JP5938585B2 - プラズモンセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ウィルス等の検知に使用できる表面プラズモン共鳴を利用したプラズモンセンサに関する。
図14は、例えば、ウィルス検知等に使用可能な従来のプラズモンセンサ100の断面図である。プラズモンセンサ100は、プリズム101と、プリズム101の下面に配置された表面の平坦な金属層102と、金属層102の下面に配置された表面の平坦な所定の誘電率を有する絶縁層103と、絶縁層103の下面に固定されたアクセプタ104とを有している。
金属層102と絶縁層103との界面には、電子の疎密波である表面プラズモン波が存在している。プリズム101側上方には光源105が配置され、光源105からプリズム101へP偏光された光を全反射条件で入射する。このとき、金属層102と絶縁層103との表面にはエバネセント波が生じている。金属層102において全反射された光は、検波部106において受光され、光の強度が検出される。
ここで、エバネセント波と表面プラズモン波との波数が一致する波数整合条件が満たされると、光源105から供給される光のエネルギーは表面プラズモン波の励起に利用され、反射光の強度が減少する。波数整合条件は、光源から供給される光の入射角に依存する。したがって、入射角を変化させて検波部106で反射光強度を検出すると、ある入射角において、反射光の強度が減少する。
反射光の強度が最小となる角度である共鳴角は、絶縁層103の誘電率に依存している。試料中の被測定物質であるアナライトとアクセプタ104とが特異的に結合して生成された特異的結合物が絶縁層103の下面に構成されると、絶縁層103の誘電率が変化し、これに応じて、共鳴角が変化する。したがって、共鳴角の変化をモニタリングすることにより、アナライトとアクセプタ104との特異的結合反応の結合の強さや結合の速さなどを検知することが可能となる。
プラズモンセンサ100は、P偏光を供給できる光源105と金属層102の上面に配置されるプリズム101とを備えるので、サイズが大きく、複雑になる。
プラズモンセンサ100に類似の従来のプラズモンセンサが特許文献1に記載されている。
特開2005−181296号公報
プラズモンセンサは、保持部と、保持部の下面に配置された第1金属層と、第1金属層の下面に対向する上面を有する第2金属層とを備える。第1金属層と第2金属層との間には媒質を含む試料が充填されるように構成された中空領域が設けられている。第1金属層の面積は保持部の下面の面積よりも小さい。保持部は中空領域に面して接する親水性の領域を有する。
このプラズモンセンサは、小型で簡易な構成で実現することが出来る。
図1は本発明の実施の形態1におけるプラズモンセンサの断面図である。 図2は実施の形態1におけるプラズモンセンサのアクセプタとアナライトの特異的結合を示す概念図である。 図3Aは実施の形態1におけるプラズモンセンサの断面図である。 図3Bは実施の形態1におけるプラズモンセンサの断面図である。 図4Aは実施の形態1におけるプラズモンセンサの電磁界シミュレーション解析モデルの概念図である。 図4Bは実施の形態1におけるプラズモンセンサの電磁界シミュレーション解析モデルの概念図である。 図5は実施の形態1におけるプラズモンセンサの電磁界シミュレーションの解析結果を示す図である。 図6は実施の形態1におけるプラズモンセンサの他の電磁界シミュレーション解析モデルの概念図である。 図7は実施の形態1におけるプラズモンセンサのシミュレーション解析の結果を示す図である。 図8Aは実施の形態1におけるプラズモンセンサのさらに他の電磁界シミュレーション解析モデルの概念図である。 図8Bは実施の形態1におけるプラズモンセンサのシミュレーション解析結果を示す図である。 図9Aは実施の形態1におけるプラズモンセンサのシミュレーション解析結果を示す図である。 図9Bは実施の形態1におけるプラズモンセンサのシミュレーション解析結果を示す図である。 図10Aは実施の形態1における他のプラズモンセンサの断面図である。 図10Bは実施の形態1におけるさらに他のプラズモンセンサの断面図である。 図11は実施の形態1におけるさらに他のプラズモンセンサの断面図である。 図12は本発明の実施の形態2におけるプラズモンセンサの断面図である。 図13Aは実施の形態2における他のプラズモンセンサの断面図である。 図13Bは実施の形態2におけるさらに他のプラズモンセンサの断面図である。 図14は従来のプラズモンセンサの断面図である。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるプラズモンセンサ1の断面図である。プラズモンセンサ1は、金属層2と、中空領域4を介して金属層2に対向して金属層2の下方に配置された金属層3とを有する。金属層2の下面2Bは中空領域4を介して金属層3の上面3Aに対向している。金属層2、3は金、銀等の金属で構成される。中空領域4にはプラズモンセンサ1を使用する際に液体である試料62を充填することができ、実質的に金属層2、3で挟まれている。試料62は、アナライト8と検体9と媒質61とを含有する。媒質61は親水性の液体、親水性のゲル等の親水性の流体よりなり、アナライト8と検体9とを運ぶ。
金属層2は概ね100nm以下の厚みを有するので単体ではその形状を維持できない。金属層2の上面2Aは保持部5の下面5Bに固定され、その形状が保持される。金属層3は保持部6の上面6Aに固定されて保持される。
金属層2の上面2Aから電磁波91が入射する。電磁波91が可視光である場合には、金属層2が金よりなる場合に35nm〜45nmの範囲内の膜厚を有することが望ましい。この範囲外の膜厚では、表面プラズモン共鳴による電磁波91の反射吸収量が少なくなる。
金属層3が金よりなる場合に、100nm以上の膜厚を有することが望ましい。100nm未満の膜厚では入射された電磁波91(可視光)は金属層3を透過し、表面プラズモン共鳴による電磁波91の反射吸収量が小さくなる。このように金属層2は金属層3よりも薄い構成となっている。
金属層2、3間の距離が一定に維持されるように、プラズモンセンサ1は金属層2、3を保持する柱または壁等の間隔保持部71を有していてもよい。この構造により、プラズモンセンサ1は中空領域4を実現することができる。
金属層2の上面2Aの上方、すなわち、金属層2について金属層3の反対の方向には電磁波源92が配置されている。電磁波源92は金属層2の上面2A上方から金属層2へ電磁波91を与える。実施の形態1では、電磁波源92は保持部5の上面5Aに照射されて、保持部5を介して金属層2の上面2A上方から金属層2へ電磁波91を与える。
以下、プラズモンセンサ1の動作について説明する。実施の形態1においては、電磁波91は光であり、電磁波源92は光源である。光源である電磁波源92は、偏光板等の光の偏波を揃える装置を備えていない。図14に示す従来のプラズモンセンサ100と異なり、本発明のプラズモンセンサ1は、P偏光された光だけでなくS偏光された光でも表面プラズモン共鳴を励起させることが可能となる。
金属層2の上方から上面2Aに与えられた電磁波91は金属層2を透過して中空領域4に供給されて金属層3の上面3Aに到達する。電磁波91により金属層2の中空領域4の側である下面2Bに表面プラズモンが発生し、金属層3の中空領域4の側である上面3Aに表面プラズモンが発生する。中空領域4に供給された電磁波91の波数と金属層2の下面2Bに発生する表面プラズモンの波数とが一致した場合には、金属層2の下面2Bに表面プラズモン共鳴が励起される。また、電磁波91と金属層3の上面3Aに発生する表面プラズモンの波数とが一致した場合には、金属層3の上面3Aに表面プラズモン共鳴が励起される。
表面プラズモン共鳴を発生させる周波数は、金属層2の形状の主に厚み、金属層3の形状の主に厚み、金属層2、3間の距離、金属層2の誘電率、金属層3の誘電率、金属層2、3間での媒質61の誘電率と、媒質61の誘電率の分布の少なくとも1つを調整することにより制御可能である。
金属層2の上面2Aの上方には光等の電磁波93を検知する検知部94が配置される。電磁波源92から与えられた電磁波91をプラズモンセンサ1が受けた時にプラズモンセンサ1から反射又は輻射された光等の電磁波93を受信する。
実施の形態1において、金属層2の厚みは概ね100nm以下である。金属層2が100nmより厚い場合、電磁波(光)の中の表面プラズモン共鳴の生じる波長成分が、金属層2を透過しなくなるので、金属層2の下面2Bや金属層3の上面3Aで表面プラズモン共鳴が励起されない。
金属層2は概ね100nm以下の厚みを有するので、それ単体では形状を維持できない。保持部5は金属層2の上面2Aに固定され、金属層2の形状を保持する。保持部5は電磁波91を金属層2へ効率良く供給させる必要があるので、保持部5は電磁波91を減衰させにくい材質で形成される。実施の形態1においては電磁波91は光なので、光を効率的に透過させるガラスや透明プラスチック等の透明な材料で形成される。保持部5の厚みは機械強度的に許容できる範囲で、できるだけ薄い方が好ましい。
金属層3は概ね100nm以上の厚みを有する。金属層3の厚みが100nm未満の場合、金属層2を通過して中空領域4に供給された電磁波の一部が、金属層3を通過して中空領域4の外側へ漏れ出す場合がある。すなわち、本来、表面プラズモン共鳴の励起に利用されるべき電磁波のエネルギーの一部が中空領域4の外へ漏れ出るので、プラズモンセンサ1の感度が低くなる。したがって、金属層2を金属層3よりも薄くすることで、プラズモンセンサ1の感度を高くすることができる。
このような構造により、電磁波源92から供給される光である電磁波91を中空領域4に閉じ込めて表面プラズモン共鳴を励起することができる。表面プラズモン共鳴と共に、表面プラズモンと電磁波91が結合することで表面プラズモンポラリトンが励起され、それにより供給された電磁波91が吸収され、表面プラズモン共鳴の周波数の成分だけ電磁波93として輻射されず、その成分の他の成分が電磁波93として輻射される。
金属層3の下面3Bは保持部6の上面6Aに固定され、その形状を保持される。
プラズモンセンサ1の感度を高くするためには、供給される光等の電磁波91を金属層3に透過させないことが好ましい。したがって、保持部6は光等の電磁波91を遮断する材料より形成されることが好ましい。例えば、保持部6は100nm以上の厚みを有する金属や半導体より形成される。
保持部6の厚みは保持部5の厚みよりも大きいことが好ましい。これにより、プラズモンセンサ1自体の機械的強度を向上させることができ、プラズモンセンサ1の使用時に形状変形等が生じ、センシング特性が変化してしまうことを防止できる。
プラズモンセンサ1においては、金属層2の中空領域4の側である下面2Bに複数のアクセプタ7が配置されている。金属層3の中空領域4の側である上面3Aにアクセプタ7と同様のアクセプタ77が配置されていてもよい。もしくは、プラズモンセンサ1では、金属層2の下面2Bにアクセプタ7が配置されておらず、金属層2、3の下面2Bと上面3Aのうちの金属層3の上面3Aのみにアクセプタ77が配置されていてもよい。
アナライト8を含有する試料62がアクセプタ7に触れると、アクセプタ7とアナライト8とが特異的に結合する。図2はアクセプタ7とアナライト8の特異的結合を示す概念図である。試料62は非特異的検体である検体9と特定的検体であるアナライト8とを含有している。アクセプタ7は非特異的検体9とは特異的に結合せず、アナライト8のみと選択的に特異的結合を起こす。
図3Aと図3Bはプラズモンセンサ1の動作を示す断面図である。図3Aに示すように、真空または空気が充填された中空領域4に、検体9とアナライト8とを含有する試料62が毛細管現象で充填されると、中空領域4の状態、特に誘電率が変化する。これにより、プラズモンセンサ1の表面プラズモン共鳴が発生する周波数である共鳴周波数が変化する。
次に、図3Bに示すように、金属層2の下面2Bに配置されたアクセプタ7とアナライト8とが特異的に結合すると、金属層2の下面2Bの近傍の有機物の厚み及び比誘電率が変化するので、金属層2、3間の媒質61の誘電率及び誘電率の分布が変化する。このように、プラズモンセンサ1の共鳴周波数がアクセプタ7とアナライト8との特異的結合の進行と共に変化する。したがって、共鳴周波数の変化を検知することにより、アクセプタ7とアナライト8との特異的結合の状態、具体的には、特異的結合の強さ、結合スピード等を検知することができる。
アクセプタ7とアナライト8との特異的結合によりプラズモンセンサ1の表面プラズモン共鳴を発生させる周波数の変化について、以下、電磁界シミュレーションを用いて説明する。図4Aと図4Bはそれぞれプラズモンセンサ1の電磁界シミュレーションの解析モデル501、502の概念図である。
図4Aに示す解析モデル501では、金属層2は銀により構成されて30nmの厚みを有する。金属層3は銀により構成されると共に130nmの厚みを有する。金属層2、3間の距離が160nmであり、中空領域4には比誘電率が1.0の空気が充填されている。金属層2の上面2Aの上方と金属層3の下面3Bの下方は空気で充填されている。解析モデル501では、金属層2、3と中空領域4が無限に続いている。
図4Bに示す解析モデル502では、図4Aに示す解析モデル501での金属層2の下面2Bにアナライト8が配置されている。アナライト8の厚みは10nmであり、比誘電率は3.0である。アナライト8と金属層3の上面3Aとの間の距離は150nmであり、中空領域4には比誘電率が1.0の空気が充填されている。金属層2の上面2Aの上方と金属層3の下面3Bの下方は空気で充填されている。解析モデル502では、金属層2、3と中空領域4が無限に続いている。
金属層2、3を構成する銀の誘電関数は「Handbook of Optical Constants of Solids」(Palik,Edward D. in 1998)に記載された屈折率の実験データを変換して作成できる。図4Aと図4Bに示す解析モデル501、502においては、簡易にシミュレーション解析を行うために、アクセプタ7をモデル化していない。
解析モデル501、502の金属層2の上面2Aの法線方向501Nに対して45度の仰角ANから電磁波591を与え、−45度の仰角で金属層2の上面2Aから輻射される電磁波593を検知することにより電磁界シミュレーション解析を行った。
図5は電磁界シミュレーションの結果を示す。図5において、横軸は電磁波591の波長を示し、縦軸は電磁波593の電力の電磁波591の電力に対する比である反射率を示す。図5は解析モデル501、502のそれぞれの反射率R501、R502を示す。
図5に示すように、反射率R501の値は電磁波591の波長が340nm付近で急激に局所的に小さくなる。反射率が小さくなる電磁波の波長である共鳴波長L501付近では、中空領域4に供給された電磁波の波数と金属層2の下面2Bに発生する表面プラズモンの波数とが一致しており、金属層2の下面2Bには表面プラズモン共鳴が励起さていれる。同様に、共鳴波長L501付近で、中空領域4に供給された電磁波591の波数と金属層3の上面3Aに発生する表面プラズモンの波数とが一致するので、金属層3の上面3Aには表面プラズモン共鳴が励起されている。
また、図5に示すように、図4Bに示す解析モデル502の反射率R502の値が局所的に小さくなる共鳴波長L502は解析モデル501の共鳴波長L501より約70nm長い。図4Bに示す解析モデル502の金属層2の下面2Bに付加されたアナライト8の比誘電率の値により、金属層2の下面2Bで励起される表面プラズモン共鳴を発生させる共鳴周波数が低くなるように変化し、結果、共鳴波長が約70nm長くなっている。
このように、図5に示すシミュレーション解析の結果は、金属層2の下面2Bで表面プラズモン共鳴が励起されることを示す。また、金属層2の下面2B近傍の媒質の状態の変化は、共鳴周波数(共鳴波長)の変化を測定することで検知可能である。
プラズモンセンサ1においては、共鳴周波数の変化だけでなく、反射率の変化も検知し、これら2つの指標を同時に使用して金属層2の下面2B近傍の媒質の状態の変化を検出でき、高い検出能力を発揮する事が可能である。中空領域4の媒質の状態とは、中空領域4の一部又は全部に充填されている物質(媒質)の状態、例えばその物質自体の組成や、物質の中空領域4での分布を指している。
プラズモンセンサ1において、アナライト8を含有する試料62の媒質61は液体であり、毛細管現象により中空領域4へ挿入される。しかし、例えば、保持部5の下面5Bのすべてが金属層2で覆われており、且つ、保持部6の上面6Aのすべてが金属層3で覆われていると、金属層2、3は疎水性が強いので、試料62が中空領域4に挿入し難い。実施の形態1におけるプラズモンセンサ1では、金属層2の面積が保持部5の下面5Bの面積よりも小さくなるように構成されている。保持部5は親水性を有する。これにより、図1に示すように、保持部5の下面5Bに金属層2が存在しない領域2Cができる。故に、領域2Cにおいて、親水性を有する保持部5の下面5Bの領域2Cが中空領域4に面して露出する為、試料62を毛細管現象により挿入し易くできる。図1に示すように、親水性を有する保持部5が露出する領域2Cは、保持部5の下面5Bの端部の一部又は全領域に存在する。領域2Cから金属層2の下面2Bに向かう方向D1に試料62を中空領域4に挿入することで試料62が領域2Cに接触し易いので、毛細管現象によって試料62をさらに容易に中空領域4に挿入できる。ただし、親水性を有する保持部5が露出する領域2Cが、保持部5の下面5B端部の一部又は全領域に存在しない構成、例えば、保持部5の下面5Bの中央部に領域2Cが存在する構成であっても、領域2Cが存在しない状態と比較すると、毛細管現象による試料62の挿入容易性は向上できる。また、試料62は方向D1以外の方向で中空領域4に挿入しても試料62が領域2Cに接触することで毛細管現象によって試料62を容易に中空領域4に挿入できる。なお、保持部6は親水性を有していなくてもよい。
実施の形態1において、「中空領域4」とは、試料62を挿入可能な領域を指しており、「保持部5の下面5B」とは、中空領域4及び金属層2に接する面を指しており、「保持部6の上面6A」とは、中空領域4及び金属層3に接する面を指している。
実施の形態1において、「親水性を有した保持部」とは、少なくとも中空領域に接する領域で親水性を有する保持部を指しており、保持部全体が親水性を有する材料で構成されていても良いし、疎水性の材料(例えば樹脂材料)で保持部の大部分が構成され、その保持部のうち、中空領域4に面して接する領域の少なくとも一部にだけ親水性の材料が形成されている構成であっても良い。具体的には、保持部の大部分が疎水性の樹脂で構成され、その樹脂製保持部のうち、中空領域4に接する領域の少なくとも一部にだけ親水性の材料の膜が塗布・形成されていてもよい。
図1に示すプラズモンセンサ1では、アクセプタ7が金属層2の下面2Bに配置されているが、これに限る必要は無く、アクセプタ7、77が金属層2、3の表面に配置されていない構成としても良い。アクセプタ7(77)が金属層2の下面2Bまたは金属層3の上面3Aに配置されていない、すなわちアクセプタ7(77)を備えていないプラズモンセンサ1の中空領域4に任意の液体を挿入し、共鳴周波数の変化、共鳴波長の変化、または共鳴周波数の絶対値を測定することで液体の種類や濃度を検知することができる。これにより、アクセプタ7(77)を金属層2、3の表面に配置する工程を削除する事ができ、プラズモンセンサ1の製造効率の向上を図ることが可能となる。
尚、以下、金属層3の上面3Aにアクセプタ77が配置された場合についての解析結果を説明する。
図6は、プラズモンセンサ1の他の電磁界シミュレーション解析モデル503の概念図である。図6において、図4Aと図4Bに示す解析モデル501、502と同じ部分には同じ参照番号を付す。モデル503では、アクセプタ7は金属層2の下面2Bには配置されておらず、金属層3の上面3Aにアクセプタ77が配置されている。したがって、アナライト8は金属層2の下面2Bには配置されておらず、金属層3の上面3Aに配置されている
図6に示す解析モデル503では、金属層3の上面3Aに配置されたアナライト8は厚み10nm、比誘電率3.0を有する。中空領域4の厚みは150nmであり、比誘電率1.0を有する。
解析モデル503の金属層2の上面2Aの法線方向501Nに対して45度の仰角ANから電磁波591を与え、−45度の仰角で金属層2の上面2Aから輻射される電磁波593を検知することにより電磁界シミュレーション解析を行った。
図7に図4Aと図6に示す解析モデル501、503の電磁界シミュレーションの解析結果を示す。図7において、横軸は電磁波591の波長を示し、縦軸は電磁波593の電力の電磁波591の電力に対する比である反射率を示す。図7は解析モデル501、503のそれぞれの反射率R501、R503を示す。
図7に示すように、金属層3の上面3Aにアナライト8が付着した場合にも共鳴波長の変化が生じている。このことは、金属層3の上面3Aにおいても、表面プラズモン共鳴が発生していることを示している。したがって、アクセプタ7は金属層2の下面2Bには配置されておらず、金属層3の上面3Aにアクセプタ77が配置されていてもよく、プラズモンセンサ1の設計自由度を向上させることができる。
プラズモンセンサ1は、金属層2の下面2Bに配置されたアクセプタ7と、金属層3の上面3Aに配置されたアクセプタ77とを備えていてもよい。これにより、金属層2の下面2Bと金属層3の上面3Aとで発生している表面プラズモン共鳴を共に利用し、より感度の高いプラズモンセンサ1を実現することが可能となる。
図8Aはプラズモンセンサ1の電磁界シミュレーションの解析モデル504の概念図である。図8Aにおける解析モデル504では、中空領域4の比誘電率が2.0である。図8Bは解析モデル504の解析結果を示す。図8Bにおいて、横軸は電磁波591の波長を示し、縦軸は電磁波593の電力の電磁波591の電力に対する比である反射率を示す。解析モデル504は反射率R504を有する。
図5および図7、図8Bに示すように、中空領域4が真空や空気の場合であっても、すなわち高い誘電率を有する固体の誘電体で充填されていない場合であっても、表面プラズモン共鳴が発生する。
プラズモンセンサ1では、金属層2、3間に設けられた中空領域4は固体の誘電体で充填されていない。これにより、アナライト8を含む試料62を中空領域4に注入することでアクセプタ7(77)とアナライト8とを接触させることが可能となる。
また、図8Bに示すように、中空領域4の媒質61を空気または真空として比誘電率を低く設定すると、表面プラズモン共鳴の共鳴波長を短くすることができる。すなわち、同一の共鳴周波数を得るためには、中空領域4を空気または真空で充填したプラズモンセンサ1は、任意の誘電体を充填した中空領域を有するプラズモンセンサと比較して、金属層2、3間の間隔を大きくすることが可能となる。
故に、実施の形態1におけるプラズモンセンサ1のように、中空領域4を比誘電率が概ね1となる空気または真空、若しくは比誘電率の小さな気体で充填することにより、固体の誘電体等を金属層2、3間に充填するプラズモンセンサと比較して、金属層2、3間の間隔を広げることが可能となる。したがって、中空領域4の厚みを大きくすることができるので、アナライト8を含有する試料62を中空領域4に容易に挿入することができる。
また、共鳴周波数において、金属層2、3間の電磁界強度が高次モードで分布していてもよい。すなわち、金属層2、3間に発生する電磁界強度が複数の箇所で局所的に大きくなっていてもよい。図4Aに示す解析モデル501での中空領域4の厚みを10μmに設定した解析モデル505の電磁界シミュレーション結果を図9Aと図9Bに示す。
図9Aに示すモデルの共鳴波長は2883nmであり、図9Aは中空領域4の電界強度の分布を表わしている。図9Aにおいては、説明の簡略化のために、中空領域4のすべての領域における電界分布は示しておらず、一部の領域95のみでの電界分布を表わしている。
図9Aにおいて、金属層2、3間に存在する電界強度は、金属層2から金属層3に向かう位置で周期的に局所的な変化を繰り返しており、金属層2、3の近傍の領域では電界強度は小さい。図9Aでは、金属層2、3間の複数すなわち5つの領域で電界強度が局所的に大きく、基本モードより高い高次モードで電磁界強度が分布している。
金属層2、3間の電磁界強度が高次モードで分布することにより、金属層2、3の間隔を広げることができ、アナライト8が含有されている試料62を中空領域4に容易に挿入することができる。
図9Aに示す解析モデル505では中空領域4の比誘電率は1である。解析モデル505と、解析モデル505の中空領域の比誘電率が1.2である解析モデル506の電磁界シミュレーションの結果である反射率R505、R506を図9Bに示す。
図9Bに示すように、解析モデル505、506共に多数の共鳴波長で表面プラズモン共鳴が発生している。また、中空領域4の媒質61の状態すなわち比誘電率を変えることで共鳴波長が変化する。
このように、中空領域4を厚くした場合に、金属層2、3間に高次モードの電磁界強度分布が発生し、表面プラズモン共鳴が高次の周波数で発生する。
プラズモンセンサ1は、高次モードの周波数で発生する表面プラズモン共鳴を利用して、中空領域4の媒質61の状態の時間的変化を検知することもできる。これにより、金属層2、3間の間隔を広げられるので、アナライト8が含有された試料62を中空領域4に挿入することが容易となる。
尚、実施の形態1における「金属層2の下面2Bの近傍の近傍領域(第1近傍領域)」とは、金属層2の下面2Bに面した領域又は金属層2の下面2Bから所定間隔(樹脂等のスペーサにより離間されたもの)だけ離間された領域を指しており、「金属層3の上面3Aの近傍の近傍領域(第2近傍領域)」とは、金属層3の上面3Aに面した領域又は金属層3の上面3Aから所定間隔(樹脂等のスペーサにより離間されたもの)だけ離間された領域を指している。
尚、実施の形態1において「アクセプタ」とは、特定のアナライト等と特異的結合をする捕捉体を指しており、例えば、抗体、受容体タンパク、アプタマー、ポルフィリン、モレキュラーインプリンティング技術により生成された高分子などを指している。モレキュラーインプリンティング技術とは、テンプレート合成の概念及び技術の一つであり、テンプレート分子に対する相補的構造、および空間を高分子内に構築する事を目的とした技術を指している。高分子内に構築されたこの空間は、高分子合成の過程で、テンプレート分子に対して形状の点でテーラーメイド的に構築されるので、その選択的結合部位として働く事が期待できるものである。モレキュラーインプリンティング技術により生成された高分子とは、例えば、メタクリレート系樹脂やスチレンージビニルベンゼン系樹脂、並びに、アクリル酸あるいはメタクリル酸(機能性モノマー)、N−イソプロピルアクリルアミド(構造構築用モノマー)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(架橋剤)等を用いて構築した分子インプリントハイドロゲル等を指している。
受容体タンパクは、特定的結合のペアについてのデータベースが充実しているため、アクセプタとして受容体タンパクを用いた場合、ターゲット物質を検出するための受容体タンパクを容易に選択することができる。
アクセプタ7、77としてポルフィリンを用いる事により、プラズモンセンサの感度を向上させられる。これは、ポルフィリン自体も、ターゲット物質と特異的に結合する事により吸収スペクトルのピーク波長や吸光度が変化するためである。
アクセプタ7、77としてアプタマーを用いた場合、検出したいターゲット物質に対して特異的結合をするようにアプタマーを設計することができるため、所望のプラズモンセンサを容易に実現できる。また、アプタマーは長期間安定して存在しえるので、長期保存の容易なプラズモンセンサを実現する事ができる。
アクセプタ7、77としてモレキュラーインプリンティング技術により生成された高分子を用いた場合、検出したいターゲット物質に対して特異的結合をするように高分子を容易に設計することができるため、プラズモンセンサの設計対応力を向上させることができる。更に、検出したいターゲット物質に対して特異的結合をする高分子は、アプタマー等に対してサイズを小さくする事ができるため、プラズモンセンサを設計する上で、プラズモン共鳴波長の選択の幅を広げる事ができる。
尚、図1に示すプラズモンセンサ1においては、保持部5の下面5Bの面積が金属層2の面積よりも大きいが、これに限定する必要なく、金属層3の面積が保持部6の上面6Aの面積よりも小さくなるように構成されていても、同様の効果が得られる。
図10Aは実施の形態1における他のプラズモンセンサ1001の断面図である。図10Aにおいて、図1に示すプラズモンセンサ1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図10Aに示すプラズモンセンサ1001では、保持部5の下面5Bの面積が金属層2の面積と同じであり、保持部5の下面5Bは中空領域4に面しても接してもいない。その代わり、プラズモンセンサ1001では、金属層3の面積が保持部6の上面6Aの面積よりも小さく、すなわち、保持部6の上面6Aは中空領域4に面して接している領域3Cを有する。領域3Cは図1に示す領域2Cと同様に親水性を有し、同様の効果が得られる。なお、プラズモンセンサ1001では、保持部5は親水性を有していなくてもよい。
図10Bは実施の形態1におけるさらに他のプラズモンセンサ1002の断面図である。図10Bにおいて、図10Aに示すプラズモンセンサ1001と同じ部分には同じ参照番号を付す。図10Bに示すプラズモンセンサ1002では、保持部5の下面5Bの面積が金属層2の面積より大きく、保持部5の下面5Bは中空領域4に面して接している。さらに、金属層3の面積が保持部6の上面6Aの面積よりも小さく、すなわち、保持部6の上面6Aは中空領域4に面して接している領域3Cを有する。保持部5、6は親水性を有する。すなわち、領域3Cは図1に示す領域2Cと同様に親水性を有し、同様の効果が得られる。
図1に示すプラズモンセンサ1では、保持部5の下面5Bの面積と保持部6の上面6Aの面積とが概ね同じであるが、これに限定する必要はなく、保持部5の下面5Bの面積と保持部6の上面6Aの面積とが異なった構成であってもよい。これにより、中空領域4とそれ以外の領域との境界面を広げる事ができるため、試料62を中空領域4に挿入し易くなる。
図11は実施の形態1におけるさらに他のプラズモンセンサ1003の断面図である。図11において、図1に示すプラズモンセンサ1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図11に示すプラズモンセンサ1003では、保持部5の下面5Bの面積は保持部6の上面6Aの面積より大きい、すなわち上面6Aの面積と異なっている。具体的には、保持部5の下面5Bは領域2Cに繋がって下面5Bの端まで延びる領域202Cをさらに有する。領域202Cは領域2Cと同様に親水性を有する。領域202Cは金属層3に対向していない。試料62を領域202Cに当接させることで、プラズモンセンサ1と試料62との接触面積を増加させることができ、試料62を方向D1でさらに容易に中空領域4に導入することができる。
保持部5、6が親水性を有する場合には、保持部5、6は、例えば、極性を持った官能基をその表面に有した材料よりなる。その官能基としてはOHやNH が挙げられる。表面に官能基OHを有した材料としては、ガラス(SiO)が挙げられる。
上述のように、保持部5、6のうちの一方は親水性を有する。保持部5が親水性を有する場合には金属層2の面積は保持部5の下面5Bの面積よりも小さい。保持部6が親水性を有する場合には金属層3の面積は保持部6の上面6Aの面積よりも小さい。保持部5、6のうちの他方は親水性を有していなくてもよい。
すなわち、保持部5が親水性を有する場合には保持部5の下面5Bは中空領域4に面している領域2Cを有する。保持部6が親水性を有する場合には保持部6の上面6Aは中空領域4に面している領域3Cを有する。
また、保持部5が親水性を有する場合には保持部5の下面5Bの領域2Cは保持部5の下面5Bの端部に位置してもよい。また、保持部6が親水性を有する場合には保持部6の上面6Aの領域3Cは保持部6の上面6Aの端部に位置してもよい。
また、保持部5、6のうちの他方は親水性を有してもよい。
(実施の形態2)
図12は本発明の実施の形態2におけるプラズモンセンサ510の断面図である。図12において、実施の形態1におけるプラズモンセンサ1と同様の構成部位には同じ符号を付す。実施の形態1におけるプラズモンセンサ1と異なり、実施の形態2におけるプラズモンセンサ510では、親水性を有する保持部5が露出する領域2Cが存在せず、すなわち金属層2の面積と保持部5の下面5Bの面積は同じであり、代わりに金属層2の下面2Bに親水性材料層20が配置されている。
図12において、実施の形態2に係るプラズモンセンサ510は、電磁波が供給されるように構成された上面2Aと、下面2Bとを有する金属層2と、金属層2の下面2Bに対向する上面3Aを有する金属層3と、金属層2の上面に配置された保持部5と、金属層3の下面に配置された保持部6と、金属層2と金属層3との距離を一定に維持する間隔保持部71とを備えている。そして、金属層2と金属層3との間には、媒質を含有する試料62で充填されるように構成された中空領域4が設けられている。
実施の形態2に係るプラズモンセンサ510では、金属層2の下面2Bに親水性材料層20が配置されている。親水性材料層20は親水性材料よりなる。例えば、親水性材料層20は、極性を持った官能基をその表面に有した材料よりなる。その官能基としてはOHやNH が挙げられる。表面に官能基OHを有した材料としては、ガラス(SiO)が挙げられる。
親水性材料層20により、実施の形態1のプラズモンセンサ1と同様に、毛細管現象により試料62を中空領域4に容易に挿入することができる。
図12に示すプラズモンセンサ510では、金属層2の下面2Bに親水性材料層20を配置するが、金属層2の下面、保持部5の下面、金属層3の上面、保持部6の上面の内、少なくとも1つの面の一部領域に親水性材料層20が配置されていることで、毛細管現象により試料62を中空領域4に挿入し易い。
図13Aは実施の形態2における他のプラズモンセンサ511の断面図である。図13Aにおいて、図12に示すプラズモンセンサ510と同じ部分には同じ参照番号を付す。図13Aに示すプラズモンセンサ511は、図12に示すプラズモンセンサ510の親水性材料層20の代わりに、金属層3の上面3Aの端部上に設けられた親水性材料よりなる親水性材料層720を備える。親水性材料層720により、プラズモンセンサ511は図12に示すプラズモンセンサ510と同様の効果を有する。
図13Bは実施の形態2におけるさらに他のプラズモンセンサ512の断面図である。図13Bにおいて、図12に示すプラズモンセンサ510と同じ部分には同じ参照番号を付す。図13Bに示すプラズモンセンサ512は、図12に示すプラズモンセンサ510の親水性材料層20に加えて、金属層3の上面3Aの端部上に設けられた親水性材料よりなる親水性材料層720をさらに備える。親水性材料層720により、プラズモンセンサ512は図12に示すプラズモンセンサ510と同様の効果を有する。
尚、親水性材料層20は、図12に示した金属層2の下面2Bに直接的に配置される構成に限る必要はなく、金属層2の下面2Bから一定距離だけ離れた下方領域に親水性材料層20を配置してもよい。例えば、金属層2の下面2Bに親水性材料層20を固着するための接着層を介して親水性材料層20を配置してもよい。親水性材料層20が、中空領域4に面した一部領域に配置されていることで、試料62を中空領域4に毛細管現象により挿入し易くできる。親水性材料層20が、保持部5の下方領域、金属層3の上方領域、保持部6の上方領域に配置された場合にも同様の効果が得られる。
同様に、親水性材料層720は、図13Aと図13Bに示した金属層3の上面3Aに直接的に配置される構成に限る必要はなく、金属層3の上面3Aから一定距離だけ離れた上方領域に親水性材料層720を配置してもよい。例えば、金属層3の上面3Aに親水性材料層720を固着するための接着層を介して親水性材料層720を配置してもよい。親水性材料層720が、中空領域4に面した一部領域に配置されていることで、試料62を中空領域4に毛細管現象により挿入し易くできる。親水性材料層720が、保持部5の下方領域、金属層3の上方領域、保持部6の上方領域に配置された場合にも同様の効果が得られる。
尚、親水性材料層20は、金属層2の下面2B端部の一部又は全領域に存在することで試料62が接触し易い為、毛細管現象による試料の挿入容易性は向上される。ただし、親水性材料層20が、金属層2の下面2B端部の一部又は全領域に存在しない構成であっても、親水性材料層20が存在しない状態と比較すると、毛細管現象による試料の挿入容易性は向上できる。金属層3の上方、または、保持部5の下方、または保持部6の上方に親水性材料層20が配置される場合も同様の効果が得られる。
同様に、親水性材料層720は、金属層3の上面3A端部の一部又は全領域に存在することで試料62が接触し易い為、毛細管現象による試料の挿入容易性は向上される。ただし、親水性材料層720が、金属層3の上面3A端部の一部又は全領域に存在しない構成であっても、親水性材料層720が存在しない状態と比較すると、毛細管現象による試料の挿入容易性は向上できる。金属層2の下方、または、保持部5の下方、または保持部6の上方に親水性材料層720が配置される場合も同様の効果が得られる。
実施の形態1、2において、「上面」「下面」「上方」「下方」等の方向を示す用語はプラズモンセンサの構成部品の相対的な位置関係にのみ依存する相対的な方向を示し、鉛直方向等の絶対的な方向を示すものではない。
本発明におけるプラズモンセンサは小型で簡易な構造を有するので、小型で低コストのバイオセンサ等に利用する事ができる。
1 プラズモンセンサ
2 金属層(第1金属層)
2C 領域(第1領域)
3 金属層(第2金属層)
3C 領域(第2領域)
4 中空領域
5 保持部(第1保持部)
6 保持部(第2保持部)
7 アクセプタ
8 アナライト
20 親水性材料層

Claims (10)

  1. 下面を有する第1保持部と、
    上面を有する第2保持部と、
    電磁波が供給されるように構成されかつ前記第1保持部の前記下面に配置された上面と、下面とを有する第1金属層と、
    前記第1金属層の前記下面に対向する上面と、前記第2保持部の前記上面に配置された下面とを有する第2金属層と、
    を備え、
    前記第1金属層と前記第2金属層との間には媒質を含有する試料が充填されるように構成された中空領域が設けられており、
    前記第1保持部と前記第2保持部のうちの一方は親水性を有し、
    前記第1保持部が親水性を有する場合には前記第1金属層の面積は前記第1保持部の前記下面の面積よりも小さく、
    前記第2保持部が親水性を有する場合には前記第2金属層の面積は前記第2保持部の前記上面の面積よりも小さく、
    前記第1金属層の前記上面に供給された前記電磁波は、前記第1金属層を透過するとともに、前記第1金属層を透過した前記電磁波は、前記第1金属層の前記下面から前記中空領域に導入され、前記第2金属層の前記上面に到達する、プラズモンセンサ。
  2. 前記第1保持部が親水性を有する場合には前記第1保持部の前記下面は前記中空領域に面している第1領域を有し、
    前記第2保持部が親水性を有する場合には前記第2保持部の前記上面は前記中空領域に面している第2領域を有する、請求項1に記載のプラズモンセンサ。
  3. 前記第1保持部が親水性を有する場合には前記第1保持部の前記下面の前記第1領域は前記第1保持部の前記下面の端部に位置し、
    前記第2保持部が親水性を有する場合には前記第2保持部の前記上面の前記第2領域は前記第2保持部の前記上面の端部に位置する、請求項2に記載のプラズモンセンサ。
  4. 前記第1保持部と前記第2保持部のうちの他方は親水性を有する、請求項1に記載のプラ
    ズモンセンサ。
  5. 前記第1金属層の前記下面の近傍の第1近傍領域と、前記第2金属層の前記上面の近傍の第2近傍領域とのうちの少なくとも一方領域に設けられた複数のアクセプタをさらに備えた、請求項1に記載のプラズモンセンサ。
  6. 前記第1保持部の前記下面の面積と前記第2保持部の前記上面の面積とが異なる、請求項1に記載のプラズモンセンサ。
  7. 下面を有する第1保持部と、
    上面を有する第2保持部と、
    電磁波が供給されるように構成されかつ前記第1保持部の前記下面に配置された上面と、下面とを有する第1金属層と、
    前記第1金属層の前記下面に対向する上面と、前記第2保持部の前記上面に配置された下面とを有する第2金属層と、
    前記第1金属層の下方領域、及び、前記第1保持部の下方領域、及び、前記第2金属層の上方領域、及び、前記第2保持部の上方領域の内、少なくとも1つの領域に配置された親水性材料よりなる親水性材料層と、
    を備え、
    前記第1金属層と前記第2金属層との間には媒質を含有する試料で充填されるように構成された中空領域が設けられており、
    前記第1金属層の前記上面に供給された前記電磁波は、前記第1金属層を透過するとともに、前記第1金属層を透過した前記電磁波は、前記第1金属層の前記下面から前記中空領域に導入され、前記第2金属層の前記上面に到達する、プラズモンセンサ。
  8. 前記第1金属層と前記第2金属層との距離を一定に維持する間隔保持部をさらに備えた、請求項7に記載のプラズモンセンサ。
  9. 下面を有する第1保持部と、
    上面を有する第2保持部と、
    電磁波が供給されるように構成されかつ前記第1保持部の前記下面に配置された上面と、下面とを有する第1金属層と、
    前記第1金属層の前記下面に対向する上面と、前記第2保持部の前記上面に配置された下面とを有する第2金属層と、
    を備え、
    前記第1金属層と前記第2金属層との間には媒質を含有する試料が充填されるように構成された中空領域が設けられており、
    前記第1保持部の前記下面と前記第2保持部の前記上面のうちの一方は前記中空領域に面している親水性を有する第1領域を有し、
    前記第1金属層の前記上面に供給された前記電磁波は、前記第1金属層を透過するとともに、前記第1金属層を透過した前記電磁波は、前記第1金属層の前記下面から前記中空領域に導入され、前記第2金属層の前記上面に到達する、プラズモンセンサ。
  10. 前記第1保持部の前記下面と前記第2保持部の前記上面のうちの他方は前記中空領域に面している親水性を有する第2領域を有する、請求項9に記載のプラズモンセンサ。
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