JP2005347568A - 基板研磨方法及び基板研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過研磨によるリワークや歩留り低下のリスクを低減することが可能な研磨方法及び研磨装置を提供する。
【解決手段】基板研磨装置1は、基板を研磨パッドに押圧すると共に基板と研磨パッドを互いに摺動運動させて前記基板を研磨部3、研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度及び研磨パッドの厚みのパラメータの中の少なくとも1つのパラメータを監視する測定器、基板上に形成された膜厚を測定する測定器300、並びに研磨パッド張替え直後から次回交換時期までの研磨速度の推移と前記パラメータの相関関係、前記パラメータの測定値、及び研磨前後の膜厚測定結果に基づいて次回研磨する基板の研磨処理時間を最適化する制御部8を含む。研磨速度は研磨により基板から除去される単位時間当りの膜厚であり、研磨処理時間は1枚の基板を所定の研磨速度で研磨処理するために要する時間である。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体基板の研磨作業において、過研磨による歩留り低下や工程のリワーク(rework;やり直し)による製造コスト増大を抑制し、且つ目標とする残膜厚を得る為に研磨時間の最適化を図る基板研磨方法及び基板研磨装置に関するものである。
従来の技術
近年、例えば、半導体基板上に半導体デバイスを製造する工程において、絶縁膜又は配線金属膜の製造工程で形成される表面の凹凸を平坦化するため化学的機械的研磨(CMP)が使用される。CMPでは、研磨対象物である基板を不織布からなる研磨パッドに押圧し、基板と研磨パッド間に砥粒を供給しながら互いに摺動運動させ、研磨を行う。この際に、パッド表面に同心円状又は格子状の溝加工を施すことが、十分な量の砥粒を基板中央部まで供給するために有効であることが分かっている。
また、比較的硬質の発泡ポリウレタン層を、比較的軟質な不織布に貼り付けた2層構造の研磨パッドは、ナノトポロジーと呼ばれる基板表面のうねりの影響を緩和するために有効であり、ロデール社が供給する「C1000/Suba400」等の2層構造パッドが広く知られる。CMPにおいて一般に研磨パッド表面に不着する研磨屑を除去するため、ダイヤモンドディスク等で研磨パッドの一部を削り込む、いわゆるパッドコンディショニングが実施されるが、この結果、パッド表面の溝深さや、硬質層と軟質層の比率が、パッドの摩耗に伴って経時変化し、研磨に多大な影響を及ぼす。
従来は、パッドの経時変化等に伴う、研磨速度や研磨の面内均一性の推移を監視するために、半導体デバイスが形成された製品基板を一定枚数研磨する度に、QC基板(べた膜基板)を研磨していた。研磨速度は、一定圧力(例えば1.5psi)で基板に形成された膜を研磨した際に、単位時間当りに除去された膜厚を指す。QC基板の研磨結果に基いて、次回研磨する製品基板の処理時間は微調整されるが、その大部分はオペレータの判断に頼ることが多かった。即ち、従来は、QC基板の研磨結果から、人間が手計算で最適研磨時間を算出していた。また従来より研磨装置内部に膜圧測定器を搭載し、測定結果に基づいて処理時間の最適化を図る試みがなされたが、その方法では、フィードバックがかかるまでに時間を要し、数枚の基板については処理時間の最適化が行われないまま研磨されることがあった。
しかしながら、CMP装置の状態が正確に把握できれば、QC基板を流す必要はなくなる。また、パッド表面の溝深さ、硬質パッドの厚さ、パッド表面の目立て状態、パッド表面温度等、研磨のキーポイントを正確に把握できれば、基板を過研磨により駄目にするリスクを大幅に低下させることができると考えられる。
本発明は、上述の事項に鑑みてなされたものであり、パッド表面の溝深さ、硬質パッドの厚さ、パッド表面の目立て状態又はパッド表面温度を随時監視し、これらの要因で変化する研磨速度や研磨特性を適切に制御し、過研磨によるリワークや歩留り低下のリスクを低減することが可能な研磨方法及び研磨装置を提供することを目的とする。
本発明の基板研磨方法は、基板を研磨パッドに押圧し、基板と研磨パッドを互いに摺動運動させて前記基板を研磨する工程と、研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度及び研磨パッドの厚みのパラメータの中の少なくとも1つのパラメータを測定する工程と、研磨パッド交換直後から次回交換までの間の研磨速度と前記少なくとも1つのパラメータとの関係を記録し両者の相関関係を得る工程と、前記少なくとも1つのパラメータに基いて次回研磨する基板の研磨処理時間を最適化する工程と、を含む。研磨速度は一定圧力で基板に形成された膜を研磨した際に、単位時間当りに除去された膜厚を指す。。研磨速度の算出は、研磨前の膜厚と研磨後の膜厚との差と研磨時間から求められる。またターンテーブル内に設けたIn-Situ膜厚測定器(ほぼ研磨テーブル内に配置される膜厚測定器)により単位時間当りの研磨速度が求められる。研磨処理時間は1枚の基板を所定の研磨速度で研磨処理するために要する時間である。
本発明の基板研磨方法において、好ましくは、研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度及び研磨パッドの厚みのパラメータの各々と研磨速度との相関関係を多項式又はステップ関数で近似した近似式を作り、パラメータの測定値をこの近似式に代入し、これらを演算することにより、次回研磨する基板の処理時間を最適化する。研磨速度と前記少なくとも1つのパラメータとの関係を記録し両者の相関関係を得る工程において、データ取得に用いるパッド枚数は、多ければ多いほど信頼性の高い相関関係を得ることができる。
本発明の基板研磨方法において、研磨布表面の粗さを示す指標として、接触式又は非接触式の粗さ測定器によって測定された、最大山高さ(Rb)、最大谷深さ(Rq)、最大高さ(Rz)、平均高さ(Rc)、最大断面高さ(Rt)、算術平均粗さ(Ra)、二乗平均平方根高さ(Rq)、スキューネス(Rsk)、クルトシス(Rku)、平均長(RSm)、二乗平均平方根傾斜(RΔq)、負荷長さ率(Rmr(c))、切断レベル差(Rδc)、相対負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rzjis)の1つ以上の値を用いることができる。本発明の基板研磨方法は、ターンテーブル内に設けた膜厚測定器の測定値の経時変化に基づいて研磨速度を修正する工程、又は研磨後に膜厚を測定する工程によって検出された研磨残り量若しくは過研磨量に基づいて研磨速度を修正する工程を更に含むことができる。
本発明の基板研磨装置は、基板を研磨パッドに押圧すると共に基板と研磨パッドを互いに摺動運動させて前記基板を研磨部と、研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度及び研磨パッドの厚みのパラメータの中の少なくとも1つのパラメータを監視する測定器と、前記基板上に形成された膜厚を測定する測定器と、研磨パッド張替え直後から次回交換時期までの研磨速度の推移と前記パラメータの相関関係と、前記パラメータの測定値と、研磨前後の膜厚測定結果に基づいて、次回研磨する基板の研磨処理時間を最適化する制御部を含む。研磨速度は研磨により基板から除去される単位時間当りの膜厚であり、研磨処理時間は1枚の基板を所定の研磨速度で研磨処理するために要する時間である。
本発明の基板研磨装置において、好ましくは、基板上に形成された膜厚を測定する測定器は研磨パッド下部又は研磨機内部に搭載された、光学式、渦電流式又は光音響式のいずれかの測定原理を採用した測定器である。研磨パッドの厚みを監視する測定器は、コンディショナーがパッド表面を調整している間にレーザー光線をコンディショナー固定具表面に照射する為の光源と、コンディショナー固定具表面から反射するレーザーを検出するための検出器とにより構成される。
本発明の基板研磨装置において、好ましくは、研磨布表面の溝深さを、初期の溝深さから前記レーザーを検出するための検出器で求めたパッド磨耗量を除算して算出する。また、研磨後の基板を2点以上測定することによって、研磨後基板上に残った凹凸を算出し、凹凸の量が、予め設定した上限値以上になった場合に警報を出す。本発明の基板研磨装置は、更に温度調節された洗浄液を研磨パッド表面へ供給する洗浄液供給機構を含み、前記研磨パッドの代わりとしては固定砥粒が使用できる。
発明を実施するための形態
図1は、本発明を実施することが可能な基板研磨装置1の上面図である。図1の基板研磨装置は、ロードアンロード部2、研磨部3、4つの研磨テーブル5A−5D、トップリング6A−6D、制御部8、洗浄部24、リニアトランスポータ25、26、In‐Line膜厚測定器(ほぼ研磨テーブル外に配置される膜厚測定器)27、搬送ユニット46等を含む。研磨テーブル5A−5Dの各々は、In-Situ膜厚測定器7A−7Dの各々と組合わされ、研磨ユニット4a−4dを形成する。
図2は、本発明を実施することが可能な基板研磨装置1の主要な構成要素の構成及び配置を概略的に示す側断面図である。基板研磨装置1は、研磨面161を有する研磨テーブル(ターンテーブル)5Aと、研磨対象である基板Wを保持して研磨面161へ押圧するためのトップリングユニット12と、基板W上の膜厚を測定するIn-Situ膜厚測定器7Aと、研磨面161の粗さと温度と溝深さを測定するための粗さ・温度・溝深さ測定器11とを備える。基板研磨装置1は、更に研磨面161を再生させる(目立てする)ためのドレッシング部13と、ターンテーブル5Aの研磨面161の下方の部分へ温度調節用流体Cを流すための温度調節流路14と、温度調節流路14に連結され、温度調節用流体Cをターンテーブル5Aの回転軸162内を通って循環させるための連絡管18と、研磨面161へ砥液を供給するための砥液供給路15aと、研磨面161へ洗浄液を供給するための洗浄液供給路15bと、パッド厚さ測定器17とを含む。
ドレッシング部13は、研磨面161を目立てするためのドレッサ33を研磨面161に沿って揺動させるドレッサ揺動アーム31と、ドレッサ33とドレッサ揺動アーム31を機械的に結合するドレッサシャフト32とを備える。ドレッサシャフト32は、ドレッサ33が研磨面161に対し摺動しながら回転するようにドレッサ33を押圧しながら回転させる。
図3は、研磨装置1の各構成要素の相互接続関係を示す線図である。図3に示すように、研磨装置1は、基板を研磨するターンテーブル及び基板を保持するトップリングユニットを含む研磨部3、ターンテーブルの研磨面に目立てを行うドレッシング部502、研磨後の基板の洗浄乾燥を行う洗浄部503、ロード・アンロード部2、搬送ユニット46、膜厚測定装置300、インターフェイス506、及び制御部8を備える。
ロード・アンロード部2において図示しないカセットから取出された基板は、搬送ユニット46によりIn-Line膜圧測定器27へ送られ、研磨前の膜圧が計測された後に研磨部3へ送られる。研磨部においてターンテーブル内にIn-Situ膜圧測定器が搭載されている場合には、研磨中の基板の膜圧が計測される。更に研磨後においては、好ましくは洗浄、乾燥工程を経た基板が再びIn-Line膜圧測定器27へ送られ、研磨後の膜圧が測定される。
研磨工程の間に膜厚測定装置300は、基板の研磨前、研磨中及び研磨後の膜厚に関するデータを制御部8へ送り、その記憶部8aに保存させることもできる。また制御部8は、研磨時間を算出する演算部8bを備えており、研磨終了後の膜の研磨量及び研磨時間から、例えば膜圧測定装置が光学式の場合は重み付け平均法を用いて研磨速度を算出して記憶部8aに保存する。従って研磨装置1において研磨が終了すると、その都度、除去された膜厚量及び研磨時間のデータが記憶部8aに保存され、演算部8bにて研磨速度が算出され、そのデータが再び記憶部8aに保存される。更に、作業者と制御部8との間で、各種のデータがインターフェイス506を介して入出力される。例えば、作業者は目標とする研磨後の膜厚をインターフェイス506を介して制御部8の記憶部8aに記憶させることができる。
研磨装置の制御部8は、演算部8a及び記憶部8bを含み、記憶部8bは、研磨パッドを張り替えてから交換するまでの研磨時間、研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度及び研磨パッド厚みのデータの推移を時系列に記憶し、データベースを形成する。研磨速度は、一定圧力(例えば1.5psi)で基板に形成された膜を研磨した際に、単位時間当りに除去された膜厚を指す。研磨速度は、研磨前の基板に形成された膜厚と、研磨後の膜厚の差と、実際の研磨時間から算出される。また、ターンテーブル内に設けたIn-Situ膜厚測定器により、単位時間当りの研磨速度を求めることもできる。
研磨される基板に対して、最適の研磨処理時間を設定する順序について説明する。まず、基板が研磨部3に搬送される前に、基板の膜厚が計測される。研磨部に備えられる研磨パッド表面の溝深さセンサ、温度センサ及び研磨パッド厚みセンサが研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度、及び研磨パッド厚みを計測する。これらの計測値を演算部8aに送る。演算部8aでは、記憶部8bに格納されているデータベースを参照し、計測データに最も近いデータを取り出し、近似の研磨速度を得る。これに基づいて研磨処理時間を設定する。
また、ターンテーブル内に膜厚測定器が設けられる場合には、まず研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度、及び研磨パッド厚みの測定値から研磨速度を求め、基板が研磨パッドに接触し、膜厚測定器が基板上の膜の膜厚を検知した後に、演算部が研磨速度と膜厚の関係から最適な研磨処理時間を算出しても良い。
また、パラメータのうち、温度については図2の洗浄液供給路15bから温度調節された純水等の洗浄液を研磨の間に供給することで研磨パッドを所望の温度に設定することができる。また同様に温度調節流路と連絡管よりなる温度調節機構により研磨パッドを所望の温度に設定することができる。温度調節機構は研磨工程中でも研磨工程の間でもいつでも任意のタイミングで温度調節を行うことができる。
図4a乃至図4dは、各研磨パラメータと研磨速度との定性的関係を表す近似式のグラフの1例である。研磨速度、研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度、及び研磨パッド厚みの関係は、これらを変数とする5次元空間上の関数となるが、各パラメータは定性的に研磨速度に対して図4a乃至図4dに示すグラフの関係を有することが判っている。図4aは溝深さと研磨速度との関係を近似したグラフ、図4bは表面粗さと研磨速度との関係を近似したグラフ、図4cは温度と研磨速度との関係を近似したグラフ、図4dはパッド厚みと研磨速度との関係を近似したグラフである。
本発明の基板研磨装置は、基板を研磨パッドに押圧すると共に基板と研磨パッドを互いに摺動運動させて前記基板を研磨部、研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度及び研磨パッドの厚みのパラメータの中の少なくとも1つのパラメータを監視する測定器、及び基板上に形成された膜厚を測定する測定器を含み、研磨パッド張替え直後から次回交換時期までの研磨速度の推移と前記パラメータの相関関係と、前記パラメータの測定値と、研磨前後の膜厚測定結果に基づいて、次回研磨する基板の研磨処理時間を最適化する。
研磨後の膜厚測定において、研磨残りが検出された場合は、残り膜厚を演算部8bへ送り、その時に用いられたパラメータにおける研磨速度を修正し、記憶部8aに格納されたデータベース内の研磨速度を修正する。それに伴い各パラメータについての近似式も修正される。過研磨が検出された場合にも研磨速度を修正する。またターンテーブル内に設けられたIn-Situ膜厚測定器の膜厚データによって算出された単位時間当りの研磨時間がそのとき用いられたパラメータにおける研磨速度と異なるときにも、上記の場合と同様に演算部及び記憶部の処理が行われる。
本発明の基板研磨装置において、基板上に形成された膜厚を測定する測定器は研磨パッド下部又は研磨機外部に搭載された、光学式、渦電流式又は光音響式のいずれかの測定原理を採用した測定器とすることができる。研磨パッドの厚みを監視する測定器はコンディショナーがパッド表面を調整している間にレーザー光線をコンディショナー固定具表面に照射する為の光源と、コンディショナー固定具表面から反射するレーザーを検出するための検出器から構成され得る。
また、基板研磨装置における研磨パッド厚さ測定器の他の配置例を図6に示す。図6に示す基板研磨装置1において、ドレッサ33に結合されたドレッサシャフト32は、ギヤ伝動機構34を介し回転用のモータ35に連結されてシャフト32の軸心回りに回転可能にされると共に、シリンダ37内に配置される昇降ピストン36に連結され矢印39の方向に昇降可能にされる。研磨パッド厚さ測定器17aは、シリンダ37のほぼ垂直上方に配設され、研磨パッド厚さ測定器17aの光源が昇降ピストン36の上表面を照射し、その反射光を受光することによって研磨パッドの厚さを検知可能にされる。
図6の基板研磨装置において、トップリングユニット12は、ドレッシング部13と類似の構成を備える。即ち、トップリング6Aに結合されたトップリングシャフト9が、ギヤ伝動機構44を介し回転用のモータ45に連結されてシャフト9の軸心回りに回転可能にされると共に、シリンダ47内に配置される昇降ピストン48に連結され矢印49の方向に昇降可能にされる。
図4aに表示される研磨速度と溝深さの相関式F(D)に溝深さの実測値D1を代入して、研磨速度が新品パッドに対し−5nm/分であることを求める。図4bに表示される研磨速度と表面粗さの相関式F(R)に表面粗さの実測値R1を代入して、研磨速度が新品コンディショナーに対し−10nm/分であることを求める。図4cに表示される研磨速度と表面温度の相関式F(T)に表面温度の実測値T1を代入して、研磨速度が定常温度に対し+2nm/分であることを求める。これらから、現状装置状態の研磨速度が、標準研磨速度に対して−5−10+2=‐3nm/分であることが求められる。ここで、標準研磨速度は、新品パッド、新品コンディショナー、定常温度(例えば25°C)における研磨速度をさす。
図5は、研磨後の基板の膜厚を示す図表であり、横軸は、研磨された基板をそれを収容するカセットのスロット番号(Slot No)で示す。スロット番号で示される基板は、横軸の左から右へ順に研磨される。図5の上方部分は本発明を使用しない場合を示し、下方部分は本発明を使用する場合を示す。図5に示すように、本発明を使用しない場合は、スロット番号1−5で示される基板の膜厚がIn-Line膜厚測定器によるフィードバックが間に合わないため、目標膜厚から比較的大きく外れる。これに対し、本発明を使用する場合は、スロット番号1−5で示される基板の膜厚も本発明の近似式による予測により制御されるため、目標膜厚に近いものとなる。即ち、図5の実施例において、研磨速度‐3nm/分を考慮することで、最初の5枚を精度良く加工することができる。
本発明においては、CMP装置の状態が正確に把握され、QC基板を流す必要はなくなる。また、パッド表面の溝深さ、硬質パッドの厚さ、パッド表面の目立て状態、パッド表面温度等、研磨のキーポイントを正確に把握できれることにより、基板を過研磨により駄目にするリスクを大幅に低下させることができる。本発明においては、パッド表面の溝深さ、硬質パッドの厚さ、パッド表面の目立て状態又はパッド表面温度を随時監視し、これらの要因で変化する研磨速度や研磨特性を適切に制御することにより、過研磨によるリワークや歩留り低下のリスクを低減することが可能である。
本発明を実施することが可能な基板研磨装置1の上面図である。 本発明を実施することが可能な基板研磨装置1の主要な構成要素の構成及び配置を概略的に示す側断面図である。 研磨装置1の各構成要素の相互接続関係を示す線図である。 図4a乃至図4dは、各研磨パラメータと研磨速度との定性的関係を表す近似式のグラフである。 研磨後の基板の膜厚を示す図表である。 基板研磨装置における研磨パッド厚さ測定器の他の配置例を示す側断面図である。
符号の説明
1:基板研磨装置、2:ロードアンロード部、3:研磨部、4a−4d:研磨ユニット、5A−5D:研磨テーブル、6A−6D:トップリング、7A−7D:In-Situ膜厚測定器、8:制御部、8a:記憶部、8b:演算部、9:トップリングシャフト、12:トップリングユニット、13:ドレッシング部、17:パッド厚さ測定器、24:洗浄部、25、26:リニヤトランスポータ、27:インライン膜厚測定器、32:ドレッサシャフト、33:ドレッサ、34,44:ギヤ伝動機構、35、45:モータ、36、48:ピストン、37、47:シリンダ、39、49:矢印、46:搬送ユニット、300:膜厚測定装置。

Claims (10)

  1. 基板を研磨パッドに押圧し、基板と研磨パッドを互いに摺動運動させて前記基板を研磨する工程と、
    研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度及び研磨パッドの厚みのパラメータの中の少なくとも1つのパラメータを測定する工程と、
    研磨パッド交換直後から次回交換までの間の研磨速度と前記少なくとも1つのパラメータとの関係を記録し両者の相関関係を得る工程と、
    前記少なくとも1つのパラメータに基いて次回研磨する基板の研磨処理時間を最適化する工程と、を含み、
    研磨速度は研磨により基板から除去される単位時間当りの膜厚であり、研磨処理時間は1枚の基板を所定の研磨速度で研磨処理するために要する時間である基板研磨方法。
  2. 前記相関関係を得る工程は、研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度及び研磨パッドの厚みのパラメータの各々と研磨速度との相関関係を多項式又はステップ関数で近似した近似式を作る工程を含み、前記基板の研磨処理時間を最適化する工程は、前記パラメータの測定値を前記近似式に代入し、これらを演算する工程を含む請求項1に記載の基板研磨方法。
  3. 請求項1又は2に記載の基板研磨方法であって、前記研磨パッド表面の粗さを示す指標として、接触式又は非接触式の粗さ測定器によって測定された、最大山高さ(Rb)、最大谷深さ(Rq)、最大高さ(Rz)、平均高さ(Rc)、最大断面高さ(Rt)、算術平均粗さ(Ra)、二乗平均平方根高さ(Rq)、スキューネス(Rsk)、クルトシス(Rku)、平均長(RSm)、二乗平均平方根傾斜(RΔq)、負荷長さ率(Rmr(c))、切断レベル差(Rδc)、相対負荷長さ率(Rmr)、十点平均粗さ(Rzjis)の1つ以上の値を用いる基板研磨方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板研磨方法であって、ターンテーブル内に設けた膜厚測定器の測定値の経時変化に基づいて研磨速度を修正する工程、又は研磨後に膜厚を測定する工程によって検出された研磨残り量若しくは過研磨量に基づいて研磨速度を修正する工程を更に含む基板研磨方法。
  5. 基板を研磨パッドに押圧すると共に基板と研磨パッドを互いに摺動運動させて前記基板を研磨部と、
    研磨パッド表面の溝深さ、粗さ、温度及び研磨パッドの厚みのパラメータの中の少なくとも1つのパラメータを監視する測定器と、
    前記基板上に形成された膜厚を測定する測定器と、
    研磨パッド張替え直後から次回交換時期までの研磨速度の推移と前記パラメータの相関関係、前記パラメータの測定値、及び研磨前後の膜厚測定結果に基づいて次回研磨する基板の研磨処理時間を最適化する制御部と、を含み、
    ここで研磨速度は研磨により基板から除去される単位時間当りの膜厚であり、研磨処理時間は1枚の基板を所定の研磨速度で研磨処理するために要する時間である基板研磨装置。
  6. 前記基板上に形成された膜厚を測定する測定器は研磨パッド下部又は研磨機内部に搭載された、光学式、渦電流式又は光音響式のいずれかの測定原理を採用した測定器である請求項5に記載の基板研磨装置。
  7. 前記研磨パッドの厚みを監視する測定器は、コンディショナー固定具表面を照射する為の光源、及びコンディショナー固定具表面から反射する光を検出するための検出器を含む請求項5又は6に記載の基板研磨装置。
  8. 前記研磨パッド表面の溝深さは、初期の溝深さから前記レーザーを検出するための検出器で求めたパッド磨耗量を除算して算出する請求項5乃至7のいずれか1項に記載の基板研磨装置。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の基板研磨装置であって、研磨後の基板を2点以上測定することによって、研磨後基板上に残った凹凸を算出し、凹凸の量が、予め設定した上限値以上になった場合に警報を出す基板研磨装置。
  10. 更に温度調節された洗浄液を研磨パッド表面へ供給する洗浄液供給機構を含み、前記研磨パッドは固定砥粒である請求項5乃至9のいずれか1項に記載の基板研磨装置。
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