JP2009096024A - 成形品離型方法及びモールド金型 - Google Patents

成形品離型方法及びモールド金型 Download PDF

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Fumio Miyajima
文夫 宮島
Akira Katsuyama
昭 勝山
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Abstract

【課題】成形品の離型性を向上させた成形品離型方法を提供する。
【解決手段】金型凹部5の一部に連絡する貫通孔に進退可能に設けられ先端側外周面が末広がり状に傾斜するテーパー面8bを有するクリアランスピン8を金型凹部5側へ突出させることで、当該クリアランスピン8とインサートブロック4との間に第1の隙間11が形成されるのみならず成形品13と金型凹部5との間に第2の隙間14が形成され、第1の隙間11を通じて第2の隙間14へ圧縮ガスが送り込まれて成形品13の離型を促進する。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂封止後の成形品を離型する成形品離型方法及び該成形品離型方法に用いられるモールド金型に関する。
例えば、トランスファモールド装置においては、樹脂封止された成形品は、モールド金型が型開きする際にエジェクタピンが金型面より突出して成形品を離型してモールド金型から取り出されるようになっている。
モールド金型は、通常樹脂封止する前に型慣れ樹脂(離型剤成分を多量に含んだタブレット、シート状の樹脂)を用いて試運転を行なっており、これによりモールド金型からの封止樹脂の離型性を高めるようにしている。この離型剤の成分が、図7において、モールド金型51の金型凹部、特に金型ゲートランナ52の下流側のキャビティ凹部53で酸化物となって堆積し易い(P層)。
また、樹脂封止を開始すると、離型剤酸化物の上に樹脂成分の酸化物が堆積し易い(Q層)。そして、ゲート下流側の堆積量がふえて(R層)、成形品のパッケージ面にフローマークとなって現れ、外観不良となり易い。
そこで、このような成形品の離型性を高めモールド金型の汚れが発生しないようにするため、様々な技術が提案されている。例えば、モールド金型のキャビティ凹部に連通するガス供給孔、及び該ガス供給孔を開閉する先細り形状のシャッターピンを設けて成形品の離型性を促進する離型装置が提案されている(特許文献1参照)。この離型装置では、樹脂モールド中はばね力によりシャッターピンがガス供給孔を塞いでおり、離型時に高圧ガス溜めを開弁して高圧ガスを供給しばね力に抗してシャッターピンを開放させてキャビティ凹部に高圧ガスを供給して成形品の離型を促進している。また、金型凹部に対して進退可能なノックアウトピンとその周囲の隙間を利用して気体吹き出し口を設け、離型時にノックアウトピンを成形品に向けて突き出すと共に高圧の気体を気体吹き出し口から吹き出させて離型させるモールド装置(特許文献2参照)などが提案されている。
また、エジェクタピンを用いないで成形品を離型させる金型構造として、金型パーティング面をフッソ樹脂系のフィルムで覆ってモールド樹脂が金型面と接触しないようにして樹脂封止することも行なわれている(特許文献3参照)。
或いは、モールド金型にキャビティ凹部へ接続するガス供給路(貫通孔)が設けられ、モールド樹脂を充填して加熱硬化した後、圧縮ガスを注入して離型することも提案されている(特許文献4参照)。
特開昭59−140019号公報 特開平2−156644号公報 特開平8−142109号公報 WO2006/009429 A1
しかしながら、使用済みのフッソ樹脂系のフィルムは、環境に与える負荷が少なくないためこれに替わる技術開発が求められる。
また、モールド金型に貫通孔を設けて圧縮ガスを送り込むことやエジェクタピンの周囲の隙間を利用して圧縮ガスを噴出させる技術においては、モールド樹脂が樹脂路に臨む貫通孔の開口を塞いだり開口面積を狭めたりするため、所期の離型力が得られないおそれがある。
例えば、特許文献4のガス供給路の孔径φ20μm、窒素ガス圧5気圧とするとエジェクト力は0.006kgfとなって、十分な離型力が得られない。
しかしながら、モールド金型と成形品のわずかな隙間へ確実にガスを送り込むことができれば、金型表面温度を低下させてモールド樹脂に含まれる有機物層の酸化の進行を遅らせるとともに、離型がスムーズに行なわれることが期待される。
本発明の目的は、上記課題を解決し、成形品の離型性を向上させた成形品離型方法及びこれに用いられるモールド金型を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、成形品離型方法は次の工程を備える。
モールド金型をクランプし、インサートブロックの金型クランプ面に形成された金型凹部を通じてキャビティ凹部へ溶融樹脂を送り込んで加熱硬化させる工程と、前記金型凹部の一部に連絡する貫通孔に進退可能に設けられ先端側外周面が末広がり状に傾斜するテーパー面を有するクリアランスピンを樹脂路側へ移動させ、当該クリアランスピンとインサートブロックとの間に形成される第1の隙間と成形品と金型凹部との間に形成される第2の隙間を連通させる工程と、前記クリアランスピンとインサートブロックとの間に形成された第1の隙間を通じて成形品と金型凹部の間に形成された第2の隙間へ圧縮ガスを送り込みながら成形品の離型を促進する工程と、前記第2の隙間に圧縮ガスを送り込みながらモールド金型を型開きし、型開き動作に連繋して成形品を金型凹部より離間させる工程を含むことを特徴とする。
上型インサートブロックにキャビティ凹部が形成されている場合には、空気より比重が軽い圧縮ガスを第2の隙間へ送り込み、下型インサートブロックにキャビティ凹部が形成されている場合には空気より比重が重い圧縮ガスを第2の隙間へ送り込みながら、モールド金型を型開きする工程を含むことを特徴とする。
また、インサートブロックの金型クランプ面に金型凹部が形成されたモールド金型であって、前記インサートブロックの金型凹部が刻設された部位に進退可能に設けられ、該金型凹部に臨む先端側外周面が末広がり状に傾斜するテーパー面を有するクリアランスピンと、前記クリアランスピンが所定の閉止位置からピン端面が金型凹部側へ移動した作動位置へ移動させるクリアランスピン移動機構と、前記クリアランスピンが閉止位置から作動位置へ移動して形成される第1の隙間を通じて成形品と金型凹部の間に形成される第2の隙間へ圧縮ガスを送り込むガス供給部を備えたことを特徴とする。
また、前記クリアランスピンの閉止位置は金型凹部と端面部が面一となる位置であることを特徴とする。
また、前記クリアランスピンは、インサートブロックを貫通してキャビティ凹部に突出するエジェクタピンを支持するエジェクタピンプレートに支持されており、該エジェクタピンプレートの作動機構によってエジェクタピンと共に進退動することを特徴とする。
また、モールド金型をクランプすると上下金型間に僅かな隙間を設けて外部から閉塞するシール部と、前記シール部に閉塞されて金型内に形成される閉鎖空間部へ連通して不活性ガスを充填するガス充填部と、前記不活性ガスが充填された閉鎖空間部から当該空間部の容積以上の不活性ガスを外部へ排出させるとともに外気流入を防ぐ逆流防止部を備えたことを特徴とする。
本発明に係る成形品離型方法を用いれば、金型凹部の一部に連絡する貫通孔に進退可能に設けられ先端側外周面が末広がり状に傾斜するテーパー面を有するクリアランスピンを金型凹部側へ突出させることで当該クリアランスピンとインサートブロックとの間に第1の隙間が形成されるのみならず成形品と金型凹部との間に第2の隙間を形成し易くなる。このとき、第1の隙間を通じて第2の隙間へ圧縮ガスが送り込まれてガス圧が作用するため、成形品に対する高い離型力が得られる。また、金型表面に付着している有機物の表層温度を、例えば173℃から150℃に冷却することができるため成形品の離型を促進する。よって、モールド樹脂に含まれる有機物の酸化進行を遅らせることにより成形品を離型し易くすることができる。
よって、金型面に汚れが付着し難くなるため、連続モールド回数が増えて生産性が向上し、メンテナンス回数が減るため省力化をはかり、装置稼動率を高めることができる。
また、成形品と金型凹部の第2の隙間に圧縮ガスを送りこみながらモールド金型の型開きを行い、該型開き動作に連繋して成形品を金型凹部より押し出す、例えばエジェクタピンを押し出すようにすると、成形品を金型面より確実に離間させることができる。
また、上型インサートブロックにキャビティ凹部が形成されている場合には、空気より比重が軽い圧縮ガスを第2の隙間へ送り込み、下型インサートブロックにキャビティ凹部が形成されている場合には空気より比重が重い圧縮ガスを第2の隙間へ送り込んで、モールド金型を型開きするようにすると、型開きしても圧縮ガスが金型表面に留まり易いため金型面に付着した樹脂成分の酸化の進行が抑えられ、連続モールド回数が大幅に増加する。
また、圧縮ガスが金型のキャビティ凹部に留まった状態で維持することができるため、より少ない圧縮ガスでキャビティ凹部を冷却することができ、圧縮ガスとして窒素ガスなどのように比較的高価な不活性ガスなどを用いた場合においてキャビティ凹部を経済的かつ効率的に冷却することができる。
また、モールド金型においては、インサートブロックの金型凹部が刻設された部位に進退可能に設けられ、該金型凹部に臨む先端側外周面が末広がり状に傾斜するテーパー面を有するクリアランスピンが所定の閉止位置からピン端面が金型凹部側へ移動した作動位置へ移動させるようになっている。よって、クリアランスピンが閉止位置にあるときには、金型凹部を通過するモールド樹脂によりガス供給路が塞がれ、クリアランスピンが作動位置へ移動するとインサートブロックとの間に第1の隙間が形成され、かつピン端面が成形品を押圧して成形品と金型凹部の間にクラックを生じさせて第2の隙間を形成する。よって、ガス充填部から第1の隙間を通じて第2の隙間へ圧縮ガスを送り込んで成形品の離型を促進することができる。このとき、圧縮ガスが送り込まれて冷却されるのは樹脂路に対応した金型凹部のみであり、モールド金型の温度低下は必要最小限ですむため、連続モールドに与える影響はほとんどない。
また、クリアランスピンの閉止位置は金型凹部と端面部が面一となる位置であると、モールド樹脂を充填することによって、クリアランスピンとの隙間に樹脂が入り込むおそれはなく、クリアランスピンの作動によってインサートブロックとの間に確実に隙間を形成できる。
また、クリアランスピンは、インサートブロックを貫通してキャビティ凹部に突出するエジェクタピンを支持するエジェクタピンプレートに支持され、エジェクタピンプレートの作動機構によってエジェクタピンと共に進退動するようにすると、クリアランスピンの作動機構を別途に設ける必要がないので、金型構成を簡略化できる。
また、モールド金型をクランプして上下金型間に形成された閉鎖空間部へ不活性ガスを充填して封入することにより、例えば樹脂モールド動作を停止状態においてモールド金型に閉鎖空間部を形成して不活性ガスを封入しておくことで、モールド金型に付着した樹脂成分に含まれる有機物の酸化進行を抑えることができる。これにより、モールド金型の使用開始後における金型クリーニング回数が低減し、連続モールド回数が大幅に増加する。
以下、本発明に係る成形品離型方法及びモールド金型の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。
先ず、モールド金型の概略構成について図1及び図2を参照して説明する。
モールド金型は、上型ベースブロック1にエジェクタピンプレート2が押し当てられるように図示しないばね等により付勢されて組み付けられている。エジェクタピンプレート2に支持されたエジェクタピン3は上型インサートブロック4を貫通して設けられている。
上型インサートブロック4の金型クランプ面には、金型カル5、ランナゲート6、キャビティ凹部7などの樹脂路となる金型凹部が刻設されている。また、上型インサートブロック4には、金型凹部(金型カル5)が刻設された部位に連絡する貫通孔にクリアランスピン(可動部)8が進退可能に設けられている。クリアランスピン8は、一端側がエジェクタピンプレート2に固定されており、他端側は金型カル5に臨む先端側外周面(端面部8aの外周面)が末広がり状に傾斜するテーパー面8bに形成されている。
また、上型インサートブロック4には、ガス充填部9に連通するガス供給孔10が形成されている。このガス供給孔10はクリアランスピン8と上型インサートブロック4との間に形成される第1隙間11に連通している。この第1の隙間11の上端側はシール材12によってシールされている。
クリアランスピン8は、エジェクタピンプレート2が移動機構、例えばばね等の付勢により下動するのに伴い、端面部8aが金型カル5と面一の閉止位置から端面部8aが樹脂路側へ突出した作動位置へ移動する(図1右半図参照)。尚、クリアランスピン8の閉止位置は、端面部8aが金型カル5と面一に限らず金型カル5より若干突出した位置或いは若干退避した位置のいずれであってもよい。
図2において、クリアランスピン8が作動位置へ移動すると、当該クリアランスピン8の周囲(テーパー面8bとインサートブロック4との間)に第1の隙間11が形成されるのみならず、成形品13と金型凹部との間に第2の隙間14(図1参照)が形成され易くなる。即ち、クリアランスピン8は、作動位置において端面部8aが成形品カル21を押圧する。このとき、成形品ランナ22とインサートブロック4との間にクラック23が形成され、該クラック23が延長することにより第2の隙間14が形成される。よって、図1右半図において、ガス充填部9から供給される圧縮ガスのガス圧によってクリアランスピン8とインサートブロック4との間の第1の隙間11を通じて成形品13と金型凹部との間の第2の隙間14へガス圧が作用し、より高い離型力が得られる。
また、クリアランスピン8を、エジェクタピンプレート2の作動機構によってエジェクタピン3と共に進退動するようにすると、クリアランスピン8の作動機構を別途に設ける必要がないので、金型構成を簡略化できる。
尚、クリアランスピン8の移動機構をエジェクタピンプレート2の移動機構と兼用したが、クリアランスピン8をくさび型カムとエアシリンダなどのアクチュエータと組み合わせて独自の移動機構により進退動させることも可能である。
下型インサートブロック15には、ポット16、プランジャ17が設けられている。ポット16は、金型カル5と対向する部位に設けられる。プランジャ17は、公知のトランスファ駆動機構によって上下動するようになっている。また、下型インサートブロック15のクランプ面にワークである基板19を位置決めして載置するワーク塔載部20が形成されている。
次に成形品の離型方法について説明する。
図1の左半図において、モールド金型をクランプした状態で図示しないトランスファ機構を作動させてプランジャ17を上動させて溶融樹脂18をキャビティ凹部7に充填して加熱硬化させる(キュア)。このとき、エジェクタピンプレート2は上型ベースブロック1側に押し当てられているため、クリアランスピン8やエジェクタピン3の端面は、金型カル5やキャビティ凹部7と面一に保持されている。よって、溶融樹脂18がクリアランスピン8の周囲の第1の隙間11に入り込んで塞ぐことはない。
次に、図1右半図において、樹脂が加熱硬化した後にはクリアランスピン8と上型インサートブロック2との間に第1の隙間11を形成し当該第1の隙間11を通じて成形品13と金型凹部との間の第2の隙間14に向かってガス充填部9から矢印方向に圧縮ガスを送り込む。
具体的には、下型を僅かに型開きさせると、上型の図示しないばねの弾発力によりエジェクタピンプレート2が下動してクリアランスピン8やエジェクタピン3は、金型カル5やキャビティ凹部7へ先端部が突出してクリアランスピン8のテーパー面8bの外周に第1の隙間11が形成され成形品13に当接した端面部8aの周囲に第2の隙間14が形成される。これらの第1、第2の隙間11、14を通じて圧縮ガス(空気、二酸化炭素ガス、窒素ガスなどの不活性ガス)を金型クランプ面と成形品13との間に送り込んで離型を促進する。尚、キュアタイム終了後、不活性ガスを充填しながら下型を0.3mm程度僅かに型開きした状態で停止させて離型を促進させてもよい。
例えばφ2mmのテーパー孔でガス圧力が5kgf/cmの場合、離型力は0.157kgfであるが、圧縮ガスの進入拡大に伴って離型力が増大する。この後、圧縮ガスを噴出したまま成形品13とモールド金型をさらに型開きし、エジェクタピン3を押し出して成形品13を金型面より離間させることができる。圧縮ガスは、型開き後所定時間を経過すると噴出を停止する。
圧縮ガスの進入にともない金型凹部に付着した有機物の酸化が抑えられて連続モールドが促進されるメカニズムについて、図3及び図4のグラフ図を参照して説明する。図3は型開閉状態とキャビティ凹部7(図1参照)に付着した有機物の表面温度の推移を示すグラフ図、図4はキャビティ凹部7に付着した有機物の表面温度と酸化進行速度の関係を示すグラフ図である。
図3において、モールド金型の型開き直後の温度がおよそ173℃であるとすると、型開きにより金型が空冷されて次にモールド金型が型閉じされるときの温度がおよそ165℃となる。溶融樹脂18の圧送により有機物の表面温度も一時的に低下するが、キャビティ凹部7(図1参照)へ樹脂が充填された後、しばらくして有機物の表面温度は上昇に転じて再度173℃付近まで上昇し、樹脂が硬化した後、圧縮ガス(不活性ガス)が注入される。不活性ガスが注入され型開きが行なわれると、有機物の表面温度173℃から一気に冷やされて低下し、不活性ガスの噴出し終了後も低下し続け、およそ150℃まで低下してから自然上昇に転じる。そして、再度165℃付近でモールド金型を型閉じして同様の工程を繰り返す。
図4において、圧縮ガスを噴出した直後の有機物の表面温度は150℃でありこのとき有機物の酸化進行速度はそれほど速くない。型開き状態にある有機物の表面温度は165℃であり、型閉じ状態から樹脂モールドを行なっている間の有機物の表面温度は173℃(金型温度175℃)に上昇する。
このときの有機物の酸化進行速度は急激に速まり、モールド金型に樹脂汚れとして付着し易くなる。即ち、1成形サイクルで有機物の表面温度変化領域(150℃〜173℃)に対して酸化進行レベルの変化領域が急激に拡大することがわかる(図4矢印E、F参照)。
よって、モールド金型の型開きに先立って、ガス充填部9から圧縮ガスを注入することにより、金型表面温度を低下させることで、有機物の酸化進行速度を鈍らせることができ、成形品13が離型し易く、金型汚れの進行を抑えることができる。したがって、連続モールド回数が増えて生産性が向上し、メンテナンス回数が減少して装置稼動率を高めることができる。
尚、圧縮ガスとして、空気より比重が軽い窒素ガス又は重い二酸化炭素ガスを充満させてからモールド金型を型開きし、ガスの供給を停止しても上型或いは下型の金型面内に一時的停留させることができるので、比較的長い時間有機物の酸化進行を抑えることができる。また、圧縮ガスとして空気を用いる場合には、不活性ガスより酸化防止能力が低いため、金型表面温度を下げるため不活性ガスに比べて大量(例えば3倍程度)の空気を供給する必要がある。
また、有機物の酸化は、樹脂モールド動作を長く停止させる休憩時間などの際に大きく進行する。よって、クリーニングショットの必要回数は、装置停止前では例えば2ショットであったのが、45分の停止後には6ショット必要になるといったように長時間の停止後に大幅に増加することが知られている。そこで、モールド装置が停止状態において、ワークが存在しないモールド金型をパーティング面間に気体がほとんど通過しない程度の僅かな隙間を開けた状態に型閉めして上下金型間に形成された閉鎖空間部へ不活性ガスを充填して封入することにより、モールド金型に付着した樹脂成分に含まれる有機物の酸化進行を抑えることができる。
以下、モールド金型の他の一例について図5を参照して説明する。
モールド金型の概略構成は図1と同様である。図5において、モールド金型をクランプした際に上下金型間に僅かな隙間を設けて外部から閉塞するシール部24が下型インサートブロック15に設けられている。下型インサートブロック15には閉塞空間部25に連通するガス排出路26が設けられている。
また、図5右半図において、閉塞空間部25には、第1の隙間11を介してガス充填部9から不活性ガスが送り込まれて充填される。ガス排出路26には閉塞空間部25に充填されたその空間部の容積以上の不活性ガスを外部へ排出させるとともに、外気の流入を防ぐ逆流防止部(逆止弁)28が設けられている。逆止弁28は、閉鎖空間部25から外部に向かう不活性ガスの流れは開弁して許容するが外気が流入する逆方向の流れは閉弁して阻止するようになっている。
尚、シール部24や逆止弁28に替えて上型周面部に上下金型間の隙間を覆う可撓性シートを設け、上下金型間の隙間を可撓性シートにより覆って閉鎖空間部25を形成するようにしても良い。この場合には、閉鎖空間部25への外気の侵入は可撓性シートにより遮断され、閉鎖空間部25に充填された不活性ガスは型開きにより可撓性シートと下型インサートブロックとの間の隙間を通じて排気される。
上述した実施例において、モールド金型を冷却するのは、樹脂路に対応した金型凹部のみであり、モールド金型の温度低下は必要最小限ですむため、連続モールドに与える影響はほとんどない。また、上型インサートブロック4にキャビティ凹部7が形成されている場合には、空気より比重が軽い圧縮ガスを第2の隙間14へ送り込み、下型インサートブロック15にキャビティ凹部7が形成されている場合には空気より比重が重い圧縮ガスを第2の隙間14へ送り込んでからモールド金型を型開きするようにしてもよい。
尚、モールド金型に離型性能が高い表面処理が施されていれば、エジェクタピン3をキャビティ凹部7内に設けずに当該キャビティ凹部7外の基板部分をエジェクタピン3で押し上げるか或いは基板外縁部を機械的に保持してモールド金型から引き離すなどの離型方法を用いてもよい。
また、図6において、樹脂モールド装置29を密閉容器30内に収納し、ガス充填部9からモールド金型(上型インサートブロック4又は下型インサートブロック15)の密閉空間部25へ供給される空気より比重の軽い窒素ガスや空気より比重の重い二酸化炭素ガスなどを密閉容器30内で回収してガス充填部9によって再度供給する再利用可能な構成を採用するようにしても良い。
モールド金型の樹脂充填中及び成形品の離型時の断面説明図である。 クリアランスピン付近の部分拡大断面図である。 有機物の表面温度と金型クランプ状態の推移との関係を示すグラフ図である。 有機物の表面温度と有機物の酸化進行速度との関係を示すグラフ図である。 他例に係るモールド金型の断面説明図である。 他例に係る樹脂モールド装置の構成を示す模式図である。 モールド金型の樹脂汚れ発生のメカニズムの断面説明図である。
符号の説明
1 上型ベースブロック
2 エジェクタピンプレート
3 エジェクタピン
4 上型インサートブロック
5 金型カル
6 ランナゲート
7 キャビティ凹部
8 クリアランスピン
8a 端面部
8b テーパー面
9 ガス充填部
10 ガス供給孔
11 第1の隙間
12 シール材
13 成形品
14 第2の隙間
15 下型インサートブロック
16 ポット
17 プランジャ
18 溶融樹脂
19 基板
20 ワーク塔載部
21 成形品カル
22 成形品ランナ
23 クラック
24 シール部
25 閉塞空間部
26 ガス排出路
28 逆止弁
29 樹脂モールド装置
30 密閉容器

Claims (6)

  1. モールド金型をクランプし、インサートブロックの金型クランプ面に形成された金型凹部を通じてキャビティ凹部へ溶融樹脂を送り込んで加熱硬化させる工程と、
    前記金型凹部の一部に連絡する貫通孔に進退可能に設けられ先端側外周面が末広がり状に傾斜するテーパー面を有するクリアランスピンを樹脂路側へ移動させ、当該クリアランスピンとインサートブロックとの間に形成される第1の隙間と成形品と金型凹部との間に形成される第2の隙間を連通させる工程と、
    前記クリアランスピンとインサートブロックとの間に形成された第1の隙間を通じて成形品と金型凹部の間に形成された第2の隙間へ圧縮ガスを送り込みながら成形品の離型を促進する工程と、
    前記第2の隙間に圧縮ガスを送り込みながらモールド金型を型開きし、型開き動作に連繋して成形品を金型凹部より離間させる工程を含む成形品離型方法。
  2. 上型インサートブロックにキャビティ凹部が形成されている場合には、空気より比重が軽い圧縮ガスを第2の隙間へ送り込み、下型インサートブロックにキャビティ凹部が形成されている場合には空気より比重が重い圧縮ガスを第2の隙間へ送り込みながら、モールド金型を型開きする工程を含む請求項1記載の成形品離型方法。
  3. インサートブロックの金型クランプ面に金型凹部が形成されたモールド金型であって、
    前記インサートブロックの金型凹部が刻設された部位に進退可能に設けられ、該金型凹部に臨む先端側外周面が末広がり状に傾斜するテーパー面を有するクリアランスピンと、
    前記クリアランスピンが所定の閉止位置からピン端面が金型凹部側へ移動した作動位置へ移動させるクリアランスピン移動機構と、
    前記クリアランスピンが閉止位置から作動位置へ移動して形成される第1の隙間を通じて成形品と金型凹部の間に形成される第2の隙間へ圧縮ガスを送り込むガス供給部を備えたモールド金型。
  4. 前記クリアランスピンの閉止位置は金型凹部と端面部が面一となる位置である請求項3記載のモールド金型。
  5. 前記クリアランスピンは、インサートブロックを貫通してキャビティ凹部に突出するエジェクタピンを支持するエジェクタピンプレートに支持されており、該エジェクタピンプレートの作動機構によってエジェクタピンと共に進退動する請求項3記載のモールド金型。
  6. モールド金型をクランプすると上下金型間に僅かな隙間を設けて外部から閉塞するシール部と、前記シール部に閉塞されて金型内に形成される閉鎖空間部へ連通して不活性ガスを充填する不活性ガス充填部と、前記不活性ガスが充填された閉鎖空間部から当該空間部の容積以上の不活性ガスを外部へ排出させるとともに外気流入を防ぐ逆流防止部を備えた請求項3記載のモールド金型。
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