JP2009088245A - 半導体ウェーハの研磨装置及び研磨方法 - Google Patents

半導体ウェーハの研磨装置及び研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】研磨抵抗の経時変化に基づいて、研磨抵抗の変化点を把握し、それに基づいて、所望の研磨量を達成可能な研磨時間を含む研磨条件を決定し、実行する研磨装置及び研磨方法を提供する。
【解決手段】上定盤と、該上定盤と共に被加工物を挟持する下定盤と、被加工物の挟持を可能ならしめる加圧装置と、少なくとも上定盤又は下定盤を回転駆動する駆動装置と、回転駆動に対する研磨抵抗を検出可能なセンサと、前記加圧装置及び/又は前記駆動装置を制御可能な制御装置と、を備える半導体ウェーハの研磨装置であって、前記センサにより検出された研磨抵抗の経時変化をモニタし、所定の基準経時変化との比較に基づいて、前記駆動装置の回転駆動による研磨時間、回転速度、及び前記加圧装置の加圧力のうち少なくとも1つを制御することを特徴とする研磨装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウェーハの研磨装置及び研磨方法に関し、さらに詳しくは、研磨抵抗の経時変化に基づく、半導体ウェーハの研磨条件を制御する研磨装置及び研磨方法に関する。
半導体ウェーハは、一般に高い平坦度を確保する一次研磨工程とスクラッチフリー、表面粗さを確保する二次研磨工程がある。一般に二次研磨工程以降を仕上げ研磨と呼ぶ。仕上げ研磨にて、所定の取り代が研磨されて、所定の面状態になる。
この所定の取り代を研磨で取り除くことは、例えば、所定の研磨条件(例えば、研磨布、研磨液、加圧力等)で、予め決められた研磨時間だけ研磨して行うことができる。また、研磨装置の定盤モータドライバが発生する電流の積分値を計測し、この積分値が予め測定済みの研磨加工終点における積分値以上の値を検出した場合、加工を止めて研磨を終了することが開示されている(例えば、特許文献1)。更に、研磨布を上面に貼設した回転可能な定盤と、前記定盤に対向して配置されかつ下面に半導体ウェーハが保持された回転可能な研磨ヘッドからなる研磨装置において、前記研磨布上の研磨中の温度変化を検出し、前記温度変化の積分値により研磨時間を制御することが開示されている(例えば、特許文献2)。
特開平10−180625号公報 特開2005−268330号公報
しかしながら、研磨される半導体ウェーハの表面は、仕上げ研磨以前の種々の工程により形成されるものであり、その表面の研磨率は、母体材料のものと同じとは限らず、また、半導体ウェーハ毎に必ずしも一定とは限らない。従って、半導体ウェーハの代表的な材料例である金属シリコンの研磨率を用いて所定時間研磨しても、実際の研磨量を予測することは容易ではない。また、定盤モータドライバが発生する電流の積分値を予め測定していたとしても、半導体ウェーハ毎に表面状態は異なるので、その研磨量は半導体ウェーハ毎に異なるおそれがある。更に、研磨される半導体ウェーハの最表面と内部の材質が異なれば、半導体ウェーハの研磨量と研磨温度との間に一定の関係を有しないと考えられるので、温度変化により研磨量を一定にすることもやはり容易ではない。
本発明は、上述のような事情に鑑みて、仕上げ研磨における半導体ウェーハの研磨量(取代)を所望の量にすることができる研磨装置及び研磨方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、研磨抵抗を所定時間計測することにより、研磨抵抗の経時変化に基づいて、研磨抵抗の変化点を把握し、それに基づいて、所望の研磨量を達成可能な研磨時間を含む研磨条件を決定し、実行する研磨装置及び研磨方法を提供できる。ここで、研磨抵抗を計測する所定時間とは、予め予備実験等により決められた時間であってよい。摩擦抵抗の経時変化を見極めるのに十分な長さであることが好ましい。また、本来の研磨時間に比べて十分に短いことが好ましい。
より具体的には、以下のものを提供することができる。
(1)上定盤と、上定盤と共に被加工物を挟持する下定盤と、被加工物の挟持を可能ならしめる加圧装置と、少なくとも上定盤又は下定盤を回転駆動する駆動装置と、回転駆動に対する研磨抵抗を検出可能なセンサと、前記加圧装置及び/又は前記駆動装置を制御可能な制御装置と、を備える半導体ウェーハの研磨装置であって、前記センサにより検出された研磨抵抗の経時変化をモニタし、所定の基準経時変化との比較に基づいて、前記駆動装置の回転駆動による研磨時間、回転速度、及び前記加圧装置の加圧力のうち少なくとも1つを制御することを特徴とする研磨装置。
上記加圧装置は、被加工物を挟持する上下定盤を互いに押しつけることができるものであってよい。例えば、上定盤に垂直荷重をかける重鐘、バネ、シリンダ等既存のいかなる装置やアクチュエータを含むことができる。上記制御装置により、容易に制御可能なものがより好ましい。
上記駆動装置としては、回転制御を行うことができるものが好ましい。例えば、誘導モータ、サーボモータ、ステップモータ等を用いることができる。回転制御のし易いサーボモータやステップモータ等がより好ましい。上記研磨抵抗は、回転駆動に対する抵抗としても把握でき、例えば、抵抗トルク(定盤を駆動するため、テーブルトルクともいう)として計測することができる。この抵抗トルクは、一定の回転速度で回転させるようにプログラムされていた場合、モータに供給される電流の大きさによって計測することができる。即ち、抵抗トルクが大きくなると、駆動トルクを大きくするために電流値が上昇し、逆に抵抗トルクが小さくなると電流値が減少する。駆動軸等の摩擦による抵抗等のため、抵抗トルクと電流は単純な比例関係にはならないが、抵抗トルクの経時変化を読み取るには有用な手段である。また、駆動軸や従動軸にカンチレバーを取付けロードセルを用いて計測することも可能である。即ち、上記センサは、電圧計、電流計、及びロードセル等を含んでよい。
上記制御装置は、アナログであるかデジタルであるかを問わず、上記研磨時間、回転速度、及び加圧力のうち少なくとも1つを制御することができるものであれば、いかなる装置をも用いることができる。研磨プログラムがより容易に変更できるので、デジタル制御装置が好ましい。例えば、シーケンサ、ワンチップマイコン、コンピュータ等のプロセッサを含む演算装置も用いることができる。このような制御装置は、研磨プログラム、及び/又は研磨抵抗の経時変化データ等の種々のデータを記憶可能な記憶装置(例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリ、HDD、フレキシブル・ディスク、MO、その他の記憶媒体)を備えることができる。ここで、研磨プログラムは、上記駆動装置の稼働を開始するタイミング、回転速度、停止タイミング、加圧力、研磨液の流量等の内少なくとも1つを制御するものであることが好ましい。上記記憶装置は、上記研磨抵抗の所定の基準経時変化を記憶してもよい。この所定の基準経時変化は、実験及び/又は理論の解析から予め決定されるものであってよい。このような基準経時変化は、1又はそれ以上の種類の基準経時変化を含んでよい。記憶される基準経時変化は、実測データを含んでよいが、実測データに限られるものではない。実測データから加工したもの、半実験的に求めた理論式、所定の関数のパラメータ等のデータを含んでよい。
モニタされる研磨抵抗の経時変化と基準経時変化とを逐次比較してもよく、また、所定の期間継続してモニタし、この所定期間の範囲で基準経時変化と比較してもよい。また、研磨抵抗の細かい変動にスムージングを行ってから、比較してもよい。
例えば、隣接平均法スムージングの場合は、任意のデータポイントに隣接する各ポイントの平均を計算し、その値に置き換えることによりスムージングを行うものである。具体的には、区間[i−(n−1)/2、 i+(n−1)/2](上限、下限を含む。nは奇数。)に含まれているデータポイントの平均値がその区間の値となる。
また、Savitzky−Golayフィルタでは、一般化移動平均が得られる。フィルタ係数は、設定した次数の多項式を使って、重みなしの線形最小二乗適合により算出できる。従って、Savitzky−Golayフィルタは、ディジタル平滑化多項式フィルタ、又は、最小二乗平滑化フィルタに相当するが、より高次の多項式では、データの特徴を失わずに、高レベルな平滑化を実現できる可能性がある。更に、FFTフィルタによるスムージングは、周波数が所定の値よりも大きいフーリエ成分を取り除くことでスムージングが行われる。
モニタされる研磨抵抗の経時変化を所定の基準経時変化と比較することは、例えば、抽象化された基準経時変化との対比を含んでよい。対比は、単純な重ね合わせによるもの、相似変換等によるもの、抵抗トルクカーブとして特徴的な極小、極大等の有無の判定によるもの等を含んでよい。例えば、スムージング後の研磨抵抗の経時変化が、極小を示す時点を変化点として認定することを含んでよい。この認定は、所定の基準経時変化が示す何らかの下に凸の抵抗トルクカーブに基づくものとすることができる。
(2)前記所定の基準経時変化は、研磨抵抗の経時変化において所定の時間間隔内で極大若しくは極小を呈することを含む上記(1)に記載の研磨装置。
(3)上定盤と下定盤との間に被加工物を所定の力で挟持して少なくとも上定盤又は下定盤を回転駆動することにより研磨する半導体ウェーハの研磨方法であって、回転駆動に対する研磨抵抗を所定時間測定する工程と、前記研磨抵抗の経時変化を所定の基準経時変化と比較する工程と、この比較に基づいて、変化点を決定する工程と、前記変化点からの研磨時間、回転速度、及び挟持力の少なくとも1つを制御する工程と、を含む研磨方法。
上記研磨抵抗を測定する所定時間は、予め決めておくことができる。種々の半導体ウェーハを研磨する際には、研磨抵抗が、所定の基準経時と同じ挙動をしない場合もある。その際は、予め決められた研磨時間だけ研磨を行い、時間経過とともに研磨を終了する。上記半導体ウェーハの例であるシリコンウェーハでは、表面が酸化膜で覆われ、その内側には金属シリコンが存在すると一般に考えられる。
(4)前記基準経時変化は、少なくとも2つの異なる材質を研磨することにより得られることを特徴とする上記(3)に記載の研磨方法。
本発明者らは、シリコンウェーハの研磨初期には、シリコンウェーハはほとんど研磨されないが、研磨抵抗は比較的高いことを発見した。これは、シリコン酸化膜の研磨率が低いと考えられるからである。そして、この酸化膜がほとんど研磨されて除去される頃に、研磨抵抗の経時変化は一旦極小を示した後に、再び研磨抵抗が上昇し、やがてほぼ一定の研磨抵抗を示すことを発見した。これは、表面酸化膜がほとんど研磨で取り除かれた後に、バルクのシリコン金属が表面に現れ研磨され始めるが、シリコン金属の研磨率は先の酸化膜よりも大きいため、単位時間あたりの研磨量が多くなり、研磨抵抗が大きくなるためであると考えられる。凝着理論に基づけば、研磨量は、実際に接触する面積の大きさが大きくなると、多くなるので、研磨抵抗が上昇するが、実質的に見かけの接触面全体で研磨されるようになれば、実質接触面積は増えないので、研磨抵抗は一定となると考えることができる。そして、研磨開始からの通算の時間よりも、抵抗トルクが一旦示した極小からの研磨時間が研磨量(取代)の大部分を決定すると考えられることを発見した。逆に言えば、研磨量を半導体ウェーハ毎に一定にしようと考えるならば、上述の一旦示された極小から研磨終了までの時間(即ち、研磨時間)をほぼ一定にすることが好ましい。
(5)研磨される前記半導体ウェーハは、表面若しくは表面近傍に低研磨率層を備えることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載の研磨方法。
(6)前記低研磨率層は、酸化膜であることを特徴とする上記(5)に記載の研磨方法。
(7)上定盤と下定盤との間に被加工物を所定の力で挟持して少なくとも上定盤又は下定盤を回転駆動することにより研磨する半導体ウェーハの研磨方法であって、回転駆動に対する研磨抵抗を所定時間測定する初期測定工程と、前記研磨抵抗の経時変化を所定の基準経時変化と比較する比較工程と、この比較に基づいて、変化点を決定する決定工程と、前記変化点からの研磨時間、回転速度、及び挟持力の少なくとも1つを制御する制御工程と、予め決められた若しくは制御された研磨時間後に研磨した半導体ウェーハを取り外す取外工程と、研磨すべき新たな半導体ウェーハを前記上定盤及び前記下定盤に挟持させて取り付け、少なくとも前記上定盤又は前記下定盤を回転駆動させて、前記初期測定工程に戻す工程と、を含む研磨方法。
上記挟持力は、半導体ウェーハを上定盤と下定盤との間に挟む力を含んでよく、下定盤が床面に固定される場合は、上定盤を下に押しつける加圧力に相当する。上述のように、研磨装置に半導体ウェーハを次から次へと取付けて研磨することによって、効率よく大量の半導体ウェーハを研磨することが可能となる。このとき、個々の半導体ウェーハの特性やその時々の研磨条件(摺動条件、加圧力等)に対して個別に対応可能であるので、異なる状態の半導体ウェーハの研磨の取り代を一定にすることが可能となる。
上述のように、半導体ウェーハを順次仕上げ加工する場合、それぞれの半導体ウェーハの表面状態に応じて、研磨抵抗を測定し、その測定結果に基づいて、一旦示した極小を呈する変化点を求め、その変化点からの研磨時間を規定することにより、各半導体ウェーハの仕上げ研磨における取代の均一化を図ることができる。また、研磨速度は、時間以外に、押圧力、回転速度、研磨液の種類などにより変わるため、研磨時間と共に若しくは研磨時間を一定にして、これらの研磨条件を調整することにより、一定の取代を確保することができる。
以下に本発明の実施例について、図面に基づいてより詳しく説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の仕上げ処理の位置づけを示すフローチャートである。例えば、シリコンインゴットから切り出され、スライスされたシリコンウェーハは、ウェーハの平坦度を出す等のために、所定の表面処理(例えば、平坦度を確保するための一次工程)が行われる(S1)。このとき、ウェーハの表面には、処理によるダメージが表面に残っており、通常は次の仕上げ処理(例えば、所定の粗さを確保するための二次工程)にて、表面の粗さを整えると共に、所定の深さのダメージ層を仕上げ研磨で取り除く(S2)。そして、そのようなベアシリコンは、次の検査工程や熱処理等の次の工程へと送られる(S3)。
図2及び3は、本発明の実施例に関する研磨装置10の概略斜視図、及び部分拡大側面図である。研磨装置10は、大きな厚円板状の円形部材12と、それを回転駆動する回転軸14、そして該回転軸14を駆動するサーボモータ(図示せず)を収納するトルク計測部16と、前記円形部材12に対向する小円板部材18と、その小円板部材18を回転駆動する回転軸20と、そして該回転軸20を駆動するサーボモータ(図示せず)を収納するトルク計測部22とから主に構成される。小円板部材18の下面にはシリコンウェーハ19が貼り付けられ、円形部材12の上面に添付された研磨布によって、表面が仕上げ研磨される。このとき研磨面に研磨液を供給する研磨液供給装置24が更に備えられている。このような研磨装置10においてはトルク計測部16において、テーブルトルクを測定することにより研磨抵抗が計測される。本明細書に以下に述べられる研磨抵抗は、主にこのトルク計測部16により計測されている。それぞれの回転軸14、20は、矢印の向きに回転駆動される。
ここで、円形部材12の上面に貼り付けられる研磨布としては、例えば、東レコーテックス株式会社製のシーガル、ロデール社製のSuba400、第一レース社製のSurfin等を例としてあげることができる。また、研磨液25としては、株式会社フジミインコーポレーテッド社製のグランゾックス3900RS、デュポン社製のマジンSRS1等を例示できる。このとき、回転軸14は、20から70rpmで回転され、上側の回転軸20は、20から70rpmで回転される。また、垂直荷重は、回転軸20を介して伝達され、50から500gf/cmの圧力がかけられる。
図4は、別の種類の仕上げ研磨装置11を示す斜視図である。円形部材12の上には、2つの小円形部材18が載せられる。2本の回転軸20の上部に設けられたトルク計測部23として機能する。また、研磨液供給装置24は、所定の研磨液25を円形部材12上に供給する。それぞれの回転軸14、20は、サーボモータ等により矢印の向きに回転駆動される。
図5から7は、比較例としての研磨工程を示すフローチャートである。図5は全体の流れを示し、図6は、図5に示される研磨条件決定A工程及び研磨条件決定B工程を構成する詳細な工程を図解する。また図7は、図5に示される研磨サイクルA工程及び研磨サイクルB工程を構成する詳細な工程を図解する。まず、最初に処理をするシリコンウェーハについて、研磨条件を決める(S21)。具体的には、そのシリコンウェーハについて研磨取代として好ましい量を決定し(S211)、そのために望ましい研磨時間を設定する(S212)。このとき、これまで行ってきた研磨データを利用してもよく、また、予め行った予備実験の結果を利用してもよい。被研磨材である上記最初のシリコンウェーハを研磨装置にセットし、プログラムは、図5のメインフローに戻り、研磨サイクルA工程を始める(S22)。この研磨サイクルA工程では、研磨が開始され(S221)、所定の研磨時間が経ったかどうかが随時チェックされる(S222)。そして、所定の研磨時間が満了していなければ(S222において、No)、この研磨を継続し、所定の研磨時間が満了していれば(S222において、Yes)、この研磨を終了し(S223)、プログラムは、メインルーティンに戻る。ここで、研磨されたシリコンウェーハを取出し、図7の研磨サイクルA工程が通算して所定回数だけ行われたかどうかが判断される(S23)。研磨サイクルA工程が所定回数(本願においては、150回)だけ、行われてはいないと判断された場合(S23において、No)は、新しいシリコンウェーハを研磨装置にセットし、再び研磨サイクルA工程(S22)に戻る。研磨サイクルA工程が通算して所定回数だけ、行われたと判断されると(S23において、Yes)、第2番目の研磨条件が研磨条件決定B工程(図6参照)において決定される(S24)。ここで、研磨サイクルA工程を所定回数行った結果をフィードバックすることができる。この研磨条件決定B工程は、上述の研磨条件決定A工程と内容が実質的に同じであるので説明は省略する。そして、更に新しいシリコンウェーハを研磨装置にセットし、この研磨条件決定B工程により決定された条件で研磨サイクルB工程が行われ(S25)、シリコンウェーハを毎回取り替えて、所定回数(本願では、更に150回)だけ研磨サイクルB工程が行われる(S26)。尚、研磨サイクルB工程は、上述の研磨サイクルA工程と実質同一であるので説明は省略する。
図8及び9は、本実施例としての研磨工程を示すフローチャートである。予め保存された研磨抵抗の基準経時変化に基づいて最適研磨条件が得られるため、後述する初期研磨時間等の初期値を設定し、研磨サイクルに入る(S31)。この研磨サイクルでは、研磨が開始され(S311)、研磨抵抗の経時変化がモニタされ、メモリにそのデータが保存される(S312)。既にキャリブレーションがされているプログラムに基づいて、研磨抵抗(抵抗トルク)の経時変化が、所定のパターンを示し、変化点が存在するかどうかを判断する。変化点があると判断されれば(S313において、Yes)、その変化点からの所定の研磨時間が新たに設定される。ここで、研磨抵抗のモニタ及び比較による変化点の有無の判断は、瞬時に行われるため、所定の取代を確保するための所定の研磨時間を充分に確保することができ、また、逆にこの所定の研磨時間を超えて研磨しすぎることもない。具体的には、次のステップで、変化点からの所定の研磨時間を設定する(S314)。そして、設定された所定の研磨時間分だけ研磨が実行される(S315)。一方、変化点が無いと判断された場合(S313において、No)、予め設定されている初期研磨時間分だけ研磨を行う(S316)。そして、プログラムはメインルーティンに戻り、研磨されたシリコンウェーハを取出し、この研磨サイクルが所定回数だけ行われたかどうかが判断される(S32)。この研磨サイクルが所定回数(例えば、300回)だけ行われてはいないと判断された場合(S32において、No)は、新しいシリコンウェーハを研磨装置にセットし、再び研磨サイクルを実行する(S31)。この研磨サイクルが所定回数行われたと判断されると(S32において、Yes)、メインルーティンが終了する。上述する比較例に比べ、本実施例では非常にシンプルで効率のよい研磨方法を提供できる。例えば、比較例では、一律に研磨時間を決めなければならないので、最低限仕上げ研磨で取るべき取代を取るのに充分な時間を基準に考えるため、研磨し過ぎる傾向にある。つまり、各研磨サイクル工程において、実際の研磨時間は必要最小限である最適研磨時間よりも長くなる傾向があるところ、この研磨サイクル工程を繰り返すことにより多くのシリコンウェーハを研磨する場合、これらのシリコンウェーハを研磨する全体の研磨時間は更に長くなる。また、仕上げ研磨で取代を多く取りすぎると(例えば、仕上げ加工を必要以上に長く実施すると)、表面平坦度(図24の規定参照)が悪くなる傾向がある。
上述するように、本実施例では、研磨開始から研磨抵抗(抵抗トルク)の経時変化をモニタするが、何らかの事情により変化点が存在しないとされる場合にも対応可能にプログラムされている。このような事情としては、ソフトウェアのバグ等に起因するプログラムエラーの場合、キャリブレーション不良や異常ノイズの発生等により比較プログラムが充分に機能しない場合等のソフトウェア上の事情や、抵抗トルクの測定装置の故障の場合、シリコンウェーハに充分な酸化膜がない若しくは別の種類の膜がある場合等のハードウェア上の事情が考えられる。これらのような場合であっても、比較例の研磨条件決定A工程(S21)において設定された研磨時間(S212)と同等の時間を初期研磨時間として設定することができる。そのため、変化点が検出されない場合であっても、比較例と同等の仕上げ研磨を施すことができる。従って、本実施例では研磨装置やシリコンウェーハの個々のばらつきにも対応が可能となる。
上述のように、本実施例では、研磨工程というプロセスにおけるデータの変化点を検出する方法を提供する。また、プロセスにおけるデータの変化点を検出し、研磨時間の調整を自動で行うことができる。また、研磨時間だけでなく、加圧力や研磨盤の回転数を調整することにより、最適な取代を取ることができる方法を提供できる。一方、研磨時間の調整の工程は、必ずしも実行しなければならないものとは限らず、条件により任意選択することができる。シリコンウェーハの仕上げ研磨は、複数のテーブルで連続して行うことができるが、このような変化点を検出するプログラムを実行するかどうかは、自動でも、手動でも設定若しくは解除を自由に行うことができる。複数のテーブルで同時に連続して研磨する場合、全テーブルの加工完了時間は同一にすることがより望ましい。変化点の検出プログラムを実行した場合、各テーブルの研磨時間が変動する可能性がある。そこで、本プログラムを実行しないテーブルには時間調整が実施できる工程を設定できる。本プログラムでは、過研磨を防止することができる。また、トータルでの研磨時間の上限を設定できる。本プログラムでは、研磨不足をも防止することができる。従って、全体として研磨時間の下限を設定できる。変化点の検出は、複数設定可能である。また、1段階の設定ではなく、複数段階での設定が可能である。変化点の検出は、複数出来、どの変化点で研磨時間の調整を行うかは、任意に設定出来る。検出条件の設定により、変化点だけでなく、一定領域の検出も可能である。
上述したように、本プログラムを実行することにより、研磨時間の調整を自動で何回でも行うことが可能である。従って、比較例のように手動で行ってきたマニュアルによる作業ロス(不必要な作業)を20%低減することが可能である。
図10は、本発明におけるメカニズムを説明する図である。通常のシリコンウェーハは、約750μmだけの厚みを持ち、通常仕上げ研磨では、0.1〜10μm程度の取代が望ましい。一方、シリコンウェーハの表面には、シリコンの酸化膜が不純物として付いている。このシリコンの酸化物の膜厚は、該発明者らが調べたところ、約10Åであった。
次に、この酸化膜が、研磨抵抗にどのような影響を及ぼすかを図11等により示す。図11(A)は、酸化膜がある場合の研磨抵抗のトルクの経時変化であり、図11(B)は、酸化膜がない場合の研磨抵抗のトルクの経時変化である。これらの図からわかるように、酸化膜がある場合は、トルクが増加し減少して更に増加する極小をしめす変化点が存在することがわかる。一方、酸化膜無しでは、トルクは徐々に増加し、ある一定の値でほぼプラトーを示す。
この実験において、形成された酸化膜は、シリコンウェーハにオゾン水処理を施したものである。このような酸化膜は、比較的厚く(典型的には、約10Å以上)、母材であるシリコン金属よりも硬い。そして、オゾン水のみならず、オゾンガス、その他の酸化性の処理液体や気体により形成される。一方、シリコンウェーハにおいて、空気中に曝されると表面に薄い酸化膜(以下、「自然酸化膜」という)が形成される。このとき、水や水蒸気等の存在により、自然酸化膜形成が促進されると考えられる。このような自然酸化膜は、薄く(典型的には、約6〜7Å以下)密度が粗で比較的軟らかいと考えられており、ここでいう酸化膜としては、考えられていない。しかしながら、自然酸化膜においても、時間の経過と共に厚くなる可能性も否定できず、その場合は、図11(A)のようなトルク特性を示すと考えられる。このように、本発明の方法では、酸化膜の成立ちに関わらず、表面の構造(薄い表面の硬い層とその下の比較的軟らかい層からなる構造)に基づくので、適用範囲が広い。
このときのシリコンウェーハの状態を、図13を用いて説明する。図13のメイン図面の横軸は、時間であり、縦軸はトルクである。一方、サブの左下の図では、横軸はメイン図の矢印で示す時点を示している。縦軸は、取代である。メイン図面において、トルクは、研磨開始時から立ち上がり極大を示した後、次第に小さくなってゆき、左側の矢印に示す時点で極小を示す。このときの取代は、ほとんど無く、この段階では、ほんの薄い酸化膜が取り除かれようとしているだけである。従って、この時点から、右矢印で示す研磨終了時点までの時間を正解にとれば、研磨終了時でのシリコンウェーハの取代は、ほぼ一定になる。
図12(A)及び(B)は、同一の研磨装置を用いて、実質的に同一の研磨条件で、上述のように研磨して得た多くのシリコンウェーハの厚み分布をヒストグラムで示したものである。本願の実施例(A)にかかるウェーハの厚みは、予め決められた時間だけ研磨した比較例(B)に比べ、ばらつきが少ないことがわかる。具体的には、両者の分布を比較すれば、本願の実施例に係るものは、それぞれの標準偏差で約55%ばらつきが小さくなった。
図13は、典型的なシリコンウェーハの抵抗トルクの経時変化と、所定の時点での研磨量を示す複合グラフである。抵抗トルクのグラフにおいて、図11(A)と同様に、研磨の初期からトルクが上昇し、極大を示した後、徐々に低下し、ある時刻tにおいて極小を示している。その後、急激に抵抗トルクは上昇し、ほぼ一定の抵抗トルクとなる。この抵抗トルクを維持しつつ、ある時刻tまで研磨を続けた。シリコンウェーハを押しつける加圧力は一定であり、また、研磨液等の供給もこの間一定であった。時刻t及び時刻tにおいて、そのときの研磨量を左下のグラフに示す。時刻tの研磨量は、ほとんどゼロであり、時刻tの研磨量に比べ、研磨時間の割には、研磨量がほとんどない結果となった。即ち、酸化膜(図10参照)が残っている状態では、ほとんど研磨されないが、酸化膜がなくなると、ある速度で研磨が進んでいくことがわかった。
図14は、異なるHEAD(A HEAD 及び B HEAD)で、同一のクロスを用いて加工した場合の結果を示すグラフである。いずれのシリコンウェーハでも、それぞれ矢印で示されるように極小値があり、変化点が観測される。しかしながら、A HEADが、変化点が現れるのが早い。従って、B HEADと同じだけの取代とするためには、それぞれの変化点から、研磨終了までの時間をそれぞれ同一にすることが好ましい。このようにすれば、上述してきたように、研磨率の高いバルクシリコンが表面に出てきた状態をほぼ同じ条件で研磨することができるからである。従って、A HEADは、より早く研磨を終えることが好ましい。一方、それぞれの開始から変化点までの期間は、酸化膜が存在する状態での研磨であるので、研磨率がきわめて低く、ウェーハの厚みのばらつきにはほとんど貢献しないと考えられる。
通常、研磨は複数のテーブルで行われる。複数のテーブルで研磨する場合、研磨終了は同時でなければならない。ここで、2つのテーブル(Iテーブル、IIテーブル)で研磨すると仮定する。Iテーブルの研磨条件は、表1に示す。IIテーブルの研磨条件を表2に示す。
Figure 2009088245
Figure 2009088245
(Iテーブル研磨時間);A+B+C+D+E+** =(IIテーブル研磨時間); F+G+H+I
Iテーブルは、IIテーブルの設定時間より、**sec短く設定。
手順(1)Iテーブルの研磨時間の積算を行う研磨stepを指定する→B(2nd step)とする。
手順(2)Iテーブルの研磨時間の調整を行う研磨stepを指定する→C(3rd step)とする。
手順(3)IIテーブルの研磨時間の調整を行う研磨stepを指定する→H(3rd step)とする。
(A)トルクの変化点が無い場合
IテーブルのC(3rd STEP)に**sec上乗せする。IIテーブルは設定通り。
(B)トルクの変化点が**secの場合
I、IIテーブルとも設定通り。
(C)トルクの変化点が**secより短い場合
IテーブルのC(3rd step)に、「トルクの変化点−**sec」時間上乗せする。
(D)トルクの変化点が**secより長い場合
IIテーブルのH(3rd step)に、「**sec−トルクの変化点」時間上乗せする。
(プロセスデータ変化点の検出方法)
(1)設定例
条件1;T1秒間で−D1%減少し、T1秒間でD1%上昇した変化点
条件2;T2秒間で−D2%減少し、T2秒間でD2%上昇した変化点
条件3;T3秒間で−D3%減少し、T3秒間でD%上昇した変化点
*但し、T1>T2>T3であり、D1<D2<D3である。
上記3条件のいずれかに当てはまる変化点を検出し、研磨時間をリセットする。その後、設定した時間だけ研磨される。検出条件は、10項目以上設定でき、減少、上昇だけでなく、一定などの条件も任意に設定できる。また、検出した変化点が複数ある場合、何番目に検出した変化点を採用するかも任意に設定できる。
(2)(1)で設定した条件での検出例
図14に示す通り、グラフ内の上向き矢印の部分が変化点として、検出された。Bヘッドに比べて、Aヘッドの方がトルクの変化点が早く、表1のB(2nd step)の時間が短くなっている。その分表1のC(3rd step)の時間が長くなり、研磨完了は同一になる。
(3)本実施例のプログラムを実行した場合の効果
図12に本実施例のプログラム実行した場合/しない場合での取代を示す。本プログラムを実行することにより、55%以上のばらつき低減が認められる。
図15から19までは、種々のシリコンウェーハについて、研磨抵抗(抵抗トルク)の経時変化をパターンとしてまとめたものである。図15から17、19においては、それぞれ矢印で示すように、トルクの極小値がみられ、この時点で、酸化膜が摩耗しかけていることが推測される。図15のパターン1は、最初のトルクの立ち上がりが急であり、絶対値も高いが、極小を示した後は、ほぼ一定の値となっている。図16のパターン2では、非常に明確な極小値が現れている。図17では、他のパターンと同様極大を示した後、実質的な最初の極小値を示すものの、その後、トルクが変動しながらも上昇すること及びその絶対値がかなり大きくなることがわかる。図18は、これら5つのパターンで唯一極小値を示さなかったものである。図19は明確な極小値を示す点で図16のパターン2に類似する。
(本実施例のプログラムであるソフトウェアの概要)
自動運転中に調整を行うテーブル駆動モータのトルク値の変化を利用し、毎バッチ加工時間の調整を行なうソフトである。
(上記ソフトウェアの仕様)
(1)加工時間の調整を実施しても、すべてのテーブルの加工は同時に終了する事。
(2)全加工時間は、調整を行わないテーブルの設定時間を下回らない事。
(3)本ソフトウェアを実行するかどうかは、各レシピにて選択できる事。
(4)調整を行うテーブルの積算時間のリセットを行なうステップは任意に設定できる事。
(5)調整を行うテーブル積算時間をリセットする条件は任意に設定できる事。
(6)調整を行うテーブルの設定時間の調整は、任意のステップに設定できる事。
(7)調整を行うテーブルの設定時間の調整は、指定したステップで遅延時間を設定できる事。
(8)調整を行わないテーブルの設定時間の調整は、任意のステップに設定できる事。
(9)検出時間のリミットを設定できる事。
(10)検出時間がリミットを越えた場合、アラームとして履歴が残る事(装置停止、上位システムへの記録は必要無し)
(調整を行うテーブル駆動モータトルク変化点)
調整を行うテーブルの駆動モータトルクが連続低下、連続上昇から変化が生じた箇所を変化点として検出する事。図15から19に代表例を示すが、この限りではない。
図20から23は、別の実施例を示すグラフである。図20は、同じ研磨用のクロスを用いた場合に、新しいシリコンウェーハに対して研磨を繰り返す毎に抵抗トルクの経時変化が少しシフトすることを示す図である。プロット(1)から(4)の順に、同じクロスで研磨を行った。この図からわかるように、抵抗トルクが最初に示す極大値の大きさが、プロット(1)、(2)、(3)、(4)の順に減少している。特に、初回のプロット(1)から次のプロット(2)では、その極大値が大きく減少している。また、本発明の実施例にかかる変曲点である極小値を示す時点は、プロット(1)、(2)、(3)、(4)の順に増大している。また、その変化の度合いは、プロット(1)から(2)、(2)から(3)、(3)から(4)の順に減少している。従って、クロスが新しいと、硬質の酸化膜が早く除去され、この除去能力の繰返し研磨間の差は、新しい方が大きいと考えられる。このことから、予め設定される所定時間の研磨では、研磨の取代を一定にすることが難しいことがわかる。
図21は、新しいシリコンウェーハに対する研磨の繰り返しを同じ種類のクロスを用いて多数回行った場合の抵抗トルクの変曲点(ここでは極小点)の研磨開始からの時間を、研磨用の同じ種類のクロスの繰返し使用回数に対してプロットしたグラフである。この図から、図20において、4回の繰返しで生じた本発明の実施例にかかる変曲点である極小値を示すまでの時間が長くなることは、より多くの回数行った場合も成り立つことがわかる。しかしながら、プロットは一本調子に変化するのではなく、ばらついているので、予め決めた時間により研磨の取代を一定にすることが難しいことがわかる。即ち、それぞれのシリコンウェーハ毎に、変曲点の時点を求め、それに応じた研磨時間を決定するのが好ましいことがわかる。
図22は、研磨用の別のクロスを用いた場合であって、同クロスを繰返し用いた場合の抵抗トルクの経時変化を示すものである。この図において、初期の研磨では、プロット(1)に示すように、変曲点が生じていることがわかる。しかしながら、繰返し使用をある程度行うと、プロット(2)に示すように、変曲点が明確に判別できない場合があった。このことから、研磨用のクロスには、それぞれ寿命があり、適宜交換を行うことが好ましいことがわかる。逆に言えば、本発明の実施例にかかる抵抗トルクの測定から、各クロスの寿命(少なくとも本発明の実施例にかかる方法を適用する場合の寿命)を判定することができることになる。
図23は、新しいシリコンウェーハに対する研磨の繰り返しを図22と同じ種類のクロスを用いて多数回行った場合の抵抗トルクの変曲点(ここでは極小点)の研磨開始からの時間を、研磨用の同じ種類のクロスの繰返し使用回数に対してプロットしたグラフである。この図中、楕円形で囲ったプロットは、このような変曲点が見られなかったものである。図21と異なり、繰返し使用回数と、所要時間との関係は明確でないため、このような種類のクロスを用いる場合は、本発明を適用することが好ましいことがわかる。即ち、予備実験では所要時間の見積もりが困難である一方、本発明を適用すれば、予備実験をあまりする必要もなく、より正確な時間の見積もり及び決定ができるからである。
図24は、平坦度を規定する規格値(SFQR)を説明する図である。この計測方法で、高い評価を受けるものは、シリコンウェーハの業界において、一般に品質が高いとされることがある。シリコンウェーハは、一般にこのSFQRにおいて、セルサイズ;26x33、オフセット;0,16.5、FQA;294で、0.12μm程度が好ましいとされる。上述したように、一次研磨工程では、一般に高い平坦度(SFQRに基づく)を確保し、二次研磨工程で、スクラッチフリー、表面粗さを確保する。
以上、本発明者がなした発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定はされず、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
シリコンウェーハの処理工程を示すフローチャートである。 本発明の実施例に関する研磨装置の概略斜視図である。 本発明の実施例に関する研磨装置の部分拡大側面図である。 別の種類の仕上げ研磨装置を示す斜視図である。 比較例としての研磨工程を示すフローチャートである。 研磨時間を設定するフローチャートである。 研磨時間になるまでの研磨サイクルを示すフローチャートである。 実施例としての研磨工程を示すフローチャートである。 実施例としての研磨サイクルを示すフローチャートである。 シリコンウェーハの表面近傍の構造を示す略式断面図である。 酸化膜が有る及び酸化膜が無い場合のシリコンウェーハの典型的な研磨抵抗(トルク)の経時変化を示すグラフである。 同一の研磨装置を用いて、同じ研磨条件で、研磨して得た多くのシリコンウェーハの厚み分布をヒストグラムで示したものである。 典型的なシリコンウェーハの研磨抵抗の経時変化及び研磨のある時点での研磨量を示す複合グラフである。 同一のクロスを用い、別のHEADで加工した場合のものを示すグラフである。 本発明の実施例に関し、あるシリコンウェーハの研磨抵抗の経時変化(パターン1)を示す図である。 本発明の実施例に関し、あるシリコンウェーハの研磨抵抗の経時変化(パターン2)を示す図である。 本発明の実施例に関し、あるシリコンウェーハの研磨抵抗の経時変化(パターン3)を示す図である。 本発明の実施例に関し、あるシリコンウェーハの研磨抵抗の経時変化(パターン4)を示す図である。 本発明の実施例に関し、あるシリコンウェーハの研磨抵抗の経時変化(パターン5)を示す図である。 同じ研磨用のクロスを用いて研磨を繰り返したときの抵抗トルクの経時変化を示す図である。 同じ種類のクロスを用いて研磨を繰り返したときの抵抗トルクの変曲点までの時間を、繰返し使用回数に対してプロットしたグラフである。 同じ研磨用のクロスを用いて研磨を繰り返したときの抵抗トルクの経時変化を示す図である。 同じ種類のクロスを用いて研磨を繰り返したときの抵抗トルクの変曲点までの時間を、繰返し使用回数に対してプロットしたグラフである。 平坦度を規定するSFQRを説明する図である。
符号の説明
10 研磨装置
12 円形部材
14 回転軸
16 トルク計測部
18 小円形部材
19 シリコンウェーハ
20 回転軸
22、23 トルク計測部

Claims (7)

  1. 上定盤と、
    該上定盤と共に被加工物を挟持する下定盤と、
    被加工物の挟持を可能ならしめる加圧装置と、
    少なくとも上定盤又は下定盤を回転駆動する駆動装置と、
    回転駆動に対する研磨抵抗を検出可能なセンサと、
    前記加圧装置及び/又は前記駆動装置を制御可能な制御装置と、を備える半導体ウェーハの研磨装置であって、
    前記センサにより検出された研磨抵抗の経時変化をモニタし、所定の基準経時変化との比較に基づいて、前記駆動装置の回転駆動による研磨時間、回転速度、及び前記加圧装置の加圧力のうち少なくとも1つを制御することを特徴とする研磨装置。
  2. 前記所定の基準経時変化は、研磨抵抗の経時変化において所定の時間間隔内で極大若しくは極小を呈することを含む請求項1に記載の研磨装置。
  3. 上定盤と下定盤との間に被加工物を所定の力で挟持して少なくとも上定盤又は下定盤を回転駆動することにより研磨する半導体ウェーハの研磨方法であって、
    回転駆動に対する研磨抵抗を所定時間測定する工程と、
    前記研磨抵抗の経時変化を所定の基準経時変化と比較する工程と、
    この比較に基づいて、変化点を決定する工程と、
    前記変化点からの研磨時間、回転速度、及び挟持力の少なくとも1つを制御する工程と、を含む研磨方法。
  4. 前記基準経時変化は、少なくとも2つの異なる材質を研磨することにより得られることを特徴とする請求項3に記載の研磨方法。
  5. 研磨される前記半導体ウェーハは、表面若しくは表面近傍に低研磨率層を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の研磨方法。
  6. 前記低研磨率層は、酸化膜であることを特徴とする請求項5に記載の研磨方法。
  7. 上定盤と下定盤との間に被加工物を所定の力で挟持して少なくとも上定盤又は下定盤を回転駆動することにより研磨する半導体ウェーハの研磨方法であって、
    回転駆動に対する研磨抵抗を所定時間測定する初期測定工程と、
    前記研磨抵抗の経時変化を所定の基準経時変化と比較する比較工程と、
    この比較に基づいて、変化点を決定する決定工程と、
    前記変化点からの研磨時間、回転速度、及び挟持力の少なくとも1つを制御する制御工程と、
    予め決められた若しくは制御された研磨時間後に研磨した半導体ウェーハを取り外す取外工程と、
    研磨すべき新たな半導体ウェーハを前記上定盤及び前記下定盤に挟持させて取り付け、少なくとも前記上定盤又は前記下定盤を回転駆動させて、前記初期測定工程に戻す工程と、
    を含む研磨方法。
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