JP2009091199A - 光学素子用成形型 - Google Patents

光学素子用成形型 Download PDF

Info

Publication number
JP2009091199A
JP2009091199A JP2007263751A JP2007263751A JP2009091199A JP 2009091199 A JP2009091199 A JP 2009091199A JP 2007263751 A JP2007263751 A JP 2007263751A JP 2007263751 A JP2007263751 A JP 2007263751A JP 2009091199 A JP2009091199 A JP 2009091199A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
optical element
molding
die
molds
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2007263751A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Utsuki
正紀 宇津木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujinon Corp
Original Assignee
Fujinon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujinon Corp filed Critical Fujinon Corp
Priority to JP2007263751A priority Critical patent/JP2009091199A/ja
Publication of JP2009091199A publication Critical patent/JP2009091199A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】成形された光学素子の離型性を改善可能な光学素子用成形型を提供する。
【解決手段】一対の上型10、下型20からなり、一対の型の間に配置された成形素材を加熱して軟化させ、プレス成形するために用いられる光学素子用成形型が提供される。本光学素子用成形型は、上型が下型よりも小さな線膨張係数の材料により形成されたことを特徴とする。かかる構成によれば、離型を促進させたい上型において、光学素子1と成形型との境界面に沿って生じる光学素子の収縮量と成形型の収縮量とのズレが相対的に大きくなり、境界面に沿って間隙が生じ易くなる。これにより、光学素子が上型から離型し、下型に残留(付着)し易くなるので、光学素子の離型性を改善することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学素子用成形型に関する。
近年、レンズ、プリズムや光通信部品など、高い光学特性を要求されるガラス製の光学素子がプレス成形により大量生産されている。プレス成形では、溶融ガラスを型内で冷却して成形素材(プリフォーム)を作製し、成形素材を高精度の成形面を備えた成形型内に配置し、成形型を介して成形素材をガラスの屈伏点付近の温度まで加熱した後にプレスし、成形面の形状を成形素材に転写することで光学素子が成形される。ここで、プレスされた成形素材は、ガラスの転移点以下となるまで成形型内で冷却された後、成形型から光学素子として離型され、取出されて搬送される。
冷却工程では、光学素子の形状、成形条件などに応じて、光学素子と成形型との間に負圧の密閉空間が形成されるなどして、光学素子が成形型に付着してしまい、離型が困難となる場合がある。そして、成形工程上の条件により特定の型(一般的には下型)から光学素子の取出・搬送が予定されている場合に、光学素子が他方の型(一般的には上型)に付着した状態にあると、光学素子の取出・搬送に支障が及ぶことになる。
上記のような問題を解決するために、下記特許文献1は、上型と下型との間に温度差を設け、レンズを成形型の温度まで冷却した後に離型する成形方法を開示している。この成形方法では、例えば、上型を下型よりも低温に制御することで、レンズが上側に凸状に僅かに反り、上型から離型し易くなり、下型から取出・搬送される。また、下記特許文献2は、上下型を包囲して摺動させる胴型の摺動面に段差部を設けた成形装置を開示している。この成形装置では、成形体の離型に際して、上型に付着した成形体の端部を段差部に接触させることで、成形体が強制的に上型から離型し、下型から取出・搬送される。また、下記特許文献3は、上型の成形面のうち光学機能面形成領域以外に粗面を形成した成形型を開示している。この成形型では、冷却工程で光学素子が収縮し、光学素子に転写された粗面が上型に形成された粗面を乗上げることで、光学素子と上型との間に外気を流入させる隙間が生じ、光学素子が上型から離型し易くなり、下型から取出・搬送される。
特開平5−70154号公報 特開平11−49523号公報 特開2001−10831号公報
しかし、特許文献1に記載の成形方法では、上型と下型との間に温度差を設けるために、成形型の温度制御が煩雑になるという問題がある。また、特許文献2に記載の成形装置では、胴型の摺動面に段差部を設けるために、胴型に内径の異なる2つの摺動面を設ける必要があり、2つの摺動面の中心軸が偏心している場合には、成形体の同軸度が低下するという問題がある。また、特許文献3に記載の成形型では、成形面の一部に粗面を形成することで、光学素子の使用方法に応じては、粗面部の切除が必要となる。また、粗面部を切除しない場合には、粗面部が取付け面となるので鏡筒に対する組込み精度が低下したり、粗面部に入射した光が乱反射して迷光現象が誘発されたりするなどの問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、成形された光学素子の離型性を改善可能な、新規かつ改良された光学素子用成形型を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、一対の型からなり、一対の型の間に配置された成形素材を加熱して軟化させ、プレス成形するために用いられる光学素子用成形型が提供される。本光学素子用成形型は、一対の型が、成形素材よりも小さく、かつ、互いに異なる線膨張係数の材料により形成されたことを特徴とする。
かかる構成によれば、一対の型が互いに異なる線膨張係数の材料により形成されているので、冷却工程では、相対的に小さな線膨張係数の型において、光学素子と成形型との境界面に沿って生じる光学素子の収縮量と成形型の収縮量とのズレが大きくなる。よって、離型を促進させたい特定の型を相対的に小さな線膨張係数の材料により形成することで、光学素子と成形型との境界面に沿って生じる収縮量のズレが相対的に大きくなり、境界面に沿って間隙が生じ易くなる。これにより、光学素子が特定の型から離型し、他方の型に残留(付着)し易くなるので、光学素子の離型性を改善することができる。
また、上記一対の型が上型および下型からなり、上型は、下型よりも小さな線膨張係数の材料により形成されてもよい。かかる構成によれば、上型が下型よりも小さな線膨張係数の材料により形成されているので、光学素子が上型から離型し、下型に残留(付着)し易くなるので、光学素子の離型性を改善することができる。
本発明によれば、成形された光学素子の離型性を改善可能な光学素子用成形型を提供することができる。
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(光学素子成形装置の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る光学素子用成形型を含む光学素子成形装置を示す説明図である。図1に示すように、成形装置は、上型110、下型120、固定軸30、移動軸40、駆動装置60、および加熱ユニット70を含んで構成される。
上型110は、フレーム2の上部から下方に延設された固定軸30の下端面に断熱筒32を介して装着されている。上型110は、コア金型112、金型プレート114、コア金型112を金型プレート114に固定するモールド(固定)金型116で構成される。下型120は、上型110に対向するようにフレーム2の下部から上方に延設された移動軸40の上端面に断熱筒42を介して装着されている。下型120は、コア金型122、金型プレート124、コア金型122を金型プレート124に固定するモールド(移動)金型126で構成される。断熱筒32、42は、上型110および下型120と、固定軸30および移動軸40との間の熱伝達を抑制する。
金型プレート114には、成形面を形成された複数のコア金型112が、例えば、周方向に略等間隔で配列され、複数のコア金型112がモールド金型116により金型プレート114に固定されている。金型プレート124には、コア金型112に対向する成形面を形成された複数のコア金型122が周方向に略等間隔で配列され、複数のコア金型122がモールド金型126により金型プレート124に固定されている。
モールド金型116、126の互いに対向する面には、プレス成形に際して上型110と下型120との間の位置決めを規制するために、少なくとも2箇所に位置決めピン117および位置決め孔127の組合せが設けられている。
固定軸30は、上部プレート34に設けられた開口部を貫通しており、上部プレート34が上下方向に駆動される。開口部にはシーリングが施されており、上部プレート34は、固定軸30との間で気密性を保持しながら上下方向に摺動する。移動軸40は、下部フレーム4に設けられた開口部を貫通しており、下部プレート44が下部フレーム4に固定される。開口部にはシーリングが施されており、移動軸40は、下部フレーム4との間で気密性を保持しながら上下方向に摺動する。
上型110、下型120、断熱筒32、42、固定軸30の下端部および移動軸40の上端部は、熱伝達性を有する石英などで形成された内筒52により囲まれ、気密性が保持された成形室50を構成するように密閉されている。
駆動装置60は、モータ62などを駆動源としており、移動軸40の移動量を検出する位置センサ(不図示)が設けられ、移動軸40の下端に荷重検出器64を介して接続されている。駆動装置60は、位置、速度(プレス力の変化勾配)、および軸加重(プレス力)を制御されながら、移動軸40を上下方向に移動させる。
加熱ユニット70は、内筒52の周囲に配置された外筒54に装着され、例えば、赤外線ランプ、ハロゲンランプなど、熱線を放射するランプ72、および反射ミラー74を含む。加熱ユニット70は、例えば、環状のランプを上下方向に複数段積重ねて構成される。加熱ユニット70では、上型110および下型120に装着された温度測定用の熱電対(不図示)を通じて、熱線の輻射熱による温度および温度変化(温度変化勾配)を制御されながら、ランプ72の出力が調整される。加熱ユニット70は、ランプ72から上型110、下型120の外周面に熱線を放射し、熱線の輻射熱により上型110、下型120を加熱し、加熱された上型110および下型120からの熱伝達によって成形素材を加熱する。
加熱ユニット70、内筒52、外筒54およびそれらの付帯設備は、上部プレート34の下側に固定され、別の駆動装置(不図示)によって、一体的に上方に引き上げ可能である。よって、下型120に対する成形素材の配置、および成形された光学素子1の取出しに際して、加熱ユニット70、内筒52および外筒54を上方に退避させることで、成形室50内を開放することができる。
成形装置は、ガス貯蔵タンク(不図示)から固定軸30を介して断熱筒32に設けられた給気口33に至る給気路と、ガス貯蔵タンクから移動軸40を介して断熱筒42に設けられた給気口43に至る給気路とを有する。また、成形装置は、上部プレート34に設けられた排気口35からガス貯蔵タンクに接続された排気路と、下部プレート44に設けられた排出口45から真空吸引装置(不図示)に接続された排出路とを有する。
給気路は、経路上に設けられた給気バルブ(不図示)を制御されながら、ガス貯蔵タンクから成形室50に対して所定のガス(例えば、窒素ガスなどの不活性ガス)を供給する。排気路は、経路上に設けられた排気バルブ(不図示)を制御されながら、成形室50からガス貯蔵タンクに対して所定のガスを排気する。排出路は、経路上に設けられた排出バルブ(不図示)を制御されながら、真空吸引装置により成形室50内の大気を外部に排出する。
(プレス成形の概要)
光学素子1のプレス成形は、前述したような成形装置を用いて行われる。ここで、光学素子1のプレス成形の概要について説明する。プレス成形は、一般的に、パージ、加熱(昇温、均熱)、プレス、冷却(徐冷、急冷)の各工程からなる。
プレス成形に際して、まず、下型120に成形素材が配置される。パージ工程では、真空吸引装置により成形室50内の大気が排出され、真空状態の成形室50内にガス貯蔵タンクから窒素ガスが供給されることで、成形室50内の大気が窒素ガスに置換(パージ)される。昇温工程では、上下型110、120に装着された熱電対などを用いて、加熱ユニット70を制御しながら、ランプ72から放射される熱線により上下型110、120を介して成形素材が加熱される。均熱工程では、加熱ユニット70を制御しながら、昇温工程で加熱された成形素材が所定のプレス温度に保たれる。
プレス工程では、荷重検出器64および位置センサを用いて、駆動装置60のプレス力・移動量を制御しながら、下型120が所定の位置まで上昇され、上型110および下型120により成形素材がプレスされる。徐冷工程では、窒素ガスの供給による冷却、加熱ユニット70による加熱を用いて、成形室50内の温度を制御しながら、成形素材が所定の温度まで徐々に冷却される。急冷工程でも、成形室50内の温度を制御しながら、成形素材が所定の温度まで急激に冷却される。急冷工程が完了すると、光学素子1が上下型110、120から離型され、例えば、吸着パッドなどにより吸引されて成形室50から取出・搬送される。
ここで、冷却工程(徐冷、急冷)後における光学素子1の離型に際しては、光学素子1の形状、成形条件などに応じて、光学素子1と成形型110、120との間に負圧の密閉空間が形成されるなどして、光学素子1が成形型110、120に付着してしまい、離型が困難となる場合がある。そして、成形工程上の条件により下型120から光学素子1の取出・搬送が予定されている場合に、光学素子1が上型110に付着した状態にあると、光学素子1の取出・搬送に支障が及ぶことになる。
(成形型の実施形態)
図2は、本実施形態に係る光学素子用成形型の一例を示す説明図である。図2に示すように、本実施形態に係る成形型100は、コア金型112、金型プレート114、モールド金型116からなる上型110と、コア金型122、金型プレート124、モールド金型126からなる下型120を含んで構成される。上型(コア金型112)110には、光学機能面を含む凹状の光学面を成形素材に成形するための成形面112aと、凹状の光学面の外縁に平坦な面を成形するための成形面112bとが形成されている。一方、下型120(コア金型122)には、光学機能面を含む凸状の光学面を成形素材に成形するための成形面122aと、凸状の光学面の外縁に平坦な面を成形するための成形面122bとが形成されている。
なお、本実施形態に係る成形型100には、図2に示す以外にも、例えば、上型110に凸状、下型120に凹状の組合せ、上下型110、120に凹状もしくは凸状の組合せ、および/または、平坦面を有しない形状など、成形対象となる光学素子1の形状に応じて、所望の成形面が形成される。
本実施形態に係る成形型100は、光学素子1の離型に際して生じる上記問題を解消するために、少なくともコア金型112、122の部分を含む上下型110、120を、互いに異なる線膨張係数の材料により形成する点に特徴を有する。成形型100は、特に、上型110が下型120よりも小さな線膨張係数の材料により形成されている。
成形型100を形成する材料としては、タングステン合金、マグネシウム合金などの超硬合金、ガラス状炭素、炭化ケイ素(SiC)、ステンレススチール(SUS)などが例示的に列挙される。これらの材料の線膨張係数の一例は、ガラス状炭素3.4x10−6/℃、炭化ケイ素4.1x10−6/℃、超硬合金4.7〜4.9x10−6/℃、ステンレススチール9.9x10−6/℃である。一方、成形素材となる一般硝材(屈伏点600℃超過)、低融点硝材(屈伏点600℃以下)の線膨張係数の一例は、各々に7.3x10−6/℃、14.5x10−6/℃である。
例示的に列挙した材料に関して、一般硝材から光学素子1を成形する場合には、例えば、上型110がガラス状炭素、下型120が炭化ケイ素もしくは超硬合金の組合せ、または、上型110が炭化ケイ素、下型120が超硬合金の組合せなどが適用可能である。
同様に、低融点硝材から光学素子1を成形する場合には、例えば、上型110がガラス状炭素、下型120が炭化ケイ素、超硬合金、ステンレススチールのいずれかの組合せ、上型110が炭化ケイ素、下型120が超硬合金もしくはステンレススチールの組合せ、または、上型110が超硬合金、下型120がステンレススチールの組合せなどが適用可能である。
光学素子1のプレス成形において、前述したような本実施形態に係る成形型100を用いることで、以下のような作用効果が生じる。図3は、本実施形態に係る成形型を用いた場合における光学素子の離型状況を示す説明図である。なお、図3(A)は、冷却工程の開始前の状況、図3(B)および図3(C)は、冷却工程時の状況を各々に示している。
冷却工程の開始前では、上下型110、120および光学素子1(成形素材)の加熱によって、図3(A)に示すように、上下型110、120および光学素子1には、膨張ひずみが発生する。上下型110、120(成形面112a、112b、122a、122b)と光学素子1との境界面に着目すれば、膨張ひずみは、境界面に対して平行および垂直に発生するが、特に境界面に沿って生じる膨張量(図中の矢印)が顕著となる。ここで、境界面では、線膨張係数の差に伴って、上下型110、120に比して、光学素子1が相対的に大きく膨張する。また、線膨張係数の差に伴って、上型110(成形面112a、112b)に比して、下型120(成形面122a、122b)が相対的に大きく膨張する。
冷却工程では、硝材の屈伏点以上の温度まで加熱されて軟化し、プレスされた光学素子1(成形素材)が、硝材の転移点以下まで徐々に冷却された後に、取出し温度まで急激に冷却される。冷却の過程では、軟化して上下型110、120(成形面112a、112b、122a、122b)に付着していた光学素子1が徐々に硬化して収縮する一方、加熱により膨張していた上下型110、120(成形面112a、112b、122a、122b)も徐々に収縮する。
よって、冷却工程の開始時では、上下型110、120および光学素子1(成形素材)の冷却によって、図3(B)に示すように、上下型110、120および光学素子1には、収縮ひずみが発生する。上下型110、120(成形面112a、112b、122a、122b)と光学素子1との境界面に着目すれば、収縮ひずみは、境界面に対して平行および垂直に発生するが、特に境界面に沿って生じる収縮量(図中の矢印)が顕著となる。ここで、境界面では、線膨張係数の差に伴って、上下型110、120に比して、光学素子1が相対的に大きく収縮する。また、線膨張係数の差に伴って、上型110(成形面112a、112b)に比して、下型120(成形面122a、122b)が相対的に大きく収縮する。
このため、冷却工程の経過に伴って、図3(C)に示すように、上下型110、120と光学素子1との間では、上下型110、120の収縮量と光学素子1の収縮量との間にズレが生じる。特に、上下型110、120および光学素子1の外縁部では、内部に比して温度降下の影響が大きいので、収縮量が相対的に大きくなり、結果として、上下型110、120と光学素子1との間の収縮量のズレも相対的に大きくなる。
上下型110、120と光学素子1との間で収縮量のズレが生じることによって、上下型110、120および光学素子1の外縁部では、上下型110、120と光学素子1との間に間隙が生じ易くなる。これは、上下型110、120が光学素子1よりも小さな線膨張係数の材料により形成されているので、光学素子1の収縮に追従して上下型110、120(成形面112a、112b、122a、122b)が収縮できないことに起因している。
そして、上下型110、120と光学素子1との間の線膨張係数の差が大きくなるほど、上下型110、120と光学素子1との間には、大きな間隙が生じ易くなる。このため、上型110が下型120よりも小さな線膨張係数の材料により形成されているので、上型110と光学素子1との間では、下型120と光学素子1との間に比して、線膨張係数の差が相対的に大きくなる。これにより、上型110と光学素子1との間では、相対的に大きな間隙が生じ易くなることで、上型110と光学素子1との間の付着力が失われ易くなる。結果として、光学素子1が上型110から離型し、下型120に残留(付着)し易くなるので、光学素子1の離型性を改善することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る成形型100によれば、離型を促進させたい上型110を下型120よりも小さな線膨張係数の材料により形成することで、光学素子1と上型110(成形面112a、112b)との境界面に沿って生じる収縮量のズレが相対的に大きくなり、境界面に沿って間隙が生じ易くなる。これにより、光学素子1が上型110から離型し、下型120に残留(付着)し易くなるので、光学素子1の離型性を改善することができる。
また、本実施形態に係る成形型100によれば、従来のように、成形型の温度制御の煩雑化、光学素子1の同軸度の低下、鏡筒に対する組込み精度の低下、迷光現象の誘発などの問題を生じることなしに、光学素子1の離型性を改善することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、上下型110、120を互いに異なる線膨張係数の材料により形成する場合について説明した。しかしながら、本発明は、コア金型112、122を互いに異なる線膨張係数の材料により形成する場合なども含めて、上下型110、120のうち、少なくとも成形素材を成形するための成形面が設けられた部分を互いに異なる線膨張係数の材料により形成する場合にも同様に適用可能なものである。
また、上記実施形態では、下型120から光学素子1が取出・搬送される場合について説明した。しかしながら、本発明は、上型110から光学素子1が取出・搬送される場合についても同様に適用可能なものである。また、光軸が水平となるように配置された左右の型から構成される成形型を用いてプレス成形し、成形された光学素子1を左右いずれかの特定の型から取出・搬送する場合にも同様に適用可能なものである。
また、上記実施形態では、複数の成形素材が配置される場合の成形型100について説明した。しかしながら、本発明は、単一の成形素材が配置される場合の成形型についても同様に適用可能なものである。
本発明の一実施形態に係る光学素子用成形型を含む光学素子成形装置を示す説明図である。 本実施形態に係る光学素子用成形型の一例を示す説明図である。 本実施形態に係る成形型を用いた場合における光学素子の離型状況を示す説明図である。
符号の説明
1 光学素子
10 上型
20 下型

Claims (3)

  1. 一対の型からなり、前記一対の型の間に配置された成形素材を加熱して軟化させ、プレス成形するために用いられる光学素子用成形型において、
    前記一対の型は、互いに異なる線膨張係数の材料により形成されたことを特徴とする、光学素子用成形型。
  2. 前記一対の型が上型および下型からなり、前記上型は、前記下型よりも小さな線膨張係数の材料により形成されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の光学素子用成形型。
  3. 成形された光学素子が相対的に小さな線膨張係数の型から離型し、他方の型に残留した状態で取出されることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学素子用成形型。
JP2007263751A 2007-10-09 2007-10-09 光学素子用成形型 Abandoned JP2009091199A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007263751A JP2009091199A (ja) 2007-10-09 2007-10-09 光学素子用成形型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007263751A JP2009091199A (ja) 2007-10-09 2007-10-09 光学素子用成形型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009091199A true JP2009091199A (ja) 2009-04-30

Family

ID=40663553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007263751A Abandoned JP2009091199A (ja) 2007-10-09 2007-10-09 光学素子用成形型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009091199A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080227A (ja) * 2000-09-08 2002-03-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子の製造方法
JP2004277242A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子成形型およびその成形方法と製造装置
JP2005231933A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子用成形金型および光学素子の成形方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080227A (ja) * 2000-09-08 2002-03-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子の製造方法
JP2004277242A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子成形型およびその成形方法と製造装置
JP2005231933A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学素子用成形金型および光学素子の成形方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1807297B (zh) 玻璃成形体的制造方法
JP2002068757A (ja) ガラス成形品の製造方法及び製造装置、並びにガラス製品の製造方法
JP4818685B2 (ja) ガラス光学素子成形方法
JP2005255513A (ja) ガラス光学素子の製造装置及び方法並びにガラス光学素子
JP5458822B2 (ja) 光学素子用成形型及び光学素子の成形方法
JP4790570B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP3886022B2 (ja) ガラス成形体の製造方法及び装置
JP2009091199A (ja) 光学素子用成形型
JP2004090326A (ja) 成形用金型
JP2011016699A (ja) 光学素子の製造方法、及び光学素子
JP3967146B2 (ja) 光学素子の成形方法
JP3674910B2 (ja) ガラス成形体の製造方法及び装置
JP2010173920A (ja) プレス成形装置及び光学素子の製造方法
JP2006273661A (ja) ガラス成形装置、ガラス素材保持治具およびガラス成形方法
JP2005330166A (ja) 光学ガラス素子プレス成型用型およびそれを使用した光学ガラス素子プレス成型法
JP2007076945A (ja) ガラスレンズの成形方法及び成形装置
JP3950434B2 (ja) ガラス成形体の製造方法
JP2018172248A (ja) 光学素子製造用型セット
JP2004196636A (ja) プレス成形用成形装置及びそれを用いた成形体の製造方法
JP2007254234A (ja) 光学素子成形用型の製造方法
JP2012158490A (ja) 光学素子の製造装置及び光学素子の製造方法
JP2008083190A (ja) 光学素子の成形方法
JP2008013392A (ja) 光学素子の製造方法
JP2006206346A (ja) ガラスモールド用金型並びにこれを用いた光学素子の成形装置及び方法
JP4203289B2 (ja) 石英ガラス素子の成形装置及び成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20100601

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20100621

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111012

A762 Written abandonment of application

Effective date: 20111031

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762