JP2009095148A - ミシンのステッピングモータの駆動装置 - Google Patents

ミシンのステッピングモータの駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より効率の良いミシンのステッピングモータの駆動装置を提供する。
【解決手段】ステッピングモータの駆動装置7は、コイル4,5と電源装置6とを接続するFET11〜14を有するHブリッジ回路と、FET11〜14のON/OFFを制御することでコイル4,5に流れる電流を制御する駆動回路20と、を備え、駆動回路20は、ステッピングモータ1の停止時に、コイル4,5の自己誘導による電流を当該コイル自体に還流させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ミシンのステッピングモータの駆動装置に関する。
従来より、ステッピングモータは回転軸の角度を正確に位置決めできる電動機として知られており、ミシンにも多く用いられている。ステッピングモータにはその構成によって多くの種類があるが、一般的には二つのコイルが互いに異なる励磁タイミングで励磁されることで駆動する二相ステッピングモータが知られている。
図13は、従来技術によるステッピングモータ100を示す説明図である。図14は、ステッピングモータのコイル104,105に流れる電流のパターンを示す説明図である。なお、図14(a)はステッピングモータ100の回転角度ごとの励磁パターンを示す説明図であり、図14(b)はそれぞれの励磁パターンにおける電流値の詳細を示す説明図である。
ステッピングモータ100は、永久磁石等の磁性体からなり回転自在に支持された回転子102と、回転子102の外周部近傍に設けられた二つのコイル104,105と、を備えている。コイル104,105は、図示しない駆動回路によって図14(a)に示す励磁パターンに対応した電流が流れることで励磁され、回転子102が当該励磁パターンに対応した回転角度となることでステッピングモータ100の回転角度が制御される。このとき、図14(a)のプラスの電流値は図13の矢印a、c方向の電流を示し、マイナスの電流値は矢印b、d方向の電流を示す。コイル104,105に流れる電流の方向の制御及び電流値の維持は、コイル104,105にそれぞれ設けられたHブリッジ回路のFET111〜114(図15参照)のON/OFF制御によって決定される。
図15は矢印a方向に電流が流れる場合のコイル104(105)に接続されたFET111〜114のON/OFFと電流の方向との関係を示す説明図である。図15(a)は電源装置による電流がコイル104(105)に流れている場合、図15(b)はコイル104(105)の自己誘導による電流がコイルに流れている場合を示す。
FET111〜114は電界効果コンデンサであり、FET111,112の一方の端子がコイル104の一方の端子と接続され、FET113,114の一方の端子がコイル104の他方の端子と接続されている。また、FET111,113の他方の端子は電源装置106の陽極106aに接続され、112,114の他方の端子はアース106bに接続される。つまり、コイル104はFET111〜114によるHブリッジ回路によって電源装置と接続されている。また、FET111〜114のゲート端子は図示しないPWM回路と接続されており、PWM回路のPWM信号によってFET111〜114のON/OFFが切り替わる。また、図示しないが、コイル104に流れる電流検出装置が設けられており、PWM回路にコイル104を流れる電流値がフィードバックされる。なお、コイル105についてもコイル104と同様であるため、詳細な説明は省略する。
まず、図15(a)に示すように、FET111、114がONとなり、FET112,113がOFFとなることで、電源装置106からの電流が矢印a1方向へと流れる。つまり、コイルに流れる電流の方向はaとなる。目標となる電流値Gを上回るまで電源装置106による電流が流されると、電流値が目標となる電流値Gを超えてしまわないよう、FET111,114がOFFとなり、FET112,113がONとなる。このとき、コイル104には自己誘導による矢印a方向の電流が生じる。一方、電源装置106の電圧による電流の方向は矢印b1方向つまりコイル104の自己誘導による電流の方向である矢印a方向とは逆方向となる。このとき、自己誘導による起電力の電圧の方が電源装置106の電圧よりも高いので、電流は矢印a2方向に流れる。よって、コイル104には矢印a方向に電流が流れるものの、電源装置106の電圧が抵抗となって次第に減衰する。当該自己誘導による電流の減衰により、目標となる電流値Gを下回ると、再びFET111、114がONとなり、FET112、113がOFFとなることで電源装置による矢印a方向の電流がコイル104に流れる。その後、コイル104を流れる電流が目標となる電流値Gを超えると再びFET111,114がOFFとなり、FET112,113がONとなることでコイル104の自己誘導による矢印a方向の電流が流れる。つまり、上述のFET111〜114のON/OFFの切替パターンを繰り返すことによってコイル104に矢印a方向の電流が流れる。このとき、コイル104に流れる電流をほぼ一定に維持する制御において、電源装置106による電流が流れる時間t1とコイル104の自己誘導による電流が流れる時間t2とはほぼ同一である。
上述のFET111〜114のON/OFFの切替によるコイル104の電流の制御はステッピングモータ100の停止時にも行われている。つまり、ステッピングモータ100が停止している際に回転子102の回転角度を維持するために、コイル104,105を励磁している。また、コイル104,105は励磁される際即ち電流が流れる際に発熱を伴う。よって、ステッピングモータ100のコイル104,105はステッピングモータ100の停止時であっても電源装置106の電力を消費すると共に発熱する。かようなステッピングモータ100の停止時におけるコイル104,105の電力消費及び発熱はエネルギー効率上の無駄が多く、またコイル104,105の発熱はステッピングモータ100の劣化を早めるといった問題点がある。このため、ステッピングモータ100の停止時における電力消費及び発熱について改善が望まれていた。その一手段として、ステッピングモータの駆動負荷に応じてスイッチング素子のON/OFF制御を行う信号の周期を下げることでコイルに流れる平均電流を下げて発熱及び電力消費を抑えるステッピングモータの駆動回路の構成が知られている(例えば特許文献1)。また、ステッピングモータ100を回転駆動する際の電流に対して、ステッピングモータ100を停止して回転子の回転角度を維持する際の電流を小さく設定することで消費電力及びコイルの発熱を抑える方法も従来より知られている。
特公平9−163795号公報
しかしながら、特許文献1をはじめとする従来のステッピングモータの駆動回路によるステッピングモータ100の停止中のコイル104,105の電流制御では、コイル104,105の自己誘導による電流が流れる際に電源装置106による逆向きの電圧がかかっているため、コイル104の自己誘導による電流の減衰が早かった。このため、電源装置からコイルに電流を流す割合を低減することができず、ステッピングモータ100の停止時であっても電力消費を十分に低減できないといった問題があった。
また、自己誘導による電流の減衰が早いので、コイル104,105に流れる電流値を一定に保つための電流値の制御における電流値の上下のぶれ(リップル)が大きくなる。このため、ステッピングモータ100の停止中であってもコイル104,105の発熱が大きいといった問題点があった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、より効率の良いミシンのステッピングモータの駆動装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ステッピングモータのコイルの両端をそれぞれ電源装置の陽極に接続する二つのスイッチング素子と、前記コイルの両端をそれぞれアースに接続する二つのスイッチング素子と、を有するHブリッジ回路と、前記スイッチング素子のON/OFFを制御することで当該コイルに流れる電流を定電流に制御する駆動回路と、を備え、前記駆動回路は、前記ステッピングモータが駆動する場合に前記ステッピングモータのコイルに所定の駆動用電流が流れるよう前記スイッチング素子のON/OFFを制御し、前記ステッピングモータが停止状態の場合に前記ステッピングモータのコイルに所定の停止用電流が流れるよう前記スイッチング素子のON/OFFを制御するミシンのステッピングモータの駆動装置において、前記駆動回路は、前記ステッピングモータが停止状態の場合に、前記コイルの自己誘導によって当該コイルから流れる電流が当該コイル自体に還流するよう前記スイッチング素子のON/OFFを制御することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ステッピングモータが停止状態の場合に、コイルの自己誘導による電流が当該コイル自体に還流する。このとき、自己誘導による電流が流れる際には、従来のように電源装置の電圧が当該自己誘導による電流を減衰させることがない。つまり、自己誘導による電流の時間当たりの減衰の度合いが従来技術によるミシンのステッピングモータの駆動装置によるコイルの電流制御に比して大幅に緩やかになる。よって、ステッピングモータの停止中にコイルに流れる電流をほぼ一定に維持する際、当該自己誘導による電流の減衰が大幅に緩やかになるので、電源装置からコイルに電流を流す割合を自己誘導による電流をコイルに流す時間に比して小さくすることが可能となる。よって、ステッピングモータの停止時であっても電力消費を十分に低減できないといった従来技術の問題点を解消でき、ステッピングモータの消費電力が大幅に削減でき、エネルギー効率のよいミシンのステッピングモータの駆動装置を提供できる。
また、上述のように電源装置からコイルに電流を流す割合を自己誘導による電流をコイルに流す時間に比して小さくすることができるので、コイルに電源装置による電流が流れることに伴う電流値の上昇幅が減少する。これに伴い、電流値をほぼ一定に維持する制御における電流値の上下のぶれ(リップル)も低減する。これによって、コイルの発熱が大幅に低減する。よって、リップルが大きいことに伴ってコイルの発熱が大きくなるといった従来技術の問題点を解消でき、当該発熱によるステッピングモータの劣化を大幅に低減することができる。
(本発明によるミシンのステッピングモータの駆動装置の全体構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明によるステッピングモータの駆動装置7は、ステッピングモータ1のコイル4,5(図1参照)と電源との間に設けられてスイッチング素子として機能するFET(電界効果トランジスタ)11〜14(図2参照)と、FET11〜14のON/OFFを制御することでコイル4,5に流れる電流を制御する駆動回路20(図2参照)と、を有するミシンのステッピングモータの駆動装置である。
(ステッピングモータ)
図1は本発明によるステッピングモータの駆動装置7が接続されたステッピングモータ1の構成を示す説明図である。
ステッピングモータ1は、当該ステッピングモータの回転軸と連結されて回転可能に設けられた円柱状の回転子2と、回転子2の周囲に設けられた円筒状の固定子3と、固定子3の内周部において回転子2に近接する方向に突出して設けられた芯部3a、3bに巻きつけられて、後述する励磁回路10による電流制御によって励磁されて回転子2の回転角度を変更/維持するコイル4,5とを備えている。
回転子2は、永久磁石等の磁性体であり、図示しないステッピングモータの回転軸に連結されて回転可能に支持されている。固定子3は、回転子2の周囲に設けられた円筒状の磁性材料(例えば鉄)であり、その内周部に回転子2に近接する方向に突出して設けられた芯部3a〜3dが設けられている。
コイル4,5は、芯部3a、3bに巻きつけられた巻線であり、後述する励磁回路10によって電流が流されることによって励磁されて電磁石として機能する。このときコイル4,5は後述する制御回路40によるステッピングモータ1の指令回転角度に応じた励磁パターンに対応して励磁される。これによって、磁性体の回転子2がコイル4,5の励磁パターンに応じた回転角度へと回転し、励磁パターンが変化するまで当該回転角度で維持される。即ち、ステッピングモータ1は所謂PM型の2相ステッピングモータである。制御回路40及び励磁パターンについては後述する。
なお、後述する励磁回路10によって流されるコイル4,5の電流の方向は、当該励磁回路10の駆動に応じて変化する。即ち、ステッピングモータ1は所謂バイポーラ型のステッピングモータである。
(ステッピングモータの駆動装置)
次に、ステッピングモータの駆動装置7について詳細に説明する。
ステッピングモータの駆動装置7は、ステッピングモータ1の駆動/停止及び回転角度を制御する。ステッピングモータの駆動装置7は、図1に示すように、ステッピングモータ1のコイル4,5のそれぞれに設けられてコイル4,5に流れる電流の制御を行う二つの励磁回路10と、ステッピングモータ1の駆動/停止制御及び回転角度制御を行う制御回路40と、を備えている。制御回路40については後述する。
図2はステッピングモータのコイル4,5と電源装置6とを接続する励磁回路10の構成を示す回路図である。
励磁回路10は、コイル4,5の両端子にそれぞれ並列して二つずつ設けられた「スイッチング素子」として機能するFET11〜14と、FET11〜14のそれぞれと並列に接続されたダイオード15〜18と、FET11〜14に接続されてFET11〜14のON/OFFを制御することでコイル4,5に流れる電流を制御する駆動回路20と、を備えている。
なお、励磁回路10はコイル4,5のひとつずつにそれぞれ独立して設けられており、その構成及び動作の仕組みは同一である。以下はコイル4に接続された励磁回路10について記載し、同様の仕組みであるコイル5の励磁回路10についての記載は省略する。
また、コイル4はFET11〜14及びダイオード15〜18によるHブリッジ回路を介して電源装置6に接続されている。
電源装置6は直流の電力を供給する電源装置であり、陽極6aとアース6bとを有する。なお、電源装置6はコイル4,5で共用される。つまり、一つの電源装置6に対して二つの励磁回路10が接続され、コイル4,5に電流が流される。
FET11〜14は所謂3端子の電界効果トランジスタであり、FET11,12の一方の電極がコイル4の一端と、FET13,14の一方の電極がコイル4の他端と接続されている。また、FET11,13の他方の電極が電源装置6の陽極6aと、FET12,14の他方の電極がアース6bと接続されている。つまり、コイル4とFET11〜14とによってHブリッジ回路が構成されている。
また、FET11〜14はゲートが駆動回路20のPWM出力回路26と接続されており、後述する駆動回路20によってゲートに電圧が印加されると、当該電圧の値に応じた電流を電源装置6からコイル4に流す「スイッチング素子」として機能する。なお、FET11〜14は双方向の通電が可能である。
ダイオード15〜18は、FET11〜14のそれぞれと並列に接続されている。また、ダイオードのアノード(陽極)は電源装置6のアース6b側に、カソード(陰極)は電源装置6の陽極6a側に接続されている。つまり、電源装置6からの電流がダイオード15〜18に流れることはなく、電源装置6による電流の方向とは逆の方向の電流が流れた場合に、当該逆の方向の電流はダイオード15〜18を流れる。これによって、当該逆の方向の電流がFET11〜14に流れることでFET11〜14が破損することを防ぐ。即ち、ダイオード15〜18は、FET11〜14の保護回路として機能する。
(駆動回路)
駆動回路20は、制御回路40によって出力されたパルス信号CLと方向信号DIRとを受信して3ビットのコードを出力するカウンタ21と、カウンタ21によるコードと制御回路40によって出力されたCH(カレントハイ)/CD(カレントダウン)信号とから8ビットの電流指令値とFET11〜14のON/OFFパターンを制御する信号P1、P2とを出力するデコーダ22と、デコーダ22による電流指令値をアナログ値に変換するD/Aコンバータ23と、後述する電流検出回路32による検出値に基づいてD/Aコンバータ23によってアナログ値に変換された電流指令値に補正を加えて出力するエラーアンプ24と、所定の周波数で三角波Hを出力する三角波発生回路25と、エラーアンプ24の出力による電流指令値と三角波発生回路25の出力による三角波とからPWM信号を出力するPWM出力回路26と、PWM出力回路26とFET11〜14との間に設けられた二つのAND回路27,28と、PWM出力回路26とAND回路28との間に設けられたNOT回路29と、AND回路27とFET12との間に設けられたNOT回路30と、AND回路28とFET14との間に設けられたNOT回路31と、コイル4に流れる電流値を検出してエラーアンプ24に出力する電流検出回路32と、を備えている。
また、駆動回路20のカウンタ21とデコーダ22とは、制御回路40に接続されている。
まず、制御回路40について詳細に説明する。
制御回路40は、ステッピングモータ1の駆動/停止制御及び回転角度の制御するための各種の処理を行う。制御回路40は、カウンタ21に対してパルス信号CLと方向信号DIRを出力すると共に、デコーダ22に対してCH/CD信号を出力する。
パルス信号CLは、後述するステップの遷移タイミングを示す信号であり、方向信号DIRはステッピングモータ1の回転方向を示す信号である。CH/CD信号は、ステッピングモータ1の駆動/停止を示す信号である。
ここで、ステッピングモータ1のステップ及び方向信号DIRとステップの関係について詳細に説明する。
図3はコイル4,5に流される電流のステップと電流値との対応関係を表す説明図である。
図3に示すように、コイル4,5に流れる電流はステップ0〜7の八つのステップに分かれており、コイル4,5にはステップ0〜7のうち何れかのステップに対応した電流が流れる。当該電流は、駆動回路20によってFET11〜14が制御されることにより電源装置6から流れる電流であり、ステップ0〜7の電流値はあらかじめ定められている。
なお、図3における線E、Fは電流の値が0[A]であることを示す線であり、電流値が線E、Fより上側(プラス)の場合にコイル4,5には図1の矢印A、C方向に電流が流れ、電流値が線E,Fより下側(マイナス)の場合にコイル4,5には図1の矢印B、D方向に電流が流れる。
このとき、ステッピングモータ1が一方向へ回転(正回転)する際は、コイル4,5の電流値はステップが順に進むよう制御され、ステップ7の後はステップ0へと戻る。一方、正回転とは逆方向の回転(逆回転)の際は、コイル4,5の電流値はステップが戻るよう制御され、ステップ0の後はステップ7へと移る。このとき、とあるステップから次のステップへと遷移するタイミングはパルス信号CLによって指示される。また、ステッピングモータ1の回転方向は、方向信号DIRによって指示される。
また、各ステップにはステッピングモータ1が回転駆動される場合に用いられる駆動用電流の値とステッピングモータ1が停止している場合に用いられる停止用電流の値とが設けられている。停止用電流はステッピングモータ1が停止している際にステッピングモータ1の回転角度を維持するためにコイル4,5が励磁される際に用いられる。また、停止用電流は駆動用電流に比べて小さな電流値となるよう設定されている。駆動用電流と停止用電流とのいずれを用いるかはCH/CD信号によって指示される。CH信号が出力された場合は駆動用電流が、CD信号が出力された場合は停止用電流が用いられる。
なお、図3に示すように、本実施の形態におけるステッピングモータ1のコイル4,5の励磁パターンは、コイル4とコイル5との関係において、コイル4あるいはコイル5のいずれか一方に励磁されているステップと、コイル4,5の両方に励磁されているステップとが交互に行われる励磁パターンである。即ち、本実施の形態による励磁回路10では、1−2相励磁方式によるステッピングモータの回転角度制御が行われている。
カウンタ21は、制御回路40によって出力されたパルス信号CLと方向信号DIRとを受信して3ビットのコードをデコーダ22に出力する。このとき、カウンタ21はその時点でのステップを管理しており、パルス信号CLを受けたタイミングで方向信号DIRが示すステッピングモータ1の回転方向に応じて現在のステップから一つ進めたあるいは戻したステップへとステッピングモータ1を駆動するよう示す3ビットのコードをデコーダ22に出力する。
デコーダ22は、カウンタ21によるコードと制御回路40によって出力されたCH/CD信号とから8ビットの電流指令値とFET11〜14のON/OFFパターンを制御する信号P1、P2とを出力する。デコーダ22は、CH信号を受けた場合は駆動用電流を、CD信号を受けた場合は停止用電流を流すよう指示する電流指令値を出力する。つまり、デコーダ22は、カウンタ21の出力した3ビットのコードからステップを決定し、CH/CD信号から駆動用電流か停止用電流かのいずれか一方を用いることを決定して8ビットの電流指令値を出力する。
図4はデコーダ22への入力コードと、デコーダ22から出力される電流指令値並びに信号P1、P2との対応関係を示すテーブルである。
図4に示す入力コードのうち、V,W,Xはカウンタから出力される3ビットのコードであり、YはCH/CD信号を示す値である。Yが0のときCH信号とみなされ、Yが1のときCD信号と見なされる。
デコーダ22から出力される8ビットの電流指令値は00H〜FFHの範囲の電流値を示す信号であり、各ステップ及び当該ステップにおける駆動/停止に対応した電流値を示す信号が出力される。このうち、C0H、E0H、40H、20Hは駆動用電流であり、90H、A0H、70H、60Hは停止用電流である。また、80Hは駆動用電流としても停止用電流としても用いられる。
また、図4に示すように、デコーダ22は電流指令値を出力すると共に、電流指令値に応じてFET11〜14のON/OFFパターンを制御する信号P1、P2を出力する。信号P1はAND回路27に、信号P2はAND回路28に出力される。信号P1,P2とAND回路27,28とによるFET11〜14のON/OFFパターンの制御については後述する。
D/Aコンバータ23は、デコーダ22による電流指令値をアナログ値に変換してエラーアンプ24へと出力する。
エラーアンプ24は、電流検出回路32による検出値に基づいてD/Aコンバータ23によってアナログ値に変換された電流指令値に補正を加えて出力する。電流検出回路32はコイル4に流れる電流値を検出し、検出値FBとしてエラーアンプ24へと出力する。エラーアンプ24は、D/Aコンバータ23によってアナログ値に変換された電流指令値と電流検出回路32の検出値FBとを比較し、電流指令値よりも検出値FBが小さかった場合は電流指令値を上げる補正を加え、電流指令値よりも検出値FBが大きかった場合は電流指令値を下げる補正を加える。つまり、エラーアンプ24はコイル4に流れている電流値に応じて電流指令値を補正することにより、コイル4に流れる電流が電流指令値と等しくなるよう制御する。
三角波発生回路25は、所定の周波数で三角波Hを出力する(図5参照)。
PWM出力回路26は、エラーアンプ24の出力による電流指令値と三角波発生回路25の出力による三角波とからPWM信号を出力する。出力されたPWM信号はFET11〜14のゲートに印加され、FET11〜14のON/OFFを切り替える。このときPWM信号のデューティ比はエラーアンプ24の出力による電流指令値によって変化する。
図5は、三角波発生回路による三角波と、エラーアンプ24の出力による電流指令値と、PWM出力回路26によるPWM信号のデューティ比との対応関係を示す説明図である。
所定の周波数で上下する三角波Hに対して、エラーアンプ24の出力による電流指令値は電流検出回路32による検出値に応じて補正され、三角波Hに対する位置が変動する。このとき、PWM信号は三角波Hが電流指令値よりも上に位置する際にOFFとなり、三角波Hが電流指令値よりも下に位置する際にONとなる。つまり、PWM信号のデューティ比は三角波に対する電流指令値の位置によって決定する。例えばエラーアンプ24の出力による電流指令値I,J(I>J)である場合、電流指令値がIの場合のPWM信号Kのデューティ比は電流指令値がJの場合のPWM信号Lのデューティ比に対して大きくなる。かようにしてPWM信号のデューティ比即ちPWM信号によってFET11〜14に印加される電圧値が決定する。
PWM出力回路26によるPWM信号は、AND回路27,28とNOT回路29〜31とを介してFET11〜14のON/OFF制御を行う。
まず、ステッピングモータ1の駆動時即ちCH信号出力時においてPWM信号がONだった場合のFET11〜14のON/OFFパターンについて後述の図6(a)を用いて説明する。
図6は、ステッピングモータ1の駆動時におけるFET11〜14のON/OFFパターンを示す説明図である。なお、図6(a)はPWM信号がONの場合を示し、図6(b)はPWM信号がOFFの場合を示す。なお、PWM信号がONの場合、AND回路27,28及びNOT回路29〜31には1と解される。また、FET11〜14に出力された信号が1だった場合は当該FETがONされ、FET11〜14に出力された信号が0だった場合は当該FETがOFFされる。
PWM信号がONなので、PWM出力回路26からAND回路27への出力は1となる。また、駆動時なので、図4に示すように信号P1は1となる。よってAND回路27への入力はともに1となり、AND回路27の出力は1となる。よって、FET11はONとなる。また、NOT回路30によってAND回路27の出力値は反転して0となり、FET12はOFFとなる。
一方、AND回路28については、駆動時なので図4に示すように信号P2は1となるものの、PWM信号がONであることによる1の出力値がNOT回路29によって反転されて0となるので、AND回路28の出力は0となる。よって、FET13はOFFとなる。また、NOT回路31によってAND回路28の出力値は反転して1となり、FET14はONとなる。
つまり、ステッピングモータ1の駆動時においてPWM信号がONだった場合、FET11とFET14とがONとなると共に、FET12とFET13とがOFFとなり、矢印A1の方向の電流が流れる。よって、コイル4には矢印Aの方向に電流が流れる。
次に、ステッピングモータ1の駆動時即ちCH信号出力時においてPWM信号がOFFだった場合のFET11〜14のON/OFFパターンについて、図6(b)を用いて説明する。
駆動時なので、AND回路27に出力される信号P1は1であるものの、PWM信号がOFFなので、PWM出力回路26からAND回路27への出力は0となる。よってAND回路27の出力は0となる。よって、FET11はOFFとなる。また、NOT回路30によってAND回路27の出力値は反転して1となり、FET12はONとなる。
一方、AND回路28については、PWM信号がOFFであることによる0の出力値がNOT回路29によって反転されて1となる。また、駆動時なので信号P2は1である。よって、AND回路28の出力は1となる。よって、FET13はONとなる。また、NOT回路31によってAND回路28の出力値は反転して0となり、FET14はOFFとなる。
つまり、ステッピングモータ1の駆動時においてPWM信号がOFFだった場合、FET12とFET13とがONとなると共に、FET11とFET14とがOFFとなり、コイル4には矢印B1の方向に電流を流そうとする方向に電源装置6による電圧がかかる。一方、コイル4にはPWM信号がONだった際に矢印A方向に電流が流れている。このため、PWM信号がONからOFFに変わり、電源装置6による電流の向きが変わった瞬間に自己誘導による矢印A方向の電流が生じる。当該自己誘導による起電力の電圧は、電源装置6の電圧よりも高いため、電流は矢印A2の方向に流れる。よって、コイル4に流れる電流は矢印A方向となる。
次に、コイル4に流れる電流について詳細に説明する。図7は、ステップ0においてコイル4に駆動用電流が流れる場合の電流値の詳細を示す説明図である。
ステップ0においてコイル4の電流値がC0Hに対応する電流値となるとき、まず80H(0[A])からC0Hに対応する電流値となるまで、図6(a)に示すようにFET11及びFET14がONされることによってコイル4に流れる電流値がOまで上がる。その後、図6(b)に示すようにFET12及びFET13がONされることによって電源装置6による電流の向きが逆になることにより、コイル4に自己誘導による電流が流れる。当該自己誘導による電流は電源装置6の電圧を受けて次第に減衰し、電流値がPまで下がる。その後再びFET11及びFET14がONとなり、電流値がOとなる。その後再びFET12及びFET13がONとなって電流値がPまで下がる。この繰り返しにより、コイル4に流れる電流値はOとPとの間に維持される。また、このときC0Hに対応した電流値は、OとPとのほぼ中間に位置するよう制御される。つまり、駆動回路20はFET11とFET14とをONとする電流とFET12とFET13とをONとする電流とを交互にコイル4に流すことによって、コイル4にほぼ一定の電流値C0Hが流れるよう制御する。
このとき、電源装置による電流がコイル4に流れる時間T1と、コイル4の自己誘導による電流がコイル4に流れる時間T2との比率はほぼ1:1である。
なお、図7及び上述の説明はステップ0においてコイル4に流れる電流についての記載であるが、ステップ1〜7についても同様の仕組みでコイル4に流れる電流が制御される。また、コイル5についてもコイル4と同様の仕組みで電流が制御されることは言うまでもない。
次に、ステッピングモータ1の停止時即ちCD信号出力時のステップ0〜2においてPWM信号がONだった場合のコイル4に接続されたFET11〜14のON/OFFパターンについて後述の図8(a)を用いて説明する。
図8は、ステッピングモータ1の停止時のステップ0〜2におけるコイル4に接続されたFET11〜14のON/OFFパターンを示す説明図である。なお、図8(a)はPWM信号がONの場合を示し、図8(b)はPWM信号がOFFの場合を示す。
PWM信号がONなので、PWM出力回路26からAND回路27への出力は1となる。また、ステップ0〜2なので、図4に示すように信号P1は1となる。よってAND回路27への入力はともに1となり、AND回路27の出力は1となる。よって、FET11はONとなる。また、NOT回路30によってAND回路27の出力値は反転して0となり、FET12はOFFとなる。
一方、AND回路28については、PWM信号がONであることによる1の出力値がNOT回路29によって反転されて0となり、またステップ0〜2における信号P2も0であるので、AND回路28の出力は0となる。よって、FET13はOFFとなる。また、NOT回路31によってAND回路28の出力値は反転して1となり、FET14はONとなる。
つまり、ステッピングモータ1の停止時のステップ0〜2においてPWM信号がONだった場合、FET11とFET14とがONとなると共に、FET12とFET13とがOFFとなり、矢印A1の方向の電流が流れる。よって、コイル4には矢印Aの方向に電流が流れる。
次に、ステッピングモータ1の停止時即ちCD信号出力時のステップ0〜2においてPWM信号がOFFだった場合のコイル4に接続されたFET11〜14のON/OFFパターンについて図8(b)を用いて説明する。
ステップ0〜2における信号P1は1であるものの、PWM信号がOFFなので、PWM出力回路26からAND回路27への出力は0となる。よってAND回路27の出力は0となる。よって、FET11はOFFとなる。また、NOT回路30によってAND回路27の出力値は反転して1となり、FET12はONとなる。
一方、AND回路28については、PWM信号がOFFであることによる0の出力値がNOT回路29によって反転されて1となるものの、ステップ0〜2における信号P2は0であるので、AND回路28の出力は0となる。よって、FET13はOFFとなる。また、NOT回路31によってAND回路28の出力値は反転して1となり、FET14はONとなる。
つまり、ステッピングモータ1の停止時のステップ0〜2においてPWM信号がOFFだった場合、FET12とFET14とがONとなると共に、FET11とFET13とがOFFとなり、コイル4の両端子はFET12とFET14とによって接続された状態となる。
ここで、ステッピングモータ1の停止時におけるコイル4に生じる自己誘導について詳細に説明する。ステッピングモータ1の停止時においてFET11とFET13とがOFFとなることで電源装置6からの電流が止まると、コイル4の自己誘導による電流の向きはそれまで電流が流れていた方向即ち矢印A方向の電流となる。このとき、コイル4の両端子はFET12とFET14とによって接続された状態となっているので、当該自己誘導による電流は矢印A3のように、FET14、FET12を通ってコイル4に戻る。つまり、コイル4の自己誘導によってコイル4から流れる電流がコイル4自体に還流する。当該自己誘導による電流は、コイル4、FET12、FET14による回路が有する電気抵抗によって次第に緩やかに減衰する。
次に、ステッピングモータ1の停止時におけるステップ0の際の電流について詳細に説明する。
図9は、ステップ0においてコイル4に停止用電流が流れる場合の電流値の詳細を示す説明図である。
ステップ0においてコイル4の電流値が90Hに対応する電流値となるとき、まず80H(0[A])から90Hに対応する電流値となるまで、図8(a)に示すようにFET11及びFET14がONされることによってコイル4に流れる電流値がoまで上がる。その後、図8(b)に示すようにFET12及びFET14がONされることによって自己誘導によって生じた電圧によって電流が流れるが、減衰によって次第に電流値が下がるため、コイル4に流れる電流値がpまで下がる。その後再びFET11及びFET14がONとなり、電流値がoとなる。その後再びFET12及びFET14がONとなって電流値がpまで下がる。この繰り返しにより、コイル4に流れる電流値はoとpとの間に維持される。また、このとき90Hに対応した電流値は、oとpとのほぼ中間に位置するよう制御される。つまり、駆動回路20はFET11とFET14とをONされることで電源装置6から流れる電流とコイル4の自己誘導による電流とを交互にコイル4に流すことによって、コイル4に90Hに対応したほぼ一定の電流値となるA方向の電流が流れるよう制御する。
このとき、ステッピングモータ1の駆動時とは異なり、自己誘導による電流に対しては、当該電流を妨げる電源装置6による電圧が存在しない。よって、図9に示すように、自己誘導による電流の時間に対する減衰の度合いは、電源装置6によって電流が流れる際の電流値の時間に対する変化の度合いに対して大幅に緩やかとなる。よって、電流値をほぼ一定の電流値となるよう制御する際のPWM信号のON/OFFの割合は、ONに対してOFFの時間が大幅に長くなる。つまり、電源装置6による電流がコイルに流れる時間T3は自己誘導による電流が流れる時間T4に対して大幅に短くなる。また、電源装置6による電流がコイルに流れる時間の割合が短くなることで、駆動時に比して電流の上下のぶれ(リップル)が小さくなる。つまり、図7における電流値Oと電流値Pの幅に比して、図9における電流値oと電流値pの幅は小さくなる。
なお、図9及び上述の説明はステップ0においてコイル4に流れる電流についての記載だが、ステップ1、2についても同様の仕組みでコイル4に流れる電流が制御される。また、コイル5のステップ2〜4についても同様であることは言うまでもない。
次に、ステッピングモータの停止時即ちCD信号出力時のステップ4〜6においてPWM信号がOFFだった場合のコイル4に接続されたFET11〜14のON/OFFパターンについて後述の図10(a)を用いて説明する。
図10は、ステッピングモータ1の停止時のステップ4〜6におけるコイル4に接続されたFET11〜14のON/OFFパターンを示す説明図である。なお、図10(a)はPWM信号がOFFの場合を示し、図10(b)はPWM信号がONの場合を示す。
PWM信号がOFFなので、PWM出力回路26からAND回路27への出力は0となる。また、ステップ4〜6における信号P1は0である。よってAND回路27の出力は0となる。よって、FET11はOFFとなる。また、NOT回路30によってAND回路27の出力値は反転して1となり、FET12はONとなる。
一方、AND回路28については、PWM信号がOFFであることによる0の出力値がNOT回路29によって反転されて1となり、ステップ4〜6における信号P2は1であるので、AND回路28の出力は1となる。よって、FET13はONとなる。また、NOT回路31によってAND回路28の出力値は反転して0となり、FET14はOFFとなる。
つまり、ステッピングモータ1の停止時のステップ4〜6においてPWM信号がOFFだった場合、FET12とFET13とがONとなると共に、FET11とFET14とがOFFとなり、矢印B1の方向の電流が流れる。よって、コイル4には矢印Bの方向に電流が流れる。
次に、ステッピングモータの停止時即ちCD信号出力時のステップ4〜6においてPWM信号がONだった場合のコイル4に接続されたFET11〜14のON/OFFパターンについて図10(b)を用いて説明する。
PWM信号がONなので、PWM出力回路26からAND回路27への出力は1となるものの、図4に示すように信号P1は0となる。よってAND回路27の出力は0となる。よって、FET11はOFFとなる。また、NOT回路30によってAND回路27の出力値は反転して1となり、FET12はONとなる。
一方、AND回路28については、図4に示すように信号P2は1となるものの、PWM信号がONであることによって1の出力値がNOT回路29によって反転されて0となるので、AND回路28の出力は0となる。よって、FET13はOFFとなる。また、NOT回路31によってAND回路28の出力値は反転して1となり、FET14はONとなる。
つまり、ステッピングモータ1の停止時のステップ4〜6においてPWM信号がONだった場合、FET12とFET14とがONとなると共に、FET11とFET13とがOFFとなり、コイル4の両端子はFET12とFET14とによって接続された状態となる。このとき、コイル4の自己誘導による電流はステップ4〜6においてPWM信号がOFFの状態の場合に電源装置6から流れる電流の方向即ちB方向に流れ、矢印B2のように、FET12、FET14を介してコイル4自体に還流する。
図11は、ステップ4においてコイル4に停止用電流が流れる場合の電流値の詳細を示す説明図である。
ステップ0においてコイル4の電流値が70Hに対応する電流値となるとき、まず80H(0[A])から70Hに対応する電流値となるまで、図10(a)に示すようにFET12及びFET13がONされることによってコイル4に流れる電流値がqとなる。その後、図10(b)に示すようにFET12及びFET14がONされることによって自己誘導によって生じた電圧によって電流が流れるが、減衰によって次第に電流値が下がるため、コイル4に流れる電流値がrまで減衰する。その後再びFET12及びFET13がONとなり、電流値がqとなる。その後再びFET12及びFET14がONとなって電流値がrまで減衰する。この繰り返しにより、コイル4に流れる電流値はqとrとの間に維持される。また、このとき70Hに対応した電流値は、qとrとのほぼ中間に位置するよう制御される。つまり、駆動回路20はFET12とFET13とをONされることで電源装置6から流れる電流とコイル4の自己誘導による電流とを交互にコイル4に流すことによって、コイル4に70Hに対応したほぼ一定の電流値となるB方向の電流が流れるよう制御する。
このとき、ステッピングモータ1の駆動時とは異なり、自己誘導による電流に対しては、当該電流を妨げる電源装置6による電圧が存在しない。よって、図11に示すように、自己誘導による電流の時間に対する減衰の度合いは、電源装置6によって電流が流れる際の電流値の時間に対する変化の度合いに対して大幅に緩やかである。よって、電流値をほぼ一定の電流値となるよう制御する際のPWM信号のON/OFFの割合は、OFFに対してONの時間が大幅に長くなる。つまり、電源装置6による電流がコイルに流れる時間T5は自己誘導による電流が流れる時間T6に対して大幅に短くなる。また、電源装置6による電流がコイルに流れる時間の割合が短くなることで、駆動時に比して電流の上下のぶれ(リップル)が小さくなる。つまり、図7における電流値Oと電流値Pの幅に比して、図9における電流値qと電流値rの幅は小さくなる。
なお、図11及び上述の説明はステップ4においてコイル4に流れる電流についての記載だが、ステップ5、6についても同様の仕組みでコイル4に流れる電流が制御される。また、コイル5のステップ6,7,0についても同様であることは言うまでもない。
次に、ステッピングモータの停止時即ちCD信号出力時のステップ3,7におけるコイル4に接続されたFET11〜14のON/OFFパターンについて後述の図12を用いて説明する。
図12は、ステッピングモータの停止時即ちCD信号出力時のステップ3,7におけるコイル4に接続されたFET11〜14のON/OFFパターンを示す説明図である。
PWM信号のON/OFFに関らず、図4に示すようにステップ3,7の信号P1,P2は0なので、AND回路27,28の出力はともに0となる。よって、FET11、FET13はOFFとなり、NOT回路30,31によってAND回路27,28の出力が反転することでFET12,14はONとなる。つまり、FET12とFET14とがONとなると共に、FET11とFET13とがOFFとなり、コイル4の両端子はFET12とFET14とによって接続された状態となる。よって、コイル4に電流は流れない。なお、コイル5のステップ1,5も同様であることは言うまでもない。
なお、コイル4、5の一方に電流が流れていないステップの際には、他方のコイルには電流が流れているので、当該他方のコイルによりステッピングモータ1の回転角度は維持される。
(本発明によるミシンのステッピングモータの駆動装置の作用効果)
上述の実施の形態によれば、ステッピングモータ1の停止時に、コイル4,5の自己誘導による電流が当該コイル自体に還流する。このとき、自己誘導による電流が流れる際には、従来のように電源装置6の電圧が当該自己誘導による電流を減衰させることがない。つまり、自己誘導による電流の時間当たりの減衰の度合いが従来技術によるミシンのステッピングモータの駆動装置によるコイルの電流制御に比して大幅に緩やかになる。よって、ステッピングモータ1の停止中にコイル4,5に流れる電流をほぼ一定に維持する際、当該自己誘導による電流の減衰が大幅に緩やかになるので、当該自己誘導による電流をコイル4,5に流す時間に比して電源装置6による電流をコイル4,5に流す時間を大幅に低減させることが可能となる。よって、ステッピングモータの停止時であっても電力消費を十分に低減できないといった従来技術の問題点を解消でき、ステッピングモータの消費電力が大幅に削減でき、エネルギー効率のよいミシンのステッピングモータの駆動装置を提供できる。
また、上述のように自己誘導による電流をコイル4,5に流す時間に比して電源装置6による電流をコイル4,5に流す時間を低減させることができるので、コイル4,5に電源装置による電流が流れることに伴う電流値の上昇幅が減少する。これに伴い、電流値をほぼ一定に維持する制御における電流値の上下のぶれ(リップル)も低減する。これによって、コイルの発熱が大幅に低減する。よって、リップルが大きいことに伴ってコイルの発熱が大きくなるといった従来技術の問題点を解消でき、当該発熱によるステッピングモータの劣化を大幅に低減することができる。
(その他)
なお、上述の実施の形態においては、PM型2相ステッピングモータのバイポーラ型についての記載であるが、コイルに流れる電流の制御をFET等のスイッチング素子のON/OFF制御によって行うものであれば、他のステッピングモータでも応用可能である。
また、上述の実施の形態においては、1−2相励磁方式によるステッピングモータの回転角度制御を行っているが、他の励磁方式、例えば1相励磁方式や2相励磁方式にも応用可能である。
また、上述の実施の形態においては、スイッチング素子としてFETを用いているが、同様の機能を果たすものであれば他のスイッチング素子でもよい。また、駆動回路20及び駆動回路20を構成する各部についても、同様の機能を果たすものであれば他の構成を取っても良い。
本発明によるステッピングモータの駆動装置が接続されたステッピングモータの構成を示す説明図である。 ステッピングモータのコイルと電源装置とを接続する励磁回路の構成を示す回路図である。 コイル4,5に流される電流のステップと電流値との対応関係を表す説明図である。 デコーダへの入力コードと、デコーダから出力される電流指令値並びに信号P1、P2との対応関係を示すテーブルである。 三角波発生回路による三角波と、エラーアンプの出力による電流指令値と、PWM出力回路によるPWM信号のデューティ比との対応関係を示す説明図である。 ステッピングモータの駆動時におけるFETのON/OFFパターンを示す説明図である。なお、図6(a)はPWM信号がONの場合を示し、図6(b)はPWM信号がOFFの場合を示す。 ステップ0においてコイルに駆動用電流が流れる場合の電流値の詳細を示す説明図である。 ステッピングモータの停止時のステップ0〜2におけるコイルに接続されたFETのON/OFFパターンを示す説明図である。なお、図8(a)はPWM信号がONの場合を示し、図8(b)はPWM信号がOFFの場合を示す。 ステップ0においてコイル4に停止用電流が流れる場合の電流値の詳細を示す説明図である。 ステッピングモータの停止時のステップ4〜6におけるコイルに接続されたFETのON/OFFパターンを示す説明図である。なお、図10(a)はPWM信号がOFFの場合を示し、図10(b)はPWM信号がONの場合を示す。 ステップ4においてコイルに停止用電流が流れる場合の電流値の詳細を示す説明図である。 ステッピングモータの停止時即ちCD信号出力時のステップ3,7におけるコイルに接続されたFETのON/OFFパターンを示す説明図である。 従来技術によるステッピングモータを示す説明図である。 ステッピングモータのコイルに流れる電流のパターンを示す説明図である。なお、図14(a)はステッピングモータの回転角度ごとの励磁パターンを示す説明図であり、図14(b)はそれぞれの励磁パターンにおける電流値の詳細を示す説明図である。 矢印a方向に電流が流れる場合のコイルに接続されたFETのON/OFFと電流の方向との関係を示す説明図である。図15(a)は電源装置による電流がコイルに流れている場合、図15(b)はコイルの自己誘導による電流がコイルに流れている場合を示す。
符号の説明
4,5 コイル
11〜14 FET
21 カウンタ
22 デコーダ
23 D/Aコンバータ
24 エラーアンプ
25 三角波出力回路
26 PWM出力回路
27,28 AND回路
29〜31 NOT回路
40 制御回路

Claims (1)

  1. ステッピングモータのコイルの両端をそれぞれ電源装置の陽極に接続する二つのスイッチング素子と、前記コイルの両端をそれぞれアースに接続する二つのスイッチング素子と、を有するHブリッジ回路と、
    前記スイッチング素子のON/OFFを制御することで当該コイルに流れる電流を定電流に制御する駆動回路と、を備え、
    前記駆動回路は、前記ステッピングモータが駆動する場合に前記ステッピングモータのコイルに所定の駆動用電流が流れるよう前記スイッチング素子のON/OFFを制御し、
    前記ステッピングモータが停止状態の場合に前記ステッピングモータのコイルに所定の停止用電流が流れるよう前記スイッチング素子のON/OFFを制御するミシンのステッピングモータの駆動装置において、
    前記駆動回路は、前記ステッピングモータが停止状態の場合に、前記コイルの自己誘導によって当該コイルから流れる電流が当該コイル自体に還流するよう前記スイッチング素子のON/OFFを制御することを特徴とするミシンのステッピングモータの駆動装置。
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