JP2006112808A - 表面プラズモンセンサー - Google Patents

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    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection
    • G01N21/553Attenuated total reflection and using surface plasmons

Abstract

【課題】 安価にかつ操作性、測定精度を損なわず、使い捨てが可能なセンサーチップを用いるSPRセンサーの提供。
【解決手段】 表面プラズモン励起用の金属薄膜12が一方の面に設けられたセンサーチップ13と、該センサーチップに光源からの光を誘導する誘電体とが、少なくとも一方が凸面19である接続面で点接触され、入射光17が前記点接触領域を通過して金属薄膜に到達するように構成されたことを特徴とする表面プラズモンセンサー10A。
【選択図】 図4

Description

本発明は、臨床診断分析や環境分析などに適用される表面プラズモンセンサーに関する。
表面プラズモンセンサーは、表面プラズモン共鳴を用いて金属薄膜上の物質の誘電率を測定するもので、感度が高いこと、その場観察ができることなどから、近年、物質センサーとして頻繁に用いられている。
この表面プラズモンセンサー(以下、SPRセンサーと記す。)は、センサー上の物質の誘電率(または、屈折率)をモニターすることにより、この誘電率の変化でセンサー上の物質の量を測定する。SPRは、金属表面の電子の励振モードである。この励振モードと外部から入力した電磁波を既知の構成を用いて結合させ、その励振モードの波数変化を反射光の強度変化としてとらえる。
このSPRセンサーは、当初金属薄膜の膜厚、誘電率測定などに応用が試みられていたが、現在は生体物質間の相互作用をin situ観察する用途が支配的である。これは、金属薄膜上に特定の蛋白質、糖などと結合する試薬を塗布しておき(これをセンサーチップと称する。)、このセンサーチップ上にサンプルを流すとターゲットとする物質が存在すれば、センサーチップ上で試薬と蛋白の特異的結合が起こり、この結合の時間変化をそのまま見ることができるためである。このように、反応の過程をin situで観察できる測定器は従来存在しなかったため、生化学の研究分野ではSPRセンサーは普及した。
しかし、このSPRセンサーは研究分野で普及しているものの、臨床診断分析ではほとんど使われていない。この理由の一つに、該センサーの取り扱いにくさが挙げられる。
従来のSPRセンサーは、プリズムの一方の面に金の薄膜を形成したセンサー部分を取り外し可能としている。臨床診断分析ではセンサーを使い捨てにすることが望ましいので、この点は問題がない。しかし、SPRセンサーのプリズムは、石英ガラスなどから作られており、プリズムごと取り外し可能とすると、以下の問題がある。
・光学アライメントが狂うため測定誤差が大きくなる。
・センサーが高価になり(特にプリズムが高価であるため)使い捨てができなくなる。
このような問題を避けるために、プリズムと金属薄膜を有する板状のセンサーチップとを分離し、センサーチップのみをプリズムから取り外せる構成としたSPRセンサーが提案されている。
図1は、従来のSPRセンサーの一例を示す図である。この従来のSPRセンサーは、誘電体からなり、特定物質を結合し得る試薬1が塗布される表面プラズモン励起用の金属薄膜2が一方の面に設けられた板状のセンサーチップ3と、このセンサーチップ3の他方の面に接触状態で設けられたプリズム4とを備えて構成されている。このSPRセンサーを用いて特定物質の量をセンシングする場合には、プリズム4を通して金属薄膜2に対し、その全反射角以上の角度で特定の波長の光(入射光5)を入射する。金属薄膜2で反射した光(出射光6)は、プリズム4を通って出射され、図示しない受光素子によってその光強度がモニターされる。入射光5の入射角を変え、入射角による反射率の変化を調べると、ある特定の入射角において金属薄膜2での吸収が起こり、全反射を起こさなくなる。この特定の入射角は、金属薄膜2とそれに接している物質の誘電率によって固有の値となる。図2は、前記のように測定される典型的なSPRスペクトルを例示するグラフであって、図2中符号Pは、ある特定の入射角において金属薄膜2での吸収により生じた吸収ピークを示す。このピーク位置は、センサーチップ3に結合している物質の誘電率によって変化する。SPRセンサーは、この原理を用いて金属に接している物質の量を求めることができる。
図3(a)に示すように、板状のセンサーチップ3のみでは、70°以上の入射角で光を照射しても、表面で反射され、金属薄膜2に到達しない。一方、図3(b)のようにプリズム4を用いれば、70°以上の入射角で金属薄膜2に光を照射することができる。ところが、図1に示す構造のSPRセンサーにおいて、金属薄膜2部分は、プリズム4と同一材料のセンサーチップ3の上に形成されたものであるから、プリズム4とセンサーチップ3の間に空気の層が存在すると、そこで大きな反射が生じる。特に、金属薄膜2が形成されたセンサーチップ3には、SPRが発生する角度で光を入射する必要があるので、一般に低い角度(例えば70°程度)で金属薄膜2が形成された面の対面に70°以上の入射角を持つ光が照射されることになる。
光の反射を抑制する手段として、反射防止膜を表面に形成する手段が一般に用いられているが、入射角度が60°を超えるような角度で反射を抑制する反射防止膜を形成することはできない。前述した通り、反射を抑制しつつ光の入射を行うためにプリズムを用いているのだから、板状のセンサーチップの裏側に光を入射すれば反射が避けられないのは自明であると言える。また、使い捨てにするセンサーチップ一つ一つに反射防止膜を形成するのは、低コスト化を図るという目的と矛盾する。
このような問題を解決するために、プリズム4と金属薄膜2が形成されたセンサーチップ3との間に屈折率整合液7を満たすことによって、光学的にセンサーチップ3とプリズム4を一体化させ、反射を抑制する方法がとられている。この方法では、センサーチップ3をプリズム4に乗せるときに屈折率整合液を塗布すると、反射を防止しつつ光をプリズム4からセンサーチップ3へ導くことができる。しかし、屈折率整合液7は空気泡が入りやすいため、測定エラーとなり、センサーチップ3の装着をはじめからやり直すことが頻繁に起こる。その上、このような液体は埃を吸い寄せるため、センサーチップ装着の度に毎回クリーニングが必要となる。
以上の使用方法を考慮すれば、或いは実際にこの作業の経験があれば容易に推測できることであるが、この屈折率整合液を用いる方法は、迅速かつ簡易な測定が必要な臨床診断分析等では使用できないことは明白である。
そこでこれまでに、前述した問題点を解決するためのアプローチとして、次のような提案がなされている。
・プリズムとセンサーチップを一体とし、取り外し可能な構造を採用する。プリズムを一体にしたために発生するアライメントの問題、コストの問題は別のアプローチで解決する。
・屈折率整合液の代わりに屈折率の整合をとった樹脂を間に挟む。
これら従来の提案のうち、前者のプリズム一体型のセンサーは、コストの問題を解決するために、コストのかかる研磨加工の必要がない方法、つまり樹脂を用いた成形加工を行うものである。しかし、樹脂を用いると樹脂の誘電率が温度によって変動したり、樹脂のもつ複屈折のためにP偏光が変動してしまうという問題が発生する可能性が高い。従って、材料の選定、加工技術の管理が非常に難しく、これまでのところ樹脂を用いたセンサーチップは実用化されていない。
ガラスなどでプリズムの形状を実現するためには、機械加工によって作製するのが表面粗さ、精度などの点で望ましいが、前述したようにコストが上昇し、臨床診断において要求される価格が実現できない。
一方、屈折率整合をとる樹脂を用いる方法はすでに実用化されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許第3064313号公報 特許第3356212号公報
前述した屈折率整合をとる樹脂を用いる方法は、センサーチップの装着に当たってクリーニング、塗布といった工程をある程度省くことができるため、作業性はよい。
しかしながら、これらの樹脂は、センサーとプリズムの間に挟まれた状態で隙間を生じさせないために粘着性の樹脂(例えばシリコーンゴムなど)を用いている。このため、埃を吸着しやすい性質がある。センサーと樹脂の間に埃が混入すると、光の散乱が生じたり、センサーやプリズムを傷めるなどの問題を生じやすい。このため市販のSPR装置では、埃の混入を防ぐための処置がなされている。例えば、ビアコア株式会社製のSPR分析装置では、センサーの交換を装置内部で自動処理することによって埃の混入を防いでいる。しかし、この結果、装置が大型化し、装置が高価格になり、臨床分野での応用を難しくしている。装置の価格は臨床分野で使用する場合は重要視される要素であり、一般に高価な装置は臨床分野で使用されない傾向にあり、実際に現在市販されているSPR分析装置は臨床分野において全く使用されていない。
以上のように、安価にかつ操作性、測定精度を損なわずに測定するという、臨床応用のためのSPR装置を作るためには、センサーチップとプリズムの接続部分の問題が重要であり、特にこの問題を低コストで解決することが最も重要である。
また別な課題として、プリズム上にセンサーチップを着脱可能に設置する構造のSPRセンサーにおいて、センサーチップを多数回取り替えて使用する場合、プリズム表面に次のような変化を生じる。
(1)繰り返し応力印加によって、プリズム表面に永久ひずみが加わり、表面に硬化層が形成される。
(2)センサーチップの表面粗さ、または細かい埃によって表面に細かいスクラッチが発生することが挙げられる。
そして、これらの表面劣化によって以下の問題が引き起こされる。
(1)によって、プリズム表面の形状が変化し、またヤング率が大きくなり、結果としてセンサーチップとプリズムの界面に十分な接触面積が確保できなくなって反射が発生する。また、表面の硬化層は屈折率が高く(石英などのガラス材料はひずみが加わると屈折率が大きくなる)、従ってこの層の存在によって表面での反射率が大きくなる。
(2)によって、センサーチップとプリズムの界面に微小な隙間が発生し、その隙間のために光の散乱が発生する。従って、プリズム表面の劣化によってセンサーチップとプリズムの界面を透過する光の透過率が低下し、反射光、散乱光が発生する。
透過率の低下は、受光の際の感度低下になるだけでなく、より有害なのは反射光と散乱光の発生である。反射光は、光源に戻ると特に干渉性の高い光源では、出力安定性を著しく低下させるだけでなく、波長安定性も低下させ、その結果、測定結果のSN比を劇的に低下させる。また、散乱光や反射光が迷光となった場合、これが受光部に入り、やはりノイズになるし、光の干渉性が高い場合にはスペックルなどが発生し、測定そのものの継続が難しくなる可能性もある。
以上のように、プリズム表面の劣化は、測定精度、感度を著しく低下させる要因となる。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、安価にかつ操作性、測定精度を損なわず、使い捨てが可能なセンサーチップを用いたSPRセンサーの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、表面プラズモン励起用の金属薄膜が一方の面に設けられたセンサーチップと、該センサーチップに光源からの光を誘導する誘電体とが、少なくとも一方が凸面である接続面で点接触され、入射光が前記点接触領域を通過して金属薄膜に到達するように構成されたことを特徴とする表面プラズモンセンサーを提供する。
本発明のSPRセンサーにおいて、凸面が曲面を有し、該曲面の曲率半径が5mm〜100mmの範囲であることが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、光源が可干渉性の狭帯域光源であることが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、光源からの光が結像系を用いて光ファイバに入射され、センサーチップの金属薄膜まで屈折率1.4〜1.53の誘電体内のみを伝搬させるように構成されたことが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、入射経路に、光ファイバと該光ファイバに融着接続された屈折率分布レンズとを含むことが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、屈折率分布レンズが光ファイバの外径の10倍以下の外径であることが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、センサーチップに光を誘導する誘電体がプリズムであり、このプリズムと入射用の屈折率分布レンズとが紫外線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂によって接着されたことが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、光ファイバから直接センサーチップに光を照射するように構成されたことが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、センサーチップが、これと接する誘電体よりも柔らかい透明材料からなることが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、センサーチップを構成する透明材料のビッカース硬さが、これと接する誘電体のビッカース硬さに対して10%以上小さいことが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、センサーチップを構成する透明材料のビッカース硬さが、これと接する誘電体のビッカース硬さに対して50%以上小さいことが好ましい。
本発明のSPRセンサーにおいて、センサーチップを構成する透明材料の屈折率と、これと接する誘電体の屈折率の比(ただし、この屈折率の比は、両方の材料のうち、高屈折率材料の屈折率/低屈折率材料の屈折率の比である。)が120%以内であることが好ましい。
本発明のSPRセンサーは、金属薄膜が一方の面に設けられたセンサーチップと該センサーチップに光源からの光を誘導する誘電体とを少なくとも一方が凸面である接続面で点接触させ、この点接触領域を通過して入射光が金属薄膜に到達するように構成したので、誘電体と同じ材料からなるセンサーチップを用い、これを誘電体と点接触させて組み合わせるだけで、測定精度に優れたSPRセンサーを構成でき、センサーチップの交換が容易な使い捨てセンサーを低コストで実現することができる。
また、点接触構造を採用したことで、センサーチップ交換時の洗浄操作が不要となり、高価な自動搬送装置による埃対策も不要であるため、SPR分析装置を簡略化、低コスト化することができ、臨床診断分析でのSPR分析を実現することができる。
また、センサーチップを、それと接する誘電体よりも柔らかい透明材料から構成したことにより、センサーチップを多数回取り替えて使用する場合、プリズムなどの誘電体表面の劣化を抑え、反射、散乱がなく測定精度を維持することが可能となる。
本発明のSPRセンサーは、センサーチップと該センサーチップに光源からの光を誘導する誘電体であるプリズムの界面で発生する反射の問題を、以下の手段(1)〜(4)を用いて解決した。
(1)光源から、直接光ファイバ(光導波路)に結合させ光路内でNA変換を行う。
(2)光ファイバから金属薄膜表面に光を照射するにあたってセンサーチップとプリズムの界面におけるスポットサイズを50μm以下とする。
(3)センサーチップとプリズム界面のプリズム側を凸面研磨して光路が凸部の頂点に位置するようにする。
(4)凸面の頂点部分をセンサーチップに物理的に接触するように配置する。
前記一連の手段を講じることによって、簡単にかつ安価に反射の問題を解決した。
手段(1)においては、ビームのサイズとNAを最適な値とするために、光ファイバ、特に偏波保持ファイバを通して光源からの光をセンサーチップに伝搬することで達成している。同様の効果は二つの凸レンズの組み合わせによって形成される空間フィルターなどによっても実現できるが、光ファイバを用いることによって装置を大型化させずに、また装置設計の自由度を犠牲にすることなしに実現できるので、光ファイバを使用することが望ましい。光ファイバを用いてセンサーチップまで光を導くためには、例えば、狭帯域光源であるレーザダイオード(以下、LDと記す。)から出射したレーザ光を偏波保持ファイバとそれに融着接続した屈折率分布レンズを介し、屈折率分布レンズの端面をプリズムの入射面に接続した構造の導波路が挙げられる。これによって、LDから出射したレーザ光を空間伝搬させず、この導波路内を通して金属薄膜に導くことができ、さらにレーザ光を偏波保持ファイバ及び屈折率分布レンズを通して伝搬することで、偏光子を用いることなく単一横モード、単一偏波のビームを金属薄膜に照射することができる。単一横モードは、市販のファイバピグテール付きの半導体LDを用いることで実現することができる。また、単一偏波のビームも偏波保持ファイバをピグテールとする半導体LDを用いたり、偏波保持ファイバ上にファイバグレーティングを形成すれば安易に実現することができる。また、LEDなどの無偏光光源を用いる場合は、偏波保持ファイバなどの偏光依存損失が大きな導波路を用いることによって、無偏光を単一偏光に変換することができる。
手段(2)においては、光ファイバからの出射光をプリズム内に焦点を結ぶようにレンズで変換する。この目的は二つある。一つは、従来技術で行われているように、一度に複数の入射角度で金属薄膜に光を照射、SPRに対応した角度の光だけが金属膜に吸収され、反射光に暗線が観測できるということ。もう一つは、光ファイバからの放射光をレンズで集光することによって、光ファイバ出射端から金属薄膜までの間のビーム径を小さくすることができるということである。これは、本発明で示すように、小さい接触領域を使って光を伝搬させるために非常に重要である。
この際に用いるレンズは、凸レンズでも可能であるが、光ファイバに物理的に直接接続できる屈折率分布レンズ(以下、GRINレンズと記する。)を用いることが好ましい。特に、光ファイバの直径の10倍以内の外径を持つGRINレンズは、光ファイバの一端を直接融着接続できることから好ましい。GRINレンズを用いれば、光ファイバからの放射光は、光ファイバと同程度の屈折率をもつレンズ→プリズム→センサーチップへと伝搬させることができ、空気中を伝搬することがないので不要な反射光によってS/N比が悪化することがないので非常に望ましい。GRINレンズとプリズムとは、紫外線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂により接着することができる。
手段(3)では、センサーチップとプリズムが直径50μm以下のビームを多少の位置ずれを含めて伝搬させるために、どちらかの表面を凸面になるように研磨を施す。凸面は、球面であっても非球面であってもよいが、例えば球面では曲率半径Rが5mm<R<100mmの範囲が望ましい。この理由は、本発明者らが実験を行ったところ、Rが5mm以下の時には、接触面積が小さく、光結合を行うためにはセンサーチップとプリズムを強く押し付ける必要があり、その結果、双方の表面に歪みが蓄積し、複数回の使用には適さなかったからである。一方、Rが100mmを超えると、曲率中心の位置ずれが大きくなり、所望の位置でプリズムとセンサーチップを接触させることが困難になるとともに、埃の混入によって隙間が生じやすいという問題があり、実用には適さなかった。
また、研磨をするのはセンサーチップ側でもプリズム側でも良いが、センサーチップは測定の度に使い捨てとなるので、プリズム部分を研磨するほうが、コストの点ではより望ましい。また、凸面の研磨は光学機器(例えば光学レンズ)メーカーであれば容易に実現可能な技術である。
前記点接触構造には、屈折率整合液を使用することもできる。プリズムとセンサーチップの表面粗さが大きく、0.5μmを超えるような凹凸が存在する場合は、屈折率整合液が必要である。この場合も点接触構造であるので、空気の作業のやり直し、埃除去のために行う毎回の清掃作業は不要とすることができ、これは大きなメリットとなる。
また、センサーチップとプリズムの材質は、ガラス類(例えばBK−7,石英など)が望ましいと述べたが、これらの材質が合成樹脂であっても原理的には問題なく実施することができる。
手段(4)では、センサーチップとプリズムを接触させ、プリズム内を伝搬する光を無反射でセンサーチップに照射させる。この際、接触点を光が通過することが重要であるが、必ずしもビームの中心と接触点の中心は一致しない。しかし、本発明者らが検討した結果、凸面研磨を行ったプリズムとセンサーの接触部は押し付け圧力、材料のヤング率によって任意の面積で接触することが分かっている。例えば実験を行ったところ、R=20mmで凸面研磨したガラスは、1kgfの力で押し付けたところ直径150μm以上の円で接触することを確認している。従って、ビーム径を50μmとすれば、位置ずれの問題を考慮に入れても、接触点を光が通過するように調整するのは容易である。
本発明のSPRセンサーは、前述した手段(1)〜(4)を採用したことによって、金属薄膜が一方の面に設けられたセンサーチップと該センサーチップに光源からの光を誘導する誘電体とを少なくとも一方が凸面である接続面で点接触させ、この点接触領域を通過して入射光が金属薄膜に到達するように構成したので、誘電体と同じ材料からなるセンサーチップを用い、これを誘電体と点接触させて組み合わせるだけで、測定精度に優れたSPRセンサーを構成でき、センサーチップの交換が容易な使い捨てセンサーを低コストで実現することができる。
また、点接触構造を採用したことで、センサーチップ交換時の洗浄操作が不要となり、高価な自動搬送装置による埃対策も不要であるため、SPR分析装置を簡略化、低コスト化することができ、臨床診断分析でのSPR分析を実現することができる。
また、本発明のSPRセンサーにおいて、使い捨てにするセンサーチップは柔らかく、かつ平滑に形成し、一方、装置内に設置され長期にわたって使用するプリズム部分を硬い凸面に形成することによって、プリズム部分の劣化を抑制することができる。
本発明において「硬い」、「柔らかい」という用語は、各材料が持つ機械特性のうちのビッカース硬さ、モース硬さ、クヌープ硬さの度合を指すのであって、弾性率などを指すものではない。本発明では、後述する実施例7〜9に記載したように、センサーチップとプリズムとを硬さの異なる材料で構成し、プリズム側の劣化を調査した結果、ビッカース硬さで10%以上プリズムがセンサーチップよりも硬ければ、劣化量に差が現れることがわかった。また、50%以上硬ければ、プリズムの劣化がほぼ完全に防止できることがわかった。
本発明では、異なる材料同士の屈折率についても慎重に検討を行った。これは、二つの材料の屈折率が著しく異なれば、仮に表面の劣化による反射、散乱が抑制できても、異種材料間の反射率が大きくなり、改善の効果が低下すると考えたからである。この点について検討を行った結果、二つの材料の屈折率はどちらが大きくても良く、二つの材料の屈折率の比(ただし、この屈折率の比は、両方の材料のうち、高屈折率材料の屈折率/低屈折率材料の屈折率の比である。)が120%以内であれば問題がないことが判明した。従って、本発明におけるプリズム−センサーチップの組み合わせでは、それぞれの屈折率の比を120%以内に調整している。
図10は、プリズムの材料とセンサーチップ材料の組み合わせを例示するものである。図10に示すように、プリズム側が凸面、センサーチップ側が平面であり、かつプリズムの材料が石英ガラスである場合、センサーチップの材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネイト及び非晶質ポリオレフィンなどが挙げられる。また、プリズム側が凸面、センサーチップ側が平面であり、かつプリズムの材料がホウケイ酸ガラスである場合、センサーチップの材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネイト及び非晶質ポリオレフィンなどが挙げられる。
これらの条件でセンサーチップとプリズムとを異種材料で構成した結果、センサーチップを多数取り替えて使用する場合、プリズムなどの誘電体表面の劣化を抑え、反射、散乱がなく測定精度を維持することが可能となった。
一方、図11は、プリズムとセンサーチップがともに石英ガラス同士の組み合わせで構成した場合の端面劣化の様子を示す。
この場合、プリズムとセンサーチップを繰り返し応力印加によって接触させたときの反射率の変化を上図に示す。そして、このときに反射光、散乱光によって生じるSPRスペクトルの乱れを下の図に示す。図11からわかるように、プリズムとセンサーチップがともに石英ガラス同士の組み合わせで構成した場合、繰り返し応力印加によって接触させると表面劣化を生じ、繰り返しコンタクト数の増加に従って反射率が増加し、かつ反射率が増加したものでは、SPRスペクトルに干渉の影響が出る。
[実施例1]
本発明に係るSPRセンサーの実施例1を図4に示す。本実施例のSPRセンサー10Aは、誘電体からなり、試薬11が塗布される表面プラズモン励起用の金属薄膜12が一方の面に設けられた板状のセンサーチップ13と、このセンサーチップ13の他方の面に点接触状態で設けられたプリズム14A,14Bと、光源に接続され光源から測定光を伝搬する光ファイバ15と、一端にこの光ファイバ15が融着接続され、他端がプリズム14Aに接着固定されたGRINレンズ16とを備えて構成されている。それぞれのプリズム14A,14Bのセンサーチップ13を乗せる面は、凸面19になっている。
このセンサーチップ13とプリズム14A,14Bとは、石英ガラス等の同一材料で作られている。入射用のプリズム14Aと出射用のプリズム14Bに設けた凸面19は、曲率半径Rが5mm〜100mmの範囲の曲面になっている。
入射用のプリズム14AとGRINレンズ16の間は、反射が発生しないように屈折率整合のとれた紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いて接着した。また、プリズム14A,14Bの表面には反射防止膜が施されている。
光ファイバ15は、狭帯域光源であるLDから出射したレーザ光を金属薄膜12に導くための導波路として用いられ、例えば偏波保持ファイバが好ましい。
GRINレンズ16の一端と光ファイバ15の出射端は、レーザを用いて融着接続することができる。
このように構成されたSPRセンサー10Aは、光源から出た光が光ファイバ15に入射されてから、GRINレンズ16→プリズム14A→センサーチップ13を通って金属薄膜12に到達するまで、一度も空気中で出ることなく、屈折率が1.4〜1.53の誘電体からなる導波路内を伝搬することが可能である。
このSPRセンサー10Aを用いて、センサーチップ13の試薬11に補足される特定物質の量をセンシングする場合には、プリズム14A,14Bの凸面19に、必要に応じて屈折率整合液を塗布した後、この凸面19上にセンサーチップ13を乗せ、光ファイバ15を通して伝搬される光をGRINレンズ16→プリズム14A→センサーチップ13を通して金属薄膜12に対し、その全反射角以上の角度で特定の波長の光(入射光17)を入射する。金属薄膜12で反射した光(出射光18)は、出射用のプリズム14Bを通って出射され、図示しない受光素子によってその光強度がモニターされる。入射光17の入射角を変え、入射角による反射率の変化を調べると、ある特定の入射角において金属薄膜12での吸収が起こり、全反射を起こさなくなる(図2参照)。この特定の入射角は、金属薄膜12とそれに接している物質の誘電率によって固有の値となる。この原理を用いて金属薄膜12に接している物質の量を求めることができる。
本実施例のSPRセンサー10Aは、金属薄膜12が一方の面に設けられたセンサーチップ13とプリズム14A,14Bとを点接触させ、この点接触領域を通過して入射光17が金属薄膜12に到達するように構成したので、プリズム14A,14Bと同じ材料からなるセンサーチップ13を用い、これをプリズム14A,14Bと点接触させて組み合わせるだけで、測定精度に優れたSPRセンサーを構成でき、センサーチップ13の交換が容易な使い捨てセンサーを低コストで実現することができる。
また、センサーチップ13交換時の洗浄操作が不要となり、高価な自動搬送装置による埃対策も不要であるため、SPR分析装置を簡略化、低コスト化することができ、臨床診断分析でのSPR分析を実現することができる。
[実施例2]
本発明に係るSPRセンサーの実施例2を図5に示す。この実施例2のSPRセンサー10Bは、実施例1のSPRセンサー10Aと同様の構成要素を備えており、同一の構成要素には同一符号を付してある。このSPRセンサー10Bは、プリズム14A,14Bを分割して配置している点で実施例1のSPRセンサー10Aと異なっている。
本実施例では、図5に示すように、センサーチップ13の入射側のみならず、出射側にも点接触でプリズム14A,14Bを配置している。
本実施例のSPRセンサー10Bは、前述した実施例1のSPRセンサー10Aと同様に、金属薄膜12が一方の面に設けられたセンサーチップ13とプリズム14A,14Bとを点接触させ、この点接触領域を通過して入射光17が金属薄膜12に到達するように構成したので、プリズム14A,14Bと同じ材料からなるセンサーチップ13を用い、これをプリズム14A,14Bと点接触させて組み合わせるだけで、測定精度に優れたSPRセンサーを構成でき、センサーチップ13の交換が容易な使い捨てセンサーを低コストで実現することができる。
また、センサーチップ13交換時の洗浄操作が不要となり、高価な自動搬送装置による埃対策も不要であるため、SPR分析装置を簡略化、低コスト化することができ、臨床診断分析でのSPR分析を実現することができる。
[実施例3]
本発明に係るSPRセンサーの実施例3を図6に示す。この実施例3のSPRセンサー10Bは、実施例1のSPRセンサー10Aと同様の構成要素を備えており、同一の構成要素には同一符号を付してある。このSPRセンサー10Bは、実施例1と同様に、入射用のプリズム14Aを用いてセンサーチップ13に光を入射し、出射用のプリズム14Bを用いてセンサーチップ13から反射光を出射させるが、これらの入射用プリズム14Aと出射用のプリズム14Bとをセンサーチップ13の側面に配置して、光の入射、出射を行う点が異なっている。
この実施例3のSPRセンサー10Cは、前述した実施例1及び実施例2のSPRセンサー10A,10Bと同様の効果が得られ、さらにプリズム14A,14Bをセンサーチップ13の側面に配置したことにより、金属薄膜12に対してより大きな入射角で光を入射することができる。また、プリズム14A,14B自体の大きさ及び設置スペースを縮小でき、SPRセンサーの小型化を図ることができる。
この実施例3の構成において、GRINレンズ16の片端を斜めかつ球面状に研磨し、直接センサーチップ13の側面に接着固定させれば、入射用のプリズム14Aを用いること無しに本発明のSPRセンサーを構成できる。また、プリズムとセンサーチップが一体となっている場合でも、交換部分(取り外し可能部分)があれば、交換部分は点接触とすればよい。
[実施例4]
本発明に係るSPRセンサーの実施例4を図7に示す。この実施例4のSPRセンサー10Dは、光ファイバ15の出射側端部を斜めかつ球面状に研磨し、直接センサーチップ13の側面に接着固定し、入射用のプリズム14AとGRINレンズ16を省いた構成になっている。
このように、光ファイバ15の出射側端部を斜めかつ球面状に研磨し、直接センサーチップ13の側面に接触させれば、レンズを用いることなしに本発明のSPRセンサーを構成できる。
この場合、光ファイバ15のNAがそのまま金属薄膜への光の照射角度の範囲となる。照射角度の範囲は、センサーの屈折率、被測定物の誘電率、光の波長などから一意的に定められる。表1に一例を示す。
Figure 2006112808
従って、光ファイバ15のNAはこれらの測定物が十分に測定できる大きさに適切に合わせられる。
光源として波長可変光源、広帯域光源を用い、受光部で分光するのであれば、金属薄膜12に入射する角度を固定できるので、出射用のプリズム14Bからの出射部分にも光ファイバを融着又は接着し、分光装置に誘導することも可能である。
[実施例5]
前述した各実施例では、プリズム14A,14B(または光ファイバ15端部)に凸面19を設け、センサーチップ13側は平坦面としたが、本発明のSPRセンサーにおける点接触構造はこれらに限定されない。
図8は、プリズム20とセンサーチップ21との点接触構造を例示する図である。
図8(a)の点接触構造は、プリズム20とセンサーチップ21にそれぞれ凸部を設け、これらの凸部同士を突き合わせて点接触とした構造を示している。
図8(b)は、プリズム20とセンサーチップ21との一方に凸面を設け、他方に凹面を設け、これらを突き合わせて点接触とした構造を示している。ただし、点接触とするためには、凸面の曲率半径を凹面の曲率半径よりも小さくする必要がある。
図8(c)は、前述した各実施例と同じく、プリズム20とセンサーチップ21との一方に凸面を設け、他方を平坦面とし、凸面を平坦面に突き合わせて点接触とした構造を示している。ただし、凸面を設けるにはプリズムに限らず、センサーチップ側でも良い。
[実施例6]
本発明に係るSPRセンサーの実施例6を図9に示す。この実施例6のSPRセンサー10Eは、上面に微小な突起23を設けたプリズム22を用い、この突起23にセンサーチップ13を乗せ、センサーチップ13と突起23を接触させ、この接触点を通して光を透過させる構成になっている。プリズム22の入射面と出射面には、それぞれ反射防止膜24が設けられている。このように、プリズム22に設けた突起23を介してセンサーチップ13に光を入射すると共に、光を出射させることも可能である。
[実施例7]
センサーチップに使用する材料として、SHOTT社製のホウケイ酸ガラスB270またはコーニング社製のBK7を用いた。これらのガラスは、どちらも可視域から近赤外にかけて透明領域を有しており、またビッカース硬さは5200〜5700N/mmであった。
プリズムの材料としては石英系ガラスを用いた。このガラスのビッカース硬さは6300〜6800N/mmであった。
これらの材料を用いてセンサーチップとプリズムを作製し、実施例1と同じ構造のSPRセンサーを作製した。測定に用いる波長は850nmの広帯域光源を用いた。
[実施例8]
センサーチップの材料としてホウケイ酸ガラスの代わりにポリカーボネートを用いた以外は、実施例7と同じSPRセンサーを作製した。このポリカーボネートのビッカース硬さは80〜130N/mmであり、波長600〜1000nmの透過率は90%以上に調整した。
[実施例9]
センサーチップの透明材料としては、フッ素変性ポリイミドを用いることもできるし、またポリスチレンを用いることも可能である。フッ素変性ポリイミドの波長600〜1000nmの透過率は90%以上であり、ビッカース硬さは200N/mmであった。またポリスチレンは、赤外透過率が90%以上であり、ビッカース硬さは200N/mmであった。これらの樹脂のヤング率は石英ガラスの5%以下であり、例えば石英ガラスと突き合わせると、押し付け圧力が200gf程度でもこれらの樹脂に大きなひずみが加わるため十分な接触面積を確保することができた。
なお、センサーチップとプリズムの材料の組み合わせは、前述した実施例7〜9に限定されない。プリズムとして石英ガラスの代わりにホウケイ酸ガラスを用いることもできるし、鉛ガラスを用いることも可能である。またビッカース硬さ6000N/mm程度の石英系ガラスをプリズムとして用いる場合、センサーチップの透明材料としては、波長600〜1000nmで90%以上の透過率を有しており、ビッカース硬さが5400N/mm以下の透明材料であればよく、この透明材料で作製したセンサーチップを石英ガラス製のプリズムと組み合わせてSPRセンサーを構成することが可能である。
[実施例10]
屈折率の比が120%以下になる例としては、石英ガラス(屈折率1.444)と非晶質ポリオレフィン(屈折率1.53)又はポリカーボネイト(屈折率1.58)との組み合わせが挙げられる。ビッカース硬さは石英ガラス900kg/mm2に対して、非晶質ポリオレフィンが20kg/mm2以下、ポリカーボネイトは10〜13kg/mm2である。これらの材料を組み合わせてSPRセンサーを構成することが可能である。
従来のSPRセンサーの構造を示す概略図である。 典型的なSPRスペクトルを表すグラフである。 SPRセンサーにおけるプリズムの機能を説明する概略図である。 本発明に係る実施例1のSPRセンサーを示す概略図である。 本発明に係る実施例2のSPRセンサーを示す概略図である。 本発明に係る実施例3のSPRセンサーを示す概略図である。 本発明に係る実施例4のSPRセンサーを示す概略図である。 本発明に係る実施例5の点接触構造を例示する概略図である。 本発明に係る実施例6のSPRセンサーを示す概略図である。 プリズムとセンサーチップの材料の組み合わせを例示する概略図である。 両方とも石英ガラスで作製したプリズムとセンサーチップを繰り返し応力印加によって接触させたときの反射率増加とSPRスペクトルの乱れを示すグラフである。
符号の説明
10A,10B,10C,10D,10E…SPRセンサー(表面プラズモンセンサー)、11…試薬、12…金属薄膜、13,21…センサーチップ、14A,14B,20,22…プリズム、15…光ファイバ、16…GRINレンズ(屈折率分布レンズ)、17…入射光、18…出射光、19…凸面、23…突起、24…反射防止膜。

Claims (12)

  1. 表面プラズモン励起用の金属薄膜が一方の面に設けられたセンサーチップと、該センサーチップに光源からの光を誘導する誘電体とが、少なくとも一方が凸面である接続面で点接触され、入射光が前記点接触領域を通過して金属薄膜に到達するように構成されたことを特徴とする表面プラズモンセンサー。
  2. 凸面が曲面を有し、該曲面の曲率半径が5mm〜100mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモンセンサー。
  3. 光源が可干渉性の狭帯域光源であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面プラズモンセンサー。
  4. 光源からの光が結像系を用いて光ファイバに入射され、センサーチップの金属薄膜まで屈折率1.4〜1.53の誘電体内のみを伝搬させるように構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面プラズモンセンサー。
  5. 入射経路に、光ファイバと該光ファイバに融着接続された屈折率分布レンズとを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面プラズモンセンサー。
  6. 屈折率分布レンズが光ファイバの外径の10倍以下の外径であることを特徴とする請求項5に記載の表面プラズモンセンサー。
  7. センサーチップに光を誘導する誘電体がプリズムであり、このプリズムと入射用の屈折率分布レンズとが紫外線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂によって接着されたことを特徴とする請求項5又は6に記載の表面プラズモンセンサー。
  8. 光ファイバから直接センサーチップに光を照射するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の表面プラズモンセンサー。
  9. センサーチップが、これと接する誘電体よりも柔らかい透明材料からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の表面プラズモンセンサー。
  10. センサーチップを構成する透明材料のビッカース硬さが、これと接する誘電体のビッカース硬さに対して10%以上小さいことを特徴とする請求項9に記載の表面プラズモンセンサー。
  11. センサーチップを構成する透明材料のビッカース硬さが、これと接する誘電体のビッカース硬さに対して50%以上小さいことを特徴とする請求項9に記載の表面プラズモンセンサー。
  12. センサーチップを構成する透明材料の屈折率と、これと接する誘電体の屈折率の比(ただし、この屈折率の比は、両方の材料のうち、高屈折率材料の屈折率/低屈折率材料の屈折率の比である。)が120%以内であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の表面プラズモンセンサー。

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