以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明をする。
図1に示すタンデム式のカラー複写機100は画像形成装置の一例を構成し、像担持体の一周をn分割したブロック毎に基準周期の画像書き込み制御信号(以下基準Index信号という)が適用され、当該基準Index信号及びデジタルのカラー画像情報に基づいてカラー画像を形成するものである。
カラー複写機100は、複写機本体101と画像読取装置102とから構成される。複写機本体101の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿給紙装置201の原稿台上に載置された原稿dは、図示しない搬送部により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、原稿画像を反映する入射光がラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ画像信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルの画像情報となる。画像情報は画像形成部80へ送られる。画像形成部80は各色毎に像担持体を有する複数組の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを備えて構成される。例えば、3つの像担持体を回転伝動機構40及び共通のモータ30a(駆動源)を介して駆動(図2参照)し、各々の像担持体で作像された色画像を中間転写ベルト6上で重ね合わせるようになされる。色画像は所定の用紙Pに転写され定着される。カラー画像情報は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から当該複写機100へ供給され、画像形成部80へ転送される。
画像形成部80は、基準Index信号に基づいてカラー画像を形成し、当該カラー画像を用紙Pに転写するものであり、像担持体の一例を構成する、イエロー(Y)色用の感光体ドラム1Yを有する画像形成ユニット10Yと、同様にして、マゼンタ(M)色用の感光体ドラム1Mを有する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色用の感光体ドラム1Cを有する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色用の感光体ドラム1Kを有する画像形成ユニット10Kと、無終端状の中間転写ベルト6とを備えて構成される。画像形成部80では、当該感光体ドラム1Y,1M,1C,1K毎に作像処理するようになされ、各作像色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kで作像処理された各色のトナー像が中間転写ベルト6上で重ね合わされ、色画像を形成するようになされる。
この例では、紙種切り替え毎に最適な作像タイミング補正テーブルを作成し、その後、基準Index信号の基準周期を変調させて印刷を実行する。これは偏芯等による各々の作像色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの回転速度ムラをキャンセルするために、作像色毎に感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの回転に合わせて基準Index信号の基準周期を変調する(変化させる)ためである。
画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yの他に、帯電部2Y、ライン状の光学ヘッド(LED arrey Print Head;以下LPHユニット3Yという)、現像部4Y及び像形成体用のクリーニング部8Yを有して、イエロー(Y)色の画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Yは像担持体の一例を構成し、例えば、図中、中間転写ベルト6の右側上部に近接して回転自在に設けられ、Y色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Yは、図2に示すような回転伝動機構40によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Yの斜め右側下方には、帯電部2Yが設けられ、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
感光体ドラム1Yのほぼ真横には、これに対峙して、LPHユニット3Yが主走査方向に平行に配設される。LPHユニット3Yは、事前に帯電された感光体ドラム1Yに対し、基準Index信号の基準周期を変調した補正後の周期の書き込み同期信号(以下Y−IDX信号Tもいう)に基づいてY色用の画像データを書き込み、画像データDyに基づく所定の強度を有したレーザ光を一括照射するようになされる。LPHユニット3Yには、図示しないLEDヘッドがライン状に配置されたものが使用される。画像書き込み系には、LPHユニットに代えて、図示しないポリゴンミラーによる走査露光系等を使用してもよい。感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。
LPHユニット3Yの上方には現像部4Yが設けられ、感光体ドラム1Yに形成されたY色用の静電潜像を現像するように動作する。現像部4Yは、図示しないY色用の現像ローラを有している。現像部4Yには、Y色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。
Y色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像部4Y内でキャリアとY色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Yの対向部位に回転搬送し、Y色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー像は、1次転写ローラ7Yを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。感光体ドラム1Yの左側下方には、クリーニング部8Yが設けられ、前回の書き込みで感光体ドラム1Yに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
この例で、画像形成ユニット10Yの下方には画像形成ユニット10Mが設けられる。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1M、帯電部2M、LPHユニット3M、現像部4M及び像形成体用のクリーニング部8Mを有して、マゼンタ(M)色の画像を形成するようになされる。画像形成ユニット10Mの下方には画像形成ユニット10Cが設けられる。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1C、帯電部2C、LPHユニット3C、現像部4C及び像形成体用のクリーニング部8Cを有して、シアン(C)色の画像を形成するようになされる。
画像形成ユニット10Cの下方には画像形成ユニット10Kが設けられる。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1K、帯電部2K、LPHユニット3K、現像部4K及び像形成体用のクリーニング部8Kを有して、ブラック(BK)色の画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。
なお、画像形成ユニット10M〜10Kの各部材の機能については、画像形成ユニット10Yの同じ符号のものについて、YをM,C,Kに読み替えることで適用できるので、その説明を省略する。上述の1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kには、使用するトナー剤と反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス電圧が印加される。
中間転写ベルト6は像担持体の一例を構成し、1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kによって転写されたトナー像を重合してカラートナー像(カラー画像)を形成する。中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、2次転写ローラ7Aに向けて搬送される。2次転写ローラ7Aは中間転写ベルト6の下方に位置しており、中間転写ベルト6に形成されたカラートナー像を用紙Pに一括して転写するようになされる(2次転写)。2次転写ローラ7Aでは、前回の転写で残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
この例で、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。クリーニング部8Aは、中間転写ベルト6の電荷を除電する除電部(図示せず)や中間転写ベルト6に残留するトナー剤等を除去するパッドを有している。このクリーニング部8Aによってベルト面がクリーニングされ、除電部で除電された後の中間転写ベルト6は、次の画像形成サイクルに入る。これにより、用紙Pにカラー画像を形成できるようになる。
カラー複写機100には画像形成部80の他に、用紙給紙部20及び、定着装置17を備えている。上述の画像形成ユニット10Kの下方には、用紙供給部20が設けられ、図1に示す複数の給紙トレイ20A,20B,20Cを有して構成される。各々の給紙トレイ20A,20B,20C内には所定のサイズの用紙Pが収容される。この例で、複写機本体101の右側面には、手差しトレイ28が設けられ、所定の用紙サイズがセット可能になされている。手差しトレイ28にセットされる用紙に関しても、作像タイミング補正テーブルの作成要否を判別するために紙種や、斤量等が設定できるようになされている。
用紙供給部20から画像形成ユニット10Kの下方に至る用紙搬送路には、搬送ローラ22A,22C,ループローラ22B、レジストローラ23等が設けられる。例えば、レジストローラ23は、用紙供給部20から繰り出された所定の用紙Pを2次転写ローラ7Aの手前で保持し、作像タイミングに合わせて2次転写ローラ7Aへ送り出すようになされる。2次転写ローラ7Aは、中間転写ベルト6に担持された色画像を、レジストローラ23によって用紙搬送制御される所定の用紙Pに転写するようになされる。
上述の2次転写ローラ7Aの下流側には定着装置17が設けられ、カラー画像が転写された用紙Pを定着処理するようになされる。定着装置17は、定着ローラ17Aや、加圧ローラ17B、定着クリニーグ部17C、加熱(IH)ヒータ(図示せず)等を有している。定着処理は、加熱ヒータによって加熱される定着ローラ17A及び加圧ローラ17Bの間に用紙Pを通過させることで、当該用紙Pが加熱・加圧される。定着後の用紙Pは、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ(図示せず)上に排紙される。定着クリニーグ部17Cは、前回の定着で定着ローラ17A等に残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
図2は、画像形成部80の構成例を示す斜視図である。図2に示す画像形成部80は、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、中間転写ベルト6、各色用のLPHユニット3Y,3M,3C,3K及び回転伝動機構40を有して構成される。
Y色用のLPHユニット3Yは、感光体ドラム1Yの全幅に等しい長さを有しており、Y色用の画像書き込み同期信号(以下Y−IDX信号という)に基づいて、Y色用の画像データDyを1ライン分又は数ライン分をまとめて主走査方向へ一括書き込みするように動作する。Y−IDX信号は、基準Index信号の周期を、所定の補正量で補正した補正後の画像書き込み同期信号である。補正量は、ドラム1周回期間の速度変動ムラによる影響を取り除くためのデータである。
ここに、主走査方向とは感光体ドラム1Yの回転軸に平行する方向である。感光体ドラム1Yは、副走査方向に回転する。上述の中間転写ベルト6は一定の線速度で副走査方向に移動される。副走査方向は、感光体ドラム1Yの回転軸に対して直交する方向である。感光体ドラム1Yが副走査方向に回転し、かつ、LPHユニット3Yによる主走査方向へのライン単位の一括露光によって感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。
他の色用のLPHユニット3M,3C,3Kも、同様な長さを有しており、各色用のM−IDX信号、C−IDX信号及び、K−IDX信号に基づいて、M色画像データDm、C色画像データDc、BK色画像データDkを同様にしてまとめて一括書き込みするように動作する。各色用のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号及び、K−IDX信号は図3に示すタイミング生成部54から供給される。LPHユニット3Y,3C,3C,3Kには、当該複写機100で取り扱われる用紙Pの最大幅にもよるが、LEDヘッドが1ラインに付き数千〜数万画素を有するものが使用される。
回転伝動機構40は、大径ギア11Y,11M,11C、アイドルギア12a,12b、モータ30a及び、エンコーダ41を有して構成される。この例では、Y色、M色、C色用の3個の感光体ドラム1Y,1M,1Cは、回転伝動機構40を介在させて共通のモータ30aにより駆動される。
大径ギア11Y,11M,11C,11Kは各色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの径よりも大きい径を有しており、これらの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに対応付けて取り付けられている。例えば、大径ギア11Yは感光体ドラム1Yに取り付けられる。他の大径ギア11M,11C,11Kも同様に取り付けられる。
大径ギア11Y,11Mにはアイドルギア12aが噛み合わされ、大径ギア11M,11Cにはアイドルギア12bが噛み合わされる。アイドルギア12aと大径ギア11Y,11Mや、アイドルギア12bと大径ギア11M,11C等は、所定の歯車比を有して係合される。
この例で、アイドルギア12bにはモータギア13cを介在してモータ30aが噛み合わされる。モータ30aはモータ軸13aを有しており、当該モータ軸13aにモータギア13cが取り付けられる。モータギア13cとアイドルギア12aとは、所定の歯車比により係合される。
回転伝動機構40では、モータ30aが反時計方向に回転すると、所定の歯車比に基づいてアイドルギア12bが時計方向に回転し、このアイドルギア12bが回転することで、所定の歯車比で大径ギア11M及び大径ギア11Cが反時計方向に回転する。大径ギア11Mが回転することで、感光体ドラム1Mが反時計方向に回転する。同様にして、大径ギア11Cが回転することで、感光体ドラム1Cが反時計方向に回転する。
また、大径ギア11Mが反時計方向に回転することで、アイドルギア12aが時計方向に回転する。このアイドルギア12aの時計方向への回転に伴って、大径ギア11Yが反時計方向に回転する。大径ギア11Yが回転することで、感光体ドラム1Yが反時計方向に回転する。これにより、回転伝動機構40を介在させた共通の1個のモータ30aによりY色、M色、C色用の3個の感光体ドラム1Y,1M,1Cを駆動できるようになる。
なお、BK色用の1個の感光体ドラム1Kは、モノクロ高速モードに対応して、アイドルギアを介在することなくモータ30bで大径ギア11Kを直接駆動するようになされる。モータ30bはモータ軸13bを有しており、当該モータ軸13bにモータギア13dが取り付けられる。モータギア13dと大径ギア11Kとは所定の歯車比で係合されている。
この例では、M色用の大径ギア11Mの軸部には、計測手段の一部の機能を分担するエンコーダ41が取り付けられる。エンコーダ41はM色用の感光体ドラム1Mと同一の軸部を有しており、当該感光体ドラム1Mの回転速度(回転位相)を検出して回転速度変動信号S41を出力するようになされる。回転速度変動信号S41には感光体ドラム1Mのドラム1周回期間の速度変動分布が含まれ、回転速度変動信号S41から、そのドラム1周回期間の速度変動分布を計測することができる。
また、エンコーダ41は、感光体ドラム1Mの1周回期間を検出してドラム周回信号(以下TRIG信号という)を出力する周回センサ機能を兼ね備えている。このように、1個のモータ30aでY色、M色、C色用の3個の感光体ドラム1Y,1M,1Cを駆動し、かつ、単独のモータ30bでBK色用の感光体ドラムを直接駆動が可能な画像形成部80を構成する。
図3は、カラー複写機100における制御系の構成例を示すブロック図である。図3に示すカラー複写機100は補正テーブル作成&画像形成制御部(以下単に制御部50という)を有しており、タンデム方式を基本として、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの回転速度変動ムラを検知し、回転角誤差(Δtn)を演算し、LPHユニット3Y,3M,3C,3Kへ基準Index信号の基準周期を変調してドラム表面上の露光間隔を調整し、偏芯によるピッチムラ及びレジスト位置ずれ(低周波)を抑制する機能を有している。
例えば、制御部50は、感光体ドラム1Mの軸に代表して設けられたエンコーダ41から出力される、感光体ドラム1Mの1回転毎に発生するTRIG信号に基づいて作像タイミング補正テーブルを作成する。ここに、作像タイミング補正テーブルとは、ドラム1周回期間の速度変動分布に対応させるための補正値であって、基準Index信号の基準周期を補正するための補正値をブロック毎に求めて対応付けた情報参照テーブルをいう。
制御部50は、作像タイミング補正テーブルを参照して補正後の周期の画像書き込み制御信号の一例となるY色用の書き込み同期(制御)信号(以下Y−IDX信号という)をLPHユニット3Yへ出力するように制御する。他の作像色についても、同様にして、M色用の書き込み同期信号(以下M−IDX信号という)をLPHユニット3Mへ出力し、C色用の書き込み同期信号(以下C−IDX信号という)をLPHユニット3Cへ出力し、BK色用の書き込み同期信号(以下K−IDX信号という)をLPHユニット3Kへ出力するように制御する。
カラー複写機100は、画像形成部80を制御するための操作部14、画像メモリ46及び制御部50を有して構成される。制御部50は、I/Oインターフェース51、ROM(Read Only Memory)52、ワーク用のRAM(Random Access Memory)53、タイミング生成部54、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)55、モータ駆動部56、給搬送制御部57、速度検出部58及び、記憶部70を有して構成される。
記憶部70は記憶手段の一例を構成し、Y,M,C,BK色用の作像タイミング補正テーブル(回転角度誤差ルックアップテーブル:以下Y−LUT71、M−LUT72,C−LUT73、K−LUT74という)を格納するように構成される。
CPU55にはROM52が接続され、当該プリンタ全体を制御するためのシステム起動用のプログラムデータD52が格納される。RAM53には、プログラムデータD52や、各種計算実行時の制御コマンド、回転速度変動データD41等を一時記憶するようになされる。CPU55は電源がオンされると、ROM52からシステムプログラムデータD52をRAM53に読み出してシステムを起動し、当該プリンタ全体を制御するようになされる。
CPU55には設定手段の機能を構成する操作部14がI/Oインターフェース51を介して接続され、画像形成部80に給紙する用紙Pの種類を設定するように操作される。例えば、給紙トレイ20Aに関して、給紙段が「トレイ1」で、紙種が「紙A」で、斤量が70g/m3で、用紙サイズ「A3」が設定される。同様にして、給紙トレイ20Bに関して、給紙段が「トレイ2」で、紙種が「紙B」で、斤量が110g/m3で、用紙サイズ「12×18inch」が設定される。さらに、給紙トレイ20Cに関して、給紙段が「トレイ3」で、紙種が「紙C」で、斤量が300g/m3で用紙サイズ「12×18inch」が設定される。
「紙A」は例えば、薄紙であり、「紙B」は普通紙であり、「紙C」は厚紙である。手差しトレイ28にセットされる用紙Pに関しても「紙A」や、「紙B」、「紙C」等の紙種や、斤量等が設定できるようになされている。これは用紙の紙種が変わる毎に作像タイミング補正テーブルを新たに作成又は既存のテーブルを更新するためである。
操作部14には液晶表示ディスプレイ及びタッチセンサパネルを組み合わせたものが使用される。操作部14は紙種設定の他に画像形成条件を設定する際に使用される。例えば、操作部14の液晶表示ディスプレイには、画像形成時、片面、両面、用紙サイズ、紙種、斤量、給紙トレイ、印刷枚数、カラーモード及び又はモノクロモード、画像形成濃度等を含む画像形成条件が表示される(図4参照)。操作部14により設定入力された紙種データ等は、操作データD14としてI/Oインターフェース57を介してCPU55に出力される。
CPU55には図示しないEEPROM等の不揮発性のメモリが接続される。この例では、給紙トレイ20Aに関して設定された、給紙段=「トレイ1」、紙種=「紙A」、斤量=70g/m3、用紙サイズ=「A3」は不揮発性のメモリ等に格納される。他の給紙トレイ20B,20Cについても同様に記憶され、紙種変更時、CPU55の比較基準値となされる。
I/Oインターフェース51には操作部14の他に、モータ駆動部56、給搬送制御部57及び速度検出部58が接続される。モータ駆動部56は、モータ30a及び30bに接続され、モータ駆動情報D56に基づいてモータ30a及び30bを駆動する。モータ30aは回転伝動機構40に回転力を与え、モータ30bは、大径ギア11Kに回転力を与える。モータ駆動部56はI/Oインターフェース51を介してCPU55に接続され、モータ駆動情報D56は、CPU55からモータ駆動部56へ出力される。
この例で、CPU55は判別手段の機能を構成し、操作部14によって設定された用紙Pの種類が切り替ったか否かを検出して当該用紙Pの紙種が切り替ったか否かを判別する。用紙Pの紙種が切り替ったか否かは、例えば、給紙段=「トレイ1」について、紙種=「紙B」、斤量=110g/m3、用紙サイズ=「12×18inch」がセットされた場合や、未知の紙種=「紙X」、斤量=XXg/m3、用紙サイズ=「X×Y」がセットされた場合において、CPU55が給紙段=「トレイ1」に関する設定保存データと、新たに操作部14を介して入力される紙種データ等の操作データD14とを比較して一致・不一致を見出すことで判別する。この判別は、作像タイミング補正テーブルと紙種とを対応付けて、補正値を記憶部70に保存管理するためでもある。
給搬送制御部57は給紙手段の機能を構成し、図1に示した用紙給紙部20の搬送ローラ22A,22Cや、ループローラ22B、レジストローラ23等を駆動する、図示しないモータ等に接続され、給搬送制御情報D57を入力して給搬送制御信号S57を作成する。この例では、紙種が切り替わったか否かをCPU55が判別し、この判別結果で作像タイミング補正テーブルの作成要が決定されると、画像形成部80に用紙Pを通紙する。例えば、給搬送制御部57は、給搬送制御信号S57に基づいて搬送ローラ22A,22Cや、ループローラ22B、レジストローラ23等を図示しないモータを介して駆動し、中間転写ベルト6と、図示しない転写部との間に用紙Pを通紙するようになされる。
これは搬送ローラ22A,22Cや、ループローラ22B、レジストローラ23等によって通紙され、当該通紙による負荷が加わった状態の感光体ドラム1Mの回転速度を検出してドラム1周回期間の速度変動分布を計測するためである。給搬送制御部57はI/Oインターフェース51を介してCPU55に接続され、給搬送制御情報D57は、CPU55から給搬送制御部57へ出力される。
この例で、CPU55は用紙Pの紙種が切り替ったと判別した後、更に、当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが有るか否かを判別する。この判別結果で、当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが既に作成済みで現有することが見出された場合は、当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルの作成を省略するようにしてもよい。
速度検出部58はエンコーダ41と共に計測手段の一機能を構成し、その入力側がエンコーダ41に接続され、その出力側がI/Oインターフェース51を介してCPU55に接続される。速度検出部58にはDSP(デジタル信号処理装置)やローカル用のCPUが使用される。エンコーダ41は、給搬送制御部57によって通紙され、基準となるM色用の感光体ドラム1Mの回転速度であって、当該通紙による負荷が加わった状態の感光体ドラム1Mの回転速度を検出してドラム1周回期間の速度変動分布を示す回転速度変動信号S41を速度検出部58に出力する。
速度検出部58では、エンコーダ41から回転速度変動信号S41を入力して二値化した回転速度変動データD41をCPU55に出力する。回転速度変動データD41には感光体ドラム1Mのドラム1周回期間の回転速度変動分布が含まれ、回転速度変動データD41から、そのドラム1周回期間の回転速度変動分布を識別することができる。更に、速度検出部58は、回転速度変動信号S41を入力し、感光体ドラム1Mの1周回期間をサンプリングして、感光体ドラム1Mが1回転する毎に発生するTRIG信号を抽出する。
CPU55は上述の判別手段を兼用すると共に情報作成手段の一例を構成し、紙種が切り替わる毎に、速度検出部58によって計測されたドラム1周回期間の速度変動分布に基づいて作像タイミング補正テーブルを作成する。この例で、CPU55は速度検出部58から回転速度変動データD41を入力して感光体ドラム1Mの作像タイミング補正テーブル(回転角変動テーブルや回転角度誤差テーブル等)を作成する。ここにM色用の回転角変動テーブルとは、中間転写ベルト6上で色画像を重ね合わせる一次転写位置と、感光体ドラム1M上で色画像を作像する露光位置との間における回転角の変動を示す情報参照テーブルをいう。また。M色用の回転角度誤差テーブルとは、上述の一次転写位置に対応する露光位置における色作像タイミングを補正するための情報参照テーブルをいう。
更に、CPU55は、回転伝動機構40を介してモータ30aより駆動される、基準の感光体ドラム1Mを除く他の感光体ドラム1Y,1Cの作像タイミング補正テーブルを感光体ドラム1Mの回転速度変動データD41に基づいて作成するようになされる。例えば、CPU55は、M色基準用の感光体ドラム1Mの大径ギア11Mから回転伝動機構40を介してモータ30aより駆動されるY色用の感光体ドラム1Yへ至る伝達関数を回転速度変動データD41に演算してY色用の感光体ドラム1Yの作像タイミング補正テーブルを作成する。ここにY色用の作像タイミング補正テーブルとは、ドラム1周回期間の速度変動分布に対応させるための補正値であって、基準Index信号の基準周期を補正するための補正値をブロック毎に求めて対応付けた情報参照テーブルをいう。
CPU55は、M色基準用の感光体ドラム1Mの大径ギア11Mから回転伝動機構40を介してモータ30aより駆動されるC色用の感光体ドラム1Cへ至る伝達関数を回転速度変動データD41に演算してC色用の感光体ドラム1Cの作像タイミング補正テーブルを作成する。ここにC色用の作像タイミング補正テーブルとは、ドラム1周回期間の速度変動分布に対応させるための補正値であって、基準Index信号の基準周期を補正するための補正値をブロック毎に求めて対応付けた情報参照テーブルをいう。
CPU55は、BK色用の感光体ドラム1Kの回転速度変動を図示しないエンコーダで検出し、当該エンコーダの出力に基づく回転速度変動データを演算してBK色用の感光体ドラム1Kの作像タイミング補正テーブルを作成する。BK色用の作像タイミング補正テーブルとは、ドラム1周回期間の速度変動分布に対応させるための補正値であって、基準Index信号の基準周期を補正するための補正値をブロック毎に求めて対応付けた情報参照テーブルをいう。
上述のCPU55には記憶手段の一例を構成する補正テーブル用の記憶部70が接続される。記憶部70は、紙種毎にY色用の作像タイミング補正テーブルを格納する不揮発性メモリ(以下Y−LUT71という)、紙種毎にM色用の作像タイミング補正テーブルを格納する不揮発性メモリ(以下M−LUT72という)、紙種毎にC色用の作像タイミング補正テーブルを格納する不揮発性メモリ(以下C−LUT73という)及び、紙種毎にBK色用の作像タイミング補正テーブルを格納する不揮発性メモリ(以下K−LUT74という)から構成され、これらがタイミング生成部54に接続される。Y−LUT71、M−LUT72、C−LUT73及びK−LUT74には、CPU55によって紙種が切り替わったと判別され、当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルの作成要否の決定に基づいて作成された各作像色用の作像タイミング補正テーブルが記憶される。
もちろん、これに限られることはなく、4つのY−LUT71、M−LUT72、C−LUT73及びK−LUT74を1つの不揮発性メモリにおいて、そのメモリ領域を分割して各作像色用の作像タイミング補正テーブルを格納するようにしてもよい。記憶部70は不揮発性メモリの他、レジスタアレイや,HDD(ハードディスク装置)を使用して構成してもよい。
各々の作像タイミング補正テーブルには、回転速度変動分布に基づいた各色作像時の作像タイミングを補正するデータが格納される。作像タイミング補正テーブルは、速度検出部58の回転速度変動データD41に基づいてCPU55の情報作成機能を利用して作成される。
Y−LUT71には、エンコーダ41によって計測されたドラム1周回期間の速度変動分布に対応させるための補正値であって、基準Index信号の周期Tを補正するためのY色用の補正値をブロック毎に求めて対応付けたY色用の作像タイミング補正テーブルが記憶される。Y色用の作像タイミング補正テーブルの補正値はY色用の補正データD71としてY−LUT71からタイミング生成器54へ読み出される。
同様にして、M−LUT72には、ドラム1周回期間の速度変動分布に対応させるための補正値であって、基準Index信号の周期Tを補正するためのM色用の補正値をブロック毎に求めて対応付けたM色用の作像タイミング補正テーブルが記憶される。M色用の作像タイミング補正テーブルの補正値はM色用の補正データD72としてM−LUT72からタイミング生成器54へ読み出される。
C−LUT73には、ドラム1周回期間の速度変動分布に対応させるための補正値であって、基準Index信号の周期Tを補正するためのC色用の補正値をブロック毎に求めて対応付けたC色用の作像タイミング補正テーブルが記憶される。C色用の作像タイミング補正テーブルの補正値はC色用の補正データD73としてC−LUT73からタイミング生成器54へ読み出される。
K−LUT74には、ドラム1周回期間の速度変動分布に対応させるための補正値であって、基準Index信号の周期Tを補正するためのBK色用の補正値をブロック毎に求めて対応付けたBK色用の作像タイミング補正テーブルが記憶される。BK色用の作像タイミング補正テーブルの補正値はBK色用の補正データD74としてK−LUT74からタイミング生成器54へ読み出される。このような作像タイミング補正テーブルを参照することで、感光体ドラム1M等の1周分の回転速度変動分布を保持できるようになる。
CPU55には、信号作成手段の機能の一例を構成するタイミング生成部54が接続され、記憶部70の各作像色毎の作像タイミング補正テーブルを参照して当該感光体ドラム1Y等のブロック毎に基準Index信号の周期Tを補正し、補正後の周期のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号を出力する。
例えば、タイミング生成部54は、クロック信号(以下CLK信号という)及びタイミング制御情報D54に基づいて基準Index信号を発生する。基準Index信号はCLK信号を分周して作成される。タイミング生成部54は、記憶部70から読み出した補正値で当該基準Index信号を補正して各作像色毎の書き込み同期信号となるY−IDX,M−IDX,C−IDX,K−IDX信号を発生する。CLK信号は図示しないクロック発生器より供給され、タイミング制御情報D54には、例えば、基準Index信号の周期Tを設定するためのコマンドが含まれる。タイミング制御情報D54は、CPU55からタイミング生成部54へ供給される。
Y−IDX信号は、Y色用の画像データDyに基づくライン単位の一括露光を許可するための信号である。M−IDX信号は、M色用の画像データDmに基づくライン単位の一括露光を許可するための信号である。C−IDX信号はC色用の画像データDcに基づくライン単位の一括露光を許可するための信号である。K−IDX信号は、BK色用の画像データDkに基づくライン単位の一括露光を許可するための信号である。
タイミング生成部54には、4つのLPHユニット3Y,3M,3C,3Kが接続される。LPHユニット3Y,3M,3C,3Kは画像形成部80の一部を構成し、LPHユニット3Y,3M,3C,3Kには、画像メモリ46が接続される。LPHユニット3Yは、タイミング生成部54から出力された補正後の周期のY−IDX信号を感光体ドラム1Yのブロック毎に設定して、画像メモリ46から読み出したY色用の画像データDyを1ライン分又は数ライン分をまとめて当該感光体ドラム1Yの主走査方向で一括書き込みをし、静電潜像を形成するように動作する。
同様にして、LPHユニット3Mでは、補正後の周期のM−IDX信号を感光体ドラム1Mのブロック毎に設定して、M色用の画像データDmを1ライン分又は数ライン分をまとめて当該感光体ドラム1Mの主走査方向で一括書き込みをし、静電潜像を形成するように動作する。
LPHユニット3Cでは、補正後の周期のC−IDX信号を感光体ドラム1Cのブロック毎に設定して、C色用の画像データDcを1ライン分又は数ライン分をまとめて当該感光体ドラム1Cの主走査方向で一括書き込みをし、静電潜像を形成するように動作する。
LPHユニット3Kでは、補正後の周期のK−IDX信号を感光体ドラム1Kのブロック毎に設定して、BK色用の画像データDkを1ライン分又は数ライン分をまとめて感光体ドラム1Kの主走査方向で一括書き込みをし、静電潜像を形成するように動作する。
タイミング生成部54には、4つのLPHユニット3Y,3M,3C,3Kの他に画像メモリ46が接続され、例えば、外部から受信したデジタルの画像データDy,Dm,Dc,Dkを記憶するようになされる。画像メモリ46にはハードディスク(HDD)や、EEPROM等の不揮発性メモリが使用される。画像メモリ46のメモリ領域に、上述の4つのY−LUT71、M−LUT72、C−LUT73及びK−LUT74を割り当てて格納してもよい。
このように紙種に適した補正値で基準Index信号を変調することで、タイミング生成部54から画像形成部80へ出力される補正後の周期のY−IDX,M−IDX,C−IDX,K−IDX信号をブロック毎に設定し、デジタルの画像データDy,Dm,Dc,Dkに基づくカラー画像を形成できるようになる。しかも、転写時に用紙Pが中間転写ベルト6と転写部との間に突入することによる回転負荷変動も、基準Index信号の基準周期に反映させることができ、用紙Pへの転写時に発生する回転速度変動ムラのための色ずれも抑制できるようになる。
このようにすると、紙種を考慮しない場合の作像タイミング補正テーブルよりも濃淡ムラや画像ずれを排除することができる。また、作像タイミング補正テーブルを随時更新することで、作像タイミング補正テーブルの経時劣化がキャンセルされ、濃淡ムラや画像ずれを排除できるようになる。
図4は、操作部14におけるコピー設定画面PGの表示例を示す図である。図4に示すコピー設定画面PGは、操作部14における液晶表示ディスプレイに表示される内容である。コピー設定画面PGには、例えば、コピー設定項目画面Pc、コピー予約設定項目画面Ps、予約リスト項目画面Pj、原稿読込項目画面Pmが準備されている。図4に示すコピー設定画面PGでは、コピー設定項目画面Pcが選択されて表示されている。画面上方は、ユーザへのメッセージ表示用の領域Iとなされ、この領域Iには、「コピーできます」の文字情報の他に、「−原稿はオモテ面を上にセット」等の文字情報が表示される。領域Iには「メモリ容量100%」なる数字情報も表示されている。
メッセージ表示用の領域Iの下方にはコピー設定項目用の領域IIとなされ、領域IIには、コピー設定項目が表示される。例えば、領域IIの左側には「モード選択」が表示され、モード選択に関して「RADF」が表示され、その設定項目に関して「両面→両面」や、「両面→片面」、「片面→両面」や、「片面→片面」等のモード選択用のアイコンキーが表示される。
この領域IIにおいて、「モード選択」の右隣には、「コピー濃度」が表示される。「コピー濃度」の下方には、「任意」、「1」、「2」のアイコンキーの他に「うすく」、「普通」、「こく」のアイコンキーが表示される。これらアイコンキーの下方には「自動」のアイコンキーが表示される。
更に、「コピーモード」の右隣には、「倍率」が表示される。「倍率」の下方には、「1.00」の他に、「自動」、「ズーム」、「固定」、「等倍」のアイコンキーが表示される。また、「倍率」の右隣には、「サイズ選択」が表示される。「サイズ選択」の下方には、トレイ表示と共に「1 A4R」の他に、「2 A3」、「3 A4」、「4 B5」、「手 !」のアイコンキーが表示される。
この例で「1 A4R」の「1」は、例えば、給紙トレイ20Aを示し、給紙トレイ20Aには用紙サイズがA4版で縦方向セット仕様の用紙Pが収納されていることが表示される。同様にして、「2 A3」の「2」は、例えば、給紙トレイ20Bを示し、給紙トレイ20Bには用紙サイズがA3版で横方向セット仕様の用紙Pが収納されていることが表示される。「3 A4」の「3」は、例えば、給紙トレイ20Cを示し、給紙トレイ20Cには用紙サイズがA4版で横方向セット仕様の用紙Pが収納されていることが表示される。「4 B5」の「4」は、例えば、給紙トレイ20Dを示し、給紙トレイ20Dには用紙サイズがB5版で横方向セット仕様の用紙Pが収納されていることが表示される。「手 !」の「手」は、例えば、手差しトレイ28を示し、手差しトレイ28には所定の用紙サイズの縦又は横方向セット仕様の用紙が収納されていることが表示される。これらアイコンキーの下方には「自動」のアイコンキーが表示される。
この例で、「サイズ選択」のアイコンキーK1の表示領域には、例えば、「紙種」のアイコンキーK2が表示される。「紙種」のアイコンキーK2を押下すると共に、「1 A4R」のアイコンキーを選択すると、給紙トレイ20Aに収納した用紙Pの紙種をCPU55に登録できるようになされる。このような登録機能を備えたのは、用紙Pの紙種が切り替ったことをCPU55が容易に判別(認識)できるようにするためである。
この例で、CPU55は操作部14によって設定された用紙Pの種類が切り替ったか否かを検出して当該用紙Pの紙種が切り替ったか否かを判別する。この判別結果で、紙種が切り替っても、当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが既に作成済みで現有することが見出された場合は、当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルの作成を省略するようになされる。
これにより、紙種が切り替った場合であっても、偏芯等により生じる機械固有な感光体ドラム1M等の回転速度変動ムラと、転写時の用紙Pが中間転写ベルト6と転写部との間に突入することにより生じる感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの回転速度変動ムラと、転写時の紙種が変化することにより生じる感光体ドラムの回転速度変動ムラとがキャンセルされ、作成後の作像タイミング補正テーブルは最新なものとなり、副走査方向において等間隔となる画像を主走査方向に一斉に形成できるようになる。
続いて、図5及び図6を参照しながらCPU55における回転速度変動データD41の取得例について説明する。図5(A)及び(B)は、感光体ドラム1M等の1周とその回転速度の変動例を示す図である。
この例では、Y,M,C,BK作像色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1K毎にドラム一周をn分割し、n分割されたブロック毎に基準Index信号を適用してY,M,C,BK色画像を形成する場合を前提としている。図5(A)に示す感光体ドラム1周をN分割、例えば、図5(A)に示す感光体ドラム1M等の外周360°を30°ずつ12等分して、ブロックを区分するA点〜L点(ポイント)を設定し、区間A→B、B→C、C→D、D→E、E→F、F→G、G→H、H→I、I→J、J→K、K→L、L→Aを示す12個のブロックを設定している。
また、図5(B)に示す感光体ドラム1M等の回転速度変動例によれば、A→B→C→D→E→F→Gの前半6ブロックの区間は、偏芯や、その他の原因により感光体ドラム1M等の回転速度が遅くなっている状態であり、また、G→H→I→J→K→L→Aの後半6ブロックの区間は、反対にその回転速度が速くなっている状態である。
図6(A)及び(B)は、基準Index信号の周期補正例を示す動作タイムチャートである。図6(A)の横軸は、感光体ドラム1Mの1周分のドラム位置であり、この例では、A→B→C→D→E→F→G区間の前半6ブロック分を示している。Tは、回転速度変動が無いとした場合の1ブロックを通過する回転速度を時間換算した理想的な経過時間(基準Index信号の周期)である。
図6(B)に示すIndex信号の横軸は時間tであり、図5(B)に示した回転速度が遅い状態のA→B→C→D→E→F→G区間の6ブロック分を示している。この例で、ブロックA→B区間のポイントBはそのポイントAを基準にして、ポイントB’に変動し、ブロックB→C区間のポイントCはそのポイントBを基準にしてポイントC’に変動し、ブロックC→D区間のポイントDはそのポイントCを基準にしてポイントD’に変動し、ブロックD→E区間のポイントEはそのポイントDを基準にしてポイントE’に変動し、ブロックE→F区間のポイントFはそのポイントEを基準にしてポイントF’に変動している。
図6(A)に示した理想的な区間のポイントA,B,C,D,E,Fに対する周期Tは、例えば、A→B’区間が周期t1に変動し、B→C’区間が、周期t2に変動し、C→D’区間が周期t3に変動し、D→E’区間が、周期t4に変動し、E→F’区間が周期t5に変動している。
この例では、感光体ドラム1M等の回転変動が”無い”とした場合の当該ブロックの区間のポイントと、回転変動が”有る”とした場合の当該ブロックの区間の同じ区間のブロックのポイントとの間の時間差(tn−T;位相差)を回転速度変動値Δtnとしたとき、ポイントB−B’間の時間差はΔt1であり、ポイントC−C’の時間差はΔt2であり、ポイントD−D’の時間差はΔt3であり、ポイントE−E’の時間差はΔt4であり、ポイントF−F’の時間差はΔt5である。時間差Δt1〜Δt5は回転速度変動値Δtnを構成する。
この例で図3に示したCPU55において、区間A→B、B→C、C→D、D→E、E→F、F→G、G→H、H→I、I→J、J→K、K→L、L→Aの12ブロックに関して、その1ブロック毎に、各区間のポイントの通過時刻(期待値)からの差分、すなわち、図6(B)に示した回転速度変動値Δtnを求め、この回転速度変動値Δtnをブロック数分だけCPU55内の図示しないレジスタ等に格納して適用される。
CPU55では、そのレジスタから回転速度変動値Δtnを読み出し、これをブロック内のライン数Lで分配(H=D1/L)し、基準Index信号の周期Tにその補数Hを加減算し、補正値P1を加減算した後の周期T±H1±P1のY−IDX信号を生成するようになされる。Y−IDX信号は、Y色用の感光体ドラム1Y上にY色画像を形成するときの書き込み同期(制御)信号である。Y−IDX信号には、各ブロック毎に補正時間Δtn−Δtn-1が反映される。
図7(A)及び(B)は、感光体ドラム1M等の回転速度ムラをキャンセルするための基準Index信号の周期補正例を示す図である。図7(A)は、補正前の感光体ドラム1M等の回転速度変動例を示す波形図である。図7(A)に示す回転速度変動例については、図5(B)に示した回転速度変動例と同じであるので、その説明を省略する。
この例では、図7(A)に示す感光体ドラム1M等の回転速度変動例において、A→B→C→D→E→F→Gの前半6ブロックの区間については、感光体ドラム1M等は画像データDm、例えば、その露光量が高く、負荷が増加して通常よりも遅く回転するので、基準Index信号の周期Tを長く設定するように補正時間Δtn−Δtn-1で補正してM−IDX信号となされる。
また、G→H→I→J→K→L→Aの後半6ブロックの区間については、反対に、感光体ドラム1M等は画像データDmによる露光量が低く、負荷が軽減して通常よりも速く回転するので、基準Index信号の周期Tを短く設定するように補正時間Δtn−Δtn-1で補正してM−IDX信号となされる。
図7(B)は、補正後の基準Index信号の周期分布例を示す波形図である。図7(B)に示す補正後の基準Index信号の周期分布例によれば、図7(A)に示した正弦波状の回転速度ムラを図7(B)に示した正弦波状の補正後の基準Index信号の周期分布によってキャンセルするようになされる。この例の補正後の基準Index信号の周期分布波形によれば、1ブロック内に100ラインが割り当てられた場合であって、補正時間Δtn−Δtn-1を10個に分割して、10ラインに付き1個の補正時間Δtn−Δtn-1/10により基準Index信号の周期を補正してM−IDX信号を得るようになされる。他のY−IDX信号、C−IDX信号及びK−IDX信号についても同様にして得るようになされる。
続いて、本発明に係る画像形成方法についてカラー複写機100の動作例を説明する。図8及び図9は、カラー複写機100における制御例(その1,2)を示す動作フローチャートである。
この実施形態では、感光体ドラム1M等の一周を12分割したブロック毎に、補正後の周期のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号を設定してY,M,C,BK色の画像を形成し、当該画像を所望の用紙Pに転写する場合を前提とする。また、画像形成時に、画像形成部80(以下画像形成系ともいう)に給紙する用紙Pの紙種等の種類の設定を受け付け、新たな紙種に対応して作像タイミング補正テーブルを作成し、作成後の作像タイミング補正テーブルを参照し、又は、予め保持している当該紙種対応の既存の作像タイミング補正テーブルを参照してブロック毎に基準Index信号の基準周期を変調(補正)する場合を例に採る。また、ユーザが手差しトレイ28に登録外の紙種の用紙を給紙して画像を形成する場合を挙げる。
これらをコピー条件にして、図8に示すフローチャートのステップA1でCPU55は、画像形成条件の設定を受け付ける。例えば、図4に示した操作部14の液晶表示ディスプレイにはコピー設定画面PGが表示され、このコピー設定画面PGでコピー設定項目画面Pcを選択する。コピー設定項目画面Pcにおいて、メッセージ表示用の領域Iには、「コピーできます」の文字情報の他に、「−原稿はオモテ面を上にセット」等の文字情報が表示される。コピー設定項目用の領域IIには、「モード選択」、「コピー濃度」、「倍率」及び「サイズ選択」が表示される。例えば、「サイズ選択」のアイコンキーK1を押下し、更に「紙種」のアイコンキーK2を押下して画像形成系に給紙する用紙Pの種類を設定する。
この例では、ユーザが手差しトレイ28に、登録外の紙種の用紙を給紙する場合を想定しているので、「紙種」のアイコンキーK2を押下すると共に、「手 !」のアイコンキーを選択して、手差しトレイ28に収納した用紙Pの紙種をCPU55に登録する。なお、コピー予約のアイコンキーを選択すると、複数の画像形成ジョブを設定できるようになる。これらのコピー設定項目画面Pcにより得られた紙種データ等の操作データD14はCPU55に出力される。
その後、ステップA2でCPU55はコピーモードの「スタート」又は「クリア」を待機する。この例では操作部14を介してコピーモードの「スタート」が指示されると、ステップA3に移行してCPU55は先に設定された用紙Pの種類が切り替ったか否かを検出して当該用紙Pの紙種が切り替ったか否かを判別する。例えば、給紙段=「トレイ1」について、紙種=「紙B」、斤量=110g/m3、用紙サイズ=「12×18inch」がセットされた場合や、未知の紙種=「紙X」、斤量=XXg/m3、用紙サイズ=「X×Y」がセットされた場合において、CPU55が給紙段=「トレイ1」に関する設定保存データと、新たに操作部14を介して入力される紙種データ等の操作データD14とを比較して一致・不一致を見出すことで判別する。
CPU55は判別結果で紙種変更有り又は紙種変更無しに応じて制御を分岐する。この例では、用紙Pの紙種が切り替った(紙種変更有り)と判別された後、更に、ステップA4に移行してCPU55は、当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが有るか否かを判別する。
このとき、CPU55は、設定された紙種をアドレスにして、記憶部70内を検索する。記憶部70内には、紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが格納されているので、当該設定時の紙種と、格納時の紙種とを比較することで一致・不一致から当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが有るか否かを見出すことができる。当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが既に作成済みで現有すると判別された場合は、当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルの作成を省略できるようになる。
上述のステップA4で当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが無い場合は、ステップA5に移行してCPU55は補正テーブル作成処理を実行する。この作成処理では、CPU55が速度検出部58からTRIG信号及び回転速度変動データD41を入力し、当該TRIG信号及び回転速度変動データD41に基づいて作像タイミング補正テーブルを作成する。このとき、CPU55は「紙種変更」に基づいて画像メモリ46、用紙搬送部20及び画像形成部80等の入出力を制御する。
この例で、CPU55はステップA51で紙種変更に伴う作像タイミング補正テーブルの作成要の決定に基づいて画像形成系の転写位置に用紙Pを通紙する通紙処理を実行する。このとき、CPU55は、給搬送制御部57に給搬送制御データD57を出力して、紙種が変更された手差しトレイ28から用紙P(又は測定用紙)を繰り出して画像形成部80へ通紙するような給紙制御を実行する。給搬送制御部57は、例えば、給搬送制御データD57に基づいて図示しない給搬送制御信号を作成する。給搬送制御部57は、給搬送制御信号を図1に示した用紙給紙部20のループローラ22B、レジストローラ23等を駆動する図示しないモータ等に供給して通紙を実行する。これにより、中間転写ベルト6と、図示しない転写部との間に当該用紙Pを複数枚通紙することができ、感光体ドラム1M等の数周分の回転速度変動分布が取得できるようになる。
次に、ステップA52でCPU55は感光体ドラム1Mの速度変動分布を計測する。速度検出部58は、通紙とほぼ同時に感光体ドラム1Mの回転速度変動ムラの測定を開始する。この例で、速度検出部58は、用紙Pの通紙による負荷が加わった状態の感光体ドラム1Mの回転速度を検出してドラム1周回期間の速度変動分布を計測する。例えば、図5に示したエンコーダ41は感光体ドラム1Mの角速度を検出して回転速度変動信号S41を図示しないA/D変換器に出力する。そして、A/D変換器は回転速度変動信号S41をアナログ・デジタル変換し、測定結果を例えば、3周平均等により補正し、補正後の回転速度変動データD41をCPU55へ出力する。
その後、ステップA53でCPU55は補正後の回転速度変動データD41に基づいて作像タイミング補正テーブルを作成する。このとき、CPU55は、速度検出部58から回転速度変動データD41を入力し、ドラム1周回期間の速度変動分布に対応させるための補正値であって、基準Index信号の基準周期を補正するための補正値をブロック毎に求める。
例えば、CPU55は感光体ドラム1Mの回転速度変動ムラをキャンセルする周期を算出して、回転速度変動値Δtn(補正値)を求め、これをクロック数に変換する。その後、CPU55はクロック数に基づいて差分値±を演算して作像タイミング補正テーブルを成すY−LUT72に記憶する。このとき、CPU55は作像タイミング補正テーブルと新たな紙種とを対応付けて、Y−LUT72に差分値±(補正値)を格納するようになされる。
図6(A)及び(B)に示した例によれば、感光体ドラム1M等の回転変動が”無い”とした場合の当該ブロックの区間のポイントと、回転変動が”有る”とした場合の当該ブロックの区間の同じ区間のブロックのポイントとの間の時間差(tn−T;位相差)を回転速度変動値Δtnとしたとき、ポイントB−B’間の時間差はΔt1であり、ポイントC−C’の時間差はΔt2であり、ポイントD−D’の時間差はΔt3であり、ポイントE−E’の時間差はΔt4であり、ポイントF−F’の時間差はΔt5である。時間差Δt1〜Δt5等は回転速度変動値Δtnを構成する。
補正値は各作像色の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kのブロック毎に対応付けられて情報参照テーブルとなされる。作像タイミング補正テーブルを作成した後は、ステップA7に移行する。ステップA7でCPU55は、基準Index信号の基準周期を変調(補正)するようにタイミング発生器54を制御する。このとき、CPU55は作像タイミング補正テーブルの作成要の決定に基づいて作成された作像タイミング補正テーブルを参照して各作像色の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kのブロック毎に基準Index信号の基準周期を補正する。
例えば、タイミング発生器54は、Y色画像形成に関してメモリ70のY−LUT71の作像タイミング補正テーブルを参照して、感光体ドラム1Yで12個に分割されたブロック毎に基準Index信号の基準周期を補正する。補正後の周期のY−IDX信号は画像メモリ46及びLPHユニット3Yに出力される。
同様にして、タイミング発生器54は、M色画像形成に関してそのM−LUT72の作像タイミング補正テーブルを参照して、感光体ドラム1Mで12個に分割されたブロック毎に基準Index信号の基準周期を補正する。補正後の周期のM−IDX信号は画像メモリ46及びLPHユニット3Mに出力される。更に、タイミング発生器54は、C色画像形成に関してそのC−LUT73の作像タイミング補正テーブルを参照して、感光体ドラム1Cで12個に分割されたブロック毎に基準Index信号の基準周期を補正する。補正後の周期のC−IDX信号は画像メモリ46及びLPHユニット3Cに出力される。
また、タイミング発生器54は、BK色画像形成に関してそのK−LUT74の作像タイミング補正テーブルを参照して、感光体ドラム1Kで12個に分割されたブロック毎に基準Index信号の基準周期を補正する。補正後の周期のK−IDX信号は画像メモリ46及びLPHユニット3Kに出力される。
そして、ステップA8でCPU55は、補正後の周期のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号及びBK−IDX信号に基づいて画像メモリ46から各作像色用の画像データDy,Dm,Dc,Dkを読み出し、Y−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号及びBK−IDX信号に基づいて画像形成処理を実行する。
このとき、画像形成ユニット10Yは、補正後の周期のY−IDX信号を感光体ドラム1Yの12個に分割されたブロック毎に設定してY色画像を形成する。例えば、ステップA81で補正後の周期のY−IDX信号に基づいて画像メモリ46より読み出された画像データDyがLPHユニット3Yに転送される。LPHユニット3Yは、画像データDyに基づいて感光体ドラム1Yに静電潜像を形成する。感光体ドラム1Yに形成された静電潜像はY色トナー剤により現像される。これにより、回転速度変動ムラを相殺したY色画像を感光体ドラム1Y上に形成できるようになる。
画像形成ユニット10Mは、補正後の周期のM−IDX信号を感光体ドラム1Mの12個に分割されたブロック毎に設定してM色画像を形成する。例えば、補正後の周期のM−IDX信号に基づいて画像メモリ46より読み出された画像データDmがLPHユニット3Mに転送される。LPHユニット3Mは、画像データDmに基づいて感光体ドラム1Mに静電潜像を形成する。感光体ドラム1Mに形成された静電潜像はM色トナー剤により現像される。これにより、回転速度変動ムラを相殺したM色画像を感光体ドラム1M上に形成できるようになる。
画像形成ユニット10Cは、補正後の周期のC−IDX信号を感光体ドラム1Cの12個に分割されたブロック毎に設定してC色画像を形成する。例えば、補正後の周期のC−IDX信号に基づいて画像メモリ46より読み出された画像データDcがLPHユニット3Cに転送される。LPHユニット3Cは、画像データDcに基づいて感光体ドラム1Cに静電潜像を形成する。感光体ドラム1Cに形成された静電潜像はC色トナー剤により現像される。これにより、回転速度変動ムラを相殺したM色画像を感光体ドラム1C上に形成できるようになる。
画像形成ユニット10Kは、補正後の周期のK−IDX信号を感光体ドラム1Kの12個に分割されたブロック毎に設定してBK色画像を形成する。例えば、補正後の周期のK−IDX信号に基づいて画像メモリ46より読み出された画像データDkがLPHユニット3Kに転送される。LPHユニット3Kは、画像データDcに基づいて感光体ドラム1Kに静電潜像を形成する。感光体ドラム1Kに形成された静電潜像はBK色トナー剤により現像される。これにより、回転速度変動ムラを相殺したBK色画像を感光体ドラム1K上に形成できるようになる。
一方、給搬送制御部57では、給搬送制御データD57に基づいて手差しトレイ28からコピー設定項目に基づく用紙Pが給紙され、当該用紙Pが画像形成部80の方へ搬送される。給搬送制御データD57はCPU55から給搬送制御部57へ出力される。
画像形成部80では感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に形成された各作像色のトナー像をステップA82で中間転写ベルト6を介して用紙Pに転写され、定着装置17では用紙Pに形成されたトナー像を定着するようになされる。定着後の用紙Pは排紙される。これにより、画像形成部80で補正後の周期のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号に基づいて、所定の用紙(記録媒体)P上にカラー画像を形成できるようになる。
なお、上述のステップA3で「紙種変更無し」が選択されている場合、及び、ステップA4の当該紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが現有する場合は、新たな作像タイミング補正テーブルを作成せずに、ステップA6に移行する。ステップA6で既存の作像タイミング補正テーブルを参照すると共にステップA7に移行して、基準Index信号の基準周期を変調(補正)する。ステップA7及びステップA8における処理は、既存の作像タイミング補正テーブルを参照して基準Index信号を補正する点を除き上述した通りであるので、その説明を省略する。
そして、ステップA9に移行してCPU55は先に設定された画像形成ジョブを終了したかを判別する。この際に、例えば、画像形成ジョブのエンドオブフラグを検出し、当該ジョブの最終ページの画像形成処理を終了したか否かを判断する。エンドオブフラグが検出されていない場合は、当該画像形成ジョブを終了していないと判断し、ステップA8に戻って画像形成処理を継続する。エンドオブフラグが検出された場合は、当該画像形成ジョブと判断してステップA10に移行する。ステップA10で他の画像形成ジョブが設定されているか否かを判別してジョブ終了判別をする。他の画像形成ジョブが設定されていない場合はジョブ終了と判断し、及び、ステップA2でクリアが選択された場合は画像形成処理を中止すると判断して画像形成制御を終了する。
このように、実施形態としてのカラー複写機100及び画像形成方法によれば、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの一周を各々12分割したブロック毎に、補正後の周期のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号を設定してY,M,C,BK色の画像を形成し、当該画像を所望の用紙Pに転写する場合を前提として、作像タイミング補正テーブルを作成する場合、CPU55は、用紙Pの紙種が切り替ったとき、画像形成部80に通紙される用紙Pの負荷が加わった状態の感光体ドラム1M等の回転速度からドラム1周回期間の速度変動分布を得るようになされる。
従って、画像形成部80に給紙される用紙Pの紙種が切り替わる毎に作像タイミング補正テーブルを作成できるようになる。しかも、通紙による負荷が加わった状態の感光体ドラム1M等の回転速度を検出するので、用紙Pのサイズや、厚み、斤量、紙質等の回転変動要因が加味された感光体ドラム1M等の速度変動分布を計測できる。これにより、感光体ドラム1M等の実負荷に即した回転変動ムラをキャンセル可能な精度の高い作像タイミング補正テーブルを作成できるようになる。
これにより、用紙Pの紙種が切り替った後の稼働時、用紙Pが変動した場合であっても、補正後の周期のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号及びK−IDX信号に基づいて感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの各々の主走査方向に形成されるカラー画像を当該感光体ドラム1Y等の回転方向(副走査方向)において等間隔に形成できるようになり、濃淡ムラや画像ずれを排除できるようになる。従って、紙種切り替り動作に依存することなく、画像形成品質を向上できるようになる。
なお、上述のステップA4は省略してもよく、また、該当紙種に対応する作像タイミング補正テーブルが現存する場合であっても、マニュアル操作により、強制的に作像タイミング補正テーブル作成フローに移行するようにしてもよい。更に、実施形態ではCPU55が判別手段と情報作成手段とを兼用する場合について説明したが、判別機能を有したCPUと、情報作成機能を有したCPUを個別に備えて、紙種切り替り判別制御と、作像タイミング補正テーブル作成制御とを分担するようにしてもよい。このようにCPUを構成すると、一方のCPUが判別制御又は補正テーブル作成制御を実行しているとき、他方のCPUを判別制御及び補正テーブル作成制御以外の制御に当たらせることができるので、データ処理の高速化に繋げることができる。