JP2009085335A - ロックアップ装置およびそれを備えた流体式トルク伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トルクコンバータ1のロックアップ装置5は、ピストン53と、第1摩擦プレート51と、第2摩擦プレート52と、ダンパー機構6と、を備えている。ピストン53はタービン4に対して回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられている。第1摩擦プレート51は、フロントカバー2に対して一体回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられている。第2摩擦プレート52は、ピストン53に対して一体回転可能かつ軸方向へ相対移動可能に設けられている。ダンパー機構6は、第2摩擦プレート52とタービン4とを回転方向に弾性的に連結する。
【選択図】図2
Description
図1および図2を用いてトルクコンバータ1の全体構成について説明する。図1はトルクコンバータ1の縦断面概略図である。図2はトルクコンバータ1の部分断面図である。図1の左側に図示しないエンジンが配置され、図1の右側に図示しないトランスミッションが配置されている。図1に示す線O−Oは、トルクコンバータ1の回転軸である。
図1および図2に示すように、ロックアップ装置5は、フロントカバー2とタービン4との軸方向間に配置されており、ピストン53と、第1摩擦プレート51と、第2摩擦プレート52と、ダンパー機構6と、を有している。
ピストン53は、ロックアップ装置5のクラッチ機能を実現するための部材であり、タービン4に対して回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられている。具体的には、ピストン53は、環状のピストン本体53aと、ピストン本体53aの内周部からトランスミッション側へ軸方向に延びる内周筒状部53bと、ピストン本体53aの外周部からテーパ状に延びる補強部53cと、補強部53cからエンジン側(フロントカバー2側)へ軸方向に延びる複数の爪部53dと、を有している。タービンハブ43の筒状部43aが内周筒状部53bに嵌め込まれているため、ピストン53はタービンハブ43により相対回転可能かつ軸方向へ移動可能に支持されている。
第1摩擦プレート51は、ピストン53および第2摩擦プレート52と摺動可能な部材であり、フロントカバー2に対して一体回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられている。具体的には、第1摩擦プレート51は、ピストン53とフロントカバー2との軸方向間(より詳細にはピストン53と第2摩擦プレート52との軸方向間)に配置されており、第1摩擦プレート本体51aと、第1摩擦プレート本体51aから半径方向内側へ延びる複数の突起51bと、を有している。突起51bは回転方向に等ピッチで配置されている。
第2摩擦プレート52は、フロントカバー2および第1摩擦プレート51と摺動可能な部材であり、ピストン53に対して一体回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられている。具体的には、第2摩擦プレート52は、フロントカバー2と第1摩擦プレート51との軸方向間に配置されており、第2摩擦プレート本体52aと、第2摩擦プレート本体52aの外周部から軸方向へ延びる出力部としての複数の突出部52bと、を有している。第2摩擦プレート本体52aは、環状の1対の摩擦フェーシング52dを有している。突出部52bは回転方向に等ピッチで配置されている。突出部52bの回転方向間には、後述するダンパー機構6のスプリング63が配置されている。
ダンパー機構6は、第2摩擦プレート52とタービン4とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、ピストン53とタービン4との間に配置されている。ダンパー機構6は、タービン4に固定された出力プレート60と、第2摩擦プレート52と出力プレート60との間で回転方向に圧縮可能なように出力プレート60に保持された複数のスプリング63と、を有している。
図1および図2を用いて、トルクコンバータ1の動作について説明する。
ロックアップ装置5の特徴は以下の通りである。
このロックアップ装置5では、第2摩擦プレート52、ピストン53、ダンパー機構6およびタービン4が一体回転するため、タービン4とフロントカバー2との回転速度差が大きくても、タービン4とピストン53との回転速度差は生じない。これにより、タービン4とピストン53との間(第2空間S2および第3空間S3)の油圧の変化を抑制でき、応答性を高めることができる。
このロックアップ装置5では、第2摩擦プレート52がピストン53により支持されているため、第2摩擦プレート52を支持するための部材を別途設ける必要がなく、構造の簡素化が可能である。
このロックアップ装置5では、スプリング63の中心軸Cよりも半径方向内側にピストン53が配置されているため、ピストン53をスプリング63の半径方向内側に配置しやすくなる。これにより、このロックアップ装置5では、軸方向寸法を短縮することができる。これに伴い、トルクコンバータ1の小型化が可能となる。
このロックアップ装置5では、ピストン53が軸方向に延びる補強部53cを有しているため、ピストン53の強度を高めることができる。
このロックアップ装置5では、スプリング63の中心軸Cよりも半径方向内側かつフロントカバー2側に、テーパ形状の補強部53cが配置されているため、ピストン53をスプリング63の半径方向内側に配置しやすくなり、ロックアップ装置5の軸方向寸法を短縮することができる。これに伴い、トルクコンバータ1の小型化が可能となる。
以上のように、このトルクコンバータ1では、ロックアップ装置5により応答性が高まる。
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
前述の実施形態では、ピストン53がスプリング63の中心軸Cの半径方向内側に配置されているが、ピストン53の外周部がスプリング63とフロントカバー2との間に配置されている場合であっても、ロックアップ装置5の応答性を高めることができる。
前述の実施形態では、流体式トルク伝達装置としてトルクコンバータ1を例に説明している。しかし、ロックアップ装置5が搭載される装置は、これに限定されず、例えばフルードカップリングなどであってもよい。
2 フロントカバー
3 インペラ
4 タービン
5 ロックアップ装置
6 ダンパー機構
51 第1摩擦プレート
51a 第1摩擦プレート本体
51b 突起
52 第2摩擦プレート
52a 第2摩擦プレート本体
52b 突出部
52c 孔
53 ピストン
53a ピストン本体
53b 内周筒状部
53c 補強部
53d 爪部
Claims (6)
- 流体式トルク伝達装置に用いられ、フロントカバーとタービンとの軸方向間に配置されたロックアップ装置であって、
前記タービンに対して回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられたピストンと、
前記ピストンと摺動可能であり前記フロントカバーに対して一体回転可能かつ軸方向へ移動可能に設けられた第1摩擦プレートと、
前記フロントカバーおよびピストンと摺動可能であり前記ピストンに対して一体回転可能かつ軸方向へ相対移動可能に設けられた第2摩擦プレートと、
前記第2摩擦プレートと前記タービンとを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構と、
を備えた流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記第2摩擦プレートは、前記ピストンにより一体回転可能かつ軸方向へ相対移動可能に支持されている、
請求項1に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記ダンパー機構は、前記タービンに固定された出力プレートと、前記第2摩擦プレートと前記出力プレートとの間で回転方向に圧縮可能なように前記出力プレートに保持された弾性部材と、を有しており、
前記ピストンは、前記弾性部材の中心軸よりも半径方向内側に配置されている、
請求項1または2に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記ピストンは、前記第1摩擦プレートと摺動可能な部分を含む環状のピストン本体と、前記ピストン本体の外周部から前記フロントカバー側へ軸方向に延びる環状の補強部と、前記補強部から前記フロントカバー側へ軸方向に延びる複数の爪部と、を有しており、
前記第2摩擦プレートは、前記フロントカバーおよび第1摩擦プレートと摺動可能な部分を含み前記爪部が挿入される複数の孔が形成された第2摩擦プレート本体と、前記第2摩擦プレート本体の外周部から前記タービン側へ軸方向に延び前記ダンパー機構にトルクを伝達する出力部と、を有している、
請求項2または3に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - 前記ダンパー機構は、前記タービンに固定された出力プレートと、前記第2摩擦プレートと前記出力プレートとの間で回転方向に圧縮可能なように前記出力プレートに保持された弾性部材と、を有しており、
前記ピストンの補強部は、前記弾性部材の中心軸よりも半径方向内側かつフロントカバー側に配置されており、前記ピストン本体の外周部から半径方向外側へテーパ状に広がっている、
請求項4に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。 - エンジンから出力されたトルクをトランスミッションへ伝達するための流体式トルク伝達装置であって、
トルクが入力される前記フロントカバーと、
前記フロントカバーに固定され作動流体が充填された流体室を前記フロントカバーとともに形成するインペラーと、
前記流体室に配置された前記タービンと、
請求項1から7のいずれかに記載の前記ロックアップ装置と、
を備えた流体式トルク伝達装置。
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JP2007255516A JP2009085335A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | ロックアップ装置およびそれを備えた流体式トルク伝達装置 |
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2007
- 2007-09-28 JP JP2007255516A patent/JP2009085335A/ja active Pending
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