JP2009084976A - セグメントの構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円弧状のセグメント用鋼殻の内側面に取付け補助材を有する。取付け補助材は、主筋、配力筋以外の鋼製の棒状体、板状体である。取付け補助材より内側に主筋、配力筋を備える。鋼殻の内部は遠心力締固めコンクリートを有する。
【選択図】図1
Description
このような、周囲の鋼殻と、その鋼殻の内部のコンクリートとより構成したセグメントを「合成セグメント」と称している。
したがって断面の設計では単鉄筋による応力度照査を行っているのが現状であり、鋼殻が有効に利用されておらず不経済なものであった。
また本発明のセグメントの構造は、シールドトンネルや立坑を構成する合成セグメントであって、円弧状のセグメント用鋼殻の内側面に配力筋を有し、この配力筋は、「コ」字状、「U」字状に形成した鉄筋であって、この配力筋の一部は鋼殻の内面に溶接してあり、この配力筋の他の部分には主筋が溶接してあり、主筋、配力筋を備え、鋼殻の内部には遠心力締固めコンクリートを有するセグメントの構造を特徴としたものである。
<1>本発明のセグメントは、合成桁として機能させることができるが、その理由は次の通りである。
まず棒状体、あるいは板状体の取付け補助材棒が鋼殻に溶接されることにより、鋼殻と遠心力締固めコンクリートとが一体となって挙動するためである。
次に、鋼殻に溶接されている取付け補助材に鉄筋を配することにより、鋼殻と遠心力締固めコンクリートとが一体となって挙動するためである。
また鋼殻に「コ」字状「U」字状鉄筋を溶接する構造の場合には、それらが遠心力締固めコンクリートと一体となって挙動するためである。
以上のような理由によって、本発明のセグメントは合成桁として機能することになる。
<2>鋼殻を鉄筋として評価できるので、セグメントの薄肉化を図ることができる。
<3>セグメントの厚さが薄くなれば、掘削量が減少し、さらに工事費を低減することができる。
<4>セグメントの厚さが薄くなり軽量となれば、運搬が容易となる。
<5>コンクリートの外周を鋼殻で覆っているので、耐久性が向上する。
<6>外周を鋼殻で覆っているので、運搬、組み立て時のコンクリートの割れ、欠けが発生しにくい。
<7>トンネルの内径が同一である場合、本発明の厚さの薄いセグメントを使用すれば掘削外径が小さくなり、その結果、トンネルの掘削土量を低減することができる。
<8>鋼殻を有しているため 完全引っ張り状態での内水圧作用時にもセグメントは外部から地下水が浸入せず、内水圧(完全引張)に対応することが可能となる。
本発明の対象はシールドトンネルまたは立坑を構築する鋼製セグメントに関するものである。
セグメントは、円形断面のシールドトンネルあるいは立坑を複数に分割した形状を呈するから、各セグメントは円弧状に形成される。
セグメントは、円弧の外側表面と、端面とを鋼板で形成してありこれを「鋼殻1」と称する。
鋼殻1の内部には鉄筋を配置してコンクリート5を打設する。
このようにセグメントは、周囲の鋼殻1とその内部のコンクリート5によって構成される。
セグメントを構成する鋼殻1の内側面に取付け補助材2を設ける。
この取付け補助材2は、主筋4、配力筋3以外の鋼製の棒状体、あるいは板状体の部材である。
たとえば、断面が円形の丸棒(図1)、異径鋼棒、あるいは断面がL字状、コ字状、矩形状の鋼板(図2)、などを鋼殻1の内側の面に溶接して固定したものである。
溶接の方向は、円弧状の鋼殻1の円弧中心軸に並行な方向、あるいはそれと直交する方向に取り付ける。
前者の場合には取付け補助材2は直線状の部材となり、後者の場合には円弧の曲線に等しい曲線を持つ部材となる。
この取付け補助材2より内側、すなわち円弧の中心側に主筋4、配力筋3を配置する。
そして、円弧状の鋼殻1を組み立てて円筒を形成して、円筒の曲率の中心軸を中心軸として回転させ、遠心力を作用させる。
回転中の鋼殻1群の円筒の内部に、コンクリート5を供給することによって、遠心力締固めコンクリート5によって取付け補助材2、主筋4、配力筋3をコンクリート5で埋設してセグメントを完成させる。
取付け補助材2を鋼製の板体、棒体で構成した場合に、その一部に図2の引き出し図のように、鉄筋を受ける受溝21を形成する。
受溝とはたとえば鋼製の板の一部をU字状に切り欠いたものである。
受溝の寸法は、主筋4、配力筋3の鉄筋の直径よりも多少大きい寸法に形成する。
すると受溝に対して鉄筋を無理に押し込むことによって容易に固定することができる。
あるいは簡単な溶接によって、正確な位置に固定することができる。
このように、受溝に主筋4、配力筋3を嵌合すれば容易かつ正確にその設置位置に固定することができる。
その後に、鋼殻1群によって円筒を形成し、回転を与えつつ、その内部にコンクリート5を打設する工程は前記の実施例と同様である。
図2の実施例は、取付け補助材2をセグメントの円弧中心軸に直交する方向に配置したものであった。
しかし図3に示すように、取付け補助材2をセグメントの円弧中心軸に平行に配置し、各取付け補助材2に受溝21を形成することもできる。
この場合にも受溝21に主筋4、配力筋3を嵌合すれば、容易かつ正確にその設置位置に固定することができる。
前記の実施例では、主筋4、配力筋3以外に、取付け補助材2を鋼殻1の内側に取り付ける構造であった。
この実施例ではそのような構造の取付け補助材2を使用しない。
それに代わって、配力筋3の一部、あるいは全部を「コ字状」、あるいは「U字状」に形成する。
そして鋼殻1に対して、その配力筋3の一部を鋼殻1の内面に溶接してその位置を固定する。
一部を鋼殻1に固定した配力筋3の他の部分に主筋4を溶接する。
その結果、主筋4は鋼殻1の内面との間に一定の距離を保った位置に固定される。
その後に、鋼殻1群によって円筒を形成し、回転を与えつつ、その内部にコンクリート5を打設して遠心力締固めコンクリート5で配力筋3、主筋4を埋設する工程は前記の実施例と同様である。
なお、主筋4の端部を折り曲げ、その折り曲げ部分を直接、鋼殻1に溶接して固定し、固定した主筋4に配力筋3を取り付けても同様の効果を得ることができる。(図7)
2:取付け補助材
21:受溝
3:配力筋
4:主筋
5:遠心力締固めコンクリート
Claims (4)
- シールドトンネルや立坑を構成する合成セグメントであって、
円弧状のセグメント用鋼殻の内側面に取付け補助材を有し、
取付け補助材は、主筋、配力筋以外の鋼製の棒状体、板状体であり、
取付け補助材より内側に主筋、配力筋を有し、
鋼殻の内部には遠心力締固めコンクリートを有する、
セグメントの構造。
- 取付け補助材には、
主筋、あるいは配力筋を受ける受溝を有し、
この受溝に主筋、あるいは配力筋を嵌合してある、
請求項1記載のセグメントの構造。
- シールドトンネルや立坑を構成する合成セグメントであって、
円弧状のセグメント用鋼殻の内側面に配力筋を有し、
この配力筋は、「コ」字状、「U」字状に形成した鉄筋であって、
この配力筋の一部は鋼殻の内面に溶接してあり、
この配力筋の他の部分には主筋が溶接してあり、
鋼殻の内部には遠心力締固めコンクリートを有する、
セグメントの構造。
- シールドトンネルや立坑を構成する合成セグメントであって、
円弧状のセグメント用鋼殻の内側面に主筋と配力筋を有し、
主筋は鋼殻の内面に溶接してあり、
鋼殻の内部には遠心力締固めコンクリートを有する、
セグメントの構造。
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