JP5178049B2 - 標的物質検出素子、標的物質検出装置、及び標的物質検出方法 - Google Patents

標的物質検出素子、標的物質検出装置、及び標的物質検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、標的物質検出素子、標的物質検出装置、及び標的物質検出方法に関する。
特許文献1には、基材に固定化された金属微粒子に誘起される局在表面プラズモン共鳴法を利用して金属微粒子近傍の物質を検出する局在表面プラズモン共鳴センサが記載されている。
また、特許文献2には、2次元イメージング表面プラズモン共鳴センサを用いた多成分の同時解析について記載されている。
また、特許文献3には、プラズモン共鳴波長を2つ以上持つロッド形状の金微粒子を用い、吸光物質により特定成分を標識し、多成分が混在した検体から特定成分のみを検出する表面プラズモン共鳴法が記載されている。
特許第3452837号公報 特許第3579321号公報 特開平11−237337号公報
しかしながら、いずれのセンサにおいても、特定の捕捉体によって認識される同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を別個に検出することは困難であった。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、特定の捕捉体によって認識される同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を分別して測定することを目的とする。
本発明は、
同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を同時に検出するための標的物質検出素子であって、
基材と、該基材の表面に設けられた2種類以上の金属構造体と、該2種類以上の金属構造体それぞれの表面に設けられた標的物質捕捉体と、を有し、
前記金属構造体の種類の数は前記標的物質の種類の数以上であることを特徴とする標的物質検出素子である。
前記金属構造体のうち、互いに種類が異なるものは、互いに形状もしくは材質が異なることが好ましい。
前記2種類以上の金属構造体は、同一の種類に属する金属構造体ごとに独立して配置されていることが好ましい。
また、別の本発明は、
同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を検出する標的物質検出装置であって、
前記標的物質検出装置が、
標的物質検出素子と、
標的物質を含む検体を前記標的物質検出素子に接触させる反応機構と、
標的物質検出素子に光を照射するための光源と、
前記標的物質検出素子からの検出シグナルを検出する検出部と、
前記検出シグナルを解析して前記標的物質の定量を行うための解析部と、
を少なくとも有し、
前記標的物質検出素子は、基材と、該基材の表面に設けられた2種類以上の金属構造体と、該2種類以上の金属構造体それぞれの表面に設けられた前記標的物質捕捉体とを有する標的物質検出素子であり、
前記検出部は、前記検体と接触させた前記標的物質検出素子からの出射光のスペクトルを取得した上で、前記スペクトルを前記金属構造体の種類ごとに分別してスペクトルピークを特定し、前記検体接触前後における前記金属構造体の種類毎の前記スペクトルピークの変化を検出シグナルとして取得する検出部であり、
前記解析部は、前記金属構造体の種類ごとに分別して検出された検出シグナルを統合して解析し、前記標的物質の濃度を前記標的物質の種類ごとに算出する解析部であることを特徴とする標的物質検出装置である。
前記金属構造体の種類の数が、前記標的物質の種類の数以上であることが好ましい。
前記検出部が、局在表面プラズモン共鳴を用いて検出する検出部であることが好ましい。
前記解析部が、既知濃度の前記標的物質含有溶液により予め求めておいた検量用データにしたがって前記標的物質の濃度を算出する解析部であることが好ましい。
前記解析部が、多元連立方程式を利用して前記標的物質の濃度を算出する解析部であることが好ましい。
また、別の本発明は、
同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を同時に検出するための標的物質検出方法であって、基材と該基材の表面に設けられた2種類以上の金属構造体と該2種類以上の金属構造体それぞれの表面に設けられた標的物質捕捉体とを有する標的物質検出素子に、
前記複数の互いに種類が異なる標的物質を含む検体を接触させる工程と、
前記標的物質検出素子に光を照射する工程と、
前記標的物質検出素子からの出射光のスペクトルを取得する工程と、
前記スペクトルを前記金属構造体の種類ごとに分別してスペクトルピークを特定し、前記検体接触前後における前記金属構造体の種類毎の前記スペクトルピークの変化を検出シグナルとして取得する検出工程と、
前記金属構造体の種類ごとに分別して検出された検出シグナルを統合して解析し、
前記標的物質の濃度を前記標的物質の種類ごとに算出する解析工程と、
を有することを特徴とする標的物質検出方法である。
前記金属構造体の種類の数が、前記標的物質の種類の数以上であることが好ましい。
また、別の本発明は、
同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を同時に検出するための標的物質検出方法であって、基材と該基材の表面に設けられた、光共鳴モードを複数有する金属構造体と該金属構造体の表面に設けられた標的物質捕捉体とを有する標的物質検出素子に、前記同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を含む検体を接触させる工程と、前記標的物質検出素子に入射光を照射する工程と、前記標的物質検出素子からの出射光のスペクトルを取得する工程と、前記スペクトルから前記複数の光共鳴モードのうち特定の共鳴モードに対応する複数のスペクトルピークを特定し前記複数のスペクトルピークの検体接触前後での変化をスペクトルのピーク毎に検出シグナルとして取得する検出工程と、前記検出シグナルから前記標的物質の濃度を前記標的物質の種類ごとに算出する解析工程と、を有することを特徴とする標的物質検出方法である。
前記検出工程が、局在表面プラズモン共鳴を用いて検出する検出工程であることが好ましい。
前記解析工程が、既知濃度の前記標的物質含有溶液により予め求めておいた検量用データにしたがって前記標的物質の濃度を算出する工程であることが好ましい。
前記解析工程が、多元連立方程式を利用して前記標的物質の濃度を算出する工程であることが好ましい。
また、別の本発明は、基材と、該基材の表面に設けられた2種類以上の金属構造体と、該2種類以上の金属構造体それぞれの表面に設けられた標的物質捕捉体と、を有することを特徴とする標的物質検出素子である。
前記標的物質検出素子は、複数の互いに種類が異なる標的物質を同時に検出するための標的物質検出素子であって、前記金属構造体の種類の数は前記標的物質の種類の数以上であることが好ましい。
前記金属構造体のうち、互いに種類が異なるものは、互いに形状もしくは材質が異なることが好ましい。
前記2種類以上の金属構造体が、同一の種類に属する金属構造体ごとに独立して配置されていることが好ましい。
また、別の本発明は、
標的物質検出素子と、該標的物質検出素子を保持するための保持部と、
前記標的物質検出素子から得られる検出シグナルを検出するための検出部と、
前記検出シグナルを解析して前記標的物質の定量分析を行うための解析部とを少なくとも有する複数種類の標的物質を検出する標的物質検出装置であって、
前記標的物質検出素子は、基材と、該基材の表面に設けられた2種類以上の金属構造体と、該2種類以上の金属構造体それぞれの表面に設けられた前記標的物質捕捉体とを有する標的物質検出素子であり、
前記検出部は、前記標的物質検出素子が有する前記金属構造体の種類ごとに検出シグナルを分別して検出することが可能な検出部であり、
前記解析部は、前記金属構造体の種類ごとに分別して検出された検出シグナルを統合して解析し、前記標的物質の濃度を前記標的物質の種類ごとに算出する解析部であることを特徴とする標的物質検出装置である。
前記金属構造体の種類の数は、前記標的物質の種類の数以上であることが好ましい。
前記解析部は、既知濃度の前記標的物質含有溶液により予め求めておいた検量用データにしたがって前記標的物質の濃度を算出する解析部であることが好ましい。
前記解析部は、多元連立方程式を利用して前記標的物質の濃度を算出する解析部であることが好ましい。
また、別の本発明は、
複数の互いに種類が異なる標的物質を同時に検出するための標的物質検出方法であって、
基材と該基材の表面に設けられた2種類以上の金属構造体と該2種類以上の金属構造体それぞれの表面に設けられた標的物質捕捉体とを有する標的物質検出素子に、
前記複数の互いに種類が異なる標的物質を含む検体を接触させる工程と、
前記標的物質検出素子に光を照射する工程と、
前記標的物質検出素子から得られる検出シグナルを前記標的物質検出素子が有する前記金属構造体の種類ごとに検出シグナルを分別して検出する工程と、
前記金属構造体の種類ごとに分別して検出された検出シグナルを統合して解析し、前記標的物質の濃度を前記標的物質の種類ごとに算出する解析工程と、
を有することを特徴とする標的物質検出方法である。
前記金属構造体の種類の数は、前記標的物質の種類の数以上であることが好ましい。
前記検出工程は、局在表面プラズモン共鳴を用いて検出する検出工程であることが好ましい。
前記解析工程は、既知濃度の前記標的物質含有溶液により予め求めておいた検量用データにしたがって前記標的物質の濃度を算出する工程であることが好ましい。
前記解析工程は、多元連立方程式を利用して前記標的物質の濃度を算出する工程であることが好ましい。
特定の捕捉体によって認識される同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を分別して測定する標的物質検出素子、標的物質検出装置、標的物質検出方法を提供する。
以下、本発明の実施の形態について例を挙げて説明するが、本発明の標的物質検出素子および標的物質検出装置はこれに限定されるものではない。
<第1実施形態>
(標的物質検出素子)
図7は本発明の第1実施形態における検出素子の概念図を示している。
本実施形態の検出素子は、基材1と、前記基材1に固定化された2種類以上の金属構造体2と、前記金属構造体に固定化された標的物質捕捉体3とを有する。なお、図7に記載の2つの金属構造体は、互いに種類が異なり、左側に存在する金属構造体2aの大きさは右側に存在する金属構造体2bの大きさより大きい。なお、本発明および本明細書において、「種類が異なる金属構造体」とは、互いに形状、材質などが異なる金属構造体のことである。また、互いに種類が異なる金属構造体間のこれら形状もしくは材質などの差異は、それぞれの金属構造体間の局在表面プラズモン共鳴状態の差異となる。ここで、「形状が異なる」には、2次元的もしくは3次元的な形状が異なる場合のみならず、同一の形で大きさが異なるいわゆる相似形の場合も含まれることとする。
金属構造体の種類が異なると、金属構造体表面近傍の電磁波すなわち局在表面プラズモンが存在し得る領域(検出可能領域)の大きさは異なる。この点について、図8の概念図を用いて説明する。
図8中、2a、2bはそれぞれ金属構造体であって、図7同様、互いに種類が異なっている。
図8中、2a、2bはそれぞれ金属構造体であって互いに種類が異なっている。なお、本発明および本明細書において、「種類が異なる金属構造体」とは、互いに形状、材質などが異なる金属構造体のことである。また、互いに種類が異なる金属構造体間のこれら形状もしくは材質などの差異は、それぞれの金属構造体間の局在表面プラズモン共鳴状態の差異となる。ここで、「形状が異なる」には、2次元的もしくは3次元的な形状が異なる場合のみならず、同一の形で大きさが異なるいわゆる相似形の場合も含まれることとする。
図8に示す2a、2bは、相似形の場合を概念的に示している。図8(i)、図8(ii)に点線で示しているのは、局在表面プラズモンが存在し得る領域(検出可能領域)9の外周である。本概念図に示す例ではこのように金属構造体の形状が異なることによって、検出可能領域9の大きさが異なっている。
これらの金属構造体それぞれの表面に複数の標的物質を捕捉可能な同一の標的物質捕捉体(図示省略)を配した状態で、この捕捉体によって互いに大きさの異なる標的物質4a、4bを捕捉させる。なお、標的物質4a、4bは、いずれも前記捕捉体によって捕捉されるものである。
図8に示すように、標的物質4a、4bを捕捉させた場合、それぞれの金属構造体の局在表面プラズモン共鳴の変化量は異なる。すなわち、図8(i)に概念的に示される素子と図8(ii)に概念的に示される素子とでは、検出感度が異なる。加えて、これらの素子の検出感度の差異は、標的物質4aのみを捕捉させた場合と標的物質4bのみを捕捉させた場合とで異なる。この点を利用することによって、後述するような多元(本例では二元)連立方程式を作成することができる。この連立方程式を解くことによって、標的物質4a、4bそれぞれの量もしくは濃度を求めることができる。
若干具体的に述べれば、図4のように、複数種類の金属構造体2を基材1上に作製することで、検出可能領域すなわち検出感度の異なる複数の検出素子を得ることが可能となる。検出感度の異なる素子を形成することで、同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を分別して、定量することができる。なお、金属構造体を選定する際は、対象とする標的物質のサイズに適した検出可能領域を有する金属構造体を選定する必要がある。
金属構造体は、局在表面プラズモン共鳴現象を発生させることができる金属の構造体であれば何でも良く、形状に制限はない。このような金属構造体の形状としては、例えば、微粒子形状、リング形状、立方体形状などが挙げられる。
図1の(A)および(B)に微粒子形状の金属構造体の例を示す。微粒子形状は、図1の(A)のように1つの種類の金属材料もしくは合金で形成される微粒子であっても良く、図1の(B)のように、金属コロイドや誘電体を核とし、前記核を金属材料でコーティングしたコアシェル構造の微粒子であっても良い。
図2の(C)〜(F)は、円柱もしくは多角柱の形状を有する金属構造体の例を示している。
また、図2の(G)、〜(K)は、ループ部を有する金属構造体の形状の例を示している。そのうち、(J)は、金属構造体の一部分にループ部を有する形状の例であり、(K)は、リングの内側の形状と外側の形状が異なる例である。また、これらの他に、2以上のループ部を有する金属構造体などを用いても良い。
また、図3の(L)〜(P)は、分岐した部分を有する形状の例を示している。そのうち、(L)は、2本の帯状の線分が交差して突き抜けることにより形成された形状の例である。(M)〜(O)は、線分の交差部において帯状部の少なくとも1つが封止されて、他方の側へ突き抜けていない形状の例であり、図3(P)のように、交差部の角が鋭角に形成されずに、丸く鈍ったような形状となっていても良い。また、帯状部の交差する角度は、直角に限定されるものではない。更に、図3に示す例では、帯状部は直線的に伸びているが、帯状部は曲線的に伸びているものであってもよい。
金属構造体を形成する材料としては、局在表面プラズモン共鳴現象を生じさせる材料であれば、いずれの材料も用いることができる。そのような材料としては、例えば、金、銀、銅、白金及びアルミニウムのいずれかの金属、もしくはそれらの合金などが挙げられる。
また、金属構造体の大きさとしては、金属構造体が微粒子である場合、直径10nm〜500nmの大きさであることが好ましい。また、金属構造体がリング形状や立方体形状などの微粒子以外の形状である場合、金属構造体の大きさは、10nm〜1450nmであることが好ましく、より好ましくは50nm〜450nmである。また、金属構造体の厚さは10nm〜100nmであることが好ましい。金属構造体の大きさをこれらの範囲内とすることで、目的とする検出感度を達成できる局在表面プラズモン共鳴を効果的に生じさせることができる。
なお、金属構造体の大きさとは、基材の金属構造体被形成面と平行な平面での金属構造体における任意の2点間の距離の最大値のこととする。例えば、図16(ア)に示す井桁形状の場合、最大距離は点Xと点Yの間の距離のことである。また、図16(イ)のような矩形リング形状の場合、外周形状のXY間の対角線Lの距離が最大であるのでLを金属構造体の大きさとし、図2(I)に示す円形リング形状では、外周円の直径を金属構造体の大きさとする。
また、図2の(G)〜(K)および図3の(L)〜(P)に示す金属構造体は帯状の部分を基本として構成されている。帯状部分の幅は、金属構造体の形成が可能であり、かつ本発明が目的とする局在表面プラズモン共鳴が得られるものであれば特に限定されないが、10nm〜100nmの範囲とすることが好ましい。金属構造体の帯状部分の幅を10nm〜100nmの範囲とすることで、高感度に検出することができる。この帯状部分の幅は、例えば図2(I)の円形リング形状の場合には、外周円と内周円の半径の差であり、図16に示す形状の場合はWで示される部分である。また、帯状部分の幅は同一金属構造体中で同一であっても、異なる部分があってもよい。
基材上に形成する金属構造体の種類の数は、標的物質の種類の数以上とする。基材上の金属構造体の種類の数は、標的物質の種類の数以上であれば、1つの種類の金属構造体につき1つを基材上に設けても良いし、複数個設けても良い。また、複数種類の金属構造体は、同一の種類に属する金属構造体ごとに独立して配置されることが好ましい。このような配置とすることで、金属構造体の製造効率向上、検出系の構成の簡便化、および各素子からのシグナルの検出の容易な取得を可能にする。
また、独立して配置される場合、同一の基材上に複数種類の金属構造体を設けても良いし、金属構造体の種類ごとに基材を分けて設けても良い。なお、「独立して配置される」とは同一の種類に属する金属構造体ごとに特定の領域に配置され、それらの領域は明確な区別が可能であることである。例えば、図4に示すように、1mm〜10mm角程度の領域に同一の種類に属する金属構造体を規則的に複数個設けて、アレイ状とする。アレイ状とする場合、金属構造体同士の間隔は、好ましくは50nm〜2μm、より好ましくは150nm〜1μmの範囲とする。間隔が狭すぎると、各金属構造体が有する局在表面プラズモン同士が相互作用し、空間的な電場の分布・強度に影響を及ぼしてしまう。その結果、センサー感度が低下してしまう可能性がある。また、間隔が広すぎると、金属構造体の密度が低いことにより信号強度が弱くなるため、特殊な光学系が必要となってしまう。
また以後の明細書において、同一基材上に、捕捉体を表面に有する複数種類の金属構造体を形成した場合も、複数種類の検出素子と表現することとする。
次に金属構造体を表面に有する基材の製造方法について説明する。
その製造方法の一例を図5に示す。
図5に示すように、基材1上に金属膜12をスパッタ法あるいは蒸着法などにより成膜する(図5(B))。そして、前記金属膜12の上に電子線レジスト膜13をスピンコートなどの方法により成膜する(図5(C))。前記電子線レジスト膜13のうち金属構造体を形成する部分にのみ電子線描画装置で露光し、現像してレジストパターンを得る(図5(D))。その後、不要な金属膜をエッチングし(図5(E))、レジストを除去して、アレイ状に配置した金属構造体2を得る(図5(F))。ここで、レジストを露光する装置としては電子線描画装置の他、集束イオンビーム加工装置、X線露光装置、EUV露光装置、エキシマレーザー露光装置などを使用することもできる。
また、図6に示したように、モールド法により作製した微細な凹凸の基材1(図6(1))を用いて金属構造体2を作製することも可能である。この場合、基材1上に、スパッタ法あるいは蒸着法などの方法により金属膜12を成膜する(図6(2))。次に、基材の凹部のみに金属膜12が残るよう研磨することで、基材上に形成された金属構造体2を得る(図6(3))。また、金属膜12が基材1の凹凸よりも薄い場合、図6の(2)の状態を経ることなく(3)の状態となり、金属構造体を得ることができる。この場合、金属構造体2の高さよりも基材1の凸部の高さの方が高くても良い。また、金属構造体2が基材1の凹凸部壁面に成膜されていてもよい。ここで、研磨する代わりに金属膜12をドライエッチングによるエッチバックを利用して除去することも可能である。
金属構造体2を形成する基材1は、光を吸収しない材料である必要があるため、光学的に透明な基材を用いる。このような基材1の材料としては、例えば、ガラス、石英、ポリカーボネートやポリスチレンなどの樹脂およびITOなどを用いることができる。金属構造体2を基材1に形成する際には、金属構造体2と基材1の密着性を向上させるために予め基材にクロムやチタンなどの薄膜を形成した後に金属構造体を形成しても良い。
金属構造体表面に固定化された標的物質捕捉体は標的物質を特異的に捕捉できるものであれば何でも良い。
本発明の標的物質は、特定の捕捉体によって認識される同一の認識部位を有する複数種類の標的物質である。ここで、本発明および本明細書において、「種類が異なる標的物質」とは、特定の捕捉体に結合するという同一の性質を有しているものの、互いに完全に同一ではない標的物質のことである。なお、「完全に同一ではない」とは、標的物質同士に、分子構造、分子量、3次元構造などの差異があることである。また、特定の捕捉体に結合するという同一の性質を有しない複数の標的物質が検体中に存在する場合、それぞれの標的物質と結合する別個の捕捉体を各々金属構造体上に固定化して用いることができる。
そのような標的物質の例としては、同一のサブユニットを有する複数のタンパク質などが挙げられる。例えば、リポタンパク質、アルツハイマー関連マーカー(ADDL:Amyloid β−derived diffusible ligands)、血液凝固第XIII因子などは、同一の被認識部位を有するものの、各々の分子の大きさは異なる。そして、それらの大きさは疾患と重要な関連性を有している。したがって、これらを分別して検出することは重要である。
金属構造体に固定化された捕捉体に標的物質が近づくと図7に示すように特異的に標的物質捕捉体3と標的物質4が複合体を形成し、金属構造体2の表面の誘電率(屈折率)を変化させる。このような標的物質と捕捉体の組み合わせとしては、例えば、抗原−抗体、酵素−基質、糖鎖−たんぱく質、脂質−たんぱく質、RNA−たんぱく質、DNA−DNAなどが挙げられる。すなわち、これらの組み合わせのうち、一方を標的物質とし、他方を標的物質捕捉体として用いることができる。これらの捕捉体は、物理的あるいは化学的な方法により、検出素子の表面に固定化される。物理的な方法による固定化としては、例えば、捕捉体を金属構造体表面に物理吸着させることにより固定化する方法などが挙げられる。また、化学的に固定化する方法としては、例えば、捕捉体を固定化する活性基を有する分子を金属構造体表面に固定化した後に、捕捉体と活性基を化学結合させて固定化する方法などが挙げられる。なお、本発明および本実施形態において、化学結合とは、イオン結合、共有結合、配位結合、金属結合、水素結合を含む概念とする。
本実施形態においては、金属構造体の種類は複数種存在するが、標的物質捕捉体は、全ての金属構造体上に同様の方法で固定化されているものとする。したがって、検体中の標的物質は金属構造体上の捕捉体により、検体中の標的物質の濃度に応じてほぼ一様に捕捉される。
また、標的物質以外のものが非特異的に金属構造体の表面に吸着することを防止するために、金属構造体の表面のうち、捕捉体が固定化された部分以外の部分にブロッキング剤をコーティングすることが好ましい。このようなブロッキング剤としては、例えばスキムミルクやカゼイン、ウシ血清アルブミン、リン脂質、ポリエチレングリコール、デキストラン及びそれらの誘導体などが挙げられる。
検出素子は図4に示すように、反応ウェル7、流路10、インレット5、アウトレット6を有する基板11と張り合わせて標的物質検出基板とすることができる。ここで、本発明および本実施形態において、検出素子とは標的物質を捕捉する捕捉体と、前記捕捉体を表面に有する金属構造体と、前記金属構造体を表面に有する基材とからなるもののこととする。検出素子と標的物質検出基板を張り合わせる場合、基板11の反応ウェル7や流路10が形成されている面と、検出素子8のうち基材1の金属構造体が形成されている面とを貼りあわせて図9のような形状の標的物質検出基板として使用することができる。ここで、反応ウェル7とは、検出素子と検体を接触させるための領域(反応機構)を形成するもののことである。
また、基材1が充分な厚さを有する場合、検出素子8は基板11上に形成されていなくても良く、基材1が基板11の機能(検出素子を保持する機能)を兼ねていても良い。その場合、基材1が反応ウェル、流路、インレットおよびアウトレットを有することが好ましいが、流路、インレット、アウトレットは基材と接触するセルなどによって形成されるものであっても良い。
反応ウェル7や流路10を表面に有する基板11は、基材1と同様、光学的に透明な材料であることが好ましい。具体的には、いわゆるμTAS(Micro Total Analysis System)型の装置で用いられているポリジメチルシロキサン(PDMS)からなるプレートによって、作製することが好ましい。
(検出装置及び検出方法)
次に、前記検出素子を用いた標的物質検出装置および検出方法について図9および図10を用いて説明する。
まず検出装置について説明する。
本実施形態による検出装置は、上記構成の標的物質検出素子と、前記標的物質検出素子から得られる検出シグナルを検出するための検出部と、前記検出シグナルを解析して前記標的物質の定量分析を行うための解析部と、を少なくとも有している。
前記検出部は、光学系と送液系からなる。これらのうち、光学系は光源およびレンズなどからなる光源ユニット14、光検出装置15などからなる。また、送液系は捕捉体を有する基材まで標的物質を移動させて反応させるための反応領域を形成する反応ウェル7、インレット5、アウトレット6、流路10を有する基板11、送液ポンプ16、廃液リザーバ17などからなる。ここで、反応ウェル7、インレット5、アウトレット6の形成方法は前述したように、これらを有する基板と前記標的物質検出素子とを張り合わせることで形成することが好ましい。
光源ユニット14が有する光源は、可視領域から近赤外領域までの波長の光を出すことができるものを用いることが好ましく、光検出装置15は後述するように前記光源から発せられた光のスペクトルもしくは強度などの光の性質を検出することができるものとする。
送液ポンプ16としては、マイクロピストンポンプやシリンジポンプなどを用いる。なお、ここでは送液ポンプを有する場合にのみ説明しているが、送液ポンプを有さないすなわちバッチ系として用いることも可能である。
また、インレット5、アウトレット6はそれぞれ送液ポンプ16、廃液リザーバ17に接続される。
続いて、検出方法について説明する。
送液ポンプ16を用いて、インレット5、流路10を介して標的物質を含む検体溶液を反応ウェル7に満たし、検体溶液と検出素子とを接触させて一定時間インキュベーションを行う。検出素子の金属構造体表面上に設けた捕捉体に標的物質が特異的に結合すると、金属構造体表面での局在表面プラズモン共鳴状態が変化する。この局在表面プラズモン共鳴状態の変化を検出シグナルとして検出する。
図10においては、標的物質検出素子8に、光学ユニット14から発生する光を照射し、反応ウェル7を透過した後の光の透過スペクトルを光検出装置により測定し、検出素子からの出射光のスペクトルを取得する。そして、得られた出射光のスペクトルを金属構造体の種類ごとに分類してスペクトルピークを特定し、検体接触前後における前記金属構造体の種類毎の前記スペクトルピークの変化を検出シグナルとする。なお、出射光のスペクトルは光の透過スペクトルのみならず、吸収スペクトル、散乱スペクトル、反射スペクトルなどでも良い。その中でも、吸収スペクトルのピーク波長の変化あるいは、ピークの吸収強度の変化をシグナルとすることが好ましい。この際、ピークの特定は、スペクトルの極大値もしくは極小値をピークとして特定することが好ましいが、スペクトル上での極大値もしくは極小値の近傍の値をスペクトルピークとしても良い。なお、ここで、スペクトル上での極大値もしくは極小値の近傍の値とは、極大値もしくは極小値を示す波長付近の任意の波長範囲におけるスペクトル上の値のことであり、例えば、極大値もしくは極小値を示す波長±5nmの範囲の波長でのスペクトル上の値である。
また、光のスペクトル変化をシグナルとする場合、分光器を光検出装置とすることができるが、任意の波長の光のみをフィルターなどにより取り出してフォトダイオードなどにより検出することもできる。この場合、例えば特定のピークもしくはピーク近傍の特定波長における検体接触前後での光の強度変化をシグナルとすることができる。また、光の検出を行う前の段階では特定の光を取り出すための光学的なフィルタリングを行わずに出射光を受光し、電気的あるいは解析的にフィルタリングして各種類の金属構造体からの出射光のシグナルとすることもできる。
そして、光検出装置15で測定した結果を中央演算装置18にて、あらかじめ既知濃度の標的物質含有溶液を用いて作成した検量用データと比較、演算し、標的物質の濃度を特定する。
その後、濃度などの測定結果を表示ユニット19に表示する。ここで、検量用データとは、あらかじめ既知濃度の標的物質を用いて作成した連立方程式もしくは連立方程式を形成する関数fn(Xn)のことである。
なお、検量用データを作成する際、複数の標的物質が相互作用することにより、単一成分として溶液中に存在する場合と共存している場合とで検量用データに差が生じる場合には、共存物質を考慮して検量用データを取得する必要がある。すなわち、複数の標的物質が存在する状況における各標的物質のシグナルを測定した検量用データを取得する。また、標的物質同士が相互作用しない場合には、標的物質のみが単一成分として溶液中に存在する状況での検量用データを各々作成しても良い。
任意のある種類αに属する金属構造体からなる検出素子から得られるシグナルは、複数の標的物質それぞれからのシグナルの線形結合となり、一般式(1)に表現されるものとなる。
f1(X1)+f2(X2)+f3(X3)+・・・+fn(Xn)=A (1)
但し、
fn(Xn):ある種類αに属する金属構造体からなる検出素子において、第nの標的物質の濃度がXnである際の濃度応答性を表す関数
Xn:第nの標的物質の濃度
A:ある種類αに属する金属構造体からなる検出素子から得られるシグナル
である。
また、別の種類βに属する金属構造体から得られるシグナルは、一般式(2)に表現されるものになる。
g1(X1)+g2(X2)+g3(X3)+・・・+gn(Xn)=B (2)
但し、
gn(Xn):ある種類βに属する金属構造体からなる検出素子において、第nの標的物質の濃度がXnである際の濃度応答性を表す関数
Xn:第nの標的物質の濃度
B:ある種類βに属する金属構造体からなる検出素子から得られるシグナル
である。
上述したような検量用データの作成によって、あるいは検量用データの数式を積分することによって、具体的な素子における以上のような各等式を導くことができる。
ここで、検体中に標的物質がn種類存在する場合には、基材の表面に金属構造体の種類の数をn以上とする(言い換えると基材の表面にn種類以上の金属構造体を設ける)。これにより、一般式(1)、(2)のようなn個の標的物質の濃度を解とした式(金属構造体の種類それぞれに対応する式)をn個以上得ることが出来ることになる。これらの式からなる連立方程式を解くことで、第nの標的物質の濃度を特定することができる。
したがって、基材上に形成する形状の異なる金属構造体の種類の数を、測定対象とする標的物質の種類と同じ数もしくはそれ以上とする必要がある。なお、異なる種類に属する金属構造体から得られるシグナルは検出部を分けて測定することが好ましいが、各種類に属する金属構造体から得られるシグナルが明確に分かれている場合は検出部を分けないで測定することも可能である。
このような例としては、同一スペクトルや同一強度分布上でピークが明確に分かれている場合などである。ピークが明確に分かれている場合とは、複数のピーク(極大値あるいは極小値)が解析精度に影響をあたえることがない程度に波長が離れている場合である。このような例としては、ピーク間距離がいずれのピークの半値幅よりも離れている場合などが挙げられる。
ここで、検出部を分けて測定する場合には、金属構造体の種類ごとに領域を分けて基材上に配置されていることが好ましい。
なお、必要があれば、シグナルを測定する前にリン酸緩衝液などを洗浄液としてインレット5より導入し、反応ウェル7を洗浄しても良い。また、ここでは、一定時間後のスペクトル変化を静的に測定する場合の方法を記載したが、スペクトルの変化をリアルタイムに測定することも可能である。その場合、時間変化率などを新たな情報として取得することができる。以上の操作を入力ユニット20より入力し、あらかじめHDD21に記録しておいたプログラムをRAM22にロードし、操作を実行する。
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について述べる。
第1実施形態では、2種類以上の金属構造体を有する検出素子に光を入射して検出シグナルを得る。その上で得られた検出シグナルを、金属構造体の種類ごとに分別し、統合して解析することで標的物質の濃度を検出している。それに対し、本形態では、単一構造の金属構造体の構造に起因した複数の光共鳴モードそれぞれでの共鳴ピークのピークシフト量を検出シグナルとして取得し、統合して解析することで、複数の標的物質それぞれの濃度を検出する。具体的な検出シグナルの取得方法としては、複数の共鳴ピークのピークシフト量をそれぞれ解析的に算出する手法や、金属構造体が有する構造によって生じる共鳴を直線偏光光により選択的に共鳴させてピークシフト量を算出する手法があげられる。なお、本発明において、「金属構造体が有する光共鳴モード」とは、金属構造体の構造に存在する共鳴条件のうち特徴的に強度の高いものを言う。
本実施形態では、検出素子、入射光および検出シグナルの分別方法が異なる以外は第1実施形態と同様とする。
(入射光)
本実施形態では、入射光は共鳴波長のピークを検出するのに十分な広域帯の波長を有する。また、複数の光共鳴モードを同時に共鳴させる場合には、入射光は無偏光の光とし、特定の光共鳴モードを選択的に共鳴させる場合には各光共鳴モードに対応した直線偏光を入射する。なお、図21(a)に示すように光の電場の振動方向が、特定の一方向のみに振動している光が直線偏光の光である。また、図21(c)に示すように電場の振動方向が、光の進行方向に対し、垂直な平面内の全方向に振動している光が無偏光の光である。
(検出素子)
本実施形態の検出素子は、金属構造体の形状が第一の実施形態とは異なり、光共鳴モードを複数有する。
本実施形態における金属構造体は、構造の幾何学的な特徴に起因する複数の光共鳴モードを有する。このような金属構造体は、検出を行う配置で金属構造体に光源から光を照射した際の投影図において異方性を有する形状である。ここで、異方性を有する形状とは、前記投影図の法線を軸として90°以内の任意の角度で回転させた時に同一の形状とならない形状のことである。
このような例としては、長方形や楕円形状などが挙げられる。金属構造体の端部の光共鳴モードは他の部分の光共鳴モードと比較して強い。したがって、投影図が長方形形状である場合、長辺方向の光共鳴モードと短辺方向の光共鳴モードの強さが他の共鳴モードの強さに比して強くなる。共鳴モード間での特性差(金属構造体の周囲に染み出す電場の大きさの共鳴モード間における差)が生じる場合、実効的な検出距離が異なるため、結果として、標的物質の違いを各光共鳴モードごとの光応答として捉えることができる。
一方、異方性を有しない形状の例としては、正多角形や円形などの形状である。投影図の形状が正多角形や円形の形状である場合、それらの形状の金属構造体は複数の光共鳴モードを有しているものの、端部の線分長さ(長方形で言うところの長辺、短辺)の差が小さいため、光共鳴モード間での特性差(金属構造体の周囲に染み出す電場の大きさの共鳴モード間における差)が生じにくい。したがって、異方性を有しない形状である場合、各光共鳴モードごとの光応答として捕らえることが困難となる。
なお、上記では、ひとつの金属構造体の形状異方性による効果について示したが、同様の効果は、金属構造体の配列方向の異方性によっても達成することもできる。
(検出方法)
前記金属構造体に前記入射光を入射させることにより、第1の実施形態と同様、2つの検出感度の異なる局在表面プラズモン共鳴を生じさせることができる(図17)。
ここでは、まず入射光として無偏光の光を用いた場合の検出シグナルの取得方法について説明する。
金属構造体に入射光として無偏光の光を入射し、金属構造体を透過、反射あるいは、散乱させて該金属構造体から出射する出射光を受光する。出射光の光を受光する際には、光の波長毎に強度を取得することが可能な分光装置を用いる。この受光光の波長毎の強度を入射光に対する応答特性(応答スペクトル)として得ることができる。この際、応答特性は、入射光量を基準とした相対値として取得することが好ましい。なお、基準とする入射光量は、素子がない部分を透過、反射もしくは散乱した光として取得しても良い。
取得した応答スペクトルは、複数の光共鳴モードに起因する複数のスペクトルピークを有している。ここで、複数のスペクトルピークを特定する際は、極大値、極小値近傍のスペクトルを一定波長範囲で切り出し、その波長区間内にて、スペクトルピークの形状に好適な関数でフィッティングを行い、スペクトルピークを特定することが好ましい。その上で、複数のスペクトルピークの各々のピーク波長あるいは、ピーク強度の数値データを取得する。この複数のスペクトルピークの各々におけるピーク波長もしくはピーク強度における検体接触前後での値の差を検出シグナルとする。なお、スペクトルピークを特定する際のフィッティングに好適な関数としては、ガウス関数、ローレンツ関数、多次関数があるが、これに限定されるものではない。
また、金属構造体に入射光として直線偏光の光を入射した際の検出シグナルの取得方法について説明する。直線偏光の光を入射する場合、金属構造体の端部の光共鳴モードに対応した電場振動を有する光を入射光とする。そして、前述した無偏光の光を入射させた場合と同様な方法により、標的物質検出素子からの出射光のスペクトルを取得する。出射光のスペクトルには、金属構造体の形状に起因した複数の光共鳴モードに由来するスペクトルピークが含まれている。したがって、無偏光の光を照射した場合と同様に、得られたスペクトルから各々のスペクトルピークをフィッティングにより特定する。そして、得られた各々のスペクトルピークにおける検体接触前後での値の差を検出シグナルとする。検出に際しては、偏光方向の異なる複数の直線偏光による特定の共鳴モードの出射光のスペクトルを利用することもできる。
以上より、複数の検出シグナルを得ることで、第一の実施形態と同様に、複数種類の標的物質を捕捉させた場合の多元連立方程式(本例では二元連立方程式)を作成することができる。この連立方程式を解くことによって、同一の認識部位を有する複数種類の標的物質である標的物質それぞれの量もしくは濃度を求めることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(参考例1)
図11に本実施例で用いた検出素子の構造の概略を示す。2種類の大きさの金コロイドは、2cが直径40nmであり、2dが直径100nm(英国BBI社製)であった。基板は、KBM903により表面修飾された石英ガラス基板(信越化学工業株式会社製)とし、前記金コロイド溶液を検出部に一昼夜浸漬して固定化した。次に、標的物質捕捉体の代わりに、モデル系として、微粒子近傍の誘電体としてポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)をスピンコート法によって製膜し、局在表面プラズモン共鳴によるピーク波長のPMMA膜厚依存性を確認した(図12)。なお、PMMA樹脂はアニソールに溶解して用いた。
図12から、金属の表面から離れるほど応答性が減少し、その応答性の変化は素子形状によって異なることがわかった。また、直径の大きい金コロイド素子を用いた場合の方がスペクトルシフト量すなわち感度が良いことが分かった。
(実施例1)
図13に本実施例で用いた検出装置の構造の概略を示す。厚さ625μmの石英板である基材1上に、膜厚20nmの金薄膜を形成した。この金薄膜に電子線描画装置を用いて正方形状の金属構造体2eのパターニングを行なった。この際、各金属構造体は、250nmのスペースを開けてアレイ状に配置し、3mm×3mmの領域で基材に配置した。また、別の基材1上に前記金属構造体とは異なる種類のリング形状の金属構造体2fを同様の方法で作製した。図14に、作製した2種類の金属構造体を有する基材の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。金属構造体の平面形状の外形はSEM画像から、(イ)100nm×100nm及び(ロ)200nm×200nmの大きさの正方形状であることを確認した。また、(ロ)は図14に示すようにリング構造を有しており、リングの帯幅は70nmであった。なお、解像性の高低により、形状は、多少丸みを帯びることはある。
本実施例の金属構造体の吸収スペクトルは、純水中で、700nm近傍及び900nm近傍にピーク波長を有している。
次に、これらの金属構造体を表面に有する基材を用いた検出方法について説明する。
これらの金属構造体を表面に有する基材と、インレット5、アウトレット6、反応ウェル7を有するPDMS基板11とを貼り合わせる。
続いて、金属構造体の表面に捕捉体を付与するため、本実施例で用いる標的物質ADDLの捕捉体である抗ADDL(Amyloid β−derived diffusible ligands)抗体を金の構造体表面に固定する。ADDLは、アルツハイマー病と関連があると考えられているマーカーであり、サブユニットの大きさによって病気の重篤度がわかる。本実施例の金属構造体の材質である金と親和性の高いチオール基を持つ、11−Mercaptoundecanoic acidのエタノール溶液をスポッタ等で2種類の素子上にそれぞれ滴下し、前記構造体表面を修飾する。これにより、構造体表面にカルボキシル基を固体化する。カルボキシル基を固定化した状態で、N−Hydroxysulfosuccinimide(同仁化学研究所社製)水溶液と1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl]carbodiimide hydrochloride(同仁化学研究所社製)水溶液を同様にスポッタにて反応領域に滴下し、カルボキシル基をスクシンイミド基とする。その後、スクシンイミド基にストレプトアビジンを結合させることにより、構造体表面がストレプトアビジンで修飾される。この構造体にビオチン化した抗ADDL抗体を固定させる。
以上により、表面に抗ADDL抗体を有する二種類の検出素子を作製することができる。
続いて、特異的に検体中に含まれる2種類の分子量のADDL濃度を以下の操作により測定することができる。
(1)作製した素子に標的物質であるADDLを含んだ検体をインレット5より導入し、ADDLを金属構造体が有する捕捉体に捕捉させる。
(2)検体を排出し、リン酸緩衝液をインレット5より導入し、反応ウェル7内部を洗浄する。
(3)最後にリン酸緩衝液を充填した後、光を照射して金の構造体の吸収スペクトルを測定する。
図15に反応前と反応後の吸収スペクトルの変化の一例を示す模式図を表す。反応前と反応後を比較すると、特異的な抗原抗体反応によって標的物質が検出素子表面に結合することで吸収スペクトルがシフトし、ピークの吸光度の大きさはa1からa2へ、ピークの吸収波長はλ1からλ2へとシフトする。それぞれの検出素子における、吸収スペクトルのピーク強度あるいはピーク波長のシフト量と、ADDL濃度との相関は、予め分子量及び濃度が既知のADDLコントロール溶液により求めることができる。したがって、以下の連立方程式を解くことにより、未知の濃度であった2種類のサイズの標的物質ADDLの濃度をそれぞれ求めることができる。
200nm角素子ピークシフト量或はピーク強度変化:aX+bY
100nm角素子ピークシフト量或はピーク強度変化:cX+dY
但し、a、b、c、d:既知濃度のADDLより決定した係数
X、Y:2種類のサイズのADDL未知濃度
(実施例2)
図18に本実施例で用いた検出装置の構造の概略を示す。厚さ625μmの石英板である基材1上に、膜厚20nmの金薄膜を形成した。この金薄膜に電子線描画装置を用いて長方形状を有する金の構造体2hのパターニングを行なった。この際、各構造体は、600nmのスペースを開けてアレイ状に配置し、3mm×3mmの領域で基材に配置した。図19に、作製した金の構造体を有する基材の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。金の構造体の平面形状の外形はSEM画像から、300nm×100nmの大きさの長方形形状であることを確認した。なお、解像性の高低により、形状は、多少丸みを帯びることはある。本実施例の金属構造体の吸収スペクトルは、純水中に存在する際に、無偏光の広帯域な光を当てると650nm近傍及び1400nm近傍に特徴的な吸収ピークが観察される。
次に、これらの金属構造体を表面に有する基材を用いた検出方法について説明する。
これらの金属構造体を表面に有する基材と、インレット5、アウトレット6、反応ウェル7を有するPDMS基板11とを貼り合わせる。
続いて、金属構造体の表面に捕捉体を付与するため、本実施例で用いる標的物質ADDLの捕捉体である抗ADDL(Amyloid β−derived diffusible ligands)抗体を金の構造体表面に固定する。ADDLは、アルツハイマー病と関連があると考えられているマーカーであり、サブユニットの大きさによって病気の重篤度がわかる。本実施例の金属構造体の材質である金と親和性の高いチオール基を持つ、11−Mercaptoundecanoic acidのエタノール溶液をスポッタ等で素子上にそれぞれ滴下し、前記構造体表面を修飾する。これにより、構造体表面にカルボキシル基を固体化する。カルボキシル基を固定化した状態で、N−Hydroxysulfosuccinimide(同仁化学研究所社製)水溶液と1−Ethyl−3−[3−dimethylamino]propyl]carbodiimide hydrochloride(同仁化学研究所社製)水溶液を同様にスポッタにて反応領域に滴下し、カルボキシル基をスクシンイミド基とする。その後、スクシンイミド基にストレプトアビジンを結合させることにより、構造体表面がストレプトアビジンで修飾される。この構造体にビオチン化した抗ADDL抗体を固定させる。
以上により、表面に抗ADDL抗体を有する検出素子を作製することができる。
続いて、特異的に検体中に含まれる2種類の分子量のADDL濃度を以下の操作により測定することができる。
(1)作製した素子に標的物質であるADDLを含んだ検体をインレット5より導入し、ADDLを金属構造体が有する捕捉体に捕捉させる。
(2)検体を排出し、リン酸緩衝液をインレット5より導入し、反応ウェル7内部を洗浄する。
(3)最後にリン酸緩衝液を充填した後に無偏光の広帯域な光を照射し、金の構造体の吸収スペクトルを測定する。
図20に反応前と反応後の吸収スペクトルの変化の一例を示す模式図を表す。反応前と反応後を比較すると、特異的な抗原抗体反応によって標的物質が検出素子表面に結合することで吸収スペクトルがシフトする。すなわち、図22に示す金属構造体2が有する端部のうち短い方の端部25に対応する光共鳴モードに対応するスペクトルピークの吸光度の大きさはa1からa2へ、吸収波長はλ1からλ2へ変化し、長い方の端部24に対応する光共鳴モードに対応するスペクトルピークの吸光度の大きさはa3からa4へ、吸収波長はλ3からλ4へとシフトする。なお、図22は直方体である金属構造体を光を照射する方向から見た図である。
上述した例では、広帯域な光の吸収スペクトル全体より、特定の共鳴モードのピーク近傍のスペクトルを選択的に取得したが、入射する広帯域の光の偏光を制御することによって、特定の共鳴モードのピークを取得することも可能である。そのような場合を以下に示す。
図22における端部25に平行な方向に振動する電場を有する直線偏光を入射光とした場合、端部25に対応する光共鳴モードに起因する吸収スペクトルのみ取得することができる。また、同様に、図22における端部24に平行な方向に振動する電場を有する直線偏光を入射光とした場合、端部24に対応する光共鳴モードに起因する吸収スペクトルのみ取得することができる。
これらの場合の吸収スペクトルの変化を図23(a)、(b)に示す。端部25に平行な方向に振動する電場を有する直線偏光を入射光とした場合、端部25に対応する光共鳴モードに起因する吸収スペクトルは、図23(a)に示すように、スペクトルピークの波長がλ1からλ2へと変化し、スペクトルピークの吸光度の大きさがa1からa2へと変化する。また、図22における端部24に平行な方向に振動する電場を有する直線偏光を入射光とした場合、図23(b)に示すように、端部24に対応する光共鳴モードに起因する吸収スペクトルは、スペクトルピークの波長がλ3からλ4へと変化し、スペクトルピークの吸光度の大きさがa3からa4へと変化する。
いずれの方法であっても、図22の金属構造体における端部24および端部25に対応する吸収スペクトルのピークの変化量を得ることができる。
それぞれの検出素子における、吸収スペクトルのピーク強度あるいはピーク波長のシフト量と、ADDL濃度との相関は、予め分子量及び濃度が既知のADDLコントロール溶液により求めることができる。したがって、前述したように、吸収スペクトルのピーク強度あるいはピーク波長のシフト量を取得し、以下の連立方程式を解くことにより、未知の濃度であった2種類のサイズの標的物質ADDLの濃度をそれぞれ求めることができる。
Aの振動方向の電場によって生じるスペクトルピークのシフト量或はピーク強度変化:
aX+bY
Bの振動方向の電場によって生じるピークシフト量或はピーク強度変化:cX+dY
但し、a、b、c、d:既知濃度のADDLより決定した係数
X、Y:2種類のサイズのADDL未知濃度
金属構造体の微粒子形状を例示する模式図である。 金属構造体の各種平面形状を例示する模式図である。 金属構造体の各種平面形状を例示する模式図である。 第1の標的物質検出基板の一例を示す模式図である。 標的物質検出素子の一部を作製する方法を説明する図である。 標的物質検出素子の一部を作製する方法を説明する図である。 第1の実施の形態における標的物質検出素子の例を示す模式図である。 第1の実施の形態における標的物質検出方法の概念を表す模式図である。 第1の実施の形態における標的物質検出装置の一例を示す模式図である。 第1の実施の形態における標的物質検出装置の一例を示すブロック図である。 参考例1の構成例である。 参考例1において金属構造体の表面に作製したPMMAの膜厚と、プラズモン共鳴のピーク波長を比較した図である。 実施例1の標的物質検出装置の模式図である。 実施例1の標的物質検出素子のSEM画像の一例である。 実施例1の検出スペクトル(吸収スペクトル)の変化を示す模式図である。 金属構造体の大きさを測定する測定方法を示す図である。 第2の実施の形態における標的物質検出方法の概念を表す模式図である。 実施例2の標的物質検出装置の模式図である。 実施例2の標的物質検出素子のSEM画像の一例である。 実施例2の検出スペクトル(吸収スペクトル)の変化を示す模式図である。 第2の実施形態における電場の振動方向を示す模式図である。 実施例2において、特定の共鳴モードの吸収スペクトルの変化を示す模式図である。 実施例2の検出スペクトル(吸収スペクトル)の変化を示す模式図である。
符号の説明
1 基材
2 金属構造体
2a 金属構造体(大)
2b 金属構造体(小)
2c 40nmの金属構造体
2d 100nmの金属構造体
2e 正方形状の金属構造体
2f リング形状の金属構造体
3 標的物質捕捉体
4 標的物質
4a 標的物質(大)
4b 標的物質(小)
5 インレット
6 アウトレット
7 反応ウェル
8 検出素子
9 検出可能領域
10 流路
11 基板
12 金属膜
13 電子線レジスト膜
14 光源ユニット
15 光検出装置
16 送液ポンプ
17 廃液リザーバ
18 中央演算装置
19 表示ユニット
20 入力ユニット
21 HDD
22 RAM
23 コリメーターレンズ
24 端部
25 端部

Claims (17)

  1. 同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を同時に検出するための標的物質検出素子であって、基材と、該基材の表面に設けられた2種類以上の金属構造体と、該2種類以上の金属構造体それぞれの表面に設けられた標的物質捕捉体と、を有し、
    前記金属構造体の種類の数は前記標的物質の種類の数以上であることを特徴とする標的物質検出素子。
  2. 前記金属構造体のうち、互いに種類が異なるものは、互いに形状もしくは材質が異なることを特徴とする請求項1に記載の標的物質検出素子。
  3. 前記2種類以上の金属構造体は、同一の種類に属する金属構造体ごとに独立して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の標的物質検出素子。
  4. 同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を検出する標的物質検出装置であって、
    前記標的物質検出装置が、
    標的物質検出素子と、
    標的物質を含む検体を前記標的物質検出素子に接触させる反応機構と、
    標的物質検出素子に光を照射するための光源と、
    前記標的物質検出素子からの検出シグナルを検出する検出部と、
    前記検出シグナルを解析して前記標的物質の定量を行うための解析部と、を少なくとも有し、
    前記標的物質検出素子は、基材と、該基材の表面に設けられた2種類以上の金属構造体と、該2種類以上の金属構造体それぞれの表面に設けられた標的物質捕捉体とを有する標的物質検出素子であり、
    前記検出部は、前記検体と接触させた前記標的物質検出素子からの出射光のスペクトルを取得した上で、前記スペクトルを前記金属構造体の種類ごとに分別してスペクトルピークを特定し、前記検体接触前後における前記金属構造体の種類毎の前記スペクトルピークの変化を検出シグナルとして取得する検出部であり、
    前記解析部は、前記金属構造体の種類ごとに分別して検出された検出シグナルを統合して解析し、前記標的物質の濃度を前記標的物質の種類ごとに算出する解析部であることを特徴とする標的物質検出装置。
  5. 前記金属構造体の種類の数が、前記標的物質の種類の数以上であることを特徴とする請求項4に記載の標的物質検出装置。
  6. 前記検出部が、局在表面プラズモン共鳴を用いて検出する検出部であることを特徴とする請求項4または5に記載の標的物質検出装置。
  7. 前記解析部が、既知濃度の前記標的物質含有溶液により予め求めておいた検量用データにしたがって前記標的物質の濃度を算出する解析部であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の標的物質検出装置。
  8. 前記解析部が、多元連立方程式を利用して前記標的物質の濃度を算出する解析部であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の標的物質検出装置。
  9. 同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を同時に検出するための標的物質検出方法であって、
    基材と該基材の表面に設けられた2種類以上の金属構造体と該2種類以上の金属構造体それぞれの表面に設けられた標的物質捕捉体とを有する標的物質検出素子に、
    前記同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を含む検体を接触させる工程と、
    前記標的物質検出素子に光を照射する工程と、
    前記標的物質検出素子からの出射光のスペクトルを取得する工程と、
    前記スペクトルを前記金属構造体の種類ごとに分別してスペクトルピークを特定し、前記検体接触前後における前記金属構造体の種類毎の前記スペクトルピークの変化を検出シグナルとして取得する検出工程と、
    前記金属構造体の種類ごとに分別して検出された検出シグナルを統合して解析し、前記標的物質の濃度を前記標的物質の種類ごとに算出する解析工程と、
    を有することを特徴とする標的物質検出方法。
  10. 前記金属構造体の種類の数が、前記標的物質の種類の数以上であることを特徴とする請求項9に記載の標的物質検出方法。
  11. 前記検出工程が、局在表面プラズモン共鳴を用いて検出する検出工程であることを特徴とする請求項9または10に記載の標的物質検出方法。
  12. 前記解析工程が、既知濃度の前記標的物質含有溶液により予め求めておいた検量用データにしたがって前記標的物質の濃度を算出する工程であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の標的物質検出方法。
  13. 前記解析工程が、多元連立方程式を利用して前記標的物質の濃度を算出する工程であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の標的物質検出方法。
  14. 同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を同時に検出するための標的物質検出方法であって、基材と該基材の表面に設けられた、光共鳴モードを複数有する金属構造体と該金属構造体の表面に設けられた標的物質捕捉体とを有する標的物質検出素子に、前記同一の認識部位を有する複数種類の標的物質を含む検体を接触させる工程と、前記標的物質検出素子に入射光を照射する工程と、前記標的物質検出素子からの出射光のスペクトルを取得する工程と、前記スペクトルから前記複数の光共鳴モードのうち特定の共鳴モードに対応する複数のスペクトルピークを特定し前記複数のスペクトルピークの検体接触前後での変化をスペクトルのピーク毎に検出シグナルとして取得する検出工程と、前記検出シグナルから前記標的物質の濃度を前記標的物質の種類ごとに算出する解析工程と、を有することを特徴とする標的物質検出方法。
  15. 前記検出工程が、局在表面プラズモン共鳴を用いて検出する検出工程であることを特徴とする請求項14に記載の標的物質検出方法。
  16. 前記解析工程が、既知濃度の前記標的物質含有溶液により予め求めておいた検量用データにしたがって前記標的物質の濃度を算出する工程であることを特徴とする請求項14または15に記載の標的物質検出方法。
  17. 前記解析工程が、多元連立方程式を利用して前記標的物質の濃度を算出する工程であることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の標的物質検出方法。
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