JP2009085724A - 標的物質検出装置、及び標的物質検出方法 - Google Patents

標的物質検出装置、及び標的物質検出方法 Download PDF

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    • B82Y20/00Nanooptics, e.g. quantum optics or photonic crystals

Abstract

【課題】標的物質を高感度に検出する。
【解決手段】標的物質検出装置は、検出素子101と、検出素子101に第一の方向406の偏光成分を含む入射光404を照射させる照明光学系と、検出素子101を透過した光を受光する受光素子と、受光素子で得られた信号を演算する演算装置を有する。検出素子101は基体202に配置されたプラズモン共鳴現象を示す複数の金属構造体203からなる。金属構造体203は、標的物質を捕捉する標的物質捕捉体が固定されており、第一の方向406に第一の間隔402を置いて列をなしている。その上、当該列が第一の方向406と直交する第二の方向に第二の間隔403で平行に並ぶように配置されている。そして金属構造体203は、第二の方向407に列をなしている。第一の間隔402はプラズモン共鳴波長の10分の1以下であり、第二の間隔403はプラズモン共鳴波長の4分の1以上、プラズモン共鳴波長以下である。
【選択図】図4

Description

本発明は、検体中の標的物質を検出するための標的物質検出装置、及び標的物質検出方法に関する。
近年、健康問題や環境問題、更には食の安全性の問題に対する意識の高まりと共に、これらの問題に関与する物質(いわゆる生体関連物質などの化学物質(以下、標的物質と略して記載する。))を検出する方法が望まれるようになってきた。このような検出対象である標的物質を検出するには高感度な検出技術が必要となる場合が多い。なぜなら、標的物質が含まれる試料の採取量は限られていることが多く、更に標的物質が血液中の蛋白質などの場合は、様々な物質が混在した検体中に標的物質が極微量しか含まれていないことがあるためである。このような理由のため、上記のような標的物質の検出方法においては、微量な検体に含まれる微量な標的物質を検出できるような高感度の検出技術が求められている。
このような要求に応えるためのひとつの手法として、金属粒子、若しくは金属構造体のプラズモン共鳴現象を利用した測定方法の開発が進められている。金属粒子、若しくは金属構造体に、ある波長帯域を持った入射光を照射すると、特定の波長帯で散乱や吸収が大きくなるという共鳴現象が確認できる。この現象が局在プラズモン共鳴(以下、プラズモン共鳴と略して記載する。)現象であり、吸収スペクトルが最大となる波長をプラズモン共鳴波長とよぶ。このとき、金属粒子、若しくは金属構造体を透過する透過光は、プラズモン共鳴波長において透過率が大幅に低下している。このプラズモン共鳴波長は、金属構造体の周囲の媒質の屈折率によって変化する。したがって、検体中の標的物質を金属構造体の近傍に集めることによって、プラズモン共鳴波長を変化させることが出来る。つまり標的物質を金属構造体の近傍に集める工程の前と後で、金属構造体に照射する入射光の吸収スペクトルは変化する。
金属粒子、若しくは金属構造体のプラズモン共鳴現象を上記検出技術として用いる場合、入射光の吸収スペクトルのシフト量、つまり、共鳴波長のシフト量や特定の波長における吸光度の変化量を検出することが多い。この場合、高感度な検出を実現するためには、プラズモン共鳴波長のシフト量が大きいことと、吸収スペクトルのピーク幅が狭いことを実現することが必要となる。
非特許文献1では、吸収スペクトルのシフト量が、光を照射した際に金属構造体近傍に生じる電場増強度と関与しており、電場増強度が大きい領域ほど吸収スペクトルのシフトに大きく寄与していることが示されている。
非特許文献2では、金属構造体間の距離が近くなることによって、金属構造体近傍に電場増強が生じることが示されている。さらに非特許文献3では、金属構造体間の距離が近くなることによって、吸収スペクトルのピーク幅が広がるということが記載されている。
J.Phys.Chem.B、2004年、108巻、1号、p.109−116 J.Phys.Chem.B、2005年、109巻、8号、p.3195−3198 Optics Communications、2003年、220巻、1−3号、p.137−141
非特許文献1では、プラズモン共鳴現象を起こす金微粒子がランダムに配置されているため、金微粒子間の距離がランダムになってしまう。プラズモン共鳴の共鳴条件は金粒子間の距離によっても変化するため、共鳴条件に広がりが生じる。その結果、吸収スペクトルのピーク幅が広がり、検出感度の低下を引き起こす。
また、非特許文献2、3のように金属構造体間の距離を小さくすると、金属構造体間における電場増強度を大きくでき、プラズモン共鳴波長のシフト量の増大が見込める。しかし、非特許文献2、3にも示されているように、吸収スペクトルのピーク幅は広がってしまう。このように、プラズモン共鳴波長の変化量を大きくすることと、吸収スペクトルのピーク幅を狭くすることを、同時に満たすことは困難である。したがって、高い感度で標的物質を検出するための標的物質検出装置を作成することは困難であった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、標的物質を高感度に検出することができる検出装置及び検出方法を提供することである。
上記目的を達成するため本発明は、検体中の標的物質を検出する標的物質検出装置であって、標的物質を捕捉する標的物質捕捉体が固定されたプラズモン共鳴現象を示す金属構造体が配置された基体を有する検出素子と、前記検出素子における前記金属構造体が配置された面を横切るように、第一の方向の偏光成分を含む入射光を前記検出素子に照射させる機構を有する照明光学系と、前記検出素子から透過又は反射された前記第一の方向の偏光成分を含む光を受光する受光素子と、前記受光素子から得られた信号を演算し、前記検体の特性を求める演算装置とを有し、前記検出素子における前記金属構造体は、前記第一の方向に第一の間隔を置いて列をなすように配置され、かつ、当該列が前記第一の方向と交差する第二の方向に第二の間隔で平行に並ぶように配置されており、前記第一の間隔が前記プラズモン共鳴波長の10分の1以下であり、前記第二の間隔が前記プラズモン共鳴波長の4分の1以上、前記プラズモン共鳴波長以下であることを特徴とする。
また本発明は、検体中の標的物質を検出する標的物質検出方法であって、標的物質を捕捉する標的物質捕捉体が固定されたプラズモン共鳴現象を示す金属構造体が配置された基体を有する検出素子に、前記検体を接触させる接触工程と、前記検出素子における前記金属構造体が配置された面を横切るように、第一の方向の偏光成分が含まれる入射光を照射する照射工程と、前記検出素子から透過又は反射された前記第一の方向の偏光成分が含まれる光を、受光素子により受光する受光工程と、前記受光素子によって得られた信号を演算し、前記検体の特性を求める演算工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、検体中の標的物質を検出する感度を向上することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の標的物質検出装置の構成を示す概念図である。標的物質検出装置は、検出素子101と、検出素子101に光を照射させるための照明光学系102と、検出素子101を透過した光を受光する受光素子103と、受光素子103で得られた信号を演算し、検体の特性を求める演算装置104を有する。
ここでは、検出素子を透過した光を受光する場合について説明したが、反射光学系を構築することで、検出素子から反射した光をもとに検体中の標的物質を検出する標的物質検出装置としても良い。このとき受光素子は、検出素子から反射した光を受光することができるように配置される。
以下、検出素子101、照明光学系102、受光素子103、演算装置104について詳細に説明する。
(検出素子)
図2は、検出素子101の一構成を示す斜視図である。検出素子101は、基体202と、基体202表面に配置された複数の金属構造体203とからなる。また、金属構造体203には標的物質を特異的に捕捉するための標的物質捕捉体204が固定されている。また図2では、金属構造体203の前面に標的物質捕捉体204が描かれていないが、前面には標的物質捕捉体204が固定されていても良い。また、金属構造体203を基体202に配置させるために、基体202と金属構造体203との間に接着層を有していても構わない。
基体202としては、金属構造体203を配置するための面を有するものであれば、いかなるものでも良いし、いかなる形状でもかまわない。ただし、検出に用いる光の波長帯に属する透過光(以下、検出光と記載する。)の透過率が高いものが好ましい。さらに好ましくは、基体202の屈折率が、標的物質を検出するときに存在する金属構造体203の周囲の媒質の屈折率と近いことが好ましい。そうすることにより、周囲の媒質と金属構造体203との界面、基体202と金属構造体203との両界面におけるプラズモン共鳴条件が近くなる。したがって、プラズモン共鳴条件の広がりを抑えることができ、検出素子101に照射する入射光の吸収スペクトルのピーク幅を狭くすることができる。また基体202の屈折率は、吸収スペクトルのピーク幅を十分狭くすることができれば、周囲の媒質の屈折率と差を有していても構わない。
検出光の透過率が高い材料としては、シリカ、石英、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、アモルファスフッ素樹脂、酸化インジウムスズ(ITO)などが挙げられる。
金属構造体203としては、プラズモン共鳴現象を示す金属を用いる。具体的には、金、銀、銅、アルミニウム、白金、亜鉛、これらの元素の二種以上からなる合金、これらの元素の少なくとも一種を含む合金を挙げることができる。好ましくは、プラズモン共鳴現象を顕著に示す金や銀が挙げられる。
本発明におけるプラズモン共鳴波長は、金属構造体203に広帯域の光を照射した際、ある特定の波長帯で透過率が低下する場合の、透過率が最小値となるときの波長とする。図3は、検出素子101を透過した光の透過スペクトルを示すグラフである。このとき用いられた検出素子101には、一辺のサイズが100nmであり高さが50nmの直方体状の金が、400nm間隔を有して正方格子状に配置されている。また、金の周囲の媒質として、水(屈折率1.3350)を使用している。このとき図3に示されるように、透過スペクトル301は745nmで最小値をとる。したがって、このときのプラズモン共鳴波長302は、745nmである。
また、プラズモン共鳴波長は、金属構造体203の金属種、大きさ、配置などにより変化する。したがって、金属構造体203の金属種、大きさ、配置は、標的物質の検出感度を高めるように構成する必要がある。
金属構造体203の形状は、いかなるものでも良い。例えば、球形、略球形といった多面でない形状でも良いし、球形状あるいは略球形状の一部を切り取った形状、円柱、多角柱、円錐、角錐、厚さを持ったリング形状、厚さを持った井型、田型形状などの種々の多面体形状などでも良い。また金属構造体203として金属粒子を用いてもよい。もちろん、その金属粒子の形状は真球である必要はなく、多面体などであってもよい。
また、金属構造体203の大きさについて、金属構造体203の体積に対して捕捉される標的物質の体積の変化量が大きい場合、金属構造体203に対する周囲の屈折率の変化率が大きいと考えられる。このときプラズモン共鳴条件の変化は大きくなるため、標的物質を高感度に検出することが可能となる。つまり、金属構造体203は小さいことが好ましい。しかし、金属構造体203が小さくなりすぎるとプラズモン共鳴による吸光度が小さくなるため、標的物質が捕捉される前後において、特定の波長における吸光度の変化が小さくなってしまう。つまり、吸収スペクトル変化量自体を検出することが困難となる。
さらに、吸収スペクトルのシフト量を大きくするためには、標的物質が標的物質捕捉体204に捕捉された影響により、金属構造体203のプラズモン共鳴波長が十分に変化しなければならない。つまり、周囲の媒質の変化によってプラズモン共鳴波長が十分に変化する領域と、標的物質が捕捉される領域(標的物質捕捉体204を含む領域)が、同程度とすることが好ましい。この領域は、入射光を照射することによって生じる電場が増強される領域と同程度とする。このとき、電場が増強される領域は金属構造体203の大きさの2分の1程度とされるため、金属構造体203の大きさは、標的物質の大きさにもよるが、20nm〜100nmであることが好ましい。ここで、金属構造体203の大きさとは、基体202に固定された金属構造体203が配置された面と平行な金属構造体203の断面における最大幅のことをいう。
さらに、金属構造体203の配置について、図4を参照して説明する。図4(a)は検出素子101の斜視図であり、図4(b)は検出素子101の上面図である。ただし、標的物質捕捉体204は図示されていない。図4(a)、(b)に示すように、基体202に配置された金属構造体203は、第一の方向406に第一の間隔402を有して列をなすように配置されている。その上、金属構造体203は、当該列が第一の方向406と直交する第二の方向407に第二の間隔403で平行に並べることにより、第一の方向406と直交する第二の方向407にも列をなすように配置されている。尚、第二の間隔403は、第一の間隔402よりも大きく設定する。
また、ここでは第一の方向406と第二の方向407を直交するように配置したが、第一の方向406と第二の方向407は交差していれば、直交していなくても構わない。
また、検出素子101に照射する入射光404の照射方向は、金属構造体203が配置された面の法線方向であることが好ましい。さらに、入射光の偏光方向405が、第一の方向406と平行であることが好ましい。そうすることにより、金属構造体203に入射光404を照射したとき、金属構造体203間における標的物質が捕捉される領域の電場増強度が大きくなり、標的物質が捕捉された際のプラズモン共鳴波長が大きくシフトする。
上記、第一の間隔402の距離とプラズモン共鳴波長のシフト量、また、標的物質の検出性能の指標となる透過率の差分スペクトルを電磁界シミュレーションにより示す。シミュレーションに用いた検出素子101の構成は図5(a)に示すような構成であり、それぞれの金属構造体203は図5(b)に示す形状である。以下に、検出素子101の構成や金属構造体203の形状など、シミュレーションに用いた条件を列挙する。
・金属構造体203の金属種:金(Au)
・金属構造体203の形状と大きさ:一辺が50nmの立方体
・第一の間隔402:40nm、70nm、100nm、もしくは130nm
・第二の間隔403:450nm
・基体202:石英(SiO2)基板
・金属構造体203の周囲の媒質:水
ここで、入射光404の偏光方向405は第一の方向406であり、基体202の下面から金属構造体203が配置された面に向かって垂直に照射される。
金属構造体203の表面には、標的物質捕捉体と仮定される物質として10nmの誘電体膜で覆っておく。この状態において検出素子101を透過した光の透過スペクトルと、上記の誘電体膜表面にさらに標的物質と仮定される誘電体膜を10nm覆った状態での透過スペクトルをシミュレーションにより計算した。
第一の間隔402が40nmのとき、標的物質と仮定される誘電体膜が覆われる前後における透過スペクトルは図6(a)に示される通りである。また図6(b)は、標的物質と仮定される誘電体膜が覆われる前後におけるプラズモン共鳴波長のシフト量と、第一の間隔402との関係を図示したものである。第一の間隔402が大きくなるに従い、プラズモン共鳴波長のシフト量は小さくなり、一定の値に漸近している。これは、第一の間隔402が大きくなることで、金属構造体203間の相互作用が小さくなり、金属構造体203間の標的物質が捕捉される領域の電場増強が小さくなることが原因と考えられる。
図6(c)は、標的物質と仮定される誘電体膜が覆われる前後の透過スペクトルの差分である差分スペクトルを図示したものである。第一の間隔が40nmのときの差分スペクトルでは、差分値の最大値が最も大きい。また、第一の間隔402が大きくなるに従って、差分値の最大値は小さくなる。つまり、プラズモン共鳴波長のシフト量が大きくなるに従って、差分値の最大値も大きくなることが確認できる。本シミュレーションにおける検出素子101の構造では、プラズモン共鳴波長のシフト量と第一の間隔との関係から、第一の間隔402が80nm程度より小さい領域で、プラズモン共鳴波長のシフト量が増大する効果があると言える。また、波長が100nmを超える領域では、プラズモン共鳴波長のシフト量が増大する効果はないといえる。
したがって本シミュレーションでは、第一の間隔402は80nm程度以下であることが好ましいといえる。また、本シミュレーションの金属構造体203におけるプラズモン共鳴波長は、周囲の媒質が水であり、かつ誘電体層10nmが金属構造体203を覆う場合、760nm程度となる。金属構造体203の構成によりプラズモン共鳴波長が異なることを考慮すると、第一の間隔402はプラズモン共鳴波長の10分の1以下とすることが好ましい。
ただし、第一の間隔402は、標的物質と標的物質を捕捉する標的物質捕捉体204とが存在できる大きさを有することが求められる。したがって、標的物質や標的物質捕捉体204の大きさにもよるが、第一の間隔402は少なくとも1nmは必要であると考えられる。しかし、金属構造体203を近づけすぎると、隣接した金属構造体203で起こるプラズモン共鳴が相互作用を起こし、金属構造体203周辺に増強される電場の局在度が低下するため、スペクトルのピーク幅が広がることが考えられる。上記電場の局在度を低下させないためには、第一の間隔402は、第一の方向406における金属構造体203の幅の2分の1以上であることが必要と考えられる。したがって、第一の間隔402は第一の方向406における金属構造体203の幅の2分の1以上、プラズモン共鳴波長の10分の1以下であることが好ましい。
上記のように第一の間隔402を狭くした場合、金属構造体203は第一の方向406に対して、直線形状に近い構造となる。このとき、検出素子101はスリット幅が第二の間隔403であるようなスリットと同様な効果を生じると考えられる。つまり、第二の間隔403が小さくなるに従って、スリット幅の小さなスリットと見なせるようになる。スリットは、入射光に対して、ある波長よりも長波長側の光を透過し得なくし、長波長側の透過率を低下させるという特徴を有する。したがって、第二の間隔403が小さい場合、透過光の強度は小さくなり、透過光のスペクトルのピーク幅を広げることが考えられる。
以下、金属構造体203がスリット上に形成されている場合において、スリット幅と透過スペクトルとの関係を、電磁界シミュレーションによって示す。ここでは検出素子として、第一の方向406に直線上の金が形成されており、第二の間隔403を変化させた場合の透過スペクトルの変化について計算した。以下に、検出素子の構成や金属構造体の形状など、シミュレーションに用いた条件を列挙する。
・金属構造体の金属種:金(Au)
・金属構造体の形状:断面が50nm×50nmの正方形
・第二の間隔:150nm、200nm、250nm、300nm、もしくは450nm
・基体:石英(SiO2)基板
本シミュレーションにおいて、第一の方向406に偏光された入射光を、石英基板の下面から金スリットの固定された面に対し垂直に照射させる。
図7は、それぞれの第二の間隔に対する透過スペクトルを、電磁界シミュレーションによって計算した結果を示すグラフである。図7に示すように、第二の間隔が小さくなるに従い、透過率が低下していることがわかる。
例えば図5のように構成された第一の間隔402が40nmである検出素子101の場合、上述のようにプラズモン共鳴波長は760nm程度となる。図7に示すように、760nmあたりの波長における透過率の低下は、第二の間隔403が150nmのときに顕著に起こっている。したがって、第二の間隔403が200nm程度以下の場合は、透過率が低下するため、透過スペクトルのピーク幅を広げることが考えられる。したがって、標的物質の検出感度を高めるには、第二の間隔403をプラズモン共鳴波長の4分の1以上とすることが好ましい。
上記のように第二の間隔403が大きくすると、スリットとしての影響は小さくなり、スペクトルのピーク幅が狭くなるとが考えられる。しかし第二の間隔403が大きすぎると、入射光の照射領域に対する金属構造体203の占める割合が小さくなるため、吸光度が小さくなる。この場合、標的物質が捕捉される前後における吸光度の変化も小さくなることが考えられる。そのため、第二の間隔403は大きくしすぎないことが好ましい。
以下、第二の間隔403が大きい場合の透過スペクトルを、電磁界シミュレーションによって計算した結果について説明する。尚、この場合の電磁界シミュレーションにおける検出素子101は、図5(a)に示す構成と同様のものを用いるが、第一の間隔402と第二の間隔403が異なるものを使用する。以下に、検出素子101の構成や金属構造体203の形状など、本シミュレーションに用いた条件を列挙する。
・金属構造体203の金属種:金(Au)
・金属構造体203の形状と大きさ:一辺が50nmの立方体
・第一の間隔402:40nm
・第二の間隔403:350nm、450nm、550nm、もしくは650nm
・基体202:石英(SiO2)基板
・金属構造体203の周囲の媒質:水
本シミュレーションにおいても、誘電体膜が10nmまたは20nm覆われた金属構造体203の透過スペクトルと、その差分スペクトルを計算した。
図8は、本シミュレーションの結果を図示したものである。図8(a)は、それぞれの第二の間隔403にて透過スペクトルを示したグラフである。第二の間隔403が大きくなるに従い、金属構造体203の占有領域が小さくなるため、透過率の低下が小さくなることが確認できる。また、第二の間隔403が350nmから450nmに広がる際、スペクトル幅が狭くなる。その結果、センサ性能の指標となる差分値が大きくなることが確認できる。
図8(a)で示されるように、第二の間隔403が550nmであり、誘電体膜の厚さが10nmの場合、プラズモン共鳴による透過率の低下は小さい。しかし、誘電体膜の厚さが20nmになると透過率の低下は大きくなり、図8(b)に示されるように、その差分値の絶対値が大きな値となるので、更なる標的物質の検出の感度が向上する可能性がある。
また、第二の間隔403が650nmの場合、プラズモン共鳴における透過率の低下は小さい。また、図8(b)のように、その差分値の絶対値も小さいため、標的物質検出の感度はよくない。したがって第二の間隔403が650nm以上である場合、検出装置として好ましくない。
上記の様々な電磁界シミュレーションの結果より、第二の間隔403はプラズモン共鳴波長の4分の1以上、プラズモン共鳴波長以下であることが好ましい。
金属構造体203に固定されている標的物質捕捉体204は、標的物質を特異的に捕捉するものであれば特に限定なく利用できる。特異的な捕捉に関しては、本発明の検出素子101に固定された標的物質捕捉体204と標的物質との接触の前後における物理的または化学的な変化が検出可能であれば、いかなる種類の相互作用によるものでも良い。好ましい相互作用としては、抗原−抗体反応、抗原−アプタマー(特定構造を有するRNA断片)、リガンド−レセプター相互作用、DNAハイブリダイゼーション、DNA−タンパク質(例えば、転写因子。)相互作用、レクチン−糖鎖相互作用、などが挙げられる。
また、標的物質は、上記の相互作用を含む任意の相互作用によって標的物質捕捉体に特異的に捕捉されることで、検出素子101により検出されるものであれば、いかなる物質も限定なく利用することが出来る。
標的物質および標的物質捕捉体204の主な例としては、生体物質が挙げられる。生体物質としては、核酸、タンパク質、糖鎖、脂質及びそれらの複合体から選択される生体物質が含まる。更に詳しくは、核酸、タンパク質、糖鎖、脂質から選択される生体分子を含んでなるものである。具体的には、DNA、RNA、アプタマー、遺伝子、染色体、細胞膜、ウイルス、抗原、抗体、レクチン、ハプテン、ホルモン、レセプタ、酵素、ペプチドの何れかから選択された物質を含むものであれば、如何なる物質にも本発明を適用することができる。更には、上記の生体物質には生体物質を産生する細菌や細胞も含まれる。つまり、それらの細菌や細胞も標的物質および標的物質捕捉体204となり得る。
(照明光学系)
照明光学系102は、金属構造体203がプラズモン共鳴現象を起こす波長帯を含む光を、検出素子101における金属構造体が配置された面を横切るように照射させることができれば、いかなるものでも良い。照明光学系102を構成する光源としては、レーザー、LED等、種々のものが用いられる。共鳴波長のシフト量を検出する場合、スペクトルを測定するため、広帯域な白色光源が好ましい。このような広帯域な白色光源としては、ハロゲンランプ、タングステンランプ、キセノンランプ等が挙げられる。また、特定の波長における吸光度変化を検出する場合、出力強度が大きくて安定しているレーザー等を利用することが好ましい。
また、照明光学系102には、入射光404を第一の方向406に偏光させる機能を有することが好ましい。検出素子101における第一の方向406に偏光された光を照射することで、第一の方向406における金属構造体203間の電場の増強を効率良く起こすことが可能となる。
入射光404を偏光させるには、いかなる方法を用いても良いが、例えば光源からの入射光404を偏光板に通すことにより実現される。
尚、本発明の標的物質検出装置は、照明光学系102と検出素子101との間に種々の光学系を有していても良い。例として、検出素子101の金属構造体203が配置されている領域が非常に狭い場合について説明する。この場合、入射光を集光する必要がある。光源と検出素子101の間に照射領域を調整するためのレンズ光学系、コリメートするための光学系(コリメーター)、を加えることによって、よりノイズの小さい計測が可能となる。
また、照明光学系102と検出素子101との間に限らず、光路中の任意の位置に種々の光学系を設けることが可能である。
図9は、照明光学系102から検出素子101へ照射させる光の照射方向を説明する図である。照明光学系102から、検出素子へ照射する入射光404の照射方向は、検出素子101の金属構造体203を有する面に光を照射できれば、どのような方向でもかまわない。金属構造体203が配置された面に対して垂直方向から照射させてもよいし、傾きを有していても良い。傾きを有する場合、図9(b)に示すように検出素子における第一の方向406に対して傾きを有していても良いし、図9(c)に示すように第二の方向407に対して傾きを有していても良い。また、図9(d)のように、入射光は、基体202の金属構造体203を有する面の反対側の面から照射させても良い。
(受光素子)
受光素子103は、検出素子101を透過又は反射した光の強度やスペクトルなどの特性を検出できればいかなるものでも良い。標的物質の検出に利用される検出光の特性変化に合わせて選択することができる。また、第一の方向406と平行な偏光成分のみを選択的に受光する機能を有しているとさらに好ましい。この場合、例えば検出素子101を透過又は反射した光を、偏光板に通すことにより実現される。
透過光の強度変化を検出する場合、フォトダイオードや光電子増倍管(PMT)などを受光素子として用いることができる。また、透過光のスペクトルのシフト量を検出する場合は、分光器を有する分光光学系を用いた検出器(所謂、分光器。)に受光素子103を備えた構成にすることが好ましい。このように分光光学系を用いる場合、検出素子101を透過した透過光をモノクロメーター、ポリクロメーター等の分光器に通すことで分光測定をすることができる。また、モノクロメーターのような分光光学系を用いて、入射光404が検出素子101に照射する前に分光させることで、検出素子101に照射する光の波長を様々に変化させてもよい。そのようにして透過光の強度を測定することで、透過光の透過スペクトル測定を行っても良い。
(演算装置)
演算装置104は、受光素子103により得られた信号から、標的物質が標的物質捕捉体204に捕捉される前後の透過光または反射光(以下、検出光という。)の特性変化を演算する手段である。演算する検出光の特性としては、検出光の強度変化でも良いし、検出光のスペクトル変化でも良い。そして、これらの信号を処理することで、検体が検出素子101の金属構造体203に接触した際に、検体中の標的物質が標的物質捕捉体204によって捕捉されたか否かを演算する。
また、信号処理により、標的物質の量を定量的に評価できる機構が備わっていれば、さらに好ましい。例えば、予め取得しておいた標的物質の量と、透過光の特性変化との相関関係を示すデータを、演算装置に入力しておく。そして、未知の検体中の標的物質を標的物質捕捉体204に捕捉する前と後における検出光の特性変化と、上記の相関関係を示すデータとを比較することによって、標的物質の量を演算することができる。
次に、本発明における標的物質検出方法における各工程について説明する。本発明の標的物質検出方法は、接触工程と、照射工程と、受光工程と、演算工程とを有する。
接触工程では、上記で説明した検出素子と検体とを接触させる。このとき、検体中に標的物質が含まれている場合、標的物質は検出素子が有する標的物質捕捉体に特異的に捕捉される。
照射工程では、照明光学系から検出素子に対して光を照射する。このとき、第一の方向406の偏光成分が含まれる光を照射する。また、入射光の偏光方向が第一の方向406であることが、さらに望ましい。
受光工程では、検出素子から透過又は反射された光を受光する。このとき、透過光、または反射光に対して、第一の方向406に偏光した光を選択的に受光することが望ましい。受光素子が光を受光すると、その光の特性に応じた信号を演算装置に送信する。
演算工程では、受光素子によって得られた信号を基に、検体中に標的物質の有無を演算する。このとき、演算装置は、標的物質の量を定量的に演算する手段を有することが望ましい。
(実施例1)
以下、標的物質検出装置、標的物質検出方法における実施例について説明する。図10は本実施例における標的物質検出装置の構成を示す概念図である。標的物質検出装置は、検出素子1001と、検出素子1001に光を照射させるための照明光学系1004と、検出素子1001を透過した光を受光する受光素子と、受光素子で得られた信号を演算する演算装置1011を有する。
本実施例における照明光学系1004は、ハロゲンランプ1005と偏光板1007から構成されている。ハロゲンランプ1005は白色光源として利用可能であり、偏光板1007はハロゲンランプ1005から発せられる白色光1006を、特定の方向に偏光させる。
また、検出素子1001から透過した透過光1009を受光する受光素子は、分光器1010を有する分光光学系に備わっている。分光器1010を用いることにより、透過光1009の透過スペクトルを検出することができる。また、演算装置1011は、分光器1010から得られた信号を基に、検体中の標的物質の量を定量的に演算する手段を有する。
検出素子1001は、金の構造体1003が固定された石英基板1002から構成される。図11(a)は本実施例における、検出素子1001の斜視図である。石英基板1002上の金の構造体1003は、第一の方向1102に40nmの間隔を置いて列をなすように配置されている。その上、当該列が第一の方向1102と直交する第二の方向1103に、450nmの間隔で平行に並ぶように配置されている。そして金の構造体1003は、第二の方向1103にも列を成すように配置されている。また金の構造体1003の形状は、図11(b)に示すように、一片が50nmの立方体である。ここで、入射光1008の偏光方向1101は、第一の方向1102と一致させるようにする。
石英基板1002へ金の構造体1003を配置するためには、例えば以下のようにして実施される。まず、膜厚50nmの金薄膜を、石英基板1002上にスパッタリングにて形成する。そして、金薄膜上にネガレジストを塗布する。その後、電子線描画装置を用いて一辺50nmの正方形状に露光することによって、正方形状のレジストパターンを形成する。このレジストをマスクとして、ICPエッチャを用いて、レジストに覆われていない領域の金薄膜をエッチングする。エッチング後、マスクに用いたネガレジストをアッシャーにより除去する。この工程を経ることによって、図11(b)に示すような、一辺50nmの立方体形状の金の構造体1003が作製できる。
ここでは、金の構造体1003の作製に関して電子線描画装置を用いているが、作製精度や作製の容易性に応じて、集束イオンビーム加工装置、X線露光装置、紫外線露光装置、エキシマ露光装置のいずれを用いてもかまわない。また、本実施例ではエッチングによる方法を記載したが、リフトオフ法によって金の構造体1003を作製してもかまわない。
図12は、本実施例における標的物質検出装置の構成を示すブロック図である。演算装置1011は中央演算子1208と表示ユニット1207から構成される。中央演算子1208は、分光器1010を有する分光光学系1203に備わっている受光素子によって得られた信号を受信できるように、受光素子と接続されている。また、ハロゲンランプを用いた照明光学系1004と受光素子との光軸上に、検出素子1001における石英基板1002に配置された金の構造体1003を有する領域1206が位置するように配置されている。このとき、第一の方向1102と、照明光学系1004から発せられる入射光1008の偏光方向1101が一致するように構成する。また、検出素子1001は筒状構造とし、その内部に金の構造体1003が配置された面を有するように構成される。また、検出素子1001の両端部を同様の筒状の構造をした筒状部材1204で接続する。一方の筒状部材1204は、検体を流入する流入口1201を有する。他方の筒状部材1204は検体を流出する流出口1202を有し、流出口1202には廃液リザーバ1209が取り付けられている。また、一方の筒状部材1204には、流入した検体を金の構造体1003を有する領域1206を通し、流出口1202まで送り込むための送液ポンプ1205が構成されている。なお、流入口1201と流出口1202は、検体を注入するためだけではなく、標的物質捕捉体を金の構造体1003に固定する目的においても利用することが出来る。
以下、標的物質としてヒトCRPを用い、標的物質捕捉体として抗ヒトCRP抗体を用いる場合の例について説明する。まず、上記の標的物質検出装置が有する金の構造体1003に、抗ヒトCRP抗体を固定する方法を説明する。送液ポンプを駆動し、金と親和性の高いチオール基を持つ11−Mercaptoundecanoic acidのエタノール溶液を流入口1201から流入する。このようにして、検出素子1001内部に配置された金の構造体1003を表面修飾する。その後、2種類の水溶液を流入口1201から流入する。このとき、流入する2種類の水溶液として、N−Hydroxysulfosuccinimide水溶液と1−Ethyl−3−[3−dimethylamino propyl]carbodiimide hydrochloride水溶液を用いた。両水溶液とも同仁化学研究所社製水溶液である。そして、上記水溶液を検出素子1001内部の金の構造体1003と接触させることによって、金の構造体1003表面にスクシンイミド基が露出する。続いて、標的物質であるヒトCRPを特異的に捕捉する抗ヒトCRP抗体を加えたトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を流入口1201から流入する。そうすることにより、抗ヒトCRP抗体を金の構造体1003に固定することができる。
以下、検体中のヒトCRPを検出する方法について説明する。まず、あらかじめ、ヒトCRPを抗ヒトCRP抗体へ捕捉させる前に照射工程と、受光工程を実施する。照射工程として、検出素子1001の金の構造体1003を有する面に、入射光1008を照射する。そして受光工程として、検出素子1001を透過した透過光1009を受光する。このとき分光光学系1203を用いて、透過光1009のスペクトルを検出する。
次に接触工程として、ヒトCRPを含んだ検体を、流入口1201から検出素子1001内部へ流入し、金の構造体1003を有する領域に1206供給する。このとき、抗原‐抗体反応によって、金の構造体1003に固定された抗ヒトCRP抗体に、検体中のヒトCRPが特異的に捕捉される。
その後、再び照射工程と受光工程を実施し、ヒトCRP捕捉後の透過光1009のスペクトルを、分光光学系1203を用いて検出する。
最後に演算工程として、ヒトCRPの捕捉前と捕捉後の透過光1009のスペクトルを、演算装置1011が有する中央演算子1208によって比較する。ここで得られた透過光1009のスペクトルの変化が、抗ヒトCRP抗体にヒトCRPが捕捉されたことによって、プラズモン共鳴スペクトルが変化したことに起因するものである。このスペクトルの変化を演算した結果を、表示装置である表示ユニット1207に表示する。
本実施例では、中央演算子1208は、透過光1009のスペクトルの変化の度合いから標的物質の濃度を求める。標的物質の濃度は、例えば以下のようにして演算することができる。まず、あらかじめ既知の複数濃度の検体を用いて、透過光1009のスペクトル変化と濃度の関係を取得しておく。そして、この関係をもとに検量線を作成して、透過光1009のスペクトル変化と濃度との関数を求めておく。この関数を用いることで、演算工程において得られたスペクトル変化をもとに、濃度が未知の標的物質の濃度を演算することができる。
ここで、スペクトル変化とは、吸光度が最大値(スペクトルピーク)となる波長の変化でもよいし、スペクトルピークの半値幅のようなピーク形状の変化でもよい。また、一つあるいは、複数の波長における吸光度の変化を用いても構わない。
本実施例では、上記の順序で標的物質を検出する方法について説明したが、各工程の順序は、標的物質が捕捉された前後における透過光のスペクトル変化を演算できれば、そのような順序でもかまわない。また、各工程を独立に実施する必要もない。さらに本実施例では、検出素子を透過した透過光の透過スペクトルの変化を利用して、濃度を演算したが、検出素子を反射する反射光のスペクトル変化を利用しても良い。
尚、本発明は上記の形態及び実施例に限定解釈されるものではない。例えば、上記の形態及び実施例の材料、組成条件、反応条件、部材や素子の配置等は、当業者が理解可能な範囲で自由に変更して本発明を実現することができる。
本発明の標的物質検出装置の構成を示す概念図。 図1における検出素子101の一構成を示す斜視図。 図1における検出素子を透過した光の透過スペクトルを示すグラフ。 (a)は図1の検出素子における金属構造体の配置の一例を示す斜視図であり、(b)は図1の検出素子における金属構造体の配置の一例を示す上面図である。 図1の検出素子について電磁界シミュレーションを行った際の金属構造体の配列を示す概念図。 (a)は電磁界シミュレーションにおける透過スペクトルを示すグラフである。(b)はプラズモン共鳴波長のシフト量を示すグラフである。(c)は、差分スペクトルの結果を示すグラフである。 金スリットにおける電磁界シミュレーションの結果を示すグラフである。 本発明の検出素子の一例における電磁界シミュレーションの結果を示すグラフ。 本発明の標的物質検出装置における検出素子への光の照射方向を示す模式図である。 本発明の実施例1に関する標的物質検出装置の構成を示す概念図である。 (a)は、本発明の実施例1に関する検出素子の構成を示す斜視図である。(b)は、検出素子における金の構造体の斜視図である。 本発明の実施例1に関するブロック図である。
符号の説明
101 検出素子
102 照明光学系
103 受光素子
104 演算装置
202 基体
203 金属構造体
204 標的物質捕捉体
302 プラズモン共鳴波長
402 第一の間隔
403 第二の間隔
404 入射光
405 偏光方向
406 第一の方向
407 第二の方向
1001 検出素子
1002 石英基板
1003 金の構造体
1004 照明光学系
1005 ハロゲンランプ
1008 入射光
1009 透過光
1010 分光器
1011 演算装置
1101 偏光方向
1203 分光光学系
1207 表示ユニット
1208 中央演算子

Claims (4)

  1. 検体中の標的物質を検出する標的物質検出装置であって、
    標的物質を捕捉する標的物質捕捉体が固定されたプラズモン共鳴現象を示す金属構造体が配置された基体を有する検出素子と、
    前記検出素子における前記金属構造体が配置された面を横切るように、第一の方向の偏光成分を含む入射光を前記検出素子に照射させる機構を有する照明光学系と、
    前記検出素子から透過又は反射された前記第一の方向の偏光成分を含む光を受光する受光素子と、
    前記受光素子から得られた信号を演算し、前記検体の特性を求める演算装置とを有し、
    前記検出素子における前記金属構造体は、前記第一の方向に第一の間隔を置いて列をなすように配置され、かつ、当該列が前記第一の方向と交差する第二の方向に第二の間隔で平行に並ぶように配置されており、前記第一の間隔が前記プラズモン共鳴波長の10分の1以下であり、前記第二の間隔が前記プラズモン共鳴波長の4分の1以上、前記プラズモン共鳴波長以下であることを特徴とする標的物質検出装置。
  2. 前記第一の方向と前記第二の方向が直交するように前記金属構造体が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の標的物質検出装置。
  3. 前記照明光学系が前記第一の方向に偏光された入射光を照射する手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の標的物質検出装置。
  4. 検体中の標的物質を検出する標的物質検出方法であって、
    標的物質を捕捉する標的物質捕捉体が固定されたプラズモン共鳴現象を示す金属構造体が配置された基体を有する検出素子に、前記検体を接触させる接触工程と、
    前記検出素子における前記金属構造体が配置された面を横切るように、第一の方向の偏光成分が含まれる入射光を照射する照射工程と、
    前記検出素子から透過又は反射された前記第一の方向の偏光成分を含む光を、受光素子により受光する受光工程と、
    前記受光素子によって得られた信号を演算し、前記検体の特性を求める演算工程とを有することを特徴とする標的物質検出方法。
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