aを加熱する。外部加熱源は、複合水素貯蔵材料12に、熱分解に必要な熱量を供給可能なものであればよい。外部加熱源としては、具体的には、熱風、湯、赤外線、各種ヒータなどがある。外部加熱源によって本体14aが適温に加熱されると、複合水素貯蔵材料12が熱分解し、水素が本体14a内に充満する。そして、必要に応じてバルブ14cを開くと、必要量の水素を取り出すことができる。
また、複合水素貯蔵材料12を加水分解させる場合、まず、適量の複合水素貯蔵材料12と、これを加水分解させる作用を有する物質(加水分解物質)とを本体14a内に入れ、蓋14bを閉じる。加水分解物質としては、具体的には、水、加熱によって水を放出する水和物などがある。また、水和物としては、メタンガス等の包接水和物、CuSO4・5H2O、Na2B47・10H2O、NaBr・2H2Oなどがある。例えば、加水分解物質が水である場合、本体14a内に水を添加することによって直ちに複合水素貯蔵材料12が加水分解し、水素が本体14a内に充満する。また、例えば、加水分解物質が加熱により水を放出する水和物である場合、本体14a内に加水分解物質を添加し、外部熱源によって本体14aを加熱することによって、水素が生成する。そして、必要に応じてバルブ14cを開くと、必要量の水素を取り出すことができる。
なお、複合水素貯蔵材料12を熱分解させる場合及び加水分解させる場合のいずれも、水素が発生した当初にバルブ14cを開けて、本体14a内の空気を排出しても良い。また、複合水素貯蔵材料12を外部加熱源により熱分解させた後、本体14a内に加水分解物質を加え、複合水素貯蔵材料12をさらに加水分解させても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る水素生成貯蔵装置について説明する。図2(b)に、本実施の形態に係る水素生成貯蔵装置を示す。図2(b)において、水素生成貯蔵装置20は、複合水素貯蔵材料12と、容器24と、熱分解手段26とを備えている。容器24は、本体24aと、蓋24bとを備えている。本体24aと蓋24bとは、ネジにより密閉するようになっている。また、蓋24bには、バルブ14cが設けられ、本体24a内で発生した水素を必要量だけ取り出せるようになっている。さらに、本体24aの下部には、熱分解手段26が設けられている。
熱分解手段26は、複合水素貯蔵材料12に熱分解に必要な熱量を供給できるものであれば良い。熱分解手段26としては、具体的には、ヒーター、鉄粉を酸化させることにより熱を発生させる熱源などがある。特に、鉄粉の酸化熱を利用した熱源は、エネルギー源(例えば、電気)が不要であり、鉄粉を酸素に触れさせるだけで簡単に熱が得られ、かつ、相対的に長時間発熱させることができるので、熱分解手段26として特に好適である。
鉄粉の酸化熱を利用する熱源には、いわゆる使い捨てカイロと同様の混合物、すなわち、鉄粉、触媒(例えば、食塩)、活性炭、及び、水を含む混合物を用いる。また、各成分の割合は、市販の使い捨てカイロとほぼ同様の割合(例えば、鉄粉54%−活性炭15%−食塩3%−水28%)で良い。また、この場合、鉄粉を含む混合物が収容された本体24aの下部に、開閉可能な通気口を設けるのが好ましい。開閉可能な通気口を設けておくと、通気口を開けることにより、鉄粉の酸化反応が進行し、熱を発生させることができる。また、通気口を閉じると、鉄粉の酸化反応が停止し、発熱を停止させることができる。
熱分解手段26は、複合水素貯蔵材料12に熱分解に必要な熱量を供給できるものであれば良い。熱分解手段26としては、具体的には、ヒーター、鉄粉を酸化させることにより熱を発生させる熱源などがある。特に、鉄粉の酸化熱を利用した熱源は、エネルギー源(例えば、電気)が不要であり、鉄粉を酸素に触れさせるだけで簡単に熱が得られ、かつ、相対的に長時間発熱させることができるので、熱分解手段26として特に好適である。
鉄粉の酸化熱を利用する熱源には、いわゆる使い捨てカイロと同様の混合物、すなわち、鉄粉、触媒(例えば、食塩)、活性炭、及び、水を含む混合物を用いる。また、各成分の割合は、市販の使い捨てカイロとほぼ同様の割合(例えば、鉄粉54%−活性炭15%−食塩3%−水28%)で良い。また、この場合、鉄粉を含む混合物が収容された本体24aの下部に、開閉可能な通気口を設けるのが好ましい。開閉可能な通気口を設けておくと、通気口を開けることにより、鉄粉の酸化反応が進行し、熱を発生させることができる。また、通気口を閉じると、鉄粉の酸化反応が停止し、発熱を停止させることができる。
次に、水素生成貯蔵装置20の使用方法について説明する。
まず、適量の複合水素貯蔵材料12を本体24aに入れ、蓋24bを閉じる。次いで、熱分解手段26を用いて本体24aを加熱する。例えば、熱分解手段26が鉄粉の酸化熱を利用した熱源である場合、鉄粉を含む混合物を空気と接触させるだけで良い。熱分解手段26によって本体24aが適温に加熱されると、複合水素貯蔵材料12が熱分解し、水素が本体24a内に充満する。そして、必要に応じてバルブ24cを開くと、必要量の水素を取り出すことができる。
また、本体24a内に複合水素貯蔵材料12と加水分解物質を入れ、熱分解手段26によって本体24aを加熱しても良い。これにより、複合水素貯蔵材料12が加水分解し、水素が発生する。そして、必要に応じてバルブ24cを開くと、必要量の水素を取り出すことができる。
なお、複合水素貯蔵材料12を熱分解させる場合において、水素が発生した当初にバルブ24cを開けて、本体24a内の空気を排出しても良い。また、複合水素貯蔵材料12を熱分解手段26により熱分解させた後、本体24a内に加水分解物質を加え、複合水素貯蔵材料12をさらに加水分解させても良い。
まず、適量の複合水素貯蔵材料12を本体24aに入れ、蓋24bを閉じる。次いで、熱分解手段26を用いて本体24aを加熱する。例えば、熱分解手段26が鉄粉の酸化熱を利用した熱源である場合、鉄粉を含む混合物を空気と接触させるだけで良い。熱分解手段26によって本体24aが適温に加熱されると、複合水素貯蔵材料12が熱分解し、水素が本体24a内に充満する。そして、必要に応じてバルブ24cを開くと、必要量の水素を取り出すことができる。
また、本体24a内に複合水素貯蔵材料12と加水分解物質を入れ、熱分解手段26によって本体24aを加熱しても良い。これにより、複合水素貯蔵材料12が加水分解し、水素が発生する。そして、必要に応じてバルブ24cを開くと、必要量の水素を取り出すことができる。
なお、複合水素貯蔵材料12を熱分解させる場合において、水素が発生した当初にバルブ24cを開けて、本体24a内の空気を排出しても良い。また、複合水素貯蔵材料12を熱分解手段26により熱分解させた後、本体24a内に加水分解物質を加え、複合水素貯蔵材料12をさらに加水分解させても良い。
本発明に係る水素生成貯蔵装置は、本発明に係る複合水素貯蔵材料を水素発生源として用いているので、熱分解手段を極めて簡略化することができ、あるいは、熱分解手段そのものが不要となる。そのため、水素生成貯蔵装置を小型・軽量化することができ、水素発生源を必要とする携帯機器や小型機器へも容易に適用することができる。
(実施例1)
NH3BH3とMgH2とをモル比で1:1となるように秤量した。調製した混合材料5gを、40個のクロム鋼製のボール(外径9.5mm)とともにクロム鋼製の容器(容積300ml)に入れ、遊星ボールミルP−5(FRITSCH社製)によりMG処理した。MG処理は、アルゴンガス雰囲気、室温、0.1MPa下、粉砕エネルギーを5G(モーター回転速度1300rpm)として、24時間行った。
(実施例2〜5)
MgH2に代えて、LiH(実施例2)、CaH2(実施例3)、LiAlH4(実施例4)又はNaAlH4(実施例5)を用いた以外は、実施例1と同一条件下で、複合水素貯蔵材料を作製した。
NH3BH3とMgH2とをモル比で1:1となるように秤量した。調製した混合材料5gを、40個のクロム鋼製のボール(外径9.5mm)とともにクロム鋼製の容器(容積300ml)に入れ、遊星ボールミルP−5(FRITSCH社製)によりMG処理した。MG処理は、アルゴンガス雰囲気、室温、0.1MPa下、粉砕エネルギーを5G(モーター回転速度1300rpm)として、24時間行った。
(実施例2〜5)
MgH2に代えて、LiH(実施例2)、CaH2(実施例3)、LiAlH4(実施例4)又はNaAlH4(実施例5)を用いた以外は、実施例1と同一条件下で、複合水素貯蔵材料を作製した。
MG処理後、グローブボックス中で試料を評価用セルに入れ、熱脱離法による水素分析を行った。試験温度は、室温〜500℃、昇温速度は、2℃/minとした。
図3に、実施例1で得られた複合水素貯蔵材料の水素放出量を示す。なお、図3には、NH3BH3単独及びMgH2単独の水素放出量、並びに、NH3BH3/MgH2混合物の水素放出量の計算値も併せて示した。図3より、NH3BH3とMgH2とを機械的混合粉砕処理により複合化することによって、水素放出開始温度がNH3BH3単独及びMgH2単独、並びに、計算値より低温になっていることがわかる。
また、図4〜7に、それぞれ、実施例2〜5で得られた複合水素貯蔵材料の水素放出量及び水素放出速度を示す。図4〜7より、金属水素化物の種類によらず、複合水素貯蔵材料の水素放出開始温度は、50〜60℃であることがわかる。なお、LiAlH4を用いた実施例4(図4)の低温(50〜200℃)における水素放出量が相対的に少ないのは、MG処理中に大半の水素が放出されたためである。この点については、後述する。
図3に、実施例1で得られた複合水素貯蔵材料の水素放出量を示す。なお、図3には、NH3BH3単独及びMgH2単独の水素放出量、並びに、NH3BH3/MgH2混合物の水素放出量の計算値も併せて示した。図3より、NH3BH3とMgH2とを機械的混合粉砕処理により複合化することによって、水素放出開始温度がNH3BH3単独及びMgH2単独、並びに、計算値より低温になっていることがわかる。
また、図4〜7に、それぞれ、実施例2〜5で得られた複合水素貯蔵材料の水素放出量及び水素放出速度を示す。図4〜7より、金属水素化物の種類によらず、複合水素貯蔵材料の水素放出開始温度は、50〜60℃であることがわかる。なお、LiAlH4を用いた実施例4(図4)の低温(50〜200℃)における水素放出量が相対的に少ないのは、MG処理中に大半の水素が放出されたためである。この点については、後述する。
図8〜10に、それぞれ、実施例1(NH3BH3/MgH2)、実施例2(NH3BH3/LiH)、及び、実施例3(NH3BH3/CaH2)で得られた試料のX線回折パターンを示す。図8〜10より、いずれの試料も出発原料とは異なる物質が生成していることがわかる。図8〜10に示す回折パターンに相当する物質は、いずれも登録されておらず、機械的混合粉砕処理により得られた物質を特定することはできなかった。
(実施例6)
金属水素化物としてLiAlH4を用い、MG処理時間を1時間又は6時間とした以外は、実施例1と同一条件下で複合水素貯蔵材料を作製した。得られた複合水素貯蔵材料について、実施例1と同一条件下で水素放出量を測定した。図11に、その結果を示す。なお、図11には、24時間でMG処理した試料(実施例4)の水素放出量も併せて示した。
図11より、処理時間が長くなるほど、熱分解時の水素放出量が減少していることがわかる。これは、NH3BH3/LiAlH4の組み合わせは、他の組み合わせに比べて不安定化しやすく、MG処理のみによって分解が進行し、水素が放出されるためである。
金属水素化物としてLiAlH4を用い、MG処理時間を1時間又は6時間とした以外は、実施例1と同一条件下で複合水素貯蔵材料を作製した。得られた複合水素貯蔵材料について、実施例1と同一条件下で水素放出量を測定した。図11に、その結果を示す。なお、図11には、24時間でMG処理した試料(実施例4)の水素放出量も併せて示した。
図11より、処理時間が長くなるほど、熱分解時の水素放出量が減少していることがわかる。これは、NH3BH3/LiAlH4の組み合わせは、他の組み合わせに比べて不安定化しやすく、MG処理のみによって分解が進行し、水素が放出されるためである。
(実施例7)
金属水素化物としてLiHを用いた以外は、実施例1と同一条件下で複合水素貯蔵材料を作製した。
(実施例8)
NH3BH3とLiHとを乳鉢で混合して複合水素貯蔵材料を作製した。
(比較例1)
NH3BH3をそのまま試験に供した。
(比較例2)
NH3BH3のみを3時間MG処理した。MG処理条件は、処理時間を除き、実施例1と同一とした。
金属水素化物としてLiHを用いた以外は、実施例1と同一条件下で複合水素貯蔵材料を作製した。
(実施例8)
NH3BH3とLiHとを乳鉢で混合して複合水素貯蔵材料を作製した。
(比較例1)
NH3BH3をそのまま試験に供した。
(比較例2)
NH3BH3のみを3時間MG処理した。MG処理条件は、処理時間を除き、実施例1と同一とした。
実施例7〜8及び比較例1〜2で得られた試料3gに対し、30ccの水を加え、水素放出量を測定した。図12に、その結果を示す。MG処理を施さないNH3BH3(比較例1)は、水を加えても水素をほとんど放出しなかった。これに対し、MG処理を施したNH3BH3(比較例2)及び乳鉢で混合したNH3BH3/LiH(実施例8)は、加水分解によって水素を放出した。水素放出量は、いずれも、60分間で約100ccであった。
さらに、NH3BH3/LiHのMG処理物(実施例7)は、加水分解によって相対的に多量の水素を放出した。水素放出量は、約20分間で約400ccに達した。図12より、機械的粉砕混合処理(特に、MG処理)を施した複合水素貯蔵材料は、加水分解によって多量の水素を容易に放出できることがわかる。
さらに、NH3BH3/LiHのMG処理物(実施例7)は、加水分解によって相対的に多量の水素を放出した。水素放出量は、約20分間で約400ccに達した。図12より、機械的粉砕混合処理(特に、MG処理)を施した複合水素貯蔵材料は、加水分解によって多量の水素を容易に放出できることがわかる。
(実施例9)
LiAlH4とNH3BH3とを、1:1(モル比)、2:1(モル比)、又は、95:5(wt%)となるように秤量した。調製した混合材料5gを、40個のクロム鋼製のボール(外径9.5mm)とともにクロム鋼製の容器(容積300ml)に入れ、遊星ボールミルP−5(FRITSCH社製)によりMG処理した。MG処理は、アルゴンガス雰囲気、室温、0.1MPa下、粉砕エネルギーを5G(モーター回転速度1300rpm)として、1時間行った。
得られた複合水素貯蔵材料について、実施例1と同一条件下で水素放出量及び水素放出速度を測定した。図13に、その結果を示す。LiAlH4とNH3BH3とを複合化させることによって、水素放出開始温度は、いずれも100℃以下となり、LiAlH4単独及びNH3BH3単独より低温となった。配合比率が1:1(モル比)、2:1(モル比)及び、95:5(wt%)である場合の水素放出開始温度は、それぞれ、約50℃、約60℃、及び、約70℃であった。
また、水素放出速度の最初のピーク温度は、配合比率により異なった。すなわち、配合比率が1:1(モル比)、2:1(モル比)、及び、95:5(wt%)である場合、水素放出速度の最初のピーク温度は、それぞれ、約140℃、約110℃、及び、約200℃であった。図13より、NH3BH3と金属水素化物の配合比率を最適化することによって、水素放出開始温度及び水素放出速度の最初のピーク温度を制御できることがわかる。
LiAlH4とNH3BH3とを、1:1(モル比)、2:1(モル比)、又は、95:5(wt%)となるように秤量した。調製した混合材料5gを、40個のクロム鋼製のボール(外径9.5mm)とともにクロム鋼製の容器(容積300ml)に入れ、遊星ボールミルP−5(FRITSCH社製)によりMG処理した。MG処理は、アルゴンガス雰囲気、室温、0.1MPa下、粉砕エネルギーを5G(モーター回転速度1300rpm)として、1時間行った。
得られた複合水素貯蔵材料について、実施例1と同一条件下で水素放出量及び水素放出速度を測定した。図13に、その結果を示す。LiAlH4とNH3BH3とを複合化させることによって、水素放出開始温度は、いずれも100℃以下となり、LiAlH4単独及びNH3BH3単独より低温となった。配合比率が1:1(モル比)、2:1(モル比)及び、95:5(wt%)である場合の水素放出開始温度は、それぞれ、約50℃、約60℃、及び、約70℃であった。
また、水素放出速度の最初のピーク温度は、配合比率により異なった。すなわち、配合比率が1:1(モル比)、2:1(モル比)、及び、95:5(wt%)である場合、水素放出速度の最初のピーク温度は、それぞれ、約140℃、約110℃、及び、約200℃であった。図13より、NH3BH3と金属水素化物の配合比率を最適化することによって、水素放出開始温度及び水素放出速度の最初のピーク温度を制御できることがわかる。
(実施例10〜11)
金属水素化物として、LiBH4(実施例10)又はNaBH4(実施例11)を用い、MG処理条件を1.5時間とした以外は、実施例1と同一条件下で複合水素貯蔵材料を作製した。得られた複合水素貯蔵材料について、実施例1と同一条件下で水素放出量及び水素放出速度を測定した。図14及び図15に、その結果を示す。
実施例10及び実施例11の水素放出開始温度は、それぞれ、約90℃及び約60℃であり、いずれも、NH3BH3単独及び金属水素化物単独より低温となった。図14及び図15より、本発明に係る方法を用いると、金属水素化物の種類によらず、水素放出開始温度が低下することがわかる。
金属水素化物として、LiBH4(実施例10)又はNaBH4(実施例11)を用い、MG処理条件を1.5時間とした以外は、実施例1と同一条件下で複合水素貯蔵材料を作製した。得られた複合水素貯蔵材料について、実施例1と同一条件下で水素放出量及び水素放出速度を測定した。図14及び図15に、その結果を示す。
実施例10及び実施例11の水素放出開始温度は、それぞれ、約90℃及び約60℃であり、いずれも、NH3BH3単独及び金属水素化物単独より低温となった。図14及び図15より、本発明に係る方法を用いると、金属水素化物の種類によらず、水素放出開始温度が低下することがわかる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る複合水素貯蔵材料は、燃料電池システム用の水素貯蔵手段、超高純度水素製造装置、ケミカル式ヒートポンプ、アクチュエータ、金属−水素蓄電池用の水素貯蔵体等に用いることができる。
また、本発明に係る水素生成貯蔵装置は、水素発生源を必要とする携帯機器あるいは小型機器に使用することができる。
また、本発明に係る水素生成貯蔵装置は、水素発生源を必要とする携帯機器あるいは小型機器に使用することができる。
10、20 水素生成貯蔵装置
12 複合水素貯蔵材料
14、24 容器
26 熱分解手段
12 複合水素貯蔵材料
14、24 容器
26 熱分解手段
Claims (8)
- NH3BH3と、金属水素化物とを機械的粉砕混合処理することにより得られる複合水素貯蔵材料。
- 前記金属水素化物は、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、及び、アルカリアルミニウム水素化物から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1に記載の複合水素貯蔵材料。
- 前記金属水素化物は、Be(AlH4)2、Mg(AlH4)2、Ca(AlH4)2、Sr(AlH4)2、LiAlH4、NaAlH4、KAlH4、Li3AlH6及びNa3AlH6から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1に記載の複合水素貯蔵材料。
- 請求項1から3までのいずれかに記載の複合水素貯蔵材料と、
該複合水素貯蔵材料を収容する容器と、
を備えた水素生成貯蔵装置。 - 前記複合水素貯蔵材料を加熱し、熱分解させる熱分解手段をさらに備えた請求項4に記載の水素生成貯蔵装置。
- 前記熱分解手段は、鉄粉を酸化させることにより得られる熱を用いて、前記複合水素貯蔵材料を熱分解させるものである請求項5に記載の水素生成貯蔵装置。
- 前記複合水素貯蔵材料を加水分解させる加水分解手段をさらに備えた請求項4から6までのいずれかに記載の水素生成貯蔵装置。
- 前記加水分解手段は、前記容器内に添加される水、又は、加熱によって水を放出する水和物である請求項7に記載の水素生成貯蔵装置。
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