JP2001242079A - 液体を検知又は識別するための光学装置 - Google Patents

液体を検知又は識別するための光学装置

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JP2001242079A
JP2001242079A JP2000049672A JP2000049672A JP2001242079A JP 2001242079 A JP2001242079 A JP 2001242079A JP 2000049672 A JP2000049672 A JP 2000049672A JP 2000049672 A JP2000049672 A JP 2000049672A JP 2001242079 A JP2001242079 A JP 2001242079A
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liquid
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Hironobu Yamamoto
弘信 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体の有無、種類、濃度等を検知・識別する
のに最適で、構成が簡単且つ安価で製作が容易な光学装
置を提供すること。 【解決手段】 多入射角反射型屈折率センサは、屈折率
1の被検液体2と接する液体検出面aを有する光透過
性媒体で構成される筐体1を備える。筐体1は光束調整
機能として、入射光3の1本の光束を2本の適切な角度
に屈折せしめる立体面を備える。光入射面c、dは入射
光3を2本の非平行光束に分割し、屈折せしめて2本の
非平行な光束を作り出す。各光束は液体検出面aに対し
て、被検液体2の屈折率範囲に対応して設計される反射
強度が得られる範囲の入射角度θ01及びθ02で入射され
る。液体検出面aで反射された光は、出射面e、fで1
本の光束に合成され、出射光4となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光透過性媒体の
光反射面に接する液体物質の屈折率の差異により入射光
線の反射率が変化することを利用した、コンパクトで安
価な多入射角反射型屈折率センサによる液体の有無、種
類、濃度等を検知又は識別するのに最適な光学装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】光の反射特性を利用して液体の検知又は
識別するセンサの構成例として、実開昭60−2927
1号の公報の考案などがある。この考案の構成を図17
によって説明すると、1’はガラス製プリズム、2は被
検液体、3は入射光、4は反射光である。このような構
成において、光ファイバ等の光源からの入射光3をプリ
ズム1’と液体2の接触面aに対して或る角度θ0で入
射し、この時の入射光3が前記接触面で1回反射される
反射光4の強度を検出し、その検出信号出力から液体2
の屈折率を判定することにより、液体2の有無、種類、
濃度等が検知される。
【0003】プリズム1’が空気中に在る場合、入射光
は光反射面a(=接触面)で全反射するような入射角を
有しており、液体が接触している場合、入射角θ0を適
当な範囲に選べば、入射光は全反射状態から部分反射状
態に変化する。周知の事項であるが、ガラスプリズム
1’の屈折率n0、液体2の屈折率n1、プリズム1’か
ら液体2への入射角度θ0とし、入射光3の偏光がラン
ダムとすると、反射面での反射率Rは下記の式(1)で
表される。
【0004】
【数1】
【0005】(この反射率は、周知のフレネルの式から
計算され、フレネルの式については、M.ボーン及び
E.ウルフ著「光学原理(Principles of
Optics)」、Pergmon Press、1
959を参照されたい)。
【0006】図18は種々の入射角θ0に対する反射率
Rの計算値を示したものである。図18において実線は
プリズム(材質BK7)の屈折率n0=1.513、入射
角θ 0=62°の場合で、被検液体が水(n1=1.33
3)の場合には光は全反射し、屈折率が水より大きい有
機溶媒や油類(n1=1.35〜1.5等)の場合には
センサの反射率が大きく低下することを示している。こ
の構成を利用すれば、水の影響を受けず少量の有機溶媒
種や石油系燃料油類を検出することが可能であり、これ
ら多種の液体の識別が可能であることが分かる。このよ
うなセンサを屈折率の近接した液体の識別、例えば水と
エチルエーテル(n1=1.354)やエチルアルコー
ル(n1=1.362)等の識別に用いようとすると、
センサの製造上のバラツキ、温度や外力等による変動、
液体の屈折率の温度による変化、光源のレベル変動等の
各種要因により識別の信頼性が低下するという問題点が
生じた。
【0007】これを回避する方法として図18の破線で
示すように、異なる入射角θ0(図2では64°と66
°)を持つセンサを、2個、3個と並列に使用し、その
出力を比較すれば識別の精度を向上させることができ
る。この方法をより高度化した発明として、特開昭61
−11635号、特開昭61−11636号、特開昭6
1−11637号公報等は、複数の異なる入射角をもつ
光束を容易に実現するために、複数回反射型のための特
別な構造のプリズムを設計したり(図19)、発散光学
系を採用したり、レンズ・プリズム・回折格子等の光束
調整手段を備える(図20)等、低価格で高い識別能力
を有し、且つ外来雑音等の少ない光学式液体センサを開
示している。
【0008】しかし、これらの方法では、光入出力のた
めに特殊なプリズムや光学系を設計する必要があり、且
つ光検出のために複数個の光検出素子やアレイ形光検出
器又はイメージセンサ等を配備する必要があるので、結
果として系全体が複雑化し低価格化が実現できなかった
ために実用化が困難である。つまり、この反射式センサ
の原理に基づいてこれらの発明を考察すると、特殊な構
造のプリズムで多重反射光を利用して複数の入射角を実
現すると第1の信号に比して第2、第3、…の信号強度
が著しく低下していくため、センサの製造上のバラツ
キ、温度や外力等による変動、液体の屈折率の温度によ
る変化、光源のレベル変動等の各種要因により、識別の
信頼性が低下するという問題点を十分に解決できない。
また、発散光学系等の光束調整手段を用いた場合でも、
光源の極く一部分の光束しか利用できないため各々の入
射角に対応する信号強度が非常に小さくなり、周囲の温
度変動により生じる屈折率変化に伴う反射信号強度の揺
らぎの影響を受けやすく、信頼性を上げることが十分達
成できない。
【0009】また、全反射型屈折率センサを使用した油
種判別センサとして、特開平8−114547号公報
は、コンパクト且つ高精度の導波路型屈折率センサ技術
を開示している。その他、エバネッセント波又は導波に
基づく導波モード法や表面プラズマ共鳴法を利用した光
センサの例は多くの公知の文献に紹介されており、例え
ば特開平9−96605号公報のバイオセンサなどがあ
る。これらの構成によれば屈折率変化を高精度で測定す
ることが可能であるが、基板上にクラッド/コア/クラ
ッドから成る導波構造を具備する必要があったり、金属
薄膜を検知面に設ける必要性があり、高価な高屈折率材
料や金属蒸着膜等が必要となるので、構成が非常に複雑
で高価となる。さらに、これら導波モードや表面プラズ
マ振動モードは僅かの屈折率変動に対して著しく影響を
受けやすいため、測定精度を高く保つために温度制御が
必要とされたり、広範囲の入射角に対する反射光の受光
位置をCCD光センサアレイ等で検出するなどして分解
能を上げなければならないので、結局は複雑で高価なも
のとなっている。
【0010】その他、歴史的にはATAGO社のプロセ
ス屈折計で代表される屈折計が多くの様々な分野で、例
えば化学薬品工業、食品産業、木材加工業等の分野で工
程管理用モニタとして使用されている。この方式では通
常、ガラス製バルクプリズムに入射した光の全反射や部
分反射の臨界角で決まる境界線が画像分析される。従っ
て、広い屈折率範囲を連続的に高精度で計測できるよう
画像モニタや画像認識システム装置等が必要となるの
で、これまで小型・安価・簡易なセンサタイプとして採
用されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな課題を克服するために過去の開示に鋭意鑑みて提案
されたものであり、構成が簡単でコンパクト且つ安価で
あり、製作が容易で設計の自由度が高く、温度変化が生
じ得る環境下であっても、低ノイズで液体の有無、種
類、濃度等を検知又は識別するのに最適な光学装置を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明が採用した手法
は、特開昭61−11635号、特開昭61−1163
6号、特開昭61−11637号公報等における開示と
同様に、光の反射特性を利用して液体を検知又は識別す
る原理を利用し、且つ複数の異なる入射角を持つ非平行
光束をより容易に実現し、センサ全体の構成をよりシン
プル・コンパクトで安価なものとするために、光源、被
検液体検出素子、反射光検出部、筐体等のセンサ構成要
素を最小限として、実用的な性能を実現している。
【0013】上記の目的を達成するために、この発明
は、被検液体と接触する液体検出面と、光源部からの光
を液体検出面へ入射せしめる光入射面と、液体検出面か
らの反射光を第1の光検出部へ出射せしめる光出射面と
を有し且つ光透過性媒体で構成される筐体から成る、液
体を直接検知又は識別するための光学装置であって、前
記光入射面は、1つの光源からの光を複数の非平行な光
束に分けて、各々の光束が液体検出面に対し検知対象液
体の屈折率範囲に対応して設計される適切な反射強度が
得られる範囲の入射角の内の複数の適切な角度をもって
入射するように光束調整する機能を備え、前記液体検出
面は、前記被検液体との接触面において、前記複数の入
射光束を全反射又は部分反射せしめる光反射面としての
機能を備え、前記光出射面は、前記液体検出面から反射
された複数の非平行な光束全てを第1の光検出部へ出射
するように光束調整する機能を備え、前記第1の光検出
部で得た信号が複数の反射角度に対応する反射光強度の
加重平均となることを特徴とする、多入射角反射型屈折
率センサにより液体を検知又は識別する光学装置、を提
供する。
【0014】この発明の一つの実施の形態においては、
前記光源部が前記光透過性媒体から成る筐体の光入射面
に固定され、又は前記光透過性媒体内の光入射面に相当
する位置に埋め込まれており、前記第1の光検出部が前
記光透過性媒体から成る筐体の光出射面に固定され、又
は前記光透過性媒体内の光出射面に相当する位置に埋め
込まれている。
【0015】この発明の別の実施の形態においては、前
記光源部からの光を直接受光する第2の光検出部と、前
記第1の光検出部と前記第2の光検出部との出力を受け
取り、それら出力の比を求めて前記の被検液体の種類を
表す信号を出力する電子回路とを更に備えており、前記
光源部、前記第1の光検出部及び前記第2の光検出部
は、前記液体検出面を有する筐体に対して所定の位置関
係で取り付けられてもよい。
【0016】また、前記光束調整機能を有する光入射面
及び/又は光出射面が、立体面又は凸状の曲面で構成さ
れ、1本の光束を複数の立体面又は凸状曲面で透過・屈
折せしめ、複数の非平行な光束を作り出し、各々の光束
が液体検出面に対して、検知対象液体の屈折率範囲に対
応して設計される適切な反射強度が得られる範囲の入射
角の内の複数の適切な角度で入射させることができる。
また、前記複数の立体面又は曲面の代わりに、前記光入
射面及び/又は光出射面の所定の位置に、光束調整機能
として入射光束を複数の適切な角度で回折せしめる回折
格子を形成したり、回折格子が形成された格子層を光入
射面及び/又は光出射面に設けたりすることができる。
【0017】更には、前記液体検出面は、前記光透過性
媒体の反射面に平行平板状の光透過性基板を液体検出素
子として固定されてもよい。また、該液体検出面に、撥
水・撥油・防汚性の透明薄膜や光触媒性薄膜がコーティ
ングされていてもよく、光触媒反応を誘起させるため
に、光透過性媒体の筐体を通して外部光を液体検出面に
照射する構成としてもよい。
【0018】上記の構成において、前記光源部及び/又
は光検出部が光ファイバとコリメータを備えてもよい。
【0019】本発明における、検知対象液体の屈折率範
囲に対応して設計される適切な反射強度が得られる範囲
の入射角の内の複数の適切な入射角度とは、対象とする
被検液体の屈折率変化量dRに対するその反射率変化量
dnが−10以下(dR/dn≦−10)となるように
設定することが好ましく、更に好ましくは−5以下(d
R/dn≦−5)がよい。
【0020】また、本発明では、光入射面からの入射光
が液体検出面に入射するまでに1回以上全反射された後
に該液体検出面に入射し、該液体検出面からの反射光が
そのまま或いは1回以上全反射された後に光出射面に至
る多入射角複数回反射型屈折率センサにより液体を検知
又は識別する光学装置を提供する。
【0021】更に本発明は、光源からの光を光源部と光
入射面との間に設けられた光学素子を介して光入射面に
入射せしめ、光出射面は、液体検出面から反射された複
数の非平行な光束全てを前記液体検出面へ反射する機能
を備え、前記液体検出面から光入射面へそのまま反射せ
しめ、前記光入射面から出射した光を該光学素子の反射
面で直角に反射させ、第1の光検出部へ至る、多入射角
戻り反射型屈折率センサにより液体を検知又は識別する
光学装置を提供する。
【0022】本発明はまた、多入射角反射型屈折率セン
サにより液体を検知又は識別する光学装置を使用してリ
アルタイム及び/又はオンラインで被検液体の屈折率を
測定する手段と、被検液体の温度を検出する温度検出手
段とを備え、測定した屈折率を基準温度に温度補償し
て、基準温度における被検液体群の屈折率データベース
と照合して液体の種類を識別する光学装置をも提供す
る。
【0023】
【作用】本発明の多入射角反射型屈折率センサによれ
ば、光透過性媒体で構成される筐体の光入射面において
1つの光源から複数の異なる入射角を持つ非平行な光束
を容易に実現し、且つ該筐体の液体検出面からの複数の
非平行な反射光束を、該筐体の光出射面において1つの
光束にまとめた後に1つの光検出部又は光検出素子で受
信でき、つまり各々の入射角に対応する反射率の加重平
均でもって、被検液体の屈折率を求めることができる。
従って、光透過性媒体が光束調整手段且つ液体検出素子
として機能するので、従来のように光源と光学プリズム
の間に特別の光束調整手段を設ける必要がない。また、
複数個の光検出素子やアレイ形光検出器又はイメージセ
ンサ等を配備する必要がない。更に、該光透過性媒体が
光源部、光検出部を支持する筐体としても機能し得るの
で、特別のハウジングも必要ない。
【0024】また、周囲の温度変動により生じる屈折率
変化に伴う反射信号強度の揺らぎを小さく出来るので、
温度変化が生じ得る環境下であっても、低ノイズで液体
の有無、種類、濃度等を検知又は識別することができ
る。
【0025】上記の本発明の液体検出面は、光透過性媒
体の光反射面でもって具現化されているが、代わりに光
透過性媒体の光反射面に平行平板状の光透過性基板を液
体検出素子として固定することにより、素子劣化後に容
易に交換することが可能である。
【0026】また、該液体検出面の汚れは、測定値に大
きな影響を与えるので、長期的に信頼性が要求される環
境で使用する場合には、液体検出面に撥水・撥油・防汚
性コーティングが施され、表面を清浄に保つことができ
る。かかるコーティングとして光触媒性薄膜を利用した
場合には、外部から取り込まれる又は照射される光の特
定波長により光触媒反応が誘起され、汚染物質を分解除
去することが可能なので、長期連続使用に対しても高い
信頼性を確保することが容易となる。
【0027】前記平行平板状の光透過性基板を液体検出
素子として固定する構成においては、かかる液体検出素
子のコーティング機能が低下したとき、該液体検出素子
を交換するだけでよいので、保守及びメンテナンスが容
易且つ低コストで済むという利点がある。
【0028】さらに、多入射角複数回反射型構造や多入
射角戻り反射型構造とすることにより、よりコンパクト
で使い易い屈折率センサを構成することができる。
【0029】また、光の入出力手段として光ファイバを
利用すると、遠隔でのモニタリングや、防爆構造を導入
する必要のない危険区域でのセンシングが低コストで可
能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の若干の実施の形態を詳細に説明する。なお、図1
7及び図1〜図14 において、同一の又は同様の構成
要素には、同じ参照数字を付することとする。
【0031】この発明は、光の反射特性を利用して液体
を検知又は識別する最適且つ実用的な光学装置に関す
る。該光学装置は、複数の異なる入射角をもつ非平行光
束をより容易に実現し得る多入射角反射型屈折率センサ
を利用して被検液体の屈折率を検出することにより、液
体を検知又は識別する。この反射型屈折率センサは、2
つの媒質の境界面で反射又は屈折された光の強度が各媒
質の屈折率と入射角又は屈折角に依存するという事実を
利用する。
【0032】図1は、この発明に係る光学装置で使用さ
れる多入射角1回反射型屈折率センサの原理を概略的に
示す断面図である。図1において、1は屈折率n0の光
透過性媒体で構成される筐体、2は屈折率n1の被検液
体、3は入射光、4は反射光である。この構成では、光
束調整機能として、多入射角1回反射型屈折率センサの
光入射面及び光出射面が、1本の平行光束を2本の適切
な角度に屈折せしめる立体面c、d、e、fで構成され
る。つまり、1本の平行光束を2つの立体面c、dで屈
折せしめて2本の非平行な光束を作り出し、各々の光束
が液体検出面aに対して、検知対象液体の屈折率範囲に
対応して設計される適切な反射強度が得られる範囲の入
射角度θ01及びθ02で入射させることができる。この構
成では、光入射面c、dで入射光3を2本の非平行光束
に1:1で分割し、光出射面e、fで2本の光束を1本
の平行光束に合成して、出射光4とせしめるよう設計さ
れている。θ01、θ02で入射した光は、スネル(Sne
ll)の法則にしたがい、それぞれ被検液体側へθ11
θ12の角度で透過、屈折する。
【0033】光透過性媒体で構成される筐体1は、光学
用途に開発・市販されている樹脂、例えばアクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、透明スチレン樹脂、透明エ
ポキシ樹脂、透明フッ素樹脂などで作ることができる。
光入射面c、dは、光源部からの光束が、筐体樹脂の屈
折率と所望入射角度θ01及びθ02からスネル(Snel
l)の法則に従って算出される適切な角度で入射する様
に、筐体形状を加工し研磨することにより設けることが
できる。同様にして、光出射面e、fも形成される。ま
た、筐体1の材質として、樹脂の他にガラスも使用可能
である。
【0034】図2に、従来の図17の構成(BK7プリ
ズム使用)で、式(1)により算出される波長670n
mの入射光における種々の入射角θ0に対する反射率R
を示す(θ0=66°、68°、70°、72°)。そ
れぞれの入射角に応じて、容易に測定でき得る屈折率範
囲が異なることが理解される。即ち、全反射状態から部
分反射状態へ移行する臨界角となる屈折率に近い被検液
体の検知又は識別などには適さない。これは、dR/d
n>−10となる領域では、屈折率−反射率曲線の勾配
が急であるため、周囲の温度変動により生じる屈折率変
化に伴う反射信号強度の揺らぎが非常に大きくなるから
である。一般的な液体の屈折率の温度係数dn/dtは
−2〜6×10-4程度であるので、dR/dn≦−10
であればdR/dt≦2〜6×10-3となり、周囲の温
度変動による影響が少なくて済む。石油系燃料油の検知
又は識別の用途では、n1=1.39〜1.49の範囲の
レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、灯油、軽油、
重油に対して適用されるので、例えば、図2のθ0=6
6°とθ0=70°の2つの入射角を併用するのが望ま
しい。
【0035】図3は、図1の構成において、θ01=66
°、θ02=70°と設計した場合の個々の反射率と、合
成された反射光4の反射率(=信号強度)を示したグラ
フ(θ0=66°&70°)である。ここで合成される
反射率は下記の式で表される。
【0036】
【数2】
【0037】ここで、α及びβはそれぞれ、θ01とθ02
との入射光の比率で、図1の構成では、前述したように
共に0.5である。この構成は、θ01とθ02の各々のd
R/dn≦−10となる領域の被検液体の屈折率範囲、
即ち約n1=1.39〜1.422付近、及びn1=1.4
3〜1.49付近の液体の検知又は識別に適する。
【0038】図4は、図3で説明した設計と同様に、入
射面を3つの多面体とし、入射角θ 0を60°、65
°、70°と設計した場合の個々の反射率と、合成され
た反射光4の反射率Rを示したグラフ(θ0=60°&
65°&70°)である。
【0039】このように、本発明により、1つの光源光
束で被検液体屈折率の適用範囲を広め、屈折率−反射率
曲線の任意の屈折率範囲の勾配を適当に緩やかにするこ
とができる。
【0040】図6の具体例は、アクリル製の筐体1の光
入射面に光源部5を固定し、筐体1の光出射面に第1の
光検出部6を固定した基本的構成を示す。光源部5は例
えばレーザー・ダイオード(LD)又は発光ダイオード
(LED)であり、可視光又は赤外線を放射する。LD
の場合、偏光状態をS偏光又はP偏光として選択しても
よい。第1の光検出部6としては、例えばフォトダイオ
ードやフォトトランジスタを用いることができる。アク
リル製の筐体1への固定方法は、ネジ止め、接着などが
利用される。接着剤としては、光源波長に対して十分な
光透過性を有し、且つ筐体材質との屈折率差が小さいも
のが望ましい。
【0041】また、図7のように光源部5と第1の光検
出部6を所定の角度でアクリル製の筐体1内にモールド
し、機械的安定性を良くすることも可能である。また、
筐体1に所定の角度で溝加工を施し、隙間なく装着する
ことも可能である。この構成は、センサが風雨や塵・
埃、湿気にさらされる場所や温度変化の大きい野外環境
等に設置される場合に、ノイズ原因物質の光路への侵
入、光路内での発生を防止できるので有効である。
【0042】別様として、光束調整機能として光入射面
と光出射面に入射光束を2本の入射角に回折せしめる回
折格子を設けることができる。図8は、透明な基板面の
2ヶ所に回折格子部7、8を形成し、光源部と光入射面
の間及び光出射面と光検出部の間に装着した例を示す。
【0043】図9に示す光学装置においては、光束調整
機能として光入射面と光出射面にそれぞれ、適宜の凸状
の曲面9が設けられており、これらの凸状の曲面9は、
透過し屈折する光束を液体検出面aで適切に集光せし
め、適切な入射角範囲θ03〜θ 04で反射するよう設計さ
れる。このとき、θ03〜θ04の幅は約10°〜30°が
望ましい。また、光入射面のみに凸状の曲面9を設けて
光検出部で集光するように設計することも可能である。
凸状の曲面9は筐体1の樹脂を加工・研磨することによ
り設けられるが、適宜の球面タイプ又は円筒タイプのガ
ラスレンズやプラスチックレンズなどの集光手段を、入
射面に接合して設けても良い。このとき、例えば入射角
θ03〜θ04が62°〜82°となるように集光状態を設
計した場合、合成された反射光4の反射率Rは図5に記
号◆(1回反射)で示すようになり、広い屈折率範囲で
dR/dn≦−10が満足される(この算出では、ガウ
ス型強度分布の入射レーザー光を、粗い近似によりθ03
〜θ04間で加重平均しているために滑らかな曲線が得ら
れないが、精度を上げると滑らかなカーブとなる)。
【0044】本発明では、光透過性媒体の筐体1が光束
調整手段且つ液体検出素子として機能するが、図10に
示すように、図6の構成に平行平板状の光透過性基板1
0を液体検出素子として固定して構成することもでき
る。かかる光透過性基板10は光源波長に対して透明で
あることが好ましく、その材料は例えばガラス、プラス
チック、ポリマ、セラミック又は半導体である。また、
光透過性基板10は筐体1の光反射面に樹脂などで接着
されるが、接着する代わりにマッチングオイル又はゲル
状ポリマ等で保持することにより、素子劣化後に容易に
交換することが可能である。
【0045】このとき、光透過性基板10の液体検出面
aの汚れは、測定値に大きな影響を与えるので、長期的
に信頼性が要求される環境で使用する場合には、液体検
出面aに撥水・撥油・防汚性コーティングを施し、液体
検出素子である光透過性基板10の表面を清浄に保つこ
とができる。かかるコーティングとしては、各種フッ素
系コーティング剤や表面改質剤等が使用でき、信越化学
工業(株)製のフッ素シリコーンコーティング剤KP−8
01Mや旭硝子(株)製のサイトップCTX−809A等
が有効である。
【0046】光透過性基板10の液体検出面aの材質が
ガラスの場合には、ガラス組成物の溶出防止の為、ガラ
スと撥水・撥油・防汚性コーティングの間にアルカリバ
リアコートを挿入してもよい。
【0047】更に、かかるコーティングとして光触媒性
薄膜を利用した場合には、外部から取り込まれる光又は
照射される光の特定波長により光触媒反応が誘起され、
汚染物質を分解除去することが可能なので、長期連続使
用に対しても高い信頼性を確保することが容易となる。
【0048】図11は、図6の構成において、液体検出
面aに酸化チタン触媒を含有する光触媒性薄膜21をコ
ーティングし、光触媒性薄膜21を可視光透過性の筐体
1を通して太陽光等の外光22で常時照射する構成を示
している。かかるコーティングとしては、石原産業(株)
製ST−K03やテイカ(株)製TKC−301等の光触
媒コーティング剤の他、東陶機器(株)のハイドロテクト
技術による超親水性薄膜を利用することが有効である。
【0049】前記の図10における、平行平板状の光透
過性基板10を液体検出素子として固定する構成におい
ては、かかるコーティングの撥水・撥油・防汚等の機能
が低下したとき、該光透過性基板10を交換するだけで
よいので、保守メンテナンスが容易且つ低コストで済む
利点がある。
【0050】また、上述した各種コーティングを液体検
出面のみならず、光透過性基板10を含む筐体1の全表
面に施しても良く、この場合には筐体1の材質にかかわ
らず耐薬品性、耐吸湿性等が向上する。
【0051】図12は、図7の構成において、光入出力
手段として光ファイバ23,26を適用し、且つ光源部
5からの光を部分的にキューブビームスプリッター28
で反射させた後に直接受光する第2の光検出部29を設
けた例を示しており、光源用の光ファイバ23の端面か
ら広がって放射された光をコリメータ27により平行化
して光入射面c、dに入射させている。同様に、反射光
4もコリメータ27を通して光検出用の光ファイバ26
に結合されている。なお、キューブビームスプリッター
28の代わりに、プレート型やハーフミラータイプも使
用できる。
【0052】図13は、2入射角複数回反射型屈折率セ
ンサの一例を示している。光入射面gからの入射光3は
面h、iにて1回全反射された後に液体検出面aに入射
し、液体検出面aからの反射光は面j、kにて1回全反
射された後に光出射面mに至るよう構成されるので、全
体としてコンパクトな構造となるメリットがある。
【0053】図14は、図9と図12との構成を融合さ
せた多入射角戻り反射型屈折率センサの応用例を示して
おり、この例は、光入出力手段である光源部5と光検出
部6との間に1本の光ファイバ30を入出力両用ファイ
バとして適用し、更に、光出射面に凹面ミラー31を備
える構成である。入出力両用の光ファイバ30からFC
コネクタ32を介して出射された光は、凸レンズ9’に
より適切に集光されて入射角範囲θ03〜θ04で反射する
よう入射し、液体検出面a→凹面ミラー31→液体検出
面a→凸レンズ9’→FCコネクタ32の径路で戻り反
射しながら光ファイバ30に結合された後、キューブビ
ームスプリッター28で反射されて第1の光検出部6で
受光される。この構成が最もコンパクトであり、低コス
トのポータブルタイプのセンサを提供することができ
る。かかる凹面ミラー31は適宜の球面タイプ又は円筒
タイプの全反射凹面ミラーなどの集光手段を出射面に接
合して設けられるが、筐体1を曲面加工・研磨し金属反
射膜を表面コートすることにより設けてもよい。
【0054】このとき、入射角θ03〜θ04=62°〜8
2°、及び55°〜85°となるように集光状態を設計
した場合の合成された反射光4の反射率Rは、図5にそ
れぞれ、◇及び*で示すようになり、広い屈折率範囲で
dR/dn≦−10が満足される。
【0055】図12及び図14の構成において、光ファ
イバの先端にセルフォックレンズを一体化した光ファイ
バコリメータを用いてもよく、もしくは、コリメータや
凸レンズを利用せずに、例えば光ファイバの端面形状を
半球レンズ状や先球テーパ状に溶融加工又はエッチング
等によって加工してもよい。
【0056】この発明に係る多入射角反射型屈折率セン
サにおいては、光透過性媒体及び被検液体の屈折率が温
度と共に変動するので、多入射角反射型屈折率センサの
特性も温度の影響をある程度は受けざるを得ない。した
がって、精度の良い測定を行うためには、温度制御又は
温度補償が必要である。こうした温度制御又は温度補償
は、(1)多入射角反射型屈折率センサを温度制御され
たケース内に収納し、又は、多入射角反射型屈折率セン
サをヒートシンク上に設置されたペルチェ素子や循環冷
媒による熱交換器で温度制御する、(2)多入射角反射
型屈折率センサに白金抵抗体や熱電対等の温度感知素子
を取り付けて温度補正信号を作る、等の適宜の手法を用
いて実現可能である。
【0057】以下、この発明に係る多入射角反射型屈折
率センサを用いて種々の有機溶媒及びレギュラーガソリ
ン、ハイオクガソリン、灯油、軽油、を測定した結果の
実例を説明する。これらの測定結果を得るために、光源
として波長780nmのLDを用い、光検出器としてシ
リコンフォトダイオードを用いた。
【0058】実施例1:使用した屈折率センサは図10
に示す2入射角1回反射型屈折率センサと同じ構成であ
り、液体検出素子である光透過性基板にはBK7ガラス
基板を使用し、光透過性基板をアクリル製の筐体に屈折
率整合樹脂により取り付けたものである。既に説明した
とおり、光源から放射されたレーザー光を多面体入射面
によって2つに分割する。レーザー光はs偏光状態で液
体検出面に66°と70°の入射角で入射され、液体検
出面で反射された光を光検出器に供給する。
【0059】図15は、室温約20℃における以下の有
機溶媒に対するセンサの信号強度を、その屈折率(文献
値)に対応させてプロットしたものである(◆印)。
【0060】
【表1】
【0061】このグラフから、測定結果が図3の合成し
た反射率理論曲線と良く一致していることが分かる。こ
の結果を踏まえて、屈折率が未知のレギュラーガソリン
(RG)、ハイオクガソリン(HG)、灯油(K)、軽
油(D)の信号強度を測定し、図3の反射率理論曲線よ
りそれぞれの屈折率を算出した結果を下表に示すと共
に、図15に△印で示す。
【0062】
【表2】
【0063】測定サンプルの石油類の屈折率範囲は、n
1=1.386〜1.421及びn1=1.425〜1.48
の間に入っていたので、これらの油種を確実に識別する
ことが可能である。
【0064】実施例2:使用した屈折率センサは図9に
示すアクリル製の筐体から成る多入射角1回反射型屈折
率センサと同じ構成であり、光の入出力に光ファイバコ
リメータを2本使用した。レーザー光は無偏光状態で液
体検出面に62°〜82°の入射角となるようレンズで
液体検出面に集光した。
【0065】図16は、室温約20℃における有機溶媒
とRG、HG、K、Dに対するセンサの信号強度を、そ
の屈折率(文献値)に対応させてプロットしたものであ
る(●印)。測定結果は図5の反射率理論曲線と良く一
致しており、屈折率測定範囲を広くとることができるこ
とが分かる。また、実施例1とは違うブランドのレギュ
ラーガソリン(RG)、ハイオクガソリン(HG)、灯
油(K)、軽油(D)の測定結果から、図5の理論曲線
により、それぞれの屈折率を算出したところ下表を得
た。これらは図16に△印で示されている。
【0066】
【表3】
【0067】また、温度依存性を測定したところ、dR
/dt≒4×10-3であったので、dn/dt≒−4×
10-4が得られ、文献値とほぼ一致していた。通常の測
定環境の温度変動が1℃以下であると仮定すると、測定
精度±0.001は確保できるので、これらの油種を確
実に識別することが可能である。
【0068】
【発明の効果】以上、この発明を若干の実施の形態を用
いて詳細に説明したところから理解されるとおり、この
発明は、従来の液体センサに比べて、(1)構成が簡単
でコンパクト且つ安価であり、製作が容易で設計の自由
度が高く、被検液体の屈折率範囲に合わせた最適な設計
が可能である、(2)温度変化が生じ得る環境下であっ
ても、低ノイズで液体の有無、種類、濃度等を検知又は
識別できる、(3)部品点数を減らすことが可能であ
り、製造工程を簡略化、省力化することができ、製造コ
ストの削減が可能である、(4)保守メンテナンスが容
易且つ低コストで実施できる、という格別の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る多入射角1回反射型屈折率セン
サの基本構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図17の液体センサにおける光の入射角と液体
検知面での反射率と屈折率の関係を示すグラフである。
【図3】この発明に係る2入射角1回反射型屈折率セン
サにおける光の入射角と液体検知面での反射率と屈折率
の関係を示すグラフである。
【図4】この発明に係る3入射角1回反射型屈折率セン
サにおける光の入射角と液体検知面での反射率と屈折率
の関係を示すグラフである。
【図5】この発明に係る曲面の入射面による多入射角1
回反射型屈折率センサにおける光の入射角と液体検知面
での反射率と屈折率の関係を示すグラフである。
【図6】この発明に係る多入射角反射型屈折率センサの
一つの実施の形態を概略的に示す断面図で、多面体形状
を利用した入射面と出射面に光源部と光検出部が固定さ
れた構成を示している。
【図7】図6に示す多入射角反射型屈折率センサの変形
例について説明する図であり、樹脂内にモールドした構
成を示している。
【図8】図6に示す多入射角反射型屈折率センサの変形
例について説明する図であり、回折格子を利用した構成
を示している。
【図9】図6に示す多入射角反射型屈折率センサの変形
例について説明する図であり、レンズを利用した構成を
示している。
【図10】この発明に係る多入射角反射型屈折率センサ
の別の実施の形態を概略的に示す断面図であり、平行平
板状の光透過性基板を液体検出素子として固定する構成
を示している。
【図11】この発明に係る多入射角反射型屈折率センサ
の別の実施の形態を概略的に示す断面図であり、液体検
出面に光触媒性薄膜がコーティングされ、太陽光で常時
照射される構成を示している。
【図12】この発明に係る多入射角反射型屈折率センサ
の光入出力手段として光ファイバとコリメータを適用し
た形態を概略的に示す図である。
【図13】この発明に係る2入射角複数回反射型屈折率
センサの基本構成を概略的に示す断面図である。
【図14】この発明に係る多入射角戻り反射型屈折率セ
ンサの光入出力手段として光ファイバを適用した形態を
概略的に示す図である。
【図15】この発明に係る2入射角1回反射型屈折率セ
ンサで測定した反射信号強度と被検液体の屈折率の関係
を示すグラフである。
【図16】この発明に係る多入射角1回反射型屈折率セ
ンサで測定した反射信号強度と被検液体の屈折率の関係
を示すグラフである。
【図17】従来の液体センサ(実開昭60−2927
1)の基本構成を概略的に示す断面図である。
【図18】図17の液体センサにおける光の入射角と液
体検知面での反射率と屈折率の関係を示すグラフであ
る。
【図19】従来の液体センサ(特開昭61−1163
5)の基本構成を概略的に示す断面図である。
【図20】従来の液体センサ(特開昭61−1163
7)の基本構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1’、13:プリズム、1:筐体、 2:被検液体、
3:入射光、4:反射光、 5、11:光源部、 6:
第1の光検出部、7、8:回折格子部、9:凸状の曲
面、 9’:凸レンズ、 12:レンズ、10:液体検
出素子、 14:補助プリズム、 15、16、17:
光検出器、18、19、20:光増幅器、 21:光触
媒性薄膜、 22:太陽光、23:光源用光ファイバ、
24:光束調整手段、 25:光学プリズム、26:
光検出用光ファイバ、 27:コリメータ、28:ビー
ムスプリッター、 29:第2の光検出部、30:光入
出力用光ファイバ、 31:凹面ミラー、 32:FC
コネクタ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検液体と接触する液体検出面と、光源
    部からの光を前記液体検出面へ入射せしめる光入射面
    と、前記液体検出面からの反射光を第1の光検出部へ出
    射せしめる光出射面とを有し且つ光透過性媒体で構成さ
    れる筐体を備えた、液体を直接検知又は識別するための
    光学装置であって、前記光入射面は、1つの光源からの
    光を複数の非平行な光束に分けて、各々の光束が前記液
    体検出面に対し検知対象液体の屈折率範囲に対応して設
    計される適切な反射強度が得られる範囲の入射角の内の
    複数の適切な入射角度をもって入射するように光束調整
    する機能を備え、前記液体検出面は、前記被検液体との
    接触面において、前記複数の入射光束を全反射又は部分
    反射せしめる光反射面としての機能を備え、前記光出射
    面は、前記液体検出面から反射された複数の非平行な光
    束全てを前記第1の光検出部へ出射するように光束調整
    する機能を備え、前記第1の光検出部で得た信号が複数
    の反射角度に対応する反射光強度の加重平均となること
    を特徴とする、多入射角反射型屈折率センサにより液体
    を検知又は識別する光学装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学装置であって、 前記光源部が前記光透過性媒体から成る筐体の光入射面
    に固定され、又は前記光透過性媒体内の光入射面に相当
    する位置に埋め込まれており、 前記第1の光検出部が前記光透過性媒体から成る筐体の
    光出射面に固定され、又は前記光透過性媒体内の光出射
    面に相当する位置に埋め込まれていることを特徴とする
    光学装置。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれか1つに記載の光
    学装置であって、 前記光源部からの光を直接受光する第2の光検出部と、 前記第1の光検出部と前記第2の光検出部との出力を受
    け取り、それら出力の比を求めて前記被検液体の種類を
    表す信号を出力する電子回路と、を更に備えることを特
    徴とする光学装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光
    学装置であって、前記光入射面及び前記光出射面のう
    ち、少なくとも1つが、1本の光束を複数の非平行な適
    切な角度に透過・屈折せしめる立体面で構成されること
    を特徴とする光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光
    学装置であって、前記光入射面及び前記光出射面のう
    ち、少なくとも1つの所定の位置に、平行光束を複数の
    適切な角度で回折する回折格子を形成したことを特徴と
    する光学装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光
    学装置であって、前記光入射面及び前記光出射面のう
    ち、少なくとも1つが、1本の光束を複数の非平行な適
    切な角度に屈折させる凸状の曲面で構成されていること
    を特徴とする光学装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つに記載の光
    学装置であって、前記筐体の光反射面に液体検出素子と
    して平行平板状の光透過性基板を固定したことを特徴と
    する光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つに記載の光
    学装置であって、前記液体検出面に撥水・撥油・防汚性
    の透明薄膜が形成されていることを特徴とする光学装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1つに記載の光
    学装置であって、前記液体検出面に光触媒性薄膜が形成
    されており、前記光透過性媒体からなる筐体を通して外
    部光を前記液体検出面に照射されるとともに、該光触媒
    薄膜に付着する被検液体物質や被検液体に混入する汚損
    物質を光触媒反応により分解除去することを特徴とする
    光学装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1つに記載の
    光学装置であって、前記光源部及び光検出部のうち、少
    なくとも1つが光ファイバとコリメータを利用している
    ことを特徴とする光学装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10記載の光学装置であっ
    て、前記複数の入射角度をすべて、対象とする被検液体
    の屈折率変化に対応する反射率変化が−10以下となる
    ように設定したことを特徴とする光学装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11記載の光学装置であっ
    て、前記光入射面からの入射光が前記液体検出面に入射
    するまでに1回以上全反射された後に該液体検出面に入
    射し、該液体検出面からの反射光がそのまま或いは1回
    以上全反射された後に前記光出射面に至る多入射角複数
    回反射型屈折率センサにより液体を検知又は識別する光
    学装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12記載の光学装置であっ
    て、光源からの光を光源部と光入射面との間に設けられ
    た光学素子を介して前記光入射面に入射せしめ、前記光
    出射面は、前記液体検出面から反射された複数の非平行
    な光束全てを前記液体検出面へ反射する機能を備え、前
    記液体検出面から前記光入射面へそのまま反射せしめ、
    前記光入射面から出射した光を該光学素子の反射面で直
    角に反射させて前記第1の光検出部へ至る、多入射角戻
    り反射型屈折率センサにより液体を検知又は識別する光
    学装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13記載の多入射角反射型
    屈折率センサにより液体を検知又は識別する光学装置を
    使用してリアルタイム及び/又はオンラインで前記被検
    液体の屈折率を測定する手段と、前記被検液体の温度を
    検出する温度検出手段とを備え、測定した屈折率を基準
    温度に温度補償して、基準温度における前記被検液体群
    の屈折率データベースと照合して液体の種類を識別する
    ことを特徴とする光学装置。
  15. 【請求項15】 前記被検液体が工業ガソリン、自動車
    ガソリン、航空ガソリン、灯油、軽油、重油等の石油系
    燃料油であることを特徴とする請求項1〜14記載の光
    学装置。
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