JP3788752B2 - 射出成形金型装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂をオーバーフローさせるポケットを備える射出成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
金型内のキャビティへ溶融樹脂を射出すると、樹脂の圧力でキャビティ内の空気は固定金型と可動金型の間のパーティングラインなどから逃げる。しかし、キャビティの形状や構造によっては、一部の空気が閉じ込めれ、この残留空気が成形不良(ショートショット、充填不足)を発生することがある。この成形不良は樹脂から発生したガスが残留することでも発生する。この様な成形不良を防止する技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、特許第2614138号公報「射出成形方法」は、ウエルドラインの発生予想箇所もしくはその近傍にガス抜き手段を設けて、金型キャビティ内のガスを金型外へ排出する発明に関する。同公報の第4図を再掲する。但し、符号は100を加えて、123の如く3桁の数値にした。
【0004】
図7は従来のガス抜き手段の一例に係る要部断面図であり、123は固定金型、124は可動金型、125は金型内空間、126は入れ子、127は円柱状先端部、130は微小間隔、128は円筒状の開口である。微小間隔130は0.01mm〜0.02mmに設定される。
金型内空間125へ樹脂を射出したときに、残留空気や発生ガスは、微小間隔130を通り、開口128を通って金型外へ排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、微小間隔130は0.01〜0.02mmであり、極めて狭いため簡単に樹脂で塞がれる。空気やガスが抜けた後であれば問題無いが、空気やガスが抜けている途中であれば問題となる。
また、空気やガスが抜けた後に樹脂が微小隙間130へ侵入し固まる場合であっても、次の射出成形のために、微小間隔130に詰った樹脂を除去しなければならず、図の構造ではクリーニング作業は簡単に実施できない。
【0006】
そこで本発明の目的は空気やガス抜きが確実に行え、且つ詰った樹脂を容易に除去することのできる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の射出成形金型装置は、棒状のスライド部材の先端部に側方へ開口する凹状のポケットを設けるとともに、スライド部材の先端部の側面に設けた狭い通路でポケットをキャビティに連通するようにし、ポケットの底を通る面でスライド部材を2つに分割して第1半体と第2半体にした上で、突き出しピンに平行に且つ金型にスライド可能に取付け、第1半体を第1半体スライド手段に連結し、第2半体を第2半体スライド手段に連結して、第1・第2半体を単独及び同時にスライドさせ得るようにしたことを特徴とする。
【0010】
射出時には狭い通路を介して空気やガスを含むオーバフロー樹脂をポケットにオーバーフローさせ、製品突き出し時又はそれ以降に第1・第2半体の先端を金型から突き出し、第1半体に対して第2半体を更に突き出すことでポケット内のオーバーフロー樹脂を強制的に弾き出せる。
【0011】
ポケットに樹脂の一部を積極的に進入させることで、ポケットへ空気やガスを排出する。ポケットに溜まったオーバーフロー樹脂は第1・第2半体を巧みに相対移動させることでポケット外へ弾き出すことができる。ポケットの自動クリーニングが可能となり、生産能率の向上が図れる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る射出成形金型装置の断面図であり、射出成形金型装置10は、固定取付板11及び固定型板12からなる固定金型13と、可動取付板15、スペーサブロック16及び可動型板17からなる可動金型18と、この可動金型18及び前記固定金型13に掛け渡すガイドピン19と、スペーサブロック16内に段積み状態で介在させる第1突出板21、第2突出板22及び第3突出板23と、第1突出板21から固定金型13に向って延ばした第1半体24と、第2突出板22から固定金型13に向って延ばした第2半体25及び第2戻しピン26と、第3突出板23から固定金型13に向って延ばした突き出しピン27及び第3戻しピン28と、第1突出板21の上限を決めるためにスペーサブロック16に設けた第1ストッパ31と、第3突出板23の下限を決めるためにスペーサブロック16に設けた第3ストッパ33と、第1〜第3突出板21〜23を前進させる主駆動ピン34と、からなる。
35は射出ノズル、36はスプル、37はランナー、38はゲート、39はキャビティである。
【0013】
図2は本発明に係るスライド部材の構造説明図であり、第1半体24に第2半体25を沿わせたものがスライド部材40である。すなわち、棒状のスライド部材40の先端部41に側方へ開口する凹状のポケット42を設け、このポケット42をキャビティに連通することができるように狭い通路43を先端部41の側面に設け、ポケット42の底を通る面45でスライド部材40を2つに分割して第1半体24と第2半体25にした上で、図1に示す通り、突き出しピン27に平行に且つ可動金型18にスライド可能に取付け、第1半体24を第1半体スライド手段としての第1突出板21に連結し、第2半体25を第2半体スライド手段としての第2突出板22に連結して、第1・第2半体24,25を単独及び同時にスライドさせ得るようにした構成物であると言える。
【0014】
図3は図2の3矢視図であり、3本の狭い通路43,43,43及びポケットを形成する斜面46を第1半体24の先端に備えていることを示す。
図4は図2の4矢視図であり、第2半体25の先端は所謂ナイフ47であり、ポケットに貼りついた樹脂を剥離させる作用を発揮する部材でもある。
【0015】
なお、この例では第1半体24に対して第2半体25を安定的に滑らせるために第1半体24に溝を設け、この溝に第2半体25をスライド可能に収納した。
しかし、溝を設けずに単に第1半体24に第2半体25を沿わせてもよい。
【0016】
以上の構成からなる射出成形金型装置10の作用を次に説明する。
先ず、図1において、射出ノズル35をスプル36に当てて樹脂を射出する。この樹脂は、ランナー37、ゲート38を介して製品部であるキャビティ39に至り、その一部が狭い通路43を通ってポケット42へ進入する。キャビティ39内の残留空気又は発生ガスも樹脂で押される又は樹脂と共にポケット42に至るため、キャビティ39に有害な空気やガスが残留する心配はない。樹脂についても、ポケット42へオーバーフローさせるため、充填不足になる心配はない。
【0017】
図5(a),(b)は作用説明図(その1)である。
(a)に示す通り、樹脂の一部がポケット42に進入して固まっていることを示す。この状態から、製品Wを突き出すべく主駆動ピン34の先端の第1面51で第3突出板23を突き出す。
(b)は第3ストッパ33から第3突出板23が離れ(上昇し)、突出ピン27で製品Wを突き出したことを示す。主駆動ピン34を継続して移動(上昇)させると、主駆動ピン34の第2面52が第2突出板22を押し始める。同時に、主駆動ピン34に付設したサブ駆動ピン53が第1突出板21を押し始める。
【0018】
図6(a),(b)は作用説明図(その2)である。
(a)では、第1・第2突出板21,22が同期して移動するため、スライド部材40の先端が可動金型18外へ突出する。なお、移動中(上昇中)の第1突出板21が第1ストッパ31に当り、第1突出板21はこれ以上の移動は不可になったことを示す。
(b)において、継続して主駆動ピン34を移動(上昇)させると、第1突出板21は静止し、第2・第3突出板22,23が継続して移動(上昇)する。サブ駆動ピン53はスプリング54が縮むため、主駆動ピン34の移動を妨げない。
この結果、第1半体24は静止し、第2半体25が上昇するため、オーバーフロー樹脂55は第2半体25のナイフ作用によりポケット42から弾き出される。
【0019】
主駆動ピン34を戻せば、図1に戻る。すなわち、図1→図5(a)→図5(b)→図6(a)→図6(b)→図1のサイクルを主駆動ピン34の移動のみで実施可能であり、しかも、ポケットへの空気、ガスの取込みからオーバーフロー樹脂の弾き出しまでの一連の動作を人手を加えることなく実施可能にした。
【0020】
尚、請求項1の装置では、第1・第2半体スライド手段は、主駆動ピンや第1・第2突出板を介すること無く、第1半体に直結させたシリンダユニット、並びに第1半体に直結させたシリンダユニットであってもよい。シリンダユニットもカム、リンク、又は周知のアクチエータに交換自在であり、駆動手段を格別に限定するものではない。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の射出成形金型装置では、射出時には狭い通路を介して空気やガスを含むオーバフロー樹脂をポケットにオーバーフローさせ、製品突き出し時又はそれ以降に第1・第2半体の先端を金型から突き出し、第1半体に対して第2半体を更に突き出すことでポケット内のオーバーフロー樹脂を強制的に弾き出せる。
【0023】
ポケットに樹脂の一部を積極的に進入させることで、ポケットへ空気やガスを排出する。ポケットに溜まったオーバーフロー樹脂は第1・第2半体を巧みに相対移動させることでポケット外へ弾き出すことができる。ポケットの自動クリーニングが可能となり、生産能率の向上が図れる。
すなわち、請求項1によれば、空気やガス抜きが確実に行え、且つ詰った樹脂を容易に且つ自動的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形金型装置の断面図
【図2】本発明に係るスライド部材の構造説明図
【図3】図2の3矢視図
【図4】図2の4矢視図
【図5】作用説明図(その1)
【図6】作用説明図(その2)
【図7】従来のガス抜き手段の一例に係る要部断面図
【符号の説明】
10…射出成形金型装置、13…固定金型、18…可動金型、39…キャビティ、40…スライド部材、41…先端部、42…ポケット、43…狭い通路、45…底を通る面、55…オーバーフロー樹脂、W…製品。
Claims (1)
- 棒状のスライド部材の先端部に側方へ開口する凹状のポケットを設けるとともに、前記スライド部材の先端部の側面に設けた狭い通路で前記ポケットをキャビティに連通するようにし、
前記ポケットの底を通る面で前記スライド部材を2つに分割して第1半体と第2半体にした上で、突き出しピンに平行に且つ金型にスライド可能に取付け、前記第1半体を第1半体スライド手段に連結し、前記第2半体を第2半体スライド手段に連結して、第1・第2半体を単独及び同時にスライドさせ得るようにし、
射出時には前記狭い通路を介して空気やガスを含むオーバフロー樹脂をポケットにオーバーフローさせ、製品突き出し時又はそれ以降に第1・第2半体の先端を金型から突き出し、第1半体に対して第2半体を更に突き出すことでポケット内のオーバーフロー樹脂を強制的に弾き出せるように構成したことを特徴とする射出成形金型装置。
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