JP4572244B2 - 表面プラズモンセンサー - Google Patents

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    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection
    • G01N21/553Attenuated total reflection and using surface plasmons

Description

本発明は、表面プラズモン共鳴を利用して、検出対象を含む液体又は気体の屈折率を検出する表面プラズモンセンサーに関するものである。
近年、表面プラズモン共鳴を利用した表面プラズモンセンサーが多く開発されている。表面プラズモンセンサーは、検出対象を含む液体又は気体(以下、単に「試料」と言い、検出対象を含まない液体又は気体は、「試料」とは呼ばないこととする。)の屈折率を検出するためのものであり、溶液の濃度測定、蛋白質・高分子の検出等に広範に用いられている。また、表面プラズモンセンサーは、検出対象を含む液体又は気体の屈折率の時間変化を追うことにより、金属膜の該検出対象を吸着する吸着層への該検出対象の吸着過程や反応の時間変化等も検出することができる。
ここで、従来の溶液の濃度を測定するための表面プラズモンセンサーを例として、表面プラズモンセンサーの具体的な構成について説明する。表面プラズモンセンサーは、石英やガラスなどの誘電体基板上に金属膜が形成されており、該金属膜の該誘電体基板が形成されている側とは反対側の面に、検出対象、例えば所定の分子が吸着可能な吸着層が形成されており、該吸着層に対し上記分子を含む溶液を接触させることにより、該分子を該吸着層に吸着させる。
そして、上記表面プラズモンセンサーは、光源から出射された光ビームを上記金属膜の上記吸着層が形成されている面とは反対側の面に照射することにより、上記溶液の屈折率を検出する。さらに、上記表面プラズモンセンサーは、上記溶液の屈折率の検出と同様に、上記分子を含まない溶媒の屈折率も検出し、上記溶媒の屈折率と上記溶液の屈折率との屈折率変化から、上記溶液の濃度を求めるものである。
上記表面プラズモンセンサーでは、上記屈折率を検出するために、表面プラズモン共鳴を利用している。表面プラズモン共鳴とは、誘電体基板上の金属膜に適切な偏光方向及び入射角で光ビームを入射させた場合、該光ビームの該金属膜に平行な方向の波数と、表面プラズモンの波数とが一致すると、共鳴を起こす現象のことである。なお、表面プラズモンとは、金属表面の自由電子が、金属表面に平行な方向に振動する粗密波である。
すなわち、上記表面プラズモンセンサーでは、上記光ビームを上記金属膜に照射したとき、該光ビームが適切な入射角及び偏光方向で該金属膜に入射されると、該光ビームは該金属膜上において表面プラズモンに変換される。そのため、上記光ビームの上記金属膜に対する反射率は、表面プラズモンに変換された分だけエネルギーが利用されるために小さくなる。
図13は、上記表面プラズモンセンサーに関し、上記光ビームを適切な入射角及び偏光方向で上記金属膜に入射した場合の入射角と反射率との関係を示す図である。図13に示すように、横軸を入射角、縦軸を反射率としたグラフとして表現すると、反射率がある入射角で低下していることが分かる。この反射率が低下した部分を、dipという。以下の説明においては、上記dipにおける反射率の最小値を反射率Rminとし、このときの入射角を入射角θminとする。
すなわち、上記適切な入射角とは、上記光ビームのほとんどが上記金属膜上で表面プラズモンに変換される入射角θminである。また、上記適切な偏光方向とは、上記誘電体基板と上記金属膜との間に形成された界面の法線と上記光ビームの光軸とを含む面を入射面とし、該入射面に対して平行な偏光方向(p偏光)である。なお、上記光ビームの偏光方向が、上記入射面に対して垂直な偏光方向(s偏光)では、上記表面プラズモン共鳴は起こらない。
上記表面プラズモンセンサーは、表面プラズモン共鳴を利用して入射角θminを求めることにより、予め計算された入射角θminと上記溶液の屈折率との関係から、該溶液の屈折率を算出することができる。
非特許文献1には、上記金属膜の膜厚及び上記入射角θminは、上記金属膜上に接触する媒質の屈折率に依存していると記載されている。したがって、上記入射角θminと上記反射率との関係は、上記金属膜上に接触する溶媒又は溶液の屈折率に応じて異なる。そのため、上記表面プラズモンセンサーは、上記分子を含まない溶媒を上記金属膜に接触させた場合と、上記分子を含む溶液を上記金属膜に接触させた場合とにおける屈折率変化を検出することができる。
そして、上記表面プラズモンセンサーは、上記屈折率変化を用いて、予め計算された屈折率と上記溶液の濃度との関係から、該溶液の濃度を算出することができる。
上記表面プラズモンセンサーの金属膜の膜厚は、一般に、検出対象を含む液体又は気体の正確な屈折率を検出するために、検出対象を含まない液体又は気体を金属膜に接触させた場合における、光ビームの該金属膜に対する反射率Rminが最も小さくなるように選択される。以下の説明においては、反射率Rminが最も小さくなる金属膜の膜厚を膜厚dと呼ぶ。
ところで、上記従来の表面プラズモンセンサーには、広い屈折率測定範囲と高い分解能とを両立させることが難しいという問題点がある。そこで、上記問題点の解決方法として、特許文献1では、複数のファイバーを用いた表面プラズモンセンサーにおいて、金属膜の上に、屈折率調整層と呼ばれる誘電体層を設け、各ファイバーに対する金属膜又は屈折率調整層の材質や膜厚を変えることで、屈折率の測定範囲を広くしている。さらに、センシング部を設けないファイバーを設けておき、そこからの強度により、光源や検出器の変動をモニタリングしている。
特許文献2では、複数の回折格子面を備え、各回折格子面の回折格子は、同一の溝方向で且つ互いに異なる溝ピッチで構成している。これにより、各回折格子面で異なる角度範囲を測定でき、総合的に広い角度範囲の測定が可能となる。
特開2007−263736号公報(2007年10月11日公開) 特開2003−121350号公報(2003年 4月23日公開) Surface Plasmons on smooth and rough surfaces and on gratings, Heinz Raether, Springer-Verlag, 1988 p.118〜p.123
しかしながら、上記従来技術には、さらに、以下のような問題点が存在する。
特許文献1では、複数のファイバーを用いているため、各ファイバーの特性を同等にする必要があり、ファイバーへの光の入射及び検出器との接続などを、各ファイバーに対して行わなければならないという問題点がある。
特に、センシング部を設けないファイバーからの強度を規格化に利用する場合、ファイバーへの入射強度だけでなく、温度変化などの多くの点で補正を行わなければならないという問題点も生じる。また、複数のファイバーを用いると、ファイバーへの光の接続部もその分だけ必要になり、装置が大型化するとともに、コストがアップするという問題点もある。
特許文献2では、異なる溝ピッチの回折格子を設けるのはコストがかかるという問題点がある。また、吸着層を回折格子のような凹凸構造に設けた場合、回折格子の上面・下面・側壁に吸着層を均一に設けることは非常に困難であり、また不均一のままでは測定精度が下がるという問題点もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、目的は、簡易な構成で、屈折率の測定範囲を広げることができる表面プラズモンセンサーを提供することである。
また、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記課題を解決するために、光源から出射される光ビームの波長において透光性を有する誘電体基板上に形成されており、かつ、検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体を接触させた金属膜と、上記光ビームの各入射角に対する上記金属膜からの反射光を検出する検出手段とを備えており、上記光源から出射された光ビームを上記金属膜の上記液体又は上記気体が接触している面とは反対側の面に照射することにより、上記液体又は上記気体の屈折率を検出する表面プラズモンセンサーにおいて、上記金属膜は、誘電体基板上に互いに近接して形成された第1金属膜及び第2金属膜から構成されており、上記第1金属膜と上記第2金属膜とは、異なる材料で構成されていることを特徴としている。
ここで、光ビームを適切な入射角及び偏光方向で上記金属膜に入射した場合の入射角と反射率との関係を、横軸を入射角、縦軸を反射率としたグラフとして表現すると、反射率がある入射角で、急激に低下して極小となることが分かる。この反射率が低下した部分を、dipという。以下の説明においては、前記dipにおける反射率の最小値を反射率Rminとし、このときの入射角を入射角θminとする。
上記構成によれば、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記光ビームの各入射角に対する上記金属膜からの反射光を検出する検出手段を備えている。それゆえ、光源から出射された光ビームを検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体を接触させた金属膜に照射することによって、生じた反射光を該検出手段が検出することにより、各金属膜における入射角θminを測定することができるようになっている。
すなわち、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記金属膜(第1金属膜及び第2金属膜)からの反射光を測定するものである。
ここで、上記入射角θminと上記検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体の屈折率とは、線形性を持っており、上記検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体の屈折率に対応したdipの位置、すなわち入射角θminの値は、第1金属膜及び第2金属膜の材料に応じて異なる。よって、上記金属膜を第1金属膜と第2金属膜とで構成し、第1金属膜と第2金属膜を異なる材料で構成すると共に、第1金属膜及び第2金属膜のそれぞれの上記検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体の屈折率変化に対応した入射角θminの範囲の組合せを適宜選択することにより、同じ光学系でありながら、広い角度範囲を測定できるようになる。
また、同じ屈折率範囲を測定するのに、入射角θminの測定範囲を狭くすることもできるので、光学系に開口数の低い光学レンズを用いることができ、測定する反射率の角度の分解能が上がるとともに、かつ光学系を小型にすることができる。
また、第1金属膜と第2金属膜とが互いに近接して形成されているため、第1金属膜及び第2金属膜に入射される光ビームが、ほぼ同じ光学系を通過するようにすることができる。よって、第1金属膜による反射光の光路と、第2金属膜による反射光の光路とで、共通の光学部品の点数を多くできるので、装置の大型化やコストアップを招かずに済む。
なお、「第1金属膜と第2金属膜とが互いに近接して」とは、第1金属膜と第2金属膜とが互いに接触せずに近接している場合、及び第1金属膜と第2金属膜とが互いに接触して並列している場合の双方を含む概念である。
また、第1金属膜と、第2金属膜とを、誘電体基板上に互いに近接して形成するだけで良いので、上記共通の光学部品の点数が多い点も考慮すると、表面プラズモンセンサーを含む装置全体の構成を簡易にすることができる。
以上より、簡易な構成で、屈折率の測定範囲を広げることができる表面プラズモンセンサーを提供することができる。
また、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記構成に加えて、上記第1金属膜と上記第2金属膜とは、互いに接した状態で、上記誘電体基板上に並列して形成されており、上記光ビームが上記第1金属膜と上記第2金属膜とにまたがって照射されることが好ましい。
ここで、光ビームを第1金属膜及び第2金属膜に照射する際、各膜に順番に照射してもよいが、光ビームの移動機構が必要であるとともに、光ビームを移動させることで入射角などがずれる虞がある。
しかしながら、上記構成では、第1金属膜及び第2金属膜が、誘電体基板上に互いに接した状態で、並列して形成されており、また、上記光ビームが第1金属膜と第2金属膜とにまたがって照射されるようになっている。よって、第1金属膜による反射光と第2金属膜による反射光が共通となり、光学系を共通の構成とすることができるので、装置の大型化やコストアップを招かずに済む。
また、第1金属膜と第2金属膜とが、共通の光学系で構成されるので、光学系の調整が一度で済む。
さらに、光ビームが第1金属膜と第2金属膜とにまたがって照射されるようになっているので、移動機構を設ける必要がなく、測定時間も短くすることができる。
また、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記構成に加えて、上記第1金属膜と上記第2金属膜との境界線が、上記光ビームの入射角の変化が最も大きくなる方向に対して平行に形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、第1金属膜及び第2金属膜間に形成された境界線は、光ビームの入射角の変化が最も大きくなる方向に対して平行となるように構成されているので、光ビームを上記第1金属膜と上記第2金属膜とにまたがって照射すると共に、該光ビームの入射角を変化させて複数の測定を行なう場合に、第1金属膜及び第2金属膜の両方に対して、その測定範囲が最も広くなるようにすることができる。
また、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記構成に加えて、上記第1金属膜及び上記第2金属膜のいずれか一方の材料は、金を主成分とすることが好ましい。
上記構成によれば、検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体は、第1金属膜及び第2金属膜に直接接触させる。そのため、第1金属膜及び第2金属膜は上記液体又は上記気体によって化学反応を起こさない安定した金属から構成されていることが望ましい。
この点、金は、非常に安定した金属であり、錆びないために耐久性が高く、さらに、表面プラズモンを効率よく励起する。
このため、本発明の表面プラズモンセンサーの第1金属膜及び第2金属膜のいずれか一方の材料として金を用いることにより、上記検出対象を含む液体又は上記検出対象を含む気体によって化学反応を起こさず、該液体又は該気体の屈折率を高い分解能で検出するとともに、第1金属膜及び第2金属膜のいずれか一方の酸化による経時劣化を防ぐことができる。
なお、金には不純物が含まれていてもよいが、一般に不純物濃度が高くなると、反射率のdipが広くなり、検出分解能を下げることになるため、金の純度は高い方が好ましい。
また、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記構成に加えて、上記光源の波長は、600nm以上、1550nm以下であることが好ましい。
ここで、第1金属膜(又は第2金属膜)上に表面プラズモンを励起させるためには、光源から出射される光ビームの波長が重要である。上述したように、上記第1金属膜(又は第2金属膜)は金から構成されていることがもっとも望ましいが、金から構成された該第1金属膜(又は第2金属膜)上に表面プラズモンを励起するためには、600nm〜1550nmの波長の光ビームを該第1金属膜(又は第2金属膜)に照射することが望ましい。
上記光源から約600nm〜約1550nmの波長の光ビームを金から構成された上記第1金属膜(又は第2金属膜)に照射することにより、表面プラズモンの励起効率が高まり、高い分解能で上記検出対象を含む液体又は上記検出対象を含む気体の屈折率を検出することができる。
また、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記構成に加えて、上記第1金属膜の膜厚は、上記検出対象を含まない上記液体又は上記気体を接触させた上記第1金属膜に対する上記光ビームの反射率の最小値が最小となる膜厚dであることが好ましい。
また、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記構成に加えて、上記第2金属膜の膜厚は、上記検出対象を含まない上記液体又は上記気体を接触させた上記第2金属膜に対する上記光ビームの反射率の最小値が最小となる膜厚dであることが好ましい。
上記構成のように、第1金属膜(又は第2金属膜)の膜厚を膜厚dとした場合は、光ビームの第1金属膜(又は第2金属膜)に対する反射率の最小値Rminと、反射率Rminにおける光ビームの第1金属膜(又は第2金属膜)に対する入射角θminとが最小値となる。したがって、第1金属膜(又は第2金属膜)からの反射光強度測定の際、入射角θminの検出時のS/Nを高くすることができ、測定感度を高めることができる。
また、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記構成に加えて、上記第2金属膜の膜厚は、上記第1金属膜の膜厚と等しいことが好ましい。
ここで、第1金属膜と第2金属膜との膜厚が異なると、第1金属膜及び第2金属膜上に吸着層を設ける場合、吸着層の分子が膜の段差部分で斜めになり、試料が均一に吸着されない。また、吸着層を設けない場合でも同様に、試料が均一に接触しなくなるという問題点がある。
上記構成によれば、第1金属膜及び第2金属膜のいずれか一方は、理想的な膜厚dとすることができないが、第1金属膜と第2金属膜との膜厚を等しくすることにより、このような問題点を解決し、試料が均一に接触又は吸着するようにすることで、光ビームを第1膜と第2金属膜とにまたがって照射した場合でも、誤差の少ない測定を行なうことができる。
なお、現実的には、第1金属膜及び第2金属膜を作成する際に、想定通りの膜厚にすることや、膜内において膜厚差がまったくない状態にすることは困難である。現在の成膜装置においては、膜厚制御は、領域の大きさにも依るが、膜厚の±5%程度である。よって、第1金属膜と第2金属膜との膜厚差は、第1金属膜及び第2金属膜のいずれかの膜厚の5%以下であることが好ましい。
また、本発明の表面プラズモンセンサーは、上記構成に加えて、上記誘電体基板は、上記表面プラズモンセンサーから着脱可能であることが好ましい。
上記構成によれば、検出対象に応じて第1金属膜(又は第2金属膜)を誘電体基板ごと取り替えることが可能となる。これにより、1つの装置を用いて、多種の検出対象の検出を行うことが可能となる。すなわち、他の材料から構成されており、かつ、他の膜厚を有する第1金属膜(又は第2金属膜)が形成された誘電体基板と取り替えることにより、上記表面プラズモンセンサーの感度や測定範囲・測定対象等を適宜変更することができる。
本発明の表面プラズモンセンサーは、以上のように、金属膜は、誘電体基板上に互いに近接して形成された第1金属膜及び第2金属膜から構成されており、上記第1金属膜と上記第2金属膜とは、異なる材料で構成されているものである。
それゆえ、簡易な構成で、屈折率の測定範囲を広げることができる表面プラズモンセンサーを提供するという効果を奏する。
本発明における表面プラズモンセンサーの一実施形態について図1〜図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。
まず、本実施形態の表面プラズモンセンサー1の全体構成について図1を参照して説明する。図1は、本発明における表面プラズモンセンサーの一実施形態の全体構成の概略を示す図である。
表面プラズモンセンサー1は、図1に示すように、光源2、コリメートレンズ3、集光レンズ4、プリズム(誘電体基板)5、金属膜6(以下、第1金属膜(金属膜)6a、第2金属膜(金属膜)6bの総称として用いる)、第1レンズ7、第2レンズ8、光検出器9、光源駆動回路10、及びモニター12を備えている。
なお、上記構成の他、本来、A/D変換回路(アナログ/デジタル変換回路)、D/A変換回路(デジタル/アナログ変換回路)、及び各回路を制御するCPU(central processing unit)など(不図示)が必要であるが、本発明の目的とはあまり関係がないので、以下では、このような回路やCPUなどに関する説明は省略する。
本実施形態の表面プラズモンセンサー1は、プリズム(誘電体基板)5上に形成されており、かつ、検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体(以下、簡単のため「試料」と言い、検出対象を含まない液体又は気体は「試料」とは呼ばないことにする)を接触させた金属膜6に対し、光源2から出射された光ビーム13を金属膜6の該試料が接触している面とは反対側の面に照射することにより、該試料の屈折率を検出するものである。
また、図1に示すように、表面プラズモンセンサー1は、センシングを行なうための金属膜6として、プリズム5上に近接し、又は互いに接触して並列して形成された第1金属膜6aと第2金属膜6bとを有する構成である。
ここで、第1金属膜6a及び第2金属膜6bは、互いに異なる(金属)材料で構成されている点がポイントである。このような構成を採用することにより、第1金属膜6aにより測定する屈折率範囲と、別の屈折率範囲を第2金属膜6bにより測定することにより、従来と同じ分解能で、広い屈折率範囲を測定できる表面プラズモンセンサー1を構成することができる。なお、それぞれの金属膜の膜厚は、好ましくは最適な膜厚、すなわち反射率のdipが最も低くかつ狭くなる膜厚dとするのがよいが、この点については、後で説明する。
また、第1金属膜6aと第2金属膜6bとが互いに近接して形成されているため、第1金属膜6a及び第2金属膜6bに入射される光ビームが、ほぼ同じ光学系を通過するようにすることができる。よって、第1金属膜6aによる反射光の光路と、第2金属膜6bによる反射光の光路とで、共通の光学部品の点数を多くできるので、装置の大型化やコストアップを招かずに済む。
なお、「第1金属膜6aと第2金属膜6bとが互いに近接して」とは、第1金属膜6aと第2金属膜6bとが互いに接触せずに近接している場合、及び第1金属膜6aと第2金属膜6bとが互いに接触して並列している場合の双方を含む概念である。
また、第1金属膜6aと、第2金属膜6bとを、プリズム5上に互いに近接して形成するだけで良いので、上記共通の光学部品の点数が多い点も考慮すると、表面プラズモンセンサー1を含む装置全体の構成を簡易にすることができる。
すなわち、以上の構成によれば、従来の表面プラズモンセンサーと比較して、金属膜の一部の領域を第1金属膜6a、別の領域を第2金属膜6bとするだけの構成であるため、装置の大型化やコストアップは招かない。
ここで分解能は、検出器9がCCDなどであればその1画素、ディテクターであればディテクターの面積に入る光ビーム13の角度範囲に依存する。例えば、第1レンズ7及び第2レンズ8の開口数を高くし、CCDなどの検出器9で測定される角度範囲を広くすると、1画素で測定される角度範囲も広くなり、測定する反射率角度分解能は低くなる。一方、1画素で測定される角度範囲を狭くすると、測定する反射率の角度分解能は高くなるが、測定する反射率の角度範囲は狭くなる。
また、ディテクターを移動させて、入射角依存を測定する場合、ディテクターの面積に入る光ビーム13の角度範囲を狭くすると、測定する反射率の角度分解能は高くなるが、ディテクターを移動させる距離が長くなり、装置が大型化するとともに、移動時の精度を保つのが困難である。
一般に、表面プラズモンセンサーにおいて、光ビーム13を適切な入射角及び偏光方向で金属膜6に入射した場合の入射角と反射率との関係を、横軸を入射角、縦軸を反射率としたグラフとして表現すると、反射率がある入射角で、急激に低下して極小となることが分かる。この反射率が低下した部分を、dipという。以下の説明においては、前記dipにおける反射率の最小値を反射率Rminとし、このときの入射角を入射角θminとする。
また、試料14としては、検出対象を含む液体又は気体が挙げられる。なお、以下では、検出対象を含まない液体又は気体は、試料とは呼ばないこととする。
以下、表面プラズモンセンサーのその他の構成の詳細について説明する。
光源2は、光ビーム13を出射するものであり、半導体レーザや発光ダイオード等が好適に用いられる。光源2から出射された光ビーム13は、金属膜6に照射されることにより、金属膜6の表面において表面プラズモンを励起する。
ここで、光ビーム13が複数の波長を含んでいる場合、各波長によって、表面プラズモンの励起条件が異なる。よって、光ビーム13が複数の波長を含んでいると、光ビーム13が金属膜6によって反射された反射光の入射角依存性が異なってしまうため、分析が複雑になってしまう。
したがって、光源2の波長領域は、できるだけ狭いことが望ましく、単一波長であることがより好ましい。なお、発光ダイオードなどの波長範囲が広い光源を使用する場合は、分光するなどの工夫が必要となる。
また、光源2から出射された光ビーム13の偏光方向は、プリズム5と金属膜6との間に形成された界面の法線と、光ビーム13の光軸を含む面とを入射面としたとき、該入射面に対して平行な偏光方向、すなわちp偏光が望ましい。
光ビーム13は、偏光方向をp偏光とすることにより、金属膜6の表面において表面プラズモンを励起することができる。なお、光ビーム13の偏光方向が上記入射面に対して垂直な偏光方向、すなわちs偏光の場合は、光ビーム13は金属膜6の表面において表面プラズモンを励起することができない。
コリメートレンズ3は、光源2から出射された光ビーム13を平行光に変換するものである。コリメートレンズ3の焦点距離は、短ければ短いほど、光源2から出射された光ビーム13の利用効率が上がる。
集光レンズ4は、光源2から出射された光ビーム13を、一度にある範囲の入射角で、金属膜6上の微小領域に集光するものである。コリメートレンズ3によって光源2から出射された光ビーム13を平行光に変換しておくことにより、集光レンズ4は効率よく光ビーム13を金属膜6上に集光することができる。
また、コリメートレンズ3を通った光が発散若しくは集束光であれば、集光レンズ4の位置を調整することにより、様々な入射角で光ビーム13を金属膜6へ入射させることができる。
集光レンズ4としては、全方位を集光する平凸レンズ等のレンズを用いてもよいし、一方向のみ集光するシリンドリカルレンズ等のレンズを用いてもよい。集光レンズ4として全方位を集光するレンズを用いた場合は、金属膜6への入射角が複雑となるが、照射面積を小さくすることができる。そのため、全方位を集光するレンズを用いた表面プラズモンセンサー1は、試料14の局所的な情報を得ることが可能となる。
また、集光レンズ4として一方向のみ集光するレンズを用いた場合は、集光しない方向は元のビームサイズのままであるため、金属膜6への入射角は集光した方向にのみ依存する。そのため、一方向のみを集光するレンズを用いた表面プラズモンセンサー1は、試料14の解析が容易となるが、光ビーム13の照射面積が大きくなる。
金属膜6への入射角の角度範囲は、集光レンズ4の開口数で決まるが、金属膜6上で表面プラズモンが励起される角度が含まれるように決定する必要がある。さらに、金属膜6への入射角の角度範囲を、全ての光ビーム13が全反射するような範囲にすることも好ましい。なお、コリメートレンズ3及び集光レンズ4は、それぞれ一度平行光にしてから集光する構成にしているが、有限系のレンズ1つで代用してもよい。
プリズム5は、誘電体基板であり、光源2から出射された光ビーム13を通過させることにより、任意の入射角で光ビーム13を金属膜6に照射し、金属膜6の表面に表面プラズモンを励起するものである。
プリズム5を構成する材料としては、光源2から出射される光ビーム13の波長に応じて、光ビーム13を透過させることができる材料とすれば良く、金属膜6上に表面プラズモンを励起できる材料であれば特に限定されないが、ガラスや樹脂等が好適に用いられる。なお、光源2から出射される光ビーム13の波長が、赤外であれば、プリズム5を構成する材料としては、シリコンを選択しても良い。
金属膜6の表面に表面プラズモンを効率よく励起するためには、光ビーム13を入射角が約45度で金属膜6に照射することが望ましい。しかしながら、光ビーム13をプリズム5ではなく平行基板を介して、約45度の入射角で金属膜6に入射させることは困難である。そのため、本実施形態の表面プラズモンセンサー1では、プリズム5を用いることにより、金属膜6に入射角約45度で光ビーム13を照射している。
プリズム5としては、図1においては三角プリズムが用いられているが、台形、楔形、半円柱型、及び半球型プリズム等も好適に用いられる。
例えば、プリズム5として半円柱型や半球型プリズムを用いた場合は、半円柱及び半球の中心に向かって光ビーム13を入射すると、プリズムの入射面への入射角がほぼ直角となるため、この面での反射率が小さくなり、光の利用効率が高くなる。
また、プリズム5として三角プリズムを用いた場合は、入射面での屈折により、プリズムへの入射角と金属膜6への入射角とが異なる角度となってしまうが、半円柱型プリズムに比べ安価であるため、一般的に利用されている。プリズム5は、上述した構成に限られず、金属膜6に適切な角度で光ビーム13を入射させることができればよいため、他の形状でもよいし、導波路でもよい。
金属膜6は、光源2から照射された光ビーム13により、表面プラズモンを発生させるものであり、スパッタや蒸着で形成することができる。金属膜6は、プリズム5の所定の一面上に直接形成されていても良い。また、金属膜6をプリズム5と同程度の屈折率を有した誘電体基板上に形成し、該誘電体基板の金属膜6が形成されている側とは反対側の面を、プリズム5の所定の一面上にインデックスマッチング剤を挟んでのせてもよい。
該インデックスマッチング剤としては、市販されている液体やジェル等を用いてもよいし、UV硬化樹脂を用いてもよい。ただし、金属膜6が形成された上記誘電体基板が傾くと、入射角に誤差が生じるため、該誘電体基板をプリズム5上に安定して固定することが可能なインデックスマッチング剤を用いる必要がある。また、上記誘電体基板又はプリズム5との密着性の向上や、金属膜6の面精度を上げるために、上記誘電体基板又はプリズム5と金属膜6との間に下地層を設けてもよい。
また、金属膜6が形成された上記誘電体基板をプリズム5に対して着脱可能にしておくことにより、検出対象に応じて金属膜を誘電体基板ごと取り替えることが可能となる。これにより、1つの装置を用いて、多種の試料14の検出を行うことが可能となる。すなわち、他の材料から構成されており、かつ、他の組み合わせの膜厚を有する金属膜6が形成された誘電体基板と取り替えることにより、表面プラズモンセンサー1の感度や測定範囲、測定対象等を変えることができる。
なお、プリズム5の所定の一面上とは、プリズム5が図1に示す三角プリズムの場合は三角形の底辺を含む面であり、プリズム5が半円柱型又は半球型プリズムの場合は半円柱又は半球の中心を含む面であり、プリズム5によって光ビーム13を入射角約45度で金属膜6に入射させることが可能な面である。
また、金属膜6の表面にさらに特定の分子を吸着できる吸着層を設け、試料14中の特定の分子を検出する構成としてもよい。試料14には、検出対象以外の物質が混入している場合、表面プラズモンセンサー1によって試料14の屈折率を検出すると、上記検出対象及び上記物質が含まれた屈折率が検出されてしまう。そこで、金属膜6に上記吸着層を設けることにより、検出対象のみを吸着させることができ、該検出対象のみの屈折率を検出することが可能となる。
金属膜6を構成する材料としては、表面プラズモンを励起可能な金属又は合金であればよく、例えば、銀、銅、アルミニウム、白金、及び金等が好適に用いられる。金属膜6は、酸化などの経時変化の起こらない、安定した金属から構成されていることが望ましい。
上述した金属のうち、金は、非常に安定した金属であり、錆びないために耐久性が高く、さらに、表面プラズモンを効率よく励起する。そのため、表面プラズモンセンサー1の金属膜として、金(Au)は最も好適に用いられる。金属膜6として金を用いることにより、試料14によって化学反応を起こさず、高い分解能で屈折率を検出することができるとともに、金属膜の酸化による経時劣化を防ぐことができる。なお、金には不純物が含まれていてもよいが、一般に不純物濃度が高くなると、反射率のdipが広くなり、検出分解能を下げることになるため、金の純度は高い方が好ましい。
金属膜6が金から構成されている場合、金属膜6上に表面プラズモンを励起するためには、約600nm以上の波長の光ビーム13を金属膜6に照射することが望ましい。光源2から約600nm以上の波長の光ビーム13を金から構成された金属膜6に照射することにより、表面プラズモンの励起効率が高まり、高い分解能で試料14の屈折率を検出することができる。なお、金属膜6が金以外の酸化しやすい材料から構成されている場合、上に誘電体による保護膜を設けることで、酸化を防いでもよい。
また、金属膜6の膜厚は、非特許文献1に記載されているように、主に4つの要素、すなわちプリズム5、金属膜6、試料14の材料(すなわち屈折率)、及び光源2の波長により、表面プラズモンを励起するための膜厚dが決定され、通常、数10nm程度である。
本実施形態の表面プラズモンセンサー1は、上述のように、金属膜6は、異なる材料からなる第1金属膜6aと第2金属膜6bとから構成されており、それぞれ異なる屈折率範囲を測定することがポイントとなっている。
このとき、第1金属膜6aと第2金属膜6bとは、異なる材料からなるため、それぞれの膜厚dは異なる値となる。第1金属膜6aと第2金属膜6bとの膜厚を等しくすると、特に金属膜6上に吸着層を設ける場合、吸着層を均一に設けることができる。第1金属膜6aと第2金属膜6bに段差がある場合、エッジ部周辺に、吸着層の吸着分子が斜め又は第1金属膜6a及び第2金属膜6bの膜面に対して面内方向を向いてしまい、吸着分子及びこれに吸着する試料の分子が均一にならず、検出誤差を生む。しかし、第1金属膜6aと第2金属膜6bとの膜厚を等しくすると、少なくとも片方が膜厚dからずれ、dipの幅が広がり、測定する反射率の角度分解能が低くなる。それぞれの金属材料・膜厚と、測定できる屈折率範囲の詳細については、後に説明する。
表面プラズモンセンサー1では、第1金属膜6a及び第2金属膜6bとで形成された境界線は、光ビーム13の入射角の変化が最も大きくなる方向に対して平行となるように構成されていることが好ましい。第1金属膜6a及び第2金属膜6bとは、互いに近接して形成されていればよい。
さらに、図1及び図2に示すように、本実施形態の表面プラズモンセンサー1では、第1金属膜6a及び第2金属膜6bは、プリズム5上に互いに接した状態で、並列して形成されている。すなわち、第1金属膜6a及び第2金属膜6bは、両者ともプリズム5上に接しており、かつ互いに接していることが好ましい。
この際、光ビーム13は、第1金属膜6a及び第2金属膜6bにまたがって照射される。光ビーム13を第1金属膜6a及び第2金属膜6bに照射する際、各膜に順番に照射してもよいが、光ビーム13の移動機構が必要であるとともに、光ビーム13を移動させることで入射角などがずれる虞がある。
第1金属膜6a及び第2金属膜6bに同時に照射すると、それぞれの屈折率範囲において、連続して測定することができるとともに、移動機構が不必要な分、装置の大型化やコストアップを招くことがない。すなわち、従来の表面プラズモンセンサーにおける金属膜を第1金属膜6a及び第2金属膜6bの領域に分け、光ビームが第1金属膜6aと第2金属膜6bとにまたがって照射されるように構成するだけで、測定する反射率の角度分解能の低下や装置の大型化やコストアップを招くこともなく、屈折率測定範囲の広い表面プラズモンセンサーを構成することができる。
よって、第1金属膜6a及び第2金属膜6bは、図1及び図2に示すように、プリズム5上に互いに接した状態で、並列して形成されていることが好ましい。第1金属膜6a及び第2金属膜6bとの境界線は、光ビームの入射角を変化させて複数の測定を行なう場合に、光ビームの入射角の変化が最も大きくなる方向に対して平行となるように構成されているので、それぞれの金属膜に対して、最も測定範囲が広くなるようにすることができる。
第1レンズ7及び第2レンズ8は、プリズム5と金属膜6との間に形成された界面において反射した光ビーム13を、光検出器9へ集光させて入射させるためのものである。第1レンズ7及び第2レンズ8は、上記界面からの反射光をそれぞれ一度平行光にしてから光検出器9に集光する構成であるが、本実施形態の表面プラズモンセンサー1ではこれに限られず、1つの有限系のレンズを用いてもかまわない。
光検出器9は、プリズム5及び金属膜6の間に形成された界面において光ビーム13が反射した反射光の強度を検出するものである。光検出器9としては、CCD(charge-coupled device)若しくはCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)イメージや、又はアレイ状検出器を用いることにより、反射光を一度に取り込むことが好ましい。特に、光検出器9としてCCD又はCMOSを用いれば、光ビーム13を撮像した画像領域のうち、どの領域を測定に用いるかを選択することができる。
光源駆動回路10は、光源2を駆動するものであり、図示しない電源から電圧の供給を受けて光源2に電流を流すことにより、光源2を駆動する。なお、光源2の破壊を防ぐために、光源駆動回路10には光源2に流す電流値に上限値を設けておくことが好ましい。
モニター12は、測定された反射率等の種々の結果を表示するものである。モニター12としては、例えば、CRT(cathode-ray tube)や液晶ディスプレイ等が好適に用いられる。
表面プラズモンセンサー1の金属層6に対する試料14の接触方法を、図2及び図3を用いて説明する。本実施形態の表面プラズモンセンサー1は、試料14の屈折率の検出を行うために、試料14を金属層6の表面に接触させる。例えば、試料14として液体を用いた場合には、図2に示すように、金属層6のプリズム5が設けられている側とは反対側の面に液滴として接触させる。
また、例えば、試料14として液体又は気体を用いた場合には、図3に示すように、金属層6表面に設けられたマイクロ流路15に液体又は気体を流して接触させる。試料14を金属層6表面に接触させる方法としては、上述した方法に限られず、試料14が金属層6表面に接触可能な構成であれば構わない。
以下では、上記4つの要素を組み合わせた場合における第1金属膜6a及び第2金属膜6bの膜厚の選定及び測定できる屈折率範囲について説明する。
図4〜図12は、上記波長、プリズム及び試料14の検出対象を含まない状態の屈折率の組み合わせにおいて、第1金属膜6a及び第2金属膜6bの材料を、それぞれAu及びAlとした場合の、試料14の屈折率変化に対する入射角θminの変化を示す図(グラフ)である。
ここで、各金属膜の膜厚は、各波長において最適な膜厚とした。これらより、金属膜がAuのみの場合、入射角θminの測定範囲を各図(グラフ:図4〜図12)における実線矢印の範囲に設定すると、測定可能な屈折率範囲が点線矢印の範囲になることがわかる。
これに対して、第2金属膜6bとしてAl膜を併用することにより、同じ入射角θminの測定範囲、すなわち同じ分解能でありながら、広い屈折率範囲を測定することができることがわかる。
また、同じ屈折率範囲を測定するのに、入射角θminの測定範囲を狭くすることができるため、開口数の高い集光レンズ4及び第1レンズ7を用いることができ、分解能が上がるとともに、かつ光学系を小型にすることができることがわかる。
以下、具体的に各図(グラフ:図4〜図12)について説明する。
図4は、光源2の波長として635nmを、プリズム5の屈折率として2.0を、試料14の検出対象を含まない状態の屈折率として1.33を選択した場合における、試料14の屈折率と、入射角θminの関係を示す図(グラフ)である。
これより、第1金属膜6aであるAuのみで、試料14の屈折率を1.33から1.43まで測定できる光学系を利用して、第2金属膜6b(Al)を設けることにより、測定範囲を47.5度から53.5度に保ちながら、屈折率の測定範囲を1.53程度まで広げられることがわかる。
一方、屈折率の測定範囲を広げる必要がない場合は、1.33から1.4までをAu、1.4から1.43までをAlで測定することにより、分解能を上げ、かつ光学系を小型にすることができる。
図5は、光源2の波長として635nmを、プリズム5の屈折率として2.0を、試料14の検出対象を含まない状態の屈折率として1.0を選択した場合における、試料14の屈折率と、入射角θminの関係を示す図(グラフ)である。これより、第1金属膜6aであるAuのみで、試料14の屈折率を1.0から1.05まで測定できる光学系を利用して、第2金属膜6b(Al)を設けることにより、測定範囲を32度から34度に保ちながら、屈折率の測定範囲を1.09程度まで広げられることがわかる。一方、屈折率の測定範囲を広げる必要がない場合は、1.0から1.04までをAu、1.04から1.05までをAlで測定することにより、分解能を上げ、かつ光学系を小型にすることができる。
図6は、光源2の波長として635nmを、プリズム5の屈折率として1.46を、試料14の検出対象を含まない状態の屈折率として1.0を選択した場合における、試料14の屈折率と、入射角θminの関係を示す図(グラフ)である。これより、第1金属膜6aであるAuのみで、試料14の屈折率を1.0から1.06まで測定できる光学系を利用して、第2金属膜6b(Al)を設けることにより、測定範囲を46.5度から51度に保ちながら、屈折率の測定範囲を1.1程度まで広げられることがわかる。一方、屈折率の測定範囲を広げる必要がない場合は、1.0から1.045までをAu、1.045から1.06までをAlで測定することにより、分解能を上げ、かつ光学系を小型にすることができる。
図7は、光源2の波長として780nmを、プリズム5の屈折率として2.0を、試料14の検出対象を含まない状態の屈折率として1.33を選択した場合における、試料14の屈折率と、入射角θminの関係を示す図(グラフ)である。これより、例えば屈折率1.33から1.43まで測定するために、第1金属膜6aであるAuのみの場合、入射角を43.8度から48.5度まで測定する必要があるが、第2金属膜6b(Al)を設けることにより、44.8度から48.5度までの測定でよくなり、光学系を小型にすることができる。
図8は、光源2の波長として780nmを、プリズム5の屈折率として2.0を、試料14の検出対象を含まない状態の屈折率として1.0を選択した場合における、試料14の屈折率と、入射角θminの関係を示す図(グラフ)である。これより、例えば屈折率1.0から1.04まで測定するために、第1金属膜6aであるAuのみの場合、入射角を30.8度から32.2度まで測定する必要があるが、第2金属膜6b(Al)を設けることにより、31.2度から32.2度までの測定でよくなり、光学系を小型にすることができる。
図9は、光源2の波長として780nmを、プリズム5の屈折率として1.46を、試料14の検出対象を含まない状態の屈折率として1.0を選択した場合における、試料14の屈折率と、入射角θminの関係を示す図(グラフ)である。これより、例えば屈折率1.0から1.04まで測定するために、第1金属膜6aであるAuのみの場合、入射角を44.5度から46.9度まで測定する必要があるが、第2金属膜6b(Al)を設けることにより、45.2度から46.9度までの測定でよくなり、光学系を小型にすることができる。
図10は、光源2の波長として1054nmを、プリズム5の屈折率として2.0を、試料14の検出対象を含まない状態の屈折率として1.33を選択した場合における、試料14の屈折率と、入射角θminの関係を示す図(グラフ)である。これより、第1金属膜6aであるAuのみで、試料14の屈折率を1.33から1.43まで測定できる光学系を利用して、第2金属膜6b(Al)を設けることにより、測定範囲を42.7度から47度に保ちながら、屈折率の測定範囲を1.435程度まで広げられることがわかる。一方、屈折率の測定範囲を広げる必要がない場合は、例えば1.33から1.38までをAu、1.38から1.43までをAlで測定することにより、分解能を上げ、かつ光学系を小型にすることができる。
図11は、光源2の波長として1054nmを、プリズム5の屈折率として2.0を、試料14の検出対象を含まない状態の屈折率として1.0を選択した場合における、試料14の屈折率と、入射角θminの関係を示す図(グラフ)である。これより、第1金属膜6aであるAuのみで、試料14の屈折率を1.0から1.04まで測定できる光学系を利用して、第2金属膜6b(Al)を設けることにより、測定範囲を30.4度から31.8度に保ちながら、屈折率の測定範囲を1.044程度まで広げられることがわかる。一方、屈折率の測定範囲を広げる必要がない場合は、例えば1.0から1.02までをAu、1.02から1.04までをAlで測定することにより、分解能を上げ、かつ光学系を小型にすることができる。
図12は、光源2の波長として1054nmを、プリズム5の屈折率として1.46を、試料14の検出対象を含まない状態の屈折率として1.0を選択した場合における、試料14の屈折率と、入射角θminの関係を示す図(グラフ)である。これより、例えば屈折率1.0から1.04まで測定するために、第1金属膜6aであるAuのみの場合、入射角を43.9度から46.2度まで測定する必要があるが、第2金属膜6b(Al)を設けることにより、44.1度から46.2度までの測定でよくなり、光学系を小型にすることができる。
第1金属膜a及び第2金属膜bの金属材料の組み合わせは、劣化の少ないAuと、このAuと屈折率が大きく異なるAlを選択したが、他の組み合わせでもよい。
また、エッジをなくすために同じ膜厚にしてもよいが、この場合、片方の膜厚は最適な膜厚からずれるため、dipの幅は広がり、分解能が低くなる。
金属膜を3枚以上設けることにより、さらに効果を上げてもよい。また、金属膜2枚と誘電体膜を並列させ、実施の形態1及び2の両方の効果を持たせてもよい。
以上説明したように、表面プラズモンセンサー1は、光源2から出射される光ビーム13の波長において透光性を有するプリズム5上に形成されており、かつ、検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体を接触させた金属膜6と、光ビーム13の各入射角に対する金属膜6からの反射光を検出する検出器9とを備えており、光源2から出射された光ビーム13を金属膜6の上記液体又は上記気体が接触している面とは反対側の面に照射することにより、上記液体又は上記気体の屈折率を検出する表面プラズモンセンサー1において、金属膜6は、第1金属膜6aと第2金属膜6bとから構成されており、第1金属膜6aと第2金属膜6bとは異なる金属材料で構成され、プリズム5上に互いに近接して形成されており、第2金属膜bは、光ビーム13の波長において表面プラズモンが励起される膜であり、第2金属膜bからの反射光も測定するものである。
ここで、上記入射角θminと上記検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体の屈折率とは、上述したように(図4〜図12参照)、線形性を持っており、上記検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体の屈折率変化に対応した入射角θminの範囲は、第1金属膜6a及び第2金属膜6bの金属材料に応じて異なる。よって、第2金属膜6bは、第1金属膜6aとは異なる金属材料で構成すると共に、光ビーム13の波長において表面プラズモンが励起される膜とし、第1金属膜6a及び第2金属膜6bのそれぞれの上記検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体の屈折率変化に対応した入射角θminの範囲の組合せを適宜選択することにより、同じ光学系でありながら、広い角度範囲を測定できるようになる。また、同じ屈折率範囲を測定するのに、入射角θminの測定範囲を狭くすることもできるため、開口数の低い集光レンズ4及び第1レンズ7を用いることができ、測定する角度の分解能が上がるとともに、かつ光学系を小型にすることができる。
また、第1金属膜6aの膜厚は、上記検出対象を含まない上記液体又は上記気体を接触させた第1金属膜6aに対する上記光ビームの反射率の最小値が最小となる膜厚dであることが好ましい。
また、第2金属膜6bの膜厚は、上記検出対象を含まない上記液体又は上記気体を接触させた第2金属膜6bに対する上記光ビームの反射率の最小値が最小となる膜厚dであることが好ましい。
上記構成のように、第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)の膜厚を膜厚dとした場合は、光ビームの第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)に対する反射率の最小値Rminと、反射率Rminにおける光ビームの第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)に対する入射角θminとが最小値となる。したがって、第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)からの反射光強度測定の際、入射角θminの検出時のS/Nを高くすることができ、測定感度を高めることができる。
また、表面プラズモンセンサー1は、上記第2金属膜6bの膜厚は、第1金属膜2aの膜厚と等しいことが好ましい。
ここで、第1金属膜2aと第2金属膜2bとの膜厚が異なると、第1金属膜2a及び第2金属膜2b上に吸着層を設ける場合、吸着層の分子が膜の段差部分で斜めになり、試料が均一に吸着されない。また、吸着層を設けない場合でも同様に、試料が均一に接触しなくなるという問題点がある。
上記構成によれば、第1金属膜2a及び第2金属膜2bのいずれか一方は、理想的な膜厚dとすることができないが、第1金属膜2aと第2金属膜2bとの膜厚を等しくすることにより、このような問題点を解決し、試料が均一に接触又は吸着するようにすることで、光ビームを第1金属膜2aと第2金属膜2bとにまたがって照射した場合でも、誤差の少ない測定を行なうことができる。
なお、現実的には、第1金属膜2a及び第2金属膜2bを作成する際に、想定通りの膜厚にすることや、膜内において膜厚差がまったくない状態にすることは困難である。現在の成膜装置においては、膜厚制御は、領域の大きさにも依るが、膜厚の±5%程度である。よって、第1金属膜2aと第2金属膜2bとの膜厚差は、第1金属膜2a及び第2金属膜2bのいずれかの膜厚の5%以下であることが好ましい。
また、本発明の表面プラズモンセンサー1は、第1金属膜6aと第2金属膜6bとは、互いに接した状態で、プリズム5上に並列して形成されており、光ビーム13が第1金属膜6aと第2金属膜6bとにまたがって照射されることが好ましい。
ここで、光ビーム13を第1金属膜6a及び第2金属膜6bに照射する際、各膜に順番に照射してもよいが、光ビーム13の移動機構が必要であるとともに、光ビーム13を移動させることで入射角などがずれる虞がある。
しかしながら、上記構成では、第1金属膜6aと第2金属膜6bとが、プリズム5上に互いに接した状態で、並列して形成されており、また、光ビーム13が第1金属膜6aと第2金属膜6bとにまたがって照射されるようになっている。よって、第1金属膜6aによる反射光と第2金属膜6bによる反射光が共通の光学系通過するため、表面プラズモンセンサー1の大型化やコストアップを招かずに済む。
また、第1金属膜aによる検出と、第2金属膜bによる検出とが、共通の光学系で構成されるので、光学系の調整が一度で済む。
さらに、光ビーム13が第1金属膜6aと第2金属膜6bとにまたがって照射されるようになっているので、移動機構を設ける必要がなく、測定時間も短くすることができる。
また、表面プラズモンセンサー1は、第1金属膜6aと第2金属膜6bとの境界線が、光ビーム13の入射角の変化が最も大きくなる方向に対して平行に形成されていることが好ましい。
これにより、第1金属膜6a及び第2金属膜6b間に形成された境界線は、光ビーム13の入射角の変化が最も大きくなる方向に対して平行となるように構成されているので、光ビーム13を第1金属膜6aと、第2金属膜6bとにまたがって照射すると共に、光ビーム13の入射角を変化させて複数の測定を行なう場合に、第1金属膜6a及び第2金属膜6bの両方に対して、その測定範囲が最も広くなるようにすることができる。
また、表面プラズモンセンサー1は、第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)の材料は、金を主成分とすることが好ましい。
ここで、検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体は、第1金属膜6a及び第2金属膜6bに直接接触させる。そのため、第1金属膜6a及び第2金属膜6bは上記液体又は上記気体によって化学反応を起こさない安定した金属から構成されていることが望ましい。
この点、金は、非常に安定した金属であり、錆びないために耐久性が高く、さらに、表面プラズモンを効率よく励起する。
このため、表面プラズモンセンサー1の第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)として金を用いることにより、上記検出対象を含む液体又は上記検出対象を含む気体によって化学反応を起こさず、該液体又は該気体の屈折率を高い分解能で検出するとともに、第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)の酸化による経時劣化を防ぐことができる。
なお、金には不純物が含まれていてもよいが、一般に不純物濃度が高くなると、反射率のdipが広くなり、検出分解能を下げることになるため、金の純度は高い方が好ましい。
また、表面プラズモンセンサー1は、光源2の波長は、約600nm以上、約1550nm以下であることが好ましい。
ここで、第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)上に表面プラズモンを励起させるためには、光源2から出射される光ビーム13の波長が重要である。上述したように、第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)は金から構成されていることがもっとも望ましいが、金から構成された第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)上に表面プラズモンを励起するためには、約600nm〜約1550nmの波長の光ビーム13を第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)に照射することが望ましい。
光源2から約600nm〜約1550nmの波長の光ビーム13を金から構成された第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)に照射することにより、表面プラズモンの励起効率が高まり、高い分解能で上記検出対象を含む液体又は上記検出対象を含む気体の屈折率を検出することができる。
また、表面プラズモンセンサー1は、第1金属膜6aの膜厚は、上記検出対象を含まない上記液体又は上記気体を接触させた第1金属膜6aに対する光ビーム13の反射率の最小値が最小となる膜厚dであることが好ましい。
また、表面プラズモンセンサー1は、第2金属膜6bの膜厚は、上記検出対象を含まない上記液体又は上記気体を接触させた第2金属膜6bに対する光ビーム13の反射率の最小値が最小となる膜厚dであることが好ましい。
このように、第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)の膜厚を膜厚dとした場合は、光ビーム13の第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)に対する反射率の最小値Rminと、反射率Rminにおける光ビーム13の第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)第1金属膜6a及び第2金属膜6bに対する入射角θminとが最小値となる。したがって、第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)からの反射光強度測定の際、入射角θminの検出時のS/Nを高くすることができ、測定感度を高めることができる。
また、表面プラズモンセンサー1は、プリズム5は、表面プラズモンセンサー1から着脱可能であることが好ましい。
これにより、検出対象に応じて第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)をプリズム5ごと取り替えることが可能となる。これにより、1つの表面プラズモンセンサー1を用いて、多種の検出対象の検出を行うことが可能となる。すなわち、他の材料から構成されており、かつ、他の膜厚を有する第1金属膜6a(又は第2金属膜6b)が形成されたプリズム5と取り替えることにより、表面プラズモンセンサー1の感度や測定範囲・測定対象等を適宜変更することができる。
以上、広い範囲の屈折率が測定できる、若しくは光学系を小型化できる表面プラズモンセンサー1について説明した。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、検出対象を含む液体又は気体の屈折率を検出するものであり、上記液体又は上記気体の濃度測定、蛋白質や高分子等の検出等に好適に用いられる。
本発明における表面プラズモンセンサーの一実施形態の全体構成の概略を示す概略図である。 上記表面プラズモンセンサーの金属膜に対する試料の接触方法の一例を示す概略図である。 上記表面プラズモンセンサーの金属膜に対する試料の接触方法の他の例を示す概略図である。 金属膜の材質としてAu及びAlを、プリズムの屈折率として2.0を、試料の屈折率として1.33を、光ビームの波長を635nmとした場合における、試料の屈折率と、入射角θminとの関係を示した図(グラフ)である。 金属膜の材質としてAu及びAlを、プリズムの屈折率として2.0を、試料の屈折率として1.0を、光ビームの波長を635nmとした場合における、試料の屈折率と、入射角θminとの関係を示した図(グラフ)である。 金属膜の材質としてAu及びAlを、プリズムの屈折率として1.46を、試料の屈折率として1.0を、光ビームの波長を635nmとした場合における、試料の屈折率と、入射角θminとの関係を示した図(グラフ)である。 金属膜の材質としてAu及びAlを、プリズムの屈折率として2.0を、試料の屈折率として1.33を、光ビームの波長を780nmとした場合における、試料の屈折率と、入射角θminとの関係を示した図(グラフ)である。 金属膜の材質としてAu及びAlを、プリズムの屈折率として2.0を、試料の屈折率として1.0を、光ビームの波長を780nmとした場合における、試料の屈折率と、入射角θminとの関係を示した図(グラフ)である。 金属膜の材質としてAu及びAlを、プリズムの屈折率として1.46を、試料の屈折率として1.0を、光ビームの波長を780nmとした場合における、試料の屈折率と、入射角θminとの関係を示した図(グラフ)である。 金属膜の材質としてAu及びAlを、プリズムの屈折率として2.0を、試料の屈折率として1.33を、光ビームの波長を1054nmとした場合における、試料の屈折率と、入射角θminとの関係を示した図(グラフ)である。 金属膜の材質としてAu及びAlを、プリズムの屈折率として2.0を、試料の屈折率として1.0を、光ビームの波長を1054nmとした場合における、試料の屈折率と、入射角θminとの関係を示した図(グラフ)である。 金属膜の材質としてAu及びAlを、プリズムの屈折率として1.46を、試料の屈折率として1.0を、光ビームの波長を1054nmとした場合における、試料の屈折率と、入射角θminとの関係を示した図(グラフ)である。 従来の表面プラズモンセンサーに関し、光ビームを適切な入射角及び偏光方向で金属膜に入射した場合の入射角と反射率との関係を示す図である。
符号の説明
1 表面プラズモンセンサー
2 光源
3 コリメートレンズ
4 集光レンズ
5 プリズム(誘電体基板)
6 金属膜
6a 第1金属膜(金属膜)
6b 第2金属膜(金属膜)
7 第1レンズ
8 第2レンズ
9 光検出器
10 光源駆動回路
11 算出回路
12 モニター
13 光ビーム
14 試料(検出対象を含む液体又は気体)
15 マイクロ流路

Claims (12)

  1. 光源から出射される光ビームの波長において透光性を有する誘電体基板上に形成されており、かつ、検出対象を含む液体又は検出対象を含む気体を接触させた金属膜と、上記光ビームの各入射角に対する上記金属膜からの反射光を検出する検出手段とを備えており、
    上記光源から出射された光ビームを上記金属膜の上記液体又は上記気体が接触している面とは反対側の面に照射することにより、上記液体又は上記気体の屈折率を検出する表面プラズモンセンサーにおいて、
    上記金属膜は、誘電体基板上に互いに近接して形成された第1金属膜及び第2金属膜から構成されており、
    上記第1金属膜と上記第2金属膜とは、異なる材料で構成されており、
    上記光ビームの所定の測定範囲内における入射角と線形的に対応づけられる上記第1金属膜で検出される屈折率の範囲である第1屈折率範囲と、上記光ビームの所定の測定範囲内における上記光ビームの入射角と線形的に対応づけられる上記第2金属膜で検出される屈折率の範囲である第2屈折率範囲との間に重複しない屈折率の範囲が存在していることを特徴とする表面プラズモンセンサー。
  2. 上記第1金属膜と上記第2金属膜とは、互いに接した状態で、上記誘電体基板上に並列して形成されており、上記光ビームが上記第1金属膜と上記第2金属膜とにまたがって照射されることを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモンセンサー。
  3. 上記光源は単一の光源であり
    上記検出手段は、上記単一の光源から出射された光ビームが上記第1金属膜に照射されることによって生じた反射光と、上記第2金属膜に照射されることによって生じた反射光とを検出することを特徴とする請求項2に記載の表面プラズモンセンサー。
  4. 上記光ビームは、全方位に集光可能な集光レンズにより集光され、上記第1金属膜および上記第2金属膜上の微小領域に照射されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の表面プラズモンセンサー。
  5. 上記第1金属膜と上記第2金属膜との境界線が、上記光ビームの入射角の変化が最も大きくなる方向に対して平行に形成されていることを特徴とする請求項2から3までのいずれか1項に記載の表面プラズモンセンサー。
  6. 上記第1金属膜に接触する検出対象と、上記第2金属膜に接触する検出対象が、同一の検出対象であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の表面プラズモンセンサー。
  7. 上記第1金属膜及び上記第2金属膜のいずれか一方の材料は、金を主成分とすることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の表面プラズモンセンサー。
  8. 上記光源の波長は、600nm以上、1550nm以下であることを特徴とする請求項7に記載の表面プラズモンセンサー。
  9. 上記第1金属膜の膜厚は、上記検出対象を含まない上記液体又は上記気体を接触させた上記第1金属膜に対する上記光ビームの反射率の最小値が最小となる膜厚dであることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の表面プラズモンセンサー。
  10. 上記第2金属膜の膜厚は、上記検出対象を含まない上記液体又は上記気体を接触させた上記第2金属膜に対する上記光ビームの反射率の最小値が最小となる膜厚dであることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の表面プラズモンセンサー。
  11. 上記第2金属膜の膜厚は、上記第1金属膜の膜厚と等しいことを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の表面プラズモンセンサー。
  12. 上記誘電体基板は、上記表面プラズモンセンサーから着脱可能であることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の表面プラズモンセンサー。
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