JP4974870B2 - 光学素子、センサ装置及びセンシング方法 - Google Patents

光学素子、センサ装置及びセンシング方法 Download PDF

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Description

本発明は、所望の光学特性を有する光学素子、該光学素子を用いたセンサ装置、並びにセンシング方法に関するものであり、特に生体分子の濃度の検出に関するものである。
微小な金属構造体には局在表面プラズモン(Localized Surface Plasmon Resonance:以下、「LSPR」と記載する)が誘起されることが知られている。このLSPRは、金属構造体周囲の屈折率、誘電率によりその共鳴条件が決まる。従って、金属構造体周囲の誘電率変化を、上記金属構造体に光を照射、透過させて、その光学スペクトルの変化を測定することで検出できる。
LSPRは金属構造体周囲の屈折率、誘電率変化に敏感である。従って、LSPRは高感度な屈折率センサに適用することが出来る。また、以下に示すように、この誘電率変化が生体反応によるものである場合には、この現象をバイオセンサなどに応用することで高感度なセンシングが可能となり、医療分野や食品、環境等の分野への幅広い応用が期待されている。
例えば、金属構造体の周囲で抗原抗体反応を起こさせることにより、周囲の誘電率の変化を検出して、抗原抗体反応を検知できる。
非特許文献1には、金属構造体として平滑な基板上に形成された微小なAg薄膜微粒子構造を用いた例が開示されている。そして、この構造の周囲に抗体が付着している場合と、この抗体にさらに抗原が結合している状態の光学スペクトルの変化から抗原濃度を測定している。また、この他にも酵素と基質の複合体やDNAのハイブリダイゼーションによる相補的な塩基対形成なども、同様の原理によって検知できる。
また、特許文献1には、ガラス基板上にAu微粒子を固定し、そのプラズモン共鳴のスペクトルから微粒子周囲の屈折率を検知した例が開示されている。
このように従来技術を含む一般的な透過測定の場合、金属粒子周囲での抗原抗体反応による誘電率変化を検出する。図3は、この過程を表したものである。すなわち、抗原抗体反応の前後での金属粒子の透過スペクトルであるLSPR光学スペクトル(反応前)301、及びLSPR光学スペクトル(反応後)302を測定することで、抗原抗体反応を検出する。そして、反応前後でのLSPRの共鳴条件の変化から抗原の濃度を検知する(図3(a))。
この時の計測系の概略は、図3(b)のように、抗体305で表面を修飾された金属粒子303が誘電体基板304に支持された測定素子306に対して照射光307を照射し、透過光308のスペクトルを測定するものである。
ナノ・レターズ、2004年、第4巻、第6号、1029−1034ページ、リチャード・ピー、ヴァン・デュインら(Richard P. Van Duyneら、NANO LETTERS 2004年 Vol.4, No.6 1029−1034) 特開2000−356587号公報
ところで、上記の様にLSPRを用いた光学スペクトル信号の変化として金属構造体周囲の誘電率変化を検出する場合、測定される光学スペクトルの形状が、そのセンシング感度に大きく影響する。ここで、従来技術では光学スペクトル信号を測定する際、図3に示されるように信号としてLSPRの共鳴ピーク位置の変化を検出することにより測定を行っていた。
しかしながら、一般的にLSPRの共鳴ピーク幅は広く、従来技術のようにピーク位置のシフト量を検出するセンシング方法においてはセンシング感度の向上が困難であるという課題があった。そこで、LSPRを用いた高感度なセンシングのための新たな手法が望まれていた。そこで、本発明は、上記のような課題に鑑みて高感度なセンシングを行うことを目的とする。
本発明に係るセンサ素子は、局在表面プラズモン共鳴を利用して標的物質の検出を行うためのセンサ素子であって、
誘電体基板と、
前記誘電体基板により複数の金属微細構造体が面内方向に支持されている第1の金属微細構造体群と、
面内方向に複数の金属微細構造体が配置されており、且つ外部に該金属微細構造体の一部が露出している第2の金属微細構造体群とを有し、
前記第1の金属微細構造体群と、前記第2の金属微細構造体群は100nm以上離れて積層されるとともに、
前記第1の金属微細構造体は、光照射を受けて前記プラズモン共鳴による第1のスペクトルを有し、
前記第2の金属微細構造体は、光照射を受けて前記プラズモン共鳴による、第1のスペクトルまたは該第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する、ことを特徴とする。
本発明の光学素子では、従来の技術よりも検体を高感度かつ高精度に検出できるようになる。
(光学素子)
本発明は、表面プラズモンを誘起しうる金属微細構造体を有する金属膜の光学スペクトルの変化やその他光学信号の変化によって検体を評価する方法において、測定における感度向上の手法に関するものである。
以下、本発明をより詳細に説明する。すなわち、本発明に係る局在表面プラズモン共鳴を利用する光学素子は以下の特徴を有するものである。
(1)誘電体基板により複数の金属微細構造体が面内方向に支持されている金属微細構造体群を有する(第1の金属微細構造体群)。
(2)面内方向に複数の金属微細構造体が配置されており、かつ外部に一部が露出している金属微細構造体群を有する(第2の金属微細構造体群)。
(3)第1の金属微細構造体群と、第2の金属微細構造体群とは互いに100nm以上離れて積層されている。
また、光学素子を構成する金属微細構造体群は、上記の第1の金属微細構造体群および第2の金属微細構造体群以外の、第3の金属微細構造体群を有していてもよい。
ここで、第2の金属微細構造体群は、一部が外部に露出している。このような露出した表面を有していることにより、特定の物質や周囲環境と物理的相互作用、化学反応等が生じ、金属微細構造体群に励起される表面プラズモンの特性が変化する。
第1の金属微細構造体群と第2の金属微細構造体群は、その厚み方向に、100nm以上、離れるように積層されている。この第1の金属微細構造体群と第2の金属微細構造体群との間隔は、第2の金属微細構造体群が第1の金属微細構造体群よりも上に位置して積層されている場合には、第1の金属微細構造体群の最上面と、第2の金属微細構造体群の最下面との間の距離を表す。一方、第1の金属微細構造体群が第2の金属微細構造体群よりも上に位置している場合には、第1の金属微細構造体群の最下面と、第2の金属微細構造体群の最上面との間の距離を表す。
なお、各金属微細構造体群を構成する金属微細構造体が配置された面は互いに平行であっても、平行でなくても良い。また、第2の金属微細構造体群が第1の金属微細構造体群よりも上に位置して積層されている場合には、第1の金属微細構造体群の厚み方向の下部に更に第3の金属微細構造体群を積層するか、第2の金属微細構造体群の厚み方向の上部に更に第3の金属微細構造体群を積層しても良い。第1の金属微細構造体群が第2の金属微細構造体群よりも上に位置している場合には、第1の金属微細構造体群の厚み方向の上部に更に第3の金属微細構造体群を積層するか、第2の金属微細構造体群の厚み方向の下部に更に第3の金属微細構造体群を積層しても良い。
上記(2)の構成を有することによって、第2の金属微細構造体群は、表面を介して特定の物質又は周囲環境等と物理的相互作用、化学反応が可能なようになっている。そして、物理的相互作用や反応を行う前と比べて、これらが起こった後には金属微細構造体群周囲の誘電率が変化したことを光学スペクトルの変化として検知できる。
上記(3)の構成、すなわち積層構造を有することによって、第1の金属微細構造体群と、第2の金属微細構造体群との間で相互作用が生じる。この結果、検体の検出前後で光学スペクトルのピーク位置・ピークの大きさ・形状を変化させることが可能となる。
一方、第1と第2の金属微細構造体群は100nm以上離れて積層されているため、光学素子に光を照射した際に第1と第2の金属微細構造体群が、発生した近接場を介して相互作用をすることを防止できる。この結果、高感度なセンシングを行うことができる。
すなわち、本発明では、光学素子内の各金属微細構造体群のスペクトルを制御することにより、光学素子全体の光学スペクトルを所望の形状とすることが可能となる。また、光学素子周囲での誘電率変化に対する光学素子のスペクトルの変化の仕方も、上述のように素子構成を変化させることで変えることが可能となる。
以下に、この原理を詳細に説明する。
例えば、第1および第2の金属微細構造体群以外に、1以上の第3の金属微細構造体群を有して、合計1番目からn番目までの複数の金属微細構造体群が順に積層されている場合に、検体が付着前の各金属微細構造体群に光を照射した場合の光学スペクトルをそれぞれ、I1、I2、......In(nは自然数)とする。すると、これらの光学スペクトルを組み合わせた光学素子全体のスペクトルは、各金属微細構造体群の光学スペクトルを掛け合わせた下記式(I)のスペクトルとなる。
1×I2×・・・・In ―――(I)
ここで、例えば、1番目の金属微細構造体群の周囲で検体付着により誘電率が変化する場合、1番目の金属微細構造体群に光を照射した場合の光学スペクトルは、I1からI1 *に変化する。
この結果、これらの光学スペクトルを組み合わせた光学素子全体のスペクトルは、各金属微細構造体群の光学スペクトルを掛け合わせた下記式(II)のスペクトルとなる。
1 *×I2×・・・・In ―――(II)
このため、光学素子が検体を検知したことは、式(II)−式(I)で表されるスペクトルの差から知ることができる。
ここで、各金属微細構造体群に対応する光学スペクトルは、検体の付着によってそのピーク位置が移動するのみとなる場合がある。しかしながら、本発明では、複数の金属微細構造体群からの光学スペクトルを掛け合わせたものが光学素子全体のスペクトルとなっている。従って、これら各金属微細構造体群からの光学スペクトルを変化させることによって、光学素子全体の光学スペクトルのピーク位置・ピークの大きさ・形状を所望の大きさ・形状に制御することができる。
なお、上記では、1番目の金属微細構造体群に検体が付着される場合を示したが、複数の金属微細構造体群に検体が付着される(スペクトルが変化する)場合であっても同様に考えることができる。例えば、1番目及びn番目の金属微細構造体群に検体が付着する場合、1番目及びn番目の金属微細構造体群に光を照射した場合の光学スペクトルは、をそれぞれ、I1、InからI1 *、In *に変化する。
この結果、これらの光学スペクトルを組み合わせた光学素子全体のスペクトルは、各金属微細構造体群の光学スペクトルを掛け合わせた下記式(III)のスペクトルとなる。
1 *×I2×・・・・In * ―――(III)
このため、光学素子が検体を検知したことは、式(III)−式(I)で表されるスペクトルの差から知ることができる。
金属微細構造体としては、直方体状、球状その他、平面状・曲面状の表面を持つものを挙げることができる。より好ましくは、各金属微細構造体群は、同一形状の複数の金属微細構造体(金属粒子)から構成されているのが良い。この場合、各金属微細構造体群を構成する金属微細構造体同士は同じ形状の金属粒子となるが、互いに異なる金属微細構造体群を構成する金属微細構造体同士は同じ形状であっても、互いに異なる形状であっても良い。このように各金属微細構造体群を構成する金属微細構造体を、同一の形状の金属粒子とすることによって、光学スペクトルの形状・ピークの制御がより容易となる。
更に好ましくは、光学素子を構成する全ての金属微細構造体は、同じ形状を有することが好ましい。全ての金属微細構造体が同じ形状を有することよって、本発明の光学素子は、より高感度でセンシングを行うことが可能となる。
なお、金属微細構造体の大きさは、光学素子に用いる光の波長よりも小さくする必要がある。
第1の金属微細構造体群、又は第2の金属微細構造体群を構成する金属微細構造体は、固有の周期Aで周期的に配置されていることが好ましい。このように金属微細構造体が固有の周期Aで周期的に配置されていることによって、光学スペクトルの形状・ピークの制御がより容易となる。
(a)周期Aは、金属微細構造体に表面プラズモンを誘起する光の波長の自然数倍となる長さであることが好ましい。なお、ここで、「表面プラズモンを誘起する光の波長」とは、表面プラズモンを誘起する金属微細構造体表面近傍での有効屈折率を考慮した実効的な波長を表す。周期Aを、各金属微細構造体に表面プラズモン共鳴を誘起する光の波長の自然数倍とすることで、金属微細構造体群の各面内でプラズモン共鳴を誘起する光を閉じ込める作用を強くすることができる。
なお、周期Aは10nm以上、10000nm以下が好ましく、200nm以上、2000nm以下がより好ましく、400nm以上、1000nm以下が更に好ましい。
各金属微細構造体群は互いに平行となるように配置されていても、非平行となるように配置されていても良い。平行となる配置で作製することが作製手法としては容易であるが、非平行となる配置を取る場合には平行からのズレの角度が光学特性に影響するパラメータとなる。このため、光学特性をより容易に制御することが可能となる。なお、非平行な配置の構造は例えば、楔形の断面形状を有する石英基板などを用いて作製することができる。
(b)また、第1及び第2金属微細構造体群を互いに平行に配置する場合、第1の金属微細構造体群と第2の金属微細構造体群との間隔は、金属微細構造体に表面プラズモンを誘起する光の波長の自然数倍となる長さであることが好ましい。この場合、「表面プラズモンを誘起する光の波長」とは、隣接する金属微細構造体群間内での光の波長とする。このように表面プラズモン共鳴を誘起する光の波長の自然数倍とすることで、これらの群の間を含めた光学素子全体に光を閉じ込めておく作用が強くなる。この結果、光学素子全体ではピーク幅の狭帯域化が可能となる。
また、上記(a)と(b)の構成を有することによって、光学素子全体に光を閉じ込めておく作用が更に強くなる。この結果、光学素子全体ではさらなるピーク幅の狭帯域化が可能となる。
上記周期A及び隣接する金属微細構造体群間の間隔は、表面プラズモン共鳴を誘起する光の波長の完全な自然数倍となっていなくても良い。ただ、基本的には、上記プラズモン共鳴幅程度(半値幅約100nm)以内では一致していることが好ましい。
ここで、第1の金属微細構造体群と第2の金属微細構造体群との間の間隔は100nm以上離れていることが必要であるが、離れすぎていないことが好ましい。これは以下の理由からである。
各金属微細構造体群の面積は有限であり、且つ金属微細構造体からは散乱光が発生する。このため、金属微細構造体群間の間隔が大きいほど、ある金属微細構造体群で散乱された光がそれに隣接する別の金属微細構造体群に到達することなく散逸してしまう割合が増えてしまう。また、金属微細構造体群内での金属微細構造体の間隔が入射光の波長よりも大きい場合には回折光が発生する。これらの回折光を本発明の光学素子からなるべく散逸させないためにも、上述の金属微細構造体群間の間隔は小さい方が好ましい。更に、上述の金属微細構造体群間の空間がある媒質で満たされている場合は、その媒質中の伝播損失が増大することになってしまう。
また、上述の金属微細構造体群が高い反射率を有し反射光が発生する場合、上述の金属微細構造体群で挟まれた空間は一種の共振器を構成することになる。この場合、共振器の特性から、共振器の透過スペクトルには鋭い山が現れ、反射率スペクトルには鋭いディップが現れることになる。上述のスペクトルの山やディップは共振器長が長くなるにつれて次第に本数が増え、非常に先鋭化していく。このため、上述の金属微細構造体群間の距離が増大すると、光学素子全体の光学スペクトルには鋭い山やディップが沢山、現れてしまう。そして上述の各金属微細構造体群が単層の状態で示す光学スペクトルの積とはまったく異なるスペクトルになってしまい好ましくない。すなわち、所望の波長域において、これらのスペクトルの鋭いディップや山の間隔をなるべく広げ、本数を減らすためには共振器長が短い方が好ましい。つまり上述の金属微細構造体群間の間隔は短いほうが好ましい。
ここで、可視光波長域で上述のファブリペロ−共振器による共振器モードのスペクトルの間隔(FSR)を、典型的なLSPRのスペクトル幅である100nm程度以上にすることを考える。この場合、金属微細構造体群間の空間の屈折率を1と仮定すると、上述の金属微細構造体群同士の間隔は1μm以下であることが好ましい。また、屈折率がnである場合には、このn分の1以下の間隔であることが好ましい。
また、第1の金属微細構造体群は誘電体基板により支持されている。ここで「支持」とは誘電体基板上に配置されていても良いし、また誘電体基板中に埋め込まれていても良い。このように誘電体基板上に支持されることによって、光学素子内の光の透過を容易にし、より高精度でセンシングを行うことが可能となる。なお、金属微細構造体群は、誘電体基板の片面又は両面上に配置しても良い。
第1の金属微細構造体群及び第2の金属微細構造体群の少なくとも一方に代えて、複数の微小開口を備えた金属膜を有する光学素子としても良い。典型的には、局在表面プラズモンは、金属と誘電体との界面で生じるため、微小開口を有した金属膜も、第1の金属微細構造体群や第2の金属微細構造体群と同様の機能を発揮しうるからである。この場合、微小開口を備えた金属膜と金属微細構造体群との距離、又は微小開口を備えた金属膜間の距離は、上述の理由により100nm以上離れて積層される。
また、この金属膜は、金、銀、白金、銅及びアルミニウムからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含むことが好ましい。また、微小開口の大きさとしては、光学測定で用いる測定波長以下の大きさである。
以下に例を用いて本発明の実施形態を説明するが、この説明は本発明を何ら限定するものではない。ここでは、例として、標的物質(検体)として抗原を用いて、抗原抗体反応を行った場合を述べる。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態を示す概略図である。まず、本実施形態の光学素子105の構成を説明する。すなわち、誘電体基板101の表面上に、第1の金属微細構造体群102を配置する。また、第1の金属微細構造体群102の上には層間膜104を形成し、層間膜104の上に第2の金属微細構造体群103を配置する。
ここで、光学素子105に測定用の光を照射した際に、金属微細構造体群102と103とが、発生する近接場を介して相互作用を起こさない程度に両群同士の間隔を離しておく必要がある。このために必要な距離は100nm以上である。
なお、第1の金属微細構造体群と第2の金属微細構造体群との間隙(空間)の少なくとも一部に誘電体を含むことが好ましい。このように各群の間の少なくとも一部に誘電体を含むことによって、光学素子内の光の透過を容易にし、より高精度でセンシングを行うことが可能となる。
本実施形態では、第1の金属微細構造体群102及び第2の金属微細構造体群103はAuで構成されている。ここで、金属微細構造体を構成する材料はAuに限定されるわけではなく、導電体であれば特に限定されない。好ましくは、誘電損失が少ない金属であるのが良い。中でも第1及び第2の金属微細構造体群を構成する金属微細構造体は、金、銀、白金、銅及びアルミニウムからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含むことが好ましい。これらの元素を複数、含む形態としては合金、混合物とすることができる。これらの金属から金属微細構造体を構成することによって、より高感度でセンシングを行うことが可能となる。
また、本実施形態では、誘電体基板101及び層間膜104を石英とした。本発明の光学素子において、誘電体基板101と層間膜104を用いる場合、誘電体基板101と層間膜104を構成する物質は同一であっても、異なっていても良い。ただし、誘電体基板101と層間膜104を構成する物質は、光学測定で用いる測定波長において透明度が高い物質であることが好ましい。
本実施形態では、第2の金属微細構造体群103を構成する金属微細構造体106の一部が層間膜104の外部に露出している。そして、金属微細構造体106の露出した表面は、抗体107で修飾されている。
次に、金属微細構造体106の周囲で抗原抗体反応を生じさせ、抗原抗体反応が生じる前後での光学スペクトル信号を比較する。
図2に、抗原抗体反応前後での光学スペクトルの変化を説明する図を表す。まず、抗原抗体反応を行う前の、第1の金属微細構造体群102及び第2の金属微細構造体群103の透過スペクトルを測定する。
さらに、図2中に、第1の金属微細構造体群102の透過スペクトルを透過スペクトル208、第2の金属微細構造体群103の透過スペクトルを透過スペクトル209として示す。従って、これら両方の金属微細構造体群を測定光が透過するように測定系を配置しスペクトル測定をした場合に、光学素子全体として測定されるスペクトルは反応前透過スペクトル210となる。なお、この反応前透過スペクトル210は、透過スペクトル208と透過スペクトル209の積である。
次に、第2の金属微細構造体群103の表面で抗原抗体反応を生じさせ、金属微細構造体の表面で抗原と抗体が結合している状態とする。この状態では、抗原抗体反応が起こることによって、第2の金属微細構造体群103の周囲の誘電率が変化する。この結果、図2に示すように、透過スペクトル209だけが変化し透過スペクトル211となる。従って、抗原抗体反応後に、光学素子全体として測定されるスペクトルは反応後透過スペクトル212となる。なお、前述と同様、反応後透過スペクトル212は透過スペクトル208と透過スペクトル211の積となる。
上記のように、抗原抗体反応前後で、光学素子全体として測定されるスペクトルは反応前透過スペクトル210から反応後透過スペクトル212に変化する。この変化は一般的にスペクトルのピーク波長の変化のみならず、ピークの高さなどの他のパラメータの変化も誘起するため、光学素子周囲での誘電率変化の高感度、高精度測定が可能となる。
ここで、上記実施形態では、光学素子に含まれる複数の金属微細構造体群のうち、一つの金属微細構造体群のみが光学素子表面に露出していた。そして、この露出した金属微細構造体群だけが光学素子周囲での誘電率変化によりその透過スペクトルの変化を生じさせていた。しかしながら、露出する金属微細構造体群の数は一つであっても、複数であっても良い。また、光学素子を構成する全ての金属微細構造体群が露出していても良い。
また、本発明の光学素子では、表面が露出した金属微細構造体群の数やその層を構成する金属微細構造体の形状を適宜、制御することができる。このように制御することで、光学素子全体の透過スペクトルの形状や、光学素子周囲の誘電率が変化した場合の透過スペクトルの変化も制御することが可能となる。この結果、高感度、高精度なセンシングを可能とするスペクトル形状、及びスペクトル変化を発現させることができる。
(第二実施形態)
また、図8は本発明の光学素子の他の一実施形態を示したものである。この光学素子では、図8(a)及び(b)に示されるように、金属微細構造体602を有する第2の金属微細構造体群603と、第1の金属微細構造体群604が、誘電体基板605の両面上に配置されている。また、各金属微細構造体群を構成する金属微細構造体602の表面は、抗体601で修飾されている。
この光学素子において、各金属微細構造体群の透過スペクトルが同一な場合、各群及び光学素子全体の透過スペクトルは図9に示すようなものとなる。すなわち、第2の金属微細構造体群603の透過スペクトルは透過スペクトル906、第1の金属微細構造体群604の透過スペクトルは透過スペクトル907であり、光学素子全体の透過スペクトルは反応前透過スペクトル908となる。
ここで、この光学素子612の周囲で抗原抗体反応を行わせると、第2の金属微細構造体群603の透過スペクトルは透過スペクトル910、第1の金属微細構造体群604の透過スペクトルは透過スペクトル911となる。また、光学素子612全体の透過スペクトルは、透過スペクトル910と透過スペクトル911の積となるため、反応後透過スペクトル909となる。この結果、反応後透過スペクトル909として、図のように急峻な部分を有するスペクトル形状を実現できる。
上記のように図8(a)の光学素子の場合、透過スペクトルの変化を表すスペクトルの形状、特にスペクトルの最大傾斜の角度が急峻となっている。このため、この急峻なスペクトル変化をする波長域を用いて計測することで高感度、高精度センシングが可能になる。
(第三実施形態)
図6に本発明の他の実施形態を示す。この光学素子では、第2の金属微細構造体群に代えて、複数の微小開口を有する金属膜が設けられている。すなわち、第1の金属微細構造体群に代えて、複数の微小開口を有する金属膜を設けても良い。さらに、第1の金属微細構造体群および第2の金属微細構造体群の双方を複数の微小開口を有する金属膜に置換しても良い。
この微小開口は同一の形状を有していることが好ましい。この場合、金属膜に設けられた微小開口同士は同じ形状となる。なお、双方の金属微細構造体群を金属膜に置換した場合、各金属膜の微小開口同士は同じ形状であっても、異なる形状であっても良いが、同じ形状であることが好ましい。このように微小開口が同一の形状を有することにより、光学素子の透過光の光学特性を制御しやすくなる。典型的には、この微小開口は直方体状であるが、これに限定されない。
金属膜に設けられている複数の微小開口は、固有の周期Bで周期的に配置されていることが好ましい。このように微小開口が固有の周期Bで周期的に配置されていることによって、光学スペクトルの形状・ピークの制御がより容易となる。
周期Bは、微小開口に表面プラズモンを誘起する光の波長の自然数倍となる長さであることが好ましい。なお、ここで、「表面プラズモンを誘起する光の波長」とは、表面プラズモンを誘起する微小開口近傍での有効屈折率を考慮した実効的な波長である。周期Bを、各微小開口に表面プラズモン共鳴を誘起する光の波長の自然数倍とすることで、金属微細構造体群の各面内でプラズモン共鳴を誘起する光を閉じ込める作用を強くすることができる。
なお、周期Bは100nm以上、10000nm以下が好ましく、200nm以上、2000nm以下がより好ましく、400nm以上、1000nm以下が更に好ましい。
(センサ装置)
本発明のセンサ装置は、上記の光学素子と、光学素子に光を照射可能な光源と、光学素子からの透過光を検出可能な検出器と、検体を保持する容器と、を備える。このセンサ装置を模式的に表した一例を図5に示す。
このセンサ装置では、本発明に係る金属微細構造体群または金属膜を有した光学素子505が配置され、この上方に光源501が設けられている。また、光源501の反対側には、分光検出器(検出器)506が設けられており、光学素子505からの透過光を検出可能となっている。また、容器(図示していない)には、検体が保持されており、注入口502を介して反応ウェル503まで流すことができるようになっている。また、光学素子505に付着しなかった検体は排出口504を介して排出されるようになっている。
なお、この注入口502−反応ウェル503−排出口504間には洗浄液など検体以外のものを流すこともできる。また、この光源は、金属微細構造体または金属膜に表面プラズモンを誘起する波長の光を照射可能に構成されていることが好ましい。
(センシング方法)
本発明のセンシング方法は、上記のセンサ装置を用いるものであり、以下の工程を有する。
検体を準備する工程、
光源から光学素子に光を照射し、検出器により光学素子からの透過光を光学スペクトル1として測定する工程、
光学素子を検体で処理する処理工程、
光源から処理工程後の光学素子に光を照射し、検出器により光学素子からの透過光を光学スペクトル2として測定する工程、
光学スペクトル1と2の変化を計測することにより、検体を検知する検知工程。
この具体的なセンシング方法としては、図5のセンサ装置を用いた上記各実施形態の方法を使用することができる。また、検体として生体分子を用いることができる。本発明のセンシング方法では、微量の生体分子であっても高感度で検出可能なため、有効な方法である。そして、上記検知工程において、光学スペクトル1と2の変化量を測定することにより、検体の濃度を検知することが好ましい。この場合、予め既知濃度の試料を用いて、その濃度とスペクトル変化量との関係を検量線として求めておく。そして、実際に測定した光学スペクトル1と2の変化量と検量線とを比較することによって、検体の濃度を検知することができる。
(光学素子の製造方法)
本発明の、第1の光学素子の製造方法は、以下の工程を有する。
誘電体基板を準備する工程、
誘電体基板上に導電膜Aを成膜する工程、
導電膜Aをパターニングすることによって、誘電体基板上に、複数の金属微細構造体が配置されてなる第1の金属微細構造体群を形成する工程、
誘電体基板上に形成した第1の金属微細構造体群上に誘電体膜及び導電膜Bをこの順に成膜する工程、
導電膜Bをパターニングすることによって、金属微細構造体が配置されてなる第2の金属微細構造体群を形成する工程。
この製造方法ではまず、誘電体基板を準備する。次に、スパッタ装置、CVD装置、蒸着装置を用いて、誘電体基板上に導電膜Aを成膜する。次に、収束イオンビーム加工装置(FIB)や、レジスト塗布後に電子ビーム描画装置やステッパー等の露光装置、ドライエッチングプロセス、リフトオフプロセス等を用いて、導電膜Aをパターニングする。この際、パターン形状としては、所望の大きさ・間隔を有するパターンを形成することができる。これによって、誘電体基板上に複数の金属微細構造体が配置されてなる第1の金属微細構造体群を形成する。
次に、スパッタ装置、CVD装置、SOG装置を用いて、このパターン上に誘電体膜を形成する。この後、スパッタ装置、CVD装置、蒸着装置を用いて、誘電体膜上に導電膜Bを成膜する。次に、収束イオンビーム加工装置(FIB)や、レジスト塗布後に電子ビーム描画装置やステッパー等の露光装置、ドライエッチングプロセス、リフトオフプロセス等を用いて、導電膜Bをパターニングする。この際、パターン形状は、所望のものを選択することができる。これによって、誘電体膜上に複数の金属微細構造体が配置されてなる第2の金属微細構造体群を形成する。
なお、この製造方法では、必要に応じて上記のように誘電体膜と金属微細構造体群の形成を繰り返すことによって、所望の誘電体膜と金属微細構造体群を有する光学素子を製造できる。
また、この製造方法では、必要に応じて上記のように誘電体膜と金属膜の形成を繰り返すことにより、所望の誘電体膜と金属膜を有する光学素子を製造できる。
本発明の、第2の光学素子の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)複数の誘電体基板を準備する工程、
(2)誘電体基板上に導電膜Cを成膜する工程、
(3)導電膜Cをパターニングして導電膜C内に複数の微小開口を形成する工程、
(4)複数の微小開口を備えた金属膜の外周部直下に誘電体基板が残留するように、誘電体基板を除去した誘電体基板−金属膜の積層体を複数、形成する工程、
(5)複数の誘電体基板−金属膜の積層体をその厚み方向に積層する工程。
この製造方法では、まず、複数の誘電体基板を用意する(工程(1))。次に、スパッタ装置、CVD装置、蒸着装置などを用いて、誘電体基板上に導電膜Cを成膜する(工程(2))。
次に、収束イオンビーム加工装置(FIB)、レジスト塗布後に電子ビーム描画装置やステッパー、ドライエッチングプロセス、リフトオフプロセス等を用いてパターニングすることにより、導電膜C内に複数の微小開口を形成する。これによって、誘電体基板上に微小開口を有した金属膜を形成する(工程(3))。なお、この際、パターン形状としては、所望の大きさ・間隔を有するパターンを形成することができる。
次に、誘電体基板の裏側にレジストをパターニング後、ドライエッチングにより、金属膜の外周部(複数の微小開口を囲む領域の外側)直下に誘電体基板が残留するように、誘電体基板を除去する。これにより、誘電体基板−金属膜の積層体を複数、形成する(工程(4))。ここで、エッチングマスクはレジストに限られるわけではなく、メタルマスクやその他の材質のものでも良い。
次に、これらの複数の誘電体基板−金属膜の積層体をその厚み方向に積層して固定する(工程(5))。この固定方法は、固定ジグを用いて固定する方法でも良いし、その他の固定法や接合法を用いても良い。
以下では実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。
(実施例1)
図4に、本発明の光学素子を用いたセンサ装置及びセンシング方法の例を示す。この光学素子では、支持体(誘電体基板)401の両面上に、複数の金属粒子(金属微細構造体)402からなる2つの金属微細構造体群が配置され、この2つの金属微細構造体群は外部に露出している。また、図4(b)に示すように、この複数の金属粒子としては、同一面上に一辺約300nmの正方形の複数の金属粒子(金属微細構造体)が、各金属粒子間の隙間を約800nm空けて正方格子状に配置されている。
この支持体401は厚さ約550μmの石英であり、2つの金属微細構造体群は550μm、離れている。なお、支持体401は石英に限られるわけではなく、光学スペクトルを測定する波長域に対して透過率が高い物質であることが好ましい。また、支持体の厚さもこれに限るものではない。
支持体401上の金属粒子402は厚さ約20nmのAu薄膜である。なお、この金属粒子402の厚さは、これに限られるわけではない。また、金属粒子402の材質もこれに限定されないが、表面プラズモン共鳴を発生し得る材質であることが好ましい。特に、Ag、Cu、Pt、Alなどの誘電損失が小さい金属が好ましい。また、半導体などその他の金属物質でも良い。
次に、この金属粒子402の表面を抗体で修飾する。この抗体による、金属粒子402の表面の修飾方法としては以下の方法を挙げることができる。
例えば、抗体として抗AFP(α―fetoprotein)抗体を金属粒子402のAu表面に固定化することができる。この場合、金属粒子402のAu表面に、チオール基を有する11−Mercaptoundecanoic acidのエタノール溶液を、スポッタ等で滴下する。これにより、金属粒子の表面にカルボキシル基を露出させる。
次に、上記と同様にして金属粒子402のAu表面に、N−Hydroxysulfosuccinimide水溶液及び1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl carbodiimide hydrochloride水溶液を、スポッタ等で反応領域に滴下する。これによって、金属粒子の表面にスクシンイミド基を露出させる。
次に、金属粒子の表面をストレプトアビジンと反応させることによって、ストレプトアビジンで修飾する。そしてこの微粒子にビオチン化した抗AFP抗体を固定化させる。この結果、金属粒子402の表面は、図4(c)の様に、抗体403で修飾された状態となり、金属粒子の表面は抗原と反応が可能な表面となる。
次に、このようにして抗体403を金属粒子の表面に固定化した光学素子を備えたセンサ装置を用いて、抗原抗体反応及び光学スペクトルの測定を行う。この測定は、図5(a)及び図5(b)に示した構成のセンサ装置を用いて行なう。
このセンサ装置では、反応ウェル503内に、本発明に係る光学素子505が配置されている。このセンサ装置では、リン酸緩衝液を注入口502より注入して、反応ウェル503内にリン酸緩衝液を充填する。次に、光源501からの光を光学素子505に導入し、光学素子505からの散乱光を分光検出器506にて分光測定することによって、反応前の光学スペクトル508を測定する。ここで光源501としては、タングステンランプを用いたが、これに限られるわけではない。
そして、次にAFPを含んだ検体を注入口502より注入し、これを反応ウェル503内まで流すことによって、AFPを光学素子505上に捕捉させる。この後、光学素子に補足されなかった検体を排出口504より排出した後、リン酸緩衝液を注入口502より注入し、反応ウェル503の内部を洗浄する。そして、最後にリン酸緩衝液を充填する。次に、光源501からの光を光学素子505に導入し、光学素子505からの透過光を分光検出器506にて分光測定することによって、反応後の光学スペクトル509を測定する。
そして、反応前後の光学スペクトル508及び光学スペクトル509を比較し(図5(b))、局在プラズモン共鳴によるピークのシフト量を求め、このシフト量から標的物質の濃度を検知する。この際、予め濃度が既知のAFP溶液を用いて信号値と濃度との関係を求めておくことで、被測定検体の濃度を求めることが出来る。
以上のように本発明の光学素子を用いることにより高感度の測定が可能となる。なお、本実施例では金属粒子は正方形の薄膜としたが、これに限られるわけではなく、LSPRを誘起する構造であれば良い。また、本実施例では光源の偏光は特に制御していないが、例えば、金属粒子にLSPRを誘起する効率が偏光依存性を有する場合などは偏光を制御しておくことが好ましい。
この光学素子では、透過スペクトルが素子の両面にある金属粒子のスペクトルの積となるため狭帯域化されるという効果を有する。また、本実施例では2つの金属微細構造体群間の間隔が550μmであり、金属粒子に表面プラズモンを誘起する光の波長が支持体中で約1100nmとなるように設計されている。従って、金属微細構造体群間の間隔が光の波長の自然数倍の1/2に構成されており、強い閉じ込め効果によるスペクトルの狭帯域化が可能となる。
(実施例2)
図6に本発明の光学素子を用いたセンサ装置及びセンシング方法の例を示す。
厚さ約525μmの石英からなる誘電体基板601と、誘電体基板601上に金属微細構造体群602が設けられている。この金属微細構造体群602を構成する金属微細構造体606は厚さ約20nmのAu薄膜である。
本実施例では金属微細構造体の材質をAuとしたが、これに限られるわけではない。ただ、金属微細構造体の材質は、プラズモン共鳴を発生し得る材質であることが好ましく、特に、Ag、Cu、Pt、Alなどの誘電損失が小さい金属が好ましい。
誘電体基板601の材質は石英に限られるわけではない。ただ、誘電体基板の材質は光学スペクトルを測定する波長域に対して透過率が高い物質であることが好ましい。
この金属微細構造体群602を構成する金属微細構造体は、図6(b)に示すように、一辺約100nmの正方形状に形成し、隣接する金属微細構造体間を約300nm空けて正方格子状に配置されている。
金属微細構造体群602上には層間膜604が厚さ1000nmで成膜され、この上には金属微細構造体群に代えて、金属膜603が配置されている。この金属膜603は外部に露出しており、金属微細構造体群602と金属膜603間は980nm、離れている。
また、この金属膜603には、正方格子状に開口された微小開口613を設けている。微小開口613は一辺約100nmの正方形状に形成され、隙間を300nm空けて正方格子状に配置されている。本実施例では金属微細構造体602の形状と、微小開口613の形状を同一としたが、本発明の光学素子はこのように同一の構成には限られない。
次に金属薄膜603の表面を抗体で修飾する。
例えば、抗体として抗AFP(α―fetoprotein)抗体を金属薄膜603の表面(Au)に固定化することができる。この場合、金属薄膜603のAu表面に、チオール基を有する11−Mercaptoundecanoic acidのエタノール溶液をスポッタ等で滴下する。これによって、金属薄膜603の表面にカルボキシル基を露出させる。
次に、上記と同様にして金属薄膜603の表面に、N−Hydroxysulfosuccinimide水溶液及び1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl carbodiimide hydrochloride水溶液を同様にスポッタ等で反応領域に滴下する。これによって、金属薄膜603の表面にスクシンイミド基を露出させる。
次に、金属薄膜603の表面を、ストレプトアビジンと反応させることによって、この表面をストレプトアビジンで修飾する。そしてこの構造体にビオチン化した抗AFP抗体を固定させる。この結果、金属薄膜603の表面は、図6(a)の様に、抗体607で修飾された状態となり、金属薄膜603の表面は抗原と反応が可能な表面となる。
次に、このようにして準備した光学素子を用いて測定を行う。なお、本実施例の光学素子を用いた測定方法は、実施例1に準ずる。本実施例のセンサ装置によって測定した光学スペクトルは、図7に示すようになった。
すなわち、検体で光学素子を処理する前の透過スペクトルについては、金属微細構造体群602の透過スペクトル708、金属薄膜603の透過スペクトル709となった。また、検体で光学素子を処理した後の透過スペクトルについては、金属薄膜603の透過スペクトルのみが透過スペクトル711となった。従って、光学素子605全体では、反応前透過スペクトル710、反応後は反応後透過スペクトル712となった。
本実施例のように、透過スペクトル形状がまったく異なる金属微細構造体群と金属薄膜を用いて測定を行うことにより、光学素子全体の透過スペクトルはその形状を大きく変化させることができた。この結果、高感度、高精度な測定が可能となった。
なお、本実施例では、各金属微細構造体606は正方形の薄膜状としたが、金属微細構造体606の形状はこれに限られるわけではない。また、微小開口613の形状も正方形としたが、微小開口613の形状はこれに限られるものではない。金属微細構造体606及び微小開口613の形状は、LSPRを誘起する構造であれば良い。また、本実施例では光源の偏光は特に制御していないが、例えば、金属微細構造体にLSPRを誘起する効率が偏光依存性を有する場合などは偏光を制御しておくことが好ましい。
また、本実施例では金属微細構造体群と金属薄膜との間には層間膜604が設けられている。しかし、金属微細構造体群と金属薄膜との間に設けられる部材は層間膜に限られるわけではなく、空気等や真空を設けても良い。また、金属微細構造体群と金属薄膜との間に、部分的に誘電体等が含まれる構成であっても良い。誘電体等の充填の仕方によって、センシング時に光学素子周囲の誘電率変化によりプラズモン共鳴の条件が変わる金属微細構造体あるいは微小開口の数が変わる。従って、このように充填する材料を変えることによって、センシング時のスペクトルの変化の仕方を変えることが出来る。
(実施例3)
図10に本発明の光学素子を用いたセンサ装置の構成例を示す。本発明のセンサ装置は、送液ポンプ1001、注入口1002、光学素子1003、反応ウェル1004、排出口1005、廃液リザーバ1006から構成されている。また、注入口1002、反応ウェル1004、排出口1005は流路1007によって接続されている。この注入口1002から反応ウェル1004を通って排出口1005までは、流路1007を介してレファレンス液及び検体液が流れるようになっている。
このセンサ装置においては、光源1008からの光を光学素子1003に導入し、この光学素子1003からの透過光を分光計測器1009で分光測定する。そして、このデータを中央演算装置1010に導くことによって、光学素子1003からの透過光の光学スペクトルを測定する。また、中央演算装置1010は、計測結果を表示ユニット1011に表示させると同時に、光源1008の制御信号を発生するようになっている。
ここで、光源1008としてはタングステンランプを用いた。なお、光源の構成はこれに限られず、測定波長域に発光波長が可能な光源であれば特に限定されない。
本発明では、光学素子を用いて上記のようにセンサ装置を構成することにより、高感度なセンシング(例えば、屈折率センシングやバイオセンシング)を行なうことが出来る。
(実施例4)
図11に、本発明の光学素子の製造方法の一例を示す。まず、誘電体基板1101として、厚さ525μmの石英基板を用意した。次に、スパッタ装置を用いて、誘電体基板1101上に、金属層1102としてAu膜(導電膜A)を厚さ20nmで成膜した(図11(a))。なお、この成膜装置としては、スパッタ装置の代わりにCVD装置や蒸着装置などを用いても良い。
次に、収束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて、この金属膜1102をパターニングした。この際、パターン形状としては、1辺200nmの正方形とし、スペースを150nm空けて正方格子状に配置した。これによって、誘電体基板上に複数の金属微細構造体が配置されてなる第1の金属微細構造体群を形成した。
なお、ここで、パターニング方法はFIBに限られない。レジスト塗布後に電子ビーム描画装置やステッパー等の露光装置を用いてパターンを形成した後、ドライエッチングプロセスやリフトオフプロセス等を用いることも可能である(図11(b))。
次に、スパッタ装置を用いて、このパターン上に誘電体層1103としてSiO2を500nm、成膜した。この際、成膜装置はスパッタ装置に限られるわけではなく、CVDやSOGなどを用いても良い。
この後、スパッタ装置を用いて、誘電体層1103上に、金属層1104としてAu膜(導電膜B)を厚さ20nmで成膜した。次に、収束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて、この金属膜1104をパターニングした。この際、パターン形状は、金属膜1102と同様のものとした。これによって、誘電体膜上に複数の金属微細構造体が配置されてなる第2の金属微細構造体群を形成した(図11(c))。
なお、本実施例では2つの金属微細構造体群を形成したが、必要に応じて、上記のように誘電体層と金属微細構造体群の形成を繰り返すことによって、所望の数の誘電体層と金属微細構造体群を有する光学素子を製造できる。
また、金属層1102と金属層1104との間は、図11(c)に示すように誘電体層1103で充填した構成に限定されない。例えば、図11(c)の光学素子に対して、金属層1102と1104をマスクに用いてF系ガスを用いたドライエッチングにより、図12に示すような形状に加工することも可能である。この時、エッチング条件を変化させることで、基板1201に設けられた金属層1202と金属層1204との間の誘電体層1203の形状を変化させることが可能である。例えば、エッチング条件を等方的なエッチング成分が強くなるように設定することで図12の形状をつくることが可能となる。
本実施例の製造方法により、本発明の光学素子の光学特性を、その誘電体層の形状制御により制御することが可能となる。
(実施例5)
図13に、本発明の光学素子の他の製造方法の一例を示す。この製造方法では、まず、誘電体基板1302として、厚さ525μmの石英基板を用意した(工程(1))。次に、スパッタ装置を用いて、誘電体基板1302上に、金属層1301として厚さ200nmのAu膜(導電膜C)を成膜した(工程(2))。但し、成膜装置はスパッタ装置に限られず、CVD装置や蒸着装置などを用いても良い。
次に、収束イオンビーム加工装置(FIB)を用いてこのAu膜をパターニングした。この際、パターン1303の形状は、1辺200nmの正方形開口とし、スペースを300nm空けて正方格子状に配置した。これにより、Au膜内に複数の微小開口を形成した。これにより金属微細構造体群を形成した(工程(3))。
ここで、パターニング方法はFIBに限られない。レジスト塗布後に電子ビーム描画装置やステッパー等を用いてパターン1303を形成した後、ドライエッチングやリフトオフプロセス等を用いても良い。
次に、誘電体基板1302の裏側にレジストをパターニング後、ドライエッチングにより、金属微細構造体群の外周部(線1305の外側の部分;複数の微小開口を囲む領域の外側)1310の直下に誘電体基板が残留するように、誘電体基板を除去した(工程(4))。ここで、エッチングマスクはレジストに限られるわけではなく、メタルマスクやその他の材質の物でも良い。
そして、上記(1)から(4)の工程を繰り返すことにより、所望の数の金属膜1304を製造した。次に、これらの外周部直下に誘電体基板を備えた金属膜をその厚み方向に複数、積層して固定した(工程(5))。この固定には、図14に示すように固定ジグ1401等を用いても良いし、その他の固定法や接合法を用いても良い。
本実施例の製造方法により、自立した金属膜を有する本発明の光学素子を製造することが可能となる。
本発明の光学素子の一実施形態を表す概略図である。 本発明の光学素子の一実施形態の測定結果である。 従来のセンシング技術を表す概略図である。 本発明の光学素子の一実施形態を表す概略図である。 実施例1のセンサ装置及び測定結果を表す図である。 実施例2の光学素子を表す図である。 実施例2の測定結果を表す図である。 本発明の光学素子の一実施形態及び測定結果を表す概略図である。 本発明の光学素子の一実施形態の測定結果である。 実施例3のセンサ装置を表す図である。 実施例4の光学素子を表す図である。 実施例4の光学素子を表す図である。 実施例5の光学素子を表す図である。 実施例5の光学素子を表す図である。
符号の説明
102:第1の金属微細構造体群
103:第2の金属微細構造体群
104:層間膜
105:光学素子
106:金属微細構造体
107:抗体
208:透過スペクトル
209:透過スペクトル
210:反応前透過スペクトル
211:透過スペクトル
212:反応後透過スペクトル

Claims (15)

  1. 局在表面プラズモン共鳴を利用して標的物質の検出を行うためのセンサ素子であって、
    誘電体基板と、
    前記誘電体基板により複数の金属微細構造体が面内方向に支持されている第1の金属微細構造体群と、
    面内方向に複数の金属微細構造体が配置されており、且つ外部に該金属微細構造体の一部が露出している第2の金属微細構造体群とを有し、
    前記第1の金属微細構造体群と、前記第2の金属微細構造体群は100nm以上離れて積層されるとともに、
    前記第1の金属微細構造体は、光照射を受けて前記プラズモン共鳴による第1のスペクトルを有し、
    前記第2の金属微細構造体は、光照射を受けて前記プラズモン共鳴による、第1のスペクトルまたは該第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する、ことを特徴とするセンサ素子。

  2. 前記金属微細構造体は、金、銀、白金、銅及びアルミニウムからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第1の金属微細構造体群、または前記第2の金属微細構造体群を構成する前記金属微細構造体が固有の周期Aで周期的に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記周期Aは、前記金属微細構造体に表面プラズモンを誘起する光の波長の自然数倍となる長さであることを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記第1の金属微細構造体群と、前記第2の金属微細構造体群との間に誘電体を有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の光学素子。
  6. 前記第1の金属微細構造体群と、前記第2の金属微細構造体群との間隔は、前記金属微細構造体に表面プラズモンを誘起する光の波長の自然数倍となる長さであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の光学素子。
  7. 前記第1の金属微細構造体群及び前記第2の金属微細構造体群の少なくとも一方に代えて、複数の微小開口を備えた金属膜を有することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の光学素子。
  8. 前記金属膜は、金、銀、白金、銅及びアルミニウムからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含むことを特徴とする請求項7に記載の光学素子。
  9. 前記微小開口が固有の周期Bで周期的に配置されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の光学素子。
  10. 前記周期Bは、前記微小開口に表面プラズモンを誘起する光の波長の自然数倍となる長さであることを特徴とする請求項9に記載の光学素子。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の光学素子と、
    前記光学素子に光を照射可能な光源と、
    前記光学素子からの透過光を検出可能な検出器と、
    検体を保持する容器と、
    を備えたことを特徴とするセンサ装置。
  12. 前記光源は、前記光学素子を構成する前記金属微細構造体または前記金属膜に表面プラズモンを誘起する波長の光を照射可能に構成されていることを特徴とする請求項11に記載のセンサ装置。
  13. 請求項11又は12に記載のセンサ装置を用いたセンシング方法であって、
    検体を準備する工程と、
    前記光源から前記光学素子に光を照射し、前記検出器により前記光学素子からの透過光を光学スペクトル1として測定する工程と、
    前記光学素子を検体で処理する処理工程と、
    前記光源から前記処理工程後の光学素子に光を照射し、前記検出器により前記光学素子からの透過光を光学スペクトル2として測定する工程と、
    前記光学スペクトル1と2の変化を計測することにより、前記検体を検知する検知工程と、
    を有することを特徴とするセンシング方法。
  14. 前記検体が、生体分子であることを特徴とする請求項13に記載のセンシング方法。
  15. 前記検知工程において、
    前記光学スペクトル1と2の変化量を測定することにより、前記検体の濃度を検知することを特徴とする請求項13又は14に記載のセンシング方法。
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