JP2009084054A - 伸縮ブーム - Google Patents

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Abstract

【課題】給油ホース及びホースリールを廃止し、付属装置のコストダウン化を図る。
【解決手段】伸縮ブームは、伸縮自在なブーム本体と、ブーム本体内に配置された2つの複動式シリンダ7,8を備える。両シリンダをブーム本体内で各々ロッド11の基端をブーム本体の根元側に向けた状態でブーム本体の根元側と先端側に配置する。根元側シリンダの最も外側のチューブ13と先端側シリンダのロッドとをブーム本体の伸縮時相対移動不能に設ける。根元側シリンダの最も外側のチューブの底部とその内側に嵌合するチューブ12の間に形成される伸び側圧力室15を先端側シリンダのロッド基端の伸び側ポート22に連通管63を介して連通させると共に、根元側シリンダの最も外側のチューブの内周面とその内側に嵌合するチューブの外周面の間に形成される縮み側圧力室17を先端側シリンダのロッド基端の縮み側ポート23に連通管65を介して連通させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、建設機械のクレーンなどに使用される伸縮ブームに関し、特にその駆動部としてブーム内に2つの複動式シリンダを配置するものに係わる。
従来、この種の伸縮ブームとして、例えば特許文献1に開示され、また図14及び図15にも示すように、複数段(図では5段)のブーム301,302,303,304,305を伸縮自在に順次嵌合させて伸縮ブーム本体306を構成するとともに、この伸縮ブーム本体306内に2つの複動式多段シリンダ(図では2段伸縮シリンダ)307,308を配置し、この両複動式多段シリンダ307,308によって伸縮ブーム本体306を伸縮させるようにしたものは知られている。
上記複動式多段シリンダとしての2段伸縮シリンダ307,308は、いずれもピストンロッド(特許文献1の第1単体シリンダに相当)311と、このピストンロッド311の外周に同心状にかつ伸縮自在に順次嵌合する内外2つのシリンダチューブ(特許文献1の第2及び第3単体シリンダに相当)312,313と、この各シリンダチューブ312,313の底部とその内側に嵌合するシリンダチューブ312又はピストンロッド311の先端面との間にそれぞれ形成される2つの伸び側圧力室(図示せず)と、上記各シリンダチューブ312,313の内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブ312又はピストンロッド311の外周面との間に形成される2つの縮み側圧力室(図示せず)とを有し、シリンダの伸長時にはピストンロッド311の基端311aに設けた伸び側圧油供給ポート(図示せず)から圧油をピストンロッド311内に貫通して設けたパイプ油路などを介して上記各伸び側圧力室に供給し、シリンダの縮小時にはピストンロッド311の基端311aに設けた縮み側圧油供給ポート(図示せず)から圧油をピストンロッド311の中空部内などを通して上記各縮み側圧力室に供給するように構成されている。
そして、上記2つの2段伸縮シリンダ307,308は、伸縮ブーム本体306内ではそれぞれピストンロッド311の基端311a側を互いに反対方向に向けた状態で外側のシリンダチューブ313,313同士を結合して一体化されており、伸縮ブーム本体306内の根元側の2段伸縮シリンダ307におけるピストンロッド311の基端311aは伸縮ブーム本体306の根元側のブーム301に、伸縮ブーム本体306内の先端側の2段伸縮シリンダ308におけるピストンロッド311の基端311aは伸縮ブーム本体306の先端側のブーム305にそれぞれ結合されている。
特開2006−256828号公報(第2−3頁、図6−図9)
ところが、上記従来の伸縮ブームでは、先端側の2段伸縮シリンダ308におけるピストンロッド基端311aの伸び側圧油供給ポート及び縮み側圧油供給ポートに圧油を供給するために、伸縮ブーム本体306の先端側ブーム305の先端に給油ホースの一端を接続するとともに、伸縮ブームを取り付けるクレーンなどの機体に上記給油ホースの他端側を巻き取り又は送り出すホースリールを取り付ける必要がある。特に、伸縮ブームの伸縮長さが大きい場合、ホースリールも大型のものを使用する必要があり、付属装置のコストが高くなるという問題があった。
尚、このような問題は、複動式の多段シリンダに限らず、複動式の1段シリンダを2つ伸縮ブーム本体内に配置してなる3段式伸縮ブームなどの場合にも生じる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、伸縮ブーム本体内に配置される2つの複動式シリンダ(複動式多段シリンダを含む)の圧油供給経路を改良して、従来の如き給油ホース及びホースリールを廃止し、付属装置のコストダウン化を図り得る伸縮ブームを提供せんとするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、伸縮ブームとして、複数段のブームを伸縮自在に順次嵌合させてなる伸縮ブーム本体と、この伸縮ブーム本体を伸縮させるために伸縮ブーム本体内に配置された2つの複動式多段シリンダとを備え、上記各複動式多段シリンダは、ピストンロッドと、このピストンロッドの外周に同心状にかつ伸縮自在に順次嵌合する複数のシリンダチューブと、この各シリンダチューブの底部とその内側に嵌合するシリンダチューブ又はピストンロッドの先端面との間にそれぞれ形成される複数の伸び側圧力室と、上記各シリンダチューブの内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブ又はピストンロッドの外周面との間にそれぞれ形成される複数の縮み側圧力室と、上記ピストンロッドの基端に設けられ、上記各伸び側圧力室に連通する伸び側圧油供給ポートと、上記ピストンロッドの基端に設けられ、上記各縮み側圧力室に連通する縮み側圧油供給ポートとを有してなることを前提にする。そして、上記2つの複動式多段シリンダを、伸縮ブーム本体内でそれぞれピストンロッドの基端を伸縮ブーム本体の根元側に向けた状態でかつ伸縮ブーム本体の根元側と先端側とに互いの位置がずれた状態に配置するとともに、根元側の複動式多段シリンダの最も外側のシリンダチューブと先端側の複動式多段シリンダのピストンロッドとを、伸縮ブーム本体内で軸方向に重なり合わせかつ伸縮ブーム本体の伸縮時に相対移動不能に設ける。また、上記根元側の複動式多段シリンダにおける最も外側のシリンダチューブの底部とその内側に嵌合するシリンダチューブとの間に形成される伸び側圧力室を、先端側の複動式多段シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートに第1の連通管を介して連通させるとともに、上記根元側の複動式多段シリンダにおける最も外側のシリンダチューブの内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブの外周面との間に形成される縮み側圧力室を、先端側の複動式多段シリンダのピストンロッド基端の縮み側圧油供給ポートに第2の連通管を介して連通させる構成にする。
この構成では、伸縮ブーム本体の伸長時に根元側の複動式多段シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートから圧油を供給するとその圧油は、根元側の複動式多段シリンダの各伸び側圧力室に流入するとともに、根元側の複動式多段シリンダにおける最も外側のシリンダチューブの底部とその内側に嵌合するシリンダチューブとの間に形成される伸び側圧力室から第1の連通管を介して、先端側の複動式多段シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートに供給され、この圧油供給ポートから更に先端側の複動式多段シリンダの各伸び側圧力室に流入する。このため、伸縮ブーム本体内の根元側の複動式多段シリンダと先端側の複動式多段シリンダが共に伸長動作をし、この伸長動作に伴って伸縮ブーム本体が伸長することになる。
一方、伸縮ブーム本体の縮小時に根元側の複動式多段シリンダのピストンロット基端の縮み側圧油供給ポートから圧油を供給するとその圧油は、根元側の複動式多段シリンダの各縮み側圧力室に流入するとともに、根元側の複動式多段シリンダにおける最も外側のシリンダチューブの内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブの外周面との間に形成される縮み側圧力室から第2の連通管を介して、先端側の複動式多段シリンダのピストンロッド基端の縮み側圧油供給ポートに供給され、この圧油供給ポートから更に先端側の複動式多段シリンダの各縮み側圧力室に流入する。このため、伸縮ブーム本体内の根元側の複動式多段シリンダと先端側の複動式多段シリンダが共に縮小動作をし、この縮小動作に伴って伸縮ブーム本体が縮小することになる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の伸縮ブームにおいて、この伸縮ブームを取り付けるクレーンなどの機体の安定化を図る上で好まし形態を提供するものである。すなわち、上記各複動式多段シリンダの複数の伸び側圧力室は、外側のもの程断面積を大きく設定するとともに、先端側の複動式多段シリンダにおける最も内側の伸び側圧力室の断面積を、根元側の複動式多段シリンダにおける最も外側の伸び側圧力室の断面積よりも大きく設定する構成にする。
この構成では、伸縮ブーム本体の伸長時に根元側の複動式多段シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートからの圧油が根元側の複動式多段シリンダの各伸び側圧力室と先端側の複動式多段シリンダの各伸び側圧力室とに同時に供給されると、先ず、伸び側圧力室の断面積が大きい先端側の複動式多段シリンダにおいて、最も外側のシリンダチューブ(つまり先端寄りのシリンダチューブ)から順に伸長動作をし、その後、根元側の複動式多段シリンダにおいて、同じく最も外側のシリンダチューブから順に伸長動作をする。このような伸長動作によって、伸縮ブーム本体は、先端側のブームから順に伸長する。
一方、伸縮ブーム本体の縮小時に根元側の複動式多段シリンダのピストンロッド基端の縮み側圧油供給ポートからの圧油が根元側の複動式多段シリンダの各縮み側圧力室と先端側の複動式多段シリンダの各縮み側圧力室とに同時に供給されると、先ず、伸び側圧力室に残留する圧油の負荷圧力が小さい根元側の複動式多段シリンダにおいて、最も内側のシリンダチューブ(つまり根元寄りのシリンダチューブ)から順に縮小動作をし、その後、先端側の複動式多段シリンダにおいて、同じく最も内側のシリンダチューブから順に縮小動作をする。このような縮小動作によって、伸縮ブーム本体は、根元から2段目のブームより順に縮小する。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明と同じ課題を解決するため、伸縮ブームとして、基端ブームと先端ブームとの間に1つ又は複数の中間ブームを配置しかつこれらのブームを伸縮自在に順次嵌合させてなる伸縮ブーム本体と、この伸縮ブーム本体を伸縮させるために伸縮ブーム本体内に配置された2つの複動式シリンダとを備え、上記各複動式シリンダは、ピストンロッドと、このピストンロッドの外周に伸縮自在に嵌合するシリンダチューブと、このシリンダチューブの底部に形成される伸び側圧力室と、上記シリンダチューブの内周面に面して形成される縮み側圧力室と、上記ピストンロッドの基端に設けられ、上記伸び側圧力室に連通する伸び側圧油供給ポートと、上記ピストンロッドの基端に設けられ、上記縮み側圧力室に連通する縮み側圧油供給ポートとを有してなることを前提にする。そして、上記2つの複動式シリンダを、伸縮ブーム本体内でそれぞれピストンロッドの基端を伸縮ブーム本体の根元側に向けた状態でかつ伸縮ブーム本体の根元側と先端側とに互いに位置がずれた状態で配置するとともに、根元側の複動式シリンダのシリンダチューブと先端側の複動式シリンダのピストンロッドとを、伸縮ブーム本体内で軸方向に重なり合った状態で伸縮ブーム本体の中間ブームに取り付ける。また、上記根元側の複動式シリンダの伸び側圧力室を、先端側の複動式シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートに第1の連通管を介して連通させるとともに、上記根元側の複動式シリンダの縮み側圧力室を、先端側の複動式シリンダのピストンロッド基端の縮み側圧油供給ポートに第2の連通管を介して連通させる構成にする。
この構成では、伸縮ブーム本体の伸長時に根元側の複動式シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートから圧油を供給するとその圧油は、根元側の複動式シリンダの伸び側圧力室に流入するとともに、根元側の複動式シリンダの伸び側圧力室から第1の連通管を介して、先端側の複動式シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートに供給され、この圧油供給ポートから更に先端側の複動式多段シリンダの伸び側圧力室に流入する。このため、伸縮ブーム本体内の根元側の複動式シリンダと先端側の複動式シリンダが共に伸長動作をし、この伸長動作に伴って伸縮ブーム本体が伸長することになる。
一方、伸縮ブーム本体の縮小時に根元側の複動式シリンダのピストンロット基端の縮み側圧油供給ポートから圧油を供給するとその圧油は、根元側の複動式シリンダの縮み側圧力室に流入するとともに、根元側の複動式シリンダの縮み側圧力室から第2の連通管を介して、先端側の複動式シリンダのピストンロッド基端の縮み側圧油供給ポートに供給され、この圧油供給ポートから更に先端側の複動式シリンダの縮み側圧力室に流入する。このため、伸縮ブーム本体内の根元側の複動式シリンダと先端側の複動式シリンダが共に縮小動作をし、この縮小動作に伴って伸縮ブーム本体が縮小することになる。
請求項4に係る発明は、請求項3記載の伸縮ブームにおいて、上記2つの複動式シリンダのうち少なくとも1つを複動式多段シリンダによって構成する。すなわち、この複動式多段シリンダは、上記ピストンロッドの外周に同心状にかつ伸縮自在に順次嵌合する複数のシリンダチューブと、この各シリンダチューブの底部とその内側に嵌合するシリンダチューブ又はピストンロッドの先端面との間にそれぞれ形成される複数の伸び側圧力室と、上記各シリンダチューブの内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブ又はピストンロッドの外周面との間にそれぞれ形成される複数の縮み側圧力室とを有してなる構成にする。この構成では、複動式多段シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートから圧油を供給するとその圧油は、当該複動式多段シリンダの各伸び側圧力室に流入して複動式多段シリンダが多段に伸長動作をする一方、複動式多段シリンダのピストンロッド基端の縮み側圧油供給ポートから圧油を供給するとその圧油は、当該複動式多段シリンダの各縮み側圧力室に流入して複動式多段シリンダが多段に縮小動作をする。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4記載の伸縮ブームにおいて、上記第1の連通管に、その連通と遮断を切り換える切換弁を設ける構成にする。この構成では、伸縮ブーム本体の伸長時に例えば始め切換弁を遮断位置に切り換えておくと根元側の複動式シリンダのみが伸長動作をし、その後切換弁を連通位置に切り換えると根元側の複動式シリンダの伸び側圧力室から圧油が第1の連通管を通して先端側の複動式シリンダの伸び側圧力室に流入して先端側の複動式シリンダが伸長動作をする。これにより、伸縮ブーム本体は、始め基端ブームと中間ブームとの間で伸長し、その後先端ブームと中間ブームとの間で伸長することになり、基端ブーム側と先端ブーム側とで伸長するブームを切り替えることができる。
請求項6に係る発明は、請求項3〜5のいずれか一つに記載の伸縮ブームにおいて、上記根元側の複動式シリンダのシリンダチューブと先端側の複動式シリンダのピストンロッドとが取り付けられた伸縮ブーム本体の中間ブームとこの中間ブームの外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームとが相対移動によって伸長した状態で両ブームを固定する固定手段を更に備える構成にする。この構成では、例えば伸縮ブーム本体の縮小時に先立って伸縮ブーム本体の中間ブームとこの中間ブームの外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームとが相対移動によって伸長した状態で両ブームを固定手段によって固定しておき、この状態で根元側の複動式シリンダのピストンロット基端の縮み側圧油供給ポートから圧油を供給するとその圧油は、根元側の複動式シリンダの縮み側圧力室及び先端側の複動式シリンダの縮み側圧力室に流入するが、根元側の複動式シリンダは、中間ブームとその外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームとが伸長状態に固定されていることから縮小動作をすることができず、先端側の複動式シリンダのみが伸縮動作をする。その後上記固定手段による固定を解除すると根元側の複動式シリンダのみが伸縮動作をする。これにより、伸縮ブーム本体は、始め先端ブームと中間ブームとの間で縮小し、その後基端ブームと中間ブームとの間で縮小することになり、基端ブーム側と先端ブーム側とで順次伸縮を確実に行うことができる。
請求項7に係る発明は、請求項6記載の伸縮ブームにおいて、上記固定手段の好ましい形態を提供するものである。すなわち、固定手段は、根元側の複動式シリンダのシリンダチューブと先端側の複動式シリンダのピストンロッドとが取り付けられた伸縮ブーム本体の中間ブームの基端部に設けたピン孔と上記中間ブームの外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームの先端部に設けたピン孔とに伸縮ブーム本体の内側から挿入される固定ピンと、この固定ピンを進退移動させる油圧シリンダと、この油圧シリンダを駆動させるための圧油を根元側の複動式シリンダの伸び側油圧室から供給しかつ上記油圧シリンダからの戻り油を根元側の複動式シリンダの縮み側油圧室に戻す油圧回路とを有してなる構成にする。
この構成では、根元側の複動式シリンダのシリンダチューブと先端側の複動式シリンダのピストンロッドとが取り付けられた伸縮ブーム本体の中間ブームとその外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームとが相対移動によって伸長した状態のとき、上記中間ブームに設けたピン孔と中間ブーム又は基端ブームに設けたピン孔とが一致し、この両ピン孔に対し、伸縮ブーム本体の内側から固定ピンが油圧シリンダによって進退移動して挿入されることにより、中間ブームとその外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームとの固定を確実に行うことができる。しかも、上記固定ピン及び油圧シリンダは、伸縮ブーム本体の内側に設けられているため、これらを保護するための部材を特に必要としない。また、油圧シリンダの油圧回路は、圧油を根元側の複動式シリンダの伸び側油圧室から油圧シリンダに供給しかつ油圧シリンダからの戻り油を根元側の複動式シリンダの縮み側油圧室に戻すものであるため、専用の圧油源も必要としない。
以上のように、本発明の伸縮ブームによれば、伸縮ブーム本体内の2つの複動式シリンダ(多段シリンダを含む)の伸び側圧力室同士及び縮み側圧力室同士がそれぞれ第1の連通管及び第2の連通管を介して連通され、根元側の複動式シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポート又は縮み側圧油供給ポートから圧油を供給するだけで2つの複動式シリンダが共に伸縮動作をし、この伸縮動作によって伸縮ブーム本体が伸縮する構成になっているため、従来の如き先端側の複動式シリンダに圧油を供給するための給油ホース及びその巻き取りなどのためのホースリールを廃止することができ、付属装置のコストダウン化及び取り付け作業の簡易化などを図ることができる。
特に、請求項2に係る発明では、伸縮ブーム本体の伸長時に先端側のブームから順に伸長し、伸縮ブーム本体の縮小時に根元から2段目のブームより順に縮小するため、伸縮ブーム本体の伸縮に伴う重心移動を可及的に小さくすることができ、伸縮ブームを取り付けるクレーンなどの機体の安定化に寄与できるという効果を併有する。
請求項5に係る発明では、第1の連通管に設けた切換弁による連通と遮断の切り換えによって、伸縮ブーム本体の伸長時に始め基端ブームと中間ブームとの間で伸長し、その後先端ブームと中間ブームとの間で伸長するため、基端ブーム側と先端ブーム側とで伸長するブームを切り替えることができ、伸縮ブームを取り付けるクレーンなどの機体の安定化に寄与できるという効果を併有する。
請求項6に係る発明では、固定手段による伸縮ブーム本体の中間ブームとその外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームとの伸長状態での固定と解除とによって、伸縮ブーム本体の縮小時に始め先端ブームと中間ブームとの間で縮小し、その後基端ブームと中間ブームとの間で縮小するため、基端ブーム側と先端ブーム側とで順次伸縮を確実に行うことができ、伸縮ブームを取り付けるクレーンなどの機体の安定化に寄与できるという効果を併有する。
さらに、請求項7に係る発明では、固定ピン及び油圧シリンダなどからなる固定手段によって、伸縮ブーム本体の中間ブームとその外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームとの固定を確実に行うことができる上、固定手段の固定ピン及び油圧シリンダは伸縮ブーム本体の内側に設けられているため、これらを保護するための部材を特に必要とせず、また、油圧シリンダの油圧回路は専用の圧油源も必要としないので、実施化を図る上で有利なものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施形態に係る5段式の伸縮ブームAを示す。この伸縮ブームAは、5段のブームとして大きい順に基本ブーム1、2段目ブーム2、3段目ブーム3、4段目ブーム4及び5段目ブーム5を備え、この5段のブーム1〜5を伸縮自在に順次嵌合させて伸縮ブーム本体6が構成されている。尚、5段式伸縮ブームAの場合、基本ブーム1は基端ブームともいい、2段目ブーム2、3段目ブーム3及び4段目ブーム4は中間ブームともいい、5段目ブーム5は先端ブームともいう。
上記伸縮ブーム本体6内には伸縮ブーム本体6を伸縮させるための2つの複動式多段シリンダとしての2段伸縮シリンダ7,8が配置されており、この2段伸縮シリンダ7,8は、いずれもピストンロッド11と、このピストンロッド11の外周に同心状にかつ伸縮自在に順次嵌合する内外2つのシリンダチューブ12,13とを有している。2つの2段伸縮シリンダ7,8は、伸縮ブーム本体6内でそれぞれピストンロッド11の基端11aを伸縮ブーム本体6の根元側に向けた状態でかつ伸縮ブーム本体6の根元側と先端側とに互いの位置がずれた状態に配置されているとともに、根元側の2段伸縮シリンダ7の外側のシリンダチューブ13と先端側の2段伸縮シリンダ8のピストンロッド11とは、伸縮ブーム本体6内で軸方向に重なり合った状態に配置されている。
また、上記根元側の2段伸縮シリンダ7のピストンロッド11は伸縮ブーム本体6の基本ブーム1に、根元側の2段伸縮シリンダ7の内側のシリンダチューブ12は伸縮ブーム本体6の2段目ブーム2に、根元側の2段伸縮シリンダ7の外側のシリンダチューブ13と先端側の2段伸縮シリンダ8のピストンロッド11は伸縮ブーム本体6の3段目ブーム3に、先端側の2段伸縮シリンダ8の内側のシリンダチューブ12は伸縮ブーム本体6の4段目ブーム4に、先端側の2段伸縮ブーム8の外側のシリンダチューブ13は伸縮ブーム本体6の5段目ブーム5にそれぞれ後述する結合ピン26,32などによって結合されており、この各結合部9は、図1及び図2中黒丸で示す。根元側の2段伸縮シリンダ7の外側のシリンダチューブ13と先端側の2段伸縮シリンダ8のピストンロッド11は、共に伸縮ブーム本体6の3段目ブーム3に結合されていて、伸縮ブーム本体6の伸縮時に相対移動不能に設けられている。
上記各2段伸縮シリンダ7,8の構成について、更に説明するに、図3ないし図6に示す先端側の2段伸縮シリンダ8の場合を例に説明する。
すなわち、図3ないし図6に示すように、2段伸縮シリンダ8は、上述したピストンロッド11及び内外2つのシリンダチューブ12,13の外、この各シリンダチューブ12,13の底部12a,13aとその内側に嵌合するシリンダチューブ12又はピストンロッド11の先端面との間にそれぞれ形成される2つの伸び側圧力室14,15と、上記各シリンダチューブ12,13の内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブ12又はピストンロッド11の外周面との間にそれぞれ形成される2つの縮み側圧力室16,17とを有している。以下、2つのシリンダチューブ12,13を区別して呼ぶ場合、外側のシリンダチューブ13を第1シリンダチューブといい、内側のシリンダチューブ12を第2シリンダチューブという。また、2つの伸び側圧力室14,15を区別して呼ぶ場合、第1シリンダチューブ13の底部13aと第2シリンダチューブ12の先端面(底部12aの外側底面)との間に形成される伸び側圧力室15を第1伸び側圧力室といい、第2シリンダチューブ12の底部12aとピストンロッド11の先端面との間に形成される伸び側圧力室14を第2伸び側圧力室という。さらに、2つの縮み側圧力室16,17を区別して呼ぶ場合、第1シリンダチューブ13の内周面と第2シリンダチューブ12の外周面との間に形成される縮み側圧力室17を第1縮み側圧力室といい、第2シリンダチューブ12の内周面とピストンロッド11の外周面との間に形成される縮み側圧力室16を第2縮み側圧力室という。
上記ピストンロッド11は、円筒状のパイプ11bの両端を基端壁材11c及び先端壁材11dで閉鎖して中空状に形成されており、このピストンロッド11の基端11aを構成する基端壁材11cには伸び側圧油供給ポート22及び縮み側圧油供給ポート23が設けられている。また、ピストンロッド11の先端壁材11dの外周面には、第2シリンダチューブ12の内周面に油密状態を維持しつつ摺動可能に嵌合するリング状の摺動部材24が装着されており、このピストンロッド11の先端面との間に第2伸び側圧力室14を形成する第2シリンダチューブ12の底部12aには、2段伸縮シリンダ8の縮小時に第2伸び側圧力室14の最小限の容積を確保するための第2伸び側圧力室用凹部25が形成されている。
上記第2シリンダチューブ12の基端部は、4段目ブーム4に対し結合ピン26などを介して連結されており、この第2シリンダチューブ12の基端部の内周面には、ピストンロッド11の外周面に油密状態を維持しつつ摺動可能に嵌合するリング状の摺動部材27が装着されている。また、第2シリンダチューブ12の先端部である底部12aの外周面には、第1シリンダチューブ13の内周面に油密状態を維持しつつ摺動可能に嵌合する摺動部材28が装着されており、この第2シリンダチューブ12の先端面との間に第1伸び側圧力室15を形成する第1シリンダチューブ13の底部13aには、2段伸縮シリンダ8の縮小時に第1伸び側圧力室15の最小限の容積を確保するための第1伸び側圧力室用凹部29が形成されている。この第1伸び側圧力室用凹部29の開口面積は、上記第2伸び側圧力室用凹部25の開口面積よりも大きく設定されており、第1伸び側圧力室15の断面積(第2シリンダチューブ12の先端表面積と略同一)は、第2伸び側圧力室14の断面積(ピストンロッド11の先端表面積と略同一)よりも大きく設定されている。また、上記両凹部25,29同士ひいては第1伸び側圧力室15と第2伸び側圧力室14とは、第2シリンダチューブ12の底部12aに設けた連通油路31によって、2段伸縮シリンダ8の伸縮状況に拘わらず常に圧油が流動可能に連通している。
上記第1シリンダチューブ13の基端部は、5段目ブーム5に対し結合ピン32などを介して連結されており、この第1シリンダチューブ13の基端部の内周面には、第2シリンダチューブ12の外周面に液密状態を維持しつつ摺動可能に嵌合するリング状の摺動部材33が装着されている。
上記第1縮み側圧力室17及び第2縮み側圧力室16に対しては、ピストンロッド11の基端壁材11cの縮み側圧油供給ポート23からの圧油がそれぞれ2段伸縮シリンダ8の内部に縮み側圧力室17,16毎に別々に設けた第1縮み側油路40又は第2縮み側油路50を通して供給されるように構成されている。
上記第1縮み側油路40は、第2シリンダチューブ12の底部12aに一端が第1縮み側圧力室17に開口して形成された連通油路41と、この連通油路41の他端に連通して第2シリンダチューブ12の底部12aに取り付けられたU字管42と、このU字管42の他端に連通した状態で一端部が第2シリンダチューブ12の底部12aに貫通して固定され、他端部がピストンロッド11の先端壁材11dを貫通してピストンロッド11の中空部内にまで延びる第1のパイプ43と、この第1のパイプ43に伸縮自在に嵌合されかつ一端が上記ピストンロッド11の基端壁材11cに縮み側圧油供給ポート23に連通油路44を介して連通した状態で固定された第2のパイプ45とからなる。
上記第1及び第2のパイプ43,45は、2段伸縮シリンダ8の略中心線上にかつ第2のパイプ45を外側にして嵌合して配置されており、この第2のパイプ45の外周には所定の隙間を隔てて遊嵌する第3のパイプ46が設けられ、この両パイプ45,46の隙間によって伸び側油路47が形成されている。この伸び側油路47の一端は、ピストンロッド11の基端壁材11cの伸び側圧油供給ポート22に連通しており、伸び側油路47の他端は、ピストンロッド11の先端壁材11dにまで延長されかつこの先端壁材11dに設けた連通油路48を介して、第2シリンダチューブ12の底部12aとピストンロッド11の先端面との間に形成される第2伸び側圧力室14に連通している。尚、第3のパイプ46は、ピストンロッド11の中空部内に嵌挿した支持リング49によって支持されている。
また、上記第2縮み側油路50は、ピストンロッド11の先端壁材11d及び摺動部材24に一端が第2縮み側圧力室16に開口して形成された連通油路51と、この連通油路51の他端に連通してピストンロッド11の中空部内に軸方向に沿って配置された第4のパイプ52と、この第4のパイプ52の一端とピストンロッド11の基端壁材11cの縮み側圧油供給ポート23とを連通させるためにピストンロッド11の基端壁材11cに形成された連通油路53とからなる。この第2縮み側油路50の連通油路53は、ピストンロッド11の基端壁材11cにおいて、第1縮み側油路40の連通油路44と一体となって縮み側圧油供給ポート23に連通している。
一方、根元側の2段伸縮シリンダ7は、構造的には先端側の2段伸縮シリンダ8と全く同じであり、以下の説明では、先端側の2段伸縮シリンダ8と同一の部材・部位には同一の符号を用いる。根元側の2段伸縮シリンダ7は、先端側の2段伸縮シリンダ8よりも直径が小さく設定されており、先端側の2段伸縮シリンダ8における第2伸び側圧力室14の断面積は、根元側の2段伸縮シリンダ7における第1伸び側圧力室15の断面積よりも大きく設定されているとともに、先端側の2段伸縮シリンダ8における第2伸び側圧力室用凹部25の開口面積は、根元側の2段伸縮シリンダ7における第2伸び側圧力室用凹部29の開口面積よりも大きく設定されている。
そして、図7に示すように、上記根元側の2段伸縮シリンダ7の第1伸び側圧力室15(詳しくは第1伸び側圧力室用凹部29)は、先端側の2段伸縮シリンダ8のピストンロッド11の基端壁材11cの伸び側圧油供給ポート22に対し、シリンダ7,8外に配置した第1の連通管63及び根元側の2段伸縮シリンダ7の第1シリンダチューブ13の底部13aに形成した連通孔64を介して連通しているとともに、根元側の2段伸縮シリンダ7の第1縮み側圧力室17は、先端側の2段伸縮シリンダ8のピストンロッド11の基端壁材11cの縮み側圧油供給ポート23に対し、シリンダ7,8外に配置した第2の連通管65及び根元側の2段伸縮シリンダ7の第1シリンダチューブ13の外周壁に形成した連通孔66を介して連通している。
次に、上記5段式伸縮ブームAの伸縮作動について説明するに、今、図2に示すように、伸縮ブーム本体6が縮小した状態にあり、この伸縮ブーム本体6内の2つの2段伸縮シリンダ7,8は共に縮小状態にある。
このような縮小状態から伸縮ブーム本体6を伸長させるときには、根元側の2段伸縮シリンダ7におけるピストンロッド11の基端壁材11cの伸び側圧油供給ポート22から圧油を供給するとその圧油は、根元側の2段伸縮シリンダ7において、伸び側油路47及び連通油路48を通して第2伸び側圧力室14(詳しくは第2伸び側圧力室用凹部25)に流入するとともに、この第2伸び側圧力室14から連通油路31を通して第1伸び側圧力室15(詳しくは第1伸び側圧力室用凹部29)に流入する。また、根元側の2段伸縮シリンダ7の第1伸び側圧力室15に流入した圧油は、根元側の2段伸縮シリンダ7から第1の連通管63を介して先端側の2段伸縮シリンダ8におけるピストンロッド11の基端壁材11cの伸び側圧油供給ポート22に供給され、この圧油供給ポート22から更に先端側の2段伸縮シリンダ8の第2及び第1伸び側圧力室14,15にそれぞれ同様に流入する。
この際、上記各2段伸縮シリンダ7,8の第1伸び側圧力室用凹部29の開口面積は、第2伸び側圧力室用凹部25の開口面積よりも大きく設定されており、また先端側の2段伸縮シリンダ8の第2伸び側圧力室用凹部25の開口面積は、根元側の2段伸縮シリンダ7の第1伸び側圧力室用凹部29の開口面積よりも大きく設定されていることから、先ず、先端側の2段伸縮シリンダ8において、第1シリンダチューブ13が第2シリンダチューブ12の基端側から先端側に相対移動するように伸長し、続いて、その第2シリンダチューブ12がピストンロッド11の基端側から先端側に相対移動するように伸長し、その後、根元側の2段伸縮シリンダ7において、同じく第1シリンダチューブ13、第2シリンダチューブ12の順で伸長する。このような伸長動作によって、伸縮ブーム本体6は、先端の5段目ブーム5、4段目ブーム4、3段目ブーム3、2段目ブームの順に伸長し、最終的に図1に示す如き4段に全伸長した状態になる。
一方、上記の全伸長状態から伸縮ブーム本体6を縮小させるときには、根元側の2段伸縮シリンダ7におけるピストンロット11の基端壁材11cの縮み側圧油供給ポート23から圧油を供給するとその圧油は、根元側の2段伸縮シリンダ7において、第1縮み側油路40を通して第1縮み側圧力室17に流入するとともに、第2縮み側油路50を通して第2縮み側圧力室16に流入する。また、根元側の2段伸縮シリンダ7の第1縮み側圧力室17に流入した圧油は、根元側の2段伸縮シリンダ7から第2の連通管65を介して先端側の2段伸縮シリンダ8におけるピストンロッド11の基端壁材11cの縮み側圧油供給ポート23に供給され、この縮み側圧油供給ポート23から更に先端側の2段伸縮シリンダ8の第1及び第2縮み側圧力室17,16にそれぞれ同様に流入する。
この際、上記各2段伸縮シリンダ7,8の第1及び第2伸び側圧力室15,14にはそれぞれ圧油が残留し、負荷圧力として作用するが、各2段伸縮シリンダ7,8においては第1伸び側圧力室15の負荷圧力が第2伸び側圧力室14のそれよりも大きく、また先端側の2段伸縮シリンダ8の第2伸び側圧力室14の負荷圧力は、根元側の2段伸縮シリンダ7の第1伸び側圧力室15のそれよりも大きくなることから、先ず、根元側の2段伸縮シリンダ7において、第2シリンダチューブ12がピストンロッド11の先端側から基端側に相対移動するように縮小し、続いて、第1シリンダチューブ13がその第2シリンダチューブ12の先端側から基端側に相対移動するように縮小し、その後、先端側の2段伸縮シリンダ8において、同じく第2シリンダチューブ12、第1シリンダチューブ13の順で縮小する。このような縮小動作によって、伸縮ブーム本体6は、根元寄りの2段目ブーム2、3段目ブーム3、4段目ブーム4、5段目ブーム5の順に縮小し、最終的に図2に示す如き4段に縮小した状態になる。
このように、上記5段式伸縮ブームAにおいては、伸縮ブーム本体6内の根元側の2段伸縮シリンダ7におけるピストンロッド11の基端壁材11cの伸び側圧油供給ポート22又は縮み側圧油供給ポート23から圧油を供給するだけで伸縮ブーム本体6内の2つの2段伸縮シリンダ7,8が共に伸縮動作をし、この伸縮動作によって伸縮ブーム本体6が4段に伸縮するようになっているため、従来の如き先端側の2段伸縮シリンダ8に圧油を供給するための給油ホース及びその巻き取りなどのためのホースリールは必要ではなく、それらを廃止することができ、その結果、付属装置のコストダウン化及び取り付け作業の簡易化などを図ることができる。
しかも、本実施形態の場合、伸縮ブーム本体6の伸長時に先端の5段目ブーム5、4段目ブーム4、3段目ブーム3、2段目ブームの順に伸長し、伸縮ブーム本体6の縮小時に根元寄りの2段目ブーム2、3段目ブーム3、4段目ブーム4、5段目ブーム5の順に縮小するため、伸縮ブーム本体6の伸縮に伴う重心移動を可及的に小さくすることができ、5段式伸縮ブームAを取り付けるクレーンなどの機体の安定化に寄与することができる。
(第2の実施形態)
図8及び図9は本発明の第2の実施形態に係る3段式の伸縮ブームBを示す。この伸縮ブームBは、3段のブームとして大きい順に基本ブーム101、2段目ブーム102及び3段目ブーム103を備え、この3段のブーム101〜103を伸縮自在に順次嵌合させて伸縮ブーム本体104が構成されている。尚、3段式伸縮ブームBの場合、基本ブーム101は基端ブームともいい、2段目ブーム102は中間ブームともいい、3段目ブーム103は先端ブームともいう。
上記伸縮ブーム本体104内には伸縮ブーム本体104を伸縮させるための2つの複動式シリンダとしての1段伸縮シリンダ107,108が配置されている。この1段伸縮シリンダ107,108は、いずれも図10に詳示するように、ピストンロッド111と、このピストンロッド111の先端部に装着されたピストン112と、このピストン112を介在してピストンロッド111の外周に伸縮自在に嵌合するシリンダチューブ113と、このシリンダチューブ113の底部113aとピストンロッド111の先端部及びピストン112との間に形成される伸び側圧力室114と、上記シリンダチューブ113の内周面とピストンロッド111の外周面との間に形成される縮み側圧力室115とを有している。
上記ピストンロッド111は、先端側ロッド111aと基端側ロッド111bとを接合してなり、先端側ロッド111aの中心線上にはピストン112の装着側を小径部116aとする段付きの貫通孔116が形成され、この貫通孔116内にはパイプ117が貫通孔116の小径部116aで嵌合固定して配置されている。そして、このパイプ117の内側によって上記伸び側圧力室114に連通する伸び側油路118が構成されているとともに、パイプ117の外周面と貫通孔116の大径部116bの内周面との間の隙間によって上記縮み側圧力室115に連通ポート119を介して連通する縮み側油路120が構成されている。また、ピストンロッド111の基端側ロッド111bには、上記伸び側油路118ひいては伸び側圧力室114に連通する伸び側圧油供給ポート121と、上記縮み側油路120ひいては縮み側圧力室に115に連通する縮み側圧油供給ポート122とが設けられている。
そして、上記2つの1段伸縮シリンダ107,108は、図8及び図9に示すように、伸縮ブーム本体104内でそれぞれピストンロッド111の基端側(つまり基端側ロッド111b)を伸縮ブーム本体104の根元側に向けた状態でかつ伸縮ブーム本体104の根元側と先端側とに互いの位置がずれた状態に配置されている。根元側の1段伸縮シリンダ107のピストンロッド111の基端部は伸縮ブーム本体104の基本ブーム101に、根元側の1段伸縮シリンダ107のシリンダチューブ113の基端部は伸縮ブーム本体104の2段目ブーム102にそれぞれ結合されているとともに、先端側の1段伸縮シリンダ108のピストンロッド111の基端部は伸縮ブーム本体104の2段目ブーム102に、先端側の1段伸縮シリンダ108のシリンダチューブ113の基端部は伸縮ブーム本体104の3段目ブーム103にそれぞれ結合されており、よって、根元側の1段伸縮シリンダ107のシリンダチューブ113と先端側の1段伸縮シリンダ108のピストンロッド111とは、伸縮ブーム本体104内で軸方向に重なり合った状態で伸縮ブーム本体104の2段目ブーム102に取り付けられて、伸縮ブーム本体104の伸縮時に相対移動不能に設けられている。
上記根元側の1段伸縮シリンダ107のピストンロッド111基端の伸び側圧油供給ポート121及び縮み側圧油供給ポート122に対しては、油圧ポンプ131からの圧油が切換弁132及び油路133、134を介して供給されるようになっている。切換弁132は、油圧ポンプ131からの圧油を油路133を介して伸び側圧油供給ポート121に供給しかつ縮み側圧油供給ポート122からの戻り油をタンク135に戻す第1位置aと、油圧ポンプ131からの圧油を油路134を介して縮み側圧油供給ポート122に供給しかつ伸び側圧油供給ポート121からの戻り油をタンク135に戻す第2位置bと、圧油の給排を遮断する遮断位置cとに切換可能なものである。
また、上記根元側の1段伸縮シリンダ107の伸び側圧力室114は、先端側の1段伸縮シリンダ108のピストンロッド111基端の伸び側圧油供給ポート121に対し、伸縮ブーム本体104内でかつシリンダ107,108外に配置した第1の連通管141を介して連通しているとともに、根元側の1段伸縮シリンダ107の縮み側圧力室115は、先端側の1段伸縮シリンダ108のピストンロッド111基端の縮み側圧油供給ポート122に対し、伸縮ブーム本体104内でかつシリンダ107,108外に配置した第2の連通管142を介して連通している。上記第1の連通管141にはその連通(図で連通位置a)と遮断(図で遮断位置b)とを切り換える電磁切換弁143が設けられている。
さらに、上記伸縮ブームBは、根元側の1段伸縮シリンダ107のシリンダチューブ113と先端側の1段伸縮シリンダ108のピストンロッド111とが取り付けられた伸縮ブーム本体104の2段目ブーム102とこの2段目ブーム102の外側に嵌合する基本ブーム101とが相対移動によって伸長した状態で両ブーム101,102を固定する固定手段150を備えており、この固定手段150は、図9に示す如き伸縮ブーム本体104の2段目ブーム102が基本ブーム101に対し伸長した状態のとき2段目ブーム102の基端部に設けた第1ピン孔151と基本ブーム101の先端部に設けた第2ピン孔152とに伸縮ブーム本体104の外側から挿入される固定ピン153と、この固定ピン153を進退移動させる複動式油圧シリンダ154と、この油圧シリンダ154の第1油圧室155及び第2油圧室156に対し圧油を給排して油圧シリンダ154を駆動させるための油圧回路157とを有してなる。この油圧回路157は、油圧源としての油圧ポンプ161と、この油圧ポンプ161からの圧油を油路162又は163を介して油圧シリンダ154の第1油圧室155及び第2油圧室156のいずれか一方に供給しかつ他方から作動油をタンク164に戻すための電磁切換弁165とを有しており、この電磁切換弁165は、油圧ポンプ161からの圧油を油路162を介して油圧シリンダ154の第1油圧室155に供給しかつ第2油圧室156の作動油をタンク164に戻す第1位置aと、油圧ポンプ161からの圧油を油路163を介して油圧シリンダ154の第2油圧室156に供給しかつ第1油圧室155の作動油をタンク164に戻す第2位置bと、圧油の給排を遮断する遮断位置cとに切換可能なものである。
次に、上記3段式伸縮ブームBの伸縮作動について説明するに、今、図8に示すように、伸縮ブーム本体104が縮小した状態にあり、この伸縮ブーム本体104内の2つの1段伸縮シリンダ107,108は共に縮小状態にある。また、伸縮ブーム本体104内の電磁切換弁143は遮断位置bにあり、伸縮ブーム本体104外の2つの切換弁132,165は共に遮断位置cにあり、固定手段150の油圧シリンダ154は、固定ピン153を伸縮ブーム本体104外に後退させた状態にある。
このような縮小状態から伸縮ブーム本体104を伸長させるときには、先ず、切換弁132を遮断位置cから第1位置aに切り換えると、油圧ポンプ131からの圧油が油路133を通して根元側の1段伸縮シリンダ107のピストンロッド111基端の伸び側圧油供給ポート121に供給され、この伸び側圧油供給ポート121から根元側の1段伸縮シリンダ107において、伸び側油路117を通して伸び側圧力室114に流入する。これにより、根元側の1段伸縮シリンダ107が伸長動作をし、伸縮ブーム本体104は、基本ブーム101に対し2段目ブーム102が伸長する。この2段目ブーム102が所定長さ伸長した状態では2段目ブーム102基端部の第1ピン孔151と基本ブーム101先端部の第2ピン孔152とが一致するが、このとき、上記切換弁132を遮断位置cに戻して2段目ブーム102の伸長を停止した後、固定手段150の油圧回路157の電磁切換弁165を遮断位置cから第1位置aに切り換えると、油圧ポンプ161からの圧油が油路162を介して油圧シリンダ154の第1油圧室155に供給され、この油圧シリンダ154によって固定ピン153が前進移動して上記第1ピン孔151と第2ピン孔152とに挿入され、これにより、伸縮ブーム本体104の基本ブーム101と2段目ブーム102とが伸長した状態で固定される。
続いて、伸縮ブーム本体104内の電磁切換弁143を連通位置aに切り換えることにより、根元側の1段伸縮シリンダ107の伸び側圧力室114と先端側の1段伸縮シリンダ108の伸び側圧力室114とは、第1の連通管141及び先端側の1段伸縮シリンダ108の伸び側油路118を介して連通状態となり、再び切換弁132を第1位置aに切り換えると、油圧ポンプ131からの圧油は、根元側の1段伸縮シリンダ107の伸び側圧力室114を経て、先端側の1段伸縮シリンダ108の伸び側圧力室114に供給される。これにより、先端側の1段伸縮シリンダ108が伸長動作をし、伸縮ブーム本体104は、2段目ブーム102に対し3段目ブーム103が伸長する(図9参照)。このとき、根元側の1段伸縮シリンダ107においても伸長の推力が発生するが、固定手段150の固定ピン153によって2段目ブーム102が更に伸長することはない。
一方、図9に示す如き全伸長状態から伸縮ブーム本体104を縮小させるときには、先ず、伸縮ブーム本体104内の電磁切換弁143を連通位置aに、切換弁132を第2位置bにそれぞれ切り換えると、油圧ポンプ131からの圧油が油路134を通して根元側の1段伸縮シリンダ107のピストンロッド111基端の縮み側圧油供給ポート122に供給され、この縮み側圧油供給ポート122から根元側の1段伸縮シリンダ107において、縮み側油路120を通して縮み側圧力室115に流入する。また、この根元側の1段伸縮シリンダ107の縮み側圧力室115に流入した油圧は、第2の連通管142を介して先端側の1段伸縮シリンダ108のピストンロッド111基端の縮み側圧油供給ポート122に供給され、この縮み側圧力供給ポート122から更に先端側の1段伸縮シリンダ108において、縮み側油路120を通して縮み側圧力室115に流入する。この圧油の流入と同時に、先端側の1段伸縮シリンダ108の伸び側圧力室114の作動油は、先端側の1段伸縮シリンダ108の伸び側油路118、第1の連通管141、根元側の1段伸縮シリンダ107の伸び側圧力室114、伸び側油路118及び油路133を通してタンク135に戻る。これにより、先端側の1段伸縮シリンダ108が縮小作動をし、伸縮ブーム本体104の3段目ブーム103が縮小する。このとき、根元側の1段伸縮シリンダ107においても縮小の推力が発生するが、固定手段150の固定ピン153によって2段目ブーム102が伸長状態に固定されていることから、根元側の1段伸縮シリンダ107が縮小作動をすることはない。
続いて、伸縮ブーム本体104内の電磁切換弁143を遮断位置bに戻し、固定手段150の油圧回路157の電磁切換弁165を第2位置bに切り換える。すると、固定手段150の油圧ポンプ161からの圧油が油路163を介して油圧シリンダ154の第2油圧室156に供給され、この油圧シリンダ154によって固定ピン153が後退移動することにより、固定ピン153による2段目ブーム102の伸長状態での固定が解除される。この解除に伴い、上述した根元側の1段伸縮シリンダ107で発生する縮小の推力によって当該伸縮シリンダ107が縮小作動をし、伸縮ブーム本体104の2段目ブーム102が縮小する。
このように、上記3段式伸縮ブームBにおいては、伸縮ブーム本体104内の2つの1段伸縮シリンダ107,108の伸び側圧力室114同士及び縮み側圧力室115同士がそれぞれ第1の連通管141及び第2の連通管142を介して連通され、油圧ポンプ131からの圧油を根元側の1段伸縮シリンダ104のピストンロッド111基端の伸び側圧油供給ポート121又は縮み側圧油供給ポート122に供給するだけで2つの1段伸縮シリンダ107,108が共に伸縮動作をし、この伸縮動作によって伸縮ブーム本体104が伸縮するようになっているため、従来の如き先端側の複動式シリンダに圧油を供給するための給油ホース及びその巻き取りなどのためのホースリールを廃止することができ、付属装置のコストダウン化及び取り付け作業の簡易化などを図ることができる。
その上、本実施形態の場合、上記第1の連通管141に設けた電磁切換弁143の連通位置aと遮断位置bの切り換えと、固定手段150の固定ピン153による伸縮ブーム本体104の基本ブーム101と2段目ブーム102との伸長状態での固定と解除の切り換えとによって、伸縮ブーム本体104の伸長時に始め2段目ブーム102のみが伸長し、その後3段目ブーム103が伸長する一方、伸縮ブーム本体104の縮小時に始め3段目ブーム103のみが縮小し、その後2段目ブーム102が縮小するようになっているため、2段目ブーム102と3段目ブーム103とが同時に伸縮して重量変動が急減に変化するのを未然に防止できる。その結果、伸縮ブームBを取り付けるクレーンなどの機体の安定化に寄与できるという効果をも奏する。
尚、本実施形態の場合、固定手段150の油圧回路157を伸縮ブーム本体104外に配置したことから、油路162,163を構成する給油ホースなどを伸縮ブーム本体104外に設ける必要があるが、この給油ホースは、伸縮ブーム本体104の基本ブーム101の基端から先端に亘って設けるだけであるため、ホースリールを必要とすることはない。
(第3の実施形態)
図11及び図12は本発明の第3の実施形態に係る4段式の伸縮ブームCを示す。この伸縮ブームCは、4段のブームとして大きい順に基本ブーム201、2段目ブーム202、3段目ブーム203及び4段目ブーム204を備え、この4段のブーム201〜204を伸縮自在に順次嵌合させて伸縮ブーム本体205が構成されている。尚、4段式伸縮ブームCの場合、基本ブーム201は基端ブームともいい、2段目ブーム202及び3段目ブーム203は共に中間ブームともいい、4段目ブーム204は先端ブームともいう。
上記伸縮ブーム本体205内には伸縮ブーム本体205を伸縮させるための2つの複動式シリンダ207,208が配置されている。この2つの複動式シリンダ207,208のうち、1つの複動式シリンダ208は1段伸縮シリンダであって、その構成は、第2の実施形態における1段伸縮シリンダ107,108のそれと同じであり、同一の部材・部位には同一の符号を付してその説明は省略する。
一方、残り1つの複動式シリンダ207は、複動式多段シリンダとしての2段伸縮シリンダであって、図13に詳示するように、ピストンロッド211と、このピストンロッド211の外周に同心状にかつ伸縮自在に順次嵌合する内外2つのシリンダチューブ212,213と、この各シリンダチューブ212,213の底部212a,213aとその内側に嵌合するシリンダチューブ212又はピストンロッド211の先端面との間にそれぞれ形成される2つの伸び側圧力室214,215と、上記各シリンダチューブ212,213の内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブ212又はピストンロッド211の外周面との間にそれぞれ形成される2つの縮み側圧力室216,217とを有している。以下、2つのシリンダチューブ212,213を区別して呼ぶ場合、外側のシリンダチューブ213を第1シリンダチューブといい、内側のシリンダチューブ212を第2シリンダチューブという。また、2つの伸び側圧力室214,215を区別して呼ぶ場合、第1シリンダチューブ213の底部213aと第2シリンダチューブ212の先端面(底部212aの外側底面)との間に形成される伸び側圧力室215を第1伸び側圧力室といい、第2シリンダチューブ212の底部212aとピストンロッド211の先端面との間に形成される伸び側圧力室214を第2伸び側圧力室という。さらに、2つの縮み側圧力室216,217を区別して呼ぶ場合、第1シリンダチューブ213の内周面と第2シリンダチューブ212の外周面との間に形成される縮み側圧力室217を第1縮み側圧力室といい、第2シリンダチューブ212の内周面とピストンロッド211の外周面との間に形成される縮み側圧力室216を第2縮み側圧力室という。
上記第1伸び側圧力室215と第2伸び側圧力室214は、第2シリンダチューブ212の底部212aにより油密的に遮断することで互いに非連通状態に設けられている。一方、上記第1縮み側圧力室217と第2縮み側圧力室216は、第1シリンダチューブ213の基端部に設けた連通ポート221と第2シリンダチューブ212の基端部に設けた連通ポート222との間に配置された外部連通管路223を介して、互いに連通状態に設けられている。
上記ピストンロッド211には、上記第1伸び側圧力室215と連通するための第1油路225と、上記第2伸び側油圧室214に連通する第2油路226と、上記第2縮み側圧力室216に連通する第3油路227とが互いに非連通状態に独立して形成されているとともに、上記第2シリンダチューブ212の底部212aには上記第1油路225を第1伸び側油圧室215に連通させるための連通管路228が一体成形又は別体で設けられている。この連通管路228は、その一端側がピストンロッド211の先端部を構成するピストン部211aに貫通して設けた挿入穴229を通して上記第1油路225内に挿入されていて、ピストンロッド211と第2シリンダチューブ212とが相対的に伸縮動作をするときその伸縮動作に追従して上記連通管路228の第1油路225内への挿入長さが自在に変化するようになっている。
上記ピストンロッド211は中空の円筒状に形成されており、このピストンロッド211の中空部内にはその中心軸を同心として内側パイプ231と外側パイプ232とが二重管状に設けられ、この内側パイプ231内は上記第1油路225を、内側パイプ231と外側パイプ232との間の隙間は上記第2油路226を、外側パイプ232とピストンロッド211の内周面との間は上記第3油路227をそれぞれ構成している。第2油路226は、ピストンロッド211のピストン部211aに形成した連通穴233を介して第2伸び側圧力室214に連通しており、第3油路227は、ピストンロッド211の外周面のピストン部211a側部位に設けた連通穴234を介して第2縮み側圧力室216に連通している。また、ピストンロッド211の基端部には、上記第1油路225ひいては第1伸び側圧力室215に連通する第1伸び側圧油供給ポート236と、上記第2油路226ひいては第2伸び側圧力室214に連通する第2伸び側圧油供給ポート237と、上記第3油路227ひいては縮み側圧力室216,217に連通する縮み側圧油供給ポート238とが設けられている。
そして、上記2つの複動式シリンダ207,208は、図11及び図12に示すように、伸縮ブーム本体205内でそれぞれピストンロッド211,111の基端側を伸縮ブーム本体205の根元側に向けた状態でかつ伸縮ブーム本体205の根元側と先端側とに互いの位置がずれた状態に配置されており、2段伸縮シリンダよりなる複動式シリンダ207は伸縮ブーム本体205の根元側に、1段伸縮シリンダよりなる複動式シリンダ208は伸縮ブーム本体205の先端側にそれぞれ位置している。根元側の複動式シリンダ207のピストンロッド211の基端部は伸縮ブーム本体205の基本ブーム201に、根元側の複動式シリンダ207の第2シリンダチューブ212の基端部は伸縮ブーム本体205の2段目ブーム202に、根元側の複動式シリンダ207の第1シリンダチューブ213の基端部は伸縮ブーム本体205の3段目ブーム203にそれぞれ結合されているとともに、先端側の複動式シリンダ208のピストンロッド111の基端部は伸縮ブーム本体205の3段目ブーム203に、先端側の複動式シリンダ208のシリンダチューブ113の基端部は伸縮ブーム本体205の4段目ブーム204にそれぞれ結合されており、よって、根元側の複動式シリンダ207の第1シリンダチューブ213と先端側の複動式シリンダ208のピストンロッド111とは、伸縮ブーム本体205内で軸方向に重なり合った状態で伸縮ブーム本体205の3段目ブーム203に取り付けられて、伸縮ブーム本体205の伸縮時に相対移動不能に設けられている。
上記根元側の複動式シリンダ207のピストンロッド211基端の第1伸び側圧油供給ポート236、第2伸び側圧油供給ポート237及び縮み側圧油供給ポート238に対しては、油圧ポンプ241からの圧油が第1切換弁242、第2切換弁243及び油路244,245,246を介して供給されるようになっている。第1切換弁242は、油圧ポンプ241からの圧油を第2切換弁243及び油路244,245を介して第1伸び側圧油供給ポート236又は第2伸び側圧油供給ポート237に供給しかつ縮み側圧油供給ポート238からの戻り油をタンク247に戻す第1位置aと、油圧ポンプ241からの圧油を油路246を介して縮み側圧油供給ポート238に供給しかつ第1伸び側圧油供給ポート236又は第2伸び側圧油供給ポート237からの戻り油をタンク247に戻す第2位置bと、圧油の給排を遮断する遮断位置cとに切換可能なものであり、第2切換弁243は、この第1切換弁242を通して供給される油圧ポンプ241からの圧油を第1伸び側圧油供給ポート236に供給する第1位置aと、第2伸び側圧油供給ポート237に供給する第2位置bとに切換可能なものである。
また、上記根元側の複動式シリンダ207の第1伸び側圧力室215は、先端側の複動式シリンダ208のピストンロッド111基端の伸び側圧油供給ポート121に対し、伸縮ブーム本体205内でかつシリンダ207,208外に配置した第1の連通管251を介して連通しているとともに、根元側の複動式シリンダ207の第1縮み側圧力室217は、先端側の複動式シリンダ208のピストンロッド111基端の縮み側圧油供給ポート122に対し、一端が上記外部連通管路223に接続されかつ伸縮ブーム本体205内に配置した第2の連通管252を介して連通している。上記第1の連通管251にはその連通(図で連通位置a)と遮断(図で遮断位置b)とを切り換える電磁切換弁253が設けられている。
さらに、上記伸縮ブームCは、根元側の複動式シリンダ207の第1シリンダチューブ213と先端側の複動式シリンダ208のピストンロッド111とが取り付けられた伸縮ブーム本体205の3段目ブーム203とこの3段目ブーム203の外側に嵌合する2段目ブーム202とが相対移動によって伸長した状態で両ブーム202,203を固定する固定手段260を備えており、この固定手段260は、図12に示す如き伸縮ブーム本体205の3段目ブーム203が2段目ブーム202に対し伸長した状態のとき3段目ブーム203の基端部に設けた第1ピン孔261と2段目ブーム202の先端部に設けた第2ピン孔262とに伸縮ブーム本体205の内側から挿入される固定ピン263と、この固定ピン263を進退移動させる複動式油圧シリンダ264と、この油圧シリンダ264の第1油圧室265及び第2油圧室266に対し圧油を給排して油圧シリンダ264を駆動させるための油圧回路267とを有してなる。この油圧回路267は、一端が上記第1の連通管251の電磁切換弁253より上流位置に接続された供給油路271と、一端が根元側の複動式シリンダ207の第1縮み側圧力室217に接続された戻し油路272と、上記供給油路271及び戻し油路272と上記油圧シリンダ264の第1油圧室265及び第2油圧室266との連通及び遮断状態を切り換える電磁切換弁273とを有しており、この電磁切換弁273は、供給油路271を油圧シリンダ264の第1油圧室265に、戻し油路272を油圧シリンダ264の第2油圧室266にそれぞれ連通させる第1位置aと、供給油路271を逆に油圧シリンダ264の第2油圧室266に、戻し油路272を油圧シリンダ264の第1油圧室265にそれぞれ連通させる第2位置bと、連通状態を一切遮断する遮断位置cとに切換可能なものである。
次に、上記4段式伸縮ブームCの伸縮作動について説明するに、今、図11に示すように、伸縮ブーム本体205が縮小した状態にあり、この伸縮ブーム本体205内の2つの複動式シリンダ207,208は共に縮小状態にある。また、伸縮ブーム本体205内の電磁切換弁253は遮断位置bにあり、伸縮ブーム本体104外の2つの切換弁242,243のうち、第1切換弁242は遮断位置cにあり、第2切換弁243は第2位置bにある。さらに、固定手段260の油圧シリンダ267は、固定ピン263を後退させた状態にあり、その油圧回路267の電磁切換弁273は遮断位置cにある。
このような縮小状態から伸縮ブーム本体205を伸長させるときには、先ず、第1切換弁242を遮断位置cから第1位置aに切り換えると、油圧ポンプ241からの圧油が第1切換弁242,第2切換弁243及び油路245を介して根元側の複動式シリンダ207のピストンロッド211基端の第2伸び側圧油供給ポート237に供給され、この第2伸び側圧油供給ポート237から根元側の複動式シリンダ207において、第2油路226を介して第2伸び側圧力室214に流入する。これにより、根元側の複動式シリンダ207の第2シリンダチューブ212がそのピストンロッド211に対し伸長動作をし、伸縮ブーム本体205は、基本ブーム201に対し2段目ブーム202が伸長する。
2段目ブーム202が伸長した後、第2切換弁243を第2位置bから第1位置aに切り換えると、油圧ポンプ241からの圧油は、第1切換弁242、第2切換弁243及び油路244を介して根元側の複動式シリンダ207のピストンロッド211基端の第1伸び側圧油供給ポート236に供給され、この第1伸び側圧油供給ポート236から根元側の複動式シリンダ207において、第1油路225を通して第1伸び側圧力室215に流入する。これにより、根元側の複動式シリンダ207の第1シリンダチューブ213が第2シリンダチューブ212に対し伸長動作をし、伸縮ブーム本体205は、3段目ブーム203が2段目ブーム202に対し伸長する。
そして、上記3段目ブーム203が所定長さ伸長した状態では3段目ブーム203基端部の第1ピン孔261と2段目ブーム202先端部の第2ピン孔262とが一致するが、このとき、上記第1切換弁242を第1位置aにしたまま固定手段260の油圧回路267の電磁切換弁273を遮断位置cから第1位置aに切り換えると、根元側の複動式シリンダ207の第1伸び側圧力室215内からその作動油である圧油が油圧回路267の供給油路271及び電磁切換弁273を介して油圧シリンダ264の第1油圧室265に供給されるとともに、油圧シリンダ264の第2油圧室266から戻り油が油圧回路267の電磁切換弁273及び戻し油路272を介して根元側の複動式シリンダ207の第1縮み側圧力室217に戻されることにより、油圧シリンダ264によって固定ピン263が前進移動して上記第1ピン孔261と第2ピン孔262とに挿入される。これにより、伸縮ブーム本体205の2段目ブーム202と3段目ブーム203とが伸長した状態で固定される。
続いて、伸縮ブーム本体205内の電磁切換弁253を連通位置aに切り換えることにより、根元側の複動式シリンダ207の第1伸び側圧力室215と先端側の複動式シリンダ208の伸び側圧力室114とは、第1の連通管251及び先端側の複動式シリンダ208の伸び側油路118を介して連通状態となり、再び第1切換弁242を第1位置aに切り換えると、油圧ポンプ241からの圧油は、根元側の複動式シリンダ207の第1伸び側圧力室215を経て、先端側の複動式シリンダ208の伸び側圧力室114に供給される。これにより、先端側の複動式シリンダ208が伸長動作をし、伸縮ブーム本体205は、3段目ブーム203に対し4段目ブーム204が伸長する(図12参照)。
一方、図12に示す如き全伸長状態から伸縮ブーム本体205を縮小させるときには、先ず、伸縮ブーム本体205内の電磁切換弁253を連通位置aに、第1切換弁242を第2位置bに、第2切換弁243を第1位置aにそれぞれ切り換えると、油圧ポンプ241からの圧油は、第1切換弁242及び油路246を介して根元側の複動式シリンダ207のピストンロッド211基端の縮み側圧油供給ポート238に供給され、この縮み側圧油供給ポート238から根元側の複動式シリンダ207において、第3油路227を通して第2縮み側圧力室216に流入し、この第2縮み側圧力室216から更に外部連通管路223を介して第1縮み側圧力室217に流入する。また、この根元側の複動式シリンダ207の第1縮み側圧力室217に流入した油圧は、外部連通管路223及び第2の連通管252を介して先端側の複動式シリンダ208のピストンロッド111基端の縮み側圧油供給ポート122に供給され、この縮み側圧力供給ポート122から更に先端側の複動式シリンダ208において、縮み側油路120を通して縮み側圧力室115に流入する。この圧油の流入と同時に、先端側の複動式シリンダ208の伸び側圧力室114の作動油は、先端側の複動式シリンダ208の伸び側油路118、第1の連通管251、根元側の複動式シリンダ207の第1伸び側圧力室215、第1油路225及び油路244を介してタンク247に戻る。これにより、先端側の複動式シリンダ208が縮小作動をし、伸縮ブーム本体205の4段目ブーム204が縮小する。このとき、根元側の複動式シリンダ207においても縮小の推力が発生するが、固定手段260の固定ピン263によって3段目ブーム203が伸長状態に固定されていることから、根元側の複動式シリンダ207が縮小作動をすることはない。
続いて、伸縮ブーム本体205内の電磁切換弁253を遮断位置bに戻し、固定手段260の油圧回路267の電磁切換弁273を第2位置bに切り換える。すると、根元側の複動式シリンダ207の第1伸び側圧力室215からその作動油である圧油が油圧回路267の供給油路271及び電磁切換弁273を介して油圧シリンダ264の第2油圧室266に供給されるとともに、油圧シリンダ264の第1油圧室265から戻り油が油圧回路267の電磁切換弁273及び戻し油路272を介して根元側の複動式シリンダ207の第1縮み側圧力室217に戻されることにより、油圧シリンダ264が固定ピン263を後退移動させ、この固定ピン263による3段目ブーム203の伸長状態での固定が解除される。この解除に伴い、上述した根元側の複動式シリンダ207で発生する縮小の推力によって、当該シリンダ207の第1シリンダチューブ213が第2シリンダチューブ212に対し縮小作動をし、伸縮ブーム本体205の3段目ブーム203が縮小する。
この3段目ブーム203が縮小した後、第2切換弁243を第2位置bに切り換えると、根元側の複動式シリンダ207の第2シリンダチューブ212がピストンロッド211に対し縮小動作をし、伸縮ブーム本体206は、その2段目ブーム3が縮小し、図11に示す縮小状態になる。
このように、上記4段式伸縮ブームCにおいては、伸縮ブーム本体205内の2つの複動式シリンダ207,208の伸び側圧力室215,114同士及び縮み側圧力室217,115同士がそれぞれ第1の連通管251及び第2の連通管252を介して連通され、油圧ポンプ241からの圧油を根元側の複動式シリンダ207のピストンロッド211基端の伸び側圧油供給ポート236,237又は縮み側圧油供給ポート238に供給するだけで2つの複動式シリンダ207,208が共に伸縮動作をし、この伸縮動作によって伸縮ブーム本体205が伸縮するようになっているため、従来の如き先端側の複動式シリンダに圧油を供給するための給油ホース及びその巻き取りなどのためのホースリールを廃止することができ、付属装置のコストダウン化及び取り付け作業の簡易化などを図ることができる。
その上、本実施形態の場合、上記第1の連通管251に設けた電磁切換弁253の連通位置aと遮断位置bの切り換えと、固定手段260の固定ピン263による伸縮ブーム本体205の2段目ブーム202と3段目ブーム203との伸長状態での固定と解除の切り換えとの組み合わせなどによって、伸縮ブーム本体205の伸長時に2段目ブーム202、3段目ブーム203、4段目ブーム204の順番で伸長する一方、伸縮ブーム本体205の縮小時に逆の順番で縮小するようになっているため、3つのブーム202〜204が同時に伸縮して重量変動が急減に変化するのを未然に防止できる。その結果、伸縮ブームCを取り付けるクレーンなどの機体の安定化に寄与できるという効果をも奏する。
さらに、上記固定手段260の固定ピン263及び油圧シリンダ264は、伸縮ブーム本体205の内側に設けられているため、これらを保護するための部材を特に必要としない。また、油圧シリンダ264の油圧回路267は、圧油を根元側の複動式シリンダ207の第1伸び側油圧室215から油圧シリンダ264に供給しかつ油圧シリンダ264からの戻り油を根元側の複動式シリンダ207の第1縮み側油圧室217に戻すようになっているため、専用の圧油源としての油圧ポンプを省略することができるとともに、電磁切換弁273を含めた油圧回路267の構成を比較的簡易なものにすることができる。これらのことから、コスト面などで実施化を容易に図ることができる。
尚、本発明は上記第1ないし第3の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記第1の実施形態では、根元側の2段伸縮シリンダ7の外側のシリンダチューブ13と先端側の2段伸縮シリンダ8のピストンロッド11を、共に伸縮ブーム本体6の3段目ブーム3に結合することで伸縮ブーム本体6の伸縮時に相対移動不能に設けたが、本発明は、場合によっては、根元側の2段伸縮シリンダ7の外側のシリンダチューブ13と先端側の2段伸縮シリンダ8のピストンロッド11とを直接結合することで伸縮ブーム本体6の伸縮時に相対移動不能に設けるようにしてもよい。
また、2つの複動式シリンダとしては、上記第1の実施形態では共に2段伸縮シリンダ7,8を用い、第2の実施形態では共に1段伸縮シリンダ107,108を用い、更に第3の実施形態では2段伸縮シリンダ207と1段伸縮シリンダ208を用いた場合について述べたが、本発明は、これらの場合に限らず、例えば3段伸縮シリンダ以上の多段シリンダを用いた場合にも同様に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る5段式伸縮ブームの伸長状態の縦断側面図である。 同じく縮小状態の縦断側面図である。 上記伸縮ブームに装備の2段伸縮シリンダの縦断側面図である。 図3の左側部分の拡大図である。 図3の右側部分の拡大図である。 図5のX−X線における拡大断面図である。 根元側の2段伸縮シリンダの圧縮室と先端側の2段伸縮シリンダの圧油供給ポートとの連通構造を示す縦断側面図である。 第2の実施形態に係る3段式伸縮ブームの縮小状態の構成図である。 同じく伸長状態の構成図である。 上記伸縮ブームに装備の1段伸縮シリンダの縦断面図である。 第3の実施形態に係る4段式伸縮ブームの縮小状態の構成図である。 同じく伸長状態の構成図である。 上記伸縮ブームに装備の2段伸縮シリンダの縦断側面図である。 従来例を示す図1相当図である。 同じく図2相当図である。
符号の説明
A,B,C 伸縮ブーム
1,101,201 基本ブーム
2,102,202 2段目ブーム
3,103,203 3段目ブーム
4,204 4段目ブーム
5 5段目ブーム
6,104,205 伸縮ブーム本体
7,8 2段伸縮シリンダ(複動式多段シリンダ)
11,111,211 ピストンロッド
12,13,113,212,213 シリンダチューブ
12a,13a,113a,212a,213a 底部
14,15,114,214,215 伸び側圧力室
16,17,115,216,217 縮み側圧力室
22,121,236,237 伸び側圧力供給ポート
23,122,238 縮み側圧力供給ポート
63,141,251 第1の連通管
65,142,252 第2の連通管
107,108 1段伸縮シリンダ(複動式シリンダ)
143,253 電磁切換弁
150,260 固定手段
151,261 第1ピン孔
152,262 第2ピン孔
153,263 固定ピン
154,264 油圧シリンダ
157,267 油圧回路
207,208 複動式シリンダ

Claims (7)

  1. 複数段のブームを伸縮自在に順次嵌合させてなる伸縮ブーム本体と、この伸縮ブーム本体を伸縮させるために伸縮ブーム本体内に配置された2つの複動式多段シリンダとを備え、上記各複動式多段シリンダは、ピストンロッドと、このピストンロッドの外周に同心状にかつ伸縮自在に順次嵌合する複数のシリンダチューブと、この各シリンダチューブの底部とその内側に嵌合するシリンダチューブ又はピストンロッドの先端面との間にそれぞれ形成される複数の伸び側圧力室と、上記各シリンダチューブの内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブ又はピストンロッドの外周面との間にそれぞれ形成される複数の縮み側圧力室と、上記ピストンロッドの基端に設けられ、上記各伸び側圧力室に連通する伸び側圧油供給ポートと、上記ピストンロッドの基端に設けられ、上記各縮み側圧力室に連通する縮み側圧油供給ポートとを有してなる伸縮ブームにおいて、
    上記2つの複動式多段シリンダは、伸縮ブーム本体内でそれぞれピストンロッドの基端を伸縮ブーム本体の根元側に向けた状態でかつ伸縮ブーム本体の根元側と先端側とに互いの位置がずれた状態で配置されているとともに、根元側の複動式多段シリンダの最も外側のシリンダチューブと先端側の複動式多段シリンダのピストンロッドとは、伸縮ブーム本体内で軸方向に重なり合いかつ伸縮ブーム本体の伸縮時に相対移動不能に設けられており、
    上記根元側の複動式多段シリンダにおける最も外側のシリンダチューブの底部とその内側に嵌合するシリンダチューブとの間に形成される伸び側圧力室は、先端側の複動式多段シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートに第1の連通管を介して連通しているとともに、上記根元側の複動式多段シリンダにおける最も外側のシリンダチューブの内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブの外周面との間に形成される縮み側圧力室は、先端側の複動式多段シリンダのピストンロッド基端の縮み側圧油供給ポートに第2の連通管を介して連通していることを特徴とする伸縮ブーム。
  2. 上記各複動式多段シリンダの複数の伸び側圧力室は、外側のもの程断面積が大きく設定されており、先端側の複動式多段シリンダにおける最も内側の伸び側圧力室の断面積は、根元側の複動式多段シリンダにおける最も外側の伸び側圧力室の断面積よりも大きく設定されている請求項1記載の伸縮ブーム。
  3. 基端ブームと先端ブームとの間に1つ又は複数の中間ブームを配置しかつこれらのブームを伸縮自在に順次嵌合させてなる伸縮ブーム本体と、この伸縮ブーム本体を伸縮させるために伸縮ブーム本体内に配置された2つの複動式シリンダとを備え、上記各複動式シリンダは、ピストンロッドと、このピストンロッドの外周に伸縮自在に嵌合するシリンダチューブと、このシリンダチューブの底部に形成される伸び側圧力室と、上記シリンダチューブの内周面に面して形成される縮み側圧力室と、上記ピストンロッドの基端に設けられ、上記伸び側圧力室に連通する伸び側圧油供給ポートと、上記ピストンロッドの基端に設けられ、上記縮み側圧力室に連通する縮み側圧油供給ポートとを有してなる伸縮ブームにおいて、
    上記2つの複動式シリンダは、伸縮ブーム本体内でそれぞれピストンロッドの基端を伸縮ブーム本体の根元側に向けた状態でかつ伸縮ブーム本体の根元側と先端側とに互いに位置がずれた状態で配置されているとともに、根元側の複動式シリンダのシリンダチューブと先端側の複動式シリンダのピストンロッドとは、伸縮ブーム本体内で軸方向に重なり合った状態で伸縮ブーム本体の中間ブームに取り付けられており、
    上記根元側の複動式シリンダの伸び側圧力室は、先端側の複動式シリンダのピストンロッド基端の伸び側圧油供給ポートに第1の連通管を介して連通しているとともに、上記根元側の複動式シリンダの縮み側圧力室は、先端側の複動式シリンダのピストンロッド基端の縮み側圧油供給ポートに第2の連通管を介して連通していることを特徴とする伸縮ブーム。
  4. 上記2つの複動式シリンダのうち少なくとも1つが複動式多段シリンダであって、この複動式多段シリンダは、上記ピストンロッドの外周に同心状にかつ伸縮自在に順次嵌合する複数のシリンダチューブと、この各シリンダチューブの底部とその内側に嵌合するシリンダチューブ又はピストンロッドの先端面との間にそれぞれ形成される複数の伸び側圧力室と、上記各シリンダチューブの内周面とその内側に嵌合するシリンダチューブ又はピストンロッドの外周面との間にそれぞれ形成される複数の縮み側圧力室とを有している請求項3記載の伸縮ブーム。
  5. 上記第1の連通管にはその連通と遮断を切り換える切換弁が設けられている請求項3又は4記載の伸縮ブーム。
  6. 上記根元側の複動式シリンダのシリンダチューブと先端側の複動式シリンダのピストンロッドとが取り付けられた伸縮ブーム本体の中間ブームとこの中間ブームの外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームとが相対移動によって伸長した状態で両ブームを固定する固定手段を更に備えた請求項3〜5のいずれか一つに記載の伸縮ブーム。
  7. 上記固定手段は、根元側の複動式シリンダのシリンダチューブと先端側の複動式シリンダのピストンロッドとが取り付けられた伸縮ブーム本体の中間ブームの基端部に設けたピン孔と上記中間ブームの外側に嵌合する中間ブーム又は基端ブームの先端部に設けたピン孔とに伸縮ブーム本体の内側から挿入される固定ピンと、この固定ピンを進退移動させる油圧シリンダと、この油圧シリンダを駆動させるための圧油を根元側の複動式シリンダの伸び側油圧室から供給しかつ上記油圧シリンダからの戻り油を根元側の複動式シリンダの縮み側油圧室に戻す油圧回路とを有してなる請求項6記載の伸縮ブーム。
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