JP2009092663A - 表面電荷分布測定方法および装置 - Google Patents

表面電荷分布測定方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料表面の表面電荷分布を消失させることなく、表面電荷分布を精度良く測定する方法および装置を実現する。
【解決手段】表面に電荷を有する試料SPに荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査し、この走査により得られる検出信号により、試料SPの表面電荷分布を測定する方法であって、荷電粒子ビームの照射電流を、試料の表面電荷分布を消失させない大きさに設定して走査を行う。
【選択図】図1

Description

この発明は、表面電荷分布測定方法およびこの測定方法を実施するための測定装置に関する。
複写機やレーザプリンタといった電子写真方式の画像形成装置では、画像の出力に際して、通常、以下の作像工程を経る。
a.光導電性の感光体を均一に帯電させる帯電工程
b.感光体に光を照射して光導電性により静電潜像を形成する露光工程
c.帯電したトナー粒子を用いて、感光体上に可視画像を形成する現像工程
d.現像された可視画像を紙片等の転写材に転写する転写工程
e.転写された画像を転写材上に融着・固定する定着工程
f.可視画像転写後の感光体上の残留トナーを清掃するクリーニング工程
g.感光体上の残留電荷を除電する除電工程 。
これら工程それぞれでのプロセスファクタやプロセスクオリティは、最終的な出力画像の品質に大きく影響を与える。近年は、高画質に加え、高耐久性、高安定性、さらには省エネルギ化など環境に優しい作像プロセスの要求がより高まって来ており、各工程のプロセスクォリティの向上が強く求められている。
作像工程において、帯電・露光により感光体上に形成される静電潜像は「トナー粒子の挙動に直接影響を与えるファクタ」であり、感光体上における静電潜像の品質評価が重要となる。感光体上の静電潜像を観測し、その結果を設計にフィードバックすることにより、帯電工程や露光工程のプロセスクォリティの向上を図ることができ、その結果、画質・耐久性・安定性や省エネルギ化のさらなる向上が期待できる。
しかしながら、光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像は測定することが極めて困難である。
電位分布の測定方法として、従来から「カンチレバーなどのセンサヘッドを、電位分布の形成された試料に近づけ、そのときの相互作用として生じる静電引力や誘導電流を計測して電位分布に換算する方式」が知られ、静電引力タイプの観測装置はSPM(scanning probe microscope)として市販され、誘導電流タイプは特許文献1、2等に開示されている。
これらの方式では、センサヘッドを試料に近接させる必要があり、例えば、10μmの空間分解能を得るためには、センサと試料との距離は10μm以下にする必要がある。
このような条件での測定は、
・絶対距離計測が必要となる。
・測定に時間がかかり、その間に潜像状態が変化する。
・センサヘッドと試料との間の放電、吸着が起こる。
・センサ自身が電場を乱す。
といった問題を有し、実使用上静電潜像の適正な測定は極めて困難である。
静電潜像を現像してトナー像を形成し、得られるトナー像を紙やテープに転写させ、このトナー像により静電潜像の状態(品質)を測定する方法が考えられるが、この測定方法では、現像・転写のプロセスを経由して静電潜像の状態を間接的に観測することになり、静電潜像自体を測定することにならない。
静電潜像の測定方法として、帯電特性、感光特性、暗減衰特性を表面電位計などで測定する方法が特許文献3に開示されている。しかし、特許文献3記載の測定方法では、得られる空間的分解能は、センチメートルあるいはミリメートルのオーダーに過ぎず、600dpi(1ドット:42μm)、1200dpi(1ドット:21μm)といった画像品質本来の要求されるミクロンオーダーの空間分解能に比べて何桁も悪く、静電潜像そのものの評価としては必ずしも十分と言えない。
静電潜像や表面電荷分布に電子ビームを照射して静電潜像の測定を行うことは、特許文献4、5に記載されている。しかしながら、特許文献5記載の測定技術では、測定対象となる電荷分布を保持するものがLSIチップのごとき導体試料であり、また、特許文献4に記載された測定技術は、電荷を安定に保持することが可能な誘電体試料に対してしか適用できず、光導電性の試料のように、暗減衰により電荷分布が時間と共に減衰する試料に対しては適用できない。
即ち、通常の誘電体は、電荷を半永久的に保持することができるので、時間をかけて電荷分布の測定を行うことができるが、光導電性の試料は抵抗値が有限であるので表面電荷を長時間保持することができず、暗減衰により時間とともに表面電位が低下してしまう。光導電性の試料が表面電荷を保持できる時間は、暗室内でも高々数十秒である。このため、帯電・露光後に電子顕微鏡(SEM)内で観察しようとしても、その準備段階で静電潜像は消失してしまう。
また、電子ビームにより表面電荷分布を測定する場合、電子ビームの照射により、表面電荷分布自体を消失させてしまう虞がある。
さらに、測定試料表面の表面電荷分布が形成する電界(測定試料面に対して垂直な方向で、電子ビームの入射側を正とする電界ベクトル)の強度が大きくなると、測定結果に後述する2値化現象が生じる。表面電荷分布が静電潜像である場合、実際の電子写真プロセスでは、トナー粒子を付着させるために必要な電界強度(Eth)があり、Eth以下の電界強度ではトナー粒子が付着せず、現像が行われない。
静電潜像における電界強度分布がガウシアン分布のような滑らかな曲線で近似できれば、Ethでの潜像径をコンピュータ上で演算することは可能であるが、実際には誤差要因が付加するため、一般的には、Ethでのコントラスト像として直接取り込むことが望ましい。
特許第3009179号公報 特開平11―184188号公報 特開2002−82572号公報 特開平3−49143号公報 特開平3−29867号公報
この発明は、試料表面の表面電荷分布を消失させることなく、表面電荷分布を精度良く測定する方法および装置の実現を課題とする。
この発明はまた、試料表面の表面電荷分布を、所望の電界強度のレベルで適正に精度良く測定する方法および装置の実現を課題とする。
この発明の表面電荷分布の測定方法は「表面に電荷を有する試料に荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査し、この走査により得られる検出信号により、試料の表面電荷分布を測定する方法」である。
「荷電粒子ビーム」は、電子ビームやイオンビーム等、電界や磁界の影響を受ける荷電粒子のビームを謂う。
請求項1記載の測定方法は以下のごとき特徴を有する。
即ち、荷電粒子ビームの照射電流を「試料の表面電荷分布を消失させない大きさ」に設定して走査を行う。
請求項1記載の表面電荷分布の測定方法における、荷電粒子ビームの「照射電流」は、1E−10A(10−10A以下、以下同様)とすることができる(請求項2)。請求項1または2記載の測定方法にける照射電流は「1E−12A以上とする」ことが好ましい(請求項3)。
請求項1〜3の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法において、試料が光導電性の試料のように「予め帯電させる試料」である場合、その帯電電位:Vに対し、照射する荷電粒子ビームの加速電圧:V1が、条件:
V1>|V|
を満足することが好ましい(請求項4)。
上記請求項1〜4の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法において「照射する荷電粒子ビームとして電子ビームを用いる」ことができる(請求項5)。
請求項1〜5の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法において「荷電粒子ビームの走査により生じる2次電子の強度」を検出信号として検出することができる(請求項6)。
この明細書において「2次電子」は、走査される荷電粒子ビームに「起因し」て試料において発生する電子を言い、必ずしも字義通りの「電子ビームによる衝撃で、2次的に発生する電子」を意味しない。即ち、上記2次電子は、実際には3次電子等の高次のものである場合をも含む。
請求項1〜6の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法において「試料に対して電子ビームを照射して試料表面に電荷分布を形成する」ことができる(請求項7)。ここに謂う電荷分布は「所望のパターンのもの」であることもできるし「均一分布」であることもできる。
請求項1〜7の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法は「測定対象である表面電荷の分布が、試料である光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像」であることができる(請求項8)。この場合、試料である光導電性の感光体に電子ビームを照射して試料表面に均一な電荷分布を形成したのち、露光を行うことにより静電潜像を形成することができる(請求項9)。
この請求項9記載の表面電荷分布の測定方法における「露光」は、所望の光ビームの照射により行うこともできるし(請求項10)、「光走査」により行うこともできる(請求項11)。
請求項12記載の表面電荷分布測定装置は「請求項1記載の表面電荷分布の測定方法を実施するための装置」であって、保持手段と、荷電粒子ビーム走査手段と、測定手段とを有する。
「保持手段」は、測定対象としての電荷分布を有する試料を測定状態に保持する。
「荷電粒子ビーム走査手段」は、保持手段に保持された試料に、荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査する手段である。
「測定手段」は、測定対象としての電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子を捕獲して、その強度を試料面上の位置に対応させて検出信号として検出し、電荷分布を測定する手段である。
「荷電粒子ビーム走査手段における荷電粒子ビームの照射電流」は、試料の表面電荷分布を消失させない大きさに設定可能である。
「電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子」は、走査される荷電粒子ビームを構成する荷電粒子自体である場合(例えば、試料の有する表面電荷と、荷電粒子ビームの荷電粒子が同極性で、走査された荷電粒子が試料の表面電荷により反発されて捕獲される場合)もあるし、荷電粒子ビームの衝撃により光導電試料で発生する荷電粒子(前述の「2次電子」はこの場合の1例である)であることもある。
請求項12記載の表面電荷分布測定装置において、荷電粒子ビーム走査手段を電子ビーム走査手段とし、測定手段が「電子ビームの走査に伴ない試料において発生する2次電子の強度を検出信号として検出する」ように構成できる(請求項13)。
請求項12または13記載の表面電荷分布測定装置における測定対象である表面電荷分布は「試料である光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像」であることができ、この場合、試料を均一に帯電させる「帯電手段」と、均一帯電された試料に対して露光を行う「露光手段」とを有することができる(請求項14)。
請求項14記載の表面電荷分布測定装置において、荷電粒子ビーム走査手段を電子ビーム走査手段とし、この電子ビーム走査手段が帯電手段を兼ねる構成とすることができる(請求項15)。
請求項14または15記載の表面電荷分布測定装置の「露光手段」は、所望の光ビームの照射により露光を行う構成とすることもできるし(請求項16)、光走査により露光を行う構成とすることもできる(請求項17)。
請求項18記載の表面電荷分布の測定方法は以下の如き特徴を有する。
即ち「検出信号量を変えるために、試料面に生じる電界強度を変え」て測定を行う。
この請求項18記載の表面電荷分布の測定方法において、検出信号量を変えるために「試料面に生じる電界強度」を複数段階に変化させて測定を繰り返し、表面電荷分布のプロファイルを演算することができる(請求項19)。
請求項20記載の表面電荷分布測定装置は、請求項18または19記載の表面電荷分布の測定方法を実施するための装置であって、保持手段と、荷電粒子ビーム走査手段と、電界強度可変手段とを有する。
「保持手段」は、測定対象としての電荷分布を有する試料を測定状態に保持する手段である。
「荷電粒子ビーム走査手段」は、保持手段に保持された試料に、荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査する手段である。
「測定手段」は、試料における電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子を捕獲して、その強度を試料面上の位置に対応させて検出信号として検出し、電荷分布を測定する手段である。
「電界強度可変手段」は、検出信号量を変えるために、試料面に生じる電界強度を変える手段である。
請求項12、20記載の測定装置において、保持手段は、試料を「測定状態」に保持するが、ここにいう「測定状態」は測定が可能な状態を意味する。試料における電荷分布の測定が可能な状態では、一般に、試料に荷電粒子ビームが走査され、電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子が捕獲される空間は「高度に減圧された状態」である。従って、保持手段は、単に試料を保持するのみならず上記減圧状態をも実現できる手段である。
請求項20記載の表面電荷分布測定装置における「電界強度可変手段」は、電圧を印加するための導電性部材であることができる(請求項21)。この場合、導電性部材としてグリッドメッシュあるいはホールプレートもしくは穴付きグリッドメッシュを用い、試料面近傍にバイアス成分を形成するようにできる(請求項22)。
また、請求項20または21または22記載の表面電荷分布測定装置における「電界強度可変手段」として、測定手段における電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子を捕獲する検出器の引き込み電圧を可変する手段を有することもできる(請求項23)。電界強度可変手段である上記導電性部材を用いる手段と、検出器の引き込み電圧を可変する手段とは併用してもよい。
請求項20〜23の任意の1に記載の表面電荷分布測定装置において、荷電粒子ビーム走査手段を電子ビーム走査手段とし、測定手段が「電子ビームの走査に伴ない試料において発生する2次電子の強度」を検出信号として検出する構成とすることができる(請求項24)。
請求項20〜24の任意の1に記載の表面電荷分布測定装置は「試料である光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像」を測定対象とし、試料を均一に帯電させる「帯電手段」と、均一帯電された試料に対して露光を行う「露光手段」とを有することができ(請求項25)、この場合において、荷電粒子ビーム走査手段を電子ビーム走査手段とし「電子ビーム走査手段に帯電手段を兼ねさせる」ことができる(請求項26)。
請求項25または26記載の表面電荷分布測定装置の「露光手段」は、所望の光ビームの照射により露光を行う構成とすることもできるし(請求項27)、光走査により露光を行う構成とすることもできる(請求項28)。
請求項18、19記載の測定方法やこれを実施する請求項20〜28記載の測定装置においても、荷電粒子ビームの照射電流は「試料の表面電荷分布を消失させない大きさ」に設定することが好ましい。具体的には、請求項3記載の方法にように、1E−10A以下、1E−12A以上とすることが好ましい。
また、試料が光導電性の試料のように「予め帯電させる試料」である場合、その帯電電位:Vに対し、照射する荷電粒子ビームの加速電圧:V1が、条件:
V1>|V|
を満足することが好ましい。
請求項19載の測定方法のように、検出信号量を変えるために「試料面に生じる電界強度」を複数段階に変化させて測定を繰り返し、表面電荷分布のプロファイルを演算する場合、測定を繰り返すごとに、同一の条件で新たに表面電荷分布を形成しても良いが、上記の如く、荷電粒子ビームの照射電流を「試料の表面電荷分布を消失させない大きさ」に設定することにより、試料面上に形成された表面電荷分布に対して複数回の測定を実行することができる。
また、測定対象が静電潜像である場合、潜像形成のための露光を「マスクパターンの照射」により行うこともできる。
この発明の測定方法・装置では測定の対象を「表面電荷分布」としているが、表面電荷分布が知れれば、表面電位や表面近傍の電界分布も確実に知ることができるのであるから、測定対象は表面電位分布あるいは表面近傍の電界分布であると言うこともできる。
以上に説明したように、この発明によれば新規な表面電荷分布の測定方法および装置を実現できる。請求項1〜17記載の方法・装置によれば、静電潜像に代表される各種の表面電荷分布を、荷電粒子ビームによる走査により消失させることなく、表面電荷分布を適正に測定することができる。また、請求項18〜28記載の方法・装置によれば、表面電荷分布を、所望の電界強度のレベルで2値化して測定することができる。
この発明の方法・装置で静電潜像の測定を行い、その結果を設計にフィードバックすることにより、電子写真プロセスによる画像形成の、帯電工程や露光工程のプロセスクォリティの向上を図ることができ、その結果、画質・耐久性・安定性や省エネルギ化のさらなる向上が期待できる。
以下、実施の形態を説明する。
図1は、この発明の表面電荷分布測定装置を「静電潜像測定」用に実施する場合の実施の1形態を示す図である。
符号11は荷電粒子銃、符号12、12Aはアパーチャ、符号13は荷電粒子に対するコンデンサレンズ、符号14はビームブランカ、符号15は荷電粒子ビームに対する走査レンズ、符号16は荷電粒子ビームに対する対物レンズを、それぞれ示す。
荷電粒子銃11、アパーチャ12、12A、コンデンサレンズ13、ビームブランカ14、走査レンズ15および対物レンズ16は「荷電粒子ビーム照射部」を構成し、その各構成部は荷電粒子ビーム制御部31により制御されるようになっている。コンデンサレンズ13、走査レンズ15および対物レンズ16はそれぞれ、図示されない「駆動用電源(荷電粒子ビーム制御部31により制御される)」に接続されている。
上記「荷電粒子ビーム照射部」と荷電粒子ビーム制御部31とは「荷電粒子ビーム走査手段」を構成している。
符号17は光源である半導体レーザ、符号18はコリメートレンズ、符号19はアパーチャ、符号21、22、23は「結像レンズ」を構成するレンズを示している。これらは「光像照射部」を構成するものであり、半導体レーザ制御部32とともに「露光手段」を構成している。
半導体レーザ制御部32は、半導体レーザ17の発光の点滅や発光強度の調整・設定を司る。また、図示されないレンズ制御部により結像レンズ21、22、23の位置関係が調整され、フォーカシングやデフォーカスを行うことができるようになっている。
符号24は荷電粒子捕獲器、符号25は2次電子検出部、符号26は信号処理部、符号27は「測定結果を出力」するためのプリンタ等のアウトプット装置を示している。荷電粒子捕獲器24、2次電子検出部25、信号処理部26、アウトプット装置27は「観測手段」を構成する。
符号28は試料載置台、符号SPは試料、符号29は「除電用の発光素子」を示す。試料SPは「光導電性の感光体」である。発光素子29はこの実施の形態において、試料SPが感度を持つ波長領域の光を放射するLEDであり、LED制御部35により点滅を制御される。上記半導体レーザ17も勿論、試料SPが感度を持つ波長領域のレーザ光を放射する。
試料載置台28は接地された金属板である。試料載置台28は、試料台駆動部34により駆動され、試料SPを「適正な測定位置」に位置させる。
上記各部は図示の如くケーシング30内に配設され、ケーシング内部は吸気部33により高度に減圧できるようになっている。即ち、ケーシング30は「真空チャンバ」としての機能を有している。
試料SPは試料載置台28に保持され、試料台駆動部34により適正な測定位置に位置させられ、ケーシング30内部が吸気部33で高度に減圧されることにより「測定状態」となる。従って、試料載置台28と載置台駆動部34、ケーシング30および吸気部33が、測定対象としての電荷分布を有する試料を測定状態に保持する「保持手段」を構成する。
また、図の如く、装置の全体は「制御手段」であるコンピュータ40により制御されるようになっている。図における、荷電粒子ビーム制御部31や信号処理部26、半導体レーザ制御部32、LED制御部35等は、コンピュータ40の機能の一部として設定することもできる。
図1に示す状態において、表面を均一に帯電された試料SPは試料載置台28上に載置され、ケーシング30内部は高度に減圧されている。
この状態で半導体レーザ17を点灯すると、放射されるレーザ個はコリメートレンズ17によりコリメートされ、アパーチャ19で光束径を規制され、結像レンズ21、22、23により試料SPの「均一帯電された試料面上」に光スポットとして集光される。
半導体レーザ制御部32で半導体レーザ17の発光強度や発光時間を制御し、結像レンズ21〜23によるフォーカス・デフォーカス状態を制御することにより、試料SP上に所望のスポット径、ビームプロファイルを生成することが可能であり、適切な露光時間、露光エネルギを照射できる。即ち、試料SPに「所望の光ビーム」を照射することができる。
このような露光手段の光学系に「ガルバノミラーやポリゴンミラーを用いたスキャニング機構」を付加し、光走査によりラインパターンを露光し、ライン状の静電潜像を形成するようにすることもできる。
上記の如くして、試料SPが「所望のスポット径、ビームプロファイル」を持った光スポットで露光され、この光スポットの光強度分布に応じた静電潜像、即ち、表面電荷分布が形成される。
このように静電潜像が形成された試料面を、荷電粒子ビームにより2次元的に走査する。即ち、荷電粒子銃11から荷電粒子のビームを放射させると、放射された荷電粒子ビームはアパーチャ12を通過してビーム径を規制されたのち、コンデンサレンズ13により集束されつつアパーチャ12A、ビームブランカ14を通過する。
コンデンサレンズ13により集束された荷電粒子ビームは、対物レンズ16により試料SPの表面(試料面)上に集束される。このとき、走査レンズ15により荷電粒子ビームの向きを偏向させることにより、荷電粒子ビームが集束する位置を試料SP面上で2次元的(例えば、図面の左右方向と図面に直交する方向)に変位させることができる。
このようにして、試料SPの「静電潜像を形成された試料面」が、荷電粒子ビームにより2次元的に走査される。走査される領域は、走査レンズの倍率設定により、走査領域のサイズを変えることが可能であり、例えば、5mm×5mm程度の低倍率や、1μm×1μm程度の高倍率等、様々な倍率で走査することができる。
上記走査が行われるとき、荷電粒子捕獲器24には、所定極性の捕獲電圧が印加されている。そしてこの捕獲電圧の作用により「静電潜像パターンによる電気的影響を受けた荷電粒子」が荷電粒子捕獲器24に捕獲され、その強度(単位時間当たりの捕獲粒子数)が検出され、電器信号に変換される。
試料SPの「荷電粒子ビームにより2次元的に走査される領域:S」を、2次元座標を用いてS(X,Y)で表すと、例えば、0mm≦X≦1mm、0mm≦Y≦1mmである。この領域:S(X,Y)に形成されている静電潜像パターンを、その表面電位分布:V(X,Y)とする。
荷電粒子ビームによる上記領域の2次元的な走査は所定の条件で行われるので、2次元的な走査の開始から終了に至る時間をT≦T≦Tとすると、走査が行われているときの時間:Tは、走査領域:S(X,Y)内の各走査位置と1:1に対応する。
荷電粒子捕獲器24に捕獲される荷電粒子は静電潜像パターンの表面電位分布:V(X,Y)の電気的影響を受けているので、時間:Tにおいて捕獲される荷電粒子の強度:F(T)は、時間:Tをパラメータとした表面電位分布:V{X(T),Y(T)}と対応関係にある。
この対応関係は、基準の電位:Vにより影響される荷電粒子の強度を観測することにより知ることができ、このように知られた対応関係にもとづき、荷電粒子の強度:Fを較正することにより、強度:Fに対応する電位:Vを知ることができる。
従って、荷電粒子捕獲器24から得られる検出信号を適当な間隔でサンプリングすることにより、表面電位分布:V(X,Y)を「サンプリングに対応した微小領域」ごとに特定できる。
上記の荷電粒子ビームは、先にも述べたように、電子ビームやイオンビーム等、電界や磁界の影響を受ける粒子のビームであり、電子ビームを用いる場合であれば荷電粒子銃11としては「電子銃」が用いられ、イオンビームを用いる場合であれば「液体金属イオン銃」等が用いられる。
図1に示す実施の形態では、荷電粒子銃11は「電子銃」であるので、以下、荷電粒子ビームとして電子ビームを用いる場合につき具体的に説明する。このとき、試料SPの「静電潜像の形成された試料面」は、電子ビームにより2次元的に走査される。
試料SPに静電潜像を形成するには、光像による露光に先立ち、その表面を均一に帯電する必用がある。試料SPの均一帯電については、帯電を観測装置外で行い、均一帯電された試料SPを試料載置台28上に載置するようにしても良いが、前述したように、ケーシング30の内部は高度に減圧する必要があり、試料SPをセットからケーシング30内を減圧すると、吸気部33による吸気を相当強力に行わないと、電子ビームによる走査が可能になるまでに暗減衰により帯電電位が消滅し、静電潜像を観測できなくなる場合もある。
この観点からして、試料SPの均一帯電はケーシング30内で「高度の減圧を実現した後」に行うことが好ましい。帯電を高度の減圧下で行うことになると、電子写真装置で良く行われるコロナ放電による帯電は実施困難であるが、いわゆる接触式と呼ばれる帯電手段による帯電は可能である。
図1の実施の形態においては、荷電粒子ビーム走査手段を用いて、電子ビームによる帯電を行う。
電子ビームを試料SPに照射すると、照射される電子による衝撃で、試料SPから「2次電子(先に説明したように3次電子等の高次の放出電子を含む)」が発生する。電子ビームとして試料SPに照射される電子量と発生する2次電子の量との収支において、2次電子の放出量:R2に対する照射電子量:R1の比:R1/R2が1以上であれば、差し引きで照射される電子の量が2次電子量を上回り、両者の差が試料SPに蓄積して光導電性資料SPを帯電させる。
従って、電子銃11から放射される電子の量とその加速電圧を調整し、「比:R1/R2が1より大きくなる条件」を設定して電子ビームを2次元的に走査することにより、試料SPを均一帯電させることができる。このような放出電子量と加速電圧の調整は、荷電粒子ビーム制御部31により行われる。また、電子ビームの走査に伴う電子ビームのオン・オフは荷電粒子ビーム制御部31によりビームブランカ14を制御して行う。
図2は、試料SPの表面を上記の如く電子ビームにより帯電させた状態を模型的に示している。試料SPとして図2に示すのは、所謂「機能分離型感光体」と呼ばれるものであり、導電層1上に電荷発生層2を設け、その上に電荷輸送層3を形成したものである。
電子銃により照射される電子は、電荷輸送層3の表面に撃ち込まれ、電荷輸送層3の表面にある電荷輸送層材料分子の電子軌道に捕獲され、上記分子をマイナスイオン化した状態で電荷輸送層3の表面部に留まる。この状態が「試料SPを帯電させた状態」である。
このように帯電した状態の試料SPに光LTが照射されると、照射された光LTは電荷輸送層3を透過して電荷発生層2に至り、そのエネルギにより電荷発生層2内に正・負の電荷キャリヤを発生させる。発生した正・負の電荷キャリヤのうち、負キャリヤは、電荷輸送層3の表面の負電荷による反発力の作用で導電層1(接地電位にある)へ移動し、正キャリヤは電荷輸送層3を輸送されて同層3の表面部の負電荷(捕獲された電子)と相殺しあう。
このようにして、試料SPにおいて光LTで照射された部分では帯電電荷が減衰し、光LTの強度分布に従う表面電荷分布が形成される。この表面電荷分布が静電潜像に他ならない。
上記の如く均一に帯電された試料SPに対して光ビームによる露光を施して静電潜像を形成する。この露光は、前述の「露光手段」により行う。即ち、半導体レーザ17を点灯し、コリメートされた光ビームを結像レンズ21、22、23の作用により試料SPの表面に集光させる。
半導体レーザ17としては勿論、試料SPが感度を持つ波長領域内に発光波長を持つものが用いられる。また、露光エネルギは、試料SPの面での「光パワーの時間積分」となるので、半導体レーザ17の点灯時間を制御することにより、試料SPに所望の露光エネルギによる露光を行うことができる。
図1に戻って、試料SPに上記の如くして静電潜像を形成した状態において、試料SPの走査領域を電子ビームにより2次元的に走査する。この走査により発生する2次電子を荷電粒子捕獲器24により検出する。検出の対象が2次電子で負極性であるので、荷電粒子捕獲器24は2次電子捕獲用に正電圧(引き込み電圧)を印加し、電子ビームの走査に伴って発生する2次電子を正電圧により吸引して捕獲する。捕獲された電子は、2次電子検出器25においてシンチレーション輝度に変換され、さらに電気信号(検出信号)に変換される。
試料SPの表面と荷電粒子捕獲器24の間の空間部分には、試料SP表面の電荷(静電潜像を形成する負電荷)と荷電粒子捕獲器24に印加されている正極性の捕獲電圧とにより「電位勾配」が形成されている。
図3(a)は、荷電粒子捕獲器24と、試料SPとの間の空間における電位分布を、等高線表示で説明図的に示したものである。試料SPの表面は、光減衰により電位が減衰した部分を除いては負極性に一様に帯電した状態であり、荷電粒子捕獲器24には正極性の電位が与えられているから、「実線で示す電位等高線群」においては、試料SPの表面から荷電粒子捕獲器24に近づくに従い「電位が高く」なる。
従って、試料SPにおける「負極性に均一帯電している部分」である図のQ1点やQ2点で発生した2次電子el1、el2は、荷電粒子捕獲器24の正電位に引かれ、矢印G1や矢印G2で示すように変位し、荷電粒子捕獲器24に捕獲される。
一方、図3(a)において、Q3点は「光照射されて負電位が減衰した部分」であり、Q3点近傍では電位等高線の配列は「破線で示す如く」であり、この部分電位分布では「Q3点に近いほど電位が高く」なっている。換言すると、Q3点の近傍で発生した2次電子el3には、矢印G3で示すように、試料SP側に拘束する電気力が作用する。このため2次電子el3は、破線の電位等高線の示す「ポテンシャルの穴」に捕獲され、荷電粒子捕獲器24に向って移動しない。
図3(b)は、上記「ポテンシャルの穴」を模式的に示している。
即ち、荷電粒子捕獲器24により検出される2次電子の強度(2次電子数)は、強度の大きい部分が「静電潜像の地の部分(均一に負帯電している部分 図3(a)の点Q1やQ2に代表される部分)」に対応し、強度の小さい部分が「静電潜像の画像部(光照射された部分 図3(a)の点Q3に代表される部分)」に対応することになる。
従って、2次電子検出部25で得られる電気信号を、信号処理部26で適当なサンプリング時間でサンプリングすれば、前述の如く、サンプリング時刻:Tをパラメータとして、表面電位分布:V(X,Y)を「サンプリングに対応した微小領域」ごとに特定でき、信号処理部25により上記表面電位分布(電位コントラスト像):V(X,Y)を2次元的な画像データとして構成し、これをアウトプット装置27で出力すれば、静電潜像が可視的な画像として得られる。
例えば、捕獲される2次電子の強度を「明るさの強弱で表現」すれば、静電潜像の画像部分は暗く、地の部分は明るくコントラストがつき、表面電荷分布に応じた明暗像として表現(出力)することができる。勿論、表面電位分布が知れれば、表面電荷分布も知ることができる。
なお、実際に試料SPに投影される静電潜像は微小であるが、アウトプット装置27から出力される画像は「観察に適した大きさ」に適宜に拡大できる。
なお、ケーシング30内にセットされた試料SPが当初、何らかの原因によりその表面が不均一に帯電しているような場合には、このような帯電状態が測定ノイズとなるので、測定における帯電工程に先立ち、LD制御部35により除電用の発光素子29を発光させ、試料SPの光除電を行うのが良い。
上記の如く、試料SPに形成された静電潜像の画像部(光照射された部分)に照射された電子ビームにより発生する2次電子は荷電粒子捕獲器4に捕獲されない。従って、静電潜像の画像部では、照射される電子ビームの「入射電子量相当分」が外部からの電荷として蓄積される。従って、電子ビームの入射電子量が大きいと、電子ビームの走査により試料SPの表面の電荷分布が消失してしまう。
これを避けるためには、電子ビームの照射量である「照射電流」を、表面電荷分布における帯電電荷密度:Q0よりも少なくすればよい(請求項1)。電子ビームの照射電流は、図1に示すアパーチャ12、12Aの径を変えることにより調節できる(請求項2)。
試料SPにおける誘電体の膜厚:d(実質的に電荷輸送層の膜厚)、比誘電率:ε、真空の誘電率:ε0(=8.85E−12 F/m)とすると、静電容量:Cは、
C=ε・ε0/d
で与えられる。これらの一般的な値として、試料SPの膜厚:d=30μm、誘電率:ε=3、帯電電位:V=−800Vとすると、1μmあたりの帯電電荷密度:Qは、
=C・V=7.08E−16
となる。
電子ビーム照射による単位面積あたりの電荷密度:Q(C/μm)は、試料SPに照射する電子ビームの照射電流:i(A)、照射時間:t(秒)、照射面積:S(μm)より、
Q=i×t/S
と表すことができ、
Q≦Q0
であることから、照射電流:iを以下のように決めることができる。
i≦Q0×S/t
測定領域は、所望の静電潜像を形成するためになるべく広範囲であることが望ましく、2μm以上の空間分解能を得るためには1mm幅程度、アスペクト比:4:3のビデオ信号の場合、測定面積:S=1000×750μm程度が適当である。測定時間(照射時間):tは、少なくとも5秒以上が望まれる。
そうすると、このような条件を満足する照射電流:iは、
i≦Q0×S/t=7.08E−16×7.5×E+5/5
=1.06×E−10≒1E−10(A)
となる。従って、照射電流:iは「1E−10(A)以下」であることが好ましい(請求項3)。
また、2次電子検出部25で2次電子を感度良く検出するためには、照射電流:iは1E−12(A)以上が好ましい(請求項3)。照射電流:iがこれより小さいと、2次電子検出部25で得られる検出信号が小さくなり、十分なS/N比を確保することが難しい。
照射電流:iを制御する方法としては、予めファラデーカップ等を使って、照射電流:iとアパーチャ12、12Aの開口径の関係を測定しておき、その結果をもとに、アパーチャ12、12Aの開口径を変えて照射電流:iを制御する方法等を挙げることができる。
付言すると、上の説明における「照射電流:i」は、試料SPの試料面に到達する電流を謂い、試料SPの試料面の「帯電電荷密度」は、静電潜像形成の際の均一帯電による帯電電荷密度を謂う。一般的な表面電荷分布測定の場合には、この帯電電荷密度は「測定領域の平均電荷密度」と考えて良く、振動容量型表面電位計などで電位を測定することで算出できる。
説明中の実施の形態においては、試料SPの試料面は、電子ビームの照射により負極性に帯電されている。したがって、静電潜像を測定するために電子ビームによる走査を行うとき、走査される電子ビームの「入射電子」は、試料面における反発電界の影響で減速され、電子ビームの加速電圧が小さいと、試料面に到達せずに反発される虞がある。
これを回避するには、照射電子ビームの加速電圧:V1(V)、を試料SPの試料面の帯電電位:V(V)に対し、
V1>|V|
と設定すればよい(請求項4)。例えば、帯電電位:V=−2KVに対し、加速電圧:V1を2KV以上とすれば良い。
静電潜像を形成された光導電性の感光体である試料SPを電子ビームで走査し、放出される2次電子を、シンチレータ・光電子増倍管等からなる2次電子検出部25で検出し、電気信号(検出信号)に変換して電位コントラスト像を観察するのであるが、電位コントラスト像から電位への変換は、予め電位と信号強度の相関関係を表す変換テーブルを用意しておき、信号強度から変換テーブルを参照して電位を求めても良いし、上記変換テーブルに変わる変換演算式に従って演算算出してもよい。
また、電子ビーム走査領域内に既知となる参照電位を配置し、2次電子検出の信号強度を参照電位と比較して電位分布を算出する方法を用いても良い。一般的に電位が高い部分よりも低い部分の方が、2次電子の放出量が多くなるので明るくなる。コントラスト像としては、相対的に電位の低い部分を白、電位の高い部分を黒く表示する。
なお、上には、光スポットによりスポット状に形成された静電潜像を測定するべく、電子ビームを2次元的に走査する場合を説明したが、静電潜像をライン状に形成する場合、このラインに直交する方向の電荷分布の様子を調べる場合であれば、電子ビームによる走査は1次元的な走査(ラインに直交する方向の走査)でよい。
図4には、表面電荷分布測定装置の実施の別形態を示す。図4においても繁雑を避けるべく、混同の虞が無いと思われるものについては、図1におけると同一の符号を付した。また図示を簡略化し、ケーシング30Aの内部のみを示した。
「荷電粒子ビーム照射部」を構成する、荷電粒子銃11、アパーチャ12、12A、コンデンサレンズ13、ビームブランカ14、走査レンズ15および対物レンズ16は図1と同様の構成であり、荷電粒子銃11は電子銃である。荷電粒子捕獲器24および図示されない2次電子検出部や信号処理部等も、図1に即して上に説明したものと同様である。
試料SP1は、光導電性の感光体の一般的形態であるドラム状に形成され、図示されない駆動手段により矢印方向(反時計方向)へ等速回転される。試料SPがケーシング30A内にセットされたのち、ケーシング30A内部は、吸引手段32により高度に減圧される。
符号41で示す帯電部は、例えば、帯電ブラシや帯電ローラ等による接触式の帯電手段であり、減圧下のケーシング内で試料SP1を均一に接触帯電させる。このとき、試料SP1は矢印方向へ等速回転される。勿論、図1に即して説明した例のように、電子ビームを利用した帯電により試料SP1の帯電を行うこともできる。
符号42で示す「露光部」は、試料面を均一帯電された試料SP1に対して光像を照射して露光を行う。露光部42としては例えば、光プリンタ等に関連して広く知られた「光走査装置」を用い、光書き込みにより「光像の照射」を行うことができる。このように「光像の照射」を光書き込みで行うと、書き込みで形成する静電潜像のパターンを任意に変化させることができ、所望のパターンの静電潜像を容易に形成できる。なお、符号29Aで示す除電部は、静電潜像形成に先立ち試料SP1を光除電する。また、露光部42は、図1に示した「所望の光ビームを照射する方式」のものとしてもよい。
露光部42として光走査装置を用いる場合、光走査装置が大きくなってケーシング30A内への設置が困難であるような場合には、光走査装置をケーシング31Aの外部に設け、ケーシング30Aに透明な窓部を設けて、この窓部を介して外部から試料SP1への光像の照射を行うようにしてもよい。
荷電粒子ビーム照射部による電子ビームの走査は、図1の実施の形態と同様、電子ビームを2次元的に偏向させて行っても良いが、試料SP1は矢印方向へ等速回転しつつ走査を受けるので、電子ビームを図面に直交する方向へ1次元的に偏向させ、この偏向と試料SP1の回転とを組合せて「2次元的な走査」を実現することもできる。
図5は、露光部42の例として上に挙げた光走査装置の1例を示している。
光源である半導体レーザ51からのレーザ光束をコリメートレンズ52により平行光束化し、シリンドリカルレンズ53で副走査方向へ集束させ、ポリゴンミラー55の偏向反射面位置に「主走査方向に長い線像」として結像させる。
ポリゴンミラー55の等速回転により反射光束を等角速度的に偏向させ、この偏向光束をfθレンズ56と折り返しミラー54でドラム状の試料SP1へ導光し、fθレンズ56の作用で試料面上に光スポットを結像させ、試料面を光走査して光像の照射を行う。
図1(図4)に実施の形態を示した表面電荷分布測定装置は、測定対象としての電荷分布を有する試料SPを測定状態に保持する保持手段28、30(30A)、33、34と、この保持手段に保持された試料SP(SP1)に、荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査する荷電粒子ビーム走査手段11〜16、31と、電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子を捕獲して、その強度を試料面上の位置に対応させて検出信号として検出し、電荷分布を測定する測定手段24〜27とを有し、荷電粒子ビーム走査手段における荷電粒子ビームの照射電流:iを、試料の表面電荷分布を消失させない大きさに設定可能である(請求項12)。
また、荷電粒子ビーム走査手段が「電子ビーム走査手段」であり、測定手段が「電子ビームの走査に伴ない試料において発生する2次電子」の強度を検出信号として検出する(請求項13)。試料SP(SP1)である光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像を測定対象とし、試料SP(SP1)を均一に帯電させる帯電手段11〜16、31(41)と、均一帯電された試料に対して露光を行う露光手段17〜23、32(42)を有する(請求項14)。
また、荷電粒子ビーム走査手段は電子ビーム走査手段で帯電手段を兼ねており(請求項15)、図1の実施の形態では、露光手段は「所望の光ビームの照射」により露光を行う(請求項16)。また、図5の表面電荷分布測定装置では、露光手段41は「光走査」により露光を行う(請求項17)。
これら表面電荷分布測定装置では、表面に電荷を有する試料SP(SP1)に荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査し、この走査により得られる検出信号により、試料SP(SP1)の表面電荷分布を測定する方法であって、荷電粒子ビームの照射電流を、試料の表面電荷分布を消失させない大きさに設定して走査を行う測定方法(請求項1)が実施される。
荷電粒子ビームの照射電流は1E−10A以下、1E−12A以上とされ(請求項2、3)、予め帯電させる試料SP(SP1)の帯電電位:Vに対し、照射する荷電粒子ビームの加速電圧:V1が、条件:
V1>|V|
を満足する(請求項4)。
照射する荷電粒子ビームとして電子ビームが用いられ(請求項5)、荷電粒子ビームの走査により生じる2次電子の強度が検出信号として検出される(請求項6)。また、試料SPに対して電子ビームを照射して試料表面に電荷分布を形成し(請求項7)、測定対象である表面電荷の分布が、試料SPである光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像であり(請求項8)、試料である光導電性の感光体に、電子ビームの照射により試料表面に均一な電荷分布が形成され、その後、露光が行なわれる(請求項9)。
露光は、図1の装置では「所望の光ビームの照射」により(請求項10)、図4の装置では「光走査」によりそれぞれ行われる(請求項11)。
以下、請求項18以下に記載の発明に関する実施の形態を説明する。
前述したように、測定対象である表面電荷分布(静電潜像)を有する試料の試料面の外部空間に形成される電界(試料面に対して垂直な方向で、電子ビームの入射側を正とする電界ベクトル)の強度が大きくなると、測定結果に2値化現象が生じる。
図6を参照して、この「2値化現象」を説明する。
図6(a)は、試料表面における「電界強度」の分布を示している。横軸は試料表面の位置(光スポットにより形成された静電潜像の中心部を含む断面位置)を表し、縦軸は電界強度(試料面に対して垂直な方向で電子ビームの入射側(図の上方)を正とする電界ベクトルの大きさ)を示す。
荷電粒子捕獲器が捕獲する2次電子の数は、電界強度に対して反比例的であり、検出信号を前述の明暗による電位コントラスト像としてみた場合、電界強度:0以下の電界強度分布の領域に対しては「明」、電界強度:0以上の領域に対しては「暗」となり、得られる明暗によるコントラスト像は、図6(b)に示す如くになる。図6(c)は、図2に破線で示す断面における輝度信号(2次電子検出部で検出される検出信号)の「ラインプロファイル」を示している。
前述の如く、実際の電子写真プロセスでは、静電潜像にトナー粒子が付着するために必要な電界強度(Eth)があり、Eth以下の電界強度ではトナー粒子が静電潜像に付着せず、現像が行われない。
従って「静電潜像の表面電荷分布(あるいは表面電位分布)を現像特性との関連において測定する」ような場合には、Eth以上の電界強度を持つ領域のコントラスト像として直接取り込めることが好ましい。
これを実行するには「検出信号量を変えるために、試料面に生じる電界強度を変えて測定」するようにすればよく(請求項18)、試料面に生じる電界強度を複数段階に変化させて、測定を繰り返せば、表面電位分布のプロファイルを演算することもできる(請求項19)。
図7に、請求項20記載の表面電荷分布測定装置の実施の1形態を示す。繁雑を避けるため、混同の虞が無いと思われるものについては図1におけると同一の符号を付した。即ち、図7において、図1と同一の符号を有するものは図1に示すものと同様であり、これらについての説明は図1に関する説明を援用する。
即ち、図7に示す装置は、図1の実施の形態におけると同様、表面電荷分布の測定方法を実施するための装置であって、測定対象としての電荷分布を有する試料SPを測定状態に保持する保持手段28、30、33、34と、この保持手段に保持された試料SPに、荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査する荷電粒子ビーム走査手段11〜16、31と、試料SPにおける電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子を捕獲して、その強度を試料面上の位置に対応させて検出信号として検出し、上記電荷分布を測定する測定手段24〜27とを有する。
また、荷電粒子ビーム走査手段は電子ビーム走査手段であり、測定手段は、電子ビームの走査に伴ない試料において発生する2次電子の強度を検出信号として検出し(請求項24)、試料SPである光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像を測定対象とし、試料SPを均一に帯電させる帯電手段11〜16、31と、均一帯電された試料に対して露光を行う露光手段17〜23、32とを有し(請求項25)、荷電粒子ビーム走査手段は電子ビーム走査手段で帯電手段を兼ね(請求項26)、露光手段が所望の光ビームの照射により露光を行う(請求項27)。
図7の実施の形態では「検出信号量を変える」ために、試料面に生じる電界強度を変える電界強度可変手段44、45を有する(請求項20)。
電界強度可変手段44、45のうち、符号45で示すのは「電圧を印加するための導電性部材」であり、電圧印加手段44から電圧を印加できるようになっている(請求項21)。
より具体的には、電圧を印加するための導電性部材45は、図8(a)に示す如き「グリッドメッシュ」である(請求項22)。
図7に示すように、グリッドメッシュ45は試料SPの試料面上方に配置され、電圧印加手段44により電圧が印加されるようになっている。電源印加手段44は十数KVまでの高電圧発生可能な電源で、グリッドメッシュ45への印加電圧値を任意に設定可能である。
図9に、試料SP近傍の様子を模式的に示す。グリッドメッシュ45は導電性の材料(Au、Cu、Ni等が好適である)によりメッシュ状に形成され(図8(a)参照)、電圧印加手段44から印加される印加電圧値に応じ、電子ビームの試料SPへの照射を遮ることなく、試料面近傍の電界分布を「均一にバイアス的にレベルシフト」させる。グリッドメッシュ45のピッチや形は、試料の測定領域や測定倍率により適切に設定できる。
グリッドメッシュ45に電圧が印可されると、グリッドメッシュ45のより形成される均一な電界が、試料面上の電荷分布が形成する電界に重畳され、試料面上の電界強度のバイアス成分となって上記電界強度の分布をシフトさせる。
例えば、2×10V/mの電界強度を「バイアス成分としてシフト」させるためには、試料面の1mm上方に2000Vの電圧を印可すればよい。
図10(a)は、グリッドメッシュ45に電圧を印加させ、試料表面の電界強度のバイアス成分を−Ebだけシフトさせた状態を示している。このシフトにより電界強度:0のレベルは、図6(a)の状態から上方へシフトする。即ち、もとの状態での電界強度:E=Ebの部分が、バイアスシフトによりE=0となるので、電界強度:Ebを閾値とした略2値画像が得られる。
電界強度のバイアスシフトにより、電位コントラスト像は明るい部分が増え、シフト前の電界強度:Ebを境に明暗ができ、図10(b)に示す如きものとなる。この結果を画像処理することにより、潜像径を算出することができる。
バイアス成分のシフト量:−Ebを変化させれば、電界強度:0のレベルが変化するので、図10(a)に示す電界強度分布を、様々な強度レベルで2値化した、様々な切り口の電位コントラスト像を得ることができる。勿論、グリッドメッシュ45への印加電圧値:Ebの調整により、現像開始電圧:Ethを切り口とする電位コントラスト像を得ることができる。
電界強度可変手段の別の例として、荷電粒子捕獲器の引き込み電圧を変えるものがある。
前述の如く、2次電子検出は荷電粒子捕獲器であるシンチレータ(蛍光体)と光電子倍増管を組み合わせたもので行われるが、試料SPから発生した2次電子はエネルギーが低いため、シンチレータの表面に印加された捕獲のための高電圧(引き込み電圧)の電界の影響で加速され、シンチレータで光に変換される。この光は、ライトパイプを通って光電子倍増管(PMT)で電流として増幅され電流信号として取り出される。
通常、シンチレータ(荷電粒子捕獲器)への引き込み電圧は10KV程度であるため、試料面近傍の電界は104〜105V/m程度に過ぎない。従って「試料の電荷分布によって発生する電界」が、引き込み電圧により形成される電界に対して優勢である場合、2次電子は、試料表面の電荷分布による電界の影響を受けやすい。
このような場合、図9に示す引き込み電圧電源24Aによる印加電圧値を増大させ「引き込み電圧を大きくする」か、あるいは、荷電粒子捕獲器24を試料に近づけることによって、前記電界強度のバイアス成分を変えることができる。
グリッドメッシュ45による電界印加と、引き込み電圧の変更を組み合わせることにより、電界強度のより効果的なバイアスシフトを実現することもできる。
また、荷電粒子捕獲器としてはシンチレータに換えてマイクロチャンネルプレート(MCP)を用いても良い。MCPに入力した2次電子は、MCPの入力面に印加された引き込み電圧により集電され、増幅されて数千倍に増加することが可能であり、2次電子の信号成分を大幅に増加することにより検出信号のS/N比を有効に向上させることが可能となる。
また、試料面上方の電界強度のバイアス成分:Ebを複数段階に変化させて測定を繰り返してデータを取り込み、コンピュータ上で演算処理することにより、静電潜像の電位分布のプロファイルを測定可能である。
バイアス成分:Ebの値をn回変化させて、静電潜像の電位分布のプロファイルを測定する場合のフロー図を図11に示す。
工程パラメータ:iを1としてスタートし、電界バイアス:Ebを最初の値に設定し、電位コントラスト像を取込んで2値化処理し、2値化された境界部で潜像径を算出する。算出された潜像径をメモリに取込み、工程パラメータ:iをi+1に換えて上記プロセスを繰り返す。この工程をN回繰り返すことにより、n種の電界バイアス:Ebを閾値とする潜像の径がn個得られるので、これにより、静電潜像の電位プロファイルを知ることができる。
勿論、この工程では、電子ビームによる試料走査がn回繰り返されるので、n回の測定が行われる間、静電潜像が入射電子により消失しないように、電子ビ−ムの照射電流は十分に小さく設定する。
なお、電界強度可変手段における「電圧を印加するための導電性部材」としては、上記グリッドメッシュ45の他に、図8(b)に示す「穴付きグリッドメッシュ(メッシュの中央部に穴が形成されている。)」や図8(c)に示す「ホールプレート(導電性プレートの中央部に穴が形成されている。)」を用いることができる。穴付きグリッドメッシュやホールプレートに形成される穴のサイズは「測定領域相当」が好ましい。
図12は、図4に示した実施の形態に対して、図7の実施の形態において用いているのと同様のグリッドメッシュ45と図示されない電圧印加手段を付加した例である。この装置では、ドラム上に形成された試料SP1に対して、前記請求項18、19に記載の測定方法を実施することができる。
表面電荷分布測定装置の実施の1形態を示す図である。 試料の1例である光導電性感光体の1例を説明するための図である。 測定原理を説明するための図である。 表面電荷分布測定装置の実施の別形態を示す図である。 露光手段の1例である光走査装置を説明するための図である。 静電潜像による電界強度分布と、2値化されたでにコントラスト像を説明するための図である。 表面電荷分布測定装置の実施の他の形態を示す図である。 電界強度可変手段における電圧を印加するための導電性部材としての、グリッドメッシュ、穴付きグリッドメッシュ、ホールプレートを示す図である。 図7の実施の形態における試料近傍の様子を模式的に示す図である。 電界強度可変手段による電界強度変化の作用を説明するための図である。 請求項18記載の測定方法の1例を説明するためのフロー図である。 表面電荷分布測定装置の実施の他の形態を示す図である。
符号の説明
10 静電潜像観測装置
11 荷電粒子銃(電子銃)
17 半導体レーザ
21、22、23 結像レンズ
SP 試料
24 荷電粒子捕獲器

Claims (28)

  1. 表面に電荷を有する試料に荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査し、この走査により得られる検出信号により、上記試料の表面電荷分布を測定する方法であって、
    荷電粒子ビームの照射電流を、試料の表面電荷分布を消失させない大きさに設定して走査を行うことを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  2. 請求項1記載の表面電荷分布の測定方法において、
    荷電粒子ビームの照射電流を1E−10A以下とすることを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  3. 請求項1または2記載の表面電荷分布の測定方法において、
    荷電粒子ビームの照射電流を、1E−12A以上とすることを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  4. 請求項1〜3の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法において、
    予め帯電させる試料の帯電電位:Vに対し、照射する荷電粒子ビームの加速電圧:V1が、条件:
    V1>|V|
    を満足することを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  5. 請求項1〜4の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法において、
    照射する荷電粒子ビームとして電子ビームを用いることを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  6. 請求項1〜5の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法において、
    荷電粒子ビームの走査により生じる2次電子の強度を検出信号として検出することを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  7. 請求項1〜6の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法において、
    試料に対して電子ビームを照射して試料表面に電荷分布を形成することを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  8. 請求項1〜7の任意の1に記載の表面電荷分布の測定方法において、
    測定対象である表面電荷の分布が、試料である光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像であることを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  9. 請求項8記載の表面電荷分布の測定方法において、
    試料である光導電性の感光体に、電子ビームを照射して試料表面に均一な電荷分布を形成したのち、露光を行うことを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  10. 請求項9記載の表面電荷分布の測定方法において、
    露光を所望の光ビームの照射により行うことを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  11. 請求項9記載の表面電荷分布の測定方法において、
    露光を光走査により行うことを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  12. 請求項1記載の表面電荷分布の測定方法を実施するための装置であって、
    測定対象としての電荷分布を有する試料を測定状態に保持する保持手段と、
    この保持手段に保持された試料に、荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査する荷電粒子ビーム走査手段と、
    上記電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子を捕獲して、その強度を試料面上の位置に対応させて検出信号として検出し、上記電荷分布を測定する測定手段とを有し、
    上記荷電粒子ビーム走査手段における荷電粒子ビームの照射電流を、上記試料の表面電荷分布を消失させない大きさに設定可能であることを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  13. 請求項12記載の表面電荷分布測定装置において、
    荷電粒子ビーム走査手段が電子ビーム走査手段であり、測定手段が、電子ビームの走査に伴ない試料において発生する2次電子の強度を検出信号として検出することを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  14. 請求項12または13記載の表面電荷分布測定装置において、
    試料である光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像を測定対象とし、
    試料を均一に帯電させる帯電手段と、均一帯電された試料に対して露光を行う露光手段とを有することを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  15. 請求項14記載の表面電荷分布測定装置において、
    荷電粒子ビーム走査手段が電子ビーム走査手段であり、この電子ビーム走査手段が帯電手段を兼ねることを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  16. 請求項14または15記載の表面電荷分布測定装置において、
    露光手段が所望の光ビームの照射により露光を行うことを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  17. 請求項14または15記載の表面電荷分布測定装置において、
    露光手段が光走査により露光を行うことを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  18. 表面に電荷を有する試料に荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査し、この走査により得られる検出信号により、上記試料の表面電荷分布を測定する方法であって、
    検出信号量を変えるために、試料面に生じる電界強度を変えて測定することを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  19. 請求項18記載の表面電荷分布の測定方法において、
    検出信号量を変えるために、試料面に生じる電界強度を複数段階に変化させて測定を繰り返し、表面電荷分布のプロファイルを演算することを特徴とする表面電荷分布の測定方法。
  20. 請求項18または19記載の表面電荷分布の測定方法を実施するための装置であって、
    測定対象としての電荷分布を有する試料を測定状態に保持する保持手段と、
    この保持手段に保持された試料に、荷電粒子ビームを照射して1次元的もしくは2次元的に走査する荷電粒子ビーム走査手段と、
    上記電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子を捕獲して、その強度を試料面上の位置に対応させて検出信号として検出し、上記電荷分布を測定する測定手段と、
    検出信号量を変えるために、試料面に生じる電界強度を変える電界強度可変手段を有することを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  21. 請求項20記載の表面電荷分布測定装置において、
    電界強度可変手段として、電圧を印加するための導電性部材を用いることを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  22. 請求項21記載の表面電位分布測定装置において、
    電圧を印加するための導電性部材として、グリッドメッシュあるいはホールプレートもしくは穴付きグリッドメッシュを用いて、試料面近傍にバイアス成分を形成することを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  23. 請求項20または21または22記載の表面電荷分布測定装置において、
    電界強度可変手段として、測定手段における電荷分布による電気的影響を受けた荷電粒子を捕獲する検出器の引き込み電圧を可変する手段を有することを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  24. 請求項20〜23の任意の1に記載の表面電荷分布測定装置において、
    荷電粒子ビーム走査手段が電子ビーム走査手段であり、測定手段が、電子ビームの走査に伴ない試料において発生する2次電子の強度を検出信号として検出することを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  25. 請求項20〜24の任意の1に記載の表面電荷分布測定装置において、
    試料である光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像を測定対象とし、
    試料を均一に帯電させる帯電手段と、均一帯電された試料に対して露光を行う露光手段とを有することを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  26. 請求項25記載の表面電荷分布測定装置において、
    荷電粒子ビーム走査手段が電子ビーム走査手段であり、この電子ビーム走査手段が帯電手段を兼ねることを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  27. 請求項25または26記載の表面電荷分布測定装置において、
    露光手段が所望の光ビームの照射により露光を行うことを特徴とする表面電荷分布測定装置。
  28. 請求項25または26記載の表面電荷分布測定装置において、
    露光手段が光走査により露光を行うことを特徴とする表面電荷分布測定装置。
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