JP2009087518A - 磁気記録媒体用支持体および磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用支持体および磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】寸法安定性や電磁変換特性、高温でのクラック耐久性、および走行耐久性、保存安定性に優れた磁気記録媒体用支持体であって、特に磁気記録媒体とした際に温度や湿度の環境変化による寸法変化が小さく、カートリッジで保存した後の電磁変換特性に変化が小さい磁気記録媒体とすることができる支持体およびそれからなる磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】二軸配向ポリエステルフィルムの両面に金属系酸化物を含む層(M層)を有し、両表面の表面抵抗率が1×10〜1×1013Ωであり、さらに、長手方向と幅方向のヤング率の和が10〜22GPaで、かつ、長手方向のヤング率Emと幅方向のヤング率Etの比Em/Etが0.5〜1.0であり、ループスティッフネステスターで得られる長手方向の曲げ応力が50〜150μNである磁気記録媒体用支持体とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気テープなどの磁気記録媒体に用いられる支持体と、該支持体を用いた磁性層を有する磁気記録媒体に関するものであり、例えば、寸法安定性や電磁変換特性、高温でのクラック耐久性、および走行耐久性、保存安定性に優れた磁気記録媒体用支持体であって、特に磁気記録媒体とした際に温度や湿度の環境変化による寸法変化が小さく、カートリッジで保存した後の電磁変換特性の変化が小さい磁気記録媒体とすることができる支持体およびそれからなる磁気記録媒体に関するものである。
二軸延伸ポリエステルフィルムはその優れた熱特性、寸法安定性、機械特性および表面形態の制御のし易さから各種用途に使用されており、特に磁気記録媒体などの支持体としての有用性がよく知られている。近年、磁気テープなどの磁気記録媒体は、機材の軽量化、小型化、大容量化のため、ベースフィルムの薄膜化や高密度記録化が要求されている。高密度記録化のためには、記録波長を短くし、記録トラックを小さくすることが有用である。しかしながら、記録トラックを小さくすると、テープ走行時における熱やテープ保管時の温湿度変化による変形により、記録トラックのずれが起こりやすくなるという問題がある。したがって、テープの使用環境および保管環境での寸法安定性といった特性の改善に対する要求がますます強まっている。また一方で、磁気テープとしたときの走行耐久性の改善要求がますます強くなっている。しかしながら、薄膜化すると機械的強度が不十分となってフィルムの腰の強さが弱くなったり、長手方向に伸びやすく、幅方向に縮みやすくなるため、トラックずれを起こしたり、ヘッドタッチが悪化し電磁変換特性が低下したり、ヘッドやテープが削れたりするといったような問題点がある。
この観点から、支持体には、強度、寸法安定性の点で二軸延伸ポリエステルフィルムよりも優れた剛性の高い芳香族ポリアミドが用いられることがある。しかしながら芳香族ポリアミドは、剛性が高くすぎてヘッド削れを引き起こしたりすることがある。さらに高価格でコストがかかり、汎用記録媒体の支持体としては現実的ではない。
一方、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどを用いたポリエステルフィルムにおいても、延伸技術を用いて高強度化した磁気記録媒体用支持体が開発されている。しかしながら、温度や湿度に対する寸法安定性などの厳しい要求を満足することはいまだ困難である。
温度や湿度に対する寸法安定性を向上するためには、ポリエステルフィルムの片面または両面に金属などの補強層を設ける方法(特許文献1〜4など)が開示されている。しかしながら、特許文献1〜4では金属または金属酸化物を補強しているが、補強層が金属の場合、金属結合のため導電性が高く光を反射する性質を持つ。そのため、磁性層を塗布する際の膜厚管理に透過光を用いているものの、金属の補強膜の影響で光が透過しないという問題がある。そのため膜厚管理が困難となり、磁性層の膜厚にバラツキが生じ、エラーレートの多い磁気テープとなり易い。また、導電性が高いため静電気や漏れ電流によって磁気テープに電流が流れてしまい、その電流のために磁気ヘッドがショートしたり、故障することがある。さらに、金属は酸化物と比較して、強度が弱く、ポリエステルフィルムの膨張・収縮を抑制する効果が小さいという問題もある。一方、補強層が酸化物やその他の化合物の場合、イオン結合のため、硬いがもろく延性がない性質を持つ。そのため、張力によって割れ(クラック)を生じたり、湾曲による割れが生じたりする。また、酸化物は吸湿性をもつため、湿度に対する寸法安定性向上効果が小さく、補強層自体の吸湿膨張により寸法安定性を悪化させる場合もある。
また、特許文献4には曲げ剛性に相当する曲げモーメント指数を制御した補強層を設けているが、デジタルビデオカメラ(DVC)などのヘリカル方式の場合に最適な高剛性の補強層について開示している。しかし、リニアテープオープン(LTO)などに代表されるリニア記録方式の磁気テープでは、曲げ剛性や曲げ応力が高い補強層であるとヘッドのエッジ近傍でテープ浮き上がりによる電磁変換特性の不良があったり、カートリッジで保存した後に巻きじまりによる転写が起こったりして電磁変換特性の低下を引き起こすことがあった。
特開2003−30818号公報 特開2005−196944号公報 特開2006−277920号公報 特開2003−242630号公報
本発明の目的は、上記の問題を解決し、寸法安定性や電磁変換特性、高温でのクラック耐久性、および走行耐久性、保存安定性に優れた磁気記録媒体用支持体であって、特に磁気記録媒体とした際に温度や湿度の環境変化による寸法変化が小さく、カートリッジで保存した後の電磁変換特性に変化が小さい磁気記録媒体とすることができる支持体およびそれからなる磁気記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、次の(1)〜(7)を特徴とするものである。
(1)二軸配向ポリエステルフィルムの両面に金属系酸化物を含む層(M層)を有し、両表面の表面抵抗率がそれぞれ1×10〜1×1013Ωであり、長手方向と幅方向のヤング率の和が10〜22GPaであり、かつ、長手方向のヤング率Emと幅方向のヤング率Etの比Em/Etが0.5〜1.0であり、ループスティッフネステスターで得られる長手方向の曲げ応力が50〜150μNである磁気記録媒体用支持体。
(2)二軸配向ポリエステルフィルムの両面に設けられたM層の厚みがそれぞれ10〜75nmである、上記(1)に記載の磁気記録媒体用支持体。
(3)厚みが3〜6μmである、上記(1)または(2)に記載の磁気記録媒体用支持体。
(4)長手方向のヤング率Emが5〜13GPaである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(5)幅方向の湿度膨張係数が1〜6ppm/%RHである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(6)長手方向に周波数1Hzで測定した動的粘弾性において、損失正接(tanδ)のピーク温度が120〜160℃である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(7)M層の金属元素濃度が30〜60at.%である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(8)M層の金属結合している金属原子の存在比が1〜20at.%である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(9)M層の金属系酸化物が酸化アルミニウムであり、水酸基と結合しているアルミニウム原子の存在比が0〜50at.%である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体の少なくとも片面に磁性層が設けられた磁気記録媒体。
本発明によれば、例えば、寸法安定性や電磁変換特性、高温でのクラック耐久性、および走行耐久性、保存安定性に優れた磁気記録媒体用支持体であって、特に磁気記録媒体とした際に温度や湿度の環境変化による寸法変化が小さく、カートリッジで保存した後の電磁変換特性に変化が小さい磁気記録媒体とすることができる支持体およびそれからなる磁気記録媒体を得ることができる。
本発明の磁気記録媒体用支持体は、ポリエステルフィルムの両方の表面上に金属系酸化物を含む層(M層)が形成されている。金属系酸化物とは、例えば、Cu、Zn、Al、Si、Fe、Ag、Ti、Mg、Sn、Zr、In、Cr、Mn、V、Ni、Mo、Ce、Ga、Hf、Nb、Ta、Y、Wなどの金属成分を酸化させたものであって、組成分析を行った場合の平均組成における酸素原子含有量が10at.%以上となっているものをいう。なお、at.%とは、atomic%の略である。atomic%とは原子数100個当たりの該原子数の個数を示したものである。
M層の金属元素濃度は30〜60at.%であることが好ましい。金属元素濃度が30at.%より少ないということは、金属原子に対して酸素原子が多すぎるため、不完全な構造となりやすく(金属原子や酸素原子が未結合で残存することになりやすく)、補強効果が小さくなり寸法安定性が低下しやすくなる。60at.%より多い場合、ほぼ金属の特性を持つため、導電性によるショートの問題や強度が低く寸法安定性が低くなり易いなどの問題がある。より好ましくは30〜50at.%である。
また、M層の金属結合している金属原子の存在比は1〜20at.%であることが好ましい。金属結合の存在比が1at.%より小さいと、たとえ上述するような金属元素濃度であっても靭性のある金属結合が少ないためクラックが起こりやすく、曲げ剛性が高くなりやすく、ヘッドのエッジ近傍でテープ浮き上がりによる電磁変換特性の不良があったり、カートリッジで保存した後に巻きじまりによる転写が起こったりして電磁変換特性の低下を引き起こすことがある。20at.%より大きいと、たとえ上述するような金属元素濃度であっても金属の特性を持つため導電性によるショートの問題が起こりやすくなる。金属結合している金属原子は吸湿しないため、構造欠陥を作りにくく寸法安定性の悪化を防ぐことができる。より好ましくは2〜20at.%、さらに好ましくは3〜10at.%である。上述するような金属元素濃度であっても、金属結合している金属原子の存在比を制御することで表面抵抗率を本発明の範囲に制御することができる。
M層の金属成分はアルミニウム元素が好ましく、M層は酸化アルミニウムであることが好ましい。さらに、一般的に酸化アルミニウムは水蒸気を吸湿すると水和物(Al(OH))を形成し、本発明においては、この水和物も酸化物に包含するが、水酸基と結合しているアルミニウム原子の存在比が0〜50at.%であることが好ましい。水酸基と結合しているとはアルミニウム原子が吸湿して水和物になっていることを表し、光電子分光法(XPS)にてアルミニウムの結合状態を分析することで存在比を測定することができる。水和物の形成により部分的に体積変化が起こりM層内にひずみができ構造欠陥、寸法安定性悪化を引き起こしやすい。したがって、M層の酸化アルミニウム中、水酸基と結合しているアルミニウム原子の存在比は50at.%以下であることが好ましい。より好ましくは40at.%以下である。
上記の金属系酸化物は、両表面で異なる金属成分を含んでいてもよく、また、複数種の金属成分を混合して含んでいても構わないが、より好ましくは両表面で同一種の金属成分を含む方が良い。中でも、金属系酸化物は、酸化度の制御性、寸法安定性、生産性、環境性の観点から、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、珪素元素の少なくとも一種を含んでいることが好ましく、より好ましくはアルミニウム元素が主成分となっていることが好ましい。
M層の厚みは、それぞれ10〜75nmであることが好ましい。M層の厚みが10nmより小さい場合、補強効果が小さく、温度・湿度による環境変化や荷重が付加された場合の寸法変化が大きくなりやすい。M層の厚みの下限は、好ましくは20nm、より好ましくは30nmである。一方、M層の厚みが75nmより大きい場合は、曲げ剛性が大きくなりやすく、磁気ヘッドあたりにおいてエッジ部で浮き上がり現象が発生することで読み取り不良や電磁変換特性の低下が起こることがある。M層の厚みの上限は、好ましくは60nm、より好ましくは50nmであり、さらに好ましくは50nm未満である。好ましい範囲としては、20〜60nm、より好ましい範囲としては、30〜50nmであり、さらに好ましい範囲は30nm以上50nm未満である。M層の厚みは、上記の範囲であれば、両表面で異なる厚みでもよい。両表面を同じ厚みに制御すると、得られた支持体がフラットな形状になりやすいので好ましい。また、両表面を異なる厚みに制御すると、得られた支持体がカッピングを起こすことがあるが、磁気記録媒体に使用するために、必要に応じて、カッピングを有する支持体であると、磁気ヘッドあたりが良好であることがある。その場合、磁性層を設ける側の表面(A)と磁性層を設けない側の表面、すなわちバックコート層側の表面(B)とでは、磁性層を設ける側の表面(A)が凸面になるカッピング形状であることが好ましい。このようなカッピング形状を実現するためには、A面側のM層の厚みとB面側のM層の厚みをそれぞれMa、Mbとしたとき、その厚み比(Ma/Mb)を1〜5とすることが好ましい。Ma/Mbは、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。
また、本発明の磁気記録媒体用支持体は、各表面の表面抵抗率が1×10〜1×1013Ωである。表面抵抗率とは、表面比抵抗(Ω/□)とも表記される特性値であり、純粋な表面抵抗(面積によって変わる抵抗値)や線抵抗(導線などの抵抗)とは異なるものである。表面抵抗率が1×10Ωより低い場合、導電性が高すぎるため、静電気や漏れ電流によって磁気テープに電流が流れてしまい、その電流のために磁気ヘッドがショートし故障することがある。また、補強効果が小さくなり、寸法安定性が低下の傾向がある。表面抵抗率の下限は、より好ましくは1.0×10Ωであり、さらに好ましくは1.0×10Ωである。一方、表面抵抗率が1×1013Ωより高い場合、透過率が高い場合と同様に酸化が進みすぎているために、曲げ剛性が高くなりすぎて電磁変換特性の低下の傾向や、クラックの発生や寸法安定性の低下の傾向がある。すなわち、表面抵抗率を上記範囲に制御することで、M層の構造が安定化して水蒸気や水分に対するバリア効果が発現され、かつ、補強効果も高まりやすく、曲げ剛性や曲げ応力も制御しやすい。表面抵抗率の上限は、より好ましくは1×1012Ωであり、さらに好ましくは1×10Ωである。より好ましい範囲としては、1×10〜1×1012Ω、さらに好ましい範囲としては、1×10〜1×1012Ωであり、特に好ましい範囲は1×10〜1×10Ωである。なお、磁性層を設ける側の表面(A)と磁性層を設けない側の表面、すなわちバックコート層側の表面(B)とでは、表面抵抗率の値が同じでもよいが、バックコート層側の表面(B)の表面抵抗率が低い方が好ましい。
本発明では、金属系酸化物を含む層(M層)により曲げ剛性や曲げ応力が高まりすぎると、ヘッドのエッジ近傍でテープ浮き上がりによる電磁変換特性の不良があったり、カートリッジで保存した後に巻きじまりによる転写が起こったりして電磁変換特性の低下を引き起こすことがあり、曲げ剛性や曲げ応力を最適な範囲に制御することが重要であること見出した。
本発明の磁気記録媒体用支持体は、ループスティッフネステスターで得られる長手方向の曲げ応力が50〜150μNである。好ましくは70〜140μNであり、さらに好ましくは90〜130μNである。ループスティッフネステスターで得られる長手方向の曲げ応力が50μN未満であると、ヘッドあたりが十分ではなく、電磁変換特性が十分ではないことがある。また、ループスティッフネステスターで得られる長手方向の曲げ応力が150μNを超えると、ヘッドのエッジ近傍でテープ浮き上がりによる電磁変換特性の不良があったり、カートリッジで保存した後に巻きじまりによる転写が起こったりして電磁変換特性の低下を引き起こすことがある。本発明の曲げ応力を最適な範囲に制御するには、支持体の厚みや金属系酸化物を含む層(M層)の厚み、表面抵抗率を制御することが有効である。支持体の厚みやM層の厚みが増加すると曲げ応力が増加しやすく、また、同等の厚みでも表面抵抗率により曲げ応力が変化する。表面抵抗率を高く制御すると、曲げ応力が高くなりやすく、一方、表面抵抗率を低く制御すると、曲げ応力が低くなりやすい。
そして、最近の磁気材料用途においては、長時間記録化のためのベースフィルムのいっそうの薄膜化と高密度記録化が要求されている。本発明では、その要求を満たすための特性として、磁気テープへの加工工程や、テープ使用環境の温度、湿度、張力等の条件下でのテープの長手方向の伸び変形、および幅方向の寸法安定性を最適な範囲に制御することが好ましい。その寸法安定性の指標として、金属系酸化物を含む層(M層)を二軸配向ポリエステルフィルムに設けて、湿度膨張係数を本発明の範囲にすることによって、テープ使用環境の温度、湿度、張力に対する長手方向および幅方向の変形が少ない、寸法安定性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明の磁気記録媒体用支持体は、幅方向の湿度膨張係数が1〜6ppm/%RHである。湿度膨張係数が上記範囲内であることは、磁気記録媒体の記録再生時の湿度変化による寸法安定性や高湿条件での保存後の寸法安定性の観点から好ましい。幅方向の湿度膨張係数の上限は、好ましくは5.5ppm/%RH、さらに好ましくは5ppm/%RHである。幅方向の湿度膨張係数の下限を1ppm/%RHより小さくするためには、幅方向の配向をかなり高める必要があり、実質的に二軸配向ポリエステルフィルムを得ることが困難である場合がある。より好ましい範囲としては、1〜5.5ppm/%RH、さらに好ましい範囲としては1〜5ppm/%RHである。
さらに、本発明の磁気記録媒体用支持体は、長手方向のヤング率と幅方向のヤング率の和が10〜22GPaである。ヤング率の和の好ましい範囲は、12〜20GPaであり、さらに好ましい範囲は13〜18GPaである。ヤング率の和が10GPaより小さい場合、後述するように、長手方向や幅方向のヤング率が不足するために、伸び変形により幅方向に収縮し、記録トラックずれという問題が発生したり、エッジダメージが発生したりしやすくなる。また、ヤング率の和が22GPaより大きい場合、二軸配向ポリエステルフィルムに対して金属系酸化物の厚みを厚くして設ける必要があり、クラックを生じやすく、走行を繰り返すことで剥離や脱落が発生し易く、磁気ヘッドや磁気テープの削れが発生しやすく、十分な走行耐久性が得られないことがある。
長手方向のヤング率と幅方向のヤング率の和を上述の範囲内とするためには、磁気記録媒体用支持体の長手方向のヤング率Emを5〜13GPaとすることが好ましい。長手方向のヤング率が5GPaより小さい場合、テープドライブ内での長手方向への張力によって長手方向に伸び、この伸び変形により幅方向に収縮し、記録トラックずれという問題が発生しやすい。長手方向のヤング率の下限は、より好ましくは6GPaである。一方、長手方向のヤング率が13GPaより大きい場合、幅方向のヤング率を好ましい範囲に制御することが難しくなり、幅方向のヤング率が不足し、エッジダメージの原因となったり、幅方向の寸法安定性として本発明の効果が得られにくかったりすることがある。長手方向のヤング率の上限は、より好ましくは11GPaである。より好ましい範囲としては、6〜11GPaである。
また、幅方向のヤング率Etも5〜13GPaの範囲とすることが好ましい。幅方向のヤング率が5GPaより小さい場合、エッジダメージの原因となったり、幅方向の寸法安定性として本発明の効果が得られにくかったりすることがある。幅方向のヤング率の下限は、より好ましくは6GPa、さらに好ましくは7GPaである。一方、幅方向のヤング率が13GPaより大きい場合、長手方向のヤング率を好ましい範囲に制御することが難しくなり長手方向の張力により変形しやすくなったり、スリット性が悪化したりすることがある。幅方向のヤング率の上限は、より好ましくは12GPa、さらに好ましくは11GPaである。より好ましい範囲としては、6〜12GPa、さらに好ましい範囲としては7〜11GPaである。
また、本発明の磁気記録媒体用支持体は、長手方向のヤング率Emと幅方向のヤング率Etの比Em/Etが0.5〜1.0の範囲内である。Em/Etは、0.6〜1.0の範囲内であることがより好ましく、0.6〜0.9の範囲内であることがさらに好ましく、0.6〜0.8の範囲内であることが特に好ましい。特に、長手方向のヤング率より幅方向のヤング率が大きいほうが、幅方向の寸法安定性として本発明の効果を得やすく、長手方向の曲げ剛性を本発明の範囲に制御しやすい。
なお、本発明において、支持体の長手方向とは、一般的にMD方向といわれる方向であって、ポリエステルフィルム製造工程時の長手方向と同じ方向を指し、支持体の幅方向とは、一般的にTD方向といわれる方向であって、ポリエステルフィルム製造工程時の幅方向と同じ方向(MD方向とは面内において直交する方向)を指す。
また、本発明の磁気記録媒体用支持体においては、磁性層を設ける側の表面(A)の中心線平均粗さRaが0.5nm〜10nmであることが好ましい。磁性層を設ける側の表面(A)のRaが0.5nmより小さい場合は、フィルム製造、加工工程などで、搬送ロールなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルを起こすことがあり、磁気テープとして用いる場合に、磁気ヘッドとの摩擦が大きくなり、磁気テープ特性が低下しやすい。また、Raが10nmより大きい場合は、高密度記録の磁気テープとして用いる場合に、電磁変換特性が低下することがある。磁性層を設ける側の表面(A)のRaの下限は、より好ましくは1nm、さらに好ましくは2nmであり、上限は8nm、さらに好ましくは6nmである。より好ましい範囲としては、1〜8nm、さらに好ましい範囲としては、2〜6nmである。
一方、バックコート層側の表面(B)の中心線平均粗さRaは3〜30nmであることが好ましい。バックコート層側の表面(B)のRaが3nmより小さい場合は、フィルム製造、加工工程などで、搬送ロールなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルを起こすことがあり、磁気テープとして用いる場合に、ガイドロールとの摩擦が大きくなり、テープ走行性が低下することがある。また、Raが30nmより大きい場合は、フィルムロールやパンケーキとして保管する際に、表面突起が反対側の表面に転写し、電磁変換特性が低下する傾向がある。バックコート層側の表面(B)のRaの下限は、より好ましくは5nm、さらに好ましくは7nmであり、上限は20nm、さらに好ましくは15nmである。より好ましい範囲としては、5〜20nm、さらに好ましい範囲としては7〜15nmである。
本発明において、ポリエステルフィルムとは、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸などの酸成分やジオール成分を構成単位(重合単位)とするポリマーで構成されたものである。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等を好ましく用いることができ、特に好ましくは、エチレングリコール等を用いることができる。これらのジオール成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリエステルには、ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の単官能化合物が共重合されていてもよいし、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,4−ジオキシ安息香酸、等の3官能化合物などが、過度に分枝や架橋をせずポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。さらに酸成分、ジオール成分以外に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の効果が損なわれない程度の少量であればさらに共重合せしめることができる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。また、これらの共重合体、および変性体でもよく、他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイでもよい。ここでいうポリマーアロイとは高分子多成分系のことであり、共重合によるブロックコポリマーであってもよいし、混合などによるポリマーブレンドでもよい。
本発明の磁気記録媒体用支持体の長手方向に周波数1Hzで測定した動的粘弾性において、損失正接(tanδ)のピーク温度が120〜160℃であることが好ましい。損失正接のピーク温度はガラス転移温度の指標となり、ピーク温度が高いほど耐熱性が高い。損失正接のピーク温度は、好ましくは125〜160℃である。ピーク温度が120℃未満であると、金属系酸化物を設ける加工工程、磁気記録媒体の加工工程や使用時の熱負荷によりダメージを受けるおそれがあり、ピーク温度が160℃を超える場合は、延伸により分子配向を高めることが困難であり、本発明の効果である寸法安定性を得ることができない場合がある。
特に、上記ポリエステル樹脂とポリイミド系樹脂のポリマーアロイは混合割合によってガラス転移温度を制御できるため、使用条件に合わせたポリマー設計ができるため好ましい。ポリマーの混合割合はNMR法(核磁気共鳴法)や顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)を用いて調べることができる。
ポリイミド系樹脂としては、例えば、下記一般式で示されるような構造単位を含有するものが好ましい。
Figure 2009087518
ただし、式中のRは、
Figure 2009087518
Figure 2009087518
などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表している。また、式中のRは、
Figure 2009087518
などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表している。
溶融成形性やポリエステルとの親和性などの点から、下記一般式で示されるような、ポリイミド構成成分にエーテル結合を含有するポリエーテルイミドが特に好ましい。
Figure 2009087518
(ただし、上記式中Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族または脂肪族残基、Rは6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基である。)
上記R、Rとしては、例えば、下記式群に示される芳香族残基を挙げることができる。
Figure 2009087518
本発明では、ポリエステルとの親和性、コスト、溶融成形性等の観点から、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミン、またはp−フェニレンジアミンとの縮合物である、下記式で示される繰り返し単位を有するポリマーが好ましい
Figure 2009087518
または
Figure 2009087518
(nは2以上の整数、好ましくは20〜50の整数)
このポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商品名で、ジーイープラスチックス社より入手可能である。
本発明において、例えば、ポリエステル樹脂とポリイミド樹脂とを混合する方法としては、溶融押出前に、ポリエステル樹脂とポリイミド樹脂の混合物を予備溶融混練(ペレタイズ)してマスターチップ化する方法や、溶融押出時に混合して溶融混練させる方法などがある。中でも、二軸押出機などのせん断応力のかかる高せん断混合機を用いて予備混練してマスターチップ化する方法などが好ましく例示される。その場合、通常の一軸押出機に該混合されたマスターチップ原料を投入して溶融製膜してもよいし、高せん断を付加した状態でマスターチップ化せずに直接にシーティングしてもよい。二軸押出機で混合する場合、分散不良物を低減させる観点から、3条二軸タイプまたは2条二軸タイプのスクリューを装備したものが好ましい。また、ポリエステル樹脂とポリイミド樹脂を混合する場合、溶融粘度の差があるため、ポリイミド樹脂を高濃度に混合したマスターチップを作製することが好ましく、特に、ポリエステル樹脂/ポリイミド樹脂の混合質量比率を10/90〜70/30とするのが好ましく、より好ましい範囲は30/70〜60/40の範囲である。
混練部の温度範囲を好ましい範囲にすることは、せん断応力を高めやすく、分散不良物を低減しやすくなる。そのときの滞留時間は1〜5分の範囲が好ましい。また、スクリュー回転数を100〜500回転/分とすることが好ましく、さらに好ましくは200〜400回転/分の範囲である。スクリュー回転数を好ましい範囲に設定することでも、高いせん断応力が付加され易く、分散不良物を低減しやすくなる。また、二軸押出機の(スクリュー軸長さ/スクリュー軸径)の比率は20〜60の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは30〜50の範囲である。
さらに、二軸スクリューにおいて、混練力を高めるためにニーディングパドルなどによる混練部を設けることは好ましく、その混練部を好ましくは2箇所以上、さらに好ましくは3箇所以上設けたスクリュー形状にする。この際、原料の混合順序には特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、プラスチック成形加工学会誌「成形加工」第15巻第6号、382〜385頁(2003年)に記載された超臨界流体を利用する方法なども好ましく例示することができる。
本発明において、ポリエステルフィルムは2層以上の積層構成であることが好ましい。特に、本発明の支持体は、磁気記録媒体に用いるため、一方の表面には、優れた電磁変換特性を得るための平滑さが求められ、他方の表面には、製膜・加工工程での搬送や、磁気テープの走行性や走行耐久性を付与するための粗さが求められる。そのため、ポリエステルフィルムを2層以上の積層構成にすることが好ましい。
ポリエステルフィルムには、その表面に易滑性や耐摩耗性、耐スクラッチ性などを付与するため、無機粒子、有機粒子、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、熱硬化樹脂、シリコーン、イミド系化合物等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)などが添加されていてもよい。粒子の粒径はTEMなどによって調べることができ、粒子の添加量はX線マイクロアナライザーや熱分解ガスクロマト質量分析などによって調べることができる。
本発明において、支持体としての厚みは、用途に応じて適宜決定できるが、通常磁気記録媒体用途では3〜6μmが好ましい。この厚みが3μmより小さい場合、曲げ剛性や曲げ応力が小さくなりすぎて、磁気テープにした際にヘッドあたりが不足して電磁変換特性が低下することがある。一方、この厚みが6μmより大きい場合は、曲げ剛性や曲げ応力が高くなりすぎて、ヘッドのエッジ近傍でテープ浮き上がりによる電磁変換特性の不良があったり、カートリッジで保存した後に巻きじまりによる転写が起こったりして電磁変換特性の低下を引き起こすことがある。したがって、高密度磁気記録媒体用途の場合、厚みの下限は、好ましくは4μmであり、上限は、好ましくは5.5μmである。より好ましい範囲としては4〜5.5μmである。
また、本発明の支持体を構成するポリエステルフィルムの厚みは、3〜6μmであることが好ましい。この厚みが3μmより小さい場合は、曲げ剛性や曲げ応力が小さくなりすぎて、磁気テープにした際にヘッドあたりが不足して電磁変換特性が低下することがある。ポリエステルフィルムの厚みの下限は、より好ましくは4μmである。一方、ポリエステルフィルムの厚みが6μmより大きい場合は、曲げ剛性や曲げ応力が高くなりすぎて、ヘッドのエッジ近傍でテープ浮き上がりによる電磁変換特性の不良があったり、カートリッジで保存した後に巻きじまりによる転写が起こったりして電磁変換特性の低下を引き起こすことがある。ポリエステルフィルムの厚みの上限は、より好ましくは5.5μmである。より好ましい範囲としては4〜5.5μmである。
上記したような本発明の磁気記録媒体用支持体は、たとえば次のように製造される。
まず、支持体を構成するポリエステルフィルムを製造する。ポリエステルフィルムを製造するには、たとえばポリエステルのペレットを、押出機を用いて溶融し、口金から吐出した後、冷却固化してシート状に成形する。このとき、繊維焼結ステンレス金属フィルターによりポリマーを濾過することが、ポリマー中の未溶融物を除去するために好ましい。また、ポリエステルフィルムの表面に易滑性や耐摩耗性、耐スクラッチ性などを付与するため、無機粒子、有機粒子、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、熱硬化樹脂、シリコーン、イミド系化合物等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)などを添加することも好ましい。さらに、本発明を阻害しない範囲内であれば、各種添加剤、例えば、相溶化剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、などが添加されてもよい。
続いて、上記シートを長手方向と幅方向の二軸に延伸した後、熱処理する。延伸工程は、特に限定されないが、各方向において2段階以上に分けることが好ましい。すなわち再縦、再横延伸を行う方法が高密度記録の磁気テープとして最適な高強度のフィルムが得られ易いために好ましい。
そして、支持体の長手方向のヤング率は、ポリエステルフィルムの長手方向のヤング率でほとんど決まる。一方、支持体の幅方向のヤング率も、ポリエステルフィルムの幅方向のヤング率でほとんど決まる。したがって、ポリエステルフィルムの長手方向、幅方向のヤング率を、延伸倍率や延伸温度によって制御することが好ましい。基本的には、後述する総面積延伸倍率を高くしたり、延伸温度を低くしたりすれば、製造したポリエステルフィルムのヤング率を高くすることができる。
延伸形式としては、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行うなどの逐次二軸延伸法や、同時二軸テンター等を用いて長手方向と幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法、さらに、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法を組み合わせた方法などが包含される。
特に同時二軸延伸法を用いることが好ましい。逐次二軸延伸法に比べて同時二軸延伸法は、製膜工程で長手方向、幅方向に結晶が均一に成長するため、安定して高倍率に延伸しやすい。なお、ここでいう同時二軸延伸とは、長手方向と幅方向の延伸が同時に行われる工程を含む延伸方式である。必ずしも、すべての区間で長手方向と幅方向が同時に延伸されている必要はなく、長手方向の延伸が先にはじまり、その途中から幅方向にも延伸を行い(同時延伸)、長手方向の延伸が先に終了し、残りを幅方向のみ延伸するような方式でもよい。延伸装置としては、例えば同時二軸延伸テンターなどが好ましく例示され、中でもリニアモータ駆動式の同時二軸テンターが破れなくフィルムを延伸する方法として特に好ましい。
熱処理温度はポリエステルの融点を目安にして決定することができる。熱処理温度は、150℃〜[ポリエステルの融点(Tm)−15]℃が好ましく、熱処理時間は0.5〜10秒の範囲で行うのが好ましい。特に、1段目の熱処理温度を好ましくは(Tm−65)〜(Tm−15)℃、さらに好ましくは(Tm−55)〜(Tm−25)℃に設定して、2段目の熱処理温度を1段目より低温に設定する。さらに、2段目の熱処理工程のみを幅方向に1〜5%の弛緩率で弛緩処理するとさらに好ましい。上述の多段階の熱処理工程によると、ヤング率や温度・湿度変化に対する寸法安定性を高めつつ、分子鎖緩和が効果的に進行するので、本発明の効果である荷重が負荷された状態で保存したときの寸法変化を表す保存安定性を高めやすくなる
そして、このようにして製造されたポリエステルフィルムはロールに巻き取られる。
次に、上記のようにして熱処理が行われたポリエステルフィルムの両面に金属系酸化物を含む層(M層)を設ける。
このとき、支持体としての表面抵抗率の値および湿度膨張係数の値を上述のとおりとするために、金属系酸化物の酸化状態を制御する。また金属系酸化物の酸化状態を制御することで、支持体としてのヤング率も制御することが可能である。
M層の形成方法としては物理蒸着法や化学蒸着法を用いることができる。ポリエステルフィルムへの物理蒸着法には真空蒸着法、スパッタリング法があり、特に酸化度の制御しやすさから真空蒸着法が好ましく、さらに金属蒸気の高エネルギー化が可能な電子ビーム蒸着法が好ましい。
M層を構成する金属系酸化物の酸化度を制御するには、基本的には金属蒸発量と酸素ガス導入量を制御する必要がある。金属蒸発量が一定であれば、酸素ガス導入量を減らせば酸化度が低くなり、酸素ガス導入量を増やせば酸化度が高くなる。逆に酸素ガス導入量が一定であれば、金属蒸発量を減らせば酸化度が高くなり、金属蒸発量を増やせば酸化度が低くなる。
このとき、酸素ガスは、蒸着源の真横から金属蒸気の流れる方向と同じ方向に供給することが好ましい。金属蒸気の流れる方向と同じ方向に酸素ガスを供給することで、酸素ガスによる金属蒸気の乱れが少なくなり、所望の厚みや酸化度に制御し易くなる。また、酸素ガスと金属蒸気の反応空間が大きくなるため、ポリエステルフィルム上に達するまでに酸化反応が完了し、安定した構造欠陥のない蒸着膜を製膜することが可能となり、寸法安定性が向上する。
支持体の表面抵抗率は、M層の酸化度が高いほど高くなるため、蒸着時の酸素ガス導入量や酸素ガス供給ノズルの位置、金属成分の蒸発量、フィルム搬送速度を調整することで制御することができる。特に金属の蒸発量やフィルム搬送速度の影響が大きい。
支持体の曲げ剛性は、蒸着前のポリエステルフィルムのヤング率などに反映されるフィルムの配向状態や、蒸着時の金属蒸発量と酸素ガス導入量、金属元素濃度、金属原子の結合状態などで制御することができる。また、支持体の曲げ剛性は、M層の金属成分や厚みを制御することで本発明の範囲内とすることが可能である。
そして、支持体の湿度膨張係数は、蒸着前のポリエステルフィルムのヤング率などに反映されるフィルムの配向状態や、蒸着時の金属蒸発量と酸素ガス導入量、金属元素濃度、金属原子の結合状態などで制御することができる。また、支持体の湿度膨張係数は、M層の金属成分や厚みを制御することで本発明の範囲内とすることが可能である。
表面抵抗率はM層内の金属元素濃度とも相関があり、また、金属元素濃度が同じでも金属原子の結合状態によって変化する。特に金属−金属結合の存在比が影響し、金属−金属結合の存在比が大きいと、全光線透過率が低下したり、表面抵抗率が低下したりしやすい。
金属元素濃度は金属蒸発量と酸素ガス導入量から制御することができる。金属元素濃度を小さくするには、金属蒸発量を少なくし、酸素ガス導入量を多くすればよく、金属元素濃度を大きくするにはその逆にすればよい。
金属結合の存在比は、金属の蒸発量と酸素ガス導入量を制御することでも調整できるが、金属元素濃度よりもさらにミクロな構造を示した組成であり、酸化反応の制御が重要となる。すなわち、金属結合の存在比は金属と酸素ガスの反応効率が特に影響するため、酸素ガス導入の方法が重要となる。酸素ガス導入方法としては、蒸着源の真横から金属蒸気の流れる方向と同じ方向に供給することが好ましい。具体的には、酸素供給ノズルを図1に示すような位置に配置することが好ましい。これにより、金属蒸気と酸素ガスの反応が促進され、酸化反応が完了した状態でポリエステルフィルムに到達するため、過剰な酸素ガスを取り込んで金属結合存在比が小さくなったり、酸素ガスと反応できずに金属原子同士が結合し、金属結合存在比が大きくなってしまったりすることがなくなる。また、金属蒸気や酸素ガスを高エネルギー化することで反応が促進されるため、電子ビーム蒸着法により金属蒸気を高エネルギー化し、プラズマ処理などで酸素ガスを高エネルギー化することが好ましい。
なお、図1に示すような位置関係は、表面抵抗率制御のような酸化度制御を行う本発明では、金属と酸素ガスとよく反応し減圧度を下げる未反応酸素ガスが発生しにくく、また、るつぼ表面で溶融、蒸発がすぐに行われるため好ましく例示される。
一方、冷却ドラムに近い一般的な酸素供給ノズル位置(図3、124)では酸素ガスの流れが金属蒸気の流れと交差するため、所望の厚みに制御しづらく、特にM層の厚膜化が困難となる。さらに、反応空間が小さくなるため金属原子が不完全な酸化反応でポリエステルフィルムに到着し、不完全な構造になり、寸法安定性を悪化させ易い。それ以外にもポリエステルフィルムへの堆積始めと堆積終わりの部分近傍に酸素供給ノズルがあるため、ポリエステルフィルムとの界面やM層の表面で酸素濃度が高くなりやすい。M層中に異組成の層があると、寸法安定性が低下する傾向がある。
また、支持体のヤング率は、M層を構成する金属成分の種類やM層の厚み、酸化度によっても制御できる。M層自体の強度を高く、膜厚を厚くすることで支持体のヤング率を高めることができる。
そして、上述したように、M層は水和物が形成されると体積変化、ひずみを生じ、寸法安定性が悪化しやすい。そこで、水酸基と結合しているアルミニウム原子の存在比を上記範囲内と小さくするために、水和物を形成させないこと、すなわち水分を吸湿させないことが好ましい。アルミニウム原子と酸素原子がしっかり結合していて、未結合のアルミニウム原子や酸素原子を減らし、不完全な構造をなくすように形成することで水分の吸湿を防ぐことができる。不完全な構造はないことが好ましいが、形成時に生成してしまった場合は強制的に一気に吸湿させ、M層全体から未結合のアルミニウムや酸素原子をなくすことが好ましい。つまり、M層形成後は未結合原子をなくすための強制加湿処理を行うことが好ましい。加湿処理を行わず、未結合原子が残存していると、部分的に吸湿が起こり、その吸湿による体積変化などでM層に構造欠陥を作りやすくなる。構造欠陥はさらなる吸湿を発生させる原因ともなり、加湿処理を行わない場合より、水酸基と結合しているアルミニウム原子の存在比が高くなってしまう場合もある。強制の加湿処理を行わない場合は隙間構造がいわば完全には埋まっていない状態のため、構造欠陥が生じやすい。
また、M層を形成する時にポリエステルフィルムが吸湿していると、形成時の熱負荷などによりポリエステルフィルムから水分が放出され、M層の中に水分を取り込むこととなり、水和物を形成してしまうことがある。M層を形成する前にポリエステルフィルム内の水分量を減らしておくことが好ましい。
なお、本発明においては、ポリエステルフィルムやそのポリエステルフィルムを用いて得られた支持体に、必要に応じて、熱処理、マイクロ波加熱、成形、表面処理、ラミネート、コーティング、印刷、エンボス加工、エッチング、などの任意の加工を行ってもよい。
以下、本発明の支持体の製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(PET)をポリエステルとして用いた例を代表例として説明する。もちろん、本願はPETフィルムを用いた支持体に限定されるものではなく、他のポリマーを用いたものものでもよい。例えば、ガラス転移温度や融点の高いポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどを用いてポリエステルフィルムを構成する場合は、以下に示す温度よりも高温で押出や延伸を行えばよい。
まず、ポリエチレンテレフタレートを準備する。ポリエチレンテレフタレートは、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子量のポリエチレンテレフタレートまたはオリゴマーを得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低分子量体を得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセスである。ここで、エステル化は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換反応においては、通常、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム、チタン等の化合物を触媒に用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加する場合もある。
フィルムを構成するポリエステルに不活性粒子を含有させる場合には、エチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散させ、このエチレングリコールを重合時に添加する方法が好ましい。不活性粒子を添加する際には、例えば、不活性粒子の合成時に得られる水ゾルやアルコールゾル状態の粒子を一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性がよい。また、不活性粒子の水スラリーを直接PETペレットと混合し、ベント式二軸混練押出機を用いて、PETに練り込む方法も有効である。不活性粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高濃度の不活性粒子のマスターペレットを作っておき、それを製膜時に不活性粒子を実質的に含有しないPETで希釈して不活性粒子の含有量を調節する方法が有効である。
次に、得られたPETのペレットを、180℃で3時間以上減圧乾燥した後、固有粘度が低下しないように窒素気流下あるいは減圧下で、270〜320℃に加熱された押出機に供給し、スリット状のダイから押出し、キャスティングロール上で冷却して未延伸フィルムを得る。この際、異物や変質ポリマーを除去するために各種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。また、必要に応じて、定量供給性を向上させるためにギアポンプを設けてもよい。フィルムを積層する場合には、2台以上の押出機およびマニホールドまたは合流ブロックを用いて、複数の異なるポリマーを溶融積層する。
次に、この未延伸フィルムをたとえば同時二軸延伸テンターに導いて、長手および幅方向に同時に二軸延伸を行う。延伸速度は長手、幅方向ともに100〜20,000%/分の範囲で行うのが好ましい。より好ましくは、500〜10,000%/分、さらに好ましくは2,000〜7,000%/分である。延伸速度が100%/分よりも小さい場合には、フィルムが熱にさらされる時間が長くなるため、特にエッジ部分が結晶化して延伸破れの原因となり製膜性が低下したり、十分に分子配向が進まず、製造したフィルムのヤング率が低下することがある。また、20,000%/分よりも大きい場合には、延伸時点で分子間の絡み合いが生成しやすくなり、延伸性が低下して、高倍率の延伸が困難となることがある。
延伸温度は、用いるポリマーの種類によって異なるが、未延伸フィルムのガラス転移温度Tgを目安として決めることができる。長手方向および幅方向それぞれの1段目の延伸工程における温度は、Tg〜Tg+30℃の範囲であることが好ましく、より好ましくはTg+5℃〜Tg+15℃である。上記範囲より延伸温度が低い場合には、フィルム破れが多発して生産性が低下したり、再延伸性が低下して、高倍率に安定して延伸することが困難となることがある。また、上記範囲よりも延伸温度が高い場合には、特にエッジ部分が結晶化して延伸破れの原因となり製膜性が低下したり、十分に分子配向が進まず、製造したフィルムのヤング率が低下することがある。
そして、ポリエステルフィルムの製造工程が多段延伸、すなわち再延伸工程を含む場合、1段目の延伸温度は上述のとおりであるが、2段目の延伸温度はTg+60℃〜Tg+120℃が好ましく、さらに好ましくはTg+80℃〜Tg+100℃である。延伸温度が上記範囲を外れる場合には、熱量不足や結晶化の進みすぎによって、フィルム破れが多発して生産性が低下したり、十分に配向を高めることができず、強度が低下する場合がある。特に、2段目の延伸温度を1段目の延伸温度の80〜110℃高い温度で延伸することが分子配向を高めやすいので好ましい。それより低い温度で2段目を延伸すると、局所的に緊張が高まりやすく、フィルム破れが発生しやすくなる。また、それより高い温度で2段目を延伸すると、結晶化が進行しやすくなり、効果的に分子配向させることが困難であることがある。
一方、延伸倍率は、用いるポリマーの種類や延伸温度によって異なり、また多段延伸の場合も異なるが、総面積延伸倍率(総縦延伸倍率×総横延伸倍率)が、15〜40倍の範囲になるようにすることが好ましい。より好ましくは20〜35倍である。長手方向、幅方向の一方向の総延伸倍率としては、3〜7倍が好ましく、より好ましくは、3.5〜6倍である。延伸倍率が上記範囲より小さい場合には、延伸ムラなどが発生しフィルムの加工適性が低下することがある。また、延伸倍率が上記範囲より大きい場合には、延伸破れが多発して、生産性が低下する場合がある。
各方向に関して延伸を多段で行う場合、1段目の長手、幅方向それぞれにおける延伸倍率は、3〜5倍が好ましく、より好ましくは3.3〜4倍である。また、1段目における好ましい面積延伸倍率は9〜16倍であり、より好ましくは、10〜14倍である。これらの延伸倍率の値は、特に同時二軸延伸法を採用する場合に好適な値であるが、逐次二軸延伸法でも適用できる。
また、再延伸を行う場合の一方向における延伸倍率は、1.05〜2.5倍が好ましく、より好ましくは1.2〜1.8倍である。再延伸の面積延伸倍率としては、1.4〜4倍が好ましく、より好ましくは1.6〜3倍である。
本発明では、長手方向のヤング率Emと幅方向のヤング率Etの比Em/Etが0.5〜1.0である二軸配向ポリエステルフィルムを得るために、幅方向の延伸倍率が長手方向の延伸倍率より大きいことが必要である。その場合、幅方向の総延伸倍率が長手方向の総延伸倍率の1.1〜1.2倍であることが好ましい。1段目の延伸において、分子鎖の配向結晶化が進行しているため、特に、2段目の延伸において、幅方向の延伸倍率が長手方向の延伸倍率の1.1〜1.2倍に制御することが幅方向の分子鎖配向を高めるうえでより好ましい。
続いて、この延伸フィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら熱処理する。熱処理条件は、熱処理温度は、150℃〜230℃が好ましく、熱処理時間は0.5〜10秒の範囲で行うのが好ましい。熱処理工程を2段階以上の多段階で行うことが好ましく、特に、1段目の熱処理温度を好ましくは180〜230℃、さらに好ましくは190〜220℃に設定して、2段目の熱処理温度を1段目より低温にして、好ましくは150〜200℃、さらに好ましくは150〜180℃に設定する。さらに、2段目の熱処理工程のみを幅方向に1〜5%の弛緩率で弛緩処理するとさらに好ましい。上述の多段階の熱処理工程によると、ヤング率や温度・湿度変化に対する寸法安定性を高めつつ、分子鎖緩和が効果的に進行するので、本発明の効果である荷重が負荷された状態で保存したときの寸法変化を表す保存安定性を高めやすくなる。
その後、フィルムエッジを除去し、ロールに巻き取る。また、フィルムをコアに巻いた状態(ロール状フィルム)で、熱風オーブンなどで加熱処理してもよい。
このように作製されたポリエステルフィルムは、水分を吸湿しないように、低湿度の環境下で保存することが好ましく、搬送時などもできるだけ吸湿を防ぐような梱包が好ましい。ポリエステルフィルムの吸湿はM層形成時に悪影響を及ぼすためである。
次に、上記のようにして得られたPETフィルムの両面に金属系酸化物を含む層(M層)を設ける方法を説明する。
PETフィルム表面にM層を形成するには、たとえば図1に示すような真空蒸着装置を用いる。この真空蒸着装置11においては、真空チャンバ12の内部をポリエステルフィルムが巻出しロール部13から冷却ドラム16を経て巻取りロール部18へと走行する。そのときに、るつぼ23内の金属材料19を、電子銃20から照射した電子ビーム21で加熱蒸発させるとともに、酸素供給ノズル24から酸素ガスを導入し、蒸発した金属を酸化反応させながら冷却ドラム16上のポリエステルフィルムに蒸着する。本発明は両面にM層が必要なため、片方の表面(1面目)に金属系酸化物を蒸着した後巻取りロール部18から片面蒸着ポリエステルフィルムを取り外し、それを巻出しロール部13にセットし同じように反対側の表面(2面目)に金属系酸化物を蒸着する。なお、この真空蒸着装置11は、酸化度を容易に制御できるように、酸素供給ノズル24を蒸着源であるるつぼ23の真横に設置し、かつ、金属蒸気と酸素ガスとが同じ方向に流れるようにしている。その結果、金属蒸気と酸素ガスとの反応空間も大きくなっている。
ここで、真空チャンバ12の内部は1.0×10−8〜1.0×10Paに減圧することが好ましい。さらに緻密で劣化部分の少ないM層を形成させるためには、1.0×10−6〜1.0×10−1Paに減圧することが好ましい。
冷却ドラム16は、その表面温度を−40〜60℃の範囲内にすることが好ましい。より好ましくは−35〜30℃、さらに好ましくは−30〜0℃である。
電子ビーム21は、その出力が2.0〜8.0kWの範囲内のもので行うのが好ましい。より好ましくは3.0〜7.0kW、さらに好ましくは4.0〜6.0kWの範囲内である。なお、直接ルツボを加熱することで金属材料19を加熱蒸発させてもよい。
酸素ガスは、ガス流量制御装置26を用いて0.5〜10L/minの流量で真空チャンバ12内部に導入する。より好ましくは1.5〜8L/min、さらに好ましくは2.0〜5L/minである。
真空チャンバ12の内部におけるポリエステルフィルムの搬送速度は20〜200m/minが好ましい。より好ましくは30〜100m/min、さらに好ましくは40〜80m/minである。搬送速度が20m/minより遅い場合、上記のようなM層厚みに制御するためには金属の蒸発量をかなり小さくする必要がある。そのため、酸素ガス導入量も減らす必要がでてくるために、酸化度の制御が非常に難しくなる。搬送速度が200m/minより速くなると、冷却ドラムとの接触時間が短くなるため熱による破れやシワが発生し、生産性が低下する傾向がある。また、金属蒸気と酸素ガスとが不充分な反応状態で成膜されやすく、酸化度の制御が難しくなる場合がある。
真空チャンバ12の内部におけるポリエステルフィルムの搬送張力は50〜150N/mが好ましい。より好ましくは70〜120N/m、さらに好ましくは80〜100N/mである。ただし、2面目の蒸着時には搬送張力を1面目より弱めることが好ましい。2面目の搬送張力は1面目の搬送張力より5〜30N/m低いことが好ましく、より好ましくは7〜25N/m低く、さらに好ましくは10〜20N/m低いことが好ましい。これは、1面目の蒸着時にポリエステルフィルムが熱負荷を受け収縮しようとする力を失うため、2面目の蒸着時に1面目と同様の搬送張力で走行させると、熱による破れやシワが発生し、生産性が損なわれる傾向があるからである。さらに、ポリエステルフィルムの表面粗さが面によって異なる場合は、先に粗い方の面を蒸着することが好ましい。これは2面目蒸着時に冷却ドラムへの密着性を高めるためである。蒸着は片面ずつ行ってもよいし、両面を1工程で行ってもよい。
蒸着後、M層を安定化させ、緻密性を高めるためには、真空蒸着装置内を常圧に戻して、巻取ったフィルムを巻き返すことが好ましい。特に、未結合原子を減らすためには加湿巻き返しを行うことが水蒸気とM層が接触する機会が長くなるため好ましい。加湿巻き返しは20〜40℃で60〜80%RHで行うことが好ましい。さらに、20〜50℃の温度で1〜3日間エージングすることが好ましく、さらに好ましくは湿度60%以上の結露しない程度の環境下でエージングすることが好ましい。
次に、磁気記録媒体を製造する方法を説明する。上記のようにして得られた磁気記録媒体用支持体を、たとえば0.1〜3m幅にスリットし、速度20〜300m/min、張力50〜300N/mで搬送しながら、一方の面(A)に磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布する。なお、上層に磁性塗料を厚み0.1〜0.3μmで塗布し、下層に非磁性塗料を厚み0.5〜1.5μmで塗布する。その後、磁性塗料および非磁性塗料が塗布された支持体を磁気配向させ、温度80〜130℃で乾燥させる。次いで、反対側の面(B)にバックコートを厚み0.3〜0.8μmで塗布し、カレンダー処理した後、巻き取る。なお、カレンダー処理は、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)を用い、温度70〜120℃、線圧0.5〜5kN/cmで行う。その後、60〜80℃にて24〜72時間エージング処理し、1/2インチ(1.27cm)幅にスリットし、パンケーキを作製する。次いで、このパンケーキから特定の長さ分をカセットに組み込んで、カセットテープ型磁気記録媒体とする。
ここで、磁性塗料などの組成は例えば以下のような組成が挙げられる。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100質量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 10質量部
・変成ポリウレタン : 10質量部
・ポリイソシアネート : 5質量部
・2−エチルヘキシルオレート : 1.5質量部
・パルミチン酸 : 1質量部
・カーボンブラック : 1質量部
・アルミナ : 10質量部
・メチルエチルケトン : 75質量部
・シクロヘキサノン : 75質量部
・トルエン : 75質量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95質量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10質量部
・アルミナ : 0.1質量部
・変成ポリウレタン : 20質量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 30質量部
・シクロヘキサノン : 200質量部
・メチルエチルケトン : 300質量部
・トルエン : 100質量部
磁気記録媒体は上記に示した以外に、コバルト、ニッケル、鉄などを蒸着やスパッタなどにより設けた強磁性薄膜型磁性層を有するものでもかまわない。
磁気記録媒体は、例えば、データ記録用途、具体的にはコンピュータデータのバックアップ用途(例えばリニアテープ式の記録媒体(LTO4やLTO5など))や映像などのデジタル画像の記録用途などに好適に用いることができる。
(物性の測定方法ならびに効果の評価方法)
本発明における特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである。例えば、磁気テープから本願の支持体を取り出すためには、メチルエチルケトンを用いて磁性層やバックコート層を拭き剥がすことで評価が可能となる。
(1)曲げ応力
支持体の長手方向に対して、下記条件にて測定を行い、5回の測定結果の平均値を本発明における曲げ応力とする。
・測定装置:ループスティッフネステスター(東洋精機製)
・試料サイズ:支持体長手方向50mm×支持体幅方向10mm
・押し込み距離:15mm
・測定温度:23℃、65%RH
(2)湿度膨張係数
支持体の幅方向に対して、下記条件にて測定を行い、3回の測定結果の平均値を本発明における湿度膨張係数とする。
・測定装置:島津製作所製熱機械分析装置TMA−50(湿度発生器:アルバック理工製湿度雰囲気調節装置HC−1)
・試料サイズ:支持体長手方向10mm×支持体幅方向12.6mm
・荷重:0.5g
・測定回数:3回
・測定温度:30℃
・測定湿度:40%RHで6時間保持し寸法を測定し時間40分で80%RHまで昇湿し、80%RHで6時間保持したあと支持体幅方向の寸法変化量ΔL(mm)を測定する。次式から湿度膨張係数(ppm/%RH)を算出する。
・湿度膨張係数(ppm/%RH)=10×{(ΔL/12.6)/(80−40)}
(3)ヤング率
ASTM−D882(1997年)に準拠して支持体のヤング率を測定する。なお、インストロンタイプの引張試験機を用い、条件は下記のとおりとする。5回の測定結果の平均値を本発明におけるヤング率とする。
・測定装置:インストロン社製超精密材料試験機MODEL5848
・試料サイズ:
支持体幅方向のヤング率測定の場合
支持体長手方向2mm×支持体幅方向12.6mm
(つかみ間隔は支持体幅方向に8mm)
支持体長手方向のヤング率測定の場合
支持体幅方向2mm×支持体長手方向12.6mm
(つかみ間隔は支持体長手方向に8mm)
・引張り速度:1mm/分
・測定環境:温度23℃、湿度65%RH
・測定回数:5回測定し、平均値から算出する。
(4)M層の厚み
下記条件にて断面観察を行い、得られた合計9点の厚み(nm)の平均値を算出し、M層の厚み(nm)とする。
・測定装置:透過型電子顕微鏡(TEM) 日立製H−7100FA型
・測定条件:加速電圧 100kV
・測定倍率:20万倍
・試料調製:超薄膜切片法
・観察面 :TD−ZD断面
・測定回数:1視野につき3点、3視野を測定する。
(5)組成分析
下記条件にて、深さ方向の組成分析を行う。炭素濃度が50at.%を越える深さをM層とポリエステルフィルムとの界面とし、表層から界面までを等分に5分割し、それぞれの区間の中央点を測定点として組成分析を行う。得られた各測定点の組成から平均値を算出し、本発明における平均組成とする。
・測定装置:X線光電子分光機 Quantera−SXM 米国PHI社製
・励起X線:monochromatic AlKα1,2線(1486.6eV)
・X線径 :100(μm)
・光電子脱出角度:45°
・ラスター領域:2×2(mm)
・Arイオンエッチング: 2.0(kV) 1.5×10−7(Torr)
・スパッタ速度:3.68nm/min(SiO換算値)
・データ処理:9−point smoothing
ピークの結合エネルギー値から元素情報が得られ、各ピークの面積比を用いて組成を定量化(at.%)する。さらに、金属元素のピークは結合状態(メタル−酸素,メタル−水酸基,メタル−メタルなど)によってそれぞれ結合状態のピークへ分割ができ、それぞれの結合状態のピークの面積比から結合状態の存在比を定量化[at.%]することができる。例えば、M層の金属成分がアルミニウムの場合、金属結合(Al−Al)、アルミニウム−酸素結合(Al)、アルミニウム−酸素−水酸基結合(AlOOH)、アルミニウム−水酸基結合(Al(OH))の4種類に分割することができる。なお、上述の水酸基と結合するアルミニウムの存在比は4つめのアルミニウム−水酸基結合(Al(OH))の存在比のことである。また、結合状態のピーク分割についてはB.Vincent Crist著Handbook of Monochromatic XPS Spectra(2000年10月、Wiley社発行)を参考にして行う。
(6)表面抵抗率
表面抵抗率の範囲によって、測定可能な装置が異なるため、まずi)の方法で支持体の測定を行い、表面抵抗率が低すぎて測定不可能なサンプルをii)の方法で測定する。5回の測定結果の平均値を本発明における表面抵抗率とする。
i)高抵抗率測定 JIS−C2151(1990年)に準拠し、下記測定装置を用いて測定する。
・測定装置:デジタル超高抵抗/微小電流計R8340 アドバンテスト(株)製
・印加電圧:100V
・印加時間:10秒間
・測定単位:Ω
・測定環境:温度23℃湿度65%RH
・測定回数:5回測定する。
ii)低抵抗率測定
JIS−K7194(1994年)に準拠し、下記測定装置を用いて測定する。
・測定装置:ロレスターEP MCP−T360 三菱化学製
・測定環境:温度23℃湿度65%RH
・測定回数:5回測定する。
(7)中心線平均粗さRa
触針式表面粗さ計を用いて下記条件にて支持体の中心線平均粗さRaを測定する。フィルム幅方向に20回走査して測定を行い、得られた結果の平均値を本発明における中心線平均粗さRaとする。
・測定装置 :小坂研究所製高精度薄膜段差測定器ET−10
・触針先端半径:0.5μm
・触針荷重 :5mg
・測定長 :1mm
・カットオフ値:0.08mm
・測定環境 :温度23℃湿度65%RH
(8)動的粘弾性の損失正接(tanδ)のピーク温度
DMS6100(セイコ−インスツルメンツ社製)を用い、支持体の長手方向を試料長さとして、試料幅10mm、試料長さ(チャック間距離)20mmの試料を下記条件で測定した。
・測定温度域 :30〜200℃
・振動周波数 :1Hz
・振動変位(歪み) :10(μm)
・昇温速度 :2(℃/分)
上記条件下で測定したデ−タをもとに、温度(30〜200℃)を横軸として損失正接(tanδ)を縦軸としたグラフを作成し、最も大きいピーク(主分散)のピーク温度をとる。3回評価してその平均値とした。
(9)ガラス転移温度(Tg)
下記装置および条件で比熱測定を行い、JIS K7121(1987年)に従って決定する。
・装置 :TA Instrument社製温度変調DSC
測定条件:
・加熱温度 :270〜570K(RCS冷却法)
・温度校正 :高純度インジウムおよびスズの融点
・温度変調振幅:±1K
・温度変調周期:60秒
・昇温ステップ:5K
・試料重量 :5mg
・試料容器 :アルミニウム製開放型容器(22mg)
・参照容器 :アルミニウム製開放型容器(18mg)
なお、ガラス転移温度は下記式により算出する。
ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温度+補外ガラス転移終了温度)/2
(10)融点(Tm)
示差走査熱量計としてセイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、サンプル約5mgをアルミニウム製受皿上300℃で5分間溶融保持し、急冷固化した後、室温から昇温速度20℃/分で昇温する。そのとき、観測される融解の吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とする。
(11)幅寸法測定
1m幅にスリットした支持体を、張力200Nで搬送させ、支持体の一方の表面(A)に下記組成の磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布し(上層が磁性塗料で、塗布厚0.2μm、下層が非磁性塗料で塗布厚0.9μm)、磁気配向させ、乾燥温度100℃で乾燥させる。次いで反対側の表面(B)に下記組成のバックコートを塗布した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧2.0×10N/mでカレンダー処理した後、巻き取る。上記テープ原反を1/2インチ(12.65mm)幅にスリットし、パンケーキを作成する。次いで、このパンケーキから長さ200m分をカセットに組み込んで、カセットテープとする。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100質量部
〔Fe:Co:Ni:Al:Y:Ca=70:24:1:2:2:1(質量比)〕
〔長軸長:0.09μm、軸比:6、保磁力:153kA/m(1,922Oe)、飽和磁化:146Am /kg(146emu/g)、BET比表面積:53m /g、X線粒径:15nm〕
・変成塩化ビニル共重合体(結合剤) : 10質量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1質量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・変成ポリウレタン(結合剤) : 10質量部
(数平均分子量:25,000,スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・ポリイソシアネート(硬化剤) : 5質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL(商品名))
・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) : 1.5質量部
・パルミチン酸(潤滑剤) : 1質量部
・カーボンブラック(帯電防止剤) : 1質量部
(平均一次粒子径:0.018μm)
・アルミナ(研磨剤) : 10質量部
(αアルミナ、平均粒子径:0.18μm)
・メチルエチルケトン : 75質量部
・シクロヘキサノン : 75質量部
・トルエン : 75質量部
(非磁性塗料の組成)
・変成ポリウレタン : 10質量部
(数平均分子量:25,000,スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・変成塩化ビニル共重合体 : 10質量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1質量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・メチルエチルケトン : 75質量部
・シクロヘキサノン : 75質量部
・トルエン : 75質量部
・ポリイソシアネート : 5質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL(商品名))
・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) : 1.5質量部
・パルミチン酸(潤滑剤) : 1質量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック : 95質量部
(帯電防止剤、平均一次粒子径0.018μm)
・カーボンブラック : 10質量部
(帯電防止剤、平均一次粒子径0.3μm)
・アルミナ : 0.1質量部
(αアルミナ、平均粒子径:0.18μm)
・変成ポリウレタン : 20質量部
(数平均分子量:25,000,スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・変成塩化ビニル共重合体 : 30質量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1重量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・シクロヘキサノン : 200質量部
・メチルエチルケトン : 300質量部
・トルエン : 100質量部
カセットテープのカートリッジからテープを取り出し、下記恒温恒湿槽内へ図2のように作製したシート幅測定装置を入れ、幅寸法測定を行う。なお、図2に示すシート幅測定装置は、レーザーを使って幅方向の寸法を測定する装置で、磁気テープ9をフリーロール5〜8上にセットしつつ荷重検出器3に固定し、端部に荷重となる分銅4を吊す。この磁気テープ9にレーザー光10を照射すると、レーザー発振器1から幅方向に線状に発振されたレーザー光10が磁気テープ9の部分だけ遮られ、受光部2に入り、その遮られたレーザーの幅が磁気テープの幅として測定される。3回の測定結果の平均値を本発明における幅とする。
・測定装置:(株)アヤハエンジニアリング社製シート幅測定装置
・レーザー発振器1、受光部2:レーザー寸法測定機 キーエンス社製LS−5040
・荷重検出器3:ロードセル NMB社製CBE1−10K
・恒温恒湿槽:(株)カトー社製SE−25VL−A
・荷重4:分銅(長手方向)
・試料サイズ:幅1/2inch×長さ250mm
・保持時間:5時間
・測定回数:3回
(幅寸法変化率)
2つの条件でそれぞれ幅寸法(l、l)を測定し、次式にて寸法変化率を算出する。次の基準で寸法安定性を評価する。A条件で24時間経過後lを測定して、その後B条件で24時間経過後にlを測定する。×を不合格とする。
A条件:10℃10%RH 張力1.0N
B条件:29℃80%RH 張力0.6N
幅寸法変化率(ppm)=10×((l−l)/l
◎:幅寸法変化率が600(ppm)未満
○:幅寸法変化率が600(ppm)以上700(ppm)未満
△:幅寸法変化率が700(ppm)以上800(ppm)未満
×:幅寸法変化率が800(ppm)以上
(12)電磁変換特性(C/N)
上記(11)と同様にカセットテープ作製し、C/Nの測定にはリールtoリールテスタを用い、市販のMRヘッドを搭載して下記の条件で実施した。
相対速度:2m/sec
記録トラック幅:18μm
再生トラック幅:10μm
シールド間距離:0.27μm
記録用信号発生器:HP社製 8118A
再生信号処理:スペクトラムアナライザ
このC/Nを市販のLTO4テープ(富士フィルム社製)と比較して、−1dB以上は○、−2以上−1dB未満は△、−2dB未満は×と判定した。○が望ましいが、△でも実用的には使用可能である。
(13)支持体の厚み
ダイヤルゲージにより厚みを測定した。
(14)高温クラック耐久性
引張試験機を使用し、ある特定の伸び量で引張った後、微分干渉顕微鏡にて表面状態を観察する。条件は下記のとおりとする。
引張試験機
測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“UCT−100”
試料サイズ:幅10mm×試長間100mm、
引張り速度:10%/分
引張り張力:1N,2Nの2点で実施(所定の張力になった時点で引っ張り試験機を停止させる)
測定環境:温度100℃
微分干渉顕微鏡
測定装置:ライカDMLB HC ライカマイクロシステムズ(株)製
観察倍率:1,000倍
○:張力2Nでクラックが発生しなかった場合
△:張力1Nでクラックが発生しなかったが、張力2Nでクラックが発生した場合
×:張力1Nでクラックが発生した場合
次の実施例に基づき、本発明の実施形態を説明する。なお、ここでポリエチレンテレフタレートをPET、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)をPENと表記する。
(実施例1)
テレフタル酸ジメチル194質量部とエチレングリコール124質量部とをエステル交換反応装置に仕込み、内容物を140℃に加熱して溶解した。その後、内容物を撹拌しながら酢酸マグネシウム4水塩0.1質量部および三酸化アンチモン0.05質量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチルの5質量%エチレングリコール溶液を1質量部(リン酸トリメチルとして0.05質量部)添加した。
トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液を添加すると反応内容物の温度が低下する。そこで余剰のエチレングリコールを留出させながら反応内容物の温度が230℃に復帰するまで撹拌を継続した。このようにしてエステル交換反応装置内の反応内容物の温度が230℃に達したら、反応内容物を重合装置へ移行した。
移行後、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。最終温度、最終圧力に到達した後、2時間(重合を始めて3時間)反応させたところ、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートのPETペレットXを得た。
300℃に加熱されたニーディングパドル混練部を3箇所設けた同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に、得られたPETペレットX50質量%とGE Plastics社製のポリエーテルイミド“Ultem1010”のペレット50質量%を供給し、スクリュー回転数300回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてブレンドチップ(I)を作製した。
また、280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、PETペレットXを98質量部と平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子の10質量%水スラリーを20質量部(球状架橋ポリスチレンとして2質量部)供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2質量%含有する固有粘度0.62のPETペレットYを得た。
さらに、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子ではなく平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を用いたこと以外、PETペレットYを作製する方法と同様の方法にて、平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2質量%含有する固有粘度0.62のPETペレットZを得た。
押出機E1、E2の2台を用い、295℃に加熱された押出機E1には、PETペレットX88.5質量部、PETペレットY1.5質量部、ブレンドチップ(I)10質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機E2には、PETペレットX82質量部、PETペレットY7質量部、PETペレットZ1質量部、およびブレンドチップ(I)10質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比E1(A面側)/E2(B面側)=5/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。なお、未延伸フィルムのガラス転移温度(Tg)は90℃であった。
この積層未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度95℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度190℃で長手方向および幅方向に同時に1.2×1.5倍に再延伸した。その後、温度210℃で5秒間熱処理後、温度170℃で幅方向に2%の弛緩処理を行い、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。作製した二軸配向ポリエステルフィルムは25℃30%RHにて保管した。なお、二軸延伸フィルムのガラス転移温度(Tg)は115℃であり、融点(Tm)は255℃であった。
次に、図1に示す真空蒸着装置11の巻出しロール部13に得られたポリエステルフィルムをセットし、1.5×10−3Paの減圧度にした後に、−20℃の冷却ドラム16を介してポリエステルフィルムを搬送速度150m/min、搬送張力100N/mで走行させた。このとき、純度99.99質量%のアルミニウムを電子ビーム(出力5.1kW)で加熱蒸発させ、さらに蒸発源であるるつぼ23の真横に設置した酸素供給ノズル24から酸素ガスを5.0L/minで金属蒸気と同じ方向に供給し、酸化アルミの蒸着薄膜層(厚み40nm)をフィルムのB面側の層の上に形成して巻取った。次に搬送張力を80N/mにしたこと以外は同様にしてフィルムのA面側の層の上に酸化アルミの蒸着薄膜層を設けて磁気記録媒体用支持体を得た。
得られた磁気記録媒体用支持体を評価したところ、表1〜表3に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法変化率が小さく優れた特性を有していた。
(実施例2)
実施例1と同様にして得られた積層未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度108℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度190℃で長手方向および幅方向に同時に1.2×1.5倍に再延伸した。その後、温度210℃で5秒間熱処理を行い、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製し、その二軸配向ポリエステルフィルムを25℃30%RHにて保管した。その後は、実施例1と同様にして、酸化アルミの蒸着薄膜層を設けて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体を評価したところ、表1〜表3に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法変化率が小さく優れた特性を有していた。
(実施例3)
実施例1と同様にして得られた積層未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度95℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度170℃で長手方向および幅方向に同時に1.2×1.5倍に再延伸した。その後、温度210℃で5秒間熱処理後、温度170℃で幅方向に2%の弛緩処理を行い、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製し、その二軸配向ポリエステルフィルムを25℃30%RHにて保管した。その後は、実施例1と同様にして、酸化アルミの蒸着薄膜層を設けて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体を評価したところ、表1〜表3に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法変化率が小さく優れた特性を有していた。
(実施例4)
実施例1と同様にして得られた積層未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度95℃、延伸速度6,000%で3.0倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度170℃で長手方向および幅方向に同時に1.4×1.4倍に再延伸した。その後、温度210℃で5秒間熱処理後、温度190℃で幅方向に2%の弛緩処理を行い、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製し、その二軸配向ポリエステルフィルムを25℃30%RHにて保管した。その後は、実施例1と同様にして、酸化アルミの蒸着薄膜層を設けて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体を評価したところ、表1〜表3に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法変化率が小さく優れた特性を有していた。
(実施例5)
蒸着工程での搬送速度を200m/min、酸素ガス導入量を5.0L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例6)
蒸着工程での搬送速度を100m/min、酸素ガス導入量を5.0L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例7)
蒸着工程での搬送速度を80m/min、酸素ガス導入量を5.0L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例8)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を2.0L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例9)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を7.0L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例10)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を1.0L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例11)
蒸着工程での搬送速度を80m/min、酸素ガス導入量を2.0L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例12)
押出機を2台使わずに、295℃に加熱された押出機E1に、実施例1で得られたPETペレットX79質量部、PETペレットY10質量部、PETペレットZ1質量部、およびブレンドチップ(I)10質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、単層で二軸配向ポリエステルフィルムを作製したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例13)
押出機E1,E2の2台を用い、280℃に加熱された押出機E1には、実施例1で得られたPETペレットX98.5質量部、PETペレットY1.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機E2には、実施例1で得られたPETペレットX92質量部、PETペレットY7質量部、およびPETペレットZ1質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比E1(A面側)/E2(B面側)=5/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。なお、未延伸フィルムのガラス転移温度(Tg)は80℃であった。
この積層未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度90℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度180℃で長手方向および幅方向に同時に1.2×1.5倍に再延伸した。さらに幅方向に温度200℃で1.15倍の延伸を行った後、温度210℃で5秒間熱処理後、温度170℃で幅方向に2%の弛緩処理を行い、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製し、その二軸配向ポリエステルフィルムを25℃30%RHにて保管した。なお、二軸延伸フィルムのガラス転移温度(Tg)は105℃であり、融点(Tm)は255℃であった。その後は、実施例1と同様にして、酸化アルミの蒸着薄膜層を設けて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体を評価したところ、表1〜表3に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法変化率が小さく優れた特性を有していた。
(実施例14)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100質量部とエチレングリコール60質量部の混合物に、酢酸マンガン・4水和物塩0.03質量部を添加し、150℃の温度から240℃の温度に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。途中、反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.024質量部を添加した。また、反応温度が220℃に達した時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.042質量部(2mmol%に相当)を添加した。その後、引き続いてエステル交換反応を行い、トリメチルリン酸0.023質量部を添加した。次いで、反応生成物を重合装置に移し、290℃の温度まで昇温し、30Paの高減圧下にて重縮合反応を行い、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.65のPEN(ポリエチレン−2,6−ナフタレート)ペレットPを得た。
280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、ペレットPを98質量部と平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子の10質量%水スラリーを20質量部(球状架橋ポリスチレンとして2質量部)供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2質量%含有する固有粘度0.65のPENペレットQを得た。
平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子ではなく平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を用いたこと以外、PENペレットQを作製する方法と同様の方法にて、平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2質量%含有する固有粘度0.65のPENペレットRを得た。
押出機E1、E2の2台を用い、280℃に加熱された押出機E1には、得られたPENペレットP98.5質量部、PENペレットQ1.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機E2には、得られたPENペレットP92質量部、PENペレットQ7質量部、およびPENペレットR1質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比E1(A面側)/E2(B面側)=5/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。なお、未延伸フィルムのガラス転移温度(Tg)は120℃であった。
また、得られた未延伸フィルムをリニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度135℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度180℃で長手方向および幅方向に同時に1.3×1.7倍に再延伸した。さらに幅方向に温度220℃で1.1倍の延伸を行った後、温度230℃で5秒間熱処理後、温度170℃で幅方向に2%の弛緩処理を行い、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは25℃30%RHにて保管した。なお、二軸延伸フィルムのガラス転移温度(Tg)は135℃であり、融点(Tm)は265℃であった。
その後は、実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例15)
蒸着工程での金属材料を純度99.99質量%の銅へ変更し、搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を5.0L/min、電子ビーム出力を6.5kWとしたこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例16)
蒸着工程での金属材料を純度99.9999質量%の亜鉛へ変更し、搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を5.0L/min、電子ビーム出力を5.8kWとしたこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例17)
図3に示す真空蒸着装置111の巻出しロール部113に実施例1で得られたポリエステルフィルムをセットし、1.5×10−3Paの減圧度にした後に、−20℃の冷却ドラム116を介してポリエステルフィルムを搬送速度150m/min、搬送張力100N/mで走行させた。このとき、純度99.99質量%のアルミニウムを電子ビーム(出力5.1kW)で加熱蒸発させ、さらに蒸発源であるるつぼ123の真横に設置した酸素供給ノズル124から酸素ガスを9.0L/minで金属蒸気と同じ方向に供給し、酸化アルミの蒸着薄膜層(厚み40nm)をフィルムのB面側の層の上に形成して巻取った。次に搬送張力を80N/mにしたこと以外は同様にしてフィルムのA面側の層の上に酸化アルミの蒸着薄膜層を設けて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示す特性を有していた。
(実施例18)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を0.5L/min、電子ビーム出力を6.1kWと変更したこと以外は実施例17と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示す特性を有していた。
(実施例19)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を1.6L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例20)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を1.3L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例21)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を1.6L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例13と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(実施例22)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を1.6L/min、電子ビーム出力を5.1kWと変更したこと以外は実施例14と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に優れた特性を有していた。
(比較例1)
実施例1で得られた厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムに対して、蒸着薄膜層を設けない以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた支持体は、酸化金属層(M層)を有しておらず、表1〜表3に示すような特性となった。
(比較例2)
蒸着工程で酸素ガスを供給しないこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は酸化アルミ層を有しておらず、また、表1〜表3に示すように磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
(比較例3)
蒸着工程での搬送速度を200m/min、酸素ガス導入量を5.0L/min、電子ビーム出力を1.3kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は、表1〜表3に示すように、磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
(比較例4)
蒸着工程での搬送速度を60m/min、酸素ガス導入量を2.0L/min、電子ビーム出力を3.3kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は、表1〜表3に示すように、磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
(比較例5)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を10.0L/min、電子ビーム出力を8.0kWと変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は、表1〜表3に示すように、磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
(比較例6)
蒸着工程での搬送速度を150m/min、酸素ガス導入量を1.0L/minに変更したこと以外は実施例1と同様の方法にて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体は、表1〜表3に示すように、磁気テープとして使用した際に劣る特性であった。
(比較例7)
実施例1と同様にして得られた積層未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度95℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.1倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度170℃で長手方向および幅方向に同時に1.6×1.2倍に再延伸した。その後、温度210℃で5秒間熱処理後、温度190℃で幅方向に2%の弛緩処理を行い、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製し、その二軸配向ポリエステルフィルムを25℃30%RHにて保管した。その後は、実施例1と同様にして、酸化アルミの蒸着薄膜層を設けて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体を評価したところ、表1〜表3に示したとおりであった。
(比較例8)
実施例1と同様にして得られた積層未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度95℃、延伸速度6,000%で3.3倍×3.3倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度190℃で長手方向および幅方向に同時に1.4×1.3倍に再延伸した。さらに幅方向に温度200℃で1.15倍の延伸を行った後、温度210℃で5秒間熱処理後、温度170℃で幅方向に2%の弛緩処理を行い、厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製し、その二軸配向ポリエステルフィルムを25℃30%RHにて保管した。その後は、実施例1と同様にして、酸化アルミの蒸着薄膜層を設けて磁気記録媒体用支持体を得た。得られた磁気記録媒体用支持体を評価したところ、表1〜表3に示したとおりであった。
Figure 2009087518
Figure 2009087518
Figure 2009087518
本発明の支持体を製造する際に好適に用いられる真空蒸着装置の概略模式図である。 幅寸法を測定する際に用いるシート幅測定装置の概略模式図である。 従来の支持体を製造する際に用いられる真空蒸着装置の概略模式図である。
符号の説明
1:レーザー発振器
2:受光部
3:荷重検出器
4:荷重
5:フリーロール
6:フリーロール
7:フリーロール
8:フリーロール
9:磁気テープ
10:レーザー光
11:真空蒸着装置
12:真空チャンバ
13:巻出しロール部
14:ポリエステルフィルム
15:ガイドロール
16:冷却ドラム
17:蒸着チャンバ
18:巻取りロール部
19:金属材料
20:電子銃
21:電子ビーム
22:酸素ガスボンベ
23:るつぼ
24:酸素供給ノズル
25:マスク
26:ガス流量制御装置
111:真空蒸着装置
112:真空チャンバ
113:巻出しロール部
114:ポリエステルフィルム
115:ガイドロール
116:冷却ドラム
117:蒸着チャンバ
118:巻取りロール部
119:金属材料
120:電子銃
121:電子ビーム
122:酸素ガスボンベ
123:るつぼ
124:酸素供給ノズル
125:マスク
126:ガス流量制御装置

Claims (10)

  1. 二軸配向ポリエステルフィルムの両面に金属系酸化物を含む層(M層)を有し、両表面の表面抵抗率がそれぞれ1×10〜1×1013Ωであり、長手方向と幅方向のヤング率の和が10〜22GPaであり、かつ、長手方向のヤング率Emと幅方向のヤング率Etの比Em/Etが0.5〜1.0であり、ループスティッフネステスターで得られる長手方向の曲げ応力が50〜150μNである磁気記録媒体用支持体。
  2. 二軸配向ポリエステルフィルムの両面に設けられたM層の厚みがそれぞれ10〜75nmである、請求項1に記載の磁気記録媒体用支持体。
  3. 厚みが3〜6μmである、請求項1または2に記載の磁気記録媒体用支持体。
  4. 長手方向のヤング率Emが5〜13GPaである、請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
  5. 幅方向の湿度膨張係数が1〜6ppm/%RHである、請求項1〜4のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
  6. 長手方向に周波数1Hzで測定した動的粘弾性において、損失正接(tanδ)のピーク温度が120〜160℃である、請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
  7. M層の金属元素濃度が30〜60at.%である、請求項1〜6のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
  8. M層の金属結合している金属原子の存在比が1〜20at.%である、請求項1〜7のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
  9. M層の金属系酸化物が酸化アルミニウムであり、水酸基と結合しているアルミニウム原子の存在比が0〜50at.%である、請求項1〜8のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の磁気記録媒体用支持体の少なくとも片面に磁性層が設けられた磁気記録媒体。
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