JP2006003149A - Sprセンサーおよび屈折率測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】SPR現象を用いる、免疫、DNAファイブリダイゼーション、レセプター・リガンドの特異的結合反応用いるセンサー、およびEIA、ELISA、ウエスタンブロッティング法による免疫測定において、高感度化を図るために、小型装置で複雑化することなく測定ノイズの低減を提供する。
【解決手段】表面プラズモン共鳴効果を有する金属薄膜の複数のドットを周期的に配置して形成したクラスターを透明基板に周期的に配置するとともに、前記クラスターの中心間距離である周期は前記ドットの中心間距離である最小周期より長周期であることを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、医療診断や環境分析、菌・ウィルス検査、創薬スクリーニングを行うセンサーにおいて、抗原抗体反応を用いる抗原やホルモンを検出するセンサー、またはDNAの配列を識別するセンサー、および酵素と基質の結合を利用し、対象分子の濃度を測定する表面プラズモン共鳴(SPR)センサー及びそのSPRセンサーを使用した屈折率測定方法に関する。
(免疫測定法)
抗体の抗原分子認識機能を使った免疫測定法は、複雑な生体分子を分離操作することなく検出できるため臨床検査、環境汚染物質の測定、生化学分野での測定で広く使われている。比較的感度の低い測定では、簡便な測定法が開発され、例えば、個人で行なうことのできる妊娠検査などに使われている。
また、特に低濃度の抗原が測定できることから、高感度測定が必要なインシュリン、BNP(Brain Neutrius Peptide)、カテコールアミン、サイトカインなどの疾病マーカ、環境ホルモン、ウィルス・病原菌の測定に利用される。測定対象の分子に対する特異的抗体は安価に人工的に産生することができるので、多くの天然分子や、環境ホルモンなど生体に影響のある非天然分子を測定できる対象分子の広い測定法である。
抗体と抗原の結合が極めて特異的で結合定数も大きいことから、測定対象が低濃度である場合にも抗体は抗原に高い割合で結合し、より高い濃度で存在する夾雑分子の影響を受けにくい。このような特徴から、免疫測定法は液体クロマトグラフィーなどの分離操作を必要としない、特定の分子を高感度に測定する方法である。
(ラベル化誘起蛍光法)
抗原抗体反応を使って特定の分子を高感度に測定する場合には、蛍光分子で抗原分子を標識し、基板に固定化した抗体と反応させ、洗浄後、誘起蛍光法で抗体と結合した抗原分子を検出する方法が一般的である。このような特異的結合を利用する生体分子の測定法としては、抗原抗体反応のほかに、相補する配列を持つDNA、酵素と基質、レセプター分子とリガンド分子があり、結合する組み合わせも、1対1だけではなく多数の分子の複合体を形成する場合もあり、免疫測定法と同様に、蛍光分子によるラベル化と誘起蛍光法で測定されている。
高感度を測るためには、酵素免疫測定法(EIA)、Enzyme Linked Immunosorbentassay(ELISA法)があるが、結合反応を検出する方法では、誘起蛍光法が一般的である。ラベル化試薬を用いる場合は、煩雑なラベル化操作が必要である(非特許文献1)。
(SPR法)
そこで、ラベル化試薬を用いずに特異的反応を検出する方法が開発されている。この中で、表面プラズモン共鳴(SPR)を使った屈折率の測定から特異的結合を検出する方法は実用化され、広く使われている(非特許文献2)。
SPR法を利用する測定法では抗原または抗体を金薄膜に固定し、これと被測定分子が特異結合すると、金属薄膜表面の屈折率が大きくなるのを利用して検出する。SPR法では、金や銀などの基板表面から数百nmの範囲の屈折率変化を選択的に検出するので、金属薄膜表面に数百nm分子認識膜があると、その薄膜の屈折率を選択的に測定できる。また微小体積の測定でもバルク測定と同じ感度で測定できる利点がある。
(簡易測定)
SPR法の光学系は、金薄膜を形成した高屈折率透明材料に単色光を照射し、全反射光を受光素子で測定する。光源からの強い全反射光を測定するので、安価な受光素子を用いることができる。単純な光学系で実現でき、光源には安価なLEDを、検出にはCCDカメラを使うことができる。このような特徴から、SPR法は小型の測定器にも適している。
(SPRの感度)
SPR法では、金などの薄膜からのP偏光反射光強度の入射角度依存性から屈折率を求める。反射光の入射角度依存性と屈折率の関係は、フレネルの多層膜反射率式から、一意に求められる。したがって、高感度化を測るためには、ノイズの少ない、P偏光反射光強度の入射角度依存性を測定する必要がある。
もっとも広く使われているクレッチェマン光学系と楔形の入射光束とCCDのような2次元のイメージング素子を用いる装置系では、画像の強度データから反射率最小入射角度(SPR角度)を求め、SPR角度から屈折率を決定する。この場合、図8のように入射角度を表す軸と、反射面上で入射面に垂直な方向な線上の反射位置を表す軸が画素のX、Y方向にならび、反射強度が画素の値になる画像が得られる。高感度測定のためには、反射率が最小になる入射角度をこの画像から高精度に求める必要がある。しかし、光源、CCD、光学系のずれ、ごみによって生じるノイズがあるために、反射率が最小になる入射角度にもノイズが現れる。
低ノイズ化を測るためには、フレームの異なる画像を加算し時間的に平均化するか、同じ屈折率を取ると考えられる反射点からのデータを加算し空間的に平均化する。CCDや、CMOSカメラ素子のひとつの画素は、ノイズを含むが、これを平均化すると、極めて安定した測定ができる。しかし、前者の場合には時間分解能が、後者の場合には空間分解能が低下する。また、SPR効果のないS偏光の反射光強度を測定し、P偏光を規格化することによってノイズを低減される。この場合は光学系が複雑になる。
しかし、図8のようにSPR角度に相当する画像データの部分は、画像の暗い部分であり、SPR角度の決定するに大きく寄与するのは、暗くダイナミックレンジの小さな部分である。また、SPR角度は、屈折率の変化に伴って画像の入射角度軸方向に平行移動するので、角度方向にはSPR角度の決定に寄与しない部分も測定する必要がある。さらに、フレネル反射式を使って高精度に反射率最小角度を求めるには、反射率の絶対値を測定する必要があり、このためにはできるだけ広い入射角範囲の反射率測定が必要で、角度方向の分解能と両立しない。
(ナノドットSPR)
またナノサイズの金微粒子を含む溶液の吸収スペクトルが、金微粒子に付着する物質の屈折率によってシフトする効果を利用するセンサーが知られている。また、基板上に銀のパターンをリソグラフィーで形成し、この基板の透過スペクトルの測定から、同様な測定が可能である(非特許文献3)。この方法では、透過スペクトルを測定する代わりに、特定波長の透過強度を測定して、屈折率を測定することができるので、簡便な測定装置に用いることができる。
(位相検出SPR)
一方、SPR測定法として、SPR効果により屈折率の変化が反射光の位相を大きく変化させる現象を利用した測定法がある(非特許文献4,5)。この方法では、2方向に分割したコヒーレント光の一方を、プリズムまたは回折格子カップラーまたは、コアに金薄膜をつけた導波路を介して金薄膜に照射し、他方との干渉による光強度の変化から金薄膜からの反射波の位相差を測定する。この方法では、高精度に光を分割する素子や合波する光学系が必要になる。また、温度や、機械的変形による影響を受けやすく、ノイズを小さくするのに特別な装置や、構造を必要とする。
(活性維持)
一方、特に免疫測定においては、固定化された抗体の活性の保持が感度と分子の特異性に影響する。抗体は、基板上に固定された場合、密集して固定化されると活性を失うことがあり、適当に分散させる必要がある。このために、
(1)基板上に形成した高分子の3次元網目構造に抗体を固定化し、相互の距離が大きくなるようにする、
(2)基板上に形成した白己集積膜に規則的に固定するなどの方法が知られている。
「超高感度酵素免疫測定法」、石川栄治著、学会出版センタ、1993年12月19日発行、p.131〜132。 ビアコア株式会社、[online]、2004年3月30日検索、インターネットURL:http://www.biacore.co.jp/3_1_3.shtml。 A.J.Haes,R.P.Van Duyne,J.Am.Chem.Soc.,2002,124、10596−10604。 A.Brecht,G.Gauglitz,Biosensors&Bioelectronics 10(1995)923−936。 S.G.Nelson,K.S.Johnston,S.S.Yee,Sensors and Actuators B35−36,(1996)187−191。
(低ノイズ測定)
しかしながら、高い屈折率感度を必要とする低濃度の物質の測定や、検出反応のインキュベーションに時間を掛けられない迅速な測定を安価に行う必要がある場合には、簡単な装置でノイズレベルを低く抑える必要がある。すなわち、SPR現象を用いる、免疫、DNAファイブリダイゼーション、レセプター・リガンドの特異的結合反応用いるセンサー、およびEIA、ELISA、ウエスタンブロッティング法による免疫測定において、高感度化を図るために、小型装置で複雑化することなく測定ノイズを低減することが課題である。
(抗体の活性保持)
さらに、SPR測定で抗体による分子認識に用いる場合には、抗体の活性を保ったまま固定化する必要がある。しかし、SPR測定では、感度が基板表面から数百nmに限られているために、高分子膜を用いた場合には、必ずしも十分な密度の抗体を固定化できない問題があった。
上記課題を解決するため、本発明によるSPRセンサーは、表面プラズモン共鳴効果を有する金属薄膜の複数のドットを周期的に配置して形成したクラスターを透明基板に周期的に配置するとともに、前記クラスターの中心間距離である周期は前記ドットの中心間距離である最小周期より長周期であることを特徴とする。
また、本発明による屈折率の測定方法は、請求項1記載のSPRセンサーを使用し、前記ドットに測定すべき物質を接触させ、前記ドットの薄膜に単一波長の光を照射し該ドットからの反射回折光または、透過回折光を2次元アレイ状の受光素子で観測し、該ドット上の屈折率変化を、該ドットからの回折光の結像パターンから測定することを特徴とする。
以上説明したように、本発明による生体分子相互作用測定に利用するSPRセンサー及び屈折率測定方法では、
(1)簡便な装置で、安定した屈折率の変化の測定ができる。
(2)表面プラズモン共鳴効果を持つドットの配列を最適化することにより、高感度な屈折率測定ができる。
(3)表面プラズモン共鳴効果を持つドットに固定された抗体の活性の維持を図ることができる、という効果を有する。
本発明者らは、表面プラズモン共鳴(SPR)効果を有する薄膜の複数のドットを周期的に配置した繰り返しパターンを形成する。そしてこの繰り返しパターンの一単位をクラスターとする。
図1に、このような構造のSPRセンサーを模式的に示す。図1(a)は前記ナノサイズのドット1が規則的に全体的に配列されたもので、単周期構造を示している。すなわち、前記ドット1が繰り返しパターンで配置された前記パターンの一単位であるクラスター2を備えていない。
図1(b)は2重周期構造であり、ドット1が繰り返しパターンで配置された前記パターンの一単位であるクラスター2を備えている。そして前記クラスター2は正方格子状に所定間隔で周期的に配置された(繰り返しパターンで配置された)構造になっている(図2も参照)。
図1(c)は3重周期構造を示すものであり、クラスター2が繰り返しパターンで配置されたクラスター群21が形成されており、このクラスター群21が更に繰り返しパターンで配置された構造になっている。図1(d)は多重周期を示すものであり、クラスター2が複数の繰り返しパターンで配列された状態を示している。
この場合、ドットの最小周期(ドットの中心間距離;図2におけるd1+a)よりクラスターの周期(クラスターの中心間距離;図2における(a+d1)n1−d1+d2))は大きく(より長周期)、クラスターの周期よりクラスター群(クラスター群の中心間距離)の周期は大きい(より長周期)。すなわち、ドットよりクラスター、クラスター群にかけて(2重、3重、多重周期にかけて)順次周期は大きくなる。
本発明者らは、このような構造において2重周期以上の周期を持つものが、特異的結合反応検出する測定法において、きわめて分解能の高い安定した測定が可能であることを見いだした。
本発明者らは、特異的結合反応検出する測定法において、SPR効果のある材料を、特に2重周期配列したナノサイズのドットで作製し、その透過光または反射光の像を画像処理して屈折率を求めると、きわめて分解能の高い安定した測定が可能であることを見いだした。より詳しくは、入射光を回折させるための周期のパターン(クラスターパターン)と、抗体などの分子を効率的に固定化するためのナノサイズのドットのドットパターンを組み合わせて作製すると、高感度な屈折率測定が可能であり、抗体が高い活性を保ったまま、固定化されることを見出し本発明にいたった。
本発明による典型的な構造は、上述のように2重周期構造である。後述の図2を参照して説明すると、SPR効果を示す金属薄膜のドット1は正方格子状に所定間隔で(繰り返しパターンであるいは周期的配置で)ドットが形成されている。好ましくは、この繰り返しパターンの最小周期(ドットの中心間距離;図2におけるd1+a)は30〜110nmである。更に好ましくは、80〜110nmである。実施例1で示したように30μm未満であると作製が困難であり、一方最小周期が110nmを超えると、ドット間の距離が長くなりSPR効果が弱くなるからである。
また、ドットの最大幅(図2のように正方形の場合、1辺の長さ;円形状、星形状などの場合などは最大外径を示す)aは、好ましくは60nm以下である。実施例2より明らかなように、60nm以下であると、繰り返しによる、回折パターンの回復が良好で、この条件が抗体の活性維持に好ましい条件であることがわかる。
さらに、クラスター間隔d2は、好ましくは1600nm以下、400nm以上である。1600nm以下で回折強度が大きく、画像のコントラストが大きくなるからである。また400nm未満であるとクラスターを構成する最小周期のパターン個数が少なくなる(クラスターの周期よりドットの最小周期が小さいため)。すなわち2重周期性が失われる恐れを生じる。
本発明においては、SPR効果を発揮するドットに特異的結合反応を起こす生体分子を含む膜を修飾することができる。たとえば金ドットにカルボキシル基で終端された自己集積膜を介して抗IgGを修飾することができ、あるいはF(ab’)2または、Fabフラグメントを用いてスルフィド基で直接抗IgGを修飾することができる。
さらに、従来のSPR測定では、SPRによる反射光の入射角度依存性を反射光束の一部を用いて測定していた。
これに対し、本発明では、前記ドットに測定すべき物質を接触させ、前記ドットの薄膜に単一波長の光を照射し該ドットからの反射回折光または、透過回折光を2次元アレイ状の受光素子で観測し、該ドット上の屈折率変化を、該ドットからの回折光の結像パターンから測定する。
SPRよる反射または透過光の位相変化による回折像を用いることにより、被測定物の屈折率情報は、回折像全体に反映され、平均化の効果が大きく、安価な装置でも低いノイズで測定でき、高感度化を図ることができる。
以下に図面を参照して本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
図2のように、厚さ45nm、最大幅(図2のように正方形の場合、1辺の長さ;円形状、星形状などの場合などは最大外径を示す)anmの金薄膜のドット1が、間隔d1nmで正方格子状にn1×n1個並んだクラスター2を、間隔d2nmで正方格子状に並んだパターンをBK7の透明ガラス基板3上に作製し、SPRセンサーSとした。種々のa,d1,d2,n1の組み合わせのパターンを作製した。このSPRセンサーSは、電子線リソグラフィーとドライエッチング法で作製された。全クラスター2の占有部分は約1.4×1.4mmである。まず、この金ドット基板(SPRセンサー)の透過スペクトルを測定したところ、575nmに吸収が現れ、金ドット1が、表面プラズモン共鳴効果を示すことがわかった。
次に、図3のような測定装置で、SPRセンサーSに半導体レーザ4より波長670nmのレーザを照射し、反射側で回折像をCCDカメラ5で撮影し、図4の像を得た。図4の縦縞は、空気に接する金ドット1のクラスター2がカメラの方向に回折したものである。この回折パターン(結像パターン)は、空気の屈折率(1.0004)に対応する。
次に金ドット1のパターン面が水に接した状態で同様に回折パターンを測定し、別の回折パターンを得た。水の屈折率は、1.33なので、この屈折率差が、回折パターンに大きな変化を与えていることがわかる。この場合、回折パターンの縦縞の間隔と、位置が屈折率の変化に伴い移動することから、平均間隔と、回折パターンの重心計算する、などの方法で、回折パターンから、金ドット1に接する物質の屈折率を測定することができる。
図4の様に、SPR現象による、金ドット1上の屈折率の情報は画像全体に現れ、この画像を時間的に加算するとひとつの画素の情報は安定した値をとることがわかった。また、縞の周期と位置を計算する場合に、すべての画素が同等の重みを持つので、屈折率を決定するために、画像の全情報を効率的に利用できる。
次に、ドット1及びクラスター2の正方格子状パターンの配置を決めるa,d1,d2,n1を変えて、前記パターンを作製する時間、SPRセンサーチップの収率、安価に入手できる波長のレーザを用いて屈折率変化で変化する回折パターンを得られるかを検討した。
この結果を図5に示す。図5より明らかなように、前記ドット1の最小周期(ドットの中心距離)は作製の容易さから、30nm以上、好ましくは80nm以上が適している。30nm未満では、安定したドットパターンを形成するのが困難でドット欠けが発生するなど、ドットパターン収率が低かった。80nm以上では安定して作製することができた。
一方、最小周期の最大値については、最小周期110nmを超えると、ドット間の距離が長くなりSPR効果が弱くなった。また、ドットの占有面積を大きくすると、抗体の活性維特効果が弱くなり、適さなかった。
クラスター間隔d2(周期は(a+d1)n1−d1+d2))は、回折強度が大きく、画像のコントラストが大きくなる1600nm以下で、好ましくは800nm以下が適する。800nm以下では十分に大きなコントラストが得られた。一方、クラスター周期が短くなると、クラスターを構成する周期のパターンの個数が少なくなリ、2重周期性が無くなるので、400nm以上の周期である必要がある。
このような回折パターンの変化は、変化量を大きくするために、金ドットの配置をあらかじめ設計することができ、正方格子状以外の周期的配置でもよい。ドットの形状も任意の形状を用いることができる。
実施例1の金ドット1に図6のように、金にカルボキシル基で終端された自己集積化膜を作製し、この上に、シグマ社製抗IgGを共有結合で固定化した(特異的結合反応を起こす生体分子を含む膜)。抗体の固定化法ではF(ab’)2または、Fabフラグメントを用いて、スルフィド基で直接固定化してもよい。次に、この抗IgGで修飾した金ドットチップ(SPRセンサ)Sを、図7のように、金ドット1が形成された金ドットパターン面11が接触するようにマイクロ流路6に接着した。この流路6は、流路高さ0.02mmで、貫通する穴7があいている。
次に、この金ドットチップ(SPRセンサ)付マイクロ流路6と、導入、排出用の溝81の開いたガラス基板8とを接着した。送液口82、排出口83に、パイプを接続して、送液口82から、シリンジポンプを使って、送液を行った。液は送液口82より溝81を通り、穴7よりマイクロ流路6に入り、前記SPRセンサーSの金ドットパターン面11に接触して、穴7、溝81を通り排出口83より排出されるようになっている。SPRセンサーSに半導体レーザよりレーザを照射し、反射側で回折像をCCDカメラ5撮影し回折を測定する。
まず、シグマ社製牛血清アルブミン(BSA)を含むリン酸バッファーを流し、金ドットパターン面11にリン酸バッファーが接するように送液しながら、金ドットパターン11からの回折を測定した。
次に、抗IgGに対する、抗原である、シグマ社製IgGを含む溶液を送液すると、回折パターンの間隔と位置が連続して変化し、IgGの送液をやめ、BSAを含むリン酸バッファーの送液に切り替えると、回折パターンは一定となった。
さらに、pH5のグリシンバッファーを送液した後に、BSAを含むリン酸バッファーを送液したところ、最初の回折パターンが回復した。この実験をaの値が異なる金ドットパターンについて繰り返したところ、aが60nm以下のときに、繰り返しによる、回折パターンの回復が良好で、この条件が抗体の活性維持に好ましい条件であることがわかった。この実験は、抗IgGとIgGのような抗原抗体反応以外にも、相補する一本鎖DNA同士や、DNA−RNAの組み合わせでも、同様に作用し、DNAセンサーとしても利用できる。
本発明は、特異的結合反応検出の際に、SPR効果のある材料を2重周期で配列したナノサイズのドット上に抗体などの分子を固定化し、その透過光や反射光の像を画像処理して屈折率を測ることにより、対象分子の濃度を測定する。このため、
(1)簡便な装置で、安定した屈折率の変化の測定ができる。
(2)表面プラズモン共鳴効果を持つドットの配列を最適化することにより、高感度な屈折率測定ができる。
(3)表面プラズモン共鳴効果を持つドットに固定された抗体の活性の維持を図ることができる、という利点がある。
本発明のドット及びクラスターの周期を説明する説明図。 本発明の実施例のドット及びクラスターの周期を説明する説明図。 本発明の実施例の測定系を説明する概略図。 実施例で得られた回折パターンを示す図。 実施例のドットの最小周期とクラスター間隔との関係を示す図。 実施例2で使用されたSPRセンサーの説明図。 実施例で使用された測定系の説明図。 従来の回折パターンを示す図。
符号の説明
1 ドット
11 金ドットパターン面
2 クラスター
21 クラスター群
3 透明基板
4 半導体レーザ
5 CCDカメラ
6 マイクロ流路
7 穴
8 ガラス基板
81 溝
82 送液口
83 排出口

Claims (10)

  1. 表面プラズモン共鳴効果を有する金属薄膜の複数のドットを周期的に配置して形成したクラスターを透明基板に周期的に配置するとともに、前記クラスターの中心間距離である周期は前記ドットの中心間距離である最小周期より長周期であることを特徴とするSPRセンサー。
  2. 前記複数のドットが正方格子状に所定周期で配置されている前記クラスターを、前記透明基板に正方格子状に所定周期で配置したことを特徴とする請求項1記載のSPRセンサー。
  3. 前記ドットの最小周期は、30〜110nmであることを特徴とする請求項2記載のSPRセンサー。
  4. 前記ドットの最小周期は、80〜110nmであることを特徴とする請求項3記載のSPRセンサー。
  5. 前記クラスターの間隔は、400〜1600nmであることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載のSPRセンサー。
  6. 前記クラスターの間隔は、400〜800nmであることを特徴とする請求項5記載のSPRセンサー。
  7. 前記ドットの最大幅は60nm以下であることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項記載のSPRセンサー。
  8. 前記ドットの全部または一部を、特異的結合反応を起こす生体分子を含む膜で修飾したことを特徴とする請求項2から7のいずれか1項記載のSPRセンサー。
  9. 請求項1記載のSPRセンサーを使用し、前記ドットに測定すべき物質を接触させ、前記ドットの薄膜に単一波長の光を照射し該ドットからの反射回折光または、透過回折光を2次元アレイ状の受光素子で観測し、該ドット上の屈折率変化を、該ドットからの回折光の結像パターンから測定することを特徴とする屈折率測定方法。
  10. 請求項8記載のSPRセンサーを使用し、前記膜に特異的に分子が結合することによって起こる屈折率変化を測定することを特徴とする屈折率測定方法。
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